JP3931069B2 - 採血用具、これを用いた定量用溶液調製方法、定量用溶液調製器具及びその使用方法並びに定量用溶液を用いた定量方法 - Google Patents

採血用具、これを用いた定量用溶液調製方法、定量用溶液調製器具及びその使用方法並びに定量用溶液を用いた定量方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3931069B2
JP3931069B2 JP2001320245A JP2001320245A JP3931069B2 JP 3931069 B2 JP3931069 B2 JP 3931069B2 JP 2001320245 A JP2001320245 A JP 2001320245A JP 2001320245 A JP2001320245 A JP 2001320245A JP 3931069 B2 JP3931069 B2 JP 3931069B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solution
blood
diluted
quantitative
storage chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001320245A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2003135435A (ja
Inventor
彰 三池
一人 宮内
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Minaris Medical Co Ltd
Original Assignee
Kyowa Medex Co Ltd
Hitachi Chemical Diagnostics Systems Co Ltd
Minaris Medical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyowa Medex Co Ltd, Hitachi Chemical Diagnostics Systems Co Ltd, Minaris Medical Co Ltd filed Critical Kyowa Medex Co Ltd
Priority to JP2001320245A priority Critical patent/JP3931069B2/ja
Publication of JP2003135435A publication Critical patent/JP2003135435A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3931069B2 publication Critical patent/JP3931069B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、動物や人体の血液中の成分を分析・検査するために使用する採血用具に係り、特に、定量用溶液の調製を容易に行う上で有効な採血用具、更には、この採血用具を用いて希釈血漿溶液からなる定量用溶液及び/又は希釈細胞画分溶液からなる定量用溶液を調製する方法、定量用溶液調製器具及びその使用方法、並びに、調製した定量用溶液を用いて血漿中の被測定物質及び/又は細胞画分中の被測定物質(特に、細胞画分中のヘモグロビンA1Cのヘモグロビンに対する割合)を定量する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
病院や保健所、検査センター等では、一般に注射器による採血や真空採血管等により採血されているが、これらは医師、看護婦や臨床検査技師など専門家による中空針を使用した採血方法が行われている。
この種の採血方法は、これらの施設にわざわざ出かける必要があり、また、人手がかかる点で面倒さが感じられて、個人健康管理に検査が頻繁に採り入れられていないのが実状である。
近年、糖尿病患者など自己管理や健康に大きな関心のある人は自己検査時に自己採血するケースが多くなり、種々のやり方が用いられているが、その採血用具が旧来の注射器であったり、指等の皮膚を傷つけ、にじむ血液を採取したり、ハンディーな機器で腕などの痛点の少ない所から採血する方法等が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、注射器を使用する方法やにじむ血液を採取する方法では、自らの皮膚に自らの意思で針や刃を当てて力を入れる必要があるため、これらの採血方法は、刃物や針がむき出しで、それを自ら生身の皮膚に直接当てる事は精神的な大きな苦痛であった。特に、指は痛点が多く存在しているため、そこに穿刺する場合は痛く、これも精神的な苦痛になっていた。
また、ハンディーな機器(例えばダイナボット(株)製のソフタックや帝人(株)製のアトラストなど)を使用する方法は、腕などの痛点の少ない所から採血する様になっており、かつ、皮膚への穿刺部が隠された形となっているため、精神的な苦痛は軽減されるものの、機器自体が高価であった。
【0004】
また、特開平9−182736号公報には、針をバネの付勢力にて自然に穿刺する用具が記載されている。しかし、該用具は採血機能を有していないため、採血用の用具が別途必要となる。
【0005】
また、従来より、採血用具にて採取した血液を血漿と細胞画分とに分離する手段として、遠心分離が用いられており、フィルタを使用する方法も知られている。しかし、採取した血液をそのままフィルタに通過させる方法では、血液の粘度等の物性からフィルタを通過する時間が長く、また、得られた血漿も成分によっては不安定なものもあり、測定までに時間がかかる場合は検査値として信頼できない項目もあった。
【0006】
本発明は、以上の技術的課題を解決するためになされたものであって、精神的な苦痛を排除し、かつ、ある程度の量の血液を簡単且つ確実に採取できる(解決すべき第1の技術的課題)採血用具を提供するものである。
また、本発明は、採血と同時に希釈血液溶液を生成でき、定量用溶液の調製を容易に行うことができる(解決すべき第2の技術的課題)採血用具を提供するものである。
ここで、第1の技術的課題は、血液採取が容易になる分、定量用溶液の調製を容易に行うことができるという第2の技術的課題と共通する。
更に、本発明は、前記採血用具を用いた定量用溶液調製方法、調製器具及びその使用方法並びに定量用溶液を用いた定量方法をも提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち、第一の技術的課題を解決するための発明は、図1(a)に示すように、内部に血液収容室2が形成され、かつ、前記血液収容室2に連通して被採血部4との間を密封に保つ血液吸引部3を有する用具本体1と、この用具本体1に対し進退自在に設けられて前記被採血部4を穿刺する穿刺体5と、この穿刺体5を初期位置又は退避位置と穿刺位置との間で進退可能に移動させる進退移動機構6と、穿刺体5を初期位置に係脱自在に係止する係脱機構7と、穿刺体5が少なくとも初期位置から穿刺位置まで進出動作する上で必要な駆動エネルギを蓄積し、進退移動機構6に伝達するエネルギ蓄積手段8と、進退移動機構6による穿刺体5の穿刺位置から退避位置までの後退動作に連動し血液収容室2を負圧状態に減圧する減圧機構9とを備えたことを特徴とする採血用具である(請求項1)。
本件の採血用具によれば、自動的に穿刺体5を刺す方式で、所定量の血液を採取することができる。
要するに、自動穿刺であるため、自力で皮膚等に穿刺する必要がなく、精神的苦痛が少ない。また、血液収容室2へ血液を吸引収容可能であるため、ある程度の量の血液を確保できる。
【0008】
このような技術的手段において、用具本体1としては、少なくとも血液収容室2と血液吸引部3を有することが必要である。
ここで、血液収容室2とは、採取した血液を収容する室であればよく、後述する希釈液収容室10の有無は問わない。
また、血液吸引部3は、血液収容室2に連通して被採血部4との間を密封に保つものであればよく、例えば吸盤のようなものが使用される。これは、血液収容室2に血液を吸引収容する上で必要である。
【0009】
特に、図1(a)に仮想線で示すように、血液収容室2には第1の希釈液を収容した希釈液収容室10が液密に連通配設される態様が好ましい(請求項2)。この態様によれば、採血と同時に希釈血液溶液を生成する上で好ましく、例えば血漿中の被測定物質を定量するための希釈血漿溶液からなる定量用溶液を調製する場合には、第1の希釈液としては既知濃度の指示物質を含有するものであることが必要である。
そして、2つの収容室2,10の位置的関係、機能的関係(血液収容室2に血液が採取された段階で希釈液と徐々に混ざる構造)については適宜選定して差し支えないが、例えば希釈液収容室10から希釈液が漏れないように、両者の連結部を液密に保つことが必要である。
【0010】
更に、穿刺体5は、被採血部4を穿刺するものであれば、針や刃などを広く含む。
一方、進退移動機構6には、穿刺体5を所定範囲で進退させるものであれば、リンク機構を始め適宜選定してよい。
このとき、進退移動機構6には手動操作可能な操作部を設けることが好ましい(請求項5)。
これは、エネルギ蓄積手段8による蓄積エネルギによる穿刺体5の駆動以外に、手動による穿刺体5の戻り動作や再押出動作などが可能となり、その分、採血用具の使い勝手を良好にすることができる。
そしてまた、穿刺体5の初期位置と退避位置とは同位置でもよいし、別位置に設定されていてもよい。
更に、係脱機構7としては、穿刺体5を初期位置で係止でき、エネルギ蓄積手段8による駆動エネルギが蓄積された状態で穿刺体5の係止状態を解除できればよい。
【0011】
また、エネルギ蓄積手段8には、物理的エネルギを利用したものであればよく、バネ、ゴムなどの弾性体による変形を利用したもののほか、気体の圧力差を利用したもの、電磁気力を利用したものなど広く含む。
そして、エネルギの蓄積量については、少なくとも初期位置から穿刺位置まで穿刺体5を進出動作できればよく、これにより穿刺体5による自動穿刺が可能になる。
ここで、エネルギ蓄積手段8が穿刺体5の退避位置への戻り動作について駆動エネルギを与えない態様にあっては、穿刺体5の退避位置への戻り動作について、例えば手動操作を行う態様をも含む。
【0012】
特に、エネルギ蓄積手段8の好ましい態様としては、穿刺体5が初期位置から穿刺位置まで進出動作し、かつ、穿刺位置から後退位置まで後退動作する上で必要な駆動エネルギを蓄積するものが挙げられる(請求項3)。
この態様によれば、自動穿刺及び自動血液採取が可能になる。
具体的には、穿刺体5は、穿刺動作を行った後自動的に後退するため、穿刺体5による穿刺動作が瞬間的に行われる。
一方、穿刺体5の自動後退動作に伴って減圧機構9による減圧動作が行われるため、血液収容室2への血液の吸引動作が自動的に行われる。
【0013】
また、減圧機構9は、血液収容室2に血液を吸引収容するための要件であり、代表的にはピストン部を具備した態様が挙げられる。
この減圧機構9は、進退移動機構6に連動することが必要であり、これにより、穿刺体5が穿刺位置から退避位置に戻る際に減圧機構9を確実に働かせることができる。
ここで、ピストン部を具備した減圧機構9の代表的態様としては、進退移動機構6による穿刺体5の進退動作に連動して、血液収容室2を進退するピストン部を備え、進退移動機構6による穿刺体5の後退動作に連動し、血液収容室2を減圧し、かつ、前記進退移動機構6による穿刺体5の退避位置から穿刺位置への再進出動作に連動し、血液収容室2内の血液を押し出すものが挙げられる(請求項4)。
この態様によれば、血液収容室2への血液採取を簡便に行い、かつ、血液収容室2内の採取血液の取り出しを簡便に行うことができる。
一般に、採取血液の取り出しに関しては、別容器に移し替えればよいが、本態様は、採取血液を取り出す際に減圧機構9を利用するようにしたものであり、ピストン部で血液収容室2内の採取血液を押し出すことで、採取血液を取り出すようにしたものである。
【0014】
更に、第2の技術的課題を解決する発明は、図1(b)に示すように、内部に第1の希釈液12が収容され、かつ、密封で減圧状態の希釈血液溶液収容室13が形成される用具本体11と、この用具本体11の希釈血液溶液収容室13に連通接続され、被採血部4を穿刺して血液を希釈血液溶液収容室13に導く穿刺体15とを備えたことを特徴とする採血用具である(請求項6)。
本態様によれば、採血と同時に希釈血液溶液を生成することができる。
【0015】
このような技術的手段において、本態様は希釈血液溶液収容室13を有する採血用具を広く含むものである。
ここで、希釈血液溶液収容室13は希釈血液溶液が収容される室であり、例えば図1(a)に示す態様においては、血液収容室2と希釈液収容室10とを合わせた室が相当する。
また、希釈血液溶液収容室13の減圧状態は予め形成されていてもよいし、あるいは、事後的に形成されていてもよい。
このとき、減圧状態を事後的に形成する態様の代表例としては、用具本体11に密封状態の希釈血液溶液収容室13の容積を可変にする容積可変機構14を具備させるようにすればよい(請求項7)。
更に、穿刺体5は、少なくとも被採血部4を穿刺するものであればよく、注射針のように、血液採取路を有するもの以外の態様(例えば図1(a)に示す、穿刺体5を介さずに血液を採取する態様)も含む。
【0016】
また、本発明は、上述した採血用具(図1(a)(b))を使用し、希釈血漿溶液からなる定量用溶液や希釈細胞画分溶液からなる定量用溶液を調製する方法も対象とする。
先ず、図1(a)に示す採血用具を使用した定量用溶液調製方法について説明する。
この場合、本発明は、図2(a)に示すように、採取された血液を用いて、血漿中の被測定物質を定量するための希釈血漿溶液からなる定量用溶液を調製する方法であって、(1)図1(a)に示す採血用具Aを使用し採取された血液を既知濃度の指示物質を含有する第1の希釈液12にて希釈する工程と、(2)この希釈血液溶液16を、分離手段Bにより血漿と細胞画分とに分離し、希釈血漿溶液17を調製する工程と、を含むことを特徴とするものである(請求項8)。
【0017】
この態様において、採血用具Aは、用具本体1に血液収容室2を備えていればよく、希釈液収容室10の有無は問わない。
従って、第1の希釈液による希釈工程は、採血用具A(血液収容室2+希釈液収容室10)内で行ってもよいし、別途定量用溶液調製器具で行ってもよい。
ここでいう第1の希釈液は、既知濃度の指示物質が含有されることを必要とする。
【0018】
また、本発明は、図2(a)に示すように、採取された血液を用いて、細胞画分中の被測定物質を定量するための希釈細胞画分溶液からなる定量用溶液を調製する方法であって、(1)図1(a)に示す採血用具Aを使用し採取された血液を第1の希釈液12で希釈する工程と、(2)この希釈血液溶液16を、分離手段Bにより血漿と細胞画分とに分離する工程と、(3)分離された細胞画分を第2の希釈液18で希釈し、希釈細胞画分溶液19を調製する工程と、を含むことを特徴とするものである(請求項9)。細胞画分中の被測定物質を定量する場合、被測定物質の濃度を測定する場合には、細胞画分の希釈細胞画分溶液19における希釈倍率を算出する必要があるため、第2の希釈液18中には既知濃度の指示物質を含有される。
また、本発明は、図2(a)に示すように、採取された血液を用いて、細胞画分中のヘモグロビンA1Cのヘモグロビンに対する割合を定量するための希釈細胞画分溶液からなる定量用溶液を調製する方法であって、(1)図1(a)に示す採血用具Aを使用し、血液収容室2内に血液を採取すると共に、採取された血液を第1の希釈液12で希釈する工程と、(2)この希釈血液溶液16を、分離手段Bにより血漿と細胞画分とに分離する工程と、(3)分離された細胞画分を第2の希釈液18で希釈し、希釈細胞画分溶液19を調製する工程と、を含むことを特徴とするものである(請求項10)。
【0019】
このような態様において、採血用具Aは、用具本体1に血液収容室2を備えていればよく、希釈液収容室10の有無は問わない。
従って、第1の希釈液12による希釈工程は、採血用具A(血液収容室2+希釈液収容室10)内で行ってもよいし、別途定量用溶液調製器具で行ってもよい。
また、通常、希釈血液溶液16を分離手段Bに通過させると、希釈血漿溶液17も調製されるが、ここでは、希釈血漿溶液17の調製の有無については問わない。
但し、希釈血漿溶液17からなる定量用溶液を調製する場合には、第1の希釈液12には、既知濃度の指示物質が含有されることを必要とする。
【0020】
次に、図1(b)に示す採血用具を使用した定量用溶液調製方法について説明する。
この場合、本発明は、図2(a)に示すように、採取された血液を用いて、血漿中の被測定物質を定量するための希釈血漿溶液からなる定量用溶液を調製する方法であって、(1)図1(b)に示す採血用具Aを使用して採取された血液を、希釈血液溶液収容室13内に希釈血液溶液16として生成する工程と、(2)この希釈血液溶液16を、分離手段Bにより血漿と細胞画分とに分離し、希釈血漿溶液17を調製する工程と、を含むことを特徴とするものである(請求項11)。
また、本発明は、図2(a)に示すように、採取された血液を用いて、細胞画分中の被測定物質を定量するための希釈細胞画分溶液からなる定量用溶液を調製する方法であって、(1)図2(b)に示す採血用具Aを使用し採取された血液を第1の希釈液12で希釈する工程と、(2)この希釈血液溶液16を、分離手段Bにより血漿と細胞画分とに分離する工程と、(3)分離された細胞画分を第2の希釈液18で希釈し、希釈細胞画分溶液19を調製する工程と、を含むことを特徴とするものである(請求項12)。細胞画分中の被測定物質を定量する場合、被測定物質の濃度を測定する場合には、細胞画分の希釈細胞画分溶液19における希釈倍率を算出する必要があるため、第2の希釈液18中には既知濃度の指示物質が含有される。ここで、第2の希釈液18は、細胞画分を希釈するものであれば適宜選定して差し支えないが、細胞画分中の被測定物質を安定化する物質を含有する溶液であることが好ましい。
【0021】
また、本発明は、図2(a)に示すように、採取された血液を用いて、細胞画分中のヘモグロビンA1Cのヘモグロビンに対する割合を定量するための希釈細胞画分溶液からなる定量用溶液を調製する方法であって、(1)図1(b)に示す採血用具Aを使用し、希釈血液溶液収容室13内に希釈血液溶液16を生成する工程と、(2)この希釈血液溶液16を、分離手段Bにより血漿と細胞画分とに分離する工程と、(3)分離された細胞画分を第2の希釈液18で希釈し、希釈細胞画分溶液19を調製する工程と、を含むことを特徴とするものである(請求項13)。
ここで、第2の希釈液18は、細胞画分を希釈するものであれば適宜選定して差し支えないが、ヘモグロビン安定化剤を含有する溶液であることが好ましい。
【0022】
更に、本発明は、上述した定量用溶液調製方法を具現化した定量用溶液調製器具をも対象とする。
先ず、図1(a)に示す採血用具を使用した定量用溶液調製器具について説明する。
この場合、本発明は、図2(b)に示すように、図1(a)に示す採血用具Aと、この採血用具Aにて採取された血液から希釈血液溶液を生成した後、この希釈血液溶液から血漿と細胞画分とを分離する分離手段Bと、この分離手段Bにて分離調製された希釈血漿溶液からなる定量用溶液を収容する定量用溶液収容容器Cとを備えたことを特徴とするものである(請求項14)。
【0023】
また、図1(b)に示す採血用具のうち、容積可変機構14を備えた採血用具を使用した定量用溶液調製器具について説明する。
この場合、本発明は、図2(b)に示すように、図1(b)に示す容積可変機構14付き採血用具Aと、この採血用具Aにて採取、調製された希釈血液溶液から血漿と細胞画分とを分離する分離手段Bと、この分離手段Bにて分離調製された希釈血漿溶液からなる定量用溶液を収容する定量用溶液収容容器Cとを備えたことを特徴とするものである(請求項15)。
【0024】
ここで、前述した定量用溶液調製器具の代表的態様としては、分離手段Bは、定量用溶液収容容器Cの入口部分に設けられ、細胞画分を保持し且つ血漿を通過させるフィルタと、このフィルタの入口側に設けられて採血用具Aの希釈血液溶液収容室13に連通接続される連通部材とを備え、前記容積可変機構14により希釈血液溶液収容室13の容積を減少させることで、希釈血液溶液収容室13内の希釈血液溶液を前記分離手段Bに通過させ、定量用溶液収容容器Cに希釈血漿溶液からなる定量用溶液を調製するものが挙げられる(請求項16)。
尚、フィルタに保持された細胞画分については、第2の希釈液にて希釈することにより希釈細胞画分溶液からなる定量用溶液を調製し得る。
【0025】
また、この定量用溶液調製器具の使用方法としては、図1(b)に示す容積可変機構14付き採血用具Aを使用して採取された血液を、希釈血液溶液収容室13内に希釈血液溶液として生成し、しかる後、採血用具Aの希釈血液溶液収容室13に分離手段Bの連通部材を連通接続した後、採血用具Aの容積可変機構14により希釈血液溶液収容室13の容積を減少させ、希釈血液溶液収容室13内の希釈血液溶液を前記分離手段Bに通過させ、定量用溶液収容容器Cに希釈血漿溶液からなる定量用溶液を調製するようにすればよい(請求項17)。
【0026】
更に、図1(b)に示す採血用具のうち、希釈血液溶液収容室13の容積が一定の態様(真空採血管内に第1の希釈液を収容した態様)の採血用具を使用した定量用溶液調製器具について説明する。
この場合、本発明は、図2(b)に示すように、内部に第1の希釈液が収容され、かつ、密封で減圧状態の希釈血液溶液収容室13が予め形成される用具本体11を有する図1(b)に示す採血用具Aと、この採血用具Aにて採取、調製された希釈血液溶液から血漿と細胞画分とを分離する分離手段Bと、密封で少なくとも採血用具Aの希釈血液溶液収容室13よりも減圧状態の定量用溶液収容室を有し、前記分離手段Bにて分離調製された希釈血漿溶液からなる定量用溶液を収容する定量用溶液収容容器Cとを備えたものが挙げられる(請求項18)。
【0027】
本態様において、定量用溶液収容容器Cは密封で採血用具Aの希釈血液溶液収容室13よりも減圧状態であることを必要とし、これにより、希釈血液溶液が分離手段(フィルタ)Bを介して定量用溶液収容容器C側に圧力差により移動する。
【0028】
ここで、前述した定量用溶液調製器具の代表的態様としては、分離手段Bは、細胞画分を保持し且つ血漿を通過させるフィルタと、このフィルタの入口側に設けられて前記希釈血液溶液収容室に連通接続される入口側連通部材と、フィルタの出口側に設けられて前記定量用溶液収容室に連通接続される出口側連通部材とを備え、採血用具Aの希釈血液溶液収容室13内の希釈血液溶液を前記分離手段Bに通過させ、定量用溶液収容容器Cに希釈血漿溶液からなる定量用溶液を調製するものが挙げられる(請求項19)。
尚、フィルタに保持された細胞画分については、第2の希釈液にて希釈することにより希釈細胞画分溶液からなる定量用溶液を調製し得る。
【0029】
また、この定量用溶液調製器具の使用方法としては、内部に第1の希釈液が収容され、かつ、密封で減圧状態の希釈血液溶液収容室が予め形成される用具本体を有する図1(b)に示す採血用具Aを使用して採取された血液を、希釈血液溶液収容室13内に希釈血液溶液として生成し、しかる後、採血用具Aの希釈血液溶液収容室13に分離手段Bの入口側連通部材を連通接続した後、定量用溶液収容容器Cの定量用溶液収容室に前記分離手段Bの出口側連通部材を連通接続し、定量用溶液収容室と希釈血液溶液収容室13との圧力差により、採血用具Aの希釈血液溶液収容室13内の希釈血液溶液を前記分離手段Bに通過させ、定量用溶液収容容器Cに希釈血漿溶液からなる定量用溶液を調製するようにすればよい(請求項20)。
【0030】
また、本発明は、これらの定量用溶液調製方法にて調製された定量用溶液を用いた定量方法をも対象とする。
先ず、血漿中の被測定成分の定量方法の代表的態様を挙げると、本発明は、図3(a)に示すように、血液を用いて血漿中の被測定物質を定量する方法であって、(1)前述した定量用溶液調製方法にて希釈血漿溶液からなる定量用溶液を調製する工程と、(2)該定量用溶液中の指示物質の濃度と、第1の希釈液中の指示物質の濃度とから、該定量用溶液中の血漿の希釈倍率を算出する工程と、(3)該定量用溶液中の被測定物質の濃度を測定する工程と、(4)(2)で算出した希釈倍率と、(3)で測定した定量用溶液中の被測定物質の濃度とから、該血漿中の被測定物質の濃度を定量する工程と、を含むことを特徴とするものである(請求項21)。
【0031】
また、細胞画分中の被測定成分の定量方法の代表的態様を挙げると、本発明は、図3(b)に示すように、血液を用いて、細胞画分中の被測定物質を定量する方法であって、(1)前述した定量用溶液調製方法にて希釈細胞画分溶液からなる定量用溶液を調製する工程と、(2)該定量用溶液中の指示物質の濃度と、第2の希釈液中の指示物質の濃度とから、該定量用溶液中の細胞画分の希釈倍率を算出する工程と、(3)該定量用溶液中の被測定物質の濃度を測定する工程と、(4)(2)で算出した希釈倍率と、(3)で測定した定量用溶液中の被測定物質の濃度とから、該細胞画分中の被測定物質の濃度を定量する工程と、を含むことを特徴とするものである(請求項22)。
また、細胞画分中の被測定成分であるヘモグロビンA1Cのヘモグロビン対する割合を定量する方法の代表的態様を挙げると、本発明は、図3(c)に示すように、血液を用いて、細胞画分中のヘモグロビンA1Cのヘモグロビンに対する割合を定量する方法であって、(1)前述した定量用溶液調製方法にて希釈細胞画分溶液からなる定量用溶液を調製する工程と、(2)(1)で調製された定量用溶液におけるヘモグロビンA1Cのヘモグロビンに対する割合を定量する工程と、を含むことを特徴とするものである(請求項23)。
【0032】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明する。
◎実施の形態1
図4は本発明が適用された採血用具の実施の形態1の断面説明図、図5はその側面説明図である。
本実施の形態において、採血用具100は、血液収容室112を有する用具本体110と、この用具本体110に対して進退自在に設けられる穿刺体としての穿刺刃130と、この穿刺刃130を進退移動させる進退移動機構140と、この進退移動機構140に駆動エネルギを供給するエネルギ蓄積部材160と、前記進退移動機構140を初期位置に係脱させる係脱機構170と、進退移動機構140に連動して血液収容室112を減圧させる減圧機構180とを備えている。
【0033】
本実施の形態において、用具本体110は、例えば略ボックス状の合成樹脂製のハウジング111を有し、このハウジング111の頂部側には血液収容室112が区画される円筒状のシリンダ部113を設けると共に、このシリンダ部113の外側には血液収容室112に連通するノズル部114を突出形成したものである。
ここで、血液収容室112としては、採取される血液の量(通常1mL以下の少量でよい)に応じて適宜選定して差し支えなく、例えば5mL程度以下の容積を備えていればよい。
尚、ハウジング111の側面部の一部は、図5及び図6(a)に示すように、取り外し可能なカバー115にて構成されている。
更に、前記ノズル部114の先端部にはゴム製の吸盤116が設けられ、例えば人体の被採血部190(図11参照)周辺に吸着固定されるようになっている。
【0034】
また、前記シリンダ部113の外側には、図4及び図8に示すように、ドーナツ形状で且つチャンネル状に開口した希釈液収容室119が区画される希釈液収容環118がネジなどで嵌合装着されており、シリンダ部113と希釈液収容環118との間には連通孔120(本例では少なくとも一方側の連通孔120形状を長孔状とし、両者間の連通状態を確保する構造を採用)が適宜数(例えば4箇所)設けられ、更に、シリンダ部113と希釈液収容環118との間にはOリングなどのシール部材121が介装されている。尚、図6(a)中、符号123はシール部材121が収容されるシール溝である。
そしてまた、希釈液収容環118の開口部はリング状のラバーシール122にてハウジング111に対し液密に設けられている。
更にまた、希釈液収容室119には、攪拌性を考慮して、第1の希釈液21が満杯より少ない量だけ予め収容されている。
ここで、第1の希釈液21については、実施の形態2の定量用溶液の調製を説明する際に詳述する。
【0035】
更に、穿刺刃130は通常金属製がよく、鋼鉄やステンレスが一般的である。
この穿刺刃130は前記ノズル部114内に進退自在に配設されており、進退移動機構140に連結されている。
本実施の形態において、進退移動機構140は、ハウジング111内に回転自在に配設される回転板141と、この回転板141の中心位置から偏位した位置にピン連結され且つ前記穿刺刃130にピン連結されるリンク機構142とを備え、回転板141の回転動作に伴って穿刺刃130を進退動作させるようになっている。
ここで、リンク機構142としては、図7(a)〜(d)に示すように、2つのリンクアーム143,144を例えばボス145とエンボス146とを嵌合させる形式でピン連結し、一方のリンクアーム143の先端側に穿刺刃130をピン147連結すると共に、他方のリンクアーム144の先端側に弾性変形可能な接合ピン148を設け、前記回転板141の連結孔149(図9(a)参照)に接合ピン148を弾性嵌合させるものが用いられる。
また、回転板141の近傍には、回転板141の接合ピン148が当接して回転板141の回転範囲を規制するストッパ爪156が設けられている。
【0036】
また、本実施の形態において、回転板141の回転軸150には、図9(a)に示すように、羽根車状の駆動力伝達部151が設けられると共に、前記回転軸150の先端はハウジング111の外部に露呈し、この回転軸150の先端に操作ハンドル153が手動操作可能に連結されている。
更に、エネルギ蓄積部材160としては例えばゴムやバネ材が用いられ、前記回転板141に回転駆動力が付与されるようにエネルギ蓄積部材160が駆動力伝達部151に係合配設されている。
更にまた、前記回転板141の周囲の一部には係止突起152が設けられている。
【0037】
また、本実施の形態において、係脱機構170は、ハウジング111の底部に立設される弾性変形可能な範囲で傾動する係止部材171と、この係止部材171を傾動させる係止解除機構174とを備えている。
本実施の形態において、係止部材171は、図4及び図9(b)に示すように、回転板141の係止突起152と係脱する係止突起172を設け、かつ、その基端部には横方向からの荷重に対して傾動支点となる弾性凹部173を設けたものである。
一方、係止解除機構174は、図10(a)(b)に示すように、ハウジング111の一部にロッド取付部175を設け、このロッド取付部175にはロッド挿通孔176を設けると共に、このロッド挿通孔176に係止ロッド177を進退自在に挿通させ、この係止ロッド177の一部に弾性変形可能な位置決め凸部178を設け、前記ロッド取付部175に設けられた位置決め孔179に係脱させることを可能としたものであり、係止ロッド177を係止部材171側に押し込むことにより、係止部材171を係止ロッド177の押し込み方向に向けて傾動させ、前記回転板141と係止部材171との間で係止突起152,172の係止状態を解除するようにしたものである。
尚、本実施の形態では、前記回転板141と係止部材171との間で係止突起152,172が係止状態にある場合には、前記穿刺刃130が初期位置に配置されるようになっている。また、係止ロッド177は押し込み操作力を解除すると、係止部材171の弾性復帰力にて元の初期位置に戻るようになっている。
【0038】
また、本実施の形態において、減圧機構180は、図4及び図6(b)に示すように、前記シリンダ部113内に進退自在に配設されるピストン部181を有し、このピストン部181の中心部にはリンク機構142のリンクアーム143,144及び穿刺刃130が挿通する貫通孔182を設け、このピストン部181の貫通孔182部分には夫々Oリングからなるシール部材183,184を配設したものである。尚、シール部材183はリンク機構142のリンクアーム143の穿刺刃130側に巻装されてシリンダ部113とノズル部114との連結部位に配置され、また、シール部材184はリンク機構142のリンクアーム143のリンクアーム144側に巻装され且つリンクアーム143に固着されたストッパリング155(図7(a)参照)とピストン部181との間に配設されている。
また、図6(b)に示すように、ピストン部181の周囲には2条のシール溝185が設けられ、このシール溝185にOリング等のシール部材186が巻装され、シリンダ部113との間を液密に保つようになっている。
尚、ハウジング111やピストン部181等の素材については、滑り易さやOリングなどのシール部材の弾性を考慮し、適宜選定して差し支えないが、例えばプラスチックとしては、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリカーボネート、尿素樹脂、フェノール樹脂、ポリエステル、ナイロン樹脂、ポリスチレン、アクリル、ポリウレタン、合成ゴム、フッ素樹脂、シリコン樹脂等、市販のポリマーの中から選択してよい。
【0039】
次に、本実施の形態に係る採血用具の使用方法について説明する。
今、図11に示すように、人体の被採血部190を覆うように吸盤116を吸い付けた状態で採血用具100をセットする。
この状態で、係脱機構170は係止状態を保持しており、穿刺刃130を初期位置に位置決めすると共に、エネルギ蓄積部材160は回転板141に回転駆動力を付与した状態に保持されている。
この後、係脱機構170の係止ロッド177を押し込み操作すると、回転板141と係止部材171との間の係止突起152,172同士の係止状態が解除され、エネルギ蓄積部材160からの回転駆動力が駆動力伝達部151を介して回転板141に伝達され、回転板141を矢印方向に回転させる。
【0040】
このとき、本実施の形態では、回転板141が約1/4回転すると、回転板141とリンク機構142とのピン連結部が最も上昇した位置に移動する。
すると、リンク機構142に連結されている穿刺刃130は、ノズル部114より突出し、人体の被採血部190に穿刺される。
この場合、穿刺刃130は、元々ノズル部114内に隠れており、係脱機構170の係止解除操作を行うだけで、穿刺刃130が一瞬だけ被採血部190を穿刺するため、採血用具100を使用しているユーザーが精神的に恐怖感を受けることはない。
【0041】
特に、本実施の形態において、エネルギ蓄積部材160からのエネルギが、回転板141のピン連結部がストッパ爪156に当接するまで回転板141に回転駆動力を与えるものであるとすれば、図12に示すように、回転板141は約3/4回転した後にストッパ爪156にて強制停止せしめられるが、この回転板141が約1/4回転以降回転すると、穿刺刃130は穿刺位置から退避位置へと退避動作していく。
従って、穿刺刃130が被採血部190を穿刺するのは瞬間的であるから、穿刺刃130による穿刺動作がユーザーに大きな痛みを与える懸念は少ない。
【0042】
また、図12に示すように、穿刺刃130が退避動作するとき、リンク機構142と共に、リンク機構142に巻装されているシール部材183がピストン部181の頂部に突き当たる。
すると、ピストン部181が当該シール部材183を介してシリンダ部113内で後退することになり、このピストン部181の移動に伴って、吸盤116によって密封されている血液収容室112が減圧せしめられる。
この状態において、穿刺刃130によって傷つけられた被採血部190から血液が負圧によって、ノズル部114と穿刺刃130との隙間を通じて血液収容室112側に吸引収容されていく。
【0043】
そして、ピストン部181がある程度後退すると、血液収容室112と希釈液収容室119とが連通孔120を介して連通する状態になり、血液収容室112内に吸引収容された血液Mは第1の希釈液21によって順次希釈される。
この段階において、採血用具100の血液収容室112には希釈血液溶液が所定量収容される。
【0044】
この後、採血用具100にて採取した希釈血液溶液を用いて、定量用溶液を調製するような場合には、図13に示すように、希釈血液溶液が収容される別容器30を用意し、これに対向するように、採血用具100を配置する。
この状態で、操作ハンドル153を所定方向に回転操作すると、リンク機構142を介して穿刺刃130が進出動作すると共に、リンク機構142を介してシール部材184がピストン部181の底部側に突き当たり、このシール部材184を介してシリンダ部113内でピストン部181が押し出す方向に移動する。すると、ピストン部181の押出動作に伴って、血液収容室112内の希釈血液溶液がピストン部181で押し出され、容器30に移される。
この後、容器30内の希釈血液溶液を用いて、定量用溶液の調製作業が行われる(実施の形態2参照)。
【0045】
尚、本実施の形態においては、採血用具100としては、血液収容室112に連通接続される希釈液収容室119を備えたものが用いられているが、これに限られるものではなく、図14に示すように、用具本体110に希釈液収容室119を設けない態様についても適用して差し支えなく、この態様にあっては、血液収容室112には希釈されていない血液が収容されることになるため、採取された血液は別途迅速に希釈された後に、定量用溶液を調製することが好ましい。
【0046】
◎実施の形態2
本実施の形態は、実施の形態1に係る採血用具100を使用し、定量用溶液を調製する方法について説明する。
本実施の形態において、定量用溶液調製器具は、実施の形態1で使用される採血用具100と、図15に示される定量用溶液調製用具とを備えている。
本実施の形態において、定量用溶液調製用具は、血漿中の被測定物質または細胞画分中の被測定物質を定量するための定量用溶液を調製するための用具であり、図15に示すように、相互に嵌合可能な第1容器30及び第2容器40からなる。尚、図15(a)は第1容器30の正面図及び平面図、図15(b)は第2容器40の正面図及び平面図である。
ここで、第1容器30及び第2容器40は、プラスチック製が望ましく、材質としては、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリカーボネイト、塩化ビニル、ポリエステル、ナイロン、ポリブデン、ポリブタジエン、あるいは、これらの共重合体などが挙げられる。
【0047】
先ず、第1容器30について説明すると、第1容器30は、例えば円柱状の容器本体31を有し、この容器本体31には希釈血液溶液22(図16参照)又は第2の希釈液28(図17参照)が収容せしめられる希釈血液溶液収容部32(希釈血液溶液収容室33を区画する部分に相当)を設け、希釈血液溶液収容部32の内壁、言い換えれば、希釈血液溶液収容室33壁面入口側には雌ねじ部34を形成する一方、前記容器本体31の底部には下方へ突出する固定スタッド35を形成し、この固定スタッド35を図示外の固定ホルダのねじ孔部に係合固定することにより、固定ホルダに固定設置されるようになっている。
尚、容器本体31の入口部には後述する第2容器40の定量用溶液収容部42と嵌合部44との段差部が当接するフランジ部36が設けられている。
【0048】
一方、第2容器40は、例えば円柱状の容器本体41を有し、この容器本体41には定量用溶液(希釈血漿溶液又は希釈細胞画分溶液)が収容せしめられる定量用溶液収容部42(定量用溶液収容室43を区画する部分に相当)を設け、更に、この定量用溶液収容部42に隣接した箇所には第1容器30側に向かって突出し且つ前記第1容器30の希釈血液溶液収容部32に嵌合する嵌合部44を設け、この嵌合部44には先端から定量用溶液収容部42に向かって連通する連通部45を形成したものである。
本実施の形態において、定量用溶液収容部42は、円柱状形状にくりぬかれた収容室部分と、この下方に隣接して下方に向かって窄まるように円錐状形状にくりぬかれた収容室部分とからなる定量用溶液収容室43を備えている。
また、前記嵌合部44は定着用溶液収容部42よりも小さな外径を有し、その周壁には第1容器30の希釈血液溶液収容部32の雌ねじ部34に螺合する雄ねじ部46を形成したものである。
更に、連通部45は、嵌合部44の先端側から所定の内径に形成されるフィルタ保持孔47と、このフィルタ保持孔47よりも小径で前記定量用溶液収容室43の下端部に連通接続される小径接続孔48とを備えたものである。
【0049】
また、本実施の形態において、第2容器40のフィルタ保持孔47にはフィルタ60が挿入保持されており、このフィルタ60はフィルタ保持孔47より所定量m突出して配設されている。
本実施の形態において、フィルタ60は例えば微細繊維集合体、多孔質ポリマー又は微粒子集合体にて構成されており、例えば微細繊維集合体又は微粒子集合体を使用する態様にあっては、血漿以外の細胞画分が捕獲され、多孔質ポリマー、多孔質ポリマーが混在する微細繊維集合体又は多孔質ポリマーが混在する微粒子集合体を使用する態様にあっては、表面に細胞画分を保持し、内部に希釈血漿溶液を保持するようになっている。
尚、多孔質ポリマーのうち、特に、高吸水性に優れたものとしては、例えばポリアクリル酸樹脂、ポリエチレンオキシド樹脂、酢酸ビニル共重合体系樹脂、アクリル酸グラフト共重合体系樹脂などが挙げられる。
特に、本実施の形態では、嵌合部44の長さ寸法k及びフィルタ60の嵌合部44からの突出部寸法mの合計は、第1容器30の希釈血液溶液収容部32の深さ寸法nに対応して設定されている。
更に、前記嵌合部44の先端側周囲には周辺シール部材としてのOリング49が設けられている。
【0050】
更にまた、本実施の形態では、第2容器40の定量用溶液収容部42の上方側には当該定量用溶液収容部42の上方を開放可能に覆う蓋部材50が設けられている。
この蓋部材50は、定量用溶液収容部42の上方突出部42aに嵌合する凹部51を有し、この凹部51の内面には前記上方突出部42aに形成された雄ねじ部42bに螺合する雌ねじ部52を備えている。
そして、この蓋部材50は大気に連通する微小な大気開放口53を有している。
更にまた、本実施の形態では、容器本体41の定量用溶液収容部42の外周にはフランジ状の支持片54が設けられている。
この支持片54は、例えば自動分析装置に本件の調製用具を設置する際にサンプルテーブルの設置個所に調製用具を支えるためのものである。
【0051】
また、本実施の形態及び本件において使用する用語については以下のように意義を明確にしておく。
(血漿と細胞画分)
血液は、血漿と細胞画分から成り立っており、細胞画分には赤血球、白血球、血小板等が含有される。本発明において、血漿は本来の意味での血漿だけでなく、血液凝固反応によって凝集したフィブリンを除いた本来の意味での血清をも表す。以下、血清および血漿を合わせて、血漿とよぶこととする。また、本発明において、血液凝固反応が起こった場合には、細胞画分は血餅をも表す。以下、細胞画分及び血液凝固反応が起こった場合の血餅を合わせて、細胞画分とよぶこととする。
【0052】
(血漿中の被測定物質、細胞画分中の被測定物質)
血漿中の被測定物質としては、生化学項目や免疫項目のいずれの項目も適用可能である。生化学項目としては、例えば、グルコース、1,5−アンヒドログルシトール、フコース、尿素、アンモニア、クレアチニン、総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール、RLPコレステロール、トリグリセライド、リン脂質、Na、K、Cl、Ca、総蛋白、アルブミン、グロブリン、ビリルビン、胆汁酸、シアル酸、遊離脂肪酸、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、クレアチンホスホキナーゼ(CPK)、ホスホキナーゼ(PK)、アミラーゼ、リパーゼ、コリンエステラーゼ、γ−グルタミルトランスペプチダーゼ、L−乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)、アルドラーゼ、アルカリフォスファターゼ、酸フォスファターゼ等が挙げられる。免疫項目としては、例えば、IgG、IgM、IgA、IgE、アポ蛋白AI、アポ蛋白AII、アポ蛋白B、アポ蛋白E、リューマチファクター、D−ダイマー、酸化LDL、グリコアルブミン、T3、T4、抗テンカン剤などの薬剤、α−フェトプロテイン(AFP)、癌胎児性抗原(CEA)、CA19−9、CA−125、BNP、トロポニンT、トロポニンI、ヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)、インスリン、C−ペプタイド、エストロゲン、抗GAD抗体、ペプシノーゲン、HB抗原、抗HB抗体、HCV抗原、抗HCV抗体、HTLV−I抗原、抗HTLV−I抗体、HIV抗体、結核抗体、マイコプラズマ抗体等が挙げられる。細胞画分中の被測定物質としては、例えば、ヘモグロビンA1C等が挙げられる。
【0053】
(第1の希釈液)
第1の希釈液は、血漿中の被測定物質を測定する場合に使用する、血液を希釈・溶解するための水性溶液であり、希釈倍率算出のための指示物質が一定濃度で含有される水性溶液である。
(第1の希釈液調製用水性媒体)
第1の希釈液を調製するために使用する水性媒体としては、溶血させずに血液を安定に保存するものであれば特に制限はないが、例えば、等張液、生理食塩水、緩衝液等が挙げられる。等張液としては、例えば、ロック液、リンガー液、タイロード液、アール液、クレブス液、リン酸緩衝化生理食塩水(PBS)等が挙げられる。生理食塩水中の塩化ナトリウムの濃度は、0.1〜0.2mol/Lである。緩衝液に用いる緩衝剤としては、緩衝能を有するものならば特に制限されないが、pH2〜11の例えば、乳酸緩衝剤、クエン酸緩衝剤、酢酸緩衝剤、コハク酸緩衝剤、フタル酸緩衝剤、リン酸緩衝剤、トリエタノールアミン緩衝剤、ジエタノールアミン緩衝剤、リジン緩衝剤、バルビツール緩衝剤、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン緩衝剤、イミダゾール緩衝剤、リンゴ酸緩衝剤、シュウ酸緩衝剤、グリシン緩衝剤、ホウ酸緩衝剤、炭酸緩衝剤、グリシン緩衝剤、MES(2−モルホリノエタンスルホン酸)緩衝剤、ビス−トリス[ビス(2−ヒドロキシエチル)イミノトリス(ヒドロキシメチル)メタン]緩衝剤、ADA[N−(2−アセトアミド)イミノ二酢酸]緩衝剤、PIPES[ピペラジン−N,N’−ビス(2−エタンスルホン酸)]緩衝剤、ACES{2−[N−(2−アセトアミド)アミノ]エタンスルホン酸}緩衝剤、MOPSO(3−モルホリノ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸)緩衝剤、BES{2−[N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エタンスルホン酸}緩衝剤、MOPS(3−モルホリノプロパンスルホン酸)緩衝剤、TES〈2−{N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ}エタンスルホン酸〉緩衝剤、HEPES[N−(2−ヒドロキシエチル)−N’−(2−スルホエチル)ピペラジン]緩衝剤、DIPSO{3−[N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)アミノ]−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸}緩衝剤、TAPSO〈2−ヒドロキシ−3−{[N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ}プロパンスルホン酸〉緩衝剤、POPSO[ピペラジン−N,N’−ビス(2−ヒドロキシプロパン−3−スルホン酸)]緩衝剤、HEPPSO[N−(2−ヒドロキシエチル)−N’−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)ピペラジン]緩衝剤、EPPS[N−(2−ヒドロキシエチル)−N’−(3−スルホプロピル)ピペラジン]緩衝剤、トリシン[N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルグリシン]緩衝剤、ビシン[N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)グリシン]緩衝剤、TAPS{3−[N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノプロパンスルホン酸}緩衝剤、CHES[2−(N−シクロヘキシルアミノ)エタンスルホン酸]緩衝剤、CAPSO[3−(N−シクロヘキシルアミノ)−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸]緩衝剤、CAPS[3−(N−シクロヘキシルアミノ)プロパンスルホン酸]緩衝剤等のグッド緩衝剤等が挙げられる。緩衝液の濃度は特に制限はされないが、0.1〜1000mmol/Lが好ましく1〜500mmol/Lがより好ましい。
【0054】
(第1の希釈液中の添加物)
第1の希釈液には必要に応じて、キレート剤、酵素安定化剤、防腐剤、凝固促進剤等の添加物が含有されてもよい。キレート剤としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)等が挙げられ、酵素安定化剤としては、例えば、CPKの安定化剤としてのN−アセチルシステイン(NAC)、ALT、AST、CPKの安定化剤としてのα−ケトグルタル酸等が挙げられる。防腐剤としては、例えば、アジ化ナトリウム等が挙げられる。凝固促進剤としては、例えば、トロンビン、レクチン等が挙げられる。レクチンの由来としては、例えば、アブリン、トウアズキ、モクワンジュ、シベリア豆、海緑藻、タチナタ豆、大豆、スイートピー、レンズ豆、カブトガニ、トマト、オセージオレンジ、アボガド、ベニバナインゲンハナササゲ、赤インゲン豆、アメリカヤマゴボウ、エンドウ豆、ウィングビーン、ヒマ、ジャガイモ、コムギ麦芽、ソラ豆、ヨーロッパヤドリギ等が挙げられる。
【0055】
外因性指示物質としては、例えば、色素、還元発色型色原体、酸化発色型色原体、蛍光物質、発光物質等が挙げられる。酸化発色型色原体としては、ロイコ型色原体、酸化カップリング発色型色原体が挙げられる。これらのうち、酸化カップリング発色型色原体が好ましい。
【0056】
(色素)
色素としては、例えば、アシッドイエロー3、アシッドイエロー23、アシッドイエロー25、アシッドイエロー36、アシッドオレンジ5、アシッドオレンジ6、アシッドオレンジ7、アシッドオレンジ10、アシッドオレンジ19、アシッドオレンジ52、アシッドグリーン16、アシッドグリーン25、アシッドバイオレット43、アシッドブルー3、アシッドブルー9(ブリリアントブルーFCF)、アシッドブルー40、アシッドブルー45、アシッドブルー47、アシッドブルー59、アシッドブルー74、アシッドブルー113、アシッドブルー158、アシッドレッド1、アシッドレッド2、アシッドレッド14、アシッドレッド18、アシッドレッド27、アシッドレッド37、アシッドレッド51、アシッドレッド52、アシッドレッド87、アシッドレッド88、アシッドレッド92、アシッドレッド94、アシッドレッド95、アシッドレッド111、フードレッド17、フードイエロー3、ベーシックイエロー1、ベーシックイエロー2、ベーシックイエロー11、ベーシックオレンジ1、ベーシックオレンジ22、ベーシックグリーン4(マラカイトグリーン)、ベーシックバイオレット3、ベーシックバイオレット4、ベーシックバイオレット10、ベーシックブルー1、ベーシックブルー3、ベーシックブルー9、ベーシックブルー24、ベーシックレッド1、ベーシックレッド2、ベーシックレッド5、ベーシックレッド9、ベーシックレッド18等が挙げられる。
【0057】
(還元発色型色原体)
還元発色型色原体としては、例えば、3−(4,5−ジメチル−2−チアゾリル)−2,5−ジフェニル−2H−テトラゾリウム ブロミド(MTT)、2−(4−ヨードフェニル)−3−(4−ニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム モノナトリウム塩(WST−1)、2−(4−ヨードフェニル)−3−(2,4−ジニトロフェニル)−5−(2,4−ジスルホフェニル)−2H−テトラゾリウム モノナトリウム塩(WST−3)等が挙げられる。
(酸化発色型色原体〜ロイコ型色原体)
ロイコ型色原体は、過酸化水素およびペルオキシダーゼ等の過酸化活性物質の共存下、単独で色素へ変換される色原体であり、例えば、10−N−カルボキシメチルカルバモイル−3,7−ビス(ジメチルアミノ)−10H−フェノチアジン(CCAP)、10−N−メチルカルバモイル−3,7−ビス(ジメチルアミノ)−10H−フェノチアジン(MCDP)、N−(カルボキシメチルアミノカルボニル)−4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルアミン ナトリウム塩(DA−64)、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ジフェニルアミン、ビス[3−ビス(4−クロロフェニル)メチル−4−ジメチルアミノフェニル]アミン(BCMA)等が挙げられる。
【0058】
(酸化発色型色原体〜酸化カップリング発色型色原体)
酸化カップリング発色型色原体は、過酸化水素およびペルオキシダーゼ等の過酸化活性物質の共存下、2つの化合物が酸化的カップリングして色素を生成する色原体である。2つの化合物の組み合わせとしては、カプラーとアニリン類との組み合わせ、カプラーとフェノール類との組み合わせが挙げられる。カプラーとしては、例えば、4−アミノアンチピリン(4−AA)、3−メチル−2−ベンゾチアゾリノンヒドラジン等が挙げられる。アニリン類としては、N−エチル−N−(3−メチルフェニル)−N’サクシニルエチレンジアミン(EMSE)、N−(3,5−ジメトキシフェニル)−N’サクシニルエチレンジアミン・ナトリウム塩(DOSE)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−トルイジン、N−エチル−N−スルホプロピルアニリン、N−エチル−N−スルホプロピル−3,5−ジメトキシアニリン、N−スルホプロピル−3,5−ジメトキシアニリン、N−エチル−N−スルホプロピル−3,5−ジメチルアニリン、N−エチル−N−スルホプロピル−m−トルイジン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−m−アニシジン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)アニリン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3−メチルアニリン・ナトリウム塩2水和物(TOOS)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン、N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメトキシアニリン・ナトリウム塩(HSDA)、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−3,5−ジメチルアニリン、N−スルホプロピルアニリン、N−エチル−N−スルホプロピルアニリンプロピル−m−アニジン、N−エチル−N−(2−ヒドロキシ−3−スルホプロピル)−4−フルオロ−3,5−ジメトキシアニリン・ナトリウム塩(F−DAOS)等が挙げられる。フェノール類としては、フェノール、3−ヒドロキシ−2,4,6−トリヨウド安息香酸等が挙げられる。
【0059】
(蛍光物質及び発光物質)
蛍光物質としては、例えば、4−ヒドロキシフェニル酢酸、3−(4−ヒドロキシフェニル)プロピオン酸、クマリン等が挙げられる。発光物質としては、例えば、ルミノール、イソルミノール、ルシゲニン、アクリジニウムエステル等が挙げられる。
【0060】
(第2の希釈液)
第2の希釈液としては、例えば、蒸留水や塩濃度の低い水溶液等の低張液が挙げられる。第2の希釈液には、必要に応じて、指示物質、ヘモグロビン安定化剤、界面活性剤、脂質加水分解酵素等が含有される。細胞画分中の被測定物質を定量する場合には、特に、細胞画分中の被測定物質を濃度として測定する場合には、指示物質が含有される。指示物質としては上記のものが挙げられる。また、細胞画分中のヘモグロビンA1Cのヘモグロビンに対する割合を定量する場合には、第2の希釈液にはヘモグロビン安定化剤が含有されることが好ましい。
(ヘモグロビン安定化剤)
ヘモグロビン安定化剤としては、例えば、糖類、アミノ酸類、プロテアーゼ阻害剤、キレート剤、鉄プロトポルフィリン、フッ化ナトリウム、アルブミン類、ハプトグロブリン等が挙げられる。界面活性剤としては、例えば、ノニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等が挙げられる。脂質加水分解酵素としては、例えば、ホスホリパーゼ類やリポプロテインリパーゼ等が挙げられる。
【0061】
(フィルタ)
本実施の形態では、分離手段としてフィルタ60が用いられている。このフィルタ60としては、微細繊維集合体、多孔質ポリマー又は微粒子集合体が挙げられる。
(微細繊維集合体)
微細繊維集合体としては、例えば、ガラス繊維集合体、セルロース繊維集合体、合成繊維集合体等が挙げられる。合成繊維集合体の材質としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリアミド、ポリスルホン、ポリウレタン、ポリビニルホルマール、ポリ塩化ビニル、ポリエステル類等が挙げられる。必要に応じて、親水処理が施された微細繊維集合体も用いることができる。
(多孔質ポリマー及び微粒子集合体)
多孔質ポリマーとしては、例えば、熱硬化性ポリマー(フェノール系、尿素系、メラミン系、アルキド系、ポリエステルイソシアナート系)、熱可塑性ポリマー(ポリビニルホルマール、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリエチレン)、セルロース誘導体(エステル体、エーテル体、ビスコース)等が挙げられる。微粒子集合体としては、例えば、シリカ微粒子集合体等が挙げられる。
【0062】
次に、本実施の形態に係る定量用溶液調製用具の使用方法について説明する。
(希釈血漿溶液からなる定量用溶液の調製方法1)
今、第2容器40のフィルタ保持孔47にフィルタ60として微細繊維集合体を挿入保持させた実施の形態モデルを使用する場合を想定する。
この場合、図16(a)に示すように、第1容器30の希釈血液溶液収容部32に希釈血液溶液(例えば実施の形態1参照)22を収容し、しかる後、図16(b)(c)に示すように、第1容器30と第2容器40とを嵌合させ、第2容器40の定量用溶液収容部42に希釈血漿溶液25からなる定量用溶液を調製する。
【0063】
本例の場合、第2容器40の嵌合部44が第1容器30の希釈血液溶液収容部32に嵌合していき、前記フィルタ60の先端が希釈血液溶液22に浸漬すると、第1容器30に第2容器40を押し込んでいる間、蓋部材50の大気開放口53が開放されているため、この大気開放口53から空気が逃げ、希釈血液溶液22はフィルタ60を介して定量用溶液収容部42側へと移動する。
このとき、希釈血液溶液22中の細胞画分Sはフィルタ60である微細繊維集合体の表面に保持されるため、希釈血液溶液22のうち、血漿がフィルタ60を透過して定量用溶液収容部42に移動する。
このため、定量用溶液収容部42には希釈血漿溶液25からなる定量用溶液が調製される。
また、図15に示すように、連通部45のうち、小径接続孔48はフィルタ保持孔47に保持されているフィルタ60と定量用溶液収容部42とを連通接続するが、その径が非常に細いため、定量用溶液収容部42内の定量用溶液とフィルタ60に残っている液とが混在することはない。
【0064】
(希釈細胞画分溶液からなる定量用溶液の調製方法1)
今、第2容器40のフィルタ保持孔47にフィルタ60として微細繊維集合体を挿入保持させた実施の形態モデルを使用する場合を想定する。
この場合、図16(a)に示すように、第1容器30の希釈血液溶液収容部32に希釈血液溶液22を収容させ、しかる後、図16(b)(c)に示すように、第1容器30と第2容器40とを嵌合させ、第2容器40の定量用溶液収容部42に希釈血漿溶液25からなる定量用溶液を調製し、次いで、図17(a)に示すように、第1容器30及び第2容器40の嵌合状態を解除した後に、前記第2容器40の定量用溶液収容部42から前記希釈血漿溶液25からなる定量用溶液を取り除き、一方、第1容器30の希釈血液溶液収容部32に所定量の第2の希釈液28を収容し、しかる後、図17(b)(c)に示すように、第1容器30と第2容器40とを嵌合させ、第2容器40の定量用溶液収容部42に希釈細胞画分溶液27からなる定量用溶液を調製する。
【0065】
このような調製方法において、希釈細胞画分溶液27を調製する段階において、第2容器40の定量用溶液収容部42については、希釈血漿溶液25の影響が及ばないように、洗浄した後に使用することが好ましい。
また、第1容器30には第2の希釈液28を収容することになるが、希釈血液溶液22の影響が及ばないようにするには第1容器30も洗浄後に第2の希釈液28を収容させるようにするか、あるいは、第1容器30として別パーツのものを使用することが好ましい。
この調製方法では、図17(b)(c)のように、第1容器30と第2容器40とを嵌合させると、第2の希釈液28がフィルタ60表面に保持された細胞画分Sを希釈し、定量用溶液収容部42へと移動していく。
【0066】
◎実施の形態3
図18は本発明が適用された定量用溶液調製器具の実施の形態3を示す。
同図において、定量用溶液調製器具は、図18(a)に示す採血用具200と、図18(b)に示す定量用溶液調製用具210とからなる。
本実施の形態において、採血用具200は、採血管201の内部に第1の希釈液21が収容される希釈血液溶液収容室202を形成し、この採血管201の開口部を例えばゴム状膜からなる封止体203にて密閉状に封止すると共に、この採血管201には希釈血液溶液収容室202の容積を可変にするピストン204を例えばネジ状の進退操作ロッド205を回転することにより進退自在に設けたものである。
【0067】
一方、定量用溶液調製用具210は、上部が開口した定量用溶液収容室212が形成された定量用溶液収容容器211を有し、この定量用溶液収容容器211の下部に分離デバイス213を取り付けたものである。
この分離デバイス213は、内部に連通路が形成された連通ホルダ215内にフィルタ214を配設し、この連通ホルダ215の下部には中空針216を突出配置すると共に、前記定量用溶液収容容器211の下部に分離デバイス213の連通路に連通する連通孔217を設けたものである。
尚、フィルタ214は、希釈血液溶液22内の細胞画分を保持し、血漿を通過させるものである。
【0068】
このような定量用溶液調製器具の使用方法について説明すると、以下のようである。
先ず、採血用具200を用いて採血する場合には、図19に示すように、採血用具200の進退操作ロッド205を後退させ、希釈血液溶液収容室202の容積を増加させることで、希釈血液溶液収容室202を減圧状態とし、この状態で、人体の被採血部に両端が穿刺可能な中空針206を穿刺すると共に、この中空針206の他方を前記採血用具200の封止体203に突き刺すようにすればよい。
このようにすれば、被採血部から流出した血液は、負圧状態の希釈血液溶液収容室202内に吸引収容されると同時に、内部の第1の希釈液21にて希釈される。
この状態で、採血用具200内には、希釈血液溶液が調製される。
【0069】
次に、定量用溶液調製用具210について説明すると、図20に示すように、希釈血液溶液22が収容された採血用具200の封止体203に分離デバイス213の中空針216を突き刺し、この状態で、採血用具200の進退操作ロッド205を進出させ、希釈血液溶液収容室202内の希釈血液溶液22を正圧で押し出すことにより、分離デバイス213のフィルタ214に希釈血液溶液22を通過させるようにすればよい。
このようにすれば、定量用溶液収容容器211の定量用溶液収容室212にフィルタ214を通過した希釈血漿溶液からなる定量用溶液が収容される。
尚、フィルタ214には、細胞画分が捕獲されており、仮に、希釈細胞画分溶液からなる定量用溶液を調製する場合には、フィルタ214に第2の希釈液を通過させることで、フィルタ214に捕獲されている細胞画分を希釈し、希釈細胞画分溶液として調製するようにすればよい。
【0070】
◎実施の形態4
図21は本発明が適用された定量用溶液調製器具の実施の形態4を示す。
同図において、定量用溶液調製器具は、図21(a)に示す採血用具300と、図21(b)に示す分離デバイス310と、図21(c)に示す定量用溶液収容管320とからなる。
本実施の形態において、採血用具300は、採血管301の内部に第1の希釈液21が収容される希釈血液溶液収容室302を形成し、この希釈血液溶液収容室302を予め負圧状態に真空吸引すると共に、採血管301の開口部を例えばゴム状膜からなる封止体303にて密閉状に封止したものである。
【0071】
一方、分離デバイス310は、連通ホルダ311内の連通路にフィルタ312を配設し、連通ホルダ311の上下には入口側中空針313及び出口側中空針314を突出形成したものである。
更に、定量用溶液収容管320は内部に定量用溶液収容室322を形成したもので、この定量用溶液収容室322を予め負圧状態に真空吸引すると共に、開口部を例えばゴム状膜からなる封止体323にて密閉状に封止したものである。
特に、定量用溶液収容管320の負圧状態は少なくとも希釈血液溶液が調製された採血管301よりも真空度が大きくなるように設定される。
【0072】
このような定量用溶液調製器具の使用方法について説明すると、以下のようである。
先ず、採血用具300を用いて採血する場合には、図22に示すように、人体の被採血部に両端が穿刺可能な中空針306を穿刺すると共に、この中空針306の他方を前記採血用具300の封止体303に突き刺すようにすればよい。
このようにすれば、被採血部から流出した血液は、負圧状態の希釈血液溶液収容室302内に吸引収容されると同時に、内部の第1の希釈液21にて希釈される。
この状態で、採血用具300内には、希釈血液溶液が調製される。
【0073】
次に、定量用溶液を調製する場合について説明すると、図23(a)(b)(c)に示すように、希釈血液溶液22が収容された採血用具300の封止体303に分離デバイス310の入口側中空針313を突き刺し、この後、分離デバイス310の出口側中空針314を定量用溶液収容管320の封止体323に突き刺すようにすればよい。
このとき、定量用溶液収容管320の方が採血管301に比べて負圧状態が高いので、気体の圧力差により、採血管301内の希釈血液溶液22が分離デバイス310のフィルタ312を通過して定量用溶液収容管320に吸い出される。この結果、定量用溶液収容管320の定量用溶液収容室322にフィルタ312を通過した希釈血漿溶液からなる定量用溶液が収容される。
尚、フィルタ312には、細胞画分が捕獲されており、仮に、希釈細胞画分溶液からなる定量用溶液を調製する場合には、フィルタ312に第2の希釈液を通過させることで、フィルタ312に捕獲されている細胞画分を希釈し、希釈細胞画分溶液として調製するようにすればよい。
【0074】
◎実施の形態5
本実施の形態は、各実施の形態で調製された定量用溶液を用いた定量方法を示す。
これは、血液を用いて血漿中の被測定物質を定量する方法であって、
(1)上述した定量用溶液調製方法にて希釈血漿溶液からなる定量用溶液を調製する工程と、
(2)該定量用溶液中の指示物質の濃度と、第1希釈用溶液中の指示物質の濃度とから、該定量用溶液中の血漿の希釈倍率を算出する工程と、
(3)該定量用溶液中の被測定物質の濃度を測定する工程と、
(4)(2)で算出した希釈倍率と、(3)で測定した定量用溶液中の被測定物質の濃度とから、該血漿中の被測定物質の濃度を定量する工程と、
を含むものである(図3(a)参照)。
以下、本実施の形態における定量方法について詳述する。
【0075】
血漿中の被測定物質の濃度(X)は、上述の2つの方法により調製された定量用溶液中の被測定物質の濃度(Y)と、該定量用溶液中の血漿の希釈倍率(a)とから式1により求めることができる。
X=a×Y …(式1)
(定量用溶液中の血漿の希釈倍率を算出する方法)
第1希釈用溶液中の指示物質の量をM1、該第1希釈用溶液の容量をV1とすると、該第1希釈用溶液中の指示物質の濃度C1は、
C1=M1/V1 …(式2)
で表される。
一方、血漿を含有する定量用溶液中の指示物質の濃度C2は、該血漿の容量をV2(但し、V2は測定されない)とすると、
C2=M1/(V1+V2) …(式3)
で表される。
【0076】
定量用溶液中の血漿の希釈倍率(a)は、
希釈倍率(a)=(V1+V2)/V2 …(式4)
であることから、従って、希釈倍率(a)は、C1及びC2の値から式5により求めることができる。
希釈倍率(a)=C1/(C1−C2) …(式5)
ここで、指示物質の濃度C1とC2は、指示物質が色素、色原体である場合には吸光度で、指示物質が発光物質である場合には発光強度で、指示物質が蛍光物質の場合には蛍光強度を計測することにより求められる。
指示物質を吸光度により定量する場合には濃度と吸光度は比例するので、血液希釈用溶液及び定量用溶液における指示物質の濃度と吸光度をそれぞれC1とE1、及びC2とE2とすると、
C2/C1=E2/E1 …(式6)
が成り立つ。
よって、希釈倍率(a)は、
希釈倍率(a)=C1/(C1−C2)=E1/(E1−E2) …(式7)
として求めることもできる。
【0077】
以上のように希釈倍率は、C1及びC2値またはE1及びE2値により計算されうる。
尚、C1またはE1はあらかじめ既知の値に設定されていてもよいが、新たに調製した第1希釈用溶液を用いて定量することもできる。
この場合、指示物質と該指示物質由来の情報との関係を表した検量線を作成すれば、既知になることによる。
【0078】
(指示物質の定量方法)
指示物質の定量方法としては、指示物質の濃度が定量できる方法であれば特に限定はない。指示物質が色素の場合は、定量用溶液そのものの吸光度を定量することができる。また、その他の場合には、定量用溶液から一定量の試料を取り出し、該試料中の指示物質の濃度を、指示物質の然るべき定量方法で定量する。定量に際し、吸光度を用いる場合には、指示物質の濃度に換算することなく直接、吸光度の値を用いることが出来る。
本例において指示物質の濃度を測定する方法としては、比色法、発光法、蛍光法などが挙げられるが、比色法が特に好ましい。
【0079】
比色法に用いる指示物質としては、例えば、前述の色素、還元発色型色原体及び酸化発色型色原体が挙げられる。酸化発色型色原体としては、ロイコ型色原体、酸化カップリング発色型色原体が挙げられる。還元発色型色原体を用いた場合の比色法としては、還元発色型色原体を、NAD(P)H等の還元型補酵素、ジアホラーゼ及び1−メトキシー5−メチルフェナジウムメチルサルフェート等の電子キャリアーの作用により色素に変換し、生成色素の吸光度を分光光度計で測定する方法が挙げられる。酸化発色型色原体を用いた場合の比色法としては、酸化発色型色原体を過酸化水素及びペルオキシダーゼ等の過酸化活性物質の作用により色素に変換し、生成色素の吸光度を分光光度計で測定する方法が挙げられる。
蛍光法としては、過酸化水素及びペルオキシダーゼ等の過酸化活性物質により前述の蛍光物質から生じた蛍光を蛍光光度計で測定する方法があげられる。
発光法としては、過酸化水素及びペルオキシダーゼ等の過酸化活性物質により前述の発光物質から生じた光(フォトン)をルミノメータで測定する方法があげられる。
【0080】
尚、酸化発色型色原体として酸化カップリング発色型色原体を用いる場合には、定量用溶液中の指示物質として発色に与る2つの化合物のうちの一方の化合物が含有され、もう一方の化合物は別に保存される。
酸化発色型色原体を指示物質として用いる場合には、該酸化発色型色原体のモル数は過酸化水素のモル数よりも小さくすることが必要である。また、酸化カップリング発色型色原体を指示物質として用いる場合には、該色原体のモル数は過酸化水素ともう一方の化合物のそれぞれのモル数よりも小さくすることが必要である。
酸化発色型色原体の色素への変換に使用する過酸化水素は、過酸化水素そのものであっても、物質から酵素により直接または間接的に生成するものであってもよい。過酸化水素を直接または間接的に生成するような物質と酵素の組み合わせとしては、例えば、以下の組み合わせが挙げられる。
【0081】
・コリン−コリンオキシダーゼ、
・コレステロール−コレステロールオキシダーゼ、
・尿酸−ウリカーゼ、
・トリグリセライド−リポプロテインリパーゼおよびグリセロールオキシダーゼ、
・遊離脂肪酸−アシル−CoAシンセターゼおよびアシル−CoAオキシダーゼ、
・グルコース−ピラノースオキシダーゼ、
・リン脂質−ホスホリパーゼDおよびコリンオキシダーゼ、
・クレアチン−クレアチナーゼおよびザルコシンオキシダーゼ、
・クレアチニン−クレアチニナーゼ、クレアチナーゼおよびザルコシンオキシダーゼ、
・乳酸−ラクトースオキシダーゼ、
・無機リン−プリンヌクレオシドホスホリラーゼおよびキサンチンオキシダーゼ、
・オルトトルオイルコリン−コリンエステラーゼおよびコリンオキシダーゼ、
・モノアミン類(アリルアミン等)−モノアミンオキシダーゼ。
【0082】
(希釈倍率算出用試薬)
酸化発色型色原体を指示物質として用いた場合、該色原体を定量するための試薬は、該色原体を色素に変換する試薬を表す。この酸化発色型色原体を定量するための試薬は、1試薬系または複数の試薬系での保存が可能である。複数の試薬系での保存が好ましく、2試薬系での保存がより好ましい。過酸化水素そのものを用いる場合は、過酸化水素とペルオキシダーゼ等の過酸化活性物質との共存を避けるような2試薬系が好ましい。また、過酸化水素が物質から酵素により直接または間接的に生成する場合には、該物質と該物質と直接反応する酵素との共存を避けるような2試薬系が好ましい。
【0083】
(希釈倍率算出用試薬の具体的保存形態)
酸化発色型色原体を定量するための試薬の具体的保存形態を以下に記す。しかし、保存形態はこれらの具体例に限定されるものではない。
定量用溶液中の指示物質:EMSE
第1試薬
MOPS緩衝液(pH7.1) 20mmol/L
ペルオキシダーゼ 10U/mL
塩化コリン 0.05mg/mL
アスコルビン酸オキシダーゼ 3U/mL
ノニオンHS−210 0.1%
第2試薬
MOPS緩衝液(pH7.0) 20mmol/L
4−アミノアンチピリン 0.5g/L
コリンオキシダーゼ 10U/mL
【0084】
(希釈血漿溶液からなる定量用溶液中の被測定物質の定量)
該被測定物質としては、血漿中の成分であれば特に限定はないが、例えば、前述の生化学項目や免疫項目が挙げられる。該被測定物質の定量は、該被測定物質の定量法として確立されている一般的な方法により実施可能であり特に制限はないが、指示物質により実質的に影響されない定量方法が好ましい。また、希釈血漿溶液からなる定量用溶液中の被測定物質の定量に際しては、該定量用溶液を希釈して用いてもよい。
【0085】
◎実施の形態6
本実施の形態は、各実施の形態で調製された定量用溶液を用いた定量方法を示す。
これは、血液を用いて、細胞画分中の被測定物質を定量する方法であって、
(1)上述した定量用溶液調製方法にて希釈細胞画分溶液からなる定量用溶液を調製する工程と、
(2)該定量用溶液中の指示物質の濃度と、第2の希釈液中の指示物質の濃度とから、該定量用溶液中の細胞画分の希釈倍率を算出する工程と、
(3)該定量用溶液中の被測定物質の濃度を測定する工程と、
(4)(2)で算出した希釈倍率と、(3)で測定した定量用溶液中の被測定物質の濃度とから、該細胞画分中の被測定物質の濃度を定量する工程と、
を含むものである(図3(b)参照)。本実施の形態の詳細は、実施の形態5と同様である。
◎実施の形態7
本実施の形態は、各実施の形態で調製された定量用溶液を用いた定量方法を示す。
これは、血液を用いて、細胞画分中のヘモグロビンA1Cのヘモグロビンに対する割合を定量する方法であって、
(1)上述した定量用溶液調製方法にて希釈細胞画分溶液からなる定量用溶液を調製する工程と、
(2)(1)で調製された定量用溶液におけるヘモグロビンA1Cのヘモグロビンに対する割合(比率)を定量する工程と、を含むものである(図3(c)参照)。
【0086】
(希釈細胞画分溶液からなる定量用溶液中の被測定物質の定量)
該被測定物質としては、細胞画分中の成分であれば特に限定はないが、特に、ヘモグロビンA1Cが好ましく挙げられる。該被測定物質の定量は、該被測定物質の定量法として確立されている一般的な方法により実施可能である。
【0087】
【実施例】
実施例1(採血用具)
実施の形態1に示す採血用具を作成した(図4参照)。
ここで、採血用具の要素としては、ポリウレタン製の吸盤116、ポリプロピレン製の軸(リンク機構142)にステンレス製の1mmの穿刺刃130を結合させたもの、ポリプロピレン製の回転板141にエネルギ蓄積部材160として市販の輪ゴム2個を使用し、回転板141の回転で輪ゴムが伸長するよう結合させたもの、用具本体110はアクリル樹脂を使用して血液が流入すると外部から観察できるように透明なもので成型した。
また、減圧機構180のピストン部181をポリプロピレン製とした。
更に、回転板141には外部に操作ハンドル153が結合しており、操作ハンドル153を回転すると回転板141が回転してゴムを伸ばし、エネルギの蓄積が行われる。
【0088】
実施例2 実施例1に係る採血用具を用いた希釈血漿溶液からなる定量用溶液の調製
(1)血液の採取
図4において、回転板141が結合している外部の操作ハンドル153を回してエネルギ蓄積部材160のゴムを伸ばしてエネルギを蓄積し、係脱機構170にて穿刺刃130が初期位置になるように停止した。
人体の被採血部として例えば腕の内側に吸盤116を押しつけて吸盤116を吸着させ、係止ロッド177を押し出して係止部材171と回転板141との係止状態を解除すると、回転板141を一気に回転させて穿刺刃130による穿刺動作が行われ、同時に採血が行われた。
1分後に吸盤116をはずし、操作ハンドル153を逆回転させて血液を押しだした所、得られた血液は約0.2mLであった。
【0089】
(2)希釈血漿溶液からなる定量用溶液の調製
(1)で採取した血液を下記の血液希釈用溶液(第1の希釈液)で希釈し、得られた希釈血液溶液をアクリル樹脂接着ガラス繊維濾紙(ミリポア社製)により分離し、希釈血漿溶液からなる定量用溶液を調製した。尚、該定量用溶液中には、指示物質としてグリセロール−3−リン酸が含有されている。
PIPES緩衝液(pH7.0) 50mmol/L
ヘパリン 10kU/L
塩化ナトリウム 5g/L
α−ケトグルタル酸 1.5g/L
グリセロール−3−リン酸 0.5g/L
アジ化ナトリウム 0.3g/L
【0090】
実施例3(定量用溶液調製器具)
本実施例は、実施の形態3に係るモデルで、希釈血漿溶液からなる定量用溶液を調製するための器具であり、▲1▼採血および希釈血液溶液調製の機能を有する装置(採血用具)、並びに、▲2▼希釈血漿溶液からなる定量用溶液調製の機能を有する装置(定量用溶液調製用具:場合により細胞画分分離用具とよぶことがある)から成り立っている。
▲1▼採血および希釈血液溶液調製の機能を有する装置は、採血機能、希釈血液溶液調製機能、および、希釈血液溶液収容機能を有する。▲2▼希釈血漿溶液からなる定量用溶液調製の機能を有する装置は、希釈血漿溶液からなる定量用溶液調製機能、および、希釈血漿溶液からなる定量用溶液収容機能を有する。
これらの2つの用具からなる定量用溶液調製器具は、血液を採取すると同時に希釈し、希釈血液溶液を血球分離する装置であり、主としてポリプロピレンによって作成した。
すなわち、本体部分がポリプロピレンで、封止体がポリブタジエン製のゴムである。また、フィルタは径がミクロンのアクリル酸樹脂をバインダに使用したガラスフィルタを5mmの厚さに敷いている。採血用具内には、実施例2で使用した第1の希釈液と同じ組成の第1の希釈液を0.5mL入れ、ゴム状膜からなる封止体で封入した。
【0091】
実施例4 実施例3の定量用溶液調製器具を用いた希釈血漿溶液からなる定量用溶液の調製
(1)採血と希釈血液溶液の調製
先ず、実施例3の採血用具における操作進退ロッドを回転させてピストンを、ゴム状膜からなる封止体と反対側に移動させて減圧を発生させた。市販の両端が針になっている真空採血用アダプタ(テルモ製)を使用し、腕に針を刺して腕側と反対側の針をゴム状膜からなる封止体に貫通させ、採血用具内に血液を吸引させた。
30秒後、腕から針を抜き、採血用具の封止体からも針を取り外した。
採血用具の内部に血液が進入し、第1の希釈液と混合され、希釈血液溶液が調製された。
(2)希釈血漿溶液からなる定量用溶液の調製
次に、実施例3の定量用溶液調製用具(細胞画分分離用具)を装着すべく、採血用具のゴム状膜からなる封止体に中空針を突き刺し、上記採血用具と定量用溶液調製器具とを例えばねじ込みなどにより装着した。
この状態で、定量用溶液調製用具の定量用溶液収容容器が上になるように全体を垂直にし、続いて操作進退ロッドを逆に回して希釈血液溶液収容室の容積が減少する方向に向けてピストンを移動させた。すると、採血用具内は加圧され、希釈血液溶液はフィルタにより濾過され、フィルタに細胞画分が捕捉され、若干黄色みがかった希釈血漿溶液からなる定量用溶液が定量用溶液収容容器に収容された。
【0092】
実施例5 定量用溶液調製器具を用いた希釈血漿溶液からなる定量用溶液の調製
本実施例は、実施の形態4に係る定量用溶液調製器具を用いたものであり、第1の希釈液が混入されている真空採血管で血液を採取し、当該採血管内に希釈血液溶液を調製した。この希釈血液溶液を含有する採血管に分離デバイスの針の部分を差し込んだ。この分離デバイスは両側に中空針が装着されており、両側の針は中央のフィルタを介してつながっている。フィルタとしては、アクリル樹脂接着ガラス繊維濾紙(ミリポア社製)を用いた。次に、1〜2mL程度の採血が可能な真空採血管を反対側の針に刺し、減圧により上部の希釈血液溶液がフィルタを通して濾過され、下部の真空採血管に希釈血漿溶液からなる定量用溶液が得られた。
【0093】
実施例6 実施例4で調製した希釈血漿溶液からなる定量用溶液を用いた血漿中の尿酸の定量
(1)希釈倍率算出
実施例4で調製した希釈血漿溶液からなる定量用溶液における血漿の希釈倍率を、下記の希釈度算出用試薬を用いた吸光度測定により算出した。吸光度測定は、自動分析装置 東芝200FRを用いて、下記の測定パラメータにより行った。その結果、該定量用溶液における血漿の希釈倍率は12.8と算出された。
希釈度算出用溶液
第1試薬
PIPES緩衝液(pH7.0) 20mmol/L
トリトン X−100 1.0g/L
EMSE 0.2g/L
アジ化ナトリウム 0.3g/L
アスコルビン酸オキシダーゼ 1U/mL
ペルオキシダーゼ 5U/mL
第2試薬
PIPES緩衝液(pH7.0) 50mmol/L
トリトン X−100 1.0g/L
4−アミノアンチピリン 0.5g/L
アジ化ナトリウム 0.3g/L
ペルオキシダーゼ 10U/mL
グリセロール−3−リン酸オキシダーゼ 20U/mL
希釈倍率算出用試薬パラメータ
サンプル容量:5μL
R1:150μL
R2:50μL
主波長 546nm 副波長 700nm
測光ポイント:(14−16) (31−33)
【0094】
(2)該定量用溶液中の尿酸濃度の測定
実施例3で調製した希釈血漿溶液からなる定量用溶液における尿酸の濃度を、尿酸測定試薬 デタミナー L UA(協和メデックス社製)のR1およびR2を用いて測定した。測定は、自動分析装置 東芝200FRを用いて、下記の測定パラメータにより行った。その結果、該定量用溶液中の尿酸濃度は0.27mg/dLであった。
尿酸測定用測定パラメータ
サンプル容量:15μL
R1:150μL
R2:50μL
主波長 546nm 副波長 700nm
測光ポイント:(14−16) (31−33)
【0095】
(3)血漿中の尿酸の定量
(1)で算出された希釈倍率12.8と(2)で測定した該定量用溶液中の尿酸濃度0.27mg/dLとから、血漿中の尿酸濃度は3.5mg/dLと定量された。
一方、実施例3で用いた血液の提供者から別個血液(5mL)をヘパリン含有試験管に採取し、該ヘパリン含有血液を遠心分離(3000rpm、10分間)し、血漿を得た。該血漿中の尿酸の濃度を、前記と同様に、尿酸測定試薬 デタミナーL UA(協和メデックス社製)のR1およびR2を用いて測定した。その結果、該血漿中の尿酸の濃度は3.6mg/dLであり、本発明の方法で定量した尿酸の濃度3.5mg/dLと極めて近い値であることから、本発明の方法による血漿中の尿酸の定量方法は、従来の尿酸の定量方法と何ら遜色のない方法であることが判明した。
【0096】
【発明の効果】
以上説明してきたように、本発明に係る採血用具によれば、蓄積エネルギを利用して穿刺体を自動的に穿刺する方式を採用し、かつ、進退移動機構による穿刺体の後退動作に連動して血液収容室に所定量の血液を吸引採取できるようにしたので、穿刺体を自力で穿刺する際の精神的な苦痛を排除し、かつ、ある程度の量の血液を簡単且つ確実に採取することができる。
また、本発明の別の態様に係る採血用具によれば、内部に第1の希釈液が収容され、かつ、密封で減圧状態の希釈血液溶液収容室が形成される用具本体と、この希釈血液溶液収容室に連通接続される穿刺体とを具備させたので、採血と同時に希釈血液溶液を簡単に生成することができる。
要するに、本発明のいずれの態様にあっても、血液の採取、あるいは、希釈血液溶液の調製が容易になるため、定量用溶液の調製を容易に行うことができる。
【0097】
また、本発明に係る定量用溶液調製方法は、採取された血液を希釈した後に、分離手段にて血漿と細胞画分とに分離し、希釈血漿溶液若しくは希釈細胞画分溶液からなる定量用溶液を調製するようにしたので、採取、調製された希釈血液溶液を用いて、迅速、簡便、かつ、安全に、希釈血漿溶液若しくは希釈細胞画分溶液からなる定量用溶液を調製することが可能となる。
従って、希釈血漿溶液若しくは希釈細胞画分溶液からなる定量用溶液を用いた、血漿中の被測定物質、細胞画分中の被測定物質(特に、ヘモグロビンA1C)の定量が可能となる。
更に、本発明に係る定量用溶液調製器具によれば、上述した定量用溶液の調製を簡単に実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)は本発明に係る採血用具の概要を示す説明図、(b)は本発明の別の態様に係る採血用具の概要を示す説明図である。
【図2】 (a)は本発明に係る定量用溶液調製方法の概要を示す説明図、(b)は本発明に係る定量用溶液調製器具の概要を示す説明図である。
【図3】 (a)は本発明に係る希釈血漿溶液からなる定量用溶液を用いた定量方法を示す説明図、(b)及び(c)は本発明に係る希釈細胞画分溶液からなる定量用溶液を用いた定量方法を示す説明図である。
【図4】 本発明が適用された採血用具の実施の形態1を示す断面説明図である。
【図5】 図4の側面説明図である。
【図6】 (a)は実施の形態1の採血用具のハウジングを示す説明図、(b)はピストン部を示す説明図である。
【図7】 (a)は穿刺刃を支持するリンク機構を示す正面図及びその平面図、(b)は(a)中B方向から見た矢視図、(c)は(a)中C部の詳細を示す正面部及びその左側面図、(d)は(a)中D部の詳細を示す正面図及びその左側面図である。
【図8】 実施の形態1で用いられる希釈液収容容器を示す説明図である。
【図9】 (a)は実施の形態1で用いられる回転駆動装置の正面図及びその左側面図、(b)は回転駆動装置と係脱する係脱機構の係止部材の正面図及びその左側面図である。
【図10】 (a)は回転駆動装置と係脱する係脱機構のロッド取付部の正面図及び右側面図、(b)は係脱機構の係止ロッドを示す説明図である。
【図11】 実施の形態1に係る採血用具の動作過程(1)を示す説明図である。
【図12】 実施の形態1に係る採血用具の動作過程(2)を示す説明図である。
【図13】 実施の形態1に係る採血用具の動作過程(3)を示す説明図である。
【図14】 実施の形態1に係る採血用具の変形形態を示す説明図である。
【図15】 (a)(b)は実施の形態2で用いられる定量用溶液調製器具の採血用具以外の構成を示す説明図である。
【図16】 (a)〜(c)は実施の形態2で用いられる定量用溶液調製器具の使用方法(1)を示す説明図である。
【図17】 (a)〜(c)は実施の形態2で用いられる定量用溶液調製器具の使用方法(2)を示す説明図である。
【図18】 (a)(b)は実施の形態3に係る定量用溶液調製器具を示す説明図である。
【図19】 実施の形態3における採血方法を示す説明図である。
【図20】 実施の形態3における定量用溶液の調製方法を示す説明図である。
【図21】 (a)〜(c)は実施の形態4に係る定量用溶液調製器具を示す説明図である。
【図22】 実施の形態4における採血方法を示す説明図である。
【図23】 (a)〜(c)は実施の形態4における定量用溶液の調製方法を示す説明図である。
【符号の説明】
1…用具本体,2…血液収容室,3…血液吸引部,4…被採血部,5…穿刺体,6…進退移動機構,7…係脱機構,8…エネルギ蓄積手段,9…減圧機構,10…希釈液収容室,11…用具本体,12…第1の希釈液,13…希釈血液溶液収容室,14…容積可変機構,15…穿刺体,16…希釈血液溶液,17…定量用溶液(希釈血漿溶液),18…第2の希釈液,19…定量用溶液(希釈細胞画分溶液),A…採血用具,B…分離手段,C…定量用溶液収容容器

Claims (23)

  1. 内部に血液収容室が形成され、かつ、前記血液収容室に連通して被採血部との間を密封に保つ血液吸引部を有する用具本体と、
    この用具本体に対し進退自在に設けられて前記被採血部を穿刺する穿刺体と、
    この穿刺体を初期位置又は退避位置と穿刺位置との間で進退可能に移動させる進退移動機構と、
    穿刺体を初期位置に係脱自在に係止する係脱機構と、
    穿刺体が少なくとも初期位置から穿刺位置まで進出動作する上で必要な駆動エネルギを蓄積し、進退移動機構に伝達するエネルギ蓄積手段と、
    進退移動機構による穿刺体の穿刺位置から退避位置までの後退動作に連動して血液収容室を負圧状態に減圧する減圧機構とを備えたことを特徴とする採血用具。
  2. 内部に血液収容室が形成され、前記血液収容室に連通して被採血部との間を密封に保つ血液吸引部を有すると共に、前記血液収容室には第1の希釈液を収容した希釈液収容室が液密に連通配設される用具本体と、
    この用具本体に対し進退自在に設けられて前記被採血部を穿刺する穿刺体と、
    この穿刺体を初期位置又は退避位置と穿刺位置との間で進退可能に移動させる進退移動機構と、
    穿刺体を初期位置に係脱自在に係止する係脱機構と、
    穿刺体が少なくとも初期位置から穿刺位置まで進出動作する上で必要な駆動エネルギを蓄積し、進退移動機構に伝達するエネルギ蓄積手段と、
    進退移動機構による穿刺体の穿刺位置から退避位置までの後退動作に連動して血液収容室を負圧状態に減圧する減圧機構とを備えたことを特徴とする採血用具。
  3. 請求項1又は2記載の採血用具において、
    エネルギ蓄積手段は、穿刺体が初期位置から穿刺位置まで進出動作し、かつ、穿刺位置から後退位置まで後退動作する上で必要な駆動エネルギを蓄積するものであることを特徴とする採血用具。
  4. 請求項1又は2記載の採血用具において、
    減圧機構は、進退移動機構による穿刺体の進退動作に連動して、血液収容室を進退するピストン部を備え、進退移動機構による穿刺体の後退動作に連動し、血液収容室を減圧し、かつ、前記進退移動機構による穿刺体の退避位置から穿刺位置への再進出動作に連動し、血液収容室内の血液を押し出すことを特徴とする採血用具。
  5. 請求項1又は2記載の採血用具において、
    穿刺体の進退移動機構は、手動操作にて進退可能であることを特徴とする採血用具。
  6. 内部に第1の希釈液が収容され、かつ、密封で減圧状態の希釈血液溶液収容室が形成される用具本体と、
    この用具本体の希釈血液溶液収容室に連通接続され、被採血部を穿刺して血液を希釈血液溶液収容室に導く穿刺体とを備えたことを特徴とする採血用具。
  7. 内部に第1の希釈液が収容され、かつ、密封で減圧状態の希釈血液溶液収容室が形成されると共に、密封状態の希釈血液溶液収容室の容積を可変にする容積可変機構を有する用具本体と、
    この用具本体の希釈血液溶液収容室に連通接続され、被採血部を穿刺して血液を希釈血液溶液収容室に導く穿刺体とを備えたことを特徴とする採血用具。
  8. 採取された血液を用いて、血漿中の被測定物質を定量するための希釈血漿溶液からなる定量用溶液を調製する方法であって、
    (1)請求項1又は2記載の採血用具を使用し採取された血液を既知濃度の指示物質を含有する第1の希釈液にて希釈する工程と、
    (2)この希釈血液溶液を、分離手段により血漿と細胞画分とに分離し、希釈血漿溶液を調製する工程と、
    を含むことを特徴とする定量用溶液調製方法。
  9. 採取された血液を用いて、細胞画分中の被測定物質を定量するための希釈細胞画分溶液からなる定量用溶液を調製する方法であって、
    (1)請求項1又は2記載の採血用具を使用し採取された血液を第1の希釈液で希釈する工程と、
    (2)この希釈血液溶液を、分離手段により血漿と細胞画分とに分離する工程と、
    (3)分離された細胞画分を第2の希釈液で希釈し、希釈細胞画分溶液を調製する工程と、
    を含むことを特徴とする定量用溶液調製方法。
  10. 細胞画分中の被測定物質を定量するための希釈細胞画分溶液からなる定量用溶液が、細胞画分中のヘモグロビンA1Cのヘモグロビンに対する割合を定量するための希釈細胞画分溶液からなる定量用溶液である請求項9記載の定量用溶液調製方法。
  11. 採取された血液を用いて、血漿中の被測定物質を定量するための希釈血漿溶液からなる定量用溶液を調製する方法であって、
    (1)請求項6又は7記載の採血用具を使用して採取された血液を、希釈血液溶液収容室内に希釈血液溶液として生成する工程と、
    (2)この希釈血液溶液を、分離手段により血漿と細胞画分とに分離し、希釈血漿溶液を調製する工程と、
    を含むことを特徴とする定量用溶液調製方法。
  12. 採取された血液を用いて、細胞画分中の被測定物質を定量するための希釈細胞画分溶液からなる定量用溶液を調製する方法であって、
    (1)請求項6又は7記載の採血用具を使用し採取された血液を第1の希釈液で希釈する工程と、
    (2)この希釈血液溶液を、分離手段により血漿と細胞画分とに分離する工程と、
    (3)分離された細胞画分を第2の希釈液で希釈し、希釈細胞画分溶液を調製する工程と、
    を含むことを特徴とする定量用溶液調製方法。
  13. 細胞画分中の被測定物質を定量するための希釈細胞画分溶液からなる定量用溶液が、細胞画分中のヘモグロビンA1Cのヘモグロビンに対する割合を定量するための希釈細胞画分溶液からなる定量用溶液である請求項12記載の定量用溶液調製方法。
  14. 請求項1又は2記載の採血用具と、この採血用具にて採取された血液から希釈血液溶液を生成した後、この希釈血液溶液から血漿と細胞画分とを分離する分離手段と、この分離手段にて分離調製された希釈血漿溶液からなる定量用溶液を収容する定量用溶液収容容器とを備えたことを特徴とする定量用溶液調製器具。
  15. 請求項7記載の容積可変機構付き採血用具と、
    この採血用具にて採取、調製された希釈血液溶液から血漿と細胞画分とを分離する分離手段と、
    この分離手段にて分離調製された希釈血漿溶液からなる定量用溶液を収容する定量用溶液収容容器とを備えたことを特徴とする定量用溶液調製器具。
  16. 請求項15記載の定量用溶液調製器具において、
    分離手段は、定量用溶液収容容器の入口部分に設けられ、細胞画分を保持し且つ血漿を通過させるフィルタと、このフィルタの入口側に設けられて採血用具の希釈血液溶液収容室に連通接続される連通部材とを備え、
    前記容積可変機構により希釈血液溶液収容室の容積を減少させることで、希釈血液溶液収容室内の希釈血液溶液を前記分離手段に通過させ、定量用溶液収容容器に希釈血漿溶液からなる定量用溶液を調製することを特徴とする定量用溶液調製器具。
  17. 請求項16記載の定量用溶液調製器具を使用するに際し、
    請求項7記載の採血用具を使用して採取された血液を、希釈血液溶液収容室内に希釈血液溶液として生成し、
    しかる後、採血用具の希釈血液溶液収容室に分離手段の連通部材を連通接続した後、
    採血用具の容積可変機構により希釈血液溶液収容室の容積を減少させ、希釈血液溶液収容室内の希釈血液溶液を前記分離手段に通過させ、定量用溶液収容容器に希釈血漿溶液からなる定量用溶液を調製することを特徴とする定量用溶液調製器具の使用方法。
  18. 内部に第1の希釈液が収容され、かつ、密封で減圧状態の希釈血液溶液収容室が予め形成される用具本体を有する請求項6記載の採血用具と、
    この採血用具にて採取、調製された希釈血液溶液から血漿と細胞画分とを分離する分離手段と、
    密封で少なくとも採血用具の希釈血液溶液収容室よりも減圧状態の定量用溶液収容室を有し、前記分離手段にて分離調製された希釈血漿溶液からなる定量用溶液を収容する定量用溶液収容容器とを備えたことを特徴とする定量用溶液調製器具。
  19. 請求項18記載の定量用溶液調製器具において、
    分離手段は、細胞画分を保持し且つ血漿を通過させるフィルタと、このフィルタの入口側に設けられて前記希釈血液溶液収容室に連通接続される入口側連通部材と、フィルタの出口側に設けられて前記定量用溶液収容室に連通接続される出口側連通部材とを備え、
    採血用具の希釈血液溶液収容室内の希釈血液溶液を前記分離手段に通過させ、定量用溶液収容容器に希釈血漿溶液からなる定量用溶液を調製することを特徴とする定量用溶液調製器具。
  20. 請求項19記載の定量用溶液調製器具を使用するに際し、
    内部に第1の希釈液が収容され、かつ、密封で減圧状態の希釈血液溶液収容室が予め形成される用具本体を有する請求項6記載の採血用具を使用して採取された血液を、希釈血液溶液収容室内に希釈血液溶液として生成し、
    しかる後、採血用具の希釈血液溶液収容室に分離手段の入口側連通部材を連通接続した後、
    定量用溶液収容容器の定量用溶液収容室に前記分離手段の出口側連通部材を連通接続し、
    定量用溶液収容室と希釈血液溶液収容室との圧力差により、採血用具の希釈血液溶液収容室内の希釈血液溶液を前記分離手段に通過させ、定量用溶液収容容器に希釈血漿溶液からなる定量用溶液を調製することを特徴とする定量用溶液調製器具の使用方法。
  21. 血液を用いて血漿中の被測定物質を定量する方法であって、
    (1)請求項8又は11記載の方法にて希釈血漿溶液からなる定量用溶液を調製する工程と、
    (2)該定量用溶液中の指示物質の濃度と、第1の希釈液中の指示物質の濃度とから、該定量用溶液中の血漿の希釈倍率を算出する工程と、
    (3)該定量用溶液中の被測定物質の濃度を測定する工程と、
    (4)(2)で算出した希釈倍率と、(3)で測定した定量用溶液中の被測定物質の濃度とから、該血漿中の被測定物質の濃度を定量する工程と、
    を含むことを特徴とする定量方法。
  22. 血液を用いて細胞画分中の被測定物質を定量する方法であって、
    (1)請求項9又は12記載の方法にて希釈細胞画分溶液からなる定量用溶液を調製する工程と、
    (2)該定量用溶液中の指示物質の濃度と、第2の希釈液中の指示物質の濃度とから、該定量用溶液中の細胞画分の希釈倍率を算出する工程と、
    (3)該定量用溶液中の被測定物質の濃度を測定する工程と、
    (4)(2)で算出した希釈倍率と、(3)で測定した定量用溶液中の被測定物質の濃度とから、該細胞画分中の被測定物質の濃度を定量する工程と、
    を含むことを特徴とする定量方法。
  23. 血液を用いて細胞画分中のヘモグロビンA1Cのヘモグロビンに対する割合を定量する方法であって、
    (1)請求項10又は13記載の方法にて希釈細胞画分溶液からなる定量用溶液を調製する工程と、
    (2)(1)で調製された定量用溶液におけるヘモグロビンA1Cのヘモグロビンに対する割合を定量する工程と、
    を含むことを特徴とする定量方法。
JP2001320245A 2001-08-22 2001-10-18 採血用具、これを用いた定量用溶液調製方法、定量用溶液調製器具及びその使用方法並びに定量用溶液を用いた定量方法 Expired - Fee Related JP3931069B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001320245A JP3931069B2 (ja) 2001-08-22 2001-10-18 採血用具、これを用いた定量用溶液調製方法、定量用溶液調製器具及びその使用方法並びに定量用溶液を用いた定量方法

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001-252172 2001-08-22
JP2001252172 2001-08-22
JP2001320245A JP3931069B2 (ja) 2001-08-22 2001-10-18 採血用具、これを用いた定量用溶液調製方法、定量用溶液調製器具及びその使用方法並びに定量用溶液を用いた定量方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003135435A JP2003135435A (ja) 2003-05-13
JP3931069B2 true JP3931069B2 (ja) 2007-06-13

Family

ID=26620828

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001320245A Expired - Fee Related JP3931069B2 (ja) 2001-08-22 2001-10-18 採血用具、これを用いた定量用溶液調製方法、定量用溶液調製器具及びその使用方法並びに定量用溶液を用いた定量方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3931069B2 (ja)

Families Citing this family (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1697743B1 (en) * 2003-12-24 2009-03-11 Becton, Dickinson and Company Plasma on demand tube
EP1752755B1 (de) 2005-08-10 2015-05-06 Roche Diagnostics GmbH Probenaufnahme- und-dosiervorrichtung mit integrierten Flüssigkeitskompartimenten
NL1033365C2 (nl) * 2007-02-09 2008-08-12 Medavinci Dev B V Inrichting en werkwijze voor scheiden en analyseren van bloed.
NL2001577C2 (nl) 2008-05-14 2009-11-17 Medavinci Dev B V Inrichting en werkwijze voor scheiden en analyseren van bloed.
JP5730695B2 (ja) * 2011-02-15 2015-06-10 株式会社雅精工 血液分離シリンダ
US20150231536A1 (en) * 2012-10-22 2015-08-20 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Filter device
US10159973B2 (en) * 2016-08-31 2018-12-25 Toshiba Medical Systems Corporation Sample liquid preparing apparatus, test kit, and sample liquid preparing method
DE102018219379A1 (de) * 2018-11-13 2020-05-14 Sarstedt Ag & Co. Kg Vorrichtung und Verfahren zur Gewinnung einer zellfreien Probenfraktion
JP7170846B2 (ja) * 2019-03-27 2022-11-14 富士フイルム株式会社 血液検査キット、及び血漿又は血清の分離方法
JP7399514B2 (ja) * 2020-02-25 2023-12-18 Blue Industries株式会社 分離装置、検出装置、保存装置及びセンサ
CN111189762B (zh) * 2020-03-14 2025-05-13 深圳联开生物医疗科技有限公司 白细胞四分类分析装置以及分析方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2003135435A (ja) 2003-05-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3698696B2 (ja) 生体試料調製方法、生体試料定量方法及び生体試料保存容器
CN104641241B (zh) 具有改善的可操作性的生物化学分析盒
KR101355126B1 (ko) 생화학 분석 카트리지
KR100562178B1 (ko) 중공형 절두체 시약 테스트 디바이스
JP4192090B2 (ja) 定量用溶液調製方法、この定量用溶液を用いた定量方法並びに定量用溶液調製器具の使用方法
US12521049B2 (en) Biological fluid separation device
CA2297965C (en) Analytical cartridge
US10156579B2 (en) Methods for the detection of analytes in small-volume blood samples
KR100562179B1 (ko) 중공형 절두체를 사용하는 분석물 농도 측정방법
US7625760B2 (en) Analyzing cartridge and liquid feed control device
US11814669B2 (en) Blood sample assay method
JP3931069B2 (ja) 採血用具、これを用いた定量用溶液調製方法、定量用溶液調製器具及びその使用方法並びに定量用溶液を用いた定量方法
AU2001274790B2 (en) Analysis method and cuvette therefor
PL207204B1 (pl) Aparat do analiz zawierający kasetę do analiz, jego zastosowanie, kaseta do analiz, urządzenie do analiz
JP2005528610A (ja) カートリッジの構造、流体分析装置の構造およびそれらの方法
JP3421655B2 (ja) 血液分離器具及び血液分離方法
WO2015189960A1 (ja) 血液試料採取器具
CN217754645U (zh) 一种检测试剂盒
TWI247615B (en) Apparatus for separating biological sample and separating method of the same

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040401

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060906

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061106

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061206

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070129

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070228

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070312

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110316

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120316

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120316

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130316

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140316

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees