JP3929080B2 - レーダシステム - Google Patents
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Description
関連出願引用
この出願は1997年10月16日に出願された先の米国特許仮出願番号第60/066.025の利益を請求する。
この出願は1998年1月20日に出願された先の米国特許仮出願番号第60/071、964の利益も請求する。
技術分野
この発明はレーダシステムに関し、さらに詳細には持続波レーダシステムにおいて送信器から受信器までのレーダエネルギの漏れ効果を和らげるシステム及び方法に関するものである。
発明の背景
レーダシステムはターゲットと連続的またはパルス状の何れかの電磁エネルギのビームとの相互作用の効果を検知することによって、ターゲットの距離及び/又は速度を測定する。線形周波数変調持続波(LFM CW)レーダシステムにおいて、ターゲットは電磁エネルギを連続的に照射され、その周波数は周期的パターンに従って時間的に変調される。レーダ受信器は受信及び送信信号間の周波数差からターゲットの距離を測定する。
LFM CWレーダシステムの有するひとつの問題は先ずターゲットと相互作用しないで、受信器へ直接連結される送信エネルギの1部の漏れから生じその結果、静止近接領域ターゲットとしてエイリアジングを生ずる。この漏れ信号強度はそのサイドローブがターゲットリターン信号を覆い隠すほど十分大きくなることがある。送受信両用信号アンテナを内蔵するレーダシステムはこのような漏れ問題に特に敏感である。
多くの自動車用へのCW(持続波)の応用を含めて、いくつかの従来の線形周波数変調持続波(LFM CW)は、レーダ信号を送受信するため分離アンテナを使用している。分離アンテナが漏れの問題を本質的に減少させる一方で、この方法が有する主要な困難は、分離送受信アンテナアレイを使用すると、システムのコストと寸法が法外に増大してしまうことである。
他の従来のCWレーダシステムは、受信信号を固定アナログ遅延ラインによって位相がずれる送受信号の1部とを混合することによって、受信信号中の漏れ成分を除去する。アナログ遅延ラインは漏れに正確に整合されなければならない。この方法の取り組みに伴う問題は、固定アナログ遅延ラインの遅延が温度変化などに起因する漏れの変化に応答しないことである。アナログ遅延ラインに伴う問題は、多重ビームアパーチャ(MBA)アーキテクチャレーダシステムにおいては複合化され、システムでは各ビームが個別の漏れ経路を有しており従って付随する漏れを補償する別々に遅延された信号が必要となる。ビーム数の増大に伴ない、対応する遅延ライン及び関連する高速スイッチの数により−−所定ビーム数に対して正確な遅延ラインへ切換える−−は法外に高価でありかつ大きく重く持ち運びにくくなることがある。
さらに他の従来のCWレーダシステムでは、フーリエ変換処理に先だってデータに重み付けするかまたは他にフーリエ変換からのデータの最初のN領域のセルを無視することによって、最終的な信号処理段階の漏れ信号の効果を減少させるよう試みている。サイドローブレベルを減少させるためのフーリエ変換のより強い振幅の重み付けに伴う問題は、ピーク幅を著しく拡幅してしまい、近接した間隔を置かれたターゲットやその結果レーダシステム(及びホスト車両)に近接したターゲットを認識するシステムの能力を減少させることである。明らかに、最初のN領域セルを無視することに伴なう問題は、自動車の衝突の予測と回避レーダにとって近い領域の情報が衝突までの時間及び衝突の可能性の評価に重要であるということである。
なお他のシステムではCWレーダ以外のパルスレーダを使用することにより、受信器がゲート制御され漏れ信号を無視する。自動車の衝突予測に適用した場合、パルスレーダシステムは、非常に近い領域でターゲットを検出するには非常に短いレーダパルス(6ナノ秒以下)を必要とし、短いパルスは十分な高電力で送信し遠い領域のターゲットを検出するのは困難である。従って、自動車の衝突予測のため必要に応じて近隣かつ遠方両領域のターゲットを検出するためには現行では適さない。
発明の概要
この発明は、線形周波数変調(LFM)持続波(CW)レーダにおいて漏れ信号を校正かつ除去しかつ、特に多重ビームアンテナアパーチャを必要とする自動車への適用のための実時間処理システム及び方法を提供することにより上記問題を解決する。使用される実際の波形は、後継のすべてのデータポイントがその特定の周波数値に対する環境応答に対応する場合のLFMの階段形周波数合成波である。校正は、主にレーダエネルギを送信かつ受信するため使用される共通アンテナアパーチャによる漏れ信号を予測しかつ信号を除去する手段を提供してターゲット検出能力を改良するようになされている。漏れ信号は内部のレーダ構成要素と不完全による反射と伝達から主に生じる。漏れ信号よって進む経路は非常に短いため、ほとんど常に実際のターゲットより極めて高い振幅(例えば、40から80dB)である。この振幅は信号のフーリエ変換処理がターゲットのほぼ等しい広さである漏れのサイドローブによってその後支配されるので、漏れ信号が実際に小さなターゲットを覆い隠す負の効果を有する。校正プロセスの結果としての予測された漏れ信号が正確でないと、測定漏れ信号の振幅は成長するであろうし、かつ信号は周波数ドリフトにも見舞われ得る。周波数ドリフトはそれを領域内に移動させ次に、単一のピーク以外の2個の近接した間隔のピークとして現れよう。さらに、疑似ターゲットもレーダ送信器サブシステム内で各種混合段階で生成された高調波により領域内に更に出現しよう。
多重アンテナビームを必要とする広域走査レーダシステムのため、多重ビームを生成するためレーダエネルギが進行しうる各々特有経路の漏れ信号を計算しなければならない。さらに、信号は大きな温度変化などの環境の相違により変化しうるので、漏れも各々の使用中に計算されなければならない。さらに、泥などの破片がアンテナレードームで高密度に固められると、増大減衰並びに追加反射を引き起こし、このリターン信号はより大きな事実上の漏れ信号としての一因となるはずである。
この発明のある動作モードでは、仮定された漏れが除去された後で、残余信号の信号振幅に基づいて必要に応じ、漏れ校正プロセスが実時間で漏れ信号を収集する。別の動作モードでは、漏れプロセスは連続的にしかし低下データ転送率で、例えば50から100走査毎に漏れ信号を収集する。また別の動作モードでは、所定アンテナビーム内に漏れ以外の著しい信号振幅が存在しない時はいつでも漏れ信号が収集され、所定アンテナビームは無信号の場合は常に自由時間を有しそれが記録処理でないかぎり校正を行う利点を提供する。校正プロセスは、漏れ信号の多数の事例を収集するステップと平均信号を生成して漏れ校正信号として使用されるステップとを含んでいる。ある実施の形態では、収集された漏れ信号は再帰的線形予測器、即ち、カルマンフィルタを使用してLFM波形の各データポイントで以前の漏れテンプレートと任意に結合される。
この発明の混成アナログ/デジタル形式の実施の形態では、漏れ信号はアナログ形式に戻し変換され、その後漏れとターゲット情報を含む入力レーダ信号から減算される。差の信号はその後、可変利得を用いて基準化され、従来技術のシステムに対するよりはるかに大きなシステムダイナミックレンジのために供される。
従って、この発明のひとつの目的は、MBAアーキテクチャレーダシステムの各ビームの漏れ信号を記憶かつ除去する改良した手段を提供することである。
この発明の別の目的は、長い期間放置したレーダシステムを作動することができ、システム動作特性を僅かに変化させかつ漏れ除去を引起して最適を外れる環境変化、システム疲労または非重要部品疲労によるレーダシステムの動作特性における変化を克服する改良した手段を提供することである。
更にこの発明のまた別の目的は、レーダを衝突予測に必要とされる機能を発揮できなくしてしまう特別動作モードにすることなく、漏れ信号情報を収集する改良した手段を提供することである。
更にこの発明のまた別の目的は、漏れ信号を算出しかつ除去する最適手段を提供することである。
更にこの発明のまた別の目的は、改良したターゲット検出能力を供給することである。
これらの目的に従ってこの発明のひとつの特徴は、漏れ信号が前もって計算され非破壊メモリにデジタル形式で記憶されるということである。
この発明のまた別の特徴は、個別漏れ信号が各個別レーダビームに対して記憶されることである。
この発明のまた別の特徴は、各個別レーダビームが別々に校正されることである。
この発明のまた別の特徴は、漏れ除去プロセスが連続的にモニタされレーダシステムを再校正する必要性を試験することである。
この発明のまた別の特徴は、レーダシステム内の背景タスクとして連続的に作動していることである。
この発明のまた別の特徴は、動的校正が漏れと関連する周波数の従来既知の領域内で漏れが除去される信号振幅に基づいて必要に応じて行なわれることである。
この発明のまた別の特徴は、再校正が必要ならばまた必要な時に、システムがこの機能をシステムの主な動作モードを中断することなく実行することである。
この発明のまた別の特徴は、新規に獲得した漏れデータが特定レーダの雑音統計量及び各種構成部品の安定性による漏れ安定性に関するシステムの以前に規範となった挙動に基づいて、最適線形予測技術、即ち、カルマンフィルタリングにより記憶漏れデータに最適に結合されることである。
この発明のまた別の特徴は可変利得増幅器を内蔵してMBAアンテナアレイの各ビームの信号強度を最大にすることである。
この発明のまた別の特徴は、システムが同等または改良された性能のためにより低解像度のアナログ−デジタル変換器を使用できることである。
この発明のまた別の特徴は、システムが漏れの時間変動をデジタル形式で追従し、その後入力信号から除去のためこれをアナログ形式へ変換することである。
この発明のまた別の特徴は、漏れが各ビームに対して個別に除去され、かつ各ビームの信号が同一振幅に基準化され各ビームのダイナミックレンジを最大にすることにより、全ターゲット検出能力を改良することである。
この発明の具体的な特徴は、多数の付随する利点を提供する。従来技術に対するこの発明の1つの利点は、デジタル形式で記憶された漏れ信号を内蔵することにより各ビーム用の高価で嵩ばる遅延ラインを要せずまたは遅延ラインのそれぞれを駆動する高速RFスイッチの必要性もないことである。
この発明の別の利点は、関連する校正プロセスがレーダ動作の変更も及び操作者の介在も必要としないことである。
この発明のまた別の利点は、適切に校正された漏れ信号がなくても、僅かに品位の劣るモードであるが校正が終了してかつ漏れが十分除去されるまでシステムは動作を継続することである。
この発明の別の利点は、漏れ性能の動的試験により、システムがレーダ変更の環境または動作上の特性として容易に自己適合できることである。
この発明の別の利点は、継続的な漏れ追跡及び更新により、システムがレーダ変更の環境または動作上の特性として容易に自己適合できることである。
この発明の別の利点は、アナログ形式、アナログ減算及アナログ利得に変換することにより、量子化誤差による雑音を小さくすることである。
この発明の別の利点は、デジタル−アナログ変換器に使用するビット数を増加することによりシステムダイナミックレンジを改良することができることである。
この発明の別の利点は、システム費用の低減のため提供されるデジタル−アナログ変換器に使用するビット数を量子化誤差による雑音を変化させることなく減少できることである。
この発明の別の利点は、通常のシステム動作モードを中断せずに、予測衝突レーダセンサが車両及びその乗員を継続して保護できることである。
この発明の別の利点は、入力データを既存データに結合することにより、漏れ除去プロセスが最適ターゲット信号検出能力及び改良した全システム性能を提供することである。
この発明の別の利点は、関連レーダシステムが温度、気候及びレードーム上の破片などの環境上の影響に対して比較的不感受性であることである。
この発明の別の利点は、システムがターゲットの存在中であっても漏れデータを収集できることである。
漏れ信号のデジタル記憶装置は、漏れ信号特有の変化に至りうるレーダハードウェア環境の変化に自己適応させることができる高度に柔軟で基準化可能なシステムを供給する。さらに、漏れを連続的に変化させる能力及びシステムの通常処理を中断することなく、その漏れ信号を再計算する能力が自動車衝突予測のため必要とされるような非常に強固で信頼できるシステムのため備えられる。
この発明のこれらと他の目的、特徴及び利点は、添付図面を参照して好ましい実施の形態の次の詳細な記述を読みかつ末尾に添付した請求の範囲に従って見た後、更に十分に理解されよう。この発明は自動車の衝突予測への適用において記載されているが、この発明が多重ビームアパーチャがCWモードで作動している場合の他のレーダの応用に適用され得ることは当業者にとって理解されよう。
【図面の簡単な説明】
図1はこの発明のブロック図を示す図面である。
図2はこの発明の第1の実施の形態による信号処理のブロック図を示す図面である。
図3はこの発明の第2の実施の形態による信号処理のブロック図を示す図面である。
図4は漏れ信号の時間レードーム特性を示すグラフである。
図5は時間に対するカルマン利得の値を示すグラフである。
図6は漏れによってなまらせたレーダリターン信号振幅走査を示すグラフである。
図7はこの発明による漏れ成分の除去後のレーダリターン信号を示すグラフである。
好適態様の詳細な説明
図1において、レーダシステム10には、ダイレクトデジタルシンセサイザ(DDS)24が組み込まれて信号処理器30の制御下で周波数の特定シーケンスを合成する。ダイレクトデジタルシンセサイザ24は、例えば40から100ナノ秒間隔以内に周波数を変えることによって生成された周波数を非常に迅速に変化させる。ダイレクトデジタルシンセサイザ24は、当業者にとって理解できるように、要望された周波数帯全体を網羅するオフセット周波数のくし形フィルタネットワークを有する単一専用高帯域装置によりまたは既製狭帯域シンセサイザにより形成されてもよい。中間周波数(IF)発振源26はダイレクトデジタルシンセサイザ24の出力にミキサ18.3によって混合され、ミキサ18.3からの出力はダイレクトリファレンス発振器(DRO)20からの、またはガンダイオードからミキサ18.1によって、出力と混合することによりさらに上方変換され、その結果ほぼ47GHzの周波数を有するRF伝送信号を生ずる。RF伝送信号は信号を1個又は多数のアンテナ12.1、12.2及び12.3の1個又は多数によって伝送させる信号処理器30の制御下でサーキュレーター16からアンテナビーム導波器14の中を通過し、その結果対象車両3の最も近接する領域を照射する。複数の固定アンテナ12.1、12.2及び12.3、単一の可動アンテナ、またはフェイズドアレイアンテナがこの発明から逸脱することなく組み込まれてもよい。
伝送された信号は固定または可動ターゲットの1個又はそれ以上から反射され、アンテナシステム12に受信される。受信信号はサーキュレーター16によってミキサ18.2へ案内され、ミキサ18.2ではダイレクトリファレンス発振器20からの出力と混合することによって下方変換され、下方変換された信号はミキサ18.4によってダイレクトデジタルシンセサイザ24の出力と混合され、ミキサ18.4では信号はさらに下方変換されて、その結果変調IFレーダ信号が生成される。
デジタル形式の手段だけによって信号が校正されかつ除去されるこの発明の第1の態様では、変調されたIFレーダ信号は経路25に追従し直交移相器(quadrature phase shifter)28によって移相され、変調されたIFレーダ信号及び直交移相したそのバージョンがそれぞれのアナログ−デジタル変換器26.1及び26.2(ADC)によって標本抽出され、その結果信号処理器30に変調されたIFレーダ信号の振幅及び位相(A、φ)を有する複合手段を提供する。
漏れが混成アナログ/デジタル手段によって補償されるこの発明の第2の態様では、信号処理器30からの漏れ信号のデジタル形式は、デジタル−アナログ変換器34(DAC)によってアナログ形式に変換され、変調されたIFレーダ信号から減算される。結果として生じる信号は、利得が信号処理器30の制御下にある増幅器38によって基準化される。調節された信号は、直交移相器28によって移相され、調節された信号及び直交移相したそのバージョン両方がそれぞれのアナログ−デジタル変換器26.1及び26.2によって標本抽出され、その結果信号処理器30に変調されたIFレーダ信号の振幅及び位相(A、φ)を有する複合手段を提供する。
両態様において、信号処理器30はレーダシステム10の視界領域内のターゲットの領域及び速度を検出しかつ衝突が起きるかどうかを予測して、そうであれば、安全拘束システム32の駆動を制御する時間信号を適切に送出し、その結果乗員の傷害が和らげられる。
図2に、LFM−CW自動車のレーダシステムの全デジタルダイナミック漏れ校正及び除去システムについての最初の態様による信号処理のブロック図を示す。
図2において、第2ミキサ18.4からの下方変換されたレーダ信号200及びその移相バージョンは、ステップ202でADC26.1及び26.2によって変換されて同相(I)及び直交移相された(Q)信号が形成される。ステップ204で、DCバイアス及びI/Q非平衡状態が除去され、その結果、図4に示すように、関連下方変換されたレーダ信号200に対応するI及びQ波形が提供される。
下方変換されたレーダ信号は受信レーダリターン信号を有する漏れ信号の総計を有する。受信レーダリターン信号は移動ターゲットによってドップラ移相される。ただし、漏れ信号は静止ターゲットからのレーダ戻りについては送信周波数と同様の一定周波数を有しているが、一般にレーダリターン信号より非常に大きな振幅を有している。多重ビームレーダシステムの各ビーム位置に向かう前もって計算された漏れ信号は、関連I及びQ波形−各ビーム位置の別々の漏れ信号−の形式のEPROMにプログラムコードと共に初めに記憶される。漏れ信号は、それについて直接デジタル合成に起因する可干渉性のために関連したレーダ搬送波及びチャープ信号と本来的に同調する。信号処理器30は、ステップ206で漏れ信号の複合I/Q波形を後継の同相直角位相標本抽出複合I/Qレーダ信号から減算し、かつステップ208での高速フーリエ変換及びステップ210での一定誤警報率(Constant False Alarm Rate)(CFAR)検出処理から構成される従来のLFM波形処理を行う。CFAR検出のプロセスは当業者にとって公知であり、例えば″Radar 5 CFAR Thresholding in Clutter and Multiple Target Situations″by Herman Rholing in IEEE Transactions on Aerospace and Electronic Systems, Vol. AES-19, No. 4. July 1983において記載されており、これは本明細書に参照として組込まれている。
CFAR検出器の出力は考えられるターゲットレポート212のリストであり、下記を含んでいる:
1.領域セル位置
2.関連多重ビームシステムにおける作動可能状態ビームのビーム数
3.信号の振幅
4.背景の振幅。
漏れ信号は、ステップ214で、漏れ位置がほぼ一定という事実に基づいて、1から2の領域のセルの内部に対して特定レーダハードウェア構成に関して、のために、漏れ信号の最大限領域セル位置を知るように予めセットされている漏れテスタによって試験される。テスタは、漏れ信号の振幅及び様態を分析する。例えば、領域スペース(FFT後)における漏れ信号の振幅がほぼ5dBのしきい値と比較され、しきい値より大きく上昇していればそれは不正確な漏れ信号を表わす。さらに、例えば、漏れ信号の様態は、FFT振幅スペースにおける3次モーメントを使用して試験される。使用される漏れ信号が正確でないと、漏れの振幅は成長し、信号は周波数ドリフトにも見舞われ、周波数ドリフトはそれを領域内に移動させ次に、単一のピーク以外の2個の近接した間隔のピークとして現れる。
結果として生じる漏れレポートが許容値以内であれば、システムは普通の動作で継続し何も行われない。漏れレポートが許容値外へ現れると、漏れ許容フラッグがセットされる。このフラッグが次のN個についてNの内のm個をセットすれば、レーダは特定ビームを使用し、ステップ216ではシステムにはフラッグが立てられ新しいビーム校正を開始する。m及びNの値は代表的には、4の内の3であると選択される。あるいはまた、校正は100走査毎に自動的に再計画するようにしてもい。システムは入力するレーダ信号を処理する最新有効漏れ信号を使用する。
新たな校正を開始するためにシステムにフラッグを立てると、特定ビームのレーダの次の通過に際して、未処理I/Qレーダデータは、通常の両処理連鎖を通って漏れ校正プロセス250に向けて送り出される。ステップ252では、連続周波数階段状LFMレーダ信号における各ステップの実行和を計算することにより、実行は熱によるガウス形雑音を平均化するフィルタを合計する。アンテナが特定のビーム位置に戻されと、この合計プロセスがMの発生のため各ビーム位置で継続し、ここで、例えば25から100の間のMの値が雑音を大幅に低減する。実行和は複合データのI及びQチャネルに関して独立して行なわれ結果として生じる漏れ信号の位相を保存する。この実行和は、連続波形サイクルのM個の多きにわたる繰返LFM波形核の各時間サンプルごとに行なわれる。例えば入力波形における時間サンプルlに対して、その値の25から100例が合計される。この処理ステップでは、各LFMデータ収集間隔の間に入力データシーケンスに対応する関連平均波形が生成される。
平均波形は、ステップ254、256及び258で濾過されて主漏れ信号及びシステムの各種ミキサの画像排除能力が限定されているため存在することがある漏れ信号のいずれかの画像を保存しながら、既知ターゲットを除去する。このような濾過は、最初ステップ254でFFTを使用して平均波形を領域スペースに伝送し;ステップ256でノッチフィルタを用いて関連ターゲットを除去し;かつ最後にステップ258で逆FFTを使用して濾過信号を時間領域に戻し伝送する;ことによって達成してもよい。ステップ256のノッチフィルタはCFAR検出ステップ210からの報告リスト212を利用して平均波形から除去するためターゲットを識別する。あるいはまた、この濾過プロセスは時間領域で実行してもよい。
一般に、ターゲットは、それらが漏れよりむしろさらに遠くの領域にあるので、漏れ信号よりLFM波形の高い周波数信号として現れる。本明細書において以前に記載したように、ターゲットが平均波形から除去されず、その後、システムが静止しかつレーダ視界に他の物体が存在する場合には、これらの物体は結果として生じる損なわれた漏れ信号に併合され、従って、漏れと共にシステムによって校正されることになる。ただし、システムが再び動作し始めると、損なわれた漏れ信号が差し引かれ、その後、減算プロセスが信号成分をそこには存在しない入力信号に効果的に加えるので、損なわれた漏れ信号を使用する校正によりすべての後続走査のその同一位置に疑似ターゲットが出現するはずである。
その後ステップ260で、濾過信号は統一的振幅の信号であるように基準化され漏れ減算論理ステップ206におけるより容易な基準化を提供し、記憶された漏れ信号がそこから減算される前に入力I/Q信号のピーク値に合うように基準化される。
ステップ252の平均波形の計算と共に、I及びQチャネルの分散波形が診断対策として使用しかつ漏れ信号の品質を確認するため計算される。I及びQチャネルの分散は、ステップ264で漏れ参照信号としてステップ260から計算された漏れ信号を記憶する前にステップ262で確認され、その結果、システムがレーダフロント終端ハードウェア問題に見舞われている場合には、非常に低品質の漏れ参照信号が発生するのを防止する。例えば、隣接ポイントより5倍大きい分散波形におけるいずれかのポイントの分散の結果として分散確認に障害が起きると、ステップ260からの計算された漏れ信号は廃棄され、漏れ校正プロセス250が繰り返される。2回試みた後で分散信号が許容値外であれば、診断フラッグがセットされ、例えば、MBAを非放射モードに切り替えることによってシステムは自己試験モードに入り、その結果、レーダシステムは内部の漏れのみを測定する。
ステップ262で、漏れ信号の分散が許容値以内であれば、計算された漏れ信号はステップ264で入力レーダ信号から漏れを除去するのに次に使用するための漏れ参照信号として記憶される。
図3にLFM自動車レーダシステムにおける混成アナログ/デジタルダイナミック形式の漏れ校正及び除去システムの第2の態様による信号処理ブロック図を示す。図3において、ステップ364からの記憶デジタル漏れ信号は、ステップ366のDAC34によってアナログ形式に変換される。システムはEPROMにおけるプログラムコードで記憶される予め計算された漏れ信号で通常動作を始め、個別の漏れ信号が各ビーム位置に関連させられかつ記憶される。ステップ366からの記憶漏れ信号はステップ301で下方変換されたレーダ信号300から減算され、結果として生じる信号はステップ303で可変利得増幅器によって基準化され、ステップ303ではその利得は本明細書中先に記載したように信号処理器30の制御下にある。調節された信号及び直角位相バージョンが標本抽出されかつそれについて試されて、ステップ302及び304の関連したデジタル形式の複合I/Q信号へ変換される。
信号処理器30は、検出を報告した各領域セルのためのN個の完全なLFM波形の1組全体にわって、ステップ308の高速フーリエ変換(FFT)、ステップ310の一定誤警報率(Constant False Alarm Rate)(CFAR)検出処理及びステップ314のドップラ処理から構成される従来のLFM波形処理を行なう。CFAR検出器の出力は考えられるターゲットレポート312のリストであり、下記を含む:
1.領域セル位置
2.ビーム数
3.信号の振幅
4.背景の振幅。
5.ターゲットのドップラ(速度)
ステップ316では、例えば、Nが約100である場合の入力レーダデータのN次走査ごとに、漏れ校正プロセス350を実行して(通常のレーダ信号処理に加えて)追従しかつ漏れ信号を更新する。ステップ352では、特定ビーム位置での完全なレーダドエルを有するMチャープが平均化され熱によるガウス形雑音を減少させる。ここで例えば、Mは通常レーダ処理における適当な雑音低減、ドップラ感度及び精度のため各ビーム位置(ドエル)での8から16個のチャープである。平均値は、複合データのI及びQチャネルに関して独立して計算され漏れ信号の位相を保存し、その結果、入力チャープ長さ、例えば64から128ポイントに等しい長さを有する漏れ信号波形が発生される。平均値は互いに平均された各波形のそれぞれのポイントにわたって計算され、その結果、平均波形が生成される。
上記平均プロセスに加えて、I及びQチャネルの関連分散波形も計算され、これからステップ354のシステムが測定分散をカルマンフィルタ段階に使用されるI及びQチャネルの関連する記憶分散に対して比較することにより漏れ信号の品質を確かめる診断を行う。この分散確認は、例えば、レーダシステムのフロント終端ハードウェア問題の結果として低品質の漏れ参照信号が発生するのを防護する。低分散はシステムに公正に計算された漏れ参照信号を廃棄して別の信号を計算させる。2回試みた後で分散信号がなお許容値外であれば、診断フラッグがセットされ、システムは自己試験モードに入る。
図4に示すように、この平均I/Q波形は正弦波の外観を呈する。漏れ信号のドリフトは時間に対する関連波形に小さな混乱を発生する傾向がある。この発明は、新しい入力データを使用してこの波形の各ポイントを独立に取扱いかつ各ポイントについて時間に対してカルマンフィルタを実行して関連カルマン利得マトリクスがステップ358で更新された後のステップ356で既存データに対する修正をもたらす。フィルタの式は当業者にとって公知である:
est_leak(i)=pred_old_leak(i)+利得*(信号(i)-pred_old_leak(i)) (1)
及び
red_old_leak(i)=S*est_leak(i=1) (2)
ここで、est_leakは予測された新しい漏れ値であり、signalは入力する新しい信号データであり、pred_old_leakは、どの漏れがこの新しい時間iである必要があるかについてフィルタからの予測値であり:かつ状態遷移マトリクスが:
ここで、ΔTは更新間の時間である。
est_leak(i)は、ひとつの2要素ベクトルであって、その第1要素は信号の同相に資するものであり、第2要素は信号の直角位相に資するものである。この式は同相がcos(余弦)(i)に比例し、直角位相部は単に時間微分(またはこのアプリケーション(速度)における)であるsin(正弦)(i)に比例しているという事実を利用している。
利得マトリクスは次式によって定義された2×2マトリクスである:
利得=Ppred*(M*Ppred*MT+NM)-1 (4)
ここで、
Ppred=S*Pest*ST+NS (5)
及び
Pest=(I=利得*M)Ppred (6)
ここで、Ppredは予測漏れ値の共分散、Pestは予測漏れの共分散マトリクスかつMはこのアプリケーションの単位行列である測定マトリクスである。Iはそのままである。
マトリクスNM及びNSは、それぞれ測定雑音マトリクス及びシステム雑音マトリクスであり、次式により与えられる:
システム雑音マトリクスはシステムに時間に対するドリフトを生じさせる任意「加速度」(直角位相微分)をモデルとして作られている。分散σI 2及びσQ 2はI及びQチャネルのそれぞれの分散であって、分散はシステムが展開されステップ354で入力データの分散と比較し性能を保証する時、予測されるものである。システム雑音マトリクスの分散の第2組は、例えば時間間隔でデータ標本抽出することによって展開中のシステムドリフト特性をモデルとして作ることにより決定される。ここで、分散の指標1及び2はそれぞれI及びQに対応する。システム雑音マトリクスのこれらの要素もシステムを調節するため基準化可能である。システムはこれらのマトリクス及びPestの予測から始めて処理を開始する。Pestは所望利得マトリクス特性であるべきものは何かに基づいてシステム展開中に予測される。利得マトリクスは、時間に対する各期間の進化をグラフにした図5に見られるようにそれぞれの繰り返しで変化する。
衝突の予測的適用のための全性能に衝撃を与えないシステムのひとつの特色はシステムが静止しかつレーダの視界中に他の物体があると、それらは同様に校正されることである。システムが再び動き始めると、校正信号はすべての後続走査のその同一位置に疑似ターゲットを出現させるはずである。この理由は漏れ信号が減算される時いかなる対応信号も存在しない場合、減算プロセスは入力波形に信号を効果的に加えるためである。静止ターゲット(ホスト車両に対して相対的な)がそれに衝突することはなくそれゆえ脅威ではないので、これは衝突予測に対する問題とはならない。また、これらの疑似ターゲットは次組の走査が通った後に最終的に校正され、漏れ校正プロセス350が再び実行される。
ステップ356からの新たに更新された漏れ信号はステップ364でプロセッサ記憶装置に記憶されその後、自動車レーダシステムと共に工場出荷された漏れ信号に基づいたEPROMの代りに使用される。ただし、EPROMは上書されないのではなく校正が工場でプログラムした校正から離れて「一人歩き」するのを防止するものである。
システムダイナミックレンジは下方変換レーダ信号300からステップ301において減算されるアナログ−デジタル変換器(DAC)によってステップ364からの記憶デジタル漏れ信号をアナログ信号へステップ366で変換して、経済的に改良する。生じる差信号は、ステップ303で可変利得増幅器38によって使用可能なダイナミックレンジのアナログ−デジタル変換器(ADC)を利用するため増幅され、その結果、量子化誤差による雑音が減少し、かつシステムダイナミックレンジが増大する。その改良は量子化雑音がシステム雑音フロア以下に低下する条件内に定められる。システムダイナミックレンジを増大させると、より小さいターゲットがシステムによって検出可能となる。
関連信号と量子化雑音との比によって表現されるようなADCのダイナミックレンジは、ADCの関連ビット数によって決定される:
SQNRADC=20*log(Px/PQ)=20*log(3/2*22*(b+1)) (9)
ここで、
PX=A2/2 (10)
PQ=(A2/3)/2(b+1) (11)
PX=最大信号電力
PQ=量子化ステップ電力
A=最大信号振幅
b=ビット数
レーダリターンは、漏れ信号及びターゲット信号の2信号構成要素から構成される。複合信号はPc=PLEAKAGE+PTARGETである。PcはADCのオバーフローを回避するためPxより小さいかまたは等しくなければならない。PcがPxに等しくセットされると、ターゲット検出のため使用可能なSQNRは漏れとターゲットとの比(LTR)によって減少する。LTRは10*logPLeakage/PTargetに等しく、例えば、代表的には40から80dBである。
漏れ信号をアナログ形式に戻し変換すると、ターゲット検出のため使用可能なダイナミックレンジの増大が可能になる。漏れテンプレートの漏れ校正信号のデジタル形式−電力PLTはDACの量子化誤差を差引いた漏れの電力PLに等しい:
QNDAC=ALeakage 23/2(m+1) (12)
PLT=PL−QNDAC (13)
ここで、mはDACのビット数である。
漏れテンプレート信号をレーダ複合信号から減算すると次式が与えられる:
Pdiff=PC−PLT=PTarget+QNDAC (14)
差信号は利得Gで増幅され、その結果生ずる増幅された信号は次式によって与えられる:
PGain=G*(PTarget+QNDAC) (15)
PGrainがADCのPXに等しくなるようにGをセットすることが好ましい。
PLeakageが減算されても漏れ信号の値がなお分かっていれば、システムSQNRは次式に等しい:
SQNRSystem=(PLeak*G+PX)/PQ=G*(3/2)*22*(b+1) (16)
QNDACがPTargetより大きい場合には、Gは1/QNDACに等しくかつSQNRは次式になる:
SQNRSystem=10*log((3/2)*22*(b+m+1)) (17)
これは、混成の実施の形態におけるADC及びDACのビット数の合計、即ち、b+mが対応するデジタル形式の実施の形態におけるADCのビット数、即ち、bに等しい場合には、単なるデジタル実施の形態における単一の比較的高価な高分解能ADCで達成されるように、同一システム信号と雑音との比が混成の実施の形態における低分解能ADC及びDACの比較的安価な組合せで達成されることを示している。
この発明の両実施の形態にあっては、漏れ校正システムは、漏れ信号の動作の長期間の変化に追従するようになっている。例えば、システムに許容値外のドリフトを引き起こすはずである温度変動が数時間のオーダになりレーダ組立体を許容値外へ熱的に膨張させるのに全く十分な熱による加熱を引き起こすことがある。しかし、例えば多量の泥がレーダの上にはねかけられ、それがレードーム特性に影響を与える場合には、システムはより迅速に反応できる。これらが短い持続時間のためか、またはより長い持続時間が漏れ参照信号計算に関する分散試験によってフラッグが立てられ、かつ直ちにサービスの配慮が必要とされる潜在的なシステム欠陥のレーダの制御処理タスクのフラッグを立てることがある場合には、損なわれるべきLFM波形を生じうる異常な電力サージなどの短期間の効果は漏れの計算に影響を与えないはずである。
図6において、この発明の動作の例として、無補償漏れ原信号はターゲットスペクトルを支配するように示されている。中間大のターゲットでも、背景に対するそれらの振幅が著しく減少するので、ターゲットを検出するのは非常に困難である。より小形のターゲットは漏れ信号の背景によって完全に覆い隠される。図7において、この発明に応じて漏れは上記動的漏れ校正プロセスによって著しく減少し、背景クラッタ及び雑音を基準にしてターゲットを検出するのを非常に容易にする。
特定の実施の形態が詳細に述べられたが、その詳細に対する各種変形実施例や代替物が開示の全教示に鑑みて展開しうることは当業者にとって理解されよう。従って、開示された特定の構成は説明のみであることを意味し、かつこの発明の精神に関して制限するものではなく、この発明の範囲には添付請求の範囲の全幅及びその同等物のいずれか及びすべてが与えられるべきである。
この出願は1997年10月16日に出願された先の米国特許仮出願番号第60/066.025の利益を請求する。
この出願は1998年1月20日に出願された先の米国特許仮出願番号第60/071、964の利益も請求する。
技術分野
この発明はレーダシステムに関し、さらに詳細には持続波レーダシステムにおいて送信器から受信器までのレーダエネルギの漏れ効果を和らげるシステム及び方法に関するものである。
発明の背景
レーダシステムはターゲットと連続的またはパルス状の何れかの電磁エネルギのビームとの相互作用の効果を検知することによって、ターゲットの距離及び/又は速度を測定する。線形周波数変調持続波(LFM CW)レーダシステムにおいて、ターゲットは電磁エネルギを連続的に照射され、その周波数は周期的パターンに従って時間的に変調される。レーダ受信器は受信及び送信信号間の周波数差からターゲットの距離を測定する。
LFM CWレーダシステムの有するひとつの問題は先ずターゲットと相互作用しないで、受信器へ直接連結される送信エネルギの1部の漏れから生じその結果、静止近接領域ターゲットとしてエイリアジングを生ずる。この漏れ信号強度はそのサイドローブがターゲットリターン信号を覆い隠すほど十分大きくなることがある。送受信両用信号アンテナを内蔵するレーダシステムはこのような漏れ問題に特に敏感である。
多くの自動車用へのCW(持続波)の応用を含めて、いくつかの従来の線形周波数変調持続波(LFM CW)は、レーダ信号を送受信するため分離アンテナを使用している。分離アンテナが漏れの問題を本質的に減少させる一方で、この方法が有する主要な困難は、分離送受信アンテナアレイを使用すると、システムのコストと寸法が法外に増大してしまうことである。
他の従来のCWレーダシステムは、受信信号を固定アナログ遅延ラインによって位相がずれる送受信号の1部とを混合することによって、受信信号中の漏れ成分を除去する。アナログ遅延ラインは漏れに正確に整合されなければならない。この方法の取り組みに伴う問題は、固定アナログ遅延ラインの遅延が温度変化などに起因する漏れの変化に応答しないことである。アナログ遅延ラインに伴う問題は、多重ビームアパーチャ(MBA)アーキテクチャレーダシステムにおいては複合化され、システムでは各ビームが個別の漏れ経路を有しており従って付随する漏れを補償する別々に遅延された信号が必要となる。ビーム数の増大に伴ない、対応する遅延ライン及び関連する高速スイッチの数により−−所定ビーム数に対して正確な遅延ラインへ切換える−−は法外に高価でありかつ大きく重く持ち運びにくくなることがある。
さらに他の従来のCWレーダシステムでは、フーリエ変換処理に先だってデータに重み付けするかまたは他にフーリエ変換からのデータの最初のN領域のセルを無視することによって、最終的な信号処理段階の漏れ信号の効果を減少させるよう試みている。サイドローブレベルを減少させるためのフーリエ変換のより強い振幅の重み付けに伴う問題は、ピーク幅を著しく拡幅してしまい、近接した間隔を置かれたターゲットやその結果レーダシステム(及びホスト車両)に近接したターゲットを認識するシステムの能力を減少させることである。明らかに、最初のN領域セルを無視することに伴なう問題は、自動車の衝突の予測と回避レーダにとって近い領域の情報が衝突までの時間及び衝突の可能性の評価に重要であるということである。
なお他のシステムではCWレーダ以外のパルスレーダを使用することにより、受信器がゲート制御され漏れ信号を無視する。自動車の衝突予測に適用した場合、パルスレーダシステムは、非常に近い領域でターゲットを検出するには非常に短いレーダパルス(6ナノ秒以下)を必要とし、短いパルスは十分な高電力で送信し遠い領域のターゲットを検出するのは困難である。従って、自動車の衝突予測のため必要に応じて近隣かつ遠方両領域のターゲットを検出するためには現行では適さない。
発明の概要
この発明は、線形周波数変調(LFM)持続波(CW)レーダにおいて漏れ信号を校正かつ除去しかつ、特に多重ビームアンテナアパーチャを必要とする自動車への適用のための実時間処理システム及び方法を提供することにより上記問題を解決する。使用される実際の波形は、後継のすべてのデータポイントがその特定の周波数値に対する環境応答に対応する場合のLFMの階段形周波数合成波である。校正は、主にレーダエネルギを送信かつ受信するため使用される共通アンテナアパーチャによる漏れ信号を予測しかつ信号を除去する手段を提供してターゲット検出能力を改良するようになされている。漏れ信号は内部のレーダ構成要素と不完全による反射と伝達から主に生じる。漏れ信号よって進む経路は非常に短いため、ほとんど常に実際のターゲットより極めて高い振幅(例えば、40から80dB)である。この振幅は信号のフーリエ変換処理がターゲットのほぼ等しい広さである漏れのサイドローブによってその後支配されるので、漏れ信号が実際に小さなターゲットを覆い隠す負の効果を有する。校正プロセスの結果としての予測された漏れ信号が正確でないと、測定漏れ信号の振幅は成長するであろうし、かつ信号は周波数ドリフトにも見舞われ得る。周波数ドリフトはそれを領域内に移動させ次に、単一のピーク以外の2個の近接した間隔のピークとして現れよう。さらに、疑似ターゲットもレーダ送信器サブシステム内で各種混合段階で生成された高調波により領域内に更に出現しよう。
多重アンテナビームを必要とする広域走査レーダシステムのため、多重ビームを生成するためレーダエネルギが進行しうる各々特有経路の漏れ信号を計算しなければならない。さらに、信号は大きな温度変化などの環境の相違により変化しうるので、漏れも各々の使用中に計算されなければならない。さらに、泥などの破片がアンテナレードームで高密度に固められると、増大減衰並びに追加反射を引き起こし、このリターン信号はより大きな事実上の漏れ信号としての一因となるはずである。
この発明のある動作モードでは、仮定された漏れが除去された後で、残余信号の信号振幅に基づいて必要に応じ、漏れ校正プロセスが実時間で漏れ信号を収集する。別の動作モードでは、漏れプロセスは連続的にしかし低下データ転送率で、例えば50から100走査毎に漏れ信号を収集する。また別の動作モードでは、所定アンテナビーム内に漏れ以外の著しい信号振幅が存在しない時はいつでも漏れ信号が収集され、所定アンテナビームは無信号の場合は常に自由時間を有しそれが記録処理でないかぎり校正を行う利点を提供する。校正プロセスは、漏れ信号の多数の事例を収集するステップと平均信号を生成して漏れ校正信号として使用されるステップとを含んでいる。ある実施の形態では、収集された漏れ信号は再帰的線形予測器、即ち、カルマンフィルタを使用してLFM波形の各データポイントで以前の漏れテンプレートと任意に結合される。
この発明の混成アナログ/デジタル形式の実施の形態では、漏れ信号はアナログ形式に戻し変換され、その後漏れとターゲット情報を含む入力レーダ信号から減算される。差の信号はその後、可変利得を用いて基準化され、従来技術のシステムに対するよりはるかに大きなシステムダイナミックレンジのために供される。
従って、この発明のひとつの目的は、MBAアーキテクチャレーダシステムの各ビームの漏れ信号を記憶かつ除去する改良した手段を提供することである。
この発明の別の目的は、長い期間放置したレーダシステムを作動することができ、システム動作特性を僅かに変化させかつ漏れ除去を引起して最適を外れる環境変化、システム疲労または非重要部品疲労によるレーダシステムの動作特性における変化を克服する改良した手段を提供することである。
更にこの発明のまた別の目的は、レーダを衝突予測に必要とされる機能を発揮できなくしてしまう特別動作モードにすることなく、漏れ信号情報を収集する改良した手段を提供することである。
更にこの発明のまた別の目的は、漏れ信号を算出しかつ除去する最適手段を提供することである。
更にこの発明のまた別の目的は、改良したターゲット検出能力を供給することである。
これらの目的に従ってこの発明のひとつの特徴は、漏れ信号が前もって計算され非破壊メモリにデジタル形式で記憶されるということである。
この発明のまた別の特徴は、個別漏れ信号が各個別レーダビームに対して記憶されることである。
この発明のまた別の特徴は、各個別レーダビームが別々に校正されることである。
この発明のまた別の特徴は、漏れ除去プロセスが連続的にモニタされレーダシステムを再校正する必要性を試験することである。
この発明のまた別の特徴は、レーダシステム内の背景タスクとして連続的に作動していることである。
この発明のまた別の特徴は、動的校正が漏れと関連する周波数の従来既知の領域内で漏れが除去される信号振幅に基づいて必要に応じて行なわれることである。
この発明のまた別の特徴は、再校正が必要ならばまた必要な時に、システムがこの機能をシステムの主な動作モードを中断することなく実行することである。
この発明のまた別の特徴は、新規に獲得した漏れデータが特定レーダの雑音統計量及び各種構成部品の安定性による漏れ安定性に関するシステムの以前に規範となった挙動に基づいて、最適線形予測技術、即ち、カルマンフィルタリングにより記憶漏れデータに最適に結合されることである。
この発明のまた別の特徴は可変利得増幅器を内蔵してMBAアンテナアレイの各ビームの信号強度を最大にすることである。
この発明のまた別の特徴は、システムが同等または改良された性能のためにより低解像度のアナログ−デジタル変換器を使用できることである。
この発明のまた別の特徴は、システムが漏れの時間変動をデジタル形式で追従し、その後入力信号から除去のためこれをアナログ形式へ変換することである。
この発明のまた別の特徴は、漏れが各ビームに対して個別に除去され、かつ各ビームの信号が同一振幅に基準化され各ビームのダイナミックレンジを最大にすることにより、全ターゲット検出能力を改良することである。
この発明の具体的な特徴は、多数の付随する利点を提供する。従来技術に対するこの発明の1つの利点は、デジタル形式で記憶された漏れ信号を内蔵することにより各ビーム用の高価で嵩ばる遅延ラインを要せずまたは遅延ラインのそれぞれを駆動する高速RFスイッチの必要性もないことである。
この発明の別の利点は、関連する校正プロセスがレーダ動作の変更も及び操作者の介在も必要としないことである。
この発明のまた別の利点は、適切に校正された漏れ信号がなくても、僅かに品位の劣るモードであるが校正が終了してかつ漏れが十分除去されるまでシステムは動作を継続することである。
この発明の別の利点は、漏れ性能の動的試験により、システムがレーダ変更の環境または動作上の特性として容易に自己適合できることである。
この発明の別の利点は、継続的な漏れ追跡及び更新により、システムがレーダ変更の環境または動作上の特性として容易に自己適合できることである。
この発明の別の利点は、アナログ形式、アナログ減算及アナログ利得に変換することにより、量子化誤差による雑音を小さくすることである。
この発明の別の利点は、デジタル−アナログ変換器に使用するビット数を増加することによりシステムダイナミックレンジを改良することができることである。
この発明の別の利点は、システム費用の低減のため提供されるデジタル−アナログ変換器に使用するビット数を量子化誤差による雑音を変化させることなく減少できることである。
この発明の別の利点は、通常のシステム動作モードを中断せずに、予測衝突レーダセンサが車両及びその乗員を継続して保護できることである。
この発明の別の利点は、入力データを既存データに結合することにより、漏れ除去プロセスが最適ターゲット信号検出能力及び改良した全システム性能を提供することである。
この発明の別の利点は、関連レーダシステムが温度、気候及びレードーム上の破片などの環境上の影響に対して比較的不感受性であることである。
この発明の別の利点は、システムがターゲットの存在中であっても漏れデータを収集できることである。
漏れ信号のデジタル記憶装置は、漏れ信号特有の変化に至りうるレーダハードウェア環境の変化に自己適応させることができる高度に柔軟で基準化可能なシステムを供給する。さらに、漏れを連続的に変化させる能力及びシステムの通常処理を中断することなく、その漏れ信号を再計算する能力が自動車衝突予測のため必要とされるような非常に強固で信頼できるシステムのため備えられる。
この発明のこれらと他の目的、特徴及び利点は、添付図面を参照して好ましい実施の形態の次の詳細な記述を読みかつ末尾に添付した請求の範囲に従って見た後、更に十分に理解されよう。この発明は自動車の衝突予測への適用において記載されているが、この発明が多重ビームアパーチャがCWモードで作動している場合の他のレーダの応用に適用され得ることは当業者にとって理解されよう。
【図面の簡単な説明】
図1はこの発明のブロック図を示す図面である。
図2はこの発明の第1の実施の形態による信号処理のブロック図を示す図面である。
図3はこの発明の第2の実施の形態による信号処理のブロック図を示す図面である。
図4は漏れ信号の時間レードーム特性を示すグラフである。
図5は時間に対するカルマン利得の値を示すグラフである。
図6は漏れによってなまらせたレーダリターン信号振幅走査を示すグラフである。
図7はこの発明による漏れ成分の除去後のレーダリターン信号を示すグラフである。
好適態様の詳細な説明
図1において、レーダシステム10には、ダイレクトデジタルシンセサイザ(DDS)24が組み込まれて信号処理器30の制御下で周波数の特定シーケンスを合成する。ダイレクトデジタルシンセサイザ24は、例えば40から100ナノ秒間隔以内に周波数を変えることによって生成された周波数を非常に迅速に変化させる。ダイレクトデジタルシンセサイザ24は、当業者にとって理解できるように、要望された周波数帯全体を網羅するオフセット周波数のくし形フィルタネットワークを有する単一専用高帯域装置によりまたは既製狭帯域シンセサイザにより形成されてもよい。中間周波数(IF)発振源26はダイレクトデジタルシンセサイザ24の出力にミキサ18.3によって混合され、ミキサ18.3からの出力はダイレクトリファレンス発振器(DRO)20からの、またはガンダイオードからミキサ18.1によって、出力と混合することによりさらに上方変換され、その結果ほぼ47GHzの周波数を有するRF伝送信号を生ずる。RF伝送信号は信号を1個又は多数のアンテナ12.1、12.2及び12.3の1個又は多数によって伝送させる信号処理器30の制御下でサーキュレーター16からアンテナビーム導波器14の中を通過し、その結果対象車両3の最も近接する領域を照射する。複数の固定アンテナ12.1、12.2及び12.3、単一の可動アンテナ、またはフェイズドアレイアンテナがこの発明から逸脱することなく組み込まれてもよい。
伝送された信号は固定または可動ターゲットの1個又はそれ以上から反射され、アンテナシステム12に受信される。受信信号はサーキュレーター16によってミキサ18.2へ案内され、ミキサ18.2ではダイレクトリファレンス発振器20からの出力と混合することによって下方変換され、下方変換された信号はミキサ18.4によってダイレクトデジタルシンセサイザ24の出力と混合され、ミキサ18.4では信号はさらに下方変換されて、その結果変調IFレーダ信号が生成される。
デジタル形式の手段だけによって信号が校正されかつ除去されるこの発明の第1の態様では、変調されたIFレーダ信号は経路25に追従し直交移相器(quadrature phase shifter)28によって移相され、変調されたIFレーダ信号及び直交移相したそのバージョンがそれぞれのアナログ−デジタル変換器26.1及び26.2(ADC)によって標本抽出され、その結果信号処理器30に変調されたIFレーダ信号の振幅及び位相(A、φ)を有する複合手段を提供する。
漏れが混成アナログ/デジタル手段によって補償されるこの発明の第2の態様では、信号処理器30からの漏れ信号のデジタル形式は、デジタル−アナログ変換器34(DAC)によってアナログ形式に変換され、変調されたIFレーダ信号から減算される。結果として生じる信号は、利得が信号処理器30の制御下にある増幅器38によって基準化される。調節された信号は、直交移相器28によって移相され、調節された信号及び直交移相したそのバージョン両方がそれぞれのアナログ−デジタル変換器26.1及び26.2によって標本抽出され、その結果信号処理器30に変調されたIFレーダ信号の振幅及び位相(A、φ)を有する複合手段を提供する。
両態様において、信号処理器30はレーダシステム10の視界領域内のターゲットの領域及び速度を検出しかつ衝突が起きるかどうかを予測して、そうであれば、安全拘束システム32の駆動を制御する時間信号を適切に送出し、その結果乗員の傷害が和らげられる。
図2に、LFM−CW自動車のレーダシステムの全デジタルダイナミック漏れ校正及び除去システムについての最初の態様による信号処理のブロック図を示す。
図2において、第2ミキサ18.4からの下方変換されたレーダ信号200及びその移相バージョンは、ステップ202でADC26.1及び26.2によって変換されて同相(I)及び直交移相された(Q)信号が形成される。ステップ204で、DCバイアス及びI/Q非平衡状態が除去され、その結果、図4に示すように、関連下方変換されたレーダ信号200に対応するI及びQ波形が提供される。
下方変換されたレーダ信号は受信レーダリターン信号を有する漏れ信号の総計を有する。受信レーダリターン信号は移動ターゲットによってドップラ移相される。ただし、漏れ信号は静止ターゲットからのレーダ戻りについては送信周波数と同様の一定周波数を有しているが、一般にレーダリターン信号より非常に大きな振幅を有している。多重ビームレーダシステムの各ビーム位置に向かう前もって計算された漏れ信号は、関連I及びQ波形−各ビーム位置の別々の漏れ信号−の形式のEPROMにプログラムコードと共に初めに記憶される。漏れ信号は、それについて直接デジタル合成に起因する可干渉性のために関連したレーダ搬送波及びチャープ信号と本来的に同調する。信号処理器30は、ステップ206で漏れ信号の複合I/Q波形を後継の同相直角位相標本抽出複合I/Qレーダ信号から減算し、かつステップ208での高速フーリエ変換及びステップ210での一定誤警報率(Constant False Alarm Rate)(CFAR)検出処理から構成される従来のLFM波形処理を行う。CFAR検出のプロセスは当業者にとって公知であり、例えば″Radar 5 CFAR Thresholding in Clutter and Multiple Target Situations″by Herman Rholing in IEEE Transactions on Aerospace and Electronic Systems, Vol. AES-19, No. 4. July 1983において記載されており、これは本明細書に参照として組込まれている。
CFAR検出器の出力は考えられるターゲットレポート212のリストであり、下記を含んでいる:
1.領域セル位置
2.関連多重ビームシステムにおける作動可能状態ビームのビーム数
3.信号の振幅
4.背景の振幅。
漏れ信号は、ステップ214で、漏れ位置がほぼ一定という事実に基づいて、1から2の領域のセルの内部に対して特定レーダハードウェア構成に関して、のために、漏れ信号の最大限領域セル位置を知るように予めセットされている漏れテスタによって試験される。テスタは、漏れ信号の振幅及び様態を分析する。例えば、領域スペース(FFT後)における漏れ信号の振幅がほぼ5dBのしきい値と比較され、しきい値より大きく上昇していればそれは不正確な漏れ信号を表わす。さらに、例えば、漏れ信号の様態は、FFT振幅スペースにおける3次モーメントを使用して試験される。使用される漏れ信号が正確でないと、漏れの振幅は成長し、信号は周波数ドリフトにも見舞われ、周波数ドリフトはそれを領域内に移動させ次に、単一のピーク以外の2個の近接した間隔のピークとして現れる。
結果として生じる漏れレポートが許容値以内であれば、システムは普通の動作で継続し何も行われない。漏れレポートが許容値外へ現れると、漏れ許容フラッグがセットされる。このフラッグが次のN個についてNの内のm個をセットすれば、レーダは特定ビームを使用し、ステップ216ではシステムにはフラッグが立てられ新しいビーム校正を開始する。m及びNの値は代表的には、4の内の3であると選択される。あるいはまた、校正は100走査毎に自動的に再計画するようにしてもい。システムは入力するレーダ信号を処理する最新有効漏れ信号を使用する。
新たな校正を開始するためにシステムにフラッグを立てると、特定ビームのレーダの次の通過に際して、未処理I/Qレーダデータは、通常の両処理連鎖を通って漏れ校正プロセス250に向けて送り出される。ステップ252では、連続周波数階段状LFMレーダ信号における各ステップの実行和を計算することにより、実行は熱によるガウス形雑音を平均化するフィルタを合計する。アンテナが特定のビーム位置に戻されと、この合計プロセスがMの発生のため各ビーム位置で継続し、ここで、例えば25から100の間のMの値が雑音を大幅に低減する。実行和は複合データのI及びQチャネルに関して独立して行なわれ結果として生じる漏れ信号の位相を保存する。この実行和は、連続波形サイクルのM個の多きにわたる繰返LFM波形核の各時間サンプルごとに行なわれる。例えば入力波形における時間サンプルlに対して、その値の25から100例が合計される。この処理ステップでは、各LFMデータ収集間隔の間に入力データシーケンスに対応する関連平均波形が生成される。
平均波形は、ステップ254、256及び258で濾過されて主漏れ信号及びシステムの各種ミキサの画像排除能力が限定されているため存在することがある漏れ信号のいずれかの画像を保存しながら、既知ターゲットを除去する。このような濾過は、最初ステップ254でFFTを使用して平均波形を領域スペースに伝送し;ステップ256でノッチフィルタを用いて関連ターゲットを除去し;かつ最後にステップ258で逆FFTを使用して濾過信号を時間領域に戻し伝送する;ことによって達成してもよい。ステップ256のノッチフィルタはCFAR検出ステップ210からの報告リスト212を利用して平均波形から除去するためターゲットを識別する。あるいはまた、この濾過プロセスは時間領域で実行してもよい。
一般に、ターゲットは、それらが漏れよりむしろさらに遠くの領域にあるので、漏れ信号よりLFM波形の高い周波数信号として現れる。本明細書において以前に記載したように、ターゲットが平均波形から除去されず、その後、システムが静止しかつレーダ視界に他の物体が存在する場合には、これらの物体は結果として生じる損なわれた漏れ信号に併合され、従って、漏れと共にシステムによって校正されることになる。ただし、システムが再び動作し始めると、損なわれた漏れ信号が差し引かれ、その後、減算プロセスが信号成分をそこには存在しない入力信号に効果的に加えるので、損なわれた漏れ信号を使用する校正によりすべての後続走査のその同一位置に疑似ターゲットが出現するはずである。
その後ステップ260で、濾過信号は統一的振幅の信号であるように基準化され漏れ減算論理ステップ206におけるより容易な基準化を提供し、記憶された漏れ信号がそこから減算される前に入力I/Q信号のピーク値に合うように基準化される。
ステップ252の平均波形の計算と共に、I及びQチャネルの分散波形が診断対策として使用しかつ漏れ信号の品質を確認するため計算される。I及びQチャネルの分散は、ステップ264で漏れ参照信号としてステップ260から計算された漏れ信号を記憶する前にステップ262で確認され、その結果、システムがレーダフロント終端ハードウェア問題に見舞われている場合には、非常に低品質の漏れ参照信号が発生するのを防止する。例えば、隣接ポイントより5倍大きい分散波形におけるいずれかのポイントの分散の結果として分散確認に障害が起きると、ステップ260からの計算された漏れ信号は廃棄され、漏れ校正プロセス250が繰り返される。2回試みた後で分散信号が許容値外であれば、診断フラッグがセットされ、例えば、MBAを非放射モードに切り替えることによってシステムは自己試験モードに入り、その結果、レーダシステムは内部の漏れのみを測定する。
ステップ262で、漏れ信号の分散が許容値以内であれば、計算された漏れ信号はステップ264で入力レーダ信号から漏れを除去するのに次に使用するための漏れ参照信号として記憶される。
図3にLFM自動車レーダシステムにおける混成アナログ/デジタルダイナミック形式の漏れ校正及び除去システムの第2の態様による信号処理ブロック図を示す。図3において、ステップ364からの記憶デジタル漏れ信号は、ステップ366のDAC34によってアナログ形式に変換される。システムはEPROMにおけるプログラムコードで記憶される予め計算された漏れ信号で通常動作を始め、個別の漏れ信号が各ビーム位置に関連させられかつ記憶される。ステップ366からの記憶漏れ信号はステップ301で下方変換されたレーダ信号300から減算され、結果として生じる信号はステップ303で可変利得増幅器によって基準化され、ステップ303ではその利得は本明細書中先に記載したように信号処理器30の制御下にある。調節された信号及び直角位相バージョンが標本抽出されかつそれについて試されて、ステップ302及び304の関連したデジタル形式の複合I/Q信号へ変換される。
信号処理器30は、検出を報告した各領域セルのためのN個の完全なLFM波形の1組全体にわって、ステップ308の高速フーリエ変換(FFT)、ステップ310の一定誤警報率(Constant False Alarm Rate)(CFAR)検出処理及びステップ314のドップラ処理から構成される従来のLFM波形処理を行なう。CFAR検出器の出力は考えられるターゲットレポート312のリストであり、下記を含む:
1.領域セル位置
2.ビーム数
3.信号の振幅
4.背景の振幅。
5.ターゲットのドップラ(速度)
ステップ316では、例えば、Nが約100である場合の入力レーダデータのN次走査ごとに、漏れ校正プロセス350を実行して(通常のレーダ信号処理に加えて)追従しかつ漏れ信号を更新する。ステップ352では、特定ビーム位置での完全なレーダドエルを有するMチャープが平均化され熱によるガウス形雑音を減少させる。ここで例えば、Mは通常レーダ処理における適当な雑音低減、ドップラ感度及び精度のため各ビーム位置(ドエル)での8から16個のチャープである。平均値は、複合データのI及びQチャネルに関して独立して計算され漏れ信号の位相を保存し、その結果、入力チャープ長さ、例えば64から128ポイントに等しい長さを有する漏れ信号波形が発生される。平均値は互いに平均された各波形のそれぞれのポイントにわたって計算され、その結果、平均波形が生成される。
上記平均プロセスに加えて、I及びQチャネルの関連分散波形も計算され、これからステップ354のシステムが測定分散をカルマンフィルタ段階に使用されるI及びQチャネルの関連する記憶分散に対して比較することにより漏れ信号の品質を確かめる診断を行う。この分散確認は、例えば、レーダシステムのフロント終端ハードウェア問題の結果として低品質の漏れ参照信号が発生するのを防護する。低分散はシステムに公正に計算された漏れ参照信号を廃棄して別の信号を計算させる。2回試みた後で分散信号がなお許容値外であれば、診断フラッグがセットされ、システムは自己試験モードに入る。
図4に示すように、この平均I/Q波形は正弦波の外観を呈する。漏れ信号のドリフトは時間に対する関連波形に小さな混乱を発生する傾向がある。この発明は、新しい入力データを使用してこの波形の各ポイントを独立に取扱いかつ各ポイントについて時間に対してカルマンフィルタを実行して関連カルマン利得マトリクスがステップ358で更新された後のステップ356で既存データに対する修正をもたらす。フィルタの式は当業者にとって公知である:
est_leak(i)=pred_old_leak(i)+利得*(信号(i)-pred_old_leak(i)) (1)
及び
red_old_leak(i)=S*est_leak(i=1) (2)
ここで、est_leakは予測された新しい漏れ値であり、signalは入力する新しい信号データであり、pred_old_leakは、どの漏れがこの新しい時間iである必要があるかについてフィルタからの予測値であり:かつ状態遷移マトリクスが:
ここで、ΔTは更新間の時間である。
est_leak(i)は、ひとつの2要素ベクトルであって、その第1要素は信号の同相に資するものであり、第2要素は信号の直角位相に資するものである。この式は同相がcos(余弦)(i)に比例し、直角位相部は単に時間微分(またはこのアプリケーション(速度)における)であるsin(正弦)(i)に比例しているという事実を利用している。
利得マトリクスは次式によって定義された2×2マトリクスである:
利得=Ppred*(M*Ppred*MT+NM)-1 (4)
ここで、
Ppred=S*Pest*ST+NS (5)
及び
Pest=(I=利得*M)Ppred (6)
ここで、Ppredは予測漏れ値の共分散、Pestは予測漏れの共分散マトリクスかつMはこのアプリケーションの単位行列である測定マトリクスである。Iはそのままである。
マトリクスNM及びNSは、それぞれ測定雑音マトリクス及びシステム雑音マトリクスであり、次式により与えられる:
システム雑音マトリクスはシステムに時間に対するドリフトを生じさせる任意「加速度」(直角位相微分)をモデルとして作られている。分散σI 2及びσQ 2はI及びQチャネルのそれぞれの分散であって、分散はシステムが展開されステップ354で入力データの分散と比較し性能を保証する時、予測されるものである。システム雑音マトリクスの分散の第2組は、例えば時間間隔でデータ標本抽出することによって展開中のシステムドリフト特性をモデルとして作ることにより決定される。ここで、分散の指標1及び2はそれぞれI及びQに対応する。システム雑音マトリクスのこれらの要素もシステムを調節するため基準化可能である。システムはこれらのマトリクス及びPestの予測から始めて処理を開始する。Pestは所望利得マトリクス特性であるべきものは何かに基づいてシステム展開中に予測される。利得マトリクスは、時間に対する各期間の進化をグラフにした図5に見られるようにそれぞれの繰り返しで変化する。
衝突の予測的適用のための全性能に衝撃を与えないシステムのひとつの特色はシステムが静止しかつレーダの視界中に他の物体があると、それらは同様に校正されることである。システムが再び動き始めると、校正信号はすべての後続走査のその同一位置に疑似ターゲットを出現させるはずである。この理由は漏れ信号が減算される時いかなる対応信号も存在しない場合、減算プロセスは入力波形に信号を効果的に加えるためである。静止ターゲット(ホスト車両に対して相対的な)がそれに衝突することはなくそれゆえ脅威ではないので、これは衝突予測に対する問題とはならない。また、これらの疑似ターゲットは次組の走査が通った後に最終的に校正され、漏れ校正プロセス350が再び実行される。
ステップ356からの新たに更新された漏れ信号はステップ364でプロセッサ記憶装置に記憶されその後、自動車レーダシステムと共に工場出荷された漏れ信号に基づいたEPROMの代りに使用される。ただし、EPROMは上書されないのではなく校正が工場でプログラムした校正から離れて「一人歩き」するのを防止するものである。
システムダイナミックレンジは下方変換レーダ信号300からステップ301において減算されるアナログ−デジタル変換器(DAC)によってステップ364からの記憶デジタル漏れ信号をアナログ信号へステップ366で変換して、経済的に改良する。生じる差信号は、ステップ303で可変利得増幅器38によって使用可能なダイナミックレンジのアナログ−デジタル変換器(ADC)を利用するため増幅され、その結果、量子化誤差による雑音が減少し、かつシステムダイナミックレンジが増大する。その改良は量子化雑音がシステム雑音フロア以下に低下する条件内に定められる。システムダイナミックレンジを増大させると、より小さいターゲットがシステムによって検出可能となる。
関連信号と量子化雑音との比によって表現されるようなADCのダイナミックレンジは、ADCの関連ビット数によって決定される:
SQNRADC=20*log(Px/PQ)=20*log(3/2*22*(b+1)) (9)
ここで、
PX=A2/2 (10)
PQ=(A2/3)/2(b+1) (11)
PX=最大信号電力
PQ=量子化ステップ電力
A=最大信号振幅
b=ビット数
レーダリターンは、漏れ信号及びターゲット信号の2信号構成要素から構成される。複合信号はPc=PLEAKAGE+PTARGETである。PcはADCのオバーフローを回避するためPxより小さいかまたは等しくなければならない。PcがPxに等しくセットされると、ターゲット検出のため使用可能なSQNRは漏れとターゲットとの比(LTR)によって減少する。LTRは10*logPLeakage/PTargetに等しく、例えば、代表的には40から80dBである。
漏れ信号をアナログ形式に戻し変換すると、ターゲット検出のため使用可能なダイナミックレンジの増大が可能になる。漏れテンプレートの漏れ校正信号のデジタル形式−電力PLTはDACの量子化誤差を差引いた漏れの電力PLに等しい:
QNDAC=ALeakage 23/2(m+1) (12)
PLT=PL−QNDAC (13)
ここで、mはDACのビット数である。
漏れテンプレート信号をレーダ複合信号から減算すると次式が与えられる:
Pdiff=PC−PLT=PTarget+QNDAC (14)
差信号は利得Gで増幅され、その結果生ずる増幅された信号は次式によって与えられる:
PGain=G*(PTarget+QNDAC) (15)
PGrainがADCのPXに等しくなるようにGをセットすることが好ましい。
PLeakageが減算されても漏れ信号の値がなお分かっていれば、システムSQNRは次式に等しい:
SQNRSystem=(PLeak*G+PX)/PQ=G*(3/2)*22*(b+1) (16)
QNDACがPTargetより大きい場合には、Gは1/QNDACに等しくかつSQNRは次式になる:
SQNRSystem=10*log((3/2)*22*(b+m+1)) (17)
これは、混成の実施の形態におけるADC及びDACのビット数の合計、即ち、b+mが対応するデジタル形式の実施の形態におけるADCのビット数、即ち、bに等しい場合には、単なるデジタル実施の形態における単一の比較的高価な高分解能ADCで達成されるように、同一システム信号と雑音との比が混成の実施の形態における低分解能ADC及びDACの比較的安価な組合せで達成されることを示している。
この発明の両実施の形態にあっては、漏れ校正システムは、漏れ信号の動作の長期間の変化に追従するようになっている。例えば、システムに許容値外のドリフトを引き起こすはずである温度変動が数時間のオーダになりレーダ組立体を許容値外へ熱的に膨張させるのに全く十分な熱による加熱を引き起こすことがある。しかし、例えば多量の泥がレーダの上にはねかけられ、それがレードーム特性に影響を与える場合には、システムはより迅速に反応できる。これらが短い持続時間のためか、またはより長い持続時間が漏れ参照信号計算に関する分散試験によってフラッグが立てられ、かつ直ちにサービスの配慮が必要とされる潜在的なシステム欠陥のレーダの制御処理タスクのフラッグを立てることがある場合には、損なわれるべきLFM波形を生じうる異常な電力サージなどの短期間の効果は漏れの計算に影響を与えないはずである。
図6において、この発明の動作の例として、無補償漏れ原信号はターゲットスペクトルを支配するように示されている。中間大のターゲットでも、背景に対するそれらの振幅が著しく減少するので、ターゲットを検出するのは非常に困難である。より小形のターゲットは漏れ信号の背景によって完全に覆い隠される。図7において、この発明に応じて漏れは上記動的漏れ校正プロセスによって著しく減少し、背景クラッタ及び雑音を基準にしてターゲットを検出するのを非常に容易にする。
特定の実施の形態が詳細に述べられたが、その詳細に対する各種変形実施例や代替物が開示の全教示に鑑みて展開しうることは当業者にとって理解されよう。従って、開示された特定の構成は説明のみであることを意味し、かつこの発明の精神に関して制限するものではなく、この発明の範囲には添付請求の範囲の全幅及びその同等物のいずれか及びすべてが与えられるべきである。
Claims (32)
- 持続波レーダシステムの漏れ除去方法であって、
a.下方変換レーダリターン信号の同相かつ直角位相成分であって、各前記成分が周波数の繰返しシーケンスを含む関連波形を有する同相かつ直角位相成分を標本抽出するステップと:
b.記憶された漏れ信号の同相かつ直角位相成分を減算して合成信号を形成するステップと;
c.合成信号からの少なくとも1つの第1測定値を対応する少なくとも1つの第1しきい値と比較するステップと:
d.少なくとも1つの第1測定値がレーダリターン信号のN個の連続サンプルの内のm個に対して対応する少なくとも1つの第1しきい値を超過する場合に漏れ校正を行うステップを含み、
該漏れ校正が
i)下方変換レーダリターン信号の連続する同相波形の実行平均値を、繰返しシーケンスのそれぞれの要素を連続繰返しシーケンス全体にわたって、平均することにより計算して、関連平均化同相波形を発生すること;
ii)下方変換レーダリターン信号の連続する直角位相波形の実行平均値を繰返しシーケンスのそれぞれの要素を連続繰返しシーケンス全体にわたって、平均することにより計算して、関連平均直角位相波形を発生し、該同相波形及び該直角位相波形が平均漏れ信号を構成すること;
iii)平均漏れ信号に関連する少なくとも1つの分散波形を計算すること;
iv)少なくとも1つの分散波形の少なくとも1つの第2測定値を対応する少なくとも1つの第2しきい値と比較すること;
v)少なくとも1つの分散波形の少なくとも1つの第2測定値が対応する少なくとも1つの第2しきい値未満である場合には、平均漏れ信号を記憶漏れ信号として記憶すること;を含む、
前記方法。 - 記憶漏れ信号が予め計算された値に初めにセットされる、請求項1に記載の持続波レーダシステムの漏れ除去方法。
- 下方変換レーダリターン信号の大きさに応じて記憶漏れ信号を基準化するステップをさらに含む、請求項1に記載の持続波レーダシステムの漏れ除去方法。
- 記憶漏れ信号が基準化されて下方変換レーダリターン信号と同一のピーク振幅を有する、請求項3に記載の持続波レーダシステムの漏れ除去方法。
- 少なくとも1つの第1測定値が合成信号の漏れ成分の最大振幅を有する、請求項1に記載の持続波レーダシステムの漏れ除去方法。
- 第1測定値が合成信号の漏れ成分に対応する周波数の所定領域内で試験される、請求項5に記載の持続波レーダシステムの漏れ除去方法。
- 少なくとも1つの第1測定値が合成信号の漏れ成分の様態を含む、請求項1に記載の持続波レーダシステムの漏れ除去方法。
- 少なくとも1つの第1しきい値が合成信号の漏れ成分に多数の密に間隔を置いたピークを含む、請求項7に記載の持続波レーダシステムの漏れ除去方法。
- 少なくとも1つの第1測定値が合成信号の漏れ成分の領域定義域に3次モーメントを含む、請求項7に記載の持続波レーダシステムの漏れ除去方法。
- 平均漏れ信号を記憶するに先だって平均漏れ信号を基準化するステップをさらに含む、請求項7に記載の持続波レーダシステムの漏れ除去方法。
- 持続波レーダシステムが変調された段階線形周波数であり、下方変換レーダリターン信号を処理するステップをさらに含むことにより、レーダリターン信号によって表示されたゼロまたは多数のターゲットに対する領域を測定する、請求項9に記載の持続波レーダシステムの漏れ除去方法。
- 下方変換レーダリターン信号を処理するステップが高速フーリエ変換及び一定誤警報率検出処理のステップを含む、請求項9に記載の持続波レーダシステムの漏れ除去方法。
- 一定誤警報率検出処理ステップが領域セル位置、レーダビーム数、レーダリターン信号の振幅及びレーダリターン信号の背景の振幅とから成る群から選択された少なくとも1つの測定値を提供する、請求項12に記載の持続波レーダシステムの漏れ除去方法。
- 一定誤警報率検出処理ステップによって平均漏れ信号から検出されたターゲットを除去するステップをさらに含む、請求項13に記載の持続波レーダシステムの漏れ除去方法。
- ターゲットを除去するステップが平均漏れ信号を高速フーリエ変換して、周波数定義域信号を形成し、一定誤警報率検出処理ステップによって検出されたターゲットに応じて周波数定義域信号をノッチ濾過して、ノッチ濾過された信号を形成し、かつノッチ濾過された信号を逆高速フーリエ変換して、平均漏れ信号の代替品を形成するステップを含む、請求項14に記載の持続波レーダシステムの漏れ除去方法。
- 一定誤警報率検出処理ステップにおいてターゲットが検出されない場合漏れ校正を行うステップが行なわれる、請求項13に記載の持続波レーダシステムの漏れ除去方法。
- 持続波レーダシステムが多重ビームアレイを含み、記憶漏れ信号が前記多重ビームアレイの各ビーム位置に対して別個であり、かつ漏れ校正を行うステップが前記多重ビームアレイの各ビーム位置に対して別々に行なわれる、請求項1に記載の持続波レーダシステムの漏れ除去方法。
- 持続波レーダシステムの漏れ除去方法であって、
a.記憶漏れ信号を下方変換レーダリターン信号から減算して、合成信号を形成するステップであって、下方変換レーダリターン信号が周波数の繰返しシーケンスを含むステップと:
b.周波数の繰返しシーケンスのN次発生毎に漏れ校正を行うステップを含み、該漏れ校正が、
i)連続する合成信号の平均を繰返しシーケンスのそれぞれの要素を連続繰返しシーケンス全体にわたって平均することにより計算して、関連平均漏れ信号を発生すること;
ii)平均漏れ信号に関連する少なくとも1つの分散波形を計算すること;
iii)少なくとも1つの分散波形の少なくとも1つの測定値を対応する少なくとも1つのしきい値と比較すること;
iv)記憶漏れ信号を平均漏れ信号とカルマンフィルタによって組合せて、少なくとも1つの分散波形の少なくとも1つの測定値が対応する少なくとも1つのしきい値より小さい場合に、更新漏れ信号を形成すること;
v)更新漏れ信号を記憶漏れ信号として記憶すること;を含む、
前記方法。 - カルマンフィルタがレーダシステムの雑音統計量に応答する、請求項18に記載の持続波レーダシステムの漏れ除去方法。
- カルマンフィルタがレーダシステムの漏れ安定性に応答する、請求項18に記載の持続波レーダシステムの漏れ除去方法。
- カルマンフィルタがレーダシステムの安定性に応答する、請求項18に記載の持続波レーダシステムの漏れ除去方法。
- カルマンフィルタの少なくとも1つの利得マトリクスを更新するステップをさらに含む、請求項18項に記載の持続波レーダシステムの漏れ除去方法。
- 持続波レーダシステムの漏れ除去方法であって、
a.記憶漏れ信号をデジタル形式からアナログ形式へ変換して、アナログ漏れ信号を形成するステップと:
b.アナログ漏れ信号を下方変換レーダリターン信号から減算して、合成信号を形成するステップと:
c.合成信号の同相かつ直角位相成分であって、それぞれが周波数の繰返しシーケンスを含む関連波形を有する同相かつ直角位相成分を標本抽出するステップと:
d.周波数の繰返しシーケンスのN次発生毎に漏れ校正を行うステップを含み、該漏れ校正が、
i)繰返しシーケンスのそれぞれの要素を連続繰返しシーケンス全体にわたって平均することにより、下方変換レーダリターン信号の連続する同相波形の平均を計算して、関連平均同相波形を発生すること;
ii)繰返しシーケンスのそれぞれの要素を連続繰返しシーケンス全体にわたって平均することにより、下方変換レーダリターン信号の連続する直角位相波形の平均を計算して、関連平均直角位相波形を発生し、同相波形及び直角位相波形が平均漏れ信号を構成すること;
iii)平均漏れ信号に関連する少なくとも1つの分散波形を計算すること;
iv)少なくとも1つの分散波形の少なくとも1つの測定値を対応する少なくとも1つのしきい値と比較すること;
v)記憶漏れ信号を、少なくとも1つの分散波形の少なくとも1つの測定値が対応する少なくとも1つのしきい値より小さい場合に、平均漏れ信号からの信号と交換すること;を含む、
前記方法。 - 合成信号を基準化するステップをさらに含む、請求項23に記載の持続波レーダシステムの漏れ除去方法。
- 合成信号の同相かつ直角位相成分を標本抽出するステップが、合成信号を少なくとも1つのアナログ−デジタル変換器でデジタル形式からアナログ形式へ変換するステップを含み、かつ合成信号を基準化するステップが少なくとも1つのアナログ−デジタル変換器のダイナミックレンジに応答する、請求項24に記載の持続波レーダシステムの漏れ除去方法。
- 持続波レーダシステムが変調された段階線形周波数であり、下方変換レーダリターン信号を処理するステップをさらに含み、レーダリターン信号によって表示されたゼロまたはそれ以上のターゲットに対する領域を測定する、請求項23に記載の持続波レーダシステムの漏れ除去方法。
- 下方変換レーダリターン信号を処理するステップが、高速フーリエ変換及び一定誤警報率検出処理ステップを含み、かつ一定誤警報率検出処理ステップが領域セル位置、レーダビーム数、レーダリターン信号の振幅及びレーダリターン信号の背景の振幅とから成る群から選択された少なくとも1つの測定値を提供する、請求項26に記載の持続波レーダシステムの漏れ除去方法。
- Nが10から1000の間である請求項23に記載の持続波レーダシステムの漏れ除去方法。
- 平均値が5から50個のサンプルに基づく請求項23に記載の持続波レーダシステムの漏れ除去方法。
- 持続波レーダシステムが多重ビームアレイを含み、記憶漏れ信号が多重ビームアレイの各ビーム位置に対して別個であり、かつ漏れ校正を行うステップが多重ビームアレイの各ビーム位置に対して別々に行なわれる、請求項23に記載の持続波レーダシステムの漏れ除去方法。
- CWレーダシステムの漏れ除去システムであって、
a.CWレーダシステム内の下方変換レーダ信号に作動可能に結合された差動増幅器、及び差動増幅器の入力と;
b.信号処理器と;
c.漏れ信号を記憶する信号処理器に作動可能に接続された記憶装置と;
d.信号処理器に作動可能に接続されたデジタル−アナログ変換器と;
e.それによって利得制御増幅器の入力が差動増幅器の出力に作動可能に接続され、かつ利得制御増幅器の利得制御が信号処理器に作動可能に接続される利得制御増幅器と;
f.それによって第1アナログ−デジタル変換器が同相信号を信号処理器へ提供する、第1アナログ−デジタル変換器、利得制御増幅器の出力に作動可能に接続された第1アナログ−デジタル変換器の入力、信号処理器に作動可能に接続された第1アナログ−デジタル変換器の出力;
g.直交移相器、及び利得制御増幅器の出力に作動可能に接続された直交移相器の入力と;
h.それによって第2アナログ−デジタル変換器が直角位相信号を信号処理器へ提供し、信号処理器が同相信号及び直角位相信号からの漏れ校正信号を計算し、信号処理器が漏れ校正信号を前記デジタル−アナログ変換器へ出力し、かつ差動増幅器がデジタル−アナログ変換器の出力での信号を下方変換レーダ信号から減算する、第2アナログ−デジタル変換器、直交移相器の出力に作動可能に接続された第2アナログ−デジタル変換器の入力、及び信号処理器に作動可能に接続された第2アナログ−デジタル変換器の出力と;を含む、
前記システム。 - 利得制御増幅器の利得が、第1及び第2のアナログ−デジタル変換器のダイナミックレンジに応答する、請求項31に記載のCWレーダシステムの漏れを除去するシステム。
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