JP3930715B2 - 高強度ばね - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に自動車エンジン用弁ばねとして用いられる、耐久性(耐疲労性)及び耐へたり性に優れた冷間成形高強度ばね及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
弁ばね用線材として日本工業規格(JIS)には、弁ばね用オイルテンパー線(SWO-V:JIS G3561)、弁ばね用クロムバナジウム鋼オイルテンパー線(SWOCV-V:JIS G3565)、及び、弁ばね用シリコンクロム鋼オイルテンパー線(SWOSC-V:JIS G3566)が規定されている。従来、この中では耐久性及び耐へたり性に優れるSWOSC-Vが主に利用されてきた。
【0003】
自動車の燃費規制、排ガス浄化等の要請に伴い、自動車エンジン用弁ばねに対しては高回転数化や軽量コンパクト化のために、より高強度化が要望されている。その方策の一つとして、古くは、素材鋼にCr、V等の合金元素を添加して強化する一方、それに含まれる非金属介在物の大きさの最大値を規制するとともに、製品としてのばねの表面の圧縮残留応力及び表面粗さを規定することにより耐久性を向上させるという提案がなされている(特開平1−83644)。
【0004】
また、オイルテンパー線を基礎として、その表面を強化した浸炭窒化鋼オイルテンパー線も提案されている(例えば萩原好敏等「ばね論文集」No.35(1990)pp.13〜20、安田茂等「ばね論文集」No.42(1997)pp.1〜13)。
【0005】
更に、Cr含有鋼について同様に非金属介在物の大きさの最大値を規制することにより耐久性向上を目指し、耐力比(σ0.2B)と残留オーステナイト量を規定することにより耐へたり性向上を目指したばね用鋼線が特開2000−169937に開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一般的に、ばねの強度を上げるために材料の強度を上げると、ばね成形の際の加工性(成形性)が低下し、加工が困難になる他、加工時の割れや折損の発生の確率が高くなる。すなわち、製品の性能と加工性とは常にトレードオフの関係にあるが、従来は主に製品の性能向上という観点から種々の提案がなされてきた。
【0007】
ばねの加工性の問題は、単に製造者側における工程省略やコストダウンという観点から重要であるばかりではなく、製造工程における問題が製品の品質に反映される(品質の作り込み)という点において、重要なものである。
【0008】
上記従来開示されている文献においては、ばねの素材としての必要条件(化学組成、最大介在物の大きさ等)及び最終製品としてのばねの必要条件(残留応力、表面粗さ等)は規定されているものの、加工をも含めたトータルな工程が明らかにされていないため、素材の良好な特性を最終的なばね製品に生かせないという問題があった。
【0009】
なお、ばねの加工工程については特開平5−140643にショットピーニング工程に関する提案がなされているが、これはばね加工工程のごく一部に関するものであり、また、素材との関連性の無い一般的な提案であるため、当業者においてそれを実際のばね製造工程に適用するには十分なものとは言えない。
【0010】
本発明はこのような課題を解決するために成されたものであり、適切な材料とそれに適した加工法との組み合わせを具体的に提示することにより、強度と加工性(成形性)のバランスに優れた高強度ばねを提供するものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本発明は2つの態様の高強度ばねを提案する。
【0012】
その第1のものは、質量%でC:0.55〜0.65%、Si:1.20〜2.50%、Mn:0.30〜0.60%、Cr:0.40〜2.00%を含有し、P:0.015%以下、S:0.015%以下とするとともに非金属介在物の大きさを15μm以下とした鋼を素材とし、熱処理により引張強さσBが1960MPa以上、耐力比σ0.2Bが0.8〜0.9、残留オーステナイトγRの体積比が6%以下、旧オーステナイト粒の結晶粒度番号が11以上となるようにして、コイリング後窒化処理を施し、少なくとも2回のショットピーニングを施した後、温間でセッチングを施したことを特徴とするものである。
【0013】
なお、上記素材鋼には、更にMo:0.05〜2.00%、V:0.05〜0.30%の1種又は2種(但し、Mn+Vが0.60%以下となるようにする)を含有させるようにしてもよい。
【0014】
第2のものは、質量%でC:0.55〜0.65%、Si:1.20〜2.50%、Mn:0.30〜0.60%、Cr:0.40〜2.00%を含有し、P:0.015%以下、S:0.015%以下とした鋼を素材とし、コイリング後窒化処理を施し、少なくとも2回のショットピーニングを施した後、温間でセッチングを施したことを特徴とするものである。
【0015】
こちらの素材鋼についても上記同様、更にMo:0.05〜2.00%、V:0.05〜0.30%の1種又は2種(但し、Mn+Vが0.60%以下となるようにする)を含有させるようにしてもよい。
【0016】
いずれの態様のものにおいても、窒化処理温度は400℃以上とすることが望ましく、更に好ましくは460℃以上とする。本発明で規定した化学成分を有する鋼をこのような温度範囲で窒化処理することにより、その表面硬さはHv700以上となる。
【0017】
また、温間セッチングは、210℃以上で行うことが望ましい。
【0018】
【発明の実施の形態】
本発明において、ばねとしての性能の目標値を具体的に次のように設定した。すなわち、耐久性(疲労特性)については、平均応力τm=685MPaとした場合に、その耐久限応力振幅が510MPaであること。次に、耐へたり性については、締め付け応力を1150MPa以下とした場合には残留せん断歪が5×10-4以下であること。これらの目標値は、従来の弁ばね用高強度ばねの性能を上回るものである。
【0019】
このような具体的な目標を基に、素材及び製造工程を設計した結果が上記の通りであるが、上記各条件を決定した理由を次に詳述する。
【0020】
まず、素材としては比較的炭素(C)含有量の高い鋼を用いることとした。C含有量の下限を0.55%としたのは、それ未満では上記目的、すなわち、耐久性と耐へたり性の双方とも得ることが難しいためである。一方、上限を0.65%としたのは、後述する各種添加合金元素との関係もあり、それを超えるとばねの成形性(加工性)が低下し、加工時の割れや折損の発生確率が高くなるためである。
【0021】
シリコン(Si)は、ばねにおいて耐へたり性に大きな影響を持つことが知られている。一方、熱処理時の表面品質の低下(脱炭)及び冷間加工時の加工性の悪化に結びつくことも知られている。そこで本発明では、素材鋼のシリコン含有量を1.20〜2.50%とした。下限を1.20%としたのは、これよりも少ない添加量では十分な耐へたり性能を得ることができないためであり、上限を2.50%としたのは、本発明の後述の熱処理工程を考慮すると、シリコン量がそれを超えると脱炭量が許容できる範囲を超え、特に耐久性(耐疲労性)に悪影響を及ぼすおそれがあるためである。また、コイリング加工時の加工性をも考慮した。
【0022】
マンガン(Mn)は、鋼に固溶してそれ自体でマトリックスの強度を上げる他、焼入性を向上させる効果も顕著に有する。ただし、オーステナイトを安定化させる効果も有するため、焼入れ後の残留オーステナイト量が増加する。後述するように、ばねの場合は、熱処理後の残留オーステナイトはばねとしての性能(耐久性、耐へたり性とも)に悪影響を与えることが多い。本発明では素材鋼のマンガン含有量を0.30%〜0.60%としたが、それ未満では目的とする強度が得られず、また、やや線径の大きいばねを熱処理(焼入れ)する際に中心まで十分な硬化(マルテンサイト化)が行えないためである。しかし、0.60%を超えて添加すると、残留オーステナイト量が多くなり、目標性能を満たさなくなる可能性が高い。
【0023】
クロム(Cr)はマンガンと同様、鋼に固溶してその強度を高めると共に、焼入性を向上させる。また、鋼に固溶した場合、その靭性を高める効果を有することが知られている。しかし、これもオーステナイトを安定化させる元素の一つであり、過度に添加すると熱処理後の残留オーステナイト量が増加する。本発明に係る高強度ばねでは素材鋼のクロム含有量の下限を0.40%としたが、これ未満では十分な固溶強度及び焼入性が得られないためである。また、上限の2.00%を超えて添加した場合には、残留オーステナイト量が後述の限界を超える可能性が高くなる。
【0024】
モリブデン(Mo)は、それ自身で鋼の強度を上げる他、焼入性向上の効果も大きい。これらの定性的効果はマンガンと同様であるが、その量はマンガンよりも十分少なくてもよい。本発明の素材鋼においてモリブデン含有量を0.05〜2.00%としたのは、それ未満では本発明が目的とする十分な強度が得られないためであり、それを超えて添加すると残留オーステナイトの安定化作用が無視し得なくなるためである。なお、モリブデンは高価な元素であることも上限をこの値に設定した理由の一つとなっている。
【0025】
バナジウム(V)は鋼中において炭素と結合して炭化バナジウムとなるが、この炭化物は非常に微細であり、また、高温まで鋼中に固溶しない。従って、熱処理(オイルテンパー時の焼入れ)のための加熱に際して、オーステナイト結晶粒が成長することを防止し、鋼の靭性が低下するのを防止する効果がある。本発明の高強度ばねにおいては、このバナジウムのオーステナイト結晶粒の粗大化防止効果に着目し、それを0.05〜0.30%添加することとした。これ未満では十分な量の炭化物が生成せず、このような結晶粒成長防止効果がほとんど期待できない。一方、結晶粒成長防止効果はこの上限値程度で十分発揮され、それを超えて添加すると逆にバナジウム炭化物自体が成長して大きくなり、耐久性(耐疲労性)に悪影響を与えるおそれがある。
【0026】
リン(P)は鋼にとって望ましい元素ではなく、脆化の原因となる。そのため、本発明に係る高強度ばねの素材としては、0.015%以下に抑えることとした。
【0027】
イオウ(S)は、鋼中において主にマンガンと結合してMnSとなる。MnSは柔らかい化合物であり、鋼の加工により容易に変形して、疲労破壊の起点となる。従って、特に耐久性(耐疲労性)を要求される鋼では一般的に望ましくない元素とされているが、本発明に係る高強度ばねにおいても、目的とする耐久性を得るために、その上限を0.015%とした。
【0028】
多数回の応力の繰り返しを受ける部品の場合、鋼中の非金属介在物が披露破壊の起点となることは周知であるが、本発明に係る高強度ばねでは、その大きさを15μm以下に抑えることにより、目標とする耐久性を確保することができる。
【0029】
鋼の特性はその化学組成のみによって定まるものではなく、適切な熱処理が伴ってはじめて所期の性能が発揮される。しかし、本発明に係る高強度ばねは、熱処理に関しては特殊な処理を要求するものではなく、従来より通常のばね素材(オイルテンパー線)に対して行われている焼入れ・焼戻し又はオイルテンパー処理を行うことにより、素材としてはその特性を十分に発揮することができる。上記成分設計は、そのような熱処理の容易さをも考慮して行われたものである。
【0030】
ただし、熱処理条件を決定するにあたって、特に焼戻し温度(又はパテンティング時の投入温度)を決定するにあたって、その目標として、線材の引張強さσBが1960MPa以上となるようにする。この数値は、上記耐久限度及び耐へたり性の目標値を達成するために必要な強度値である。この強度を得るための焼戻し温度は、上記化学組成の上限及び下限の鋼について予め焼戻し温度と引張強さの関係を調べておくことにより、かなり正確に決定することができる。従って、その範囲内で焼戻しを行うことにより、σB≧1960MPaという目標は容易に達成される。
【0031】
本発明に係る高強度ばねでは、耐力比(σ0.2B)が0.8〜0.9であることを要求しているが、これは、上記化学組成を有する鋼を上記目標引張強さとなるように適切に熱処理することにより、容易に達成される値である。この耐力比に対する要求性能は、ばねとして長期間使用した後、特に比較的高温環境(例えば、エンジンの弁ばね等)下で使用された後に、へたりを生ずることなく初期性能が十分維持されることという目標を反映したものである。具体的には、締め付け試験において上記目標残留せん断歪の値を達成するために必要な範囲として定められたものである。
【0032】
熱処理後に残留するオーステナイトは、その線材をコイリング加工する際に加工によりマルテンサイトに変態する。従って、残留オーステナイト量が多い場合、加工時に加工誘起マルテンサイトが多く生成し、ばね素材の均一性が損なわれて(疲労破壊の起点を提供することにより)耐久性の低下につながる。また、ばねとして長期間使用している間に残留オーステナイトは徐々に加工変態を生じ、永久歪を生ずる。これはへたりの増大につながる。残留オーステナイト量の上限を5%としたのは、これを超えるとそのような不均一性による耐久性低下及び耐へたり性の増加の影響が無視し得なくなるためである。
【0033】
結晶粒度は、鋼の靭性に大きな影響を与える。旧オーステナイト結晶粒が大きいと、耐衝撃性に劣るほか、疲労破壊の起点が旧粒界に集中しやすくなるという理由により、耐久性にも悪影響を及ぼす。また、粒界は転移の移動を阻止する大きなバリアでもあるため、その数が多いことは耐へたり性の向上にも大きな役割を果たす。本発明に係る高強度ばねにおいて結晶粒度番号を11以上としたのは、上記耐久性及び耐へたり性の目標値を満たすための必要条件であることが確かめられたためである。ただし、上記化学組成を有する素材を上記強度となるように適切に熱処理する限り、この条件は容易に満たされるものである。
【0034】
コイリング後の窒化処理は、表面を特に強化し、耐久性(耐疲労性)の向上に大きな効果を有する。窒化処理温度を400℃以上とするのは、それ以下ではHv700以上の表面硬さが得られないためである。なお、窒化処理温度は好ましくは460℃以上とするのがよいが、こうすることにより、窒化処理時間を短縮することができる。また、表面硬さがHv700以上であるべきとしたのは、上記耐久性の目標性能を達成するための必要条件であることが判明したためである。
【0035】
ショットピーニングを少なくとも2回行うこととしたのは、ばね表面に十分な圧縮残留応力を付与しておくためである。これにより、目標とする耐久性が確保される他、耐へたり性にも好影響を及ぼす。上記条件に従ってばねを製造し、このように少なくとも2回のショットピーニングを施すことにより、表面において1000MPa以上の圧縮残留応力を得ることができることが確かめられた。
【0036】
温間セッチングは、耐へたり性の目標より導き出されたものである。すなわち、使用前に温間セッチングにより予め永久歪を十分除去しておくことにより、使用時の永久歪の発生を最小限に抑え、へたりを減少させることができるのである。210℃以上という温度設定は、上記耐へたり性の目標値を達成するに必要な条件として定められたものである。
【0037】
【実施例】
本発明の効果を明らかにするために、エンジンの弁ばねを作製して各種試験を行った。試験に供した弁ばね(以下、供試ばねと称する)の素材としては、図1に示す化学組成を有するオイルテンパー線を用い、熱処理により内部硬さをHv570とした。なお、旧オーステナイト結晶粒度は11.5であった。オイルテンパー処理及びその前の伸線処理において、傷、割れ等の発生は認められなかった。
【0038】
このオイルテンパー線より、図2に示す諸元を有する弁ばねを作成した。コイリング以降の製造工程を図3に示す。コイリングにおいても、傷や割れの発生は認められなかった。
【0039】
窒化処理は400℃及び460℃で行った。図4に示すように、いずれの温度で窒化を行った試料も表面の硬さはHv700以上となり、十分な耐疲労性及び耐摩耗性(使用時の線間接触による摩耗の低減)効果が期待できるものとなった。
【0040】
窒化直後のショットピーニング(第1SP)では0.6mmのショット球を使用したハードショットピーニング処理を施し、2回目のショットピーニング(第2SP)では0.3mmのショット球を使用したハードショットピーニング処理を施した。
【0041】
セッチングは、210℃で行った。セッチング後の弁ばねの表面の圧縮残留応力分布を測定した結果を図5に示す。460℃で窒化した試料は、表面から約0.01〜0.02mmの深さのところで1200MPa以上の高い圧縮残留応力が得られている。また、400℃で窒化した試料でも、同じく表面から約0.01〜0.02mmの深さのところで1000MPa以上の高い圧縮残留応力が得られている。
【0042】
上記工程により作製された供試ばねを、平均応力τm=686.5MPaとして、種々の応力振幅で耐久試験を行った。その結果は図6に示す通りであり、供試材はいずれも目標値を上回る耐久性を有することが認められた。なお、図6において、〇は窒化温度を460℃としたものであり、△は窒化温度を400℃としたものである。
【0043】
次に、耐へたり特性の指標である、締め付け後の残留せん断歪測定の結果を図7に示す。この試験では、供試ばねを980〜1300MPaの各種応力で締め付けた後、120℃の環境下に48時間放置し、その前後のばね高さの差から残留せん断歪を求めた。なお、ここでは比較のために、図3の最後の温間セッチング工程を行わず、常温でセッチングを行った弁ばねのデータも示した。供試ばねは、締め付け応力が1100MPa以下において残留せん断歪5×10-4以下という目標を十分満たしている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 供試ばねの素材の化学組成。
【図2】 供試ばねの諸元。
【図3】 供試ばねの製造工程図。
【図4】 供試ばねの窒化処理後の表面硬さ分布。
【図5】 供試ばねの温間セッチング後の表面から深さ方向への応力分布。
【図6】 供試ばねの耐久試験結果のグラフ。
【図7】 供試ばねの締め付け試験結果のグラフ。

Claims (2)

  1. 質量%で
    C:0.55〜0.65%、
    Si:1.20〜2.50%、
    Mn:0.30〜0.60%、
    Cr:0.40〜2.00%
    を含有し、
    Mo:0.05〜2.00%、
    V:0.05〜0.30%
    の1種又は2種を含有し、更に、
    P:0.015%以下、
    S:0.015%以下、
    且つ、Mn+Vが0.60%以下となるようにするとともに非金属介在物の大きさを15μm以下とした鋼を素材とし、引張強さσBが1960MPa以上、耐力比σ0.2Bが0.8〜0.9、残留オーステナイトγRの体積比が6%以下、旧オーステナイト粒の結晶粒度番号が11以上として、コイリング後460℃以上で窒化処理を施して表面硬さをHv700以上となるようにし、少なくとも2回のショットピーニングを施した後、210℃以上でセッチングを施し、平均応力686.5MPa、応力振幅540MPaで疲労試験を行った時の耐久回数が10 8 回以上であることを特徴とする高強度ばね。
  2. 質量%で
    C:0.55〜0.65%、
    Si:1.20〜2.50%、
    Mn:0.30〜0.60%、
    Cr:0.40〜2.00%
    を含有し、
    Mo:0.05〜2.00%、
    V:0.05〜0.30%
    の1種又は2種を含有し、更に、
    P:0.015%以下、
    S:0.015%以下、
    且つ、Mn+Vが0.60%以下となるようにするとともに非金属介在物の大きさを15μm以下とした鋼を素材とし、引張強さσBが1960MPa以上、耐力比σ0.2Bが0.8〜0.9、残留オーステナイトγRの体積比が6%以下、旧オーステナイト粒の結晶粒度番号が11以上として、コイリング後460℃以上で窒化処理を施して表面硬さをHv700以上となるようにし、少なくとも2回のショットピーニングを施した後、210℃以上でセッチングを施すことを特徴とする高強度ばねの製造方法。
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