JP3930615B2

JP3930615B2 - ロック機能付簡易着脱機構

Info

Publication number: JP3930615B2
Application number: JP22753297A
Authority: JP
Inventors: 明西岡
Original assignee: 株式会社三栄水栓製作所
Priority date: 1997-08-07
Filing date: 1997-08-07
Publication date: 2007-06-13
Anticipated expiration: 2017-08-07
Also published as: JPH1161905A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
この発明はロック機能付簡易着脱機構に関し、例えば、家庭用流し台等に設けられるアンダーシンク型浄水器用の原水・浄化水ホースに螺着されたロック機能付ジョイントと、前記浄水器に設けた原水入口・浄化水出口に螺着されたニップルとを接続するロック機能付簡易着脱機構に関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来、例えば家庭用流し台に設けたアンダーシンク型浄水器では、止水栓から原水を前記浄水器に通水して前記浄水器から浄化水を吐水させる場合に、前記止水栓に接続された原水ホースの先端にロック機能付ジョイントを螺着し、かつ、前記浄水器の原水入口にニップルを螺着する一方、浄化水を吐水させる水栓に接続された浄化水ホースの先端にロック機能付ジョイントを螺着し、かつ、前記浄水器の浄化水出口にニップルを螺着している。
【０００３】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来では、ジョイントの筒状カバーを軸方向にスライドさせてジョイントをニップルに装着した後、前記筒状カバーを手動で周方向に回転させることによりロックを行ってジョイントとニップルを接続していた。しかし、ロックの掛け忘れがある場合、清掃等のために装着状態のジョイントおよびニップルを持ちながら前記浄水器を移動させると、水圧が高いためジョイントは簡単にニップルから脱落して水が溢れ出るといった不都合が生じる。
【０００４】
この発明は、ジョイントとニップルの接続の際に自動的にロックできてロックの掛け忘れによる誤動作を確実に防止できるロック機能付簡易着脱機構を提供することを目的とする。
【０００５】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、この発明は、同心円状に配置される筒状本体および筒状カバーからなり、筒状本体に対して筒状カバーが周方向に回転可能でかつ軸方向に移動可能に構成されているロック機能付ジョイントと、筒状カバーを移動させた状態で着脱可能に装着されるニップルとを備え、
筒状本体は、内周側の方が外周側よりも小さい開口を有し内周面および外周面間を径方向に貫く複数個の横穴が周方向に沿う形で上端部近傍位置に配置され、前記各横穴に前記内周側の開口よりも大きく前記外周側の開口より小さい直径を持つ小球が前記外周側から嵌装され、前記横穴よりも下方の外周面に第１環状凸部が形成され、前記横穴間における外周面に、上端部から軸方向に沿って前記第１環状凸部の手前まで延びる着脱用縦溝およびこの縦溝の途中から周方向に分岐するロック用横溝からなる一対の溝部が一方の溝部を外周面に沿って周方向に１８０°移動させると重なるように対称配置して形成されている一方、
筒状カバーには、前記溝部に係合する一対の突起を一方の突起を筒状カバーの内周面に沿って周方向に１８０°移動させると重なるように対称配置した状態で有し、筒状カバーの移動により前記溝部の前記縦溝を前記突起が移動して前記小球を筒状本体の内周側に押圧するとともに、ニップルを着脱状態にするために前記突起が前記横溝を横切り前記縦溝を更に下方へ移動して小球に対する押圧力を解除し、かつ筒状カバーの回転により前記縦溝から前記横溝へ前記突起が移動してロック状態にする第２環状凸部が、内周面の上部位置に形成され、更に、前記第１，２環状凸部間には前記突起が前記縦溝を下方へ移動するにつれて圧縮されるコイルスプリングが介装される一方、
ニップルはその外周に第３環状凸部を有し、この第３環状凸部に隣接して、装着時に前記小球を筒状本体の内周側に押圧した状態で掴持する周溝がニップルに形成されているロック機能付簡易着脱機構において、
前記コイルスプリングにねじりモーメントを付与した状態で、前記コイルスプリングの一端および他端を、それぞれ、筒状カバーの前記第２環状凸部に設けた溝部および筒状本体の前記第１環状凸部に設けた溝部に嵌入させ、装着時に前記コイルスプリングにより筒状カバーが移動復帰する際に筒状カバーが前記コイルスプリングのトルクにより自動的に回転して前記突起が前記横溝へ移動し、自動的にロックするよう構成してあり、
さらに、ロック状態の筒状カバーを手動で回転させて前記突起を前記横溝内から前記縦溝内に移動させ、その後、筒状カバーから手を放すことにより前記縦溝内の前記突起が、自動的に前記横溝内に戻るよう前記コイルスプリングをねじりモーメントを付与した状態にセットすべく、
前記コイルスプリングの一端および他端を、それぞれ、軸方向に沿った状態で嵌入可能なストレート形状に形成するとともに、前記第１環状凸部および第２環状凸部にそれぞれ設けた前記溝部の相対位置を、そのうちの一方の溝部を前記軸方向まわりに１８０°移動させても他方の溝部に重ならないように設定してある。
【０００６】
【発明の実施の形態】
以下にこの発明の実施の形態について説明する。なお、この発明はそれによって限定されるものではない。
図１〜図４は、例えばアンダーシンク型浄水器に適用されたロック機能付簡易着脱機構を示す。
図１〜図４において、１は、家庭用流し台１０に設けたアンダーシンク型浄水器で、止水栓２から原水を浄水器１に通水し、浄水器１から浄化水を吐水させる。３は、止水栓２に接続された原水ホースで、このホース３の先端には、ロック機能付ジョイント４が螺着されている。５は、浄化水を吐水させる水栓６に接続された浄化水ホースで、このホース５の先端には、ロック機能付ジョイント９が螺着されている。７は、浄水器１のキャップ１ａ内に設けたジョイント（図示せず）に螺着されたニップルで、浄水器１の浄化水出口（図示せず）に連通する。８は、浄水器１のキャップ１ａ内に設けたジョイント（図示せず）に螺着されたニップルで、浄水器１の原水入口（図示せず）に連通する。
【０００７】
原水側のジョイント４とニップル８の着脱機構と、浄水側のジョイント９とニップル７の着脱機構とは同一構成であるので、以下の説明ではジョイント９とニップル７の着脱機構について説明する。
【０００８】
まず、ジョイント９について説明する。
ジョイント９は、同心円状に配置される２重の筒体からなる。一方の筒体はジョイント９の内側に位置する筒状本体１１であって、この筒状本体１１は、小球１３…、この小球１３の数に対応する数の横穴１４…、外周面に形成された第１環状凸部１５、同じく外周面に形成された縦溝Ａおよび横溝Ｂで構成されるＴ字型溝部１６から主として構成されている。他方の筒体はジョイント９の外側に位置する筒状カバー１２であって、この筒状カバー１２は、内周面の上部位置に形成された第２環状凸部１７、この第２環状凸部１７に設けた突起１８から主として構成されている。
【０００９】
更に詳しくは、外側の筒状カバー１２は、内側の筒状本体１１に対して図中のＦの方向（軸方向）（図３および図５参照）に移動できるように構成されている。すなわち、前記突起１８が前記溝部１６の縦溝Ａに係合した状態で、筒状カバー１２の移動により前記縦溝Ａを前記突起１８が移動する。また、ロック時には、後述するように筒状カバー１２が自動的にＧの方向（周方向）（図５参照）に回転して前記突起１８が前記横溝Ｂへ移動する。
【００１０】
前記内側の筒状本体１１には、内周側の方が外周側よりも小さい開口ａを有し内周面ｂおよび外周面ｃ間をＨの方向（径方向）に貫く複数個の横穴１４…が周方向に沿う形で上端部２０近傍位置に配置されている。この各横穴１４に前記内周側の開口ａよりも大きく前記外周側の開口ｄより小さい直径を持つ小球１３が前記外周側から嵌装されている。そして、横穴１４…よりも下方の外周面ｃに第１環状凸部１５が形成されている。更に、横穴１４，１４間における外周面ｃには、上端部２０から軸方向に沿って第１環状凸部１５の手前まで延びる縦溝Ａおよびこの縦溝Ａの途中から周方向に分岐する横溝Ｂからなる一対の溝部１６が形成されている。溝部１６同士は、一方の溝部１６を外周面ｃに沿って周方向に１８０°移動させると重なるように対称配置されている。
【００１１】
なお、筒状本体１１において、２１はシール部材、２２は、浄化水ホース５の接続部５ａに螺着する接続部２３の内側一端面である。また、２８は、前記上端部２０の環状フランジ２７によって形成された周溝２９に嵌め込まれるワッパである。
【００１２】
一方、筒状カバー１２には、第２環状凸部１７が内周面ｈの上部位置に形成されている。この第２環状凸部１７は一対の突起１８，１８を有する。この突起１８同士も、一方の突起１８を内周面ｈに沿って周方向に１８０°移動させると重なるように対称配置されている。そして、小球１３…は、それぞれ外側の筒状カバー１２の前記第２環状凸部１７によって内側に押圧されるようになっている。
【００１３】
なお、筒状カバー１２において、２４は外周面ｉに形成されたセレーションである。
【００１４】
前記ニップル７は、外周に第３環状凸部３０を有するとともに、この第３環状凸部３０に隣接して、装着時に前記小球１３を筒状本体１１の内周側に押圧した状態で掴持する周溝３１が形成されている。
【００１５】
以下、この発明の特徴的構成について説明する。
３２は、前記第１，２環状凸部１５，１７間に介装されたトーション圧縮バネで、前記突起１８が前記縦溝Ａを下方へ（Ｆの方向へ）移動するにつれて圧縮される。
【００１６】
そして、前記圧縮バネ３２はねじりモーメントを付与した状態で、そのストレート形状の一端（上端）３２ａを、筒状カバー１２の前記第２環状凸部１７に設けた溝部３３に嵌入させ、前記圧縮バネ３２のストレート形状の他端（下端）３２ｂを、筒状本体１１の前記第１環状凸部１５に設けた溝部３４に嵌入させてある。
【００１７】
なお、図４を用いて、筒状カバー１２の突起１８の移動による自動ロック動作の原理について説明すると、まず、前記突起１８が横溝Ｂ内に位置する場合は、筒状カバー１２を下げることはできない。すなわち、図５（Ａ）および（Ｄ）に示すロック状態では、筒状カバー１２をＦの方向に移動させることはできない。
【００１８】
この状態で筒状カバー１２を手動で回転させると、横溝Ｂ内から前記突起１８は真横に移動して縦溝Ａ内に位置する。図４において、１８’は、横溝Ｂ内から縦溝Ａ内に移動した突起を示す。
【００１９】
この場合、前記圧縮バネ３２にトルクがかかり、前記圧縮バネ３２の内径が大きくなる。よって、ロック状態の筒状カバー１２を手動で回転させた後、手を筒状カバー１２から放すと、前記圧縮バネ３２はねじりモーメントを付与した状態でセットしてあるので、前記圧縮バネ３２により前記突起１８’は横溝Ｂ内に戻ることになり、自動ロックされる。
【００２０】
更に、横溝Ｂ内に前記突起１８が位置するロック状態で、筒状カバー１２を手動で回転させた後、筒状カバー１２を前記Ｆの方向に移動させると、前記回転により縦溝Ａ内に戻った前記突起１８’は縦溝Ａを更に前記Ｆの方向に移動する。１８’’は、縦溝Ａを下降した突起を示す。この場合、前記圧縮バネ３２は圧縮され、荷重がかかる。この状態で、手を放すと、前記圧縮バネ３２には、トルクおよび荷重がかかっているので、前記圧縮バネ３２の荷重により突起１８’’は縦溝Ａを上方へ移動し、かつ、前記圧縮バネ３２のトルクにより分岐した横溝Ｂ内に移動して自動ロックを実現できる。
【００２１】
而して、図５（Ａ）は、小球１３…が、それぞれ外側の筒状カバー１２の前記第２環状凸部１７によって内側に押圧されているジョイント９を示し、この図５（Ａ）において、筒状カバー１２をＧ’の方向に回転させた後、Ｆの方向に移動させると、横溝Ｂ内の突起１８は、図５（Ｂ）に示すように、縦溝Ａの下部に移動する。この場合、前記第２環状凸部１７は小球１３…が嵌め込まれている横穴１４…の位置よりも下方へ移動するから、小球１３…に対する押圧力が解除されており、ニップル７が挿入できる状態になっている。１８’’は、上述したように縦溝Ａの下部に移動した突起である。筒状カバー１２から手を放さずにこの状態でニップル７を挿入する。図５（Ｃ）はニップル７が、ジョイント９に挿入された状態を示す。続いて、ニップル７挿入後は、筒状カバー１２から手を放すと、図５（Ｄ）に示すように、自動ロックされる。すなわち、上述したように、トーション圧縮バネ３２により、筒状カバー１２がＦ’の方向に自動的に移動するとともに、分岐した横溝Ｂ内に突起１８が移動するよう前記圧縮バネ３２のトルクにより筒状カバー１２がＧの方向に自動的に回転し、ジョイント９とニップル７が接続される。よって、従来ロックの掛け忘れがあると、水圧が高いためジョイントは簡単にニップルから外れて水が溢れ出るといった不都合を確実に防止できる。
【００２２】
なお、アンダーシンク型浄水器とホースの接続に限らず、シャワヘッドや洗浄ノズル、あるいは、風呂釜洗浄機等の種々にものとホースの接続にもこの発明は適用できる。
【００２３】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、コイルスプリングにねじりモーメントを付与した状態で、前記コイルスプリングの一端および他端を、それぞれ、筒状カバーの前記第２環状凸部に設けた溝部および筒状本体の前記第１環状凸部に設けた溝部に嵌入させて着脱機構を構成したので、ジョイントとニップルの接続時に前記コイルスプリングの圧縮により筒状カバーが移動復帰する際に筒状カバーが前記コイルスプリングのトルクにより自動的に回転して突起が横溝へ移動し、自動的にロックすることができる。よって、従来ロックの掛け忘れがあると、水圧が高いためジョイントは簡単にニップルから外れて水が溢れ出るといった不都合を確実に防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図１】この発明の一実施形態を示す要部構成説明図である。
【図２】上記実施形態における全体構成説明図である。
【図３】（Ａ）は上記実施形態における筒状カバー、筒状本体、コイルスプリングの位置関係を説明するための図、（Ｂ）は上記実施形態における筒状カバーの上面図、（Ｃ）は上記実施形態における筒状本体の上面図である。
【図４】上記実施形態における突起の動作説明図である。
【図５】上記実施形態における接続動作を説明するための図である。
【符号の説明】
１…アンダーシンク型浄水器、５…浄化水ホース、７…ニップル、９…ジョイント、１１…筒状本体、１２…筒状カバー、１３…小球、１４…横穴、１５…第１環状凸部、１６…溝部、１７…第２環状凸部、１８…突起、３０…第２環状凸部、３１…周溝、３２…トーション圧縮バネ、３２ａ…一端（上端）、３２ｂ…他端（下端）、３３，３４…溝部、Ａ…縦溝、ａ…開口、Ｂ…横溝。

Claims

同心円状に配置される筒状本体および筒状カバーからなり、筒状本体に対して筒状カバーが周方向に回転可能でかつ軸方向に移動可能に構成されているロック機能付ジョイントと、筒状カバーを移動させた状態で着脱可能に装着されるニップルとを備え、
筒状本体は、内周側の方が外周側よりも小さい開口を有し内周面および外周面間を径方向に貫く複数個の横穴が周方向に沿う形で上端部近傍位置に配置され、前記各横穴に前記内周側の開口よりも大きく前記外周側の開口より小さい直径を持つ小球が前記外周側から嵌装され、前記横穴よりも下方の外周面に第１環状凸部が形成され、前記横穴間における外周面に、上端部から軸方向に沿って前記第１環状凸部の手前まで延びる着脱用縦溝およびこの縦溝の途中から周方向に分岐するロック用横溝からなる一対の溝部が一方の溝部を外周面に沿って周方向に１８０°移動させると重なるように対称配置して形成されている一方、
筒状カバーには、前記溝部に係合する一対の突起を一方の突起を筒状カバーの内周面に沿って周方向に１８０°移動させると重なるように対称配置した状態で有し、筒状カバーの移動により前記溝部の前記縦溝を前記突起が移動して前記小球を筒状本体の内周側に押圧するとともに、ニップルを着脱状態にするために前記突起が前記横溝を横切り前記縦溝を更に下方へ移動して小球に対する押圧力を解除し、かつ筒状カバーの回転により前記縦溝から前記横溝へ前記突起が移動してロック状態にする第２環状凸部が、内周面の上部位置に形成され、更に、前記第１，２環状凸部間には前記突起が前記縦溝を下方へ移動するにつれて圧縮されるコイルスプリングが介装される一方、
ニップルはその外周に第３環状凸部を有し、この第３環状凸部に隣接して、装着時に前記小球を筒状本体の内周側に押圧した状態で掴持する周溝がニップルに形成されているロック機能付簡易着脱機構において、
前記コイルスプリングにねじりモーメントを付与した状態で、前記コイルスプリングの一端および他端を、それぞれ、筒状カバーの前記第２環状凸部に設けた溝部および筒状本体の前記第１環状凸部に設けた溝部に嵌入させ、装着時に前記コイルスプリングにより筒状カバーが移動復帰する際に筒状カバーが前記コイルスプリングのトルクにより自動的に回転して前記突起が前記横溝へ移動し、自動的にロックするよう構成してあり、
さらに、ロック状態の筒状カバーを手動で回転させて前記突起を前記横溝内から前記縦溝内に移動させ、その後、筒状カバーから手を放すことにより前記縦溝内の前記突起が、自動的に前記横溝内に戻るよう前記コイルスプリングをねじりモーメントを付与した状態にセットすべく、
前記コイルスプリングの一端および他端を、それぞれ、軸方向に沿った状態で嵌入可能なストレート形状に形成するとともに、前記第１環状凸部および第２環状凸部にそれぞれ設けた前記溝部の相対位置を、そのうちの一方の溝部を前記軸方向まわりに１８０°移動させても他方の溝部に重ならないように設定してあることを特徴とするロック機能付簡易着脱機構。