JPH07142905A - 超伝導フィルタ - Google Patents

超伝導フィルタ

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JPH07142905A
JPH07142905A JP28640993A JP28640993A JPH07142905A JP H07142905 A JPH07142905 A JP H07142905A JP 28640993 A JP28640993 A JP 28640993A JP 28640993 A JP28640993 A JP 28640993A JP H07142905 A JPH07142905 A JP H07142905A
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JP
Japan
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filter
resonator
circuit
superconducting
thin film
Prior art date
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Pending
Application number
JP28640993A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Nagai
靖浩 永井
Takafumi Suzuki
尚文 鈴木
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Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
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Publication date
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  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)
  • Waveguide Switches, Polarizers, And Phase Shifters (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 狭帯域・低損失な超伝導フィルタを提供す
る。 【構成】 給電回路12と、複数の高周波共振器回路1
3とからなるフィルタにおいて、共振器回路を形成した
共振器線路の終端部近傍に熱スイッチ14を配設してな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、狭帯域・低損失な超伝
導フィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、情報の高度化、汎用化、多様化に
伴い、光通信回路、衛星通信回線を基幹回線とし、自動
車、航空機、船舶などの移動体を端末機器としたパーソ
ナル通信が大幅に普及しつつある。このため、高周波領
域の通信帯域が不足しつつあるため、通信帯域の高周波
化、チャネル数の増加が図られつつある。
【0003】通常、パーソナル通信ネットワークには、
中央局、基地局、中継局などの階層構成が採られている
が、これらには多くのフィルタが多用されている。現
在、これらのフィルタとして、導波管フィルタや誘電体
フィルタが用いられているが、今後の通信チャネル需要
に伴い、より一層狭帯域で小形、低損失なフィルタが切
望されている。このようなフィルタの候補として、超伝
導フィルタが有望である。
【0004】従来の金属系超伝導フィルタでは、動作温
度が10K程度であったため、通常の通信装置へ適用す
ることは事実上不可能であったが、臨界温度が液体窒素
温度(77K)を越える酸化物超伝導体の出現により、
超伝導フィルタの適用される可能性が高くなり、実際、
米国では衛星回線の中継局として検討されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】現在までに、酸化物超
伝導体を用いて、準マイクロ波帯、マイクロ波帯のフィ
ルタが試作され、比帯域幅1%前後で、損失が1dB以
下を実現している。しかしながら、高周波信号の通信帯
域が狭いため、フィルタ実装に伴う中心周波数のシフト
や、その調整が問題になっている。また将来、中心周波
数を可変にできる可変フィルタが望まれている。これに
は、周波数の異なった複数のフィルタを切り替える方式
と、一個のフィルタで周波数をスキャンさせる方式が考
えられ、前者ではスイッチング機能が、後者では周波数
変調の機能が要求される。
【0006】以上のように、外部信号により、フィルタ
の周波数を変調したり、あるいはフィルタをオン・オフ
させるスイッチング機能を有する、狭帯域で低損失な小
形の超伝導フィルタの構造、構成方法の出現が強く望ま
れている。
【0007】本発明は、以上述べた事情に鑑み、外部信
号により、その中心周波数を変調したり、フィルタ特性
をオン・オフできるスイッチング機能を有した、小形で
狭帯域・低損失な超伝導フィルタを提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成する本発
明に係る超伝導フィルタは、給電回路と、複数の高周波
共振器回路とからなるフィルタにおいて、共振器回路を
形成した共振器線路の終端部近傍に熱回路を配設してな
ることを特徴とする。
【0009】上記構成において、給電回路と高周波共振
器回路とを超伝導薄膜により形成する、一方、熱回路の
少くともその一部を常伝導金属薄膜によって形成してな
ることを特徴とする。
【0010】上記構成において、共振器回路と熱回路の
基板との少なくとも一方の一部を、薄くしたことを特徴
とする。
【0011】
【作用】1枚のフィルタ回路基板上に形成した、複数の
高周波共振回路近傍に、常伝導金属から成る熱スイッチ
を配置したことにより、外部からの信号を送ることで、
その中心周波数を変調したり、あるいはフィルタ特性を
スイッチングでき、狭帯域・低損失な小形超伝導フィル
タの実現を可能とした。
【0012】
【実施例】以下、本発明の好適な実施例を説明する。
【0013】図1は本実施例に係る熱スイッチを有した
超伝導フィルタの構成図である。図1中、符号11は、
フィルタ導体回路を形成した超伝導薄膜用基板であり、
Nbなど金属系超伝導薄膜ではサファイヤ基板などを用
い、酸化物超伝導薄膜の場合には、MgOなどを用い
る。12はフィルタ導体を構成する給電線路であり、1
3はフィルタの中心となるU字形状をした線形共振器で
ある。14は共振器の終端部の近傍に配置した熱スイッ
チである。15は0.5mm幅の超伝導線路であり、フィ
ルタ導体の給電線路12および共振器13を含んだ基板
11の裏面、あるいは別基板の面にはグランドプレーン
16としての超伝導薄膜が形成され、これらのフィルタ
導体、並びにグランドプレーンにより、マイクロストリ
ップ構造の4極超伝導フィルタが構成されている。ま
た、本実施例の場合、熱回路としての熱スイッチ14は
1枚の基板上に4個配置しており、材質はタンタル薄膜
を用い、各スイッチは幅25ミクロン、長さ3mmであ
るため、各スイッチの抵抗は約100オームとなってい
る。尚、図中符号17はコネクタを図示する。
【0014】図2に、本発明による熱スイッチを配置し
た場合の、フィルタ特性の周波数応答特性を示す。通
常、共振器近傍に金属回路を配置すれば、高周波信号に
外乱を与え、フィルタの周波数特性に不要な共振などを
引き起こす。実際、熱スイッチを共振器ライン上に直接
配置した場合、不要な共振や波形の歪が観察されたが、
少なくとも本実施例では、図2に見られるように、ほぼ
理想的な周波数応答が観察される。つまり、熱スイッチ
を付加しても、超伝導フィルタの周波数特性に影響を与
えないことがわかる。これは、熱スイッチが25ミクロ
ン、厚さ200nmと薄くて細いタンタル薄膜線路を用
いているのに加えて、図1の様なサイドカップリング・
フィルタに重要な共振器間結合領域を避けて、熱スイッ
チを配置したためである。
【0015】図3に、本発明による熱スイッチによって
行った周波数シフトの一例を示す。フィルタは臨界温度
90Kを有するEuBaCuO酸化物超伝導薄膜を用い
て作製している。測定温度は80Kである。熱スイッチ
に電流を約10mAを流すことにより、中心周波数が約
+20MHzシフトし、さらに電流を流すと損失が増加
するとともに、低周波側へシフトしている。図4に、周
波数シフト量の電流依存性を示す。熱スイッチに電流を
流すことにより、中心周波数は徐々に高周波側へシフト
し、さらに流すことにより、急激に低周波側へシフトす
る様子がわかる。この時、損失も急激に増加した。本フ
ィルタは、通過帯域が約22MHz(中心周波数1.4G
Hz,比帯域幅1.5%)なので、ほぼ中心周波数を約1
%シフトさせたことになり、微調整並びに周波数変調の
機能が確認できた。この時、20MHzのシフトを実現
するのに、挿入損失は0.5dBから0.7dBまで増加し
たが、この挿入損失はフィルタとして十分に小さい。
【0016】以上のことから、挿入損失1dB以下で、
中心周波数の約1%の周波数シフトが可能であることが
わかる。また、これらの最初の高周波側へのシフトは、
共振器終端部近傍の超伝導性が局所的に弱められ、共振
器の実効長が短くなったために起こっており、一方、そ
れに続く低周波側へのシフトは、全体の超伝導性が弱く
なり、磁場侵入長が長くなったことにより説明される。
【0017】次に、オン・オフのスイッチング機能につ
いて述べる。図5に、本発明による熱スイッチにより行
ったフィルタのスイッチングの一例を示す。フィルタに
は、前述のEuBaCuO超伝導薄膜を用い、測定温度
は77Kである。オフはスイッチへ電流を流さない状態
で、フィルタの挿入損失は約0.5dBであり、スイッチ
へ25mA流したオン状態では、フィルタ波形は消失し
た。これは、スイッチに電流を流すことにより、フィル
タを構成する超伝導共振器の超伝導性が劣化したことに
よって説明される。このスイッチングに要する電流は、
ある臨界値を示し、それらは設定温度やスイッチ位置に
よって異なる。
【0018】図6に損失の電流依存性を示す。電流を増
加させるとともに、損失は緩やかに増加し、ある臨界電
流以上で急激に増大し、約50dBの損失を示すととも
に飽和する。この時の臨界電流は約20mAと見積ら
れ、熱スイッチの抵抗が約100オームであることか
ら、スイッチ動作に要するパワーは77Kで約40mW
と考えられる。ここで、設定温度が臨界温度に近い程、
あるいはスイッチ位置が共振器に近い程、少ない電流で
スイッチングが生じていたことから、より少ないパワー
でスイッチで動作させるためには、熱設計を最適化する
必要がある。
【0019】図7に、スイッチングに要する臨界電流値
の規格化温度依存性を示す。規格化温度は、測定温度を
超伝導薄膜の臨界温度で規格化している。臨界温度を起
点とし、温度の低下とともに、臨界電流値は本測定の範
囲でほぼ直線的に増加する。すなわち、臨界温度に近い
程、より少ないパワーでオン・オフのスイッチング動作
が可能である。このようなスイッチング動作は、局所的
な温度上昇による超伝導性の一時的な破壊を基本として
いるが、熱スイッチ近傍の基板を薄くすることによっ
て、熱容量を低減させ、スイッチングパワー、スピード
を大幅に改善できる。
【0020】図8に、基板を薄くした一例を示す。基板
11には0.5mm厚さのMgOを用いており、スイッチ
に相当する裏面の一部11aを化学エッチングにより、
約0.2mmまで薄くしている。このとき、スイッチング
の臨界電流は約15mAであったため、スイッチ動作に
要するパワーは約23mWまで低減することができた。
また、スイッチング時間として、約半分まで高速化が可
能であった。従って、スイッチングパワーの低減やスピ
ードの高速化には、熱スイッチ近傍の基板の一部を薄く
することが有効である。
【0021】以上のことから、損失1dB以下の超伝導
フィルタに付加した熱スイッチに、ある臨界電流を流す
ことにより、フィルタ特性は消失し、約50dB以上の
損失を引き起こす。これらもまた、熱スイッチによる超
伝導共振器の局所的な温度上昇で説明されることから、
熱設計を最適化することにより、より少ないパワーでよ
り早いスイッチングが可能になることは明らかである。
【0022】従来の超伝導フィルタでは、狭帯域化に伴
い、その中心周波数の調整が困難であり、また、外部信
号によって周波数変調が可能な可変フィルタが強く要求
されており、さらに、フィルタバンクにおけるフィルタ
の切り替えは、従来、フィルタバンクネットワークの信
号伝送線路に負わせていたが、本発明のように共振器回
路を形成した共振器線路の終端近傍に熱回路を設けるこ
とで比較的少ないフィルタ構成においては、個々のフィ
ルタがスイッチング機能を有することとなり、より簡単
な構成で周波数切り替えが可能になる。
【0023】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
周波数変調やフィルタのオン・オフ機能を有した、狭帯
域で低損失な小形超伝導フィルタを実現できる。従っ
て、従来困難であった周波数の微調整が可能であり、さ
らには周波数可変のフィルタを提供できる。また、各フ
ィルタ自身でオン・オフのスイッチング動作が可能にな
ることから、周波数切り替えが必要な比較的少数のフィ
ルタバンクでの構成が簡単になるという利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱スイッチを有した超伝導フィルタの構成図で
ある。
【図2】熱スイッチを付加した場合の周波数特性を示す
図である。
【図3】超伝導フィルタの周波数シフトを示す図であ
る。
【図4】周波数シフトの電流依存を示す図である。
【図5】超伝導フィルタのオン・オフ動作を示す図であ
る。
【図6】損失の電流依存を示す図である。
【図7】スイッチング臨界電流の温度依存性を示す図で
ある。
【図8】熱スイッチ近傍の基板を薄くした超伝導フィル
タの構成図である。
【符号の説明】
11 超伝導薄膜用基板 12 給電回路 13 線形共振器 14 熱スイッチ 15 超伝導線路 16 グランドプレーン

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 給電回路と、複数の高周波共振器回路と
    からなるフィルタにおいて、共振器回路を形成した共振
    器線路の終端部近傍に熱回路を配設してなることを特徴
    とする超伝導フィルタ。
  2. 【請求項2】 請求項1において、給電回路と高周波共
    振器回路とを超伝導薄膜により形成する、一方、熱回路
    の少なくともその一部を常伝導金属薄膜によって形成し
    てなることを特徴とする超伝導フィルタ。
  3. 【請求項3】 請求項1において、共振器回路と熱回路
    の基板との少なくとも一方の一部を、薄くしたことを特
    徴とする超伝導フィルタ。
JP28640993A 1993-11-16 1993-11-16 超伝導フィルタ Pending JPH07142905A (ja)

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JP28640993A JPH07142905A (ja) 1993-11-16 1993-11-16 超伝導フィルタ

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2840733A1 (fr) * 2002-06-10 2003-12-12 Wintici Filtre a resonateur supraconducteur ayant une frequence de resonance reglable
CN115630703A (zh) * 2022-12-19 2023-01-20 材料科学姑苏实验室 一种超导量子计算芯片及其制备方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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FR2840733A1 (fr) * 2002-06-10 2003-12-12 Wintici Filtre a resonateur supraconducteur ayant une frequence de resonance reglable
WO2003105271A1 (fr) * 2002-06-10 2003-12-18 Wintici Sa Filtre a resonateur supraconducteur ayant une frequence de resonance reglable
CN115630703A (zh) * 2022-12-19 2023-01-20 材料科学姑苏实验室 一种超导量子计算芯片及其制备方法

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Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20021224