JP3930078B2 - グラフト共重合体及びアクリル系粘着剤 - Google Patents

グラフト共重合体及びアクリル系粘着剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、接着性、耐熱性、再剥離性に優れたグラフト共重合体及びそれを用いたアクリル系粘着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、粘着剤の用途の広がりに伴い、粘着剤に要求される特徴も高度化してきている。例えば、ゴム系の粘着剤に比べて凝集力が高く、耐候性、耐溶剤性等に優れた粘着剤として、アクリル系の粘着剤が開発され、粘着テープや粘着シートの粘着剤層等の多くの用途に用いられている。
【0003】
一般に使用されている粘着テープや粘着シートには、粘着剤としてアクリル系のランダム共重合体を配合した粘着剤組成物が用いられている。例えば、Handbook of Pressure Sensitive AdhesiveTechnology、D.Satas.1989年、Van Nostrand Reinhold(New York)発行、396〜399頁、「粘着ハンドブック」、昭和60年、日本粘着テープ工業会編発行、78〜85頁にはこれらの配合例が記されている。
【0004】
これらのアクリル系粘着剤組成物は、それ自身にタック感があり、粘着付与樹脂を添加しなくても粘着剤となり、ガラス、ステンレス等の高極性被着体に対しては良好な接着性を示すが、ポリエチレン、ポリプロピレン等の低極性被着体に対しては充分な接着性を得ることは困難であった。
【0005】
特に、金属板等の高極性被着体への接着性向上のためにアクリル系共重合体におけるカルボキシル基含有モノマーの共重合量を増やすと、ポリエチレンやポリプロピレンに対する接着力は、許容できない程低下してしまう。このため、低極性被着体に対する接着性を向上させる方法として、他の粘着剤と同様に粘着付与樹脂を添加する方法、ポリマーの架橋密度を低くする方法等が試みられてきた。
【0006】
アクリル系共重合体に粘着付与樹脂を添加する方法は、常温での低極性被着体に対する接着強度は向上するが、特に低温でのタックが著しく低下するという欠点を有していた。
特開平3−281587号公報には、特定の水酸基を有する樹脂酸エステル化物を粘着付与樹脂として使用したアクリル系粘着剤組成物が開示されている。このものは、低温における接着性は改善されるが、凝集力という点では必ずしも満足できるものではなかった。更に、粘着付与樹脂を添加させる方法は、高極性被着体に対する接着性も同時に向上するため、再剥離性が損なわれるという問題があった。
【0007】
また、ポリマーの架橋密度を低くする方法は、粘着剤の凝集力が低下するため、再剥離時に糊残りが生じたり、高温下で粘着剤の発泡が生じ易い等の問題があった。
【0008】
ところで、アクリル系粘着剤は、高温にさらされると凝集力が低下して流動性を示すようになり、糊残りが発生するため、耐熱性に優れたアクリル系粘着剤が求められている。
耐熱性を向上させる方法として、粘着剤組成物を構成する重合体の重合度を高める方法、アクリル系粘着剤組成物のガラス転移温度(Tg)を高く設定する方法等が提案されている。
【0009】
重合度を高める方法では、現在の重合技術や塗工技術、更には、コスト等から由来する制限により、重量平均分子量150万前後のものの使用が限度であり、充分な凝集力を確保することはできない。充分な凝集力を得るためには、重合体の重合度を高めると共に、架橋を施す必要がある。しかし、重合体に架橋を施すと、粘着剤組成物の凝集力は高まるが、逆に粘着力は低下してしまうので、そのバランスを図ることが困難となってくる。
【0010】
アクリル系粘着剤組成物のTgを高く設定する方法では、粘着不良や低温接着性の低下をもたらす。特開昭59−75975号公報には、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とする主鎖に、高いTgを有する重合性ポリマーをグラフトさせる技術が開示されており、また、特開平2−103277号公報には、A−B−A型のアクリル系ブロック共重合体の構造、組成、分子量を規定して、粘着性能のバランスと共に凝集力を高める技術が開示されている。しかしながら、いずれの方法でも、粘着性能バランス、高温時の凝集力という面では、必ずしも満足できるものではなかった。
【0011】
ところで、溶剤を用いる接着剤の環境汚染問題が厳しく取り上げられるようになり、省エネルギー、省資源という観点からも溶剤を使用しないホットメルト型接着剤がクローズアップされ大きく伸びつつある。現在、ホットメルト型接着剤としては、熱溶融性、流動性、他の樹脂との相溶性に優れることからエチレン−酢酸ビニル共重合体を主材とするものが主流をなしている。しかしながら、このように優れた面をもつホットメルト型接着剤も、初期粘着力(タック)が低いこと、低温時における接着性能が劣ること、及び、ポリエチレンやポリプロピレン等のオレフィン系共重合体への接着力が低いこと等の欠点がある。
【0012】
そこで、オレフィン系共重合体等の低極性被着体への接着性を高める試みとして、特開昭54−91540号公報には、共役ジオレフィン重合体とモノビニル置換芳香族化合物とからなるブロック共重合体を含む接着剤組成物が、特開昭54−127441号公報には、エチレン−酢酸ビニル共重合体と特定の液状ゴムとからなるホットメルト型接着剤組成物が、それぞれ開示されている。しかしながら、いずれの接着剤組成物も、その組成分子中に共役二重結合を有するものであり、光や熱に対する耐劣化性という面においては満足のゆくものではなかった。
【0013】
アクリル系ホットメルト型接着剤組成物は、特開昭59−75975号公報等に開示されているが、(メタ)アクリル酸アルキルエステルと重合性ポリマー(マクロマー)からなるアクリル系ホットメルト型接着剤組成物は、熱溶融性(ホットメルト性)と凝集力とをバランスよく付与するのが困難である。即ち、該組成物をホットメルト型接着剤として使用した場合、60℃以上の高温になると接着剤が流動して塗布部からはみ出すという欠点があり、流動性を抑制するために凝集力を高めると、溶融粘度が高くなりすぎて塗布が困難になるという欠点がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記に鑑み、耐熱性、再剥離性に優れ、被着体の極性を問わず良好な接着性を示すグラフト共重合体、及び、ホットメルト型での使用にも適したアクリル系粘着剤を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ラジカル重合性の不飽和二重結合とパーオキサイド結合とを有する化合物(I)、重合性モノマー成分(A)、及び、光開始剤(II)からなる重合性組成物に、上記化合物(I)が熱分解を起こさない温度領域において光を照射することにより、上記化合物(I)と上記重合性モノマー成分(A)とをラジカル重合させる第1工程と、続いて、上記第1工程により得られる反応生成物に、上記重合性モノマー成分(A)とは異なる重合性モノマー成分(B)を添加した後、上記化合物(I)が熱分解を起こす温度領域においてラジカル重合させる第2工程とを経ることにより、上記化合物(I)の上記不飽和二重結合から幹ポリマーが重合形成され、上記パーオキサイド結合部分から枝ポリマーが重合形成されてなるグラフト共重合体であって、上記重合性モノマー成分(A)は、0℃以下のガラス転移温度を有するアクリル系ポリマーを形成することができるアルキル基の炭素数が1〜14である(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするものであり、上記重合性モノマー成分(B)は、20℃以上のガラス転移温度を有するビニル系ポリマーを形成することができる重合性モノマーを主成分とするグラフト共重合体である。
以下に本発明を詳述する。
【0016】
本発明のグラフト共重合体は、上記第1工程と上記第2工程とにより得られる。
本発明のグラフト共重合体は、上記化合物(I)の上記不飽和二重結合から幹ポリマーを重合形成し、上記パーオキサイド結合部分から枝ポリマーを重合形成してなるグラフト共重合体である。
【0017】
上記第1工程は、ラジカル重合性の不飽和二重結合とパーオキサイド結合とを有する化合物(I)、重合性モノマー成分(A)、及び、光開始剤(II)からなる重合性組成物に、上記化合物(I)が熱分解を起こさない温度領域において光を照射することにより、上記化合物(I)と上記重合性モノマー成分(A)とをラジカル重合させる。
【0018】
上記ラジカル重合性の不飽和二重結合とパーオキサイド結合とを有する化合物(I)の構造としては、他の重合性モノマーと共重合可能な二重結合と、加熱により分解し、ラジカルを発生し得るパーオキサイド結合とを有していること以外は特に制限されるものではない。本発明でいうところの他の重合性モノマーと共重合可能な二重結合とは、ラジカル重合性を有する不飽和二重結合を意味するものであり、例えば、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基等が挙げられる。
【0019】
上記パーオキサイド結合は、重合開始剤として熱により分解してラジカルが容易に発生するものであって、適性使用温度範囲100℃以上の高温開始剤、適性使用温度範囲40〜100℃の中温開始剤、適性使用温度範囲−10〜40℃の低温開始剤、及び、適性使用温度範囲−10℃未満の極低温開始剤に分類できるが(「改訂 高分子合成の化学」、大津隆行著)、本発明では、効率良くグラフト重合体を製造する点から、適性使用温度範囲が40℃以上である中・高温開始剤に分類されるものを用いるのが好ましい。このようなものとしては、例えば、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート(ペロマーAC、日本油脂社製)等が市販されているが、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基等と活性水素を含む官能基を有する化合物と、活性水素を含む官能基と反応可能な官能基を有する過酸化物とを反応させることによっても、一分子中にラジカル重合性の不飽和二重結合とパーオキサイド結合を有する化合物を得ることができる。また、ビニル基、(メタ)アクリロイル基、アリル基等と活性水素を含む官能基を有する化合物と、活性水素含有官能基を有する過酸化物を活性水素含有官能基と反応可能な官能基を有する架橋剤で連結させることによっても、目的とする化合物を得ることができる。
上記ラジカル重合は、通常のラジカル重合法である塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合等が用いられる。
【0020】
上記第1工程において化合物(I)が熱分解を起こさない温度領域とは、有機過酸化物の分解速度を表す指標として―般に用いられる10時間半減期温度を中心として考慮することができる。本発明においては、用いる化合物の10時間半減期温度よりも20℃低い温度領域が好ましく、より好ましくは30℃低い温度領域である。設定温度が高すぎると、第1工程で、化合物(I)の分解が起こり、ゲル化が発生し易くなり、グラフト共重合体を効率良く得られない。また、設定温度が低すぎると、熱分解反応が起こりにくくなり、第2工程での熱ラジカル重合が進行しにくくなる。
【0021】
上記光開始剤(II)は、熱分解によるラジカル発生が起きないものであれば特に限定されず、例えば、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン(ダロキュア2959、メルク社製)、α−ヒドロキシ−α,α′−ジメチルアセトフェノン(ダロキュア1173、メルク社製)、メトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン等のアセトフェノン系開始剤;ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイルエーテル系開始剤;ベンジルジメチルケタール等のケタール系開始剤;ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド(BDTPO、チバガイギー社製)、ハロゲン化ケトン、アシルホスフェノキシド、アシルホスフェナート等を挙げることができる。
【0022】
上記重合性モノマー成分(A)は、0℃以下のガラス転移温度を有するアクリル系ポリマーを形成することができるアルキル基の炭素数が1〜14である(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするものである。
上記アクリル系ポリマーのガラス転移温度が0℃を超えると、初期粘着力、特に低温での初期粘着力が著しく低下してしまうので、上記範囲に限定される。好ましくは−100℃〜0℃である。−100℃未満であると、剥離力、保持力、タック等の粘着性能をバランスよく発揮させることが困難である。
【0023】
上記アルキル基の炭素数が1〜14である(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸メチルエステル、アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸n−プロピルエステル、(メタ)アクリル酸イソプロピルエステル、(メタ)アクリル酸n−ブチルエステル、(メタ)アクリル酸sec−ブチルエステル、(メタ)アクリル酸t−ブチルエステル、メタクリル酸シクロヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸n−オクチルエステル、アクリル酸イソオクチルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、アクリル酸イソノニルエステル、(メタ)アクリル酸ラウリルエステル等が挙げられる。これらは単独でも、2種類以上のものを併用しても構わない。
【0024】
上記重合性モノマー成分(A)には、水酸基を有するビニルモノマーを含有することが好ましい。
上記水酸基を有するビニルモノマーとしては、特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル、アクリル酸ヒドロキシプロピルエステル、アクリル酸4−ヒドロキシブチルエステル、カプロラクトン変成(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンオキシド変成(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0025】
上記水酸基を有するビニルモノマーの添加量は、上記重合性モノマー成分(A)中0.1〜5.0重量%であり、好ましくは0.1〜1.0重量%である。5.0重量%を超えると、架橋度が高くなりすぎ、充分な接着性能が得られず、また、0.1重量%未満であると、接着剤の凝集力が不足し、充分な耐熱性能が発揮できなくなるため上記範囲に限定される。
【0026】
また、上記重合性モノマー成分(A)は、得られるグラフト共重合体のガラス転移温度、粘着剤の接着力調整のために、炭素数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルから選ばれる1種類以上のモノマー(a)99.9〜40.0重量%、(a)と共重合可能なビニルモノマー0.0〜55.0重量%及び水酸基を有するビニルモノマー0.1〜5.0重量%であることが好ましい。
重合性モノマー成分(A)中での共重合可能なビニルモノマーの比率が55.0重量%を超えると、粘着剤組成物が固くなりすぎ良好な接着性を発現できなくなってしまう。このようなビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、酢酸ビニルの如きアルキルカルボン酸のビニルアルコールエステル、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸の如きビニルカルボン酸、無水カルボン酸の如き無水ビニルカルボン酸、メタクリル酸メチルエステルの如きメタクリル酸アルキルエステル類、(メタ)アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルホリンの如き含窒素モノマー等が挙げられる。
【0027】
上記第1工程における光照射に用いられるランプ類としては、特に限定されず、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ケミカルランプ、ブラックライトランプ、マイクロウエーブ励起水銀灯、メラルハライド等が挙げられる。
【0028】
本発明における第2工程は、上記第1工程により得られる反応生成物に、上記重合性モノマー成分(A)とは異なる重合性モノマー成分(B)を添加した後、上記化合物(I)が熱分解を起こす温度領域においてラジカル重合させる。
【0029】
上記化合物(I)が熱分解を起こす温度領域も10時間半減期温度を中心として考慮することができる。本発明においては、(10時間半減期温度−30)℃以上、より好ましくは(10時間半減期温度−20)℃以上の温度領域に設定することを必要とする。設定温度が低すぎると、第2工程での熱開始によるラジカル重合を効率良く行えず、得られる共重合体のグラフト化率が低下してしまう。
【0030】
上記重合性モノマー成分(B)は、20℃以上のガラス転移温度を有するビニル系ポリマーを形成することができる重合性モノマーを主成分とするものである。
上記ビニル系ポリマーのガラス転移温度が20℃未満であると、充分な耐熱性が得られなくなるので上記範囲に限定される。好ましくは20〜200℃である。200℃を超えると、粘着剤が固くなりすぎ粘着性が損なわれる。
【0031】
上記重合性モノマー成分(B)としては、特に限定されず、例えば、スチレン、メタクリル酸メチルエステル、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、p−メチルスチレン、メタクリル酸エチルエステル、アクリロニトリル、酢酸ビニル等が挙げられる。好ましくは、メタクリル酸メチルエステル、スチレンである。
【0032】
また、上記重合性モノマー成分(B)には、水酸基を有するビニルモノマーを含有することが好ましい。
上記水酸基を有するビニルモノマーとしては、上記重合性モノマー成分(A)と同じものが用いられる。
【0033】
上記水酸基を有するビニルモノマーの添加量は、上記重合性モノマー成分(B)中0.1〜10.0重量%が好ましい。0.1重量%未満であると、接着剤の凝集力が不足し、充分な耐熱性能が発揮できなくなり、また、10.0重量%を超えると、架橋度が高くなりすぎ、充分な接着性能が得られなくなる。好ましくは0.5〜5.0重量%である。
【0034】
本発明のグラフト共重合体の重量平均分子量は、1万〜400万であることが好ましく、さらに好ましくは、20万〜200万である。重量平均分子量が1万未満であると、重合体としての特性を発輝できない恐れがあり、400万を超えると、製造時の粘度が高くなり、生産性の点で好ましくない。
【0035】
本発明のグラフト共重合体には、水酸基と反応可能である官能基を2個以上有する化合物が添加されることが好ましい。上記水酸基と反応可能である官能基を2個以上有する化合物としては、特に限定されず、例えば、メラミン、ベンゾグアナミン、尿素等のアミノ化合物にホルムアルデヒドやアルコールを付加縮合させたアミノ樹脂;トリレンジイソシアネート(TDI)、トリジンジイソシアネート(TODI)、キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)等の芳香族ジイソシアネート化合物;ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IDI)等の脂肪族ジイソシアネート化合物;トリメチロールプロパンのトリレンジイソシアネート3量体付加物、トリフェニルメタントリイソシアネート等のトリイソシアネート化合物のようなポリイソシアネート化合物;テトラヒドロフランのテトラカルボン酸無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物等の2官能の酸無水物;Ti、Zn、Alのアルコキシド及び有機酸金属塩等が挙げられる。
【0036】
本発明のグラフト共重合体に、必要に応じて従来既知の各種添加剤、例えば、粘着付与樹脂、可塑剤、軟化剤、充填剤、安定剤、酸化防止剤、顔料、染科等を添加してアクリル系粘着剤とすることができる。
【0037】
本発明2は、ラジカル重合性の不飽和二重結合とパーオキサイド結合とを有する化合物(I2)、重合性モノマー成分(A2)、及び、光開始剤(II2)からなる重合性組成物に、上記化合物(I2)が熱分解を起こさない温度領域において光を照射することにより、上記化合物(I2)と上記重合性モノマー成分(A2)とをラジカル重合させる第1工程と、続いて、上記第1工程により得られる反応生成物に、上記重合性モノマー成分(A2)とは異なる重合性モノマー成分(B2)を添加した後、上記化合物(I2)が熱分解を起こす温度領域においてラジカル重合させる第2工程を経ることにより、上記化合物(I2)の上記不飽和二重結合から幹ポリマーが重合形成され、上記パーオキサイド結合部分から枝ポリマーが重合形成されてなるグラフト共重合体であって、上記重合性モノマー成分(A2)は、平均SP値7.5〜9.5(cal/cm3 1/2 を有するアクリル系ポリマーを形成することができる重合性モノマー成分であり、上記重合性モノマー成分(B2)は、平均SP値8.5〜12.5(cal/cm3 1/2 を有するアクリル系ポリマーを形成することができる重合性モノマー成分であるグラフト共重合体である。
【0038】
上記重合性モノマー成分(A2)は、平均SP値が7.5〜9.5(cal/cm3 1/2 であるアクリル系ポリマーを形成し得る重合性モノマー成分である。上記重合性モノマー成分(A2)としては、アルキル基の炭素数が1〜25である(メタ)アクリル酸アルキルエステルを少なくとも1種以上含んでなるもの等が挙げられる。
【0039】
上記SP値は、Solvency Testing法(「Polymer Handbook」第3版、brandrup、Immergut編、1989年、Interscience(New York、London、Sydney)発行、p.VII/522)により測定されるものである。
【0040】
上記アクリル系ポリマーの平均SP値が7.5(cal/cm3 1/2 未満であると、粘着剤として充分な接着力を示さず、9.5(cal/cm3 1/2 を超えると、低極性面に対する接着性が低下するので上記範囲に限定される。
【0041】
上記アルキル基の炭素数が1〜25である(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、特に限定されず、例えば、アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸n−プロピルエステル、(メタ)アクリル酸イソプロピルエステル、(メタ)アクリル酸n−ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、アクリル酸イソオクチルエステル、アクリル酸イソノニルエステル、アクリル酸n−ノニルエステル、(メタ)アクリル酸ラウリルエステル、(メタ)アクリル酸ステアリルエステル、(メタ)アクリル酸ミリスチルエステル、(メタ)アクリル酸ベヘニルエステル等が挙げられる。
【0042】
上記重合性モノマー成分(B2)は、平均SP植が8.5〜12.5(cal/cm3 1/2 であるアクリル系ポリマーを形成し得る重合性モノマー成分である。
上記重合性モノマー成分(B2)としては、アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステル少なくとも1種以上と極性基を有するビニル系モノマーとからなることが好ましい。
【0043】
上記アクリル系ポリマーの平均SP値が、8.5(cal/cm3 1/2 未満であると、高極性面に対する接着性が充分に得られず、12.5(cal/cm3 1/2 を超えると、低極性面に対する接着性を損なう。
【0044】
上記アルキル基の炭素数が1〜12の(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、特に限定されず、例えば、アクリル酸エチルエステル、(メタ)アクリル酸n−プロピルエステル、(メタ)アクリル酸イソプロピルエステル、(メタ)アクリル酸n−ブチルエステル、(メタ)アクリル酸ペンチルエステル、(メタ)アクリル酸ヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸n−オクチルエステル、アクリル酸イソオクチルエステル、アクリル酸イソノニルエステル、(メタ)アクリル酸ラウリルエステル等が挙げられる。
【0045】
上記極性基を有するビニル系モノマーとしては、特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、(無水)マレイン酸、(無水)フマル酸、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールエステル、(メタ)アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン等が挙げられる。
【0046】
上記極性基を有するビニル系モノマーの含有量は、上記アクリル系ポリマーの0.5〜60重量%が好ましく、より好ましくは1〜10重量%である。含有量が60重量%を超えると、極性が高くなり、従来のラジカル共重合体接着剤と同様に低極性被着体に対する接着性が良好でなくなり、0.5重量%未満であると、極性部分の効果があらわれずに充分な接着性が得られないからである。
【0047】
上記重合性モノマー成分(A2)を重合させて得られるアクリル系ポリマー及び上記重合性モノマー成分(B2)を重合させて得られるアクリル系ポリマーのガラス転移温度は、いずれも−100〜20℃であることが好ましい。ガラス転移温度が−100℃未満であると、剥離力、保持力、タック等の粘着物性がバランスよく発揮されず、20℃を超えると、特に低極性被着体に対する接着性が低下する。
【0048】
本発明3は、ラジカル重合性の不飽和二重結合とパーオキサイド結合とを有する化合物(I3)、重合性モノマー成分(A3)、及び、光開始剤(II3)からなる重合性組成物に、上記化合物(I3)が熱分解を起こさない温度領域において光を照射することにより、上記化合物(I3)と上記重合性モノマー成分(A3)とをラジカル重合させる第1工程と、続いて、上記第1工程により得られる反応生成物に、上記重合性モノマー成分(A3)とは異なる重合性モノマー成分(B3)を添加した後、上記化合物(I3)が熱分解を起こす温度領域においてラジカル重合させる第2工程とを経ることにより、上記化合物(I3)の上記不飽和二重結合から幹ポリマーが重合形成され、上記パーオキサイド結合部分から枝ポリマーが重合形成されてなるグラフト共重合体であって、上記重合性モノマー成分(A3)及び上記重合性モノマー成分(B3)は、アクリル系ポリマーを形成することができるアルキル基の炭素数が1〜14である(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするものであり、上記重合性モノマー成分(A3)中における重合性不飽和カルボン酸の存在比率(A3c)と上記重合性モノマー成分(B3)中における重合性不飽和カルボン酸の存在比率(B3c)とは、(B3c)重量%>(A3c)重量%≧0重量%の関係にあるグラフト共重合体である。
【0049】
上記重合性モノマー成分(A3)及び上記重合性モノマー成分(B3)は、アクリル系ポリマーを形成することができるアルキル基の炭素数が1〜14である(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするものである。
【0050】
上記重合性モノマー成分(A3)及び上記重合性モノマー成分(B3)を重合させて得られるアクリル系ポリマーのガラス転移温度は、いずれも−100〜20℃であることが好ましい。ガラス転移温度が−100℃未満であると、剥離力、保持力、タック等の粘着物性がバランスよく発揮されず、20℃を超えると、特に低極性被着体に対する接着性が低下する。
【0051】
上記重合性モノマー成分(A3)には、得られるグラフト共重合体のガラス転移温度、粘着剤の接着力調整のために、他のビニルモノマーを共重合させても構わない。ビニルモノマーの共重合比率は、重合性モノマー成分(A)中での比率が55.0重量%を超えない範囲である。55.0重量%を超えると、粘着剤組成物が固くなりすぎ、良好な接着性を発現できなくなってしまう。このようなビニルモノマーとしては、例えば、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリロニトリル、N−ビニルピロリドン、アクリロイルモルホリン等が挙げられる。
【0052】
本発明に用いられる重合性不飽和カルボン酸の重合性モノマー成分(A3)及び重合性モノマー成分(B3)における存在比率は、以下の範囲に限定される。
(B3c)重量%>(A3c)重量%≧0重量%
充分な粘着性能を得るため、重合性モノマー成分(B3)には重合性不飽和カルボン酸が含まれることが必須である。
また、被着体に応じた選択性を発現させるために、上記重合性モノマー成分(A3)中における重合性不飽和カルボン酸比率(A3c)は、上記重合性モノマー成分(B3)中における重合性不飽和カルボン酸比率(B3c)未満でなくてはならない。
【0053】
上記重合性不飽和カルボン酸の存在比率(B3c)は、0.5〜60重量%が好ましい。上記重合性不飽和カルボン酸の比率(B3c)が60.0重量%を超えると、粘着剤組成物の極性が高くなり、従来のランダム共重合体からなる粘着剤組成物の場合と同様に低極性被着体に対する接着性が良好でなくなり、0.5重量%未満であると、極性部分の効果が現れず、充分な粘着性能が得られなくなるため好ましくない。より好ましくは、1.0〜10.0重量%である。
【0054】
本発明2のグラフト共重合体、及び、本発明3のグラフト共重合体に、必要に応じて従来既知の各種添加剤、例えば、粘着付与樹脂、可塑剤、軟化剤、充填剤、安定剤、酸化防止剤、顔料、染科等を添加してアクリル系粘着剤とすることができる。
【0055】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。
【0056】
実施例1
(第1工程:ポリアクリル酸ブチルエステルの合成)
攪拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた2Lセパラブルフラスコに、アクリル酸ブチルエステル(BA)600g、1分子中にラジカル重合性の不飽和二重結合とパーオキサイド結合を有する化合物:t−ブチルパーオキシアリルカーボネート(ペロマーAC、日本油脂社製)2.70g、連鎖移動剤としてのドデシルメルカプタン(DDM)0.36g、光開始剤としてのベンジルメチルケタール(イルガキュアー651、チバガイギー社製)0.30g及び重合溶剤としての酢酸エチル490.91gを配合した。
モノマー混合溶液を窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した。引き続き、窒素ガスでモノマー混合溶液をバブリング、100rpmの回転数で攪拌しながら、ケミカルランプを用いて波長365nmの光を2mWの強度で照射することにより重合を開始させた。昇温が確認された時点を重合開始点として、4時間の重合反応を行った。重合終了時の転化率は97.9%であった。
【0057】
(第2工程:グラフト共重合体の合成)
攪拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス投入口を備えた2Lセパラブルフラスコに、第1工程で得られたポリBA/酢酸エチル溶液を409g計り取った後、BAとメタクリル酸メチルエステル(MMA)の配合比が、固形分比で80/20となるようにMMAモノマーを55.05g添加した。
また、重合溶剤としての酢酸エチルを、全体の固形分が55重量%となるように、36.42g添加した。
添加したモノマー混合溶液を窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換、60rpmで攪拌しながら、ウォーターバスを用いてモノマー混合溶液を昇温させた。
冷却管に還流液が確認された時点を重合の開始点として、4時間の沸点重合反応を行うことによって、目的とするグラフト重合体を得た。
得られたグラフト重合体の重量平均分子量(Mw)は38.2万、多分散度(Mw/Mn)は3.80であつた。
【0058】
比較例1
攪拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた2Lセパラブルフラスコに、BA480g、MMAマクロモノマー(AA−6、東亜合成化学工業社製、Mw=6000)120g及び重合溶剤としての酢酸エチル490.91gを配合した。
モノマー混合溶液を窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換、100rpmの攪拌回転数で攪拌しながら、ウォーターバスを用いてモノマー混合溶液を昇温させた。
冷却管に還流液が確認された時点で、重合開始剤としての1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(パーヘキサTMH、日本油脂社製)0.12gを約1gの酢酸エチルに溶解、投入することによって沸点重合を開始させた。1時間後に再びパーヘキサTMH0.18gを約1gの酢酸エチルに溶解、投入した。
しかしながら、反応開始3時間目に、セパラブルフラスコ系内でゲル化が発生したため重合反応を終了した。
【0059】
比較例2
攪拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた2Lセパラブルフラスコに、BA480g、MMA120g及び重合溶剤としての酢酸エチル490.91gを配合した。
モノマー混合溶液を窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換、100rpmの攪拌回転数で攪拌しながら、ウォーターバスを用いてモノマー混合溶液を昇温させた。
冷却管に還流液が確認された時点で、重合開始剤としての1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(パーヘキサTMH、日本油脂社製)0.12gを約1gの酢酸エチルに溶解、投入することによって沸点重合を開始させた。1時間後に再びパーヘキサTMH0.18gを約1gの酢酸エチルに溶解、投入した。また重合開始2、3及び4時間後にジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド(パーロイル355、日本油脂社製)0.24g、0.60g及び1.80gを約1gの酢酸エチルに溶解、投入した。7時間の沸点重合を行うことによって目的とするランダム重合体を得た。
得られたランダム重合体の重量平均分子量(Mw)は36.9万、多分散度(Mw/Mn)は2.79であった。
【0060】
動的粘弾性スペクトルの測定
実施例1及び比較例2で得られたグラフト重合体及びランダム重合体の動的粘弾性スペクトルをDVA−320(アイティー計測制御社製)を用いて測定した。表1に主な測定条件を示した。動的粘弾性スペクトルの測定結果を図1に示した。
【0061】
【表1】
Figure 0003930078
【0062】
図1の結果から、本発明のグラフト共重合体は、通常のランダム重合体と比較して、低温領域では低弾性を、高温領域では高弾性を示す粘弾性特性を備えていることがわかった。
【0063】
実施例2
(第1工程:水酸基を有する幹ポリマーの合成)
撹拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた2Lセパラブルフラスコに、アクリル酸ブチルエステル(BA)398.2g、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル(2EHA)200g、アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル(2HEA)1.8g、1分子中にラジカル重合性の不飽和二重結合とパーオキサイド結合を有する化合物:t−ブチルパーオキシアリルカーボネート(ペロマーAC、日本油脂社製)2.70g、連鎖移動剤としてのドデシルメルカプタン(DDM)0.36g、光開始剤としてのベンジルメチルケタール(イルガキュアー651、チバガイギー社製)0.30g及び重合溶剤としての酢酸エチル490.91gを配合した。
モノマー混合溶液を窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した。引き続き、窒素ガスでモノマー混合溶液をバブリング、100rpmの回転数で撹拌しながら、ケミカルランプを用いて波長365nmの光を2mWの強度で照射することにより重合を開始させた。昇温が確認された時点を重合開始点として、4時間の重合反応を行った。重合終了時の転化率は98.5%であった。
【0064】
(第2工程:枝ポリマーの合成)
攪拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス投入口を備えた2Lセパラブルフラスコに、第1工程で得られたポリBA/酢酸エチル溶液を409g計り取った後、MMA55.05gを添加した。
また、重合溶剤としての酢酸エチルを、全体の固形分が55重量%となるように、36.42g添加した。
添加したモノマー混合溶液を窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換、60rpmで撹拌しながら、ウォーターバスを用いてモノマー混合溶液を昇温させた。
冷却管に還流液が確認された時点を重合の開始点として、4時間の沸点重合反応を行うことによって、目的とするグラフト重合体を得た。
得られたグラフト重合体の重量平均分子量(Mw)は43.5万、多分散度(Mw/Mn)は4.01であった。
【0065】
比較例3
攪拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた2Lセパラブルフラスコに、BA398.56g、2EHA200g、MMA120g、2HEA1.44g及び重合溶剤としての酢酸エチル490.91gを配合した。
モノマー混合溶液を窒素ガスを用いて20分問バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換、100rpmの撹拌回転数で撹拌しながら、ウォーターバスを用いてモノマー混合溶液を昇温させた。
冷却管に還流液が確認された時点で、重合開始剤としての1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(パーヘキサTMH、日本油脂社製)0.12gを約1gの酢酸エチルに溶解、投入することによって沸点重合を開始させた。1時間後に再びパーヘキサTMH0.18gを約1gの酢酸エチルに溶解、投入した。また、重合開始2、3及び4時間後にジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド(パーロイル355、日本油脂社製)0.24g、0.60g及び1.80gを約1gの酢酸エチルに溶解、投入した。7時間の沸点重合を行うことによって、実施例2と同組成のランダム重合体を得た。
得られたランダム重合体の重量平均分子量(Mw)は42.8万、多分散度(Mw/Mn)は2.91であつた。
【0066】
比較例4
(第1工程:水酸基を有する幹ポリマーの合成)
BA、2EHA、2HEAの添加量をそれぞれ399.7g、200g、0.3gとしたこと以外は実施例2と同様にしてグラフト重合体を得た。
比較例5
(第1工程:水酸基を有する幹ポリマーの合成)
BA、2EHA、2HEAの添加量をそれぞれ340g、200g、60gとしたこと以外は実施例2と同様にしてグラフト重合体を得た。
【0067】
(粘着テープの作成)
実施例2及び比較例3〜5で得られた粘着剤組成物溶液に、架橋剤としてのトリレンジイソシアネートのトリメチロールプロパン付加物の酢酸エチル溶液(コロネートL55E、固形分55重量%、日本ポリウレタン工業社製)2.0重量部をアクリル系共重合体100重量部に対して添加して均一に混合した後、厚さ38ミクロンのポリエステルフィルム(#3811、リンテック社製)の一面に乾燥後の厚みが25ミクロンになるように塗工し、しかる後に110℃の温度で5分間乾燥することにより粘着テープを得た。得られた粘着テープの評価をSP粘着力、40℃保持力及び経時粘着力を測定することにより行い、結果を表2に示した。
【0068】
評価方法
SP粘着力
JIS Z 0237に準拠して、得られた粘着テープを、SUS304板に幅25mmで貼り合わせ、23℃で20分間放置した後、180°方向、引張速度300mm/分の条件で剥離強度を測定した。
保持力
JIS Z 0237に準拠して、SUS304板に25mm×25mmに裁断した粘着テープを貼り合わせ、23℃で20分間放置した後、40℃の恒温槽中に垂直に懸垂し、粘着テープの下端に1kgの荷重をかけて放置し、1時間後のテープのズレ(mm)或いは落下時間を測定した。
【0069】
経時粘着力の測定
JIS Z 0237に準拠して、得られた粘着テープを、SUS304板に幅25mmで貼り合わせ、40℃で2週間放置した後、23℃雰囲気下で、180°方向、引張速度300mm/分の条件で剥離強度を測定した。
【0070】
【表2】
Figure 0003930078
【0071】
実施例3
(第1工程:幹ポリマーの合成)
実施例1の第1工程と同様にしてポリBA/酢酸エチル溶液を得た。
(第2工程:水酸基を有する枝ポリマーの合成)
攪拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス投入口を備えた2Lセパラブルフラスコに、第1工程で得られたポリBA/酢酸エチル溶液を409g計り取った後、MMA53.95g、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル(2HEMA)1.10g添加した。
また、重合溶剤としての酢酸エチルを、全体の固形分が55重量%となるように、36.42g添加した。
添加したモノマー混合溶液を窒素ガスを用いて20分問バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換、60rpmで攪拌しながら、ウォーターバスを用いてモノマー混合溶液を昇温させた。
冷却管に還流液が確認された時点を重合の開始点として、4時間の沸点重合反応を行うことによって、目的とするグラフト重合体を得た。
得られたグラフト重合体の重量平均分子量(Mw)は41.2万、多分散度(Mw/Mn)は3.98であった。
【0072】
比較例6
攪拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた2Lセパラブルフラスコに、BA480g、MMA117.6g、2HEMA2.4g及び重合溶剤としての酢酸エチル490.91gを配合した。
モノマー混合溶液を窒素ガスを用いて20分問バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換、100rpmの攪拌回転数で攪拌しながら、ウォーターバスを用いてモノマー混合溶液を昇温させた。
冷却管に還流液が確認された時点で、重合開始剤としての1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(パーヘキサTMH、日本油脂社製)0.12gを約1gの酢酸エチルに溶解、投入することによって沸点重合を開始させた。1時間後に再びパーヘキサTMH0.18gを約1gの酢酸エチルに溶解、投入した。また、重合開始2、3及び4時間後にジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド(パーロイル355、日本油脂社製)0.24g、0.60g及び1.80gを約1gの酢酸エチルに溶解、投入した。7時間の沸点重合を行うことによって、実施例3と同組成のランダム重合体を得た。
得られたランダム重合体の重量平均分子量(Mw)は42.0万、多分散度(Mw/Mn)は2.88であった。
【0073】
比較例7
(第2工程:水酸基を有する枝ポリマーの合成)
MMA、2HEMAの添加量をそれぞれ55.02g、0.03gとしたこと以外は実施例3と同様にしてグラフト重合体を得た。
【0074】
比較例8
(第2工程:水酸基を有する枝ポリマーの合成)
MMA、2HEMAの添加量をそれぞれ44.04g、11.01gとしたこと以外は実施例3と同様にしてグラフト重合体を得た。
【0075】
(粘着テープの作成)
実施例3及び比較例6〜8で得られた粘着剤組成物溶液を、実施例2と同様にして粘着テープを得た。得られた粘着テープの評価をSP粘着力、120℃保持力及びボールタックの測定を行い、結果を表3に示した。
タック
JIS Z 0237に準拠して、ボールタックを測定した。
【0076】
【表3】
Figure 0003930078
【0077】
実施例4
(第1工程:幹ポリマーの合成)
撹拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた2Lセパラブルフラスコに、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル(2EHA)294g、アクリル酸ブチルエステル(BA)184.8g、アクリル酸2−ヒドロキシエチルエステル(2HEA)1.2g及びアクリル酸ステアリルエステル(SA)120gと、1分子中にラジカル重合性の不飽和二重結合とパーオキサイド結合を有する化合物:t−ブチルパーオキシアリルカーボネート(ペロマーAC、日本油脂社製)2.70g、連鎖移動剤としてのドデシルメルカブタン(DDM)0.36g、光開始剤としてのベンジルメチルケタール(イルガキュアー651、チバガイギー社製)0.30g及び重合溶剤としての酢酸エチル490.91gを配合した。
モノマー混合溶液を窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した。引き続き、窒素ガスでモノマー混合溶液をバブリング、100rpmの回転数で撹拌しながら、ケミカルランプを用いて波長365nmの光を2mWの強度で照射することにより重合を開始させた。昇温が確認された時点を重合開始点として、4時間の重合反応を行った。重合終了時の転化率は96.8%であった。また、Solvency Testing法によるSP値は、8.4(cal/cm3 1/2 であった。
【0078】
(第2工程:枝ポリマーの合成)
撹拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス投入口を備えた2Lセパラブルフラスコに、第1工程で共重合体酢酸エチル溶液を409g計り取った後、2EHA22g、BA22g、アクリル酸(AAc)11gを添加した。また、重合溶剤としての酢酸エチルを、全体の固形分が55重量%となるように、36.42g添加した。
添加したモノマー混合溶液を窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換、60rpmで撹拌しながら、ウォーターバスを用いてモノマー混合溶液を昇温させた。
冷却管に還流液が確認された時点を重合の開始点として、4時間の沸点重合反応を行うことによって、目的とするグラフト重合体を得た。
得られたグラフト重合体の重量平均分子量(Mw)は40.5万、多分散度(Mw/Mn)は3.60であった。
なお、2EHA/BA/AAc=40/40/20の組成でなるアクリル系共重合体のSolvency Testing法によるSP値は、9.1(cal/cm3 1/2 であった。
【0079】
比較例9
攪拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた2Lセパラブルフラスコに、2EHA316g、BA206.8g、AAc10.11g、2HEA1.2g、SA120g及び重合溶剤としての酢酸エチル437gを配合した。
モノマー混合溶液を窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換、100rpmの撹拌回転数で撹拌しながら、ウォーターバスを用いてモノマー混合溶液を昇温させた。
冷却管に還流液が確認された時点で、重合開始剤としての1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(パーヘキサTMH、日本油脂社製)0.12gを約1gの酢酸エチルに溶解、投入することによって沸点重合を開始させた。1時間後に再びパーヘキサTMH0.18gを約1gの酢酸エチルに溶解、投入した。また重合開始2、3及び4時間後にジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド(パーロイル355、日本油脂社製)0.24g,0.60g及び1.80gを約1gの酢酸エチルに溶解、投入した。7時間の沸点重合を行うことによってトータルとして実施例4と同組成のランダム重合体を得た。
得られたランダム重合体の重量平均分子量(Mw)は41.0万、多分散度(Mw/Mn)は2.98であった。
【0080】
比較例10
(第1工程:幹ポリマーの合成)
2EHA、BA、2HEA及びSAの代わりにSA600gとしたこと以外は実施例4と同様にしてグラフト重合体を得た。なお、Solvency Testing法による幹ポリマーのSP値は、7.3(cal/cm3 1/2 であった。
【0081】
比較例11
(第1工程:幹ポリマーの合成)
2EHA、BA、2HEA及びSAの代わりにアクリル酸エチルエステル(EA)600gとしたこと以外は実施例4と同様にしてグラフト重合体を得た。なお、Solvency Testing法による幹ポリマーのSP値は、9.8(cal/cm3 1/2 であった。
【0082】
比較例12
(第2工程:枝ポリマーの合成)
2EHA、BA、AAcの代わりに2EHA25g、アクリル酸イソオクチルエステル(IOA)30gとしたこと以外は実施例4と同様にしてグラフト重合体を得た。
なお、2EHA/IOA=45/55の組成でなるアクリル系共重合体のSolvency Testing法によるSP値は、8.2(cal/cm3 1/2 であった。
【0083】
比較例13
(第2工程:枝ポリマーの合成)
2EHA、BA、AAcの代わりにEA30g、AAc25gとしたこと以外、実施例4と同様にして、グラフト重合体を得た。なお、EA/AAc=55/45の組成でなるアクリル系共重合体のSolvency Testing法によるSP値は、12.8(cal/cm3 1/2 であった。
【0084】
(粘着テープの作成)
実施例4及び比較例9〜13で得られた粘着剤組成物溶液を、実施例1と同様にして粘着テープを得た。得られた粘着テープの評価をSP粘着力、ポリエチレン粘着力、タックの測定により行い、結果を表4に示した。
【0085】
ポリエチレン粘着力の測定
上記粘着テープを、低極性被着体としてのポリエチレン樹脂板(ハイゼックス1300J,二井石油化学工業社製)に25mm幅で貼り合わせ、23℃、20分間放置した後、180°方向、引っ張り速度300mm/分の条件で、剥離強度を測定した。
【0086】
【表4】
Figure 0003930078
【0087】
実施例5
(第1工程:幹ポリマーの合成)
撹拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた2Lセパラブルフラスコに、アクリル酸2−エチルヘキシルエステル(2EHA)600g、1分子中にラジカル重合性の不飽和二重結合とパーオキサイド結合を有する化合物:t−ブチルパーオキシアリルカーボネート(ペロマーAC、日本油脂社製)2.70g、連鎖移動剤としてのドデシルメルカプタン(DDM)0.36g、光開始剤としてのベンジルメチルケタール(イルガキュアー651、チバガイギー社製)0.30g及び重合溶剤としての酢酸エチル490.91gを配合した。
モノマー混合溶液を窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した。引き続き、窒素ガスでモノマー混合溶液をバブリング、100rpmの回転数で撹拌しながら、ケミカルランプを用いて波長365nmの光を2mW/cm2 の強度で照射することにより重合を開始させた。昇温が確認された時点を重合開始点として、4時間の重合反応を行った。重合終了時の転化率は96.2%であった。
【0088】
(第2工程:カルボキシル基を有する枝ポリマーの合成)
撹拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス投入口を備えた2Lセパラブルフラスコに、第1工程で得られたポリ2EHA/酢酸エチル溶液を409g計り取った後、アクリル酸ブチルエステル(BA)52.30g、アクリル酸(AAc)2.75g添加した。
また、重合溶剤としての酢酸エチルを、全体の固形分が55重量%となるように、36.42g添加した。
添加したモノマー混合溶液を窒素ガスを用いて20分問バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換、60rpmで撹拌しながら、ウォーターバスを用いてモノマー混合溶液を昇温させた。
冷却管に還流液が確認された時点を重合の開始点として、4時間の沸点重合反応を行うことによって、目的とするグラフト重合体を得た。
得られたグラフト重合体の重量平均分子量(Mw)は45.7万、多分散度(Mw/Mn)は4.03であった。
【0089】
実施例6
(第1工程:幹ポリマーの合成)
2EHA500g、t−ブチルパーオキシアリルカーボネート(ペロマーAC、日本油脂社製)0.3g、連鎖移動剤としてのDDM0.5g及び光開始剤としてのベンジルメチルケタール(イルガキュアー651、チバガイギー社製)0.1gを均一になるまで攪拌混合した。得られた反応性組成物を1000ミクロンの厚みとなるようにコンマコータでテープ状基材に塗工した。酸素濃度300ppmのイナートゾーンで、超高圧水銀灯を用いて波長365nmの光を8mW/cm2 の強度で5分間照射することによって、目的とする幹ポリマーのフィルムシートを得た。重合終了時の転化率は99.8%であった。
【0090】
(第2工程:カルボキシル基を有する枝ポリマーの合成)
撹拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた2Lセパラブルフラスコに、第1工程で得られたポリ2EHAフィルムシートを400g計り取った後、BA95g、AAc5gを添加した。
また、重合溶剤としての酢酸エチルを、全体の固形分が55重量%となるように、409.09g添加した。
添加したモノマー混合溶液を窒素ガスを用いて20分問バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換、60rpmで撹拌しながら、ウォーターバスを用いてモノマー混合溶液を昇温させた。
冷却管に還流液が確認された時点を重合の開始点として、4時間の沸点重合反応を行うことによって、目的とするグラフト重合体を得た。
得られたグラフト重合体の重量平均分子量(Mw)は48.1万、多分散度(Mw/Mn)は3.99であった。
【0091】
比較例14
攪拌機、冷却器、温度計及び窒素ガス導入口を備えた2Lセパラブルフラスコに、2EHA480g、BA114g、AAc6g及び重合溶剤としての酢酸エチル490.91gを配合した。
モノマー混合溶液を窒素ガスを用いて20分間バブリングすることによって溶存酸素を除去した後、セパラブルフラスコ系内を窒素ガスで置換、100rpmの撹拌回転数で攪拌しながら、ウォーターバスを用いてモノマー混合溶液を昇温させた。
冷却管に還流液が確認された時点で、重合開始剤としての1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン(パーヘキサTMH、日本油脂社製)0.12gを約1gの酢酸エチルに溶解、投入することによって沸点重合を開始させた。1時間後に再びパーヘキサTMH0.18gを約1gの酢酸エチルに溶解、投入した。また重合開始2,3及び4時間後にジ(3,5,5−トリメチルヘキサノイル)パーオキシド(パーロイル355、日本油脂社製)0.24g、0.60g及び1.80gを約1gの酢酸エチルに溶解、投入した。7時間の沸点重合を行うことによって、実施例5と同組成のランダム重合体を得た。
得られたランダム重合体の重量平均分子量(Mw)は43.5万、多分散度(Mw/Mn)は2.91であった。
【0092】
比較例15
比較例14で得たランダム共重合体/酢酸エチル溶液に対して、固形分換算で20重量部となるように、粘着付与樹脂としての不均化ロジンペンタエリスリトールエステル(スーパーエステルA115、荒川化学社製)トルエン55%溶液を添加した。続いて撹拌混合することによって均一な粘着剤溶液を得た。
【0093】
比較例16
(第2工程:カルボキシル基を有する枝ポリマーの合成)
BA、AAcの添加量をそれぞれ16.51g、38.51gとしたこと以外、実施例5と同様にして、グラフト重合体を得た。
【0094】
比較例17
(第2工程:カルボキシル基を有する枝ポリマーの合成)で、BA、AAc添加量をそれぞれ54.88g、0.17gとしたこと以外、実施例5と同様にして、グラフト重合体を得た。
【0095】
(粘着テープの作成)
実施例5及び比較例14〜17で得られた粘着剤組成物溶液を、実施例2と同様にして粘着テープを得た。得られた粘着テープの評価をSP粘着力、ポリエチレン粘着力の測定、タックの測定により行い、結果を表5に示した。
【0096】
【表5】
Figure 0003930078
【0097】
実施例7
減圧乾燥機を用いて、実施例1で合成したアクリル系共重合体溶液から溶剤である酢酸エチルを除去し、ホットメルト型接着剤を得た。
得られた接着剤組成物を用いて以下の物性測定を行い、その結果を表6に示した。
【0098】
(接着剤組成物の物性測定)
凝集力
ホットメルト型接着剤組成物を5×5×5mm角に切断して試験片を作り、試験片を垂直に保持したアルミニウム板に貼付し、80℃のオーブン中で12時間放置した後の試験片の垂れ長さを測定し、凝集力とした。
190℃溶融粘度
B型粘度計(回転数:2.5rpm、ロータ:#HH4、東京計器社製)を使用して、190℃における粘度を測定した。
【0099】
接着力
表面が清浄なポリエチレン板(厚さ1.5mm、巾20mm)に、190℃のホットメルト型接着剤を厚さ1mm、10×20mmの面積で塗布した後、剪断接着強度を測定し、接着力とした。
耐酸化性
ホットメルト型接着剤組成物を10×10mmの面積、厚さ2mmに切断して試験片を作り、試験片をガラス板に貼付し、200℃のオーブン中で8時間放置した後の試験片の色の変化を観察し、耐酸化性とした。
【0100】
実施例8
減圧乾燥機を用いて、実施例2で合成したアクリル系共重合体溶液から溶剤である酢酸エチルを除去し、ホットメルト型接着剤を得た。得られた接着剤組成物を用いて実施例7と同様の物性測定を行い、その結果を表6に示した。
【0101】
実施例9
減圧乾燥機を用いて、実施例3で合成したアクリル系共重合体溶液から溶剤である酢酸エチルを除去し、ホットメルト型接着剤を得た。得られた接着剤組成物を用いて実施例7と同様の物性測定を行い、その結果を表6に示した。
【0102】
実施例10
減圧乾燥機を用いて、実施例4で合成したアクリル系共重合体溶液から溶剤である酢酸エチルを除去し、ホットメルト型接着剤を得た。得られた接着剤組成物を用いて実施例7と同様の物性測定を行い、その結果を表6に示した。
【0103】
実施例11
減圧乾燥機を用いて、実施例5で合成したアクリル系共重合体溶液から溶剤である酢酸エチルを除去し、ホットメルト型接着剤を得た。得られた接着剤組成物を用いて実施例7と同様の物性測定を行い、その結果を表6に示した。
【0104】
比較例18
n−ブチルリチウム触媒を用いてイソプレン単量体をn−ヘプタン溶媒中で重合することによりシス−1,4結合量が92%でかつ分子量が39600の液状シス−1,4−ポリイソプレンゴム及び分子量が245000のシス−1,4−ポリイソプレンゴムを得た。この液状シス−1,4−ポリイソプレンゴム35重量部に、エバフレックス210(三井ポリケミカル社製、酢酸ビニル含有量28重量%、メルトインデックス(ASTM−D−1238)400)を65重量部、YSPX1150(安原ケミカル社製、ポリテルペン系樹脂)を65重量部及びノクラックNS−6(大内新興化学社製、フェノール系老化防止剤)を2重量部を配合し、150℃の混合槽で30分間攪拌することにより、EVA系接着剤組成物を得た。得られた接着剤組成物を用いて実施例7と同様の物性測定を行い、その結果を表6に示した。
【0105】
【表6】
Figure 0003930078
【0106】
【発明の効果】
本発明の新規グラフト共重合体は、ラジカル重合を利用した2段重合によって、<幹>重合体部分及び<枝>重合体部分を独立に合成されるものであるため、グラフト共重合体としての設計自由度が高く、所望の特性を容易に得られるものである。従って、成形用樹脂、ホットメルト粘接着剤、熱可塑性エラストマー、トナー用樹脂、水溶性粘着剤、耐衝撃性改良樹脂、相溶化剤、分散剤等に有効に利用できる。
また、本発明のグラフト共重合体は、上述の構成よりなるので、耐熱性、再剥離性に優れ、被着体の極性を問わずに良好な接着性を示すとともに、本発明のアクリル系接着剤は、耐候性に優れ、溶融粘度と凝縮力とを高度にバランスできるため、ホットメルト型での使用に適している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で得られたグラフト共重合体及び通常のランダム共重合体の動的粘弾性スペクトルの測定結果を示す図である。

Claims (7)

  1. ラジカル重合性の不飽和二重結合とパーオキサイド結合とを有する化合物(I)、重合性モノマー成分(A)、及び、光開始剤(II)からなる重合性組成物に、前記化合物(I)が熱分解を起こさない温度領域において光を照射することにより、前記化合物(I)と前記重合性モノマー成分(A)とをラジカル重合させる第1工程と、続いて、前記第1工程により得られる反応生成物に、前記重合性モノマー成分(A)とは異なる重合性モノマー成分(B)を添加した後、前記化合物(I)が熱分解を起こす温度領域においてラジカル重合させる第2工程とを経ることにより、前記化合物(I)の前記不飽和二重結合から幹ポリマーが重合形成され、前記パーオキサイド結合部分から枝ポリマーが重合形成されてなるグラフト共重合体であって、
    前記重合性モノマー成分(A)は、0℃以下のガラス転移温度を有するアクリル系ポリマーを形成することができるアルキル基の炭素数が1〜14である(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするものであり、
    前記重合性モノマー成分(B)は、20℃以上のガラス転移温度を有するビニル系ポリマーを形成することができる重合性モノマーを主成分とするものであり、更に、水酸基を有するビニルモノマーを含有するものである
    ことを特徴とするグラフト共重合体。
  2. 前記重合性モノマー成分(B)中の水酸基を有するビニルモノマーは、その含有率が0.1〜10重量%である請求項1記載のグラフト共重合体。
  3. 請求項1又は2記載のグラフト共重合体を主成分とすることを特徴とするアクリル系粘着剤。
  4. 請求項1又は2記載のグラフト共重合体に、水酸基と反応可能である官能基を2個以上有する化合物が添加されてなることを特徴とするアクリル系粘着剤。
  5. ラジカル重合性の不飽和二重結合とパーオキサイド結合とを有する化合物(I3)、重合性モノマー成分(A3)、及び、光開始剤(II3)からなる重合性組成物に、前記化合物(I3)が熱分解を起こさない温度領域において光を照射することにより、前記化合物(I3)と前記重合性モノマー成分(A3)とをラジカル重合させる第1工程と、続いて、前記第1工程により得られる反応生成物に、前記重合性モノマー成分(A3)とは異なる重合性モノマー成分(B3)を添加した後、前記化合物(I3)が熱分解を起こす温度領域においてラジカル重合させる第2工程とを経ることにより、前記化合物(I3)の前記不飽和二重結合から幹ポリマーが重合形成され、前記パーオキサイド結合部分から枝ポリマーが重合形成されてなるグラフト共重合体であって、前記重合性モノマー成分(A3)及び前記重合性モノマー成分(B3)は、アクリル系ポリマーを形成することができるアルキル基の炭素数が1〜14である(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするものであり、前記重合性モノマー成分(A3)中における重合性不飽和カルボン酸の存在比率(A3c)と前記重合性モノマー成分(B3)中における重合性不
    飽和カルボン酸の存在比率(B3c)とは、(B3c)重量%>(A3c)重量%≧0重量%の関係にあることを特徴とするグラフト共重合体。
  6. 前記重合性モノマー成分(B3)中における重合性不飽和カルボン酸の存在比率(B3c)は、0.5〜60重量%である請求項5記載のグラフト共重合体。
  7. 請求項5又は6記載のグラフト共重合体を主成分とすることを特徴とするアクリル系粘着剤。
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