JP3930392B2 - 配管破断制御弁装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、油圧ショベル等の油圧機械に設けられ、シリンダ用ホースの破断時に負荷の落下を防止する配管破断制御弁装置(ホースラプチャバルブ)に関する。
【0002】
【従来の技術】
油圧機械、例えば油圧ショベルにおいては、ブーム、アーム等の負荷を駆動するアクチュエータである油圧シリンダに圧油を輸送するホース又は鋼管が万一破損した場合でも、負荷の落下を防止できるようにしたいというニーズがあり、このようなニーズに対してホースラプチャバルブと呼ばれる配管破断制御弁装置が設けられている。
【0003】
配管破断制御弁装置の従来技術としては、例えば、特開平11−303810号公報、特開2001−187903号公報等に記載のものがある。この従来技術の配管破断制御弁装置は、シリンダ接続室と配管接続室との間を遮断及び連通させる主弁としてポペット弁体と、このポペット弁体の背圧室と配管接続室との間を接続するパイロット通路にパイロット弁としてのスプール弁体とを有する構造をしており、通常動作時は外部信号(手動パイロット弁のパイロット圧)によりパイロット弁としてのスプール弁体を作動することで主弁としてのポペット弁体を開け、油圧シリンダからの作動油を排出できるようにするとともに、油圧配管の破断時は主弁としてポペット弁体が遮断位置を保持し、ロードチェック弁として機能することで油圧シリンダからの作動油の流出を防止し、ブーム、アーム等の負荷の落下を防止できるようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術には次のような問題がある。
【0005】
油圧配管の破断時、配管破断制御弁装置は上記の如くブーム、アーム等の負荷を保持しその落下を防止する。このとき、もし、負荷が上方に上がったままであると危険であるので、負荷を安全な位置まで降ろす必要がある。
【0006】
上記従来技術では、油圧配管の破断時に負荷を保持した状態から安全な位置まで降ろす場合は、手動パイロット弁の操作レバーを操作し、そのパイロット圧によりパイロット弁としてのスプール弁体を操作し、主弁としてのポペット弁体を開けることで油圧シリンダ内の作動油を少しづつ排出し、負荷を降ろす。しかし、この場合、油圧配管は破断しているので、油圧シリンダから排出された作動油は油圧配管の破断口から機器外部へ流出し、環境に悪影響を及ぼす場合がある。例えば、油圧配管の破断口からそのまま作動油を排出する場合は、作動油が地表に流れ落ち、地面を汚してしまう。また、油圧配管の破断口の下方に容器を置き作動油をその容器に収容した場合は、作動油の地表への流出は最小に抑えることができるが、その後、容器に収容した作動油を廃棄しなければならず、結局、そのときに環境を汚す可能性がある。
【0007】
本発明の目的は、配管破断時に負荷を保持した状態から負荷を降ろすとき、作動油の機器外部への流出を最小限に抑え、環境への悪影響を防止することができ配管破断制御弁装置を提供することである。
【0008】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、第1及び第2作用室を有する複動式の油圧シリンダに供給される圧油の流れを制御するコントロールバルブと、前記コントロールバルブを切り換え操作する手動パイロット弁とを備えた油圧駆動装置の前記油圧シリンダの前記第1作用室の給排ポートと油圧配管との間に設けられ、外部信号により前記第1作用室から前記油圧配管に流出する圧油の流量を制御する配管破断制御弁装置において、前記第1作用室の給排ポートに接続されるシリンダ接続室、前記油圧配管に接続される配管接続室、及び背圧室を設けたハウジングと、前記ハウジングに摺動自在に配置され、前記シリンダ接続室と前記配管接続室との間を遮断及び連通させる主弁としてのポペット弁体と、前記背圧室と配管接続室との間を接続するパイロット通路に設けられ、前記外部信号で作動し前記パイロット通路を流れるパイロット流量を遮断及び連通させるパイロット弁としてのスプール弁体と、前記第1作用室の給排ポートと第2作用室の給排ポートとを連通及び遮断する非常用バイパス回路と、前記非常用バイパス回路の連通時に前記第1作用室から前記第2作用室に流入する圧油の余剰流量をタンクに還流するドレン回路とを備え、前記非常用バイパス回路が前記第1作用室の給排ポートと第2作用室の給排ポートとを接続するバイパス通路と、このバイパス通路を開閉する弁手段とを有し、かつこの弁手段が油圧パイロット切換弁であり、前記手動パイロット弁により生成したパイロット圧を前記外部信号として前記スプール弁体に導く第1位置と、同じパイロット圧を前記油圧パイロット切換弁としての弁手段に導く第2位置とに選択的に切り換え可能な選択弁とを備えるものとする。
【0009】
これにより油圧配管の破断時に配管破断制御弁装置により保持された状態から負荷を降ろすとき、非常用バイパス回路を操作して油圧シリンダの第1作用室の給排ポートと第2作用室の給排ポートとを連通させることにより、第1作用室から第2作用室へ作動油が流れるとともに、その作動油の余剰流量がドレン回路を介してタンクに還流し、油圧シリンダが動き負荷を降ろすことができる。また、このとき、油圧シリンダの第1作用室内の作動油の一部は第2作用室に流れ、残りはタンクに還流するので、作動油の機器外部への流出を最小限に抑え、環境へ悪影響を及ぼすことを防止することができる。
【0010】
さらに、手動パイロット弁の操作量を調整することにより、油圧パイロット切換弁としての弁手段の開口面積を調整でき、油圧シリンダの第1作用室から流出する流量を任意に調整できるので、任意の速度で安全に負荷を降ろすことができる。
【0011】
また、選択弁を作業上安全な場所に設置することにより、配管破断制御弁装置のハウジングに直接手を加えることなく、安全に作業を行える。
【0012】
(2)また、上記目的を達成するために、本発明は、第1及び第2作用室を有する複動式の油圧シリンダに供給される圧油の流れを制御するコントロールバルブと、前記コントロールバルブを切り換え操作する手動パイロット弁と、所定のパイロット一次圧を生成するパイロット一次圧回路とを備えた油圧駆動装置の前記油圧シリンダの前記第1作用室の給排ポートと油圧配管との間に設けられ、外部信号により前記第1作用室から前記油圧配管に流出する圧油の流量を制御する配管破断制御弁装置において、前記第1作用室の給排ポートに接続されるシリンダ接続室、前記油圧配管に接続される配管接続室、及び背圧室を設けたハウジングと、前記ハウジングに摺動自在に配置され、前記シリンダ接続室と前記配管接続室との間を遮断及び連通させる主弁としてのポペット弁体と、前記背圧室と配管接続室との間を接続するパイロット通路に設けられ、前記外部信号で作動し前記パイロット通路を流れるパイロット流量を遮断及び連通させるパイロット弁としてのスプール弁体と、前記第1作用室の給排ポートと第2作用室の給排ポートとを連通及び遮断する非常用バイパス回路と、前記非常用バイパス回路の連通時に前記第1作用室から前記第2作用室に流入する圧油の余剰流量をタンクに還流するドレン回路とを備え、前記非常用バイパス回路が前記第1作用室の給排ポートと第2作用室の給排ポートとを接続するバイパス通路と、このバイパス通路を開閉する弁手段とを有し、かつこの弁手段が油圧パイロット切換弁であり、前記手動パイロット弁により生成したパイロット圧を前記外部信号として前記スプール弁体に導き、前記パイロット一次圧回路と前記油圧パイロット切換弁としての弁手段との連通を遮断する第1位置と、前記手動パイロット弁と前記スプール弁体との連通を遮断し、前記パイロット一次圧回路の所定のパイロット一次圧を前記油圧パイロット切換弁としての弁手段に導く第2位置とに切り換え可能な選択弁とを備えるものとする。
【0013】
これにより上記(1)と同様に、油圧配管の破断時に配管破断制御弁装置により保持された状態から負荷を降ろすとき、非常用バイパス回路を操作して油圧シリンダの第1作用室の給排ポートと第2作用室の給排ポートとを連通させることにより、第1作用室から第2作用室へ作動油が流れるとともに、その作動油の余剰流量がドレン回路を介してタンクに還流し、油圧シリンダが動き負荷を降ろすことができる。また、このとき、油圧シリンダの第1作用室内の作動油の一部は第2作用室に流れ、残りはタンクに還流するので、作動油の機器外部への流出を最小限に抑え、環境へ悪影響を及ぼすことを防止することができる。
【0014】
さらに、上記(1)と同様に、手動パイロット弁の操作量を調整することにより、油圧パイロット切換弁としての弁手段の開口面積を調整でき、油圧シリンダの第1作用室から流出する流量を任意に調整できるので、任意の速度で安全に負荷を降ろすことができる。また、選択弁を作業上安全な場所に設置することにより、配管破断制御弁装置のハウジングに直接手を加えることなく、安全に作業を行える。
【0015】
(3)上記(2)において、好ましくは、前記油圧パイロット切換弁としての弁手段に導かれる前記パイロット一次圧回路の所定のパイロット一次圧を減圧して前記コントロールバルブの受圧室に導く手段を更に備える。
【0016】
これにより選択弁を第2位置に操作するだけで油圧パイロット切換弁としての弁手段を操作しバイパス通路を開けるとともに、コントロールバルブの受圧室に減圧されたパイロット一次圧が作用してコントロールバルブを微操作し、余剰流量をタンクに還流するドレン回路が形成されるので、簡単な操作で負荷を降ろすことができる。
【0017】
(4)また、上記目的を達成するために、本発明は、第1及び第2作用室を有する複動式の油圧シリンダに供給される圧油の流れを制御するコントロールバルブと、前記コントロールバルブを切り換え操作する手動パイロット弁とを備えた油圧駆動装置の前記油圧シリンダの前記第1作用室の給排ポートと油圧配管との間に設けられ、外部信号により前記第1作用室から前記油圧配管に流出する圧油の流量を制御する配管破断制御弁装置において、前記第1作用室の給排ポートに接続されるシリンダ接続室、前記油圧配管に接続される配管接続室、及び背圧室を設けたハウジングと、前記ハウジングに摺動自在に配置され、前記シリンダ接続室と前記配管接続室との間を遮断及び連通させる主弁としてのポペット弁体と、前記背圧室と配管接続室との間を接続するパイロット通路に設けられ、前記外部信号で作動し前記パイロット通路を流れるパイロット流量を遮断及び連通させるパイロット弁としてのスプール弁体と、前記第1作用室の給排ポートと第2作用室の給排ポートとを連通及び遮断する非常用バイパス回路と、前記非常用バイパス回路の連通時に前記第1作用室から前記第2作用室に流入する圧油の余剰流量をタンクに還流するドレン回路とを備え、前記非常用バイパス回路が前記第1作用室の給排ポートと第2作用室の給排ポートとを接続するバイパス通路と、このバイパス通路を開閉する弁手段とを有し、
前記シリンダ接続室とタンクとを連絡する管路上にリリーフ弁を設けかつこのリリーフ弁の下流側に圧力発生手段を設け、この圧力発生手段で発生した圧力を前記パイロット弁としてのスプール弁体の前記外部信号と同じ側に作用させるとともに、前記リリーフ弁を、開弁方向へ所定のパイロット圧が付与される第1の受圧室と、前記油圧シリンダの第1作用室の負荷圧が開弁方向に付与される第2の受圧室と、前記シリンダ接続室とタンクとを連通・遮断するポペットとから前記第1作用室の負荷圧に応じて開閉するように構成し、前記第1の受圧室に付与されるパイロット圧の大きさを変更する変更手段と、前記弁手段及び変更手段を操作する操作手段とを備えるものとする。
【0018】
これにより上記(1)と同様に、油圧配管の破断時に配管破断制御弁装置により保持された状態から負荷を降ろすとき、非常用バイパス回路を操作して油圧シリンダの第1作用室の給排ポートと第2作用室の給排ポートとを連通させることにより、第1作用室から第2作用室へ作動油が流れるとともに、その作動油の余剰流量がドレン回路を介してタンクに還流し、油圧シリンダが動き負荷を降ろすことができる。また、このとき、油圧シリンダの第1作用室内の作動油の一部は第2作用室に流れ、残りはタンクに還流するので、作動油の機器外部への流出を最小限に抑え、環境へ悪影響を及ぼすことを防止することができる。さらに、手動パイロット弁の操作量を調整することにより、油圧パイロット切換弁としての弁手段の開口面積を調整でき、油圧シリンダの第1作用室から流出する流量を任意に調整できるので、任意の速度で安全に負荷を降ろすことができる。
【0019】
これにより通常動作時は、油圧シリンダに過大な外力が作用し負荷圧が過大になろうとすると、リリーフ弁が作動して圧力発生手段で発生した圧力によりパイロット弁としてのスプール弁体を開き、主弁としてのポペット弁体を開けることでアクチュエータラインに設けられているリリーフ弁が作動し、過大な負荷圧の発生を防止することができる。
【0020】
一方、配管破断時にブームを安全な位置まで下げるときは、操作手段を操作して変更手段により第1の受圧室に付与されるパイロット圧の大きさを小さくすることによりリリーフ弁のバネのセット圧が高くなり、油圧シリンダに過大な外力が作用し負荷圧が過大となった場合でも、リリーフ弁のポペットは閉じたままに保たれ、油圧シリンダの圧油が破断した配管(アクチュエータライン)から外部に流出してしまうことが防止される。
【0031】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
【0032】
図1は本発明の第1の基本例による配管破断制御弁装置を油圧回路で示す図である。
【0033】
図1において、100は本実施形態の配管破断制御弁装置を構成する配管破断制御弁であり、この配管破断制御弁100は、油圧ポンプ101と、この油圧ポンプ101から吐出された圧油により駆動される油圧アクチュエータ(油圧シリンダ)102と、油圧ポンプ101から油圧シリンダ102に供給される圧油の流れを制御するコントロールバルブ103と、コントロールバルブ103から伸びる油圧配管であるアクチュエータライン105,106と、アクチュエータライン105,106に接続され、回路内の最大圧力を制限するメインのオーバーロードリリーフバルブ107a,107bと、手動パイロット弁108と、タンク109とを有する油圧駆動装置に備えられている。
【0034】
本実施の形態において、油圧駆動装置は例えば油圧ショベルに搭載されるものであり、油圧シリンダ102は例えば油圧ショベルのブームを駆動するブームシリンダである。また、油圧アクチュエータ102はボトム側室102aとロッド側室102bの2つの作用室を有する複動式の油圧シリンダである。
【0035】
配管破断制御弁100は、2つの入出力ポート1,2を備えたハウジング3を有し、入出力ポート1は油圧シリンダ102のボトム側室102aに開口する第1給排ポート102cに直接取り付けられ、入出力ポート2はアクチュエータライン105を介してコントロールバルブ103の2つのアクチュエータポート103a,103bの一方103aに接続されている。他方のアクチュエータポート103bはアクチュエータライン106を介して油圧シリンダ102のロッド側室102bに開口する第2給排ポート102dに接続されている。
【0036】
ハウジング3内には、主弁としてのポペット弁体5と、外部信号である手動パイロット弁108からのパイロット圧によって作動しポペット弁体5を作動させるパイロット弁としてのスプール弁体6と、オーバーロードリリーフバルブの機能を有する小リリーフバルブ7とが設けられている。スプール弁体6は小流量域の流量を制御する補助弁としてのスプール弁体を兼ねている(後述)。
【0037】
ハウジング3内には、また、入出力ポート1に接続されるシリンダ接続室8、入出力ポート2に接続される配管接続室9、背圧室10が設けられ、主弁としてのポペット弁体5は背圧室10の圧力を背面で受け、シリンダ接続室8と配管接続室9との間を遮断及び連通しかつ移動量に応じて開口面積を変化させるようハウジング3内に摺動自在に配置されている。ポペット弁体5には、ポペット弁体5の移動量に応じて開口面積を増大させ、その開口面積に応じてシリンダ接続室8から背圧室10へ流出するパイロット流量の通過量を制御するフィードバック可変絞り通路としてのフィードハックスリット11が設けられている。背圧室10内にはポペット弁体5を図示の遮断位置に保持するバネ13が配設されている。
【0038】
ハウジング3内にはパイロット通路15a,15bが形成され、背圧室10と配管接続室9はパイロット通路15aとスプール弁体6とパイロット通路15bを介して接続されている。パイロット通路15bは補助弁のサブ通路の一部(後述)を兼ねている。
【0039】
スプール弁体6はパイロット通路15a,15bを連通可能なパイロット可変絞り部6aを有し、スプール弁体6の閉弁方向作動端部にはパイロット可変絞り部6aの初期開弁力を設定するバネ16が設けられ、スプール弁体6の開弁方向作動端部には上記外部信号であるパイロット圧がパイロットライン32を介して導かれる受圧室17が設けられ、この受圧室17に導かれるパイロット圧(外部信号)による制御力とバネ16の付勢力とによってスプール弁体6の移動量が決定され、この移動量に応じてパイロット可変絞り部6aの開口面積が変化し、パイロット通路15a,15bを流れるパイロット流量を遮断及び制御する。バネ16が配置されるスプール弁体端部はスプール弁体6の動きをスムーズにするためドレン通路21、ドレンホース22を介してタンク109に接続されている。
【0040】
ハウジング3内には、また、サブ通路15cが形成され、シリンダ接続室8と配管接続室9はサブ通路15cとスプール弁体6とパイロット通路15bを介して接続されている。スプール弁体6は、小流量域の流量を制御する補助弁としてのスプール弁体を兼ねており、そのためにスプール弁体6はサブ通路15cとパイロット通路15bを連通可能なサブ可変絞り部50aを更に有し、スプール弁体6の移動量に応じてサブ可変絞り部50aの開口面積が変化し、サブ通路15cとパイロット通路15bを流れるサブ流量を遮断及び制御する。
【0041】
ハウジング3内には、また、小リリーフバルブ7の入側に位置するリリーフ通路15eと出側に位置するドレン通路15fとが設けられ、リリーフ通路15eはシリンダ接続室8に接続され、ドレン通路15fはドレン通路23、ドレンホース22を介してタンク109に接続されている。また、ドレン通路15fには圧力発生手段である絞り34が設けられ、小リリーフバルブ7と絞り34との間から、絞り34で発生した圧力をスプール弁体6に外部信号であるパイロット圧と同じ側の駆動力として作用させる受圧室35に至る信号通路36が分岐している。
【0042】
図2に、ポペット弁体5の移動量(ストローク)に対するポペット弁体5の開口面積及びフィードバックスリット11の開口面積の関係を示す。ポペット弁体5が遮断位置にあるとき、フィードバックスリット11は所定の初期開口面積Aを有しており、ポペット弁体5が遮断位置から開き始め、移動量が増大するにしたがってポペット弁体5及びフィードバックスリット11の開口面積は比例的に増大する。フィードバックスリット11が初期開口面積Aを有することにより、ポペット弁体5はチェックバルブの機能を果たすことができる(後述)。
【0043】
図3に、外部信号である手動パイロット弁108からのパイロット圧に対するスプール弁体6のパイロット可変絞り部6aの通過流量(パイロット流量)とポペット弁体5の通過流量(メインの流量)との関係、これらとスプール弁体6のサブ可変絞り部50aの通過流量(サブ流量)との関係、更にはこれらと配管破断制御弁100の総通過流量との関係を示す。図中、X1はパイロット可変絞り部6aの流量制御の特性線、X2はポペット弁体5の流量制御の特性線、X3はサブ可変絞り部50aの流量制御の特性線、X4はそれらを合計した流量制御の特性線、つまり配管破断制御弁100の流量制御の特性線である。
【0044】
図3において、パイロット圧が0からPになるまでの範囲はスプール弁体6のパイロット可変絞り部6aの不感帯であり、この間はパイロット可変絞り部6aは遮断状態にある。パイロット圧がPに達すると、特性線X1で示すようにスプール弁体6のパイロット可変絞り部6aは開き始め、パイロット圧がPを越えて上昇するにしたがってパイロット可変絞り部6aの開口面積が増大し、これに応じてパイロット可変絞り部6aの通過流量、即ちパイロット通路15a,15bを流れるパイロット流量も増大する。
【0045】
また、パイロット圧がP(>P)でパイロット流量が所定流量となるまでの範囲はポペット弁体5の不感帯であり、この間はパイロット流量が生じてもフィードバックスリット11による背圧室10の圧力低下が不十分であり、ポペット弁体5はバネ13の初期設定力により遮断位置に保たれている。パイロット圧がPでパイロット流量が所定流量に達すると、特性線X2で示すようにポペット弁体5は開き始め、パイロット圧がPを越えて上昇するにしたがってポペット弁体5の開口面積が増大し、これに応じてポペット弁体の通過流量、即ちメインの流量も増大する。
【0046】
更に、パイロット圧が0からPになるまでの範囲はスプール弁体6のサブ可変絞り部50aの不感帯であり、この間はサブ可変絞り部50aは遮断状態にある。パイロット圧がPに達すると、特性線X3で示すようにスプール弁体6のサブ可変絞り部50aは開き始め、パイロット圧がPを越えて上昇するにしたがってサブ可変絞り部50aの開口面積が増大し、これに応じてサブ可変絞り部50aの通過流量、即ちサブ通路15cとパイロット通路15bを流れるサブ流量も増大する。
【0047】
また、P<Pであり、スプール弁体6のサブ可変絞り部50aはパイロット可変絞り部6aよりも早く開くように開口タイミングが設定され、サブ可変絞り部50aに微操作領域での流量制御機能を受け持たせている。
【0048】
以上のようにスプール弁体6のパイロット可変絞り部6a、ポペット弁体5、スプール弁体6のサブ可変絞り部50aの通過流量が変化する結果、配管破断制御弁100の総通過流量は特性線X4で示すように変化する。
【0049】
図1に戻り、ハウジング3内には油圧シリンダ102のボトム側室102aの給排ポート102cに接続されるシリンダ接続室8とドレン通路23とを連通及び遮断する非常用ドレン回路40が設けられ、非常用ドレン回路40はシリンダ接続室8とドレン通路23とを接続するドレン通路41と、このドレン通路41を開閉する手動開閉弁42とで構成されている。手動開閉弁42は、配管破断時にブームをゆっくりと降ろせるように最大開口面積を小さく設定した弁であり、例えばニードル弁である。
【0050】
次に、以上のように構成した配管破断制御弁装置の動作を説明する。
【0051】
まず、アクチュエータライン105が破断していない通常時の動作を説明する。
【0052】
1)油圧シリンダ102のボトム側への圧油供給時
手動パイロット弁108の操作レバーを図示A方向に操作し、コントロールバルブ103を図示左側の位置に切り換えると、油圧ポンプ101の圧油がコントロールバルブ103を介して配管破断制御弁100の配管接続室9に供給され、この配管接続室9の圧力が上昇する。このとき、配管破断制御弁100のシリンダ接続室8の圧力は油圧シリンダ102のボトム側の負荷圧になっており、フィードバックスリット11が上記のように初期開口面積Aを有することから、背圧室10の圧力も当該負荷圧になっており、このため配管接続室9の圧力が負荷圧より低い間はポペット弁体5は遮断位置に保たれるが、配管接続室9の圧力が負荷圧より高くなると、直ちにポペット弁体5は図示上方へ移動し、シリンダ接続室8に圧油が流入可能となり、油圧ポンプ101の圧油は油圧シリンダ102のボトム側に供給される。油圧シリンダ102のロッド側からの圧油はコントロールバルブ103を介してタンク109に排出される。
【0053】
2)油圧シリンダ102のボトム側から圧油をコントロールバルブ103ヘ排出する場合
手動パイロット弁108の操作レバーを図示B方向に操作し、コントロールバルブ103を図示右側の位置に切り換えると、油圧ポンプ101の圧油がコントロールバルブ103を介して油圧シリンダ102のロッド側に供給される。これと同時に、手動パイロット弁108からのパイロット圧がスプール弁体6の受圧室17に導かれ、パイロット圧によりスプール弁体6が移動し、スプール弁体6のパイロット可変絞り部6aがその移動量に見合った開口面積となる。このため、パイロット通路15a,15bに当該パイロット圧に応じたパイロット流量が流れ、このパイロット流量に応じてポペット弁体5が開弁しかつその移動量が制御される。パイロット圧によりスプール弁体6が移動するとき、パイロット可変絞り部6aに先だってサブ可変絞り部50aが開口し、サブ通路15c及びパイロット通路15bに当該パイロット圧に応じたサブ流量が流れる。このため、油圧シリンダ102のボトム側の圧油は配管破断制御弁100のポペット弁体5とスプール弁体6のパイロット可変絞り部6a及びサブ可変絞り部50aに制御されながらコントロールバルブ103へ排出され、更にタンク109へと排出される。
【0054】
3)油圧シリンダ102のボトム側の負荷圧の保持
コントロールバルブ103の中立位置で吊り荷を保持する場合のように、油圧シリンダ102のボトム側の負荷圧が高圧となる状態では、遮断位置にあるポペット弁体5が従来のロードチェック弁と同様に負荷圧を保持し、リーク量を減少させる機能(ロードチェック機能)を果たす。
【0055】
4)過大な外力が油圧シリンダ102に作用した場合
油圧シリンダ102に過大な外力が作用し、シリンダ接続室8が高圧になると、リリーフ通路15eの圧力が上昇して小リリーフバルブ7が開き、絞り34を設けたドレン通路15fに圧油が流れ込む。この結果、信号通路36の圧力が上昇し、スプール弁体6を移動してパイロット可変絞り部6aを開き、パイロット通路15a,15bにパイロット流量が流れる。これによりポペット弁体5も開弁し、外力により生じた高圧の圧油をアクチュエータライン105に接続されたオーバーロードリリーフバルブ107aによりタンク109ヘと排出し、機器の破損を防止する。
【0056】
5)配管破断時
万一、アクチュエータライン105が破断したときは、吊り荷を保持する場合と同様に、遮断位置にあるポペット弁体5がロードチェック弁(ホールディングバルブ)として機能し、油圧シリンダ102のボトム側の圧油の流出を阻止し、ブームの落下を防止する。
【0057】
6)配管破断時に負荷(ブーム)を降ろすとき
配管破断時に、ブームを安全な位置まで下げるときは、オペレータは非常用ドレン回路40の手動開閉弁42を手動で開き、油圧シリンダ102のボトム側室102a内の作動油をドレン通路41、ドレン通路23、ドレンホース22を介してタンク109に戻す。これにより油圧シリンダ102のボトム側室102aの作動油を流量制御しながら少しづつ排出し、ブームをゆっくりと下げることができる。
【0058】
以上のように構成した本基本例によれば、下記の効果が得られる。
【0059】
1.油圧シリンダ102に給排される圧油の全油量が通過する流路にポペット弁体5を設けるだけで、圧油供給用のチェックバルブ、ロードチェックバルブ、オーバーロードリリーフバルブの諸機能を果たせるので、圧力損失の少ない弁装置が構成でき、エネルギ損失の少ない効率の良い運転が可能となる。
【0060】
2.配管破断制御弁100は従来のものに比較して小型化できるため、作業上での破損の機会が減少し、設計上の自由度も増す。更に、部品点数が少ないため故障の頻度が低減し、信頼性を向上できるとともに、低コストで製造できる。
【0061】
3.過大な外力により生じた高圧の圧油を小リリーフバルブ7に作用させることでポペット弁体5を開弁しメインのオーバーロードリリーフバルブ107aからタンクヘと開放するとき、小リリーフバルブ7を通過する圧油は小流量となるから、従来のオーバーロードリリーフバルブと同等の機能を小型の小リリーフバルブ7で実現することができる。しかも、小リリーフバルブ7からタンクに開放される圧油は従来あったドレンラインと同等のドレン通路21を介してなされるため、配管破断制御弁100にオーバーロードリリーフバルブ専用のドレン配管は不要となり、配管破断制御弁100回りの配管の引き回しを簡素化できる。
【0062】
4.スプール弁体6にサブ可変絞り部50aを追加し、サブ可変絞り部50aで微操作領域での流量制御を行い、パイロット可変絞り部6aでポペット弁体5の制御を行うので、微操作領域の流量制御に関係なくポペット弁体5の開口タイミングを設定できるようになり、微操作領域での流量制御特性を変えても全体の流量制御幅は変化せず、微操作領域での操作性を良くするため流量制御の特性線の傾きを小さくした場合でも滑らかな流量制御特性が得られる。
【0063】
例えば、図3において、スプール弁体6のサブ可変絞り部50aの特性線が破線のX5であった場合、これを本実施の形態のX3に傾きが小さくなるように変更しても、ポペット弁体5の開口タイミングのP点は変わらないので、ポペット弁体5の流量制御特性も変わらず、配管破断制御弁100の総通過流量の特性はX6からX4に変化する。つまり、微操作領域での流量制御特性は変化するが、配管破断制御弁100を通過する最大流量の変化は僅かであり、全体の流量制御幅はほとんど変化しない。また、スプール弁体6のサブ可変絞り部50aの開口タイミングをP点からずらした場合も同様であり、ポペット弁体5の開口タイミングはP点から変化せず、全体の流量制御幅はほとんど変化しない。
【0064】
また、逆に、スプール弁体6のパイロット可変絞り部6aの特性(特性線Xの傾きや開口タイミング)を変えてポペット弁体5の流量制御特性を変えても、スプール弁体6のサブ可変絞り部50aによる微操作領域での流量制御特性は変わらない。
【0065】
5.また、スプール弁体6のサブ可変絞り部50aの特性の変更とパイロット可変絞り部6aの特性の変更(ポペット弁体5の特性の変更)を任意に組み合わせることにより流量制御特性の幅広い設定が可能となり、設計の自由度が増すので、要求流量制御特性の異なる多種のアクチュエータ(油圧シリンダ)に適用することができる。
【0066】
6.非常用ドレン回路40を設けたので、配管破断後にブームを下げるとき、油圧シリンダ102のボトム側室102aの作動油をもともと配管破断制御弁100に備えられているドレン通路23及びドレンホース22を利用してタンク109に戻すので、手動パイロット弁108の操作レバーを図示B方向に微操作し、パイロット可変絞り部6a及びポペット弁体5を開弁して油圧シリンダ102のボトム側室102aの作動油を排出する場合に比べて、作動油が機器外部に流出することを最小に抑えることができ、環境に悪影響を及ぼすことを防止することができる。
【0067】
7.非常用ドレン回路40の手動開閉弁42の最大開口面積を小さく設定したので、手動開閉弁42をフルに開弁してもドレン通路41を流れる流量は微小流量に抑えられ、ブームをゆっくりと下げることができる。このためオペレータの操作は容易となり、安全かつ確実にブームを下げることができる。
【0068】
本発明の第2の基本例を図4により説明する。図中、図1に示した部材と同等のものには同じ符号を付している。
【0069】
図4において、100Aは本実施の形態に係わる配管破断制御弁装置を構成する配管破断制御弁であり、この配管破断制御弁100Aは、油圧シリンダ102の2つの作用室であるボトム側室102aとロッド側室102bとを連通及び遮断する非常用バイパス回路60と、油圧シリンダ102のロッド側室102bとドレン通路23とを連通及び遮断し、非常用バイパス回路60の連通時に油圧シリンダ102のボトム側室102aからロッド側室102bに流入する圧油の余剰流量をタンク109に還流する非常用ドレン回路40Aとを備えている。非常用バイパス回路60は、油圧シリンダ102のボトム側室102aの給排ポート102cとロッド側室102bの給排ポート102dとを接続するバイパス通路61と、このバイパス通路61を開閉する手動開閉弁62とで構成され、非常用ドレン回路40Aは、油圧シリンダ102のロッド側室102bの給排ポート102dとドレン通路23とを接続するドレン通路41Aと、このドレン通路41Aを開閉する手動開閉弁42Aとで構成されている。手動開閉弁62は配管破断時にブームをゆっくりと降ろせるように最大開口面積を小さく設定した例えばニードル弁である。また、手動開閉弁42Aも同様に最大開口面積を小さく設定した例えばニードル弁である。
【0070】
以上のように構成した本基本例において、1)油圧シリンダ102のボトム側へ圧油を供給するとき、2)油圧シリンダ102のボトム側から圧油をコントロールバルブ103ヘ排出するとき、3)油圧シリンダ102のボトム側の負荷圧を保持するとき、4)過大な外力が油圧シリンダ102に作用したとき、5)配管が破断したときの動作は第1の基本例の動作と同じである。
【0071】
配管破断時に、ブームを安全な位置まで下げるときは、オペレータは、まず、非常用ドレン回路40Aの手動開閉弁42Aを手動で開き、次いで非常用バイパス回路60の手動開閉弁62を手動で開き、油圧シリンダ102のボトム側室102a内の作動油をロッド側室102bに導くとともに、ボトム側室102aから流出する油量のうち、油圧シリンダ102のボトム側室102aとロッド側室102bの面積差分の余剰流量をドレン通路41A、ドレン通路23、ドレンホース22を介してタンク109に戻す。これにより油圧シリンダ102のボトム側室102aの作動油を流量制御しながら少しづつ排出し、ブームをゆっくりと下げることができる。
【0072】
以上のように構成した基本例によっても、第1の基本例で述べた1〜5の効果と6及び7の効果が得られる。つまり、配管破断後にブームを下げるとき、作動油が機器外部に流出することを最小に抑え、環境に悪影響を及ぼすことを防止することができる。また、そのときの操作を容易とし、安全かつ確実にブームを下げることができる。
【0073】
また、第1の基本例では、油圧シリンダ102のボトム側室102aから流出する作動油の全量をドレン通路23、ドレンホース22を介してタンク109に戻すので、ドレンホース22に高圧の作動流体が流れる可能性があり、ドレンホース22をある程度高圧化する必要がある。しかし、本基本例では、油圧シリンダ102のボトム側室102aから流出する油量の全量ではなく、その一部をドレン通路23、ドレンホース22を介してタンク109に戻すので、ドレンホース22に高圧の作動油が流れてもドレンホース22を破損する可能性が小さく、既存の低圧用のドレンホースをそのまま使用することができる。
【0074】
更に、第1の基本例では、油圧シリンダ102のロッド側室102bに作動油を戻さずに油圧シリンダ102を縮めるので、油圧シリンダ102のロッド側室102bに空気が侵入する可能性があり、その後その空気抜きをする必要が生じるが、本基本例では、油圧シリンダ102のロッド側室102bに空気が侵入しないので、その後の取り扱いが容易となる。
【0075】
更に、後述する実施の形態(第及び第の実施の形態)のように配管破断制御弁の外部に信号回路の油圧配管を追加する必要がないので、配管破断制御弁100Aのハウジング回りを簡素化できる。
【0076】
本発明の第3の基本例を図5により説明する。図中、図1及び図4に示した部材と同等のものには同じ符号を付している。
【0077】
図5において、100Bは本基本例に係わる配管破断制御弁装置の主要部分を構成する配管破断制御弁であり、この配管破断制御弁100Bは、油圧シリンダ102の2つの作用室であるボトム側室102aとロッド側室102bとを連通及び遮断する非常用バイパス回路60Aと、油圧シリンダ102のロッド側室102bとドレン通路23とを連通及び遮断し、非常用バイパス回路60Aの連通時に油圧シリンダ102のボトム側室102aからロッド側室102bに流入する圧油の余剰流量をタンク109に還流する非常用ドレン回路40Bとを備えている。非常用バイパス回路60Aは、油圧シリンダ102のボトム側室102aの給排ポート102cとロッド側室102bの給排ポート102dとを接続するバイパス通路61と、このバイパス通路61を開閉する比例電磁弁62Aとで構成され、非常用ドレン回路40Bは、油圧シリンダ102のロッド側室102bの給排ポート102dとドレン通路23とを接続するドレン通路41Aと、このドレン通路41Aを開閉する比例電磁弁42Bとで構成されている。比例電磁弁62Aは配管破断時にブームをゆっくりと降ろせるように最大開口面積を小さく設定した弁であり、比例電磁弁42Bも同様に最大開口面積を小さく設定した弁である。
【0078】
また、本基本例の配管破断制御弁装置は、比例電磁弁62A,42Bの操作手段として、電源65、スイッチ66、信号ライン67,67a,67bを有し、信号ライン67a,67bは比例電磁弁62A,42Bのソレノイド62a,42aに接続されている。
【0079】
以上のように構成した本基本例の動作は、手動開閉弁62,42Aが比例電磁弁62A,42Bに代わったことに伴い、手動開閉弁62,42Aを手動操作する代わりにスイッチ66をONする点を除いて、図4に示す第2の実施の形態と同じである。つまり、配管破断時にブームを安全な位置まで下げるとき、オペレータはスイッチ66をONすると比例電磁弁62A,42Bが開き、第1の実施の形態と同様、油圧シリンダ102のボトム側室102a内の作動油がロッド側室102bに導かれるとともに、面積差分の余剰流量がドレン通路41A、ドレン通路23、ドレンホース22を介してタンク109に戻され、これにより油圧シリンダ102のボトム側室102aの作動油を少しづつ排出し、ブームをゆっくりと下げることができる
【0080】
したがって、本基本例によっても、配管破断後にブームを下げるとき、作動油が機器外部に流出することを最小に抑え、環境に悪影響を及ぼすことを防止することができ、かつそのときの操作を容易にし、安全かつ確実にブームを下げることができるなど、第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0081】
また、本基本例によれば、スイッチ66を操作するだけで比例電磁弁62A,42Bが作動しブームを降ろせるので、更に操作が容易となる。
【0082】
更に、スイッチ66を作業上安全な場所に設置することにより、配管破断制御弁100Bに直接手を加えることなく、また配管破断制御弁100Bや負荷であるブームに近づくことなく、安全に作業が行える。
【0083】
本発明の第の実施の形態を図6により説明する。図中、図1及び図4に示した部材と同等のものには同じ符号を付している。
【0084】
図6において、100Cは本実施の形態に係わる配管破断制御弁装置の主要部分を構成する配管破断制御弁であり、この配管破断制御弁100Cは、油圧シリンダ102の2つの作用室であるボトム側室102aとロッド側室102bとを連通及び遮断する非常用バイパス回路60Bを備えている。
【0085】
また、本実施の形態の配管破断制御弁装置は、外部信号であるパイロット圧の行き先をスプール弁体6と非常用バイパス回路60Bとの間で切り換える手動切換回路70を備えている。
【0086】
非常用バイパス回路60Bは、油圧シリンダ102のボトム側室102aの給排ポート102cとロッド側室102bの給排ポート102dとを接続するバイパス通路61と、このバイパス通路61を開閉する弁手段であるスプール弁体62Bとで構成されている。スプール弁体62Bは可変絞り部62bを備え、その最大開口面積は配管破断時にブームをゆっくりと降ろせるように小さく設定されている。また、スプール弁体62Bは受圧室62cを有する油圧パイロット切換弁であり、通常は図示の閉位置に保持されている。
【0087】
手動切換回路70は、パイロットライン32aとパイロットライン32bとの間に設置された手動切換弁71とを有し、パイロットライン32aとパイロットライン32bとで手動パイロット弁108からのパイロット圧をスプール弁体6の受圧室17に導くパイロットライン32が構成されている。また、手動切換弁71からはパイロットライン72が分岐し、パイロットライン72はスプール弁体62Bの受圧室62cに接続されている。手動切換弁71は、パイロットライン32aとパイロットライン32bを連通させ、手動パイロット弁108からのパイロット圧をスプール弁体6の受圧室17に導く第1位置と、パイロットライン32aをパイロットライン71に接続しパイロット圧をスプール弁体62Bの受圧室62dに導く第2位置とを有し、操作レバー71aにより第1位置と第2位置のいずれかに切り換えられる。
【0088】
以上のように構成した本実施の形態においては、通常動作時は手動切換弁71は図示の第1位置に切り換えておくことにより、パイロットライン32aはパイロットライン32bに連通し、先の実施の形態と同様に通常時の動作を行わせることができる。
【0089】
配管破断時にブームを安全な位置まで下げるときは、オペレータは、まず、手動切換弁71の操作レバー71aを操作し手動切換弁71を図示の第1位置から第2位置に切り換え、次いで手動パイロット弁108の操作レバーを図示B方向に操作する。このとき、操作レバーは微操作或いはハーフ操作の範囲内で徐々に操作する。これによりコントロールバルブ103が図示の中立位置と図示右側の位置との中間位置に切り換えられ、アクチュエータライン106は油圧ポンプ101とタンク109のそれぞれに部分的に絞りを介して接続された状態となる。つまり、非常用バイパス回路60Bの連通時に油圧シリンダ102のボトム側室102aからロッド側室102bに流入する圧油の余剰流量をタンク109に還流するドレン回路が形成される。
【0090】
また、パイロットライン32aとパイロットライン72が連通するため、手動パイロット弁108からのパイロット圧が手動切換弁71、パイロットライン32a、パイロットライン72を介してスプール弁体62Bの受圧室62cに導かれ、スプール弁体62Bは図示の閉位置から可変絞り部62bのある位置に切り換えられる。このとき、スプール弁体62Bの可変絞り部62bの開度は手動パイロット弁108からのパイロット圧(手動パイロット弁108の操作レバーの操作量)に応じた開口面積となる。これにより油圧シリンダ102のボトム側室102a内の作動油がロッド側室102bに導かれるとともに、面積差分の余剰流量はアクチュエータライン106、コントロールバルブ103を介してタンク109に戻され、油圧シリンダ102のボトム側室102aの作動油を流量制御しながら少しづつ排出し、ブームをゆっくりと下げることができる。
【0091】
したがって、本実施の形態によっても、配管破断後にブームを下げるとき、作動油が機器外部に流出することを最小に抑え、環境に悪影響を及ぼすことを防止することができ、かつそのときの操作を容易にし、安全かつ確実にブームを下げることができるなど、第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0092】
また、本実施の形態によれば、手動パイロット弁108の操作レバーの操作量を調整することにより、スプール弁体62Bの可変絞り部62bの開口面積を調整でき、ボトム側室102aから流出する流量を任意に調整できるので、任意の速度で安全にブームを降ろすことができる。
【0093】
更に、手動切替弁71を作業上安全な場所に設置することにより、配管破断制御弁100Cに直接手を加えることなく、また配管破断制御弁100Cや負荷であるブームに近づくことなく、安全に作業が行える。
【0094】
本発明の第の実施の形態を図7により説明する。図中、図1、図4及び図5に示した部材と同等のものには同じ符号を付している。
【0095】
図7において、100Cは本実施の形態に係わる配管破断制御弁装置の主要部分を構成する配管破断制御弁であり、この配管破断制御弁100Cは、油圧シリンダ102の2つの作用室であるボトム側室102aとロッド側室102bとを連通及び遮断する非常用バイパス回路60Bと、外部信号である手動パイロット弁108からのパイロット圧の連通及び遮断とパイロット一次圧発生回路75のパイロット一次圧の遮断及び連通を切り換える電磁切換回路70Aとを備えている。
【0096】
非常用バイパス回路60Bは、図6に示した第4の実施の形態のものと同じである。
【0097】
パイロット一次圧回路75は、パイロットポンプ76と、パイロットポンプ76の吐出圧を所定値(例えば50Kg/cm程度)に保持するリリーフ弁77とを備え、その吐出圧を信号圧力として出力するパイロットライン78,79とを有している。パイロットライン78はパイロットポンプ76の吐出路に接続され、パイロットライン79はスプール弁体62Bの受圧室62cに接続されている。パイロット一次圧回路75は手動パイロット弁108等の操作系の油圧源として油圧ショベル等の油圧機械の油圧駆動装置に通常備えられるものであり、例えばパイロットポンプ76の吐出圧はパイロットライン80を介して手動パイロット弁108に導かれている。
【0098】
電磁切換回路70Aは、パイロットライン32を構成するパイロットライン32a,32bの間及びパイロットライン78,79の間に設置された電磁切換弁71Aと、パイロットライン110に設置された電磁切換弁120と、電磁切換弁71A及び電磁切換弁120の操作手段として設けられた電源85、スイッチ86、信号ライン87,87aとを有し、信号ライン87は電磁切換弁71Aのソレノイド71aに接続され、信号ライン87aは電磁切換弁120のソレノイド120aに接続されている。
【0099】
電磁切換弁71Aは、パイロットライン32aとパイロットライン32bを連通させ、パイロットライン78とパイロットライン79の連通を遮断する第1位置71bと、パイロットライン32aとパイロットライン32bの連通を遮断し、パイロットライン78とパイロットライン79を連通させる第2位置71cとを有し、ソレノイド71aが励磁されると第1位置71bから第2位置71cに切り換えられる。
【0100】
電磁切換弁120は、パイロットライン110を連通状態とする開口面積の大きな第1位置120bと、絞り120dを有する第2位置120cとを有し、ソレノイド120aが励磁されると第1位置120bから第2位置120cに切り換えられる。
【0101】
パイロットライン81aはパイロットライン79から分岐し、パイロットライン81bはパイロットライン110に接続され、パイロットライン110はコントロールバルブ103の受圧室103bに接続されている。受圧室103bは手動パイロット弁108の操作レバーを図示B方向に操作したときのパイロット圧がパイロットライン110を介して導かれる受圧室である。パイロットライン81aには、絞り82と、受圧室103b及びパイロットライン110側からパイロットライン79側への圧油の流れを阻止するチェック弁83が設けられている。
【0102】
絞り82の開口面積をA1、絞り120dの開口面積をA2とすると、A1<A2に設定されている。
【0103】
以上のように構成した本実施の形態においては、通常動作時はスイッチ86を開き、ソレノイド71a,120aを非励磁とし、電磁切換弁71A,120を図示の第1位置71b,120bに切り換えることにより、パイロットライン32aとパイロットライン32bは連通し、パイロットライン78とパイロットライン79の連通は遮断されるとともに、パイロットライン110は連通状態となる。このとき、電磁切換弁120も第1位置120bとなり、手動パイロット弁108の操作レバーを図示B方向に操作したときに発生するパイロット圧はコントロールバルブ103の受圧室103bに導かれるが、パイロットライン81においてはそれがチェック弁83により阻止され、パイロットライン79に導かれることはない。このため先の実施の形態と同様に通常時の動作を行わせることができる。
【0104】
配管破断時にブームを安全な位置まで下げるときは、オペレータはスイッチ86をONし、ソレノイド71a,120aを励磁し、電磁切換弁71Aを図示の第1位置71bから第2位置71cに切り換え、かつ電磁切換弁120を絞り120dを有する第2位置120cに切り換える。これによりパイロットライン32aとパイロットライン32bの連通が遮断され、パイロットライン78とパイロットライン79が連通するため、パイロット一次圧回路76のパイロット一次圧がパイロットライン78、パイロットライン79を介してスプール弁体62Bの受圧室62cに導かれ、スプール弁体62Bは図示の閉位置から可変絞り部62bのある位置に切り換えられる。
【0105】
また、このとき、手動パイロット弁108は操作されていないので、パイロット弁108の出力ポートはタンクポートに連通しており、パイロットライン110はパイロット弁108を介してタンク109に連通している。このためパイロットライン79から絞り82、パイロットライン81、電磁切換弁120の第2位置120cの絞り120d、パイロットライン110、パイロット弁108を介してタンク109に至る圧油の流れが生じ、パイロットライン79に導かれたパイロット一次圧は、絞り82と電磁切換弁120の第2位置120cの絞り120dとにより減圧され、パイロット一次圧とタンク圧との中間の微小圧力がパイロットライン81の絞り82の下流側に発生し、これが制御圧力としてコントロールバルブ103の受圧室103bに導かれる。その結果、コントロールバルブ103は微操作され図示の中立位置と図示右側の位置との中間位置に切り換えられ、アクチュエータライン106は油圧ポンプ101とタンク109のそれぞれに部分的に絞りを介して接続された状態となる。つまり、非常用バイパス回路60Bの連通時に油圧シリンダ102のボトム側室102aからロッド側室102bに流入する圧油の余剰流量をタンク109に還流するドレン回路が形成される。
【0106】
これにより油圧シリンダ102のボトム側室102a内の作動油がロッド側室102bに導かれるとともに、面積差分の余剰流量はアクチュエータライン106、コントロールバルブ103を介してタンク109に戻され、油圧シリンダ102のボトム側室102aの作動油を少しづつ排出し、ブームをゆっくりと下げることができる。
【0107】
したがって、本実施の形態によっても、配管破断後にブームを下げるとき、作動油が機器外部に流出することを最小に抑え、環境に悪影響を及ぼすことを防止することができ、かつそのときの操作を容易にし、安全かつ確実にブームを下げることができるなど、第2の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0108】
また、本実施の形態によれば、スイッチ86を操作するだけでスプール弁体62Bが開位置に切り換えられるとともに、コントロールバルブ103の受圧室103bに減圧されたパイロット圧が作用してコントロールバルブ103を微操作し、余剰流量をタンクに還流するドレン回路が形成されるので、簡単な操作でブームを降ろせるようになり、更に操作が容易となる。
【0109】
更に、スイッチ86を作業上安全な場所に設置することにより、配管破断制御弁100Cに直接手を加えることなく、また配管破断制御弁100Cや負荷であるブームに近づくことなく、安全に作業が行える。
【0110】
本発明の第の実施の形態を図8に基づき説明する。図中上述した第5の実施の形態に図7に示した部材と同等のものには同じ符号を付している。
【0111】
図8において、100Dは本実施の形態に係わる配管破断制御弁装置の主要部分を構成する配管破断制御弁である。この配管破断制御弁100Dは、上述した第の実施の形態に用いたリリーフ弁7に変え、パイロット信号によりそのセット圧を変更可能なポペット式のリリーフ弁200を用いている。このリリーフ弁200は、ポペット200eと、パイロット圧が付与される受圧室200aと、油圧シリンダ102のボトム側室102aの負荷圧が導かれる受圧室200bと、油圧シリンダ102のボトム側室102aと接続されるシリンダ接続室200cと、絞り34を介しタンク109と接続されるタンク側室200fと、セット圧を設定するバネ200dとを備えている。
【0112】
また、リリーフ弁200の受圧室200aとパイロットポンプ76とを接続する管路上には電磁切換弁201が設けられ、この電磁切換弁201の弁位置を切り換えることにより、リリーフ弁200のセット圧が変更される。さらに、油圧シリンダ102のボトム側室102aとロッド側室102bとを連絡する管路上には、この管路を連通・遮断する電磁切換弁62Cが設けられている。そして、これらの電磁切換弁201,62Cの弁位置を切り換えるためのスイッチ86aが設けられている。
【0113】
以上のように構成した本実施の形態では、通常動作時はスイッチ86aを開き、ソレノイド201a,62dを非励磁とする。電磁切換弁62Cは図示の閉位置62eとなり、電磁切換弁201は、図示の第1位置201bとなり、リリーフ弁200の受圧室200aにはパイロット一次圧が付与される。この状態では、油圧シリンダ102のボトム側室102aの負荷圧が比較的高圧になり、その負荷圧がリリーフ弁200の受圧室200bに導かれ、その負荷圧とパイロット一次圧によるポペット200eの押付力の和が、バネ200dの押付力を上回ったときにシリンダ接続室200cとタンク側室200fとが連通し、油圧シリンダ102のボトム側室102aの圧油をタンク109へと導く。
【0114】
ここで、バネ200dのセット圧は受圧室200aのパイロット一次圧による押付力の分減じられており、この減じられたセット圧が図1に示す小リリーフバルブ7のセット圧と同等の値になるよう設定されている。これにより第5の実施の形態と同様に通常時の動作を行わせることができる。
【0115】
また、配管破断時にブームを安全な位置まで下げるときには、スイッチ86aを閉じ、電磁切換弁201のソレノイド201a及び電磁切換弁62Cのソレノイド62dを励磁し、それぞれ弁位置を第2位置201c,62fに切り換える。これによりリリーフ弁200の受圧室200aがタンク109に接続され、受圧室200aがタンク圧にほぼ等しくなり、ポペット200eの開方向のセット圧が通常動作時の設定より高くなる。一方、油圧シリンダ102のボトム側室102aとロッド側室102bとは、電磁切換弁62Cの第2位置62fの絞り62gを介して接続される。この状態で、手動パイロット弁108をB方向に微操作すると、コントロールバルブ103が図示中立位置と右側の位置との中間位置に切り換えられ、アクチュエータライン106が、油圧ポンプ101とタンク109のそれぞれに部分的に絞りを介して接続された状態となる。したがって、上述した第5の実施の形態同様に、油圧シリンダ102のボトム側室102aからロッド側室102bに流入する圧油の余剰流量をタンク109に還流するドレン回路が形成される。
【0116】
これにより、第の実施の形態同様にブームをゆっくりと下げることができる。
【0117】
また、配管破断時にブームを安全な位置まで下げるとき、もし、リリーフ弁200のセット圧が通常動作時の設定と同じであるとすると、油圧シリンダ102に過大な外力が作用して油圧シリンダ102のボトム側室102aの負荷圧が過大となり、それがリリーフ弁200の設定圧を越えるとリリーフ弁200のポペット200eが開き、絞り34を設けたドレン通路15fに圧油が流れ込む。この結果、信号通路36の圧力が上昇し、スプール弁体6を移動してパイロット可変絞り部6aを開き、パイロット通路15a,15bにパイロット流量が流れ、これによりポペット弁体5も開弁し、油圧シリンダ102のボトム側室102aの圧油がアクチュエータライン105の破断部から外部に流出してしまう。
【0118】
本実施の形態では、スイッチ86aを閉じ、電磁切換弁201を第2位置201cに切り換えるとポペット200eの開方向のセット圧が通常動作時の設定より高くなるので、油圧シリンダ102に過大な外力が作用し油圧シリンダ102のボトム側室102aの負荷圧が過大となっても、リリーフ弁200のポペット200eは閉じた状態に保たれ、そのような場合でも油圧シリンダ102のボトム側室102aの圧油がアクチュエータライン105の破断部から外部に流出してしまうことが防止される。
【0119】
したがって、本実施の形態によれば、配管破断後にブームを下げるとき、作動油が機器外部に流出することを更に確実に抑え、環境に悪影響を及ぼすことを防止できる。また、上記の実施の形態と同様、その操作を容易にし、安全かつ確実にブームを下げることができる。
【0120】
なお、以上の実施の形態では、本発明の主要部分を構成する配管破断制御弁を、パイロット弁としてのスプール弁体6に可変絞り部6aを設け、主弁としてのポペット弁体5に、ポペット弁体5の移動量に応じて開口面積を増大させ、その開口面積に応じてシリンダ接続室8から背圧室10へ流出するパイロット流量の通過量を制御するフィードハックスリット11を設け、スプール弁体6及びポペット弁体5を手動パイロット弁108からのパイロット圧(外部信号)に応じて通過流量を制御する可変絞り弁として構成したが、パイロット弁としてのスプール弁体をパイロットラインを連通及び遮断する開閉弁として構成し、主弁としてのポペット弁体に固定絞り部を設け、ポペット弁体を開閉弁としたものであってもよい。
【0121】
また、上記実施の形態では、パイロット弁としてのスプール弁体6にパイロット可変絞り部6aとサブ可変絞り部50aを設けたが、パイロット可変絞り部6aだけを設けてもよい。この場合、サブ可変絞り部60aはサブ通路15cとともに省略してもよいし、サブ可変絞り部60をスプール弁体6と別体のスプール弁体に形成してもよい。
【0122】
更に、図8に示した第の実施の形態では、電磁切換弁62Cとの組み合わせでポペット式のリリーフ弁200及び電磁切換弁201を設けたが、図1、図4、図5に示す各基本例及び図6、図7に示す各実施の形態においても小リリーフバルブ7に代えてポペット式のリリーフ弁200と電磁切換弁201を設けてもよく、これにより図8に示した第の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【0123】
【発明の効果】
本発明によれば、油圧配管の破断時に配管破断制御弁装置により保持された状態から負荷を降ろすとき、非常用バイパス回路を操作して油圧シリンダの第1作用室の給排ポートと第2作用室の給排ポートとを連通させることにより、第1作用室から第2作用室へ作動油が流れるとともに、その作動油の余剰流量がドレン回路を介してタンクに還流し、油圧シリンダが動き負荷を降ろすことができる。また、このとき、油圧シリンダの第1作用室内の作動油の一部は第2作用室に流れ、残りはタンクに還流するので、作動油の機器外部への流出を最小限に抑え、環境へ悪影響を及ぼすことを防止することができる。
【0124】
また、手動パイロット弁の操作量を調整することにより、油圧パイロット切換弁としての弁手段の開口面積を調整でき、油圧シリンダの第1作用室から流出する流量を任意に調整できるので、任意の速度で安全に負荷を降ろすことができる。
【0125】
また、選択弁を作業上安全な場所に設置することにより、配管破断制御弁装置のハウジングに直接手を加えることなく、安全に作業を行える。
【0126】
また、本発明によれば、油圧シリンダに過大な外力が作用し負荷圧が過大となる場合でも、油圧シリンダの圧油が破断した配管から外部に流出してしまうことを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の基本例に係わる配管破断制御弁装置をこれが配置される油圧駆動装置とともに油圧回路で示す図である。
【図2】ポペット弁体の移動量(ストローク)に対するポペット弁体の開口面積及びフィードバックスリットの開口面積の関係を示す図である。
【図3】 図1に示す配管破断制御弁装置のパイロット圧に対するパイロット可変絞り部の通過流量(パイロット流量)の特性、ポペット弁体の通過流量(メインの流量)の特性、サブ可変絞り部の通過流量(サブ流量)の特性、それらを合計した通過流量の特性の関係を示す図である。
【図4】 本発明の第2の基本例に係わる配管破断制御弁装置をこれが配置される油圧駆動装置とともに油圧回路で示す図である
【図5】 本発明の第3の基本例に係わる配管破断制御弁装置をこれが配置される油圧駆動装置とともに油圧回路で示す図である。
【図6】 本発明の第の実施の形態に係わる配管破断制御弁装置をこれが配置される油圧駆動装置とともに油圧回路で示す図である。
【図7】 本発明の第の実施の形態に係わる配管破断制御弁装置をこれが配置される油圧駆動装置とともに油圧回路で示す図である。
【図8】 本発明の第の実施の形態に係わる配管破断制御弁装置をこれが配置される油圧駆動装置とともに油圧回路で示す図である。

Claims (4)

  1. 第1及び第2作用室を有する複動式の油圧シリンダに供給される圧油の流れを制御するコントロールバルブと、前記コントロールバルブを切り換え操作する手動パイロット弁とを備えた油圧駆動装置の前記油圧シリンダの前記第1作用室の給排ポートと油圧配管との間に設けられ、外部信号により前記第1作用室から前記油圧配管に流出する圧油の流量を制御する配管破断制御弁装置において、
    前記第1作用室の給排ポートに接続されるシリンダ接続室、前記油圧配管に接続される配管接続室、及び背圧室を設けたハウジングと、
    前記ハウジングに摺動自在に配置され、前記シリンダ接続室と前記配管接続室との間を遮断及び連通させる主弁としてのポペット弁体と、
    前記背圧室と配管接続室との間を接続するパイロット通路に設けられ、前記外部信号で作動し前記パイロット通路を流れるパイロット流量を遮断及び連通させるパイロット弁としてのスプール弁体と、
    前記第1作用室の給排ポートと第2作用室の給排ポートとを連通及び遮断する非常用バイパス回路と、
    前記非常用バイパス回路の連通時に前記第1作用室から前記第2作用室に流入する圧油の余剰流量をタンクに還流するドレン回路とを備え、
    前記非常用バイパス回路が前記第1作用室の給排ポートと第2作用室の給排ポートとを接続するバイパス通路と、このバイパス通路を開閉する弁手段とを有し、かつこの弁手段が油圧パイロット切換弁であり、
    前記手動パイロット弁により生成したパイロット圧を前記外部信号として前記スプール弁体に導く第1位置と、同じパイロット圧を前記油圧パイロット切換弁としての弁手段に導く第2位置とに選択的に切り換え可能な選択弁とを備えることを特徴とする配管破断制御弁装置。
  2. 第1及び第2作用室を有する複動式の油圧シリンダに供給される圧油の流れを制御するコントロールバルブと、前記コントロールバルブを切り換え操作する手動パイロット弁と、所定のパイロット一次圧を生成するパイロット一次圧回路とを備えた油圧駆動装置の前記油圧シリンダの前記第1作用室の給排ポートと油圧配管との間に設けられ、外部信号により前記第1作用室から前記油圧配管に流出する圧油の流量を制御する配管破断制御弁装置において、
    前記第1作用室の給排ポートに接続されるシリンダ接続室、前記油圧配管に接続される配管接続室、及び背圧室を設けたハウジングと、
    前記ハウジングに摺動自在に配置され、前記シリンダ接続室と前記配管接続室との間を遮断及び連通させる主弁としてのポペット弁体と、
    前記背圧室と配管接続室との間を接続するパイロット通路に設けられ、前記外部信号で作動し前記パイロット通路を流れるパイロット流量を遮断及び連通させるパイロット弁としてのスプール弁体と、
    前記第1作用室の給排ポートと第2作用室の給排ポートとを連通及び遮断する非常用バイパス回路と、
    前記非常用バイパス回路の連通時に前記第1作用室から前記第2作用室に流入する圧油の余剰流量をタンクに還流するドレン回路とを備え、
    前記非常用バイパス回路が前記第1作用室の給排ポートと第2作用室の給排ポートとを接続するバイパス通路と、このバイパス通路を開閉する弁手段とを有し、かつこの弁手段が油圧パイロット切換弁であり、
    前記手動パイロット弁により生成したパイロット圧を前記外部信号として前記スプール弁体に導き、前記パイロット一次圧回路と前記油圧パイロット切換弁としての弁手段との連通を遮断する第1位置と、前記手動パイロット弁と前記スプール弁体との連通を遮断し、前記パイロット一次圧回路の所定のパイロット一次圧を前記油圧パイロット切換弁とし ての弁手段に導く第2位置とに切り換え可能な選択弁とを備えることを特徴とする配管破断制御弁装置。
  3. 請求項2記載の配管破断制御弁装置において、
    前記油圧パイロット切換弁としての弁手段に導かれる前記パイロット一次圧回路の所定のパイロット一次圧を減圧して前記コントロールバルブの受圧室に導く手段を更に備えることを特徴とする配管破断制御弁装置。
  4. 第1及び第2作用室を有する複動式の油圧シリンダに供給される圧油の流れを制御するコントロールバルブと、前記コントロールバルブを切り換え操作する手動パイロット弁とを備えた油圧駆動装置の前記油圧シリンダの前記第1作用室の給排ポートと油圧配管との間に設けられ、外部信号により前記第1作用室から前記油圧配管に流出する圧油の流量を制御する配管破断制御弁装置において、
    前記第1作用室の給排ポートに接続されるシリンダ接続室、前記油圧配管に接続される配管接続室、及び背圧室を設けたハウジングと、
    前記ハウジングに摺動自在に配置され、前記シリンダ接続室と前記配管接続室との間を遮断及び連通させる主弁としてのポペット弁体と、
    前記背圧室と配管接続室との間を接続するパイロット通路に設けられ、前記外部信号で作動し前記パイロット通路を流れるパイロット流量を遮断及び連通させるパイロット弁としてのスプール弁体と、
    前記第1作用室の給排ポートと第2作用室の給排ポートとを連通及び遮断する非常用バイパス回路と、
    前記非常用バイパス回路の連通時に前記第1作用室から前記第2作用室に流入する圧油の余剰流量をタンクに還流するドレン回路とを備え、
    前記非常用バイパス回路が前記第1作用室の給排ポートと第2作用室の給排ポートとを接続するバイパス通路と、このバイパス通路を開閉する弁手段とを有し、
    前記シリンダ接続室とタンクとを連絡する管路上にリリーフ弁を設けかつこのリリーフ弁の下流側に圧力発生手段を設け、この圧力発生手段で発生した圧力を前記パイロット弁としてのスプール弁体の前記外部信号と同じ側に作用させるとともに、前記リリーフ弁を、開弁方向へ所定のパイロット圧が付与される第1の受圧室と、前記油圧シリンダの第1作用室の負荷圧が開弁方向に付与される第2の受圧室と、前記シリンダ接続室とタンクとを連通・遮断するポペットとから前記第1作用室の負荷圧に応じて開閉するように構成し、
    前記第1の受圧室に付与されるパイロット圧の大きさを変更する変更手段と、前記弁手段及び変更手段を操作する操作手段とを備えることをとする配管破断制御弁装置。
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