JP3930073B2 - 手術用顕微鏡 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、手術用顕微鏡に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、手術用顕微鏡は、比較的狭い範囲の術部を観察するために用いられ、特に、患部の奥,凹凸の大きな物体の凹部を良好に観察できることが要求される。このためには、患部の奥や凹部を良好に照明でき、かかる患部に影を生じることのない照明光学系が必要であり、且つ、照明位置と物点位置とのずれをなくすことも必要である。この2つの要求を満足するためには、顕微鏡における観察光軸と照明光軸とのなす角度をできるだけ小さくすることによって解決できる。このような目的により提案された顕微鏡としては、特開昭63−97913号及び特開平8−5923号の各公報に開示された実体顕微鏡がある。
【0003】
これらの顕微鏡を用いることにより、ある程度良好な術部の観察が可能となったが、更に術部を良好に観察するためには、被検面上における観察光軸と照明光軸とが一致するように構成されることが望まれる。このような観点から提案されたものとしては、特開平7−148179号及び特開平7−155336号の各公報に開示された手術用顕微鏡等がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、手術中には一部分ではなく複数の術部を観察しなければならない場合が多い。そこで、術者は観察部位毎に顕微鏡における観察光学系の観察位置や観察倍率の調整を行う必要が生じる。又、これに伴い照明光学系においても、照明位置や照明範囲の調整を行う必要が生じてくる。而も、効率のよい観察を行うためには、かかる手術用顕微鏡の調整は、観察光学系に追従させて照明光学系の調整が行われなければならない。
尚、高倍観察では細部の観察が行われるため明るい照明光が必要であるが、照明範囲は狭くてもよい。一方、低倍観察では比較的広い部分を観察するので広い照明範囲が必要であるが、照明光の照度は高倍観察時程必要ではない。
【0005】
例えば、前記特開平8−5923号公報に開示された実体顕微鏡では、観察光学系内の可動レンズの往復動に伴う物点位置の変化に追従させて、照明位置変更手段により照明光束の照明位置を変更している。この構成からは、観察位置及び照明位置の変更は容易に行えるが、観察倍率及び照明範囲の変更は行えない。
一方、特開昭63−97913号公報に記載の手術用顕微鏡においては、対物レンズが観察系及び照明系において共用されているため、この対物レンズを交換することにより、観察位置や照明位置を変更することはできる。しかしながら、照明範囲を変えることはできない。
【0006】
又、特開平7−155336号公報に開示されている手術用顕微鏡では、被検面(術部)の変化に伴う観察光学系の焦点位置の移動に連動して照明光学系内の光学部材を移動させ、被検面の変位に対して最適な照明を供給できる。
しかし、この手術用顕微鏡では、観察光学系の変倍に伴う照明範囲の設定は、専ら絞りを制御することによって行われることになる。よって、観察倍率に最適な大きさの照明範囲を設定することはできるが、その照度を最適化することはできない。即ち、図10はかかる手術用顕微鏡における照明範囲(照野径)の大きさとその照度との関係を示すグラフであるが、照野径の大きさにかかわらずその照度は常に一定で変更することはできないのである。
従って、この手術用顕微鏡では、ある観察倍率に最適な照度は得られても、他の観察倍率に適応し得る照度を得ることはできない。
【0007】
一方、特開昭53−17352号公報に開示されている顕微鏡では、照明光学系にも変倍系が設けられ、対物レンズ系の変倍系と照明光学系の変倍系とを連動させて操作することにより、照明範囲とその照度を調整することができる。
【0008】
図11は、このような従来の顕微鏡に備えられた照明光学系の原理を説明するための概念図である。この照明光学系40は、光源41,集光光学系42,絞り43,ズームレンズ群44,及び開口部45からなっており、各光学系を介して光源41と開口部45との位置、絞り43と被検面46との位置が互いに共役になるように配置されている。又、図中、開口部45近傍に▲1▼〜▲3▼で示されている像(実際には開口部45内に結像されるものである)は、ズームレンズ群44の倍率を上げていくにつれて開口部45内に順に形成される光源41の像の大きさを夫々表わしている。又、被検面46上に▲1▼〜▲3▼で示された照明範囲は夫々開口部45内に形成される像▲1▼〜▲3▼が被検面46上に投影された場合に夫々形成される照明範囲を示している。開口部45内に形成される像と被検面46上に形成される照明範囲の大きさとの関係は、例えば開口部45内に形成される像がズームレンズ群44により▲1▼から▲3▼に拡大されると、被検面46上に形成される照明範囲の大きさは▲1▼から▲3▼に縮小されるようになっている。即ち、開口部45内に最小の像▲1▼が形成された場合には照明範囲は最大となり(照明範囲▲1▼)、最大の像▲3▼が形成された場合には照明範囲は最小となる(照明範囲▲3▼)。
尚、照明光学系40から被検面46に向けて射出される光量は一定であるので、被検面46上に形成される照明範囲の大きさが小さくなる程照度は向上する。
【0009】
次に、図12は図11に示された照明光学系40による照明範囲(照野径)の大きさとその照度との関係を示すグラフである。このグラフから、照明範囲が最大の場合(照明範囲▲1▼)は照度は最小となり(観察光学系の低倍に対応)、照明範囲が中間の大きさの場合(照明範囲▲2▼)は照度は中間となる(観察光学系の中間倍率に対応)ことが分かる。又、照明範囲が最小の場合(照明範囲▲3▼)は照度は最大となるが、このとき照明範囲▲3▼の外周部の明るさはその中心付近よりも低下していることが分かる。この原因は、最大となる像▲3▼は開口部45の大きさ以上に形成されるため、開口部45を通過しない光が生じるためである。而も、照明光学系40の変倍はズームレンズ群44のみにて行われるため、倍率を大きくした場合どうしても光学性能の劣化を招くためでもある。
このような不具合を解決するためには、開口部45の大きさを更に大きくしたり、照明光学系40に用いられるレンズの枚数を増やしたりすることが必要になる。しかし、結果として鏡体が大型化し、更に照明光学系40の構成も複雑になり、大幅な製造コストの増加が見込まれるため、実用的とは云えない。
【0010】
更に、前記特願平7−148179号及び特開平7−155336号の各公報に記載の手術用顕微鏡では、ハーフミラーを用いて被検面上における照明光軸と観察光軸との一致を図っている。しかし、前記ハーフミラーは平行平板により構成されており、このような平行平板のハーフミラーを用いた場合には、ゴースト光を生じ易いという問題がある。
即ち、図13に示すように、通常、被検面からの光はハーフミラー50の第1面50aで反射されて観察光学系に導かれ観察像が形成される。しかし、被検面からの光のうち、かかる第1面50aにより反射されず透過する光も一部存在する。この透過光が更に第2面50bによって反射されて観察光学系にゴースト光として侵入し、観察像が二重になるという不具合を生じるのである。
【0011】
一方、実開昭56−120509号公報には、ビームスプリッタの近傍に配置されゴースト光を除去し得る部材が開示されている。しかしながら、ここに示されたようなゴースト光除去部材の配置では、このゴースト光除去部材により反射された光が装置の内部に侵入してしまうことになる。結果として、装置のホルダ等に当たってゴースト光となって観察光学系内に侵入してしまう虞を拭いきれない。よって、完全にゴースト光の発生を抑制することはできない。
【0012】
そこで、本発明は上記のような従来技術の有する各問題点に鑑みなされたものであり、その目的とするところは、被検面位置の変化に対応し得る照明光を供給し、且つ観察倍率に連動させて照明範囲とその照度を設定すると共に、被検面上において観察光軸と照明光軸とを一致させるためのビームスプッリタに工夫を施すことによってゴースト,フレアのない良好な観察が可能な手術用顕微鏡を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、本発明による手術用顕微鏡は、以下に示すような特徴を備えている。
【0014】
本発明による手術用顕微鏡は、観察光学系と該観察光学系を介さずに被検面上に照明光を導く照明光学系とを有し、観察光軸を照明光軸とがビームスプリッタによって合成されて前記被検面上に導かれる手術用顕微鏡において、前記ビームスプリッタ楔型に構成するとともに、前記ビームスプリッタで反射され偏向された観察光軸と前記ビームスプリッタを透過した照明光軸とが一致するように前記照明光学系内に光軸を補正するプリズムを配置したことを特徴としている。
【0015】
また、本発明による手術用顕微鏡は、観察光学系と該観察光学系を介さずに被検面上に照明光を導く照明光学系とを有し、観察光軸を照明光軸とがビームスプリッタによって合成されて前記被検面上に導かれる手術用顕微鏡において、前記ビームスプリッタを楔型に構成するとともに、前記照明光学系には、前記ビームスプリッタで反射され偏向された観察光軸と前記ビームスプリッタを透過した照明光軸とを一致させ且つ前記被検面上に投影される照明光束の形状がほぼ円形になるように補正するプリズムを備えたことを特徴としている。
【0018】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明による手術用顕微鏡の概略構成を示す光軸に沿う断面図(側面方向から見た状態を示す)である。本発明の手術用顕微鏡は、鏡体1と、鏡筒光学系2と、接眼光学系3とにより構成されている。鏡体1は、被観察物の観察倍率を変えるための変倍光学系4と焦点位置を変えるための対物光学系5とを含む観察光学系、及び照明光学系6を備えている。又、鏡体1内において、前記観察光学系の光軸と照明光学系6の光軸とが交わる位置には、これらの光軸を被検面上において一致させるためのビームスプリッタ7が設けられ、更にこのビームスプリッタ7の近傍には、ゴースト,フレアの発生を防止するための光吸収板8が設けられている。又、鏡体1の底面部には透明板9がその底面と平行になるように配置されている。
【0019】
図2は、本発明の手術用顕微鏡に備えられる照明光学系6の構成を説明するための図である。又、図3は照明光学系6により得られる照明範囲(照野径)の大きさとその照度との関係を示すグラフである。以下、図2及び3に基づき照明光学系6の原理を説明する。
【0020】
照明光学系6は、光源11,集光光学系12,可変絞り13,ズームレンズ群14,フォーカスレンズ15,及び開口部16により構成され、この照明光学系6による照明光が被検面17に導かれるようになっている。又、各光学系を介して光源11と開口部16との位置、可変絞り13と被検面17との位置は互いに共役となるように配置されている。フォーカスレンズ15は、前記観察光学系に備えられた焦点位置を決定する対物光学系5に連動して光軸上を移動し前記焦点位置に照明位置を合わせるためのものである。又、可変絞り13及びズームレンズ群14は、前記観察光学系の観察倍率(観察範囲)を定める変倍光学系4と連動して前記観察範囲に最適な照明範囲とその照度を設定するためのものである。
尚、図2中、開口部16近傍に▲1▼〜▲3▼で示されている像(実際には開口部16内に形成される)は、ズームレンズ群14の倍率を上げていくにつれて開口部16内に順に形成される光源11の像の大きさを夫々表わしている。又、被検面17上に▲1▼〜▲3▼で示された照明範囲は、開口部16内に形成される像▲1▼〜▲3▼が被検面17上に投影された場合に夫々形成される照明範囲を示している。又、図3中、▲1▼〜▲3▼は前記各照明範囲と対応している。
【0021】
本発明の手術用顕微鏡において、被検面17を低倍で観察する場合には、まず、前記観察光学系の観察倍率が最小に設定される。このような低倍での観察においては大きな照明範囲が必要となる。よって、照明光学系6において、ズームレンズ群14の倍率を最小に設定する。このとき、開口部16内には最小の像▲1▼が形成され、被検面17上には最大の照明範囲▲1▼が形成される。又、本発明の手術用顕微鏡においても、照明光学系6により被検面17上に導かれる光量は一定であるので、ズームレンズ群14の変倍のみにより照明範囲が設定される場合には、照明範囲の大きさが小さくなる程その照度は増す。よって、照明範囲▲1▼の照度は最小となる。
次に、被検面17を中間倍率で観察する場合には、前記観察光学系の倍率も中間に設定される。この場合の被検面17上の観察範囲は低倍時よりも縮小されるため、照明範囲も中間の大きさでよい。よって、ズームレンズ群14の倍率を上げ、開口部16の径と同じ大きさの像▲2▼を形成することによって、中間の大きさの照明範囲▲2▼を得ることができる。この照明範囲▲2▼の照度は照明範囲▲1▼よりも向上している。
【0022】
更に、最大の倍率で観察する場合には、前記観察光学系の倍率は最大に設定される。最大倍率での観察時には中間倍率の場合よりも更に観察範囲は縮小されるうえ、低倍観察と比較してかなり細部の詳細な観察がなされるため、照明範囲も更に小さく設定しその照度を向上させることが必要となる。しかし、前述のように、ズームレンズ群14のみにより照明範囲を縮小しようとすれば、その照度は向上するが、照明範囲の外周部がその中心部よりも暗くなるため、詳細な観察に支障をきたすことになりかねない。又、これを回避しようとすれば、鏡体の大型化や光学系の複雑化,製造コストの上昇につながる。
【0023】
ところで、高倍観察において殊更に照明範囲の照度を向上させなくとも、ある程度の照度を確保できれば十分に詳細な観察が可能であり、中間倍率での観察が十分可能な照度の確保ができれば十分である。
そこで、本発明の手術用顕微鏡では、照明光学系6のズームレンズ群14の倍率は前記中間倍率での観察の場合と同じに設定することによって開口部16の径と同じ大きさの像▲3▼を確保し、更に可変絞り13を絞り込むことにより最小の照明範囲▲3▼を得ている。このようにすることにより、得られる照度は前記照明範囲▲2▼の場合と同様であるが、開口部16を通過せずフレア,ゴーストの原因となるような光が生じるのを防止できるうえ、光学性能の劣化を回避することができ照明範囲▲3▼の外周部にその中心部と同等の明るさを得ることが可能になる。
【0024】
以上のような原理の基に構成された照明光学系6の具体的構成を図4に示す。図4は照明光学系6の構成を示す光軸に沿う断面図(本発明の手術用顕微鏡の上側から見た状態を示す)である。照明光学系6は、図示しない光源からの光を伝達するライトガイドファイバ21,集光光学系22,可変絞り23,プリズム24,赤外光除去フィルタ25,光学的フィルタ26,ズームレンズ群27,フォーカスレンズ28,リレーレンズ29,及び照明光を被検面へ向けるためのプリズム(開口部)30により構成されている。
【0025】
ここで、ズームレンズ群27は2枚の正レンズと1枚の負レンズとからなり、光軸に沿って移動し得るように構成されている。又、フォーカスレンズ28は1枚の正レンズからなり、ズームレンズ群27と同様に光軸に沿って移動し得るようになっている。可変絞り23及びズームレンズ群27は前記観察光学系の観察倍率を変える変倍光学系4の変倍に連動して、観察範囲を良好に照明し得る照明範囲とその照度を設定するためのものである。又、フォーカスレンズ28は、前記観察光学系の焦点位置を被検面に合わせる対物光学系5に連動して、前記被検面に最適な照明光を提供するためのものである。
尚、各光学系を介して、ライトガイドファイバ21の射出端面とプリズム30のファイバ端面結像位置、及び可変絞り23と図示しない被検面の位置は共に共役になっている。
【0026】
又、図5は照明光が照明光学系6を介して被検面へ導かれる様子を示す図であり、(a)は低倍観察時のズームレンズ群27の位置を示す図、(b)は中間倍率及び高倍観察時のズームレンズ群27の位置を示す図である。ここに示すように、本発明の手術用顕微鏡において、照明光学系6の下部に楔型に形成されたビームスプリッタ7が配置され、照明光学系6から射出された照明光を図示しない被検面へ導き、この被検面からの観察光を図示しない観察光学系へ導くことができるようになっている。又、ビームスプリッタ7を配置することにより、被検面上における照明光軸と観察光軸との一致を図っている。
更に、図示しない手術用顕微鏡の鏡体底面と平行になるように透明板9が設けられている。この透明板9は、顕微鏡鏡体内部にゴミ等の侵入を防ぐためのものである。又、ビームスプリッタ7の近傍には、ビームスプリッタ7によって反射された照明光学系6からの光がゴースト光となって観察光学系への侵入を防止するための光吸収板8が設けられている。
【0027】
以下、図4及び図5に示した照明光学系6を構成する各光学部材及びその周辺に配置される各部材の数値データを示す。尚、下記の各数値データにおいて、r1 ,r2 ,・・・・は各レンズ又はプリズム面等の近軸曲率半径を、d1 ,d2 ,・・・・は各レンズ又はプリズム等の肉厚又はそれらの間隔を示している。
【0028】
Figure 0003930073
【0029】
Figure 0003930073
【0030】
Figure 0003930073
【0031】
Figure 0003930073
【0032】
Figure 0003930073
【0033】
Figure 0003930073
【0034】
又、上記数値データ中、D1 〜D3 は図4及び5に示されたズームレンズ群27の各変倍時のレンズ間隔のデータ、及び前記照明光学系5の照明位置を決定する作動距離(working distance:以下、WDと称する)毎のフォーカスレンズ28のレンズ間隔を表している。そこで、以下の表にWD毎の値を示す。
【0035】
Figure 0003930073
【0036】
更に、前述のように、本発明の手術用顕微鏡において、照明光学系6の下部には楔型に構成されたビームスプリッタ7が設けられているが、このビームスプリッタ7はその両側面により形成された頂点が被検面側に向けて配置されている。以下、図6に基づきこのビームスプリッタ7の作用を説明する。
【0037】
図6に示すように、まず、照明光学系からの照明光がビームスプリッタ7を透過し被検面上に到達する。そして、この照明光は被検査面で反射され再度ビームスプリッタ7の第1面7aで反射されて観察光学系に導かれ観察像を形成する。しかし、第1面7aを通過する光も一部存在する。このような光が第2面7bで反射され観察光学系に浸入することがゴーストを生じる原因となる。
しかし、本発明の手術用顕微鏡に用いられるビームスプリッタ7は楔型に構成され更にその両側面により形成された頂点が被検面側(図の下側)に向くように配置されているため、図示したようにゴースト光を鏡体の斜め下方に逃がすことができる。よって、かかるゴースト光が観察光学系内及び被検面上の照明範囲内に侵入することを防止できる。
尚、ビームスプリッタ7を透過した照明光学系からの光は、被検面に対して垂直ではなく、観察に支障のない程度でやや斜めに入射するようになっている。
【0038】
又、ビームスプリッタ7は楔型になっているため、このビームスプリッタ7を透過する際照明光は屈折してその光軸とビームスプリッタ7により偏向される観察光軸とにずれを生じてしまう虞がある。そこで、本発明の手術用顕微鏡では、照明光学系6を構成しているプリズム30に屈折力を備え、被検面上において照明光軸と観察光軸とが一致するように構成されている。
【0039】
加えて、楔型のビームスプリッタ7を透過した照明光の被検面上における照明範囲の形状は円形にはならない。しかし、観察範囲の形状は円形であるため、照明範囲の形状も円形であることが好ましい。そこで、ここでも前記照明光学系6を構成しているプリズム30に備えられた屈折力により、プリズム30を経た照明光がビームスプリッタ7を介して被検面上に達した場合に、その照明範囲の形状が円形になるように補正している。よって、楔型のビームスプリッタ7を用いても不具合はない。
【0040】
更に、本発明の手術用顕微鏡においては、光吸収板8がビームスプリッタ7の近傍に設けられている。この光吸収板8は、照明光学系から射出された照明光のうちビームスプリッタ7を透過せずに反射されるものを吸収及び反射させ、ゴーストを生じる原因となる光が観察光学系内へ侵入するのを防ぐためのものである。即ち、図7に示すように,光吸収板8は、ビームスプリッタ7の近傍にやや斜め下に向けて配置され、ビームスプリッタ7により反射された照明光学系からの光を、吸収若しくは反射して観察光学系及び被検面に到達しないように、顕微鏡鏡体の斜め下方へ逃がす作用を有している。
【0041】
ここで、更に詳しくビームスプリッタ7により反射される照明光の光吸収板8への入射角について述べる。
図8(a)に示すように、本発明の手術用顕微鏡では、照明光学系からの照明光10のうち、ビームスプリッタ7の第2面7bを透過し第1面7aにより反射され再度ビームスプリッタ7の第2面7bを透過する光10aが発生し得る。この光10aは当然に光吸収板8へ到達する。もし、このとき、光10aの光吸収板8への入射角が90°であれば、光吸収板8により反射された光10aのうち、ビームスプリッタ7を透過して観察光学系へ向かう光10a’が生じてしまう。特に、本発明の手術用顕微鏡では、照明光軸と観察光軸とが同軸になるように構成されているため、前記光10a’は観察光軸と平行となって観察光学系内に侵入して有害なフレア光となる。このような不具合を解消するためには、フレア光となり得る前記光10a’と観察光軸とが平行にならないように構成することが必要となる。
【0042】
そこで、本発明では、図8(b)に示すように、前記光10aの光吸収板8への入射角θが90°未満となるように光吸収板8を配置することにより、前述のような不具合を解消している。
更に、フレア光となり得る光10a’が観察光学系に入射することを完全に防止するためには、図8(c)に示すように、光10aの光吸収板8への入角度が68.5°となるように光吸収板8を配置することが望ましい。
【0043】
又、光吸収板8を配置するにあたり、この光吸収板8を平滑な面で構成してもよいが、平面でなく曲面に構成したほうが、ゴースト光除去効果を高めると共に顕微鏡鏡体の小型化を図ることができるので、より好ましい。
【0044】
最後に、本発明の手術用顕微鏡は厳格な清潔が要求される手術に用いられるものであって、使用前には高温による滅菌がなされることを想定して高温耐久性を有する透明板9を顕微鏡鏡体の底面と平行になるように配置して顕微鏡鏡体の内部を密封している。又、この透明板9はかかる鏡体内の防塵のためのものでもある。
ここで、前述のように、ビームスプリッタ7を透過した照明光は被検面に対してやや斜めに入射する。従って、透明板9を前記鏡体の底面と平行になるように配置すれば、図9に示すように、照明光は透明板9に対してもやや斜めに入射することになる。すると、この透明板9上においても前記照明光は反射光を生じることになるが、やはり図9に示したように、かかる反射光はビームスプリッタ7により再度反射されて顕微鏡鏡体の斜め下方に逃がされることになるため、観察光学系及び照明範囲に対して悪影響を及ぼすようなことはない。
【0055】
【発明の効果】
上述のように、本発明の手術用顕微鏡は、観察光学系の焦点位置の変動と連動させて照明光学系の照明位置を変化させ得ると共に、観察倍率の変動と共に照明範囲を変更することができ、被検面の観察位置及び観察範囲に最適な照明光を供給することが可能なため、最適な被検面の観察ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による手術用顕微鏡の概略構成を示す図である。
【図2】本発明の手術用顕微鏡に備えられる照明光学系6の構成を説明するための概念図である。
【図3】図2に示された照明光学系6により得られる照明範囲(照野系)の大きさとその照度との関係を示すグラフである。
【図4】照明光学系6の構成を示す光軸に沿う断面図(本発明の手術用顕微鏡の上側から見た状態を示す)である。
【図5】照明光が照明光学系6を介して被検面へ導かれる様子を示す図であり、(a)は低倍観察時のズームレンズ群27の位置を示す図、(b)は中間倍率及び高倍観察時のズームレンズ群27の位置を示す図である。
【図6】ビームスプリッタ7の作用を説明するための図である。
【図7】光吸収板8の作用を説明するための図である。
【図8】(a),(b),(c)は光吸収板8に入射する光の具体的な入射角の大きさについて説明するための図である。
【図9】透明板9の作用を説明するための図である。
【図10】従来の手術用顕微鏡における照明範囲(照野径)の大きさとその照度との関係を示すグラフである。
【図11】従来の顕微鏡に備えられた照明光学系の原理を説明するための概念図である。
【図12】図11に示された照明光学系40による照明範囲(照野径)の大きさとその照度との関係を示すグラフである。
【図13】従来の手術用顕微鏡に備えられている被検面上で観察光軸と照明光軸とを一致させるためのハーフミラーの作用を説明するための図である。
【符号の説明】
1 鏡体部
2 鏡筒光学系
3 接眼光学系
4 変倍光学系
5 対物光学系
6,40 照明光学系
7 ビームスプリッタ
7a ズームスプリッタ7の第1面
7b ズームスプリッタ7の第2面
8 光吸収板
9 透明板
10 照明光
10a,10a’ 反射光
11,41 光源
12,22,42 集光光学系
13,23 可変絞り
14,27,44 ズームレンズ群
15,28 フォーカスレンズ
16,45 開口部
17,46 被検面
21 ライトガイドファイバ
24 プリズム
25 赤外光除去フィルタ
26 光学的フィルタ
29 リレーレンズ
30 プリズム(開口部)
43 絞り
50 ハーフミラー
50a ハーフミラー50の第1面
50b ハーフミラー50の第2面

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  1. 観察光学系と該観察光学系を介さずに被検面上に照明光を導く照明光学系とを有し、観察光軸を照明光軸とがビームスプリッタによって合成されて前記被検面上に導かれる手術用顕微鏡において、
    前記ビームスプリッタ楔型に構成するとともに、
    前記ビームスプリッタで反射され偏向された観察光軸と前記ビームスプリッタを透過した照明光軸とが一致するように前記照明光学系内に光軸を補正するプリズムを配置したことを特徴とする手術用顕微鏡。
  2. 観察光学系と該観察光学系を介さずに被検面上に照明光を導く照明光学系とを有し、観察光軸を照明光軸とがビームスプリッタによって合成されて前記被検面上に導かれる手術用顕微鏡において、
    前記ビームスプリッタを楔型に構成するとともに、
    前記照明光学系には、前記ビームスプリッタで反射され偏向された観察光軸と前記ビームスプリッタを透過した照明光軸とを一致させ且つ前記被検面上に投影される照明光束の形状がほぼ円形になるように補正するプリズムを備えたことを特徴とする手術用顕微鏡。
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