JP3930418B2 - 信号切替装置 - Google Patents

信号切替装置 Download PDF

Info

Publication number
JP3930418B2
JP3930418B2 JP2002324422A JP2002324422A JP3930418B2 JP 3930418 B2 JP3930418 B2 JP 3930418B2 JP 2002324422 A JP2002324422 A JP 2002324422A JP 2002324422 A JP2002324422 A JP 2002324422A JP 3930418 B2 JP3930418 B2 JP 3930418B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
line
transmission path
signal switching
switching device
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2002324422A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004159198A (ja
Inventor
邦浩 河合
大輔 小泉
圭 佐藤
祥一 楢橋
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NTT Docomo Inc
Original Assignee
NTT Docomo Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority to JP2002324422A priority Critical patent/JP3930418B2/ja
Application filed by NTT Docomo Inc filed Critical NTT Docomo Inc
Priority to DE60310853T priority patent/DE60310853T2/de
Priority to EP03257019A priority patent/EP1418639B1/en
Priority to EP05003597A priority patent/EP1533862B1/en
Priority to DE60311476T priority patent/DE60311476T2/de
Priority to US10/702,573 priority patent/US7307045B2/en
Priority to CN 200610000594 priority patent/CN1812186B/zh
Priority to CN200310103475.5A priority patent/CN1262128C/zh
Publication of JP2004159198A publication Critical patent/JP2004159198A/ja
Priority to US11/693,402 priority patent/US7774034B2/en
Application granted granted Critical
Publication of JP3930418B2 publication Critical patent/JP3930418B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • Y02E40/641

Landscapes

  • Superconductor Devices And Manufacturing Methods Thereof (AREA)
  • Waveguides (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一般にマイクロ波回路の技術分野に関し、特に入力信号の伝送経路を切り替える信号切替装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
セルラ通信や衛星通信等における無線基地局、中継器その他の通信機器では、入力信号の伝送経路を適宜切り替えるための信号切替装置が使用されている。これは、信号切替装置の入力経路から高周波信号を受信し、複数の伝送経路の中から所望の経路を選択し、その経路から出力信号が出力されるように、信号を分岐させるものである。
【0003】
特開平9−275302号公報(特許文献1)は、分岐部分から分岐された複数のマイクロストリップ線路のそれぞれに酸化物超伝導線路を設け、分岐部分及び酸化物超伝導線路の間に直流素子回路を設け、酸化物超伝導線路のそれぞれの超伝導状態の設定と常伝導状態の設定とを切り替えるマイクロ波スイッチを開示している。このマイクロ波スイッチは、選択されていない端子へのマイクロ波の洩れ込み量を少なくし、アイソレーション特性を良好にしようとするものである。
【0004】
【特許文献1】
特開平9−275302号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、アイソレーション特性が良好であったとしても、入力信号の劣化又は損失が小さくなるとは限らない。すなわち、アイソレーション特性が良好であったとしても、所望の伝送経路を伝播する信号電力が減少してしまうという問題が生じ得る。
【0006】
本願課題は、アイソレーション特性を良好に維持しつつ、低損失で信号を伝播させることを可能にする信号切替装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明による解決手段によれば、
入力経路に結合された複数の伝送経路のうち、所望の伝送経路から出力信号を出力する信号切替装置であって、
前記複数の伝送経路に含まれる第1伝送経路が、超伝導材料より成る線路を有し、
前記線路の入力側の所定長の区間が、前記線路の出力端における断面積より小さな断面積を有するよう形成され、
前記複数の伝送経路に含まれる第2伝送経路から前記出力信号が出力される場合に、前記線路は超伝導状態とは異なる状態に維持される
ことを特徴とする信号切替装置
が、提供される。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1は、コプレナ線路を利用した一実施例による信号切替装置の平面図及び側断面図を示す。信号切替装置は、高周波数の入力信号を第1伝送経路又は第2伝送経路に分岐させる分岐部102と、第1伝送経路を形成する分岐部102に接続された第1線路104及びこの第1線路104に接続された第2線路106を有する。また、信号切替装置は、第2伝送経路を形成する分岐部102に接続された第3線路108及びこの第3線路108に接続されたスイッチ110を有する。第2線路106は超伝導材料より成り、分岐部102、第1線路104及び第3線路108は常伝導材料より成る。超伝導材料より成る第2線路106は、臨界温度(例えば、70K)より高い状態では常伝導性であるが、臨界温度以下に冷却されると超伝導状態となり、電気抵抗の極めて低い導体となる。第2線路106は、例えば、YBCO(イットリウム−バリウム−銅−酸素)、RE−BCO(RE−バリウム−銅−酸素)、BSCCO(ビスマス−ストロンチウム−カルシウム−銅−酸素)、BPSCCO(ビスマス−鉛−ストロンチウム−カルシウム−銅−酸素)、HBCCO(水銀−バリウム−カルシウム−銅−酸素)又はTBCCO(チタン−バリウム−カルシウム−銅−酸素)のような材料により形成することが可能である。この場合において、REは、La(ランタン)、Nd(ネオジム)、Sm(サマリウム)、Eu(ユウロピウム)、Gd(ガドリニウム)、Dy(ジスプロシウム)、Er(エルビウム)、Tm(ツリウム)、Yb(イッテルビウム)又はLu(ルテチウム)を示す。
【0009】
各線路はコプレナ線路を形成し、中心部のストリップ導体112,114に対してギャップを隔てて両側に接地導体116,118,120,122,124が設けられている。また、側断面図(図1下側)に示されるように、これら各線路は誘電体材料126上に形成される。
【0010】
第2線路106は、入力側の所定長L2の区間において、線路幅w1が、出力端での線路幅w2よりも非常に細く形成されている。第1線路104及び第2線路106は、第2線路106が超伝導状態のときに、第1線路104の特性インピーダンスと第2線路106の入力インピーダンスが整合するように、線路幅、誘電体126の誘電率及び厚さ、各接地導体との間のギャップ等が調整される。本実施例では、細い線路幅w1から太い線路幅w2へテーパ状に(連続的に)変化させているが、必ずしもこのような形状に限定されず、他の形状を採用することも可能である。例えば段階的に変化させることが可能である。ただし、線路幅を変化させる場合に、線路の特性インピーダンスが変化しないようにする必要がある。コプレナ線路にてそれを行うには、線路幅とギャップの関係を適切に調整することを要する。具体的には、線路幅の広狭に合わせて、ギャップを広くしたり狭くしたりすることで、特性インピーダンスを一定に維持することが可能である。このため、図示されているように、線路幅の細い部分でのギャップは、線路幅の太い部分でのギャップより小さくなっている。
【0011】
なお、簡単のため図示していないが、第2線路106の出力には、第2線路106が超伝導状態のときに整合がとれるように調整された回路が接続されている。同様に、スイッチ110にも、スイッチ110が閉じたときに、スイッチ110と整合がとれるように調整された回路が接続されている。線路の長さL1,L2,L3は、適切な長さに適宜変更可能であるが、例えば0.1ないし数ミリメートルの範疇の大きさを有する。線路幅についても様々な値をとり得るが、例えばw1を3μmとし、w2を10μmとすることが可能である。
【0012】
動作を次に説明する。先ず、分岐部102に入力された入力信号を第2伝送経路に伝送する場合を説明する。この場合に、スイッチ110は閉じた状態に設定され、第2線路106は非超伝導状態に設定される。上述したように、スイッチ110を閉じている場合には、第2伝送経路の第3線路108及びスイッチ110(更にはスイッチに接続される回路)は整合のとれた状態にある。他方、第1伝送経路では、第1線路104及び常伝導体となった第2線路106は、不整合状態となる。分岐点Xから第1伝送経路における点Oを見た場合の入力インピーダンスZXO1が非常に大きい(理想的には無限大)ならば、入力信号を低損失で第2伝送経路に伝播させることができる。本願実施例では、この入力インピーダンスZXO1が非常に大きな所定値を越えるように、経路長L1を調整している。この調整手法について、スミス図表を用いて説明する。
【0013】
図2に示されるスミス図表の原点Oは、第1線路104の特性インピーダンスに対応するものとする。先ず、第2線路106が超伝導状態にある場合には、上述したように、第1及び第2線路104,106が整合しており、第1伝送経路の入力インピーダンスZXO1は、第1線路104の特性インピーダンスに等しい。従って、スミス図表にて、この
場合の第2線路106の入力インピーダンスZOX1は、原点又は原点近傍のQ点に位置付けられる。
【0014】
次に、第2線路106が常伝導状態に切り替えられると、第2線路106の入力インピーダンスは、特性インピーダンスとは異なるものになり、第1線路104と第2線路106とは不整合となる。従って、この場合の入力インピーダンスZOX1は、原点から離れた地点Rに位置付けられ、線路の長さを変化させると、その点は円I上を移動することになる。線路の長さを、0から入力信号の波長の1/2まで変化させると、その軌跡は1つの円を描く。スミス図表では、原点を通る水平な直線Kの最右端P点(+1,0)が、インピーダンスの無限大となる状態に対応する。したがって、入力インピーダンスZOX1を大きくするには、P点に接近するように線路の長さを調整し、円Iと直線Kの交点R’に入力インピーダンスを表す点が存在するようにすればよい。
【0015】
本願実施例では、第2線路106における所定長L2の区間は、出力端の線路幅w2よりも非常に細い線路幅w1を有するよう形成されている。このため、第2線路106は、常伝導状態にて、線路幅が太く一定である場合に比べて非常に大きな抵抗を有することになる。第2線路106は、超伝導状態では非常に小さな入力インピーダンスZOX1を有するが、常伝導状態では非常に大きな入力インピーダンスZOX1を有する。このため、両状態間での入力インピーダンスZOX1は、線路幅が太く一定である場合(例えば、第2線路の全区間を通じて線路幅がw2である場合)に比べて、非常に大きく変化することになる。超伝導及び常伝導の両状態間で、第2線路106の入力インピーダンスZOX1の変化量が大きいということは、スミス図表における原点から入力インピーダンスを表す点までの距離(円の半径)がゼロ又は非常に小さいものと、非常に大きいもの(円I)とが現れることを意味する。この距離が大きければ、それだけ入力インピーダンスZOX1を点Pに接近させることが可能になる。
【0016】
仮に、第2線路106の入力端から出力端までの全区間を通じて、太い線路幅のw2で一定であったとすると、常伝導状態における線路の抵抗は大きくなるものの、細長い区間を形成していないので、さほど大きくならない。このため、超伝導状態と常伝導状態との間の入力インピーダンスZOX1の変化量も小さくなり、スミス図表における常伝導状態における入力インピーダンスZOX1は、半径の小さな円J上の点、例えば地点Sに位置付けられることになる。なお、この場合においても、なるべく入力インピーダンスを大きくするために、線路の長さを調整して、入力インピーダンスが円Jと直線Kとの交点S’に対応するようにすることが可能である。
【0017】
ところで、スミス図表における原点Oからの距離(円の半径)は、伝送経路における反射率に相当する。整合状態での入力インピーダンス(特性インピーダンス)は原点に対応していたが、これは、第1伝送経路における線路に対する反射率が0であり、反射されることなく信号の総てが伝播することに対応する。逆に、反射率が1であったならば、第1線路104には全く伝送されないことに対応する。反射率が小さくなると、その分だけ第1伝送経路に伝搬する信号が増えることになる。すなわち、第2伝送経路に流れる信号が減少してしまう。したがって、第2線路106の常伝導状態時に、第1伝送経路にできるだけ入力信号を伝送させないようにするには、反射率を大きくする(原点からの距離を大きくする)必要がある。本実施例によれば、第2線路106に細長い区間を設けることで、入力インピーダンスZOX1の変化量を大きくすることで、入力インピーダンスを原点から大きく遠ざけることが可能になる。このため、第1伝送経路の入力インピーダンスを大きくすることができる(点Pに近づける)ことに加えて、反射率をも大きくすることが可能になる。
【0018】
次に、分岐部102に入力された入力信号を第1伝送経路に伝送する場合を説明する。この場合に、スイッチ110は開放状態に設定され、第2線路106は超伝導状態に設定される。上述したように、第1伝送経路における第1線路104及び超伝導体となった第2線路106は、整合状態にある。他方、第2伝送経路の第3線路108及びスイッチ110は不整合状態になる。この場合も、分岐点XからOを見た入力インピーダンスZXO2が最も大きくなるように、第3線路108の長さL3が調整される。なお、スイッチ110の開放時のインピーダンスが充分に大きいならば、分岐点からスイッチまでの距離を実質的にゼロにすることも可能である。第2伝送経路の入力インピーダンスZOX2は、第1伝送経路のものより非常に大きいので、第2伝送経路には信号が実質的に流れず、第1伝送経路に信号が流れることになる。これにより、低損失且つ高アイソレーションの信号切替装置が得られる。
【0019】
図3は、入力信号を第2伝送経路に伝送する際の信号伝達係数(信号損失)の様子を示すシミュレーション結果である。横軸は、所定の中心周波数fcを有する入力信号の周波数を示し、縦軸は第2伝送経路の伝達係数を示す。縦軸の0dBは信号電力が全く減少しないことに対応し、−3dBは約1/2に減少することに対応する。図中、上側のグラフ302は、細長い線路を有する本願実施例による信号切替装置を用いた場合のものであり、所定の周波数範囲にわたって信号電力がほとんど減衰していないことが分かる。これに対して、下側のグラフ304は、線路幅を同一にしている場合の信号切替回路に対するものであり、信号電力が幾分減衰していることが分かる。
【0020】
図4は、コプレナ線路を利用した一実施例による信号切替装置の平面図及び側断面図を示す。図中、図1で説明したのと同様の要素には同一の参照番号が付されている。この信号切替装置は、高周波数の入力信号を第1又は第2伝送経路に分岐させる分岐部102と、第1線路404及びこの第1線路404に接続された第2線路406を有する。また、信号切替装置は、第2伝送経路を形成する第3線路108及びこの第3線路108に接続されたスイッチ110を有する。第2線路406は超伝導材料より成り、分岐部102、第1線路404及び第3線路108は常伝導材料より成る。各線路はコプレナ線路を形成し、中心部のストリップ導体412,414に対してギャップを隔てて両側に接地導体416,418,120,422,424が設けられている。また、側断面図(図4下側)に示されるように、これら各線路は誘電体材料126上に形成される。
【0021】
本実施例では、第2線路406は、入力側の所定長L2の区間における線路幅が、出力端での線路幅w2と同じく太く形成されている。ただし、この区間における線路414の厚みt1が、出力端における厚みt2より薄く形成されている。 第1線路404及び第2線路406は、第2線路406が超伝導状態のときに、第1線路404の特性インピーダンスと第2線路406の入力インピーダンスが整合するように、線路の厚みt1、誘電体126の誘電率及び厚さ、各接地導体との間のギャップ等が調整される。本実施例では、第2線路406に薄く長い区間を設けることによって、常伝導状態における抵抗値を、厚みを厚く一定に形成した場合に比較して大きくしている。すなわち、超伝導状態と常伝導状態の間における入力インピーダンスZOX1の変化量を大きくする観点からは、図1に示すように所定の区間L2における線路の形状を細くして厚みを一定にしてもよいし、太いままで厚みを薄くすることも可能である。更には、図8に示すように、細く且つ薄く形成することも可能である。いずれにせよ、所定長の区間における線路の断面積を出力端のものより小さくすることで、常伝導状態における抵抗値を大きくすることが可能である。ただし、線路幅の異なる回路を接続する際は、線路幅の不連続点における信号の散乱を抑制する等の観点から両者を良好に接続するための接続コネクタを要するところ、本実施例のように線路幅を一定にすると、そのようなコネクタを必要とせず、コネクタの分だけ小型化できる点で有利である。
【0022】
図5は、マイクロストリップ線路を利用した一実施例による信号切替装置の平面図及び側断面図を示す。この信号切替装置は、高周波数の入力信号を第1又は第2伝送経路に分岐させる分岐部502と、第1線路504及びこの第1線路504に接続された第2線路506を有する。また、信号切替装置は、第2伝送経路を形成する第3線路508及びこの第3線路508に接続されたスイッチ510を有する。第2線路506は超伝導材料より成り、分岐部502、第1線路504及び第3線路508は常伝導材料より成る。各線路は、マイクロストリップ線路を形成し、側断面図(図5下側)に示されるように、ストリップ導体512,514と誘電体材料526を介して接地導体516が設けられている。
【0023】
本実施例では、第2線路506は、入力側の所定長L2の区間における線路幅w1が、出力端での線路幅w2より細く形成されている。ただし、この区間における線路414の厚みt1が、出力端における厚みt2より薄く形成されている。マイクロストリップ線路における特性インピーダンスは、線路幅、誘電体の厚さ(接地導体までの距離)、誘電体の誘電率等によって変化する。線路幅が異なっても特性インピーダンスを一定に維持するために、線路幅の細い区間における誘電体の厚みt1が、出力端における誘電体の厚みt2より薄く形成されている。なお、図6に示されるように、誘電体材料526とは異なる誘電体材料517を用いて、この区間L2における誘電率を調整することで、特性インピーダンスを維持することも可能である。
【0024】
第1線路504及び第2線路506は、第2線路506が超伝導状態のときに、第1線路504の特性インピーダンスと第2線路506の入力インピーダンスが整合するように、線路の幅、誘電体526の誘電率及び厚み、各接地導体との間の距離等が調整される。本実施例では、第2線路506に細く長い区間を設けることによって、常伝導状態における抵抗値を、線路幅を太く一定に形成した場合に比較して大きくしている。上記のコプレナ線路の場合と同様に、超伝導状態と常伝導状態の間における入力インピーダンスZOX1の変化量を大きくする観点からは、図5に示すように所定の区間L2における線路の形状を細くして線路の厚みを一定にしてもよいし、線路幅は太いままで厚みを薄くすることも可能である。更には、図9に示すように、細く且つ薄く形成することも可能である。
【0025】
図7は、同軸線路を利用した一実施例による信号切替装置の概略図を示す。この信号切替装置は、高周波数の入力信号を第1又は第2伝送経路に分岐させる分岐部802と、第1線路804及びこの第1線路804に接続された第2線路806を有する。また、信号切替装置は、第2伝送経路を形成する分岐部802に結合された第3線路808を有する。第2線路806における中心導体814は超伝導材料より成り、分岐部802、第1線路804及び第3線路808における中心導体812は常伝導材料より成る。
【0026】
本実施例では、第2線路における中心導体814は、入力側の所定長L2の区間における直径w1が、出力端での線路幅w2より小さく形成されている。ただし、この区間におけるケーブルの直径も、出力端における直径より小さく形成されている。同軸線路における特性インピーダンスは、導体直径、誘電体の厚さ(接地導体までの距離)、誘電体の誘電率等によって変化する。導体直径が異なっても特性インピーダンスを一定に維持するために、導体直径の細い区間における誘電体の厚みが、出力端における誘電体の厚みより薄く形成されている。
【0027】
第1線路804及び第2線路806は、第2線路806が超伝導状態のときに、第1線路804の特性インピーダンスと第2線路806の入力インピーダンスが整合するように、線路の直径、誘電体526の誘電率及び直径等が調整される。本実施例では、第2線路806に細く長い区間L2を設けることによって、常伝導状態における抵抗値を、直径を太く一定に形成した場合に比較して大きくしている。上記のコプレナ線路及びマイクロストリップ線路の場合と同様に、超伝導状態と常伝導状態の間における入力インピーダンスZOX1の変化量を大きくする観点からは、所定の区間L2における線路の断面積が、出力端における断面積より小さくなるように形成することが望ましい。
【0028】
以上本願実施例によれば、第2伝送経路から出力信号を出力する場合に、第1伝送経路における線路を非超伝導状態にする。その線路の所定長の区間は、小さな断面積を有するので、線路の抵抗値は非常に大きくなり、第1伝送経路の入力インピーダンスが非常に大きくなる。このため、アイソレーション特性を良好に維持することに加えて、第1伝送経路に起因する信号損失を効果的に抑制しつつ第2伝送経路から出力信号を取り出すことが可能になる。
【0029】
所定長の区間の断面積の形状は、線路幅、線路の厚み、線路の直径等に依存して適宜調整することが可能である。また、信号切替装置の線路形態をどのようにするか、例えばコプレナ線路、マイクロストリップ線路、同軸線路等の何れを採用するかについては、信号切替装置に接続される回路やコネクタ等に依存して適切な線路形態を採用することが可能である。なお、出力端より断面積を小さくするための線路幅、線路の厚み又は線路の直径は、超伝導及び非超伝導状態間の入力インピーダンスを大きく変化させる観点からは、できるだけ小さいことが望ましいが、信号伝播に関する最低限の電力耐性を有する程度に大きいことを要する。
【0030】
また、本願実施例では、分岐数が2つの場合を例にとって説明してきたが、図10に示すように、分岐数を2以上にすることも可能である。
【0031】
本願実施例における第1伝送経路の一部(第2線路)は、超伝導材料より成り、第1伝送経路が信号を出力させる経路として選択されるか否かに依存して、超伝導状態及び非超伝導状態の間でその状態が切り替えられる。この状態を変化させる手段としては、第2線路を直接的に加熱及び冷却して制御する手段の他に、線路に電流を印加することで状態を変化させる手段や、コイルを通じて線路に磁場を印加して状態を変化させる手段等を利用することが可能である。
【0032】
本願実施例における第2伝送経路に接続されるスイッチは、第1伝送経路の第2線路の状態変化に応答して開閉動作を行うよう形成されることも可能である。例えば、温度センサを用いて、第2線路の温度変化を検出し、スイッチの状態を切り替えることが可能である。また、スイッチは、PINダイオードやトランジスタのような半導体スイッチを用いて形成することが可能であるし、マイクロ・エレクトロ・メカニカル・システム(MEMS:Micro Electro Mechanical System)のような機械的な開閉機構を利用する機械的RFスイッチを用いて形成することも可能である。例えば高速スイッチングを行う観点からは前者が有利である。また、例えば開放状態における絶縁性を高くする観点からは後者が有利である。
【0033】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、アイソレーション特性を良好に維持しつつ、低損失で信号を伝播させることが可能になる。
【0034】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、一実施例による信号切替装置の平面図及び側断面図を示す。
【図2】図2は、入力インピーダンスの変化を示すスミス図表を示す。
【図3】図3は、信号切替装置の信号伝達係数を表現するグラフを示す。
【図4】図4は、一実施例による信号切替装置の平面図及び側断面図を示す。
【図5】図5は、一実施例による信号切替装置の平面図及び側断面図を示す。
【図6】図6は、一実施例による信号切替装置の側断面図を示す。
【図7】図7は、一実施例による信号切替装置の概略図を示す。
【図8】図8は、一実施例による信号切替装置の平面図及び側断面図を示す。
【図9】図9は、一実施例による信号切替装置の平面図及び側断面図を示す。
【図10】図10は、一実施例による信号切替装置の平面図及び側断面図を示す。
【符号の説明】
102 分岐部
104 第1線路
106 第2線路
108 第3線路
110 スイッチ
112,114 中心導体
116,118,120,122,124 接地導体
126 誘電体
w1,w2 線路幅
412,414 中心導体
416,418,422,424 接地導体
t1,t2 線路の厚み
502 分岐部
504 第1線路
506 第2線路
508 第3線路
512,514 ストリップ導体
516 接地導体
526 誘電体
517 別の誘電体
802 分岐部
804 第1線路
806 第2線路
808 第3線路
812,814 中心導体

Claims (7)

  1. 入力経路に結合された複数の伝送経路のうち、所望の伝送経路から出力信号を出力する信号切替装置であって、
    前記入力経路及び前記複数の伝送経路の各々は、中心導体と該中心導体に対してギャップを隔てて設けられた接地導体とを基板の同一表面上に有するコプレナ線路で形成され、
    前記複数の伝送経路に含まれる第1伝送経路が、超伝導材料より成る超伝導線路を有し、
    前記超伝導線路は入力側の直線状部分と出力側の非直線状部分とを有し、前記直線状部分の一方端は前記超伝導線路の入力端を形成し、他方端は前記非直線状部分の一方端に接続され、前記非直線状部分の他方端は前記超伝導線路の出力端を形成し、前記非直線状部分の一方端から他方端にかけて線路幅が広くなるように前記非直線状部分が形成され、
    前記複数の伝送経路に含まれる第2伝送経路から前記出力信号が出力される場合に、前記線路は超伝導状態とは異なる状態に維持される
    ことを特徴とする信号切替装置。
  2. 前記第1伝送経路から前記出力信号が出力される場合に、前記第2伝送経路の入力インピーダンスが、所定値より大きくなるよう形成されることを特徴とする請求項1記載の信号切替装置。
  3. 更に、前記第2伝送経路の出力端に結合された、導通及び非導通状態の間で状態を切り替えることが可能なスイッチを有することを特徴とする請求項1記載の信号切替装置。
  4. 前記スイッチが、半導体スイッチより成ることを特徴とする請求項3記載の信号切替装置。
  5. 前記スイッチが、機械的に切り替えることの可能な機構を有することを特徴とする請求項3記載の信号切替装置。
  6. 前記直線状部分でのギャップは前記非直線状部分でのギャップより小さく形成されることを特徴とする請求項記載の信号切替装置。
  7. 前記直線状部分が非直線状部分より薄い厚みを有するよう形成されることを特徴とする請求項1又は6記載の信号切替装置。
JP2002324422A 2002-11-07 2002-11-07 信号切替装置 Expired - Fee Related JP3930418B2 (ja)

Priority Applications (9)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002324422A JP3930418B2 (ja) 2002-11-07 2002-11-07 信号切替装置
EP03257019A EP1418639B1 (en) 2002-11-07 2003-11-06 Signal switching device
EP05003597A EP1533862B1 (en) 2002-11-07 2003-11-06 Signal switching device
DE60311476T DE60311476T2 (de) 2002-11-07 2003-11-06 Signalschaltvorrichtung
DE60310853T DE60310853T2 (de) 2002-11-07 2003-11-06 Signalschaltvorrichtung
US10/702,573 US7307045B2 (en) 2002-11-07 2003-11-07 Signal switching device
CN 200610000594 CN1812186B (zh) 2002-11-07 2003-11-07 信号切换装置
CN200310103475.5A CN1262128C (zh) 2002-11-07 2003-11-07 信号切换装置
US11/693,402 US7774034B2 (en) 2002-11-07 2007-03-29 Signal switching device

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002324422A JP3930418B2 (ja) 2002-11-07 2002-11-07 信号切替装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004159198A JP2004159198A (ja) 2004-06-03
JP3930418B2 true JP3930418B2 (ja) 2007-06-13

Family

ID=32804015

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2002324422A Expired - Fee Related JP3930418B2 (ja) 2002-11-07 2002-11-07 信号切替装置

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP3930418B2 (ja)
CN (1) CN1812186B (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6138422B2 (ja) * 2012-04-17 2017-05-31 大塚 寛治 信号伝送線路とその製造方法
GB2554847A (en) 2016-06-06 2018-04-18 Oclaro Tech Ltd Optimised RF Input section

Family Cites Families (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US5841342A (en) * 1995-10-13 1998-11-24 Com Dev Ltd. Voltage controlled superconducting microwave switch and method of operation thereof

Also Published As

Publication number Publication date
CN1812186B (zh) 2010-08-18
CN1812186A (zh) 2006-08-02
JP2004159198A (ja) 2004-06-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN110494998B (zh) 用于超导互连件的热管理
US6463308B1 (en) Tunable high Tc superconductive microwave devices
US20080055181A1 (en) Resonant circuit, filter circuit, and antenna device
KR20230164756A (ko) 초전도 케이블의 손실 감소
JP3037064B2 (ja) 容量性結合構造
EP3751735A1 (en) Single-pole multi-throw switch device having simple structure
JP3930418B2 (ja) 信号切替装置
US7774034B2 (en) Signal switching device
Wang et al. Wide-band superconducting coplanar delay lines
JPH08125415A (ja) 可変型超伝導遅延線
Su et al. Wide-band superconducting microstrip delay line
JP3972003B2 (ja) 信号切替装置
US20030117231A1 (en) Switched power combiner with adjustable impedance-matching transformer
Belyaev et al. Reflective power limiter for X-band with HTSC Switching element
JP2898462B2 (ja) 高周波フィルタ
Kongpop et al. Via-less microwave crossover using microstrip-CPW transitions in slotline propagation mode
Swanson et al. An HTS end-coupled CPW filter at 35 GHz
Su et al. Superconducting delay lines
JPH07142905A (ja) 超伝導フィルタ
Yoshida et al. Developments of a novel impedance matching circuit for electrically small antennas
JPH09275302A (ja) マイクロ波スイッチ
Hayashi et al. Miniaturized broadband lumped-element in-phase power dividers
JPH08274515A (ja) 高周波回路素子及びその製造方法
JP2000059101A (ja) 能動高周波制御要素及びその使用
Kanaya et al. Design and performance of miniaturized HTS coplanar waveguide bandpass filters with highly packed meanderlines

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050404

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061002

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061010

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061211

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070306

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070308

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3930418

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100316

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110316

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110316

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120316

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120316

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130316

Year of fee payment: 6

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130316

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140316

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees