JP3931288B2 - レーザマーキング装置およびマーキング方法 - Google Patents

レーザマーキング装置およびマーキング方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は液晶又はプラズマディスプレイ等に使用されるガラス基板等のレーザ光線透過体にレーザ光線を用いてマーキングする装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、マーキング装置に付設されている除塵装置としては、フードで吸引する方式のもの(特開平9−248692号)や洗浄用の帯状布により拭き取る拭取り方式(特開平7−227685号)またはレーザ照射によって蒸発・気化させる気化方式(特開平5−220588号)などが提案されている。
また、液晶又はプラズマディスプレイ等に使用されるガラス基板等に製品番号、バーコード、2次元コード等をマーキングする方法として特願平09−068596に記載した方法がある。この方法は、文字、図形若しくは記号のパターンが形成される透明体又はレーザ光線透過体からなる被マーキング材と、金属、合金、金属間化合物若しくは金属化合物又は金属、合金、金属間化合物若しくは金属化合物を少なくとも1つを含む複合物からなるマーキング材と、前記被マーキング材と前記マーキング材とを合わせ、前記被マーキング材を通して前記マーキング材にレーザ光線を照射し、前記マーキング材を蒸発させ前記被マーキング材に付着させ膜を形成する第1工程と、その後前記レーザ光線によって所定の条件で走査しながら照射し付着した膜の一部を打ち抜く第2工程とによって文字、図形若しくは記号のパターンを形成するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、従来のマーキング装置では、マーキング材と被マーキング材との間またはマーキング材とマーキング材を取り囲むケースとの間等の微小な隙間に存在する塵が除去できなかったり、また、マーキング方法を実現するレーザマーキング装置では、第1工程で、YAGレーザ等のレーザ光線が、例えば金属のマーキング材に照射されると加熱され微粒子となってマーキング材から飛散し、飛散した微粒子は空気中の酸素と結合し酸化物を形成して被マーキング材例えばガラス基板に付着する。付着する微粒子のうちレーザ光線によって発生するプラズマ内にある微粒子はプラズマの熱によって加熱され、ガラス基板に膜として強固に付着する。一方、飛散した微粒子のうちプラズマ内の滞在時間が短い微粒子はガラスへの付着力が弱く、遊離することがあり、マーキング材と被マーキング材(ガラス)の間を漂い、発塵源となる。また、第2工程で、打ち抜かれた膜は微粒子となって被マーキング材又はマーキング材周辺に漂う。このように発生したパーティクルは、後の工程でフォトリソグラフィ等の手法によってガラス基板上に形成される微細な電極パターンに断線等の不良を引き起こすことがある。
そこで、本発明は発生したパーティクルを効果的に除去できる高性能のマーキング装置とパーティクルのないマーキング方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明は被マーキング材の面とマーキング材の面とを合わせ、前記マーキング材に前記レーザ光線を第1のレーザパワーで照射して前記マーキング材を蒸発させ前記被マーキング材の所定部分に前記マーキング材からなる付着物を塗りつぶして付着させる第1工程と、前記付着物に前記被マーキング材を通して第2のレーザパワーで前記レーザ光線を照射して前記付着物の一部を除去する第2工程とによって被マーキング材に文字、図形若しくは記号のパターンを形成するマーキング方法において、前記第2工程は前記付着物の一部を除去してパターンを形成する前に、前記所定部分の付着物の周辺に前記被マーキング材を通してレーザ光線を照射して前記被マーキング材上にあるパーティクルを脱落させて除去するものである。
【0005】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図を用いて詳細に説明する。
(第1実施例)
本発明の第1実施例は、除塵機構として吸引機構を用いたレーザマーキング装置である。
図1は第1実施例のレーザマーキング装置を示した断面図、図2は図1のマーキング材周辺部分の斜視図である。図において、1はガラス基板、2はマーキング材、3は除塵のための吸引機構、4は吸引路、5はマーキングテーブル、6はマーキング材を移動する移動機構(スライダ)、11はレーザ発振源、10はスキャナ部からなるレーザ光源、13はマーキング材ケース、15はギャップセンサである。なお、7は移動機構6を取りつける固定具、8は固定具7に取りつけられ移動機構6を駆動するモータ、9は固定具7を固定する架台である。また、レーザ発振源11としてYAGレーザを用いた。
吸引機構3はマーキングテーブル5の上にマーキング材ケース13を設け、このマーキング材ケース13中にマーキング材2を設置している。マーキング材2はその底面、すなわちマーキングする面の反対面でマーキング材ケース13に接している。さらに、マーキング材の側面とマーキング材ケースとは約2mm程度の間隙をもつ吸引路4を有する。吸引口3bはマーキング材ケース13の外周側面に接続され、マーキング材2とマーキング材ケース13との間隙につながっている。図示していない吸引機を動作させると、マーキング材2の上部にある空気はマーキング材2とマーキング材ケース13との間隙から吸引口3bを経て吸引機に吸引される。
マーキングのプロセスを図3により説明する。図3はマーキング材周辺を示す断面図で、図3(a)はマーキングの第一工程を示し、図3(b)は、マークMの一部を除去する第二工程を示している。図3(a)では、マーキング材2をガラス基板1に20〜100μm、好ましくは50μmのギャップを介して近づけ、レーザ光線LBを走査しながらマーキング材2(本実施例では、マーキング材はFe−Cr合金)に照射して塗りつぶしのマークMを形成する。レーザ光線LBを照射しているときに、図示していない吸引機を稼働させると矢印Cの方向に空気が吸引され、これに伴い、マーキング材周辺の空気が矢印A、矢印Bのように間隙を通過ながら吸引され同時にマーキング中に発生するパーティクルも吸引される。図3(b)は、スライダ6によってマーキング材2をガラス基板1から約10mm離した後、図3(a)の工程で形成した塗りつぶしマークMにレーザ光線LBを所定の文字、図形若しくは記号になるように走査しながら照射して塗りつぶしたマークMの一部を除去する。このマークMの一部を除去する過程において、除去されたマークはパーティクルとなってマーキング材2の周辺に漂い、吸引機構3が動作すると矢印A1、A2、B1及びB2に示す方向に吸引される。しかも、マーキング材2の上部の空気は、矢印A2及びB2の方向からも吸引されると考えられ、マーキング材2の上部は乱流が発生し、単に除去されたパーティクルを除去するのみならず、ガラス基板1及びマーキング材2に付着しているパーティクルも効果的に除去できる。
つぎに、マーキング後、ガラス基板1から発生するパーティクルの量を計測して除塵の効果を調べた。
パーティクルの計量は、長さ100mm、幅20mm、厚さ2mmのガラス板に長さ60mm、幅10mmのバーコード(ナロー幅:0.2mm、16文字相当)を形成し、ガラス板を電子工業用エタノールに浸し、パーティクルをガラス基板から遊離させ、さらに電子工業用エタノールを加え適度に希釈し、希釈後の電子工業用エタノール中に存在するパーティクルの個数をレーザ側方散乱方式の液中パーティクルカウンタで計測した。なお、パーティクルは0.3μm以下、0.5μm以下(0.3〜0.5μm)、0.7μm以下(0.5〜0.7μm)、1.0μm以下(0.7〜1.0μm)、2.0μm以下(1.0〜2.0μm)、2.0μm以上の6つの粒度に分けて同時計測した。
パーティクル量の計測結果を、表1の実施例のNo1に示す。
【0006】
【表1】
Figure 0003931288
【0007】
表1から分かるように、粒度の小さいパーティクルほど個数は多くなり、総個数で約5千個/ft3 相当であった。これに対して従来のレーザマーキング装置では総個数約42万個/ft3 相当のパーティクルが発生している。したがって、本実施例のレーザマーキング装置は、従来に比べ約100分の1に少なくなっており、効果の大きいことが分かる。
なお、本実施例ではマーキング材と被マーキング材とのギャップ範囲を10μm〜10mmとしたが、2μm以下ではパーティクルの除去効果は低下する。また、10mm以上でも同様であった。したがって、ギャップは2μm〜10mmが望ましい。
【0008】
(第2実施例)
本発明の第2実施例は、除塵機構として第1実施例と同じく吸引機構を用いたが、吸引路をさらに、マーキング材ケース13にも設けた装置である。
図4は、第2実施例のマーキング材周辺を示した断面図である。図において、13aはマーキング材ケース13に設けた吸引路である。本実施例でマーキング材2とマーキング材ケース13上部との隙間は2mmであるが、吸引路13aの部分ではマーキング材2とマーキング材ケース13との間隙は8mmとした。吸引路13aはマーキング材2の側面の周囲全体に渡ってつながっており、さらに吸引口3bにつながっている。
本実施例のマーキング材ケース13は吸引路13aを設けているので、ノズル3bから距離が離れた間隙の部分では十分空気が吸引できる。したがって、矢印A1及びB2で示す間隙の周辺部においても矢印A2及びB1で示す部分から吸引する間隙周辺部とほぼ同等量の空気を吸引でき、矢印A1及びB2で示す間隙の周辺部のマーキング材2のマーキング面2a及びガラス基板の発生/付着したパーティクルを効果的に除去できる。
【0009】
つぎに、パーティクル量の計測結果を表1の実施例のNo2に示す。測定方法は実施例1と同様である。
表1から分かるように、本実施例のレーザマーキング装置を使用してマーキングしたとき発生するパーティクル総数は、約1500個であり、実施例1に比べ約1/2に減少した。しかも、2μm以上のパーティクルは検出できず、ほぼ完全に除去できた。本実施例ではマーキング材2とマーキング材ケース13の間隙から発生するパーティクルをさらに除去できることが分かった。本実施例では、マーキング材上部とマーキング材ケース上部の間隙(以下、上部間隙と記す)を2mmにして吸引路13aの部分ではマーキング材2とマーキング材ケース13との間隙(以下、吸引路間隙と記す)は8mmとしたが、吸引路間隙が上部間隙(本実施例では2mm)よりも広ければ本実施例と同様の効果が得られる。
【0010】
(第3実施例)
本発明の第3実施例は、除塵機構として剥ぎ取り機構を用いたレーザマーキング装置である。
図5は第3実施例を示すレーザマーキング装置のマーキング材周辺の斜視図、図6は剥ぎ取り機構の平面図である。図において、16は剥ぎ取り機構、17は吸着テープ、18は吸着テープ駆動部である。18aは吸着テープ巻き取りモータ、18bは吸着テープ送りモータ、18a2は吸着テープ巻き取りドラム、18a3は使用後の吸着テープ、18b2は吸着テープ送りドラム、18b3は使用前の吸着テープ、21はガイド、22は押しつけローラ、23は押しつけドラムである。吸着テープ17は粘着性を有している。
つぎに、動作について図7により説明する。
図7は剥ぎ取り機構の断面図であり、(a)は動作前の状態を示し、(b)は動作時の状態を示している。吸着テープ巻き取りドラム18a2はモータシャフト18a1を介して吸着テープ巻き取りモータ18aの回転により巻き取る機構となっており、使用後の吸着テープ18a3は矢印Aのように巻き取られる。18b2は吸着テープ送りドラムで、この吸着テープ送りドラム18b2はモータシャフト18b1を介して吸着テープ送りモータ18bの回転により矢印Bのように送られる。201はローラで、シャフト20の外周に配置され回転自在である。22は押しつけローラで押しつけドラム23に固定され、押しつけドラム23は押しつけドラムシャフト24に対して回転自在である。さらに押しつけドラムシャフト24には、引っ張り具25が取り付けられ、押しつけドラムシャフト24に対して回転自在である。さらに引っ張り具25には、ワイヤ27a及び27bが取り付けられているものである。ワイヤ27aはモータシャフト18c1が固定されたワイヤ巻き取りドラム18c2に接続され、モータ18cの回転によって矢印Cの回転方向に巻き取られる。なお、26aはワイヤ27aのガイドローラで、ガイドシャフト26に対して回転自在であり、ワイヤ27aの移動とともに回転する機構となっている。28はバネボックスで、28内にあるバネでワイヤ27bには常に矢印F方向に引っ張り力がかかっている。モータ18cが動作すると、押しつけローラ22はガイド21に沿って移動し、吸着テープ17が上方に持ち上げられる。
図7(b)は、ガラス基板1上に形成したマークMに、吸着テープ17を上方に持ち上げられマークMに接したときの様子を示したものである。図において各ローラ及びワイヤは矢印A〜Eのように稼働する。吸着テープ17には、その表面に粘着材が塗布されているためマークMに接したときガラスに付着しているパーティクルを吸着するものである。
【0011】
つぎに、パーティクル量の計測結果を表1の実施例のNo3に示す。測定方法は実施例1と同様である。
表1から分かるように、発生したパーティクル総数は、120個であり大幅に減少した。しかも、0.7μm以上のパーティクルは検出できず、ほぼ完全に除去できた。本実施例ではマーキング材2とマーキング材ケース13の間隙から発生するパーティクルを有効に除去でき、しかも吸着テープによってガラス基板付着したパーティクルを再度取り除くのでガラス基板からの発生するパーティクルを激減できる。
なお、本実施例では粘着性を有する吸着テープを使用したが、静電気吸着する布、紙を使用してもよい。また、研磨テープを使用することも可能である。
【0012】
(第4実施例)
本発明の第4実施例は、除塵機構としてブラッシング機構を用いたレーザマーキング装置である。
図8は第4の実施例を示すレーザマーキング装置のマーキング材周辺の斜視図、図9はブラッシング機構の断面図である。図において、29はブラッシング機構で、30は円筒形のブラシ、31はブラシ30が固定されたシャフト、32はモータ、33はアクチュエータである。なお、図示していないがブラッシング機構に吸引機構を取り付けている。
ブラッシング機構29とエンコーダ33a及びモータ33bからなるアクチュエータ33の回転によって上下動可能なネジ式移動機構を具備し、ガラス基板1とブラシ30の接触圧力が調整できる接触圧可変機構としたものである。
本実施例の動作について図10および図11を用いて説明する。
図10はマーキングの第1工程におけるレーザマーキング装置の断面図、図11は第1工程のマーキング後ブラッシングの状態を示す断面図である。
まず、図10のマーキング時においては、ブラッシング機構は下方に位置した状態でマーキングが行われる。すなわち、マーキングの第1工程でマーキング材2はガラス基板1に近接してレーザビームLBが照射されてマーキングされ、第2工程でマーキング材2は移動機構6によりやや下方に移動し、マーキングを行う。マーキングが完了すると、図11のようにマーキング材2は、移動機構6のモータ8の動作により下方に移動し、さらに、アクチュエータ33が動作してブラッシング機構29が上方に移動しブラシ30の先端がガラス基板1にふれるような所定の位置で停止する。ブラッシング機構29が停止した時点でブラシ30は回転してガラス基板上のパーティクルを除去する。パーティクルの除去後、ガラス基板1は次工程へと搬送される。図11には示していないが、ブラッシング機構部に吸引機構を付けパーティクルの除去を行うと、基板表面に比較的強固に付着したパーティクルまでも除去できるため後工程において発塵が非常に少ない。
【0013】
つぎに、パーティクル量の計測結果を表1の実施例のNo4に示す。測定方法は実施例1と同様である。
表1から分かるように、発生したパーティクル総数は、160個であり従来例に比べると大幅に減少している。しかも、1μm以上のパーティクルは検出できず、ほぼ完全に除去できた。本実施例ではマーキング材2とマーキング材ケース13の間隙から発生するパーティクルを有効に除去でき、しかもブラッシング機構によってガラス基板に付着したパーティクルを再度取り除くのでガラス基板1から発生するパーティクルを激減できる。なお、本実施例でブラシの材質がナイロン、ポリプロピレン、馬毛、豚毛を使用した結果、馬毛および豚毛のブラシはブラシの毛自体から若干の発塵がある。一方、ナイロン、ポリプロピレンブラシを使用したとき馬毛、豚毛に比べ発塵は少なかった。また、ブラシの回転数は、数RPMの低回転では除塵効果は低く、700RPMの高速回転ではブラシが毛切れを起こしたり、ガラス基板との摩擦によって発熱することがあり、10〜700RPMが適当で、好ましくは20〜100RPM程度がよい。なお、本実施例では回転ブラシを使用したが、スペース的にリニアブラシを使い、X若しくはY方向にブラッシングしてもよい。
以上本実施例のようにブラッシング機構を付けたレーザマーキング装置はパーティクルを効果的に除去できる。また、本実施例のレーザマーキング装置は消耗品ないためコスト的にも有利である。
【0014】
(第5実施例)
本発明の第5実施例は、除塵機構として静電気集塵機を用いたレーザマーキング装置である。
図12は第5実施例を示すレーザマーキング装置のマーキング材2周辺の斜視図である。図において34は静電気集塵機、35aは陽極電極、35bは陰極電極である。図13は静電集塵機34の断面図を示したものである。その構成は陽極電極35a及び陰極電極35bが絶縁ブロック36でケース37とは電気的に絶縁され、直流高電圧電源39によって、陽極電極35a及び陰極電極35bには電界がかけられている。陰極電極35bは先端が鋭く尖っているため先端では高い電界強度となり、その先端から電子が放出される。
本実施例の動作について図14を用いて説明する。
図14は静電気による集塵の状態を示す模式図で、図14(a)は浮遊するパーティクルを除去する様子を示し、図14(b)は付着しているパーティクルを除去する様子を示しいてる。
ガラス基板1の周辺に浮遊するパーティクルP1 は、陰極電極35bから放出した電子38が浮遊パーティクルP1 にぶつかり、浮遊パーティクルP1 はマイナスに帯電する。さらに、帯電した浮遊パーティクルP1 は陰極電極−陽極電極間の電界によって陽極電極35aに引き寄せられ集塵される。一方、ガラス基板1あるいはマークMの表面に付着しているパーティクルP2 は、図14(b)のように陰極電極35bからの電子38によって帯電し時間が経過するごとにその帯電量は増加し、これと同時にガラス基板1あるいはマークMの表面もマイナスに帯電する。帯電量がある一定値になると、パーティクルP2 は静電反発力によってガラス基板1あるいはマークMの表面から剥離し、陽極電極35aに引き寄せられる。
【0015】
つぎに、パーティクル量の計測結果を表1の実施例のNo5に示す。測定方法は実施例1と同様である。
表1から分かるように、発生したパーティクル総数は、360個であり従来例に比べると大幅に減少している。
本実施例では0.5μm以下の残存パーティクルが少なく、静電気集塵機を有する本発明のレーザマーキング装置は0.5μm以下の微小なパーティクルの除去に非常に有効であることがわかった。また、静電気集塵機は、可動部がないため故障がなく、上述したブラッシング機構、あるいは剥ぎ取り機構を有するレーザマーキング装置に比べ、装置寿命が長い。また、本発明のレーザマーキング装置は、陽極電極と陰極電極に直流電圧を印加するだけであるため装置構成が簡単である。
本実施例では陽極電極と陰極電極に直流電圧を印加するだけであったが、陰極電極から陽極電極に空気の流れを与え、パーティクルの除去効率を上げることも可能である。また、静電気集塵機の周辺に帯電したガラス基板の帯電を除去するため、たとえば軟X線発生装置などのイオン発生装置をおいて帯電除去すると、後工程でパーティクルの付着が少なくなる。
【0016】
(第6実施例)
本発明の第6実施例は、除塵機構としてエアナイフクリーナを用いたレーザマーキング装置である。
図15は、第6実施例を示すマーキング材周辺の斜視図である。図において41はエアナイフクリーナ、43はエア射出口、42は吸気口である。エアナイフクリーナの断面図を図16に示す
エアナイフクリーナ41はハッチングした部分の隔壁で仕切られ3つの槽からなる。エア射出口43からナイフ状の空気流を発生させ、対向するガラス基板1の表面のパーティクルを吹き飛ばし、吸気口42から空気を吸い込む。左右の2つの槽は空気圧縮槽431で中心の槽は空気吸引槽421である。空気は吸気ジョイント432から送られ、空気圧縮槽431で圧縮されエア射出口43から吹き出し、ガラス基板1及びマークM上のパーティクルを吹き飛ばし、吹き飛ばされたパーティクルは吸気口42から吸引され空気吸気槽421に送られ排気ジョイント422経て外部処理装置に送られる。
図17はエアナイフクリーナ41の別の実施例を示す断面図である。構成は図16とほぼ同じであるが、空気圧縮槽431内のエア射出口43近傍に超音波振動子44を設けた点が異なる。この超音波振動子44によってエアナイフクリーナ41には100kHzの振動が加わり、パーティクルの除去効率が上がる。
【0017】
つぎに、パーティクル量の計測結果を表1の実施例のNo6に示す。測定方法は実施例1と同様である。
表1から分かるように、発生したパーティクル総数は、20個と従来例に比べると極端に小さい。図16のエアナイフクリーナ41を使用したレーザマーキング装置では0.7μm以上パーティクルは完全に除去できた。また、図17の超音波振動子付きエアナイフクリーナ41を使用したレーザマーキング装置では0.3μm以上パーティクルは完全に除去できた。
以上のように本実施例によれば、エアナイフクリーナのパーティクル除去力によって、液晶プロセスでほぼ問題ない程度にパーティクルを減少させることができる。特に超音波振動子はサブミクロンオーダーの微細なパーティクルの除去に有効である。図17の実施例では圧電性の超音波振動子を使用したが、磁歪素子若しくは電歪素子を使用してもよい。
【0018】
(第7実施例)
本発明の第7実施例は、ガラス基板1に膜を付着させる第1工程と、付着させた膜を除去する第2工程とからなるレーザマーキング方法に、レーザビーム照射を行う除塵方法を加えたレーザマーキング方法である。
ガラス基板上に付着したパーティクルは、実施例1〜6に示したような除塵機構で大半は落下しないが、ガラス基板に付着したままのパーティクルが希にある。この除去できないパーティクルは、ガラスと化学的に付着していると考えられ、触れた程度では離脱しない。しかし、薬液処理や熱処理においても絶対に離脱しないとはいえないので除去しておくことが望ましい。
図18は本実施例のマーキングの第1工程完了後のマークMを示す模式図である。図19は第2工程のレーザ照射の状況を示す模式図で、(a)は横方向の走査、(b)は縦方向の走査を示している。
まず、第1工程でガラス基板1に約3.4mm角の領域に膜を付着させる(図18)。続く第2工程では、図19(a)の横線のようにレーザ光線LBを付着面側から照射し走査する。さらに、図19(b)の縦線のようにレーザ光線を走査する。レーザ光線LBのスポット径は200μm、走査ピッチを100μmとしたので図19のレーザ光線LBの走査後には図20のような1.7mm角のマークとなる。さらに、このマークM内を所定のコード模様にレーザ光線で打ち抜けば、図21のような2次元データコードのマークMとなる。
図21に示すマーキング後、領域1、2及び3のパーティクルを光散乱方式のパーティクル検出器で測定したが、パーティクルは全くなかった。
本実施例では、従来例の図22に示したマーク領域とパーティクルが飛散した領域1、2および3は、レーザ光線によって完全に除去できる。
また、本実施例のようにガラスを通してレーザ光線を照射しパーティクルを除去すれば、ガラスとパーティクルの付着界面部分に直接レーザが照射されるので、化学反応が起きにくく効果的にパーティクルを除去できる。
以上述べたように、本マーキング方法でガラス基板用のパーティクルを完全に除去できる。
なお、実施例3〜5に示した除塵機構は、マーキング部近傍に設置したが別の位置、あるいは工程に併用してもよい。
また、本実施例ではレーザ発振源としてYAGレーザを用いたが、これに限らず加熱できるものであれば、どんなレーザ発振源を用いてもよい。
【0019】
【発明の効果】
以上の述べたように、本発明のレーザマーキング装置は、吸引機構、剥ぎ取り機構、ブラッシング機構又はエアナイフクリーナ等の除塵機構を備えたので、マーキング時に発生するパーティクルを除去でき、また、基板表面及びマーク表面に付着したパーティクルも除去できる効果がある。
さらに、本発明はマーク周辺のガラス基板をレーザ光線によって走査するのでマーク周辺のパーティクルを完全に除去できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示すレーザマーキング装置の断面図である。
【図2】第1実施例のマーキング材周辺部を示す斜視図である。
【図3】第1実施例のマーキング材周辺部を示す断面図であり、(a)はマーキングの第一工程を示し、(b)はマーキングの第二工程を示している。
【図4】本発明の第2実施例を示すマーキング材周辺部の断面図である。
【図5】本発明の第3実施例を示すマーキング材周辺部分の斜視図である。
【図6】第3実施例の剥ぎ取り機構を示す平面図である。
【図7】第3実施例の剥ぎ取り機構を示す断面図で、(a)は動作前の状態を示し、(b)は動作時の状態を示す。
【図8】本発明の第4実施例を示すマーキング材周辺の斜視図である。
【図9】第4実施例のブラッシング機構とねじ式移動機構を示す断面図である。
【図10】第4実施例のマーキング時の状態を示す断面図である。
【図11】第4実施例のブラッシング時の状態を示す断面図である。
【図12】本発明の第5実施例を示すマーキング材周辺の斜視図である。
【図13】第5実施例の静電気集塵機を示す断面図である。
【図14】第5実施例の集塵の状態を示す模式図で、(a)は浮遊するパーティクルの場合、(b)は付着したパーティクルの場合である。
【図15】本発明の第6実施例を示すマーキング材周辺の斜視図である。
【図16】第6実施例のエアナイフクリーナを示す断面図である。
【図17】第6実施例の超音波振動子付きエアナイフクリーナを示す断面図である。
【図18】第7実施例のマーキングの第1工程完了後のマークを示す模式図である。
【図19】第7実施例のマーキングの第2工程のレーザ照射の状況を示す模式図で、(a)は横方向の走査を、(b)は縦方向の走査を示す。
【図20】第7実施例の第2工程完了後のマークを示す模式図である。
【図21】第7実施例の完了後のマークを示す模式図である。
【図22】従来の第1工程でマーキングしたマーク領域周辺の模式図である。
【符号の説明】
1 ガラス基板
2 マーキング材
3 吸引機構
3a ホース
3b 吸引口
4 吸引路
5 マーキングテーブル
6 移動機構(スライダ)
6a 固定テーブル
6b 可動テーブル
6c ネジ(ボールネジ)
7 固定具
8 モータ
8a モータ軸
9 架台
10 レーザ光源
11 レーザ発振源
12 ローラ
13 マーキング材ケース
13a 吸引路
15 ギャップセンサ
16 剥ぎ取り機構
17 吸着テープ
18 吸着テープ駆動部
18a 吸着テープ巻き取りモータ
18a1 モータシャフト
18a2 吸着テープ巻き取りドラム
18a3 使用後の吸着テープ
18b 吸着テープ送りモータ
18b1 モータシャフト
18b2 吸着テープ送りドラム
18b3 使用前の吸着テープ
18c モータ
18c1 モータシャフト
18c2 ワイヤ巻き取りドラム
20 シャフト
201 ローラ
21 ガイド
22 押しつけローラ
23 押しつけドラム
24 押しつけドラムシャフト
25 引っ張り具
27、27a、27b ワイヤ
28 バネボックス
29 ブラッシング機構
30 ブラシ
31 シャフト
32 モータ
33 アクチュエータ
33a エンコーダ
33b モータ
34 静電集塵機
35 電極
35a 陽極電極
35b 陰極電極
36 絶縁ブロック
37 ケース
38 電子
39 直流高圧電源
41 エアナイフクリーナ
42 吸気口
421 空気吸引槽
422 排気ジョイント
43 エア射出口
431 空気圧縮槽
432 吸気ジョイント
44 超音波振動子

Claims (1)

  1. 被マーキング材の面とマーキング材の面とを合わせ、前記マーキング材に前記レーザ光線を第1のレーザパワーで照射して前記マーキング材を蒸発させ前記被マーキング材の所定部分に前記マーキング材からなる付着物を塗りつぶして付着させる第1工程と、前記付着物に前記被マーキング材を通して第2のレーザパワーで前記レーザ光線を照射して前記付着物の一部を除去する第2工程とによって被マーキング材に文字、図形若しくは記号のパターンを形成するマーキング方法において、
    前記第2工程は前記付着物の一部を除去してパターンを形成する前に、前記所定部分の付着物の周辺に前記被マーキング材を通してレーザ光線を照射して前記被マーキング材上にあるパーティクルを脱落させて除去することを特徴とするマーキング方法。
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