JP3928740B2 - 移動局及び伝送品質監視方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、伝送情報が複数のパケットからなるブロック単位に分割されて伝送される無線伝送システムにおいて、フレ−ム構成に基づいて特定のブロックを選択して受信する移動局やその伝送品質監視方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ディジタル伝送技術に併せて、交換、有線伝送、無線伝送および情報処理等の技術を有機的に結合することにより、STD−27その他のディジタル移動通信システムが実用化されつつある。
このようなディジタル移動通信システムでは、音声系の伝送情報や無線チャネル設定制御にかかわる制御情報の伝送方式としてTDMA方式が採用され、移動局装置の受信系は、例えば、図11に示すように、アンテナ61の給電点に接続された受信部62と、双方向の入出力ポートを介してその受信部に従属接続されたプロセッサ63と、そのプロセッサ13の特定の出力と受信部12の制御入力との間に配置されたタイマ64とから構成される。
【0003】
また、上述したTDMA方式の下では、例えば、図12に示すように、受信専用に割り付けられたタイムスロットRと、送信専用に割り付けられたタイムスロットTと、これらのタイムスロットの間に配置され、かつ送信や受信の対象となる無線チャネル以外の無線チャネルに対するアクセスに供されるタイムスロットIとからなるマルチフレーム構成が採用される。
【0004】
さらに、上述した受信系では、受信部62は、アンテナ61によってとらえられた受信波に予め決められた復調方式に基づく復調処理を施すことにより、ベースバンド信号を生成する。プロセッサ63は、そのベースバンド信号を取り込んでビット同期をとり、かつ上述したマルチフレーム構成と各フレームの形式とに基づいてフレーム同期をとることにより、上述したタイムスロットRを介して受信された伝送情報を抽出する。
【0005】
また、プロセッサ63は、上述したフレーム同期の下でタイムスロットRの先頭(末尾)のタイミングを求める度に、そのタイミングにタイムスロットRの期間(タイムスロットIおよびタイムスロットTの期間の和)に相当する計数値を指定してタイマ64を起動する。
タイマ64は、その計数値で示される期間に渡って計時を行うことにより、タイムスロットRの末尾(後続するタイムスロットRの先頭)のタイミングを受信部62に通知する。したがって、受信部62では、タイマ64によってタイムスロットRの期間が通知され、その期間に限ってその受信部(あるいはその主要な回路)の駆動電力が供給されて受信動作が行われる(図12▲1▼)。
【0006】
さらに、プロセッサ63は、上述した無線チャネル設定制御の手順に基づいて通話中チャネル切り替え(ハンドオフ)等に先行して他の無線ゾーンの電界強度(あるいは伝送品質)を計測すべきタイミングを認識すると、同様のフレーム同期およびマルチフレーム構成の下でタイムスロットIの期間を把握し、その期間に渡って他の無線チャネルを示す識別情報とこのような計測に適応する受信動作の指令とを受信機62に与える。
【0007】
受信機62は、このような識別情報と受信指令とに応じて単一または複数の無線チャネルにかかわる上述した計測を行い、これらの結果をプロセッサ63に通知する。
プロセッサ63は、このようにして通知された結果に基づいて上述した通話中チャネル切り替え等の無線チャネル設定制御を行う。なお、このようにして他の無線チャネルの電界強度(あるいは伝送品質)を計測するためにプロセッサ63が行う一連の処理については、本願発明では、公知の多くの方式が適用可能であるからその詳細な説明をここでは省略し、かつ以下では、単に「隣接ゾーン監視処理」と称することとする。
【0008】
また、近年、移動通信システムでは、音声系の伝送情報に併せて、例えば、移動局装置とパーソナルコンピュータその他のデータ端末との併用の下で、時間軸上で不均一に分布するディジタル情報が伝送情報として送受される。
このような伝送情報の伝送については、送信端となる移動局装置(ここでは、簡単のためプロセッサ63によって制御されると仮定する。)では、上述した無線チャネル設定制御の手順として新たに付加された制御手順に基づいて該当する呼を識別し、以下の伝送方式を適用する。
【0009】
データ端末が送出する伝送情報は、時間軸上でランダムにかつバースト状に集中するビット列として生起する。プロセッサ63は、このようなビット列(以下では、図13▲1▼に示すように、「メッセージデータ」という。)をタイムスロットR、I、Tの単位スロット幅で伝送可能な語長単位に分割することにより、複数のブロック(図13▲2▼)を生成する。さらに、プロセッサ63は、伝送情報フィールドにこれらの各ブロックの内容を含むパケットを順次生成し、これらのパケットを上述したマルチフレーム構成に反して連続する複数のタイムスロットに送出する。
【0010】
また、プロセッサ63は、上述したパケットの生成の過程では、これらのパケットの制御情報の一部として、伝送情報フィールドに含まれる情報がメッセージデータを構成するブロックの何れであるかを示す2ビットのパケット種別(ここでは、簡単のため「10」は先頭パケット、「01」は最終パケット、「00」はその他の中間パケットをそれぞれ示すものとする。)と、有効語長(先頭パケットおよび中間パケットでは後続するパケットの数を示し、最終パケットではそのパケットに含まれる有効な情報のバイト(ビット)数を示す。)とを生成して付加する。
【0011】
なお、上述したメッセージデータの送信に供される送信系のハードウエアおよびその動作については、本願発明に直接関係ないので、ここではその図示および説明を省略する。
また、上述したパケットには、TDMA方式に基づいて伝送先を示す宛先とパケット単位の伝送路誤りの訂正に供されるチェックビットとが含まれる。
【0012】
一方、基地局を介して対向する伝送先のデータ端末から送出されるディジタル情報については、その基地局によって同様の伝送方式が適用される。プロセッサ63は、受信部62を介してこのような伝送方式に基づいて受信される一連のタイムスロットに上述したマルチフレーム構成およびフレーム構成に基づく解析処理を施し、そのタイムスロットがタイムスロットR、I、Tではなく上述した先頭パケット、中間パケット、最終パケットの何れかであることを認識すると、タイマ64の動作を制止すると共に、その受信部を後続するタイムスロットについても受信動作を続行可能な状態に設定する。さらにプロセッサ63は、上述したパケット種別および有効語長に基づいて伝送情報フィールドの内容を順次抽出すると共に、組み立てることにより上述したディジタル情報を復元する。
【0013】
すなわち、ディジタル情報はタイムスロットTのみを介して伝送される場合に比較して大幅に高速に伝送され、かつ後続するメッセージデータが与えられるまでの期間には同時に通話状態にある移動局装置に対しても確実にタイムスロットが割り付けられる。
したがって、全ての完了呼にかかわる通話信号の伝送路を確保しつつ、データ端末相互間においてこれらのディジタル情報の送受について要求される実時間性が担保される。
【0014】
なお、メッセージデータの語長については、同時に通話状態にある移動局が送受すべき通話信号の実時間性が確保され、かつ予め決められた伝送品質が確保できる範囲で可能な限り、送信端においてデータ端末から出力される語長が長く設定されるが、このようなメッセージデータの語長が過大である場合にはその範囲に基づいて予め決められた規定長毎の複数のメッセージデータに分割される。
【0015】
また、プロセッサ63は、上述した解析処理の下で受信されたタイムスロットがタイムスロットR、I、Tの何れかであることを認識したときには、タイムスロットRの先頭(末尾)のタイミングを求める度に、そのタイミングにタイムスロットRの期間(タイムスロットIおよびタイムスロットTの期間の和)に相当する計数値を指定する処理を再開する。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような従来例では、上述した先頭パケットないし最終パケットが受信される期間には、これらのパケットの宛先の如何にかかわらず受信部62(あるいはその主要な回路)の駆動電力が連続して供給されていた。
したがって、受信部62はTDMA方式の下で他局宛のパケットを無用に受信するために電力を消費し、特に、バッテリーによって駆動電力が供給される移動端末では、連続運転が可能な時間が短縮されたり、その受信を確保するためには大きな容量のバッテリーを搭載することが要求されていた。
【0017】
また、これらの事項は、移動端末の小型化、軽量化、低廉化およびランニングコストの低減が損なわれる大きな要因となっていた。
本発明は、マルチフレ−ム構成に適応しつつ受信部の消費電力を最小限に抑え、かつ、その受信部の稼働の有効性が高めることができる移動局や伝送品質監視方法を提供することを目的とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の移動局は、自局宛てにデ−タが送信される可能性のあるスロットであって、スロット単位に分割されたデ−タが格納されたスロットを受信する移動局において、1つのスロット内に1組だけ含まれる、宛先情報と、継続して同じ移動局宛てに送信されるスロット数を示す情報との組を受信する受信手段と、宛先情報により、受信したスロットの宛て先が自局宛てでないことを検出すると、継続して同じ移動局宛てに送信されるスロットにおいて、通信中でない他の無線チャネルの受信電界強度あるいは伝送品質の監視を行うとともに、先頭デ−タを含むスロットを受信せずに継続して送信されたデ−タを含むスロットを受信した場合に、宛先にかかわらず、継続して同じ移動局宛てに送信されるスロットにおいて、通信中でない他の無線チャネルの受信電界強度あるいは伝送品質の監視を行う監視手段とを備えることを特徴とする。
また、請求項2に記載の移動局は、宛て先情報と、先頭のデ−タであることを示す情報と、継続して同じ移動局宛てに送信されるスロット数を示す情報との組については1組だけ有する先頭デ−タを含むスロットを送信し、次の先頭デ−タを含むスロットを、前に送信した先頭デ−タを含むスロットが有するスロット数を示す情報に応じたスロット数分離した間隔で順次送信可能な基地局から送信されたスロットを受信する移動局において、先頭デ−タを含むスロットを受信し、受信した先頭デ−タを含むスロットが有する宛て先情報により、受信したスロットの宛て先が自局宛てであることを検出すると、受信した先頭デ−タを含むスロットが有する、スロット数を示す情報に応じたスロットの受信を行うとともに、次回のスロットで送信される先頭デ−タを含むスロットを受信する受信手段と、受信した先頭デ−タを含むスロットが有する宛て先情報により、受信したスロットの宛て先が自局宛てでないことを検出すると、受信した先頭デ−タを含むスロットが有するスロット数を示す情報に応じたスロット送信期間について通信中でない他の無線チャネルの受信電界強度あるいは伝送品質の監視を行うとともに、先頭デ−タを含むスロットを受信せずに継続して送信されたデ−タを含むスロットを受信した場合に、宛て先にかかわらず、継続して同じ移動局宛てに送信されるスロットにおいて、通信中でない他の無線チャネルの受信電界強度あるいは伝送品質の監視を行う監視手段と
を備えたことを特徴とする。
また、請求項3に記載の監視方法は、自局宛てにデ−タが送信される可能性のあるスロットであって、スロット単位に分割されたデ−タが格納されたスロットを受信する移動局において、1つのスロット内に1組だけ含まれる、宛先情報と、継続して同じ移動局宛てに送信されるスロット数を示す情報との組を受信する受信手段と、宛先情報により、受信したスロットの宛て先が自局宛てでないことを検出すると、継続して同じ移動局宛てに送信されるスロットにおいて、通信中でない他の無線チャネルの受信電界強度あるいは伝送品質の監視を行うとともに、先頭デ−タを含むスロットを受信せずに継続して送信されたデ−タを含むスロットを受信した場合に、宛先にかかわらず、継続して同じ移動局宛てに送信されるスロットにおいて、通信中でない他の無線チャネルの受信電界強度あるいは伝送品質の監視を行うことを特徴とする。
また、請求項4に記載の監視方法は、宛て先情報と、先頭のデ−タであることを示す情報と、継続して同じ移動局宛てに送信されるスロット数を示す情報との組については1組だけ有する先頭デ−タを含むスロットを送信し、次の先頭デ−タを含むスロットを、前に送信した先頭デ−タを含むスロットが有するスロット数を示す情報に応じたスロット数分離した間隔で順次送信可能な基地局から送信されたスロットを受信する移動局において、先頭デ−タを含むスロットを受信し、受信した先頭デ−タを含むスロットが有する宛て先情報により、受信したスロットの宛て先が自局宛てであることを検出すると、受信した先頭デ−タを含むスロットが有する、スロット数を示す情報に応じたスロットの受信を行うとともに、次回のスロットで送信される先頭デ−タを含むスロットを受信する受信手段と、受信した先頭デ−タを含むスロットが有する宛て先情報により、受信したスロットの宛て先が自局宛てでないことを検出すると、受信した先頭デ−タを含むスロットが有するス ロット数を示す情報に応じたスロット送信期間について通信中でない他の無線チャネルの受信電界強度あるいは伝送品質の監視を行うとともに、先頭デ−タを含むスロットを受信せずに継続して送信されたデ−タを含むスロットを受信した場合に、宛て先にかかわらず、継続して同じ移動局宛てに送信されるスロットにおいて、通信中でない他の無線チャネルの受信電界強度あるいは伝送品質の監視を行うことを特徴とする。
図1は、本発明の第一の原理ブロック図である。
本発明に関連する第一の発明は、伝送先が同じである伝送情報が時系列の順に一定の語長で分割されてなる個々の単位情報に、その伝送情報における順位あるいは後続の単位情報の情報量を示す数値情報と、その伝送先の識別情報とを付加するフレーム構成に基づくパケットの列で変調された無線周波信号を復調し、そのパケットの列を示すビット列を得る復調手段11と、復調手段11によって得られたビット列にフレーム構成に適応したフレーム同期の処理を施してパケットの列を復元し、そのフレーム構成に基づいて単位情報、数値情報および識別情報を抽出する通信制御手段13とを備えた無線パケット受信装置において、通信制御手段13によって抽出された数値情報および識別情報を取り込んでその識別情報が自局を示すか否かを判定し、その結果が「偽」であるときに、その数値情報とフレーム構成とに基づいて後続の単位情報の数を求め、その数とパケットの長さとの積を求めるパケット識別手段15と、パケット識別手段15によって求められた積の値に相当する期間に渡って、その復調手段11の全てあるいは一部に対する駆動電力の供給を阻止する駆動制御手段17とを備えたことを特徴とする。
【0019】
本発明に関連する第二の発明は、伝送先が同じである伝送情報が時系列の順に一定の語長で分割されてなる個々の単位情報に、その伝送情報における順位あるいは後続の単位情報の情報量を示す数値情報と、その伝送先の識別情報とを付加するフレーム構成に基づくパケットの列で変調された無線周波信号を復調し、そのパケットの列を示すビット列を得る復調手段11と、復調手段11によって得られたビット列にフレーム構成に適応したフレーム同期の処理を施してパケットの列を復元し、そのフレーム構成に基づいて単位情報、数値情報および識別情報を抽出する通信制御手段13とを備えた無線パケット受信装置において、通信制御手段13によって抽出された数値情報および識別情報を取り込んでその識別情報が自局を示すか否かを判定し、その結果が「偽」であるときに、その数値情報とフレーム構成とに基づいて後続の単位情報の数を求め、その数とパケットの長さとの積と復調手段11の立ち上がり時間との差を求めるパケット識別手段21と、パケット識別手段21によって求められた差に相当する期間に渡って、その復調手段11の全てあるいは一部に対する駆動電力の供給を阻止する駆動制御手段23とを備えたことを特徴とする。
【0020】
図2は、本発明の第二の原理ブロック図である。
本発明に関連する第三の発明は、伝送先が同じである伝送情報が時系列の順に一定の語長で分割されてなる個々の単位情報に、その伝送情報における順位あるいは後続の単位情報の情報量を示す数値情報と、その伝送先の識別情報とを付加するフレーム構成に基づくパケットの列で変調された無線周波信号を復調し、そのパケットの列を示すビット列を得る復調手段11と、復調手段11によって得られたビット列にフレーム構成に適応したフレーム同期の処理を施してパケットの列を復元し、そのフレーム構成に基づいて単位情報、数値情報および識別情報を抽出する通信制御手段13とを備えた無線パケット受信装置において、通信制御手段13によって抽出された数値情報および識別情報を取り込んでその識別情報が自局を示すか否かを判定し、その結果が「偽」であるときに、その数値情報とフレーム構成とに基づいて後続の単位情報の数を求め、その数とパケットの長さとの積と、復調手段11の全てあるいは一部の構成要素の内、立ち上がり時間の大小順に設定された複数の集合におけるその立ち上がり時間の最大値との差を個別に求めるパケット識別手段15と、パケット識別手段15によって求められた個々の差に相当する期間に渡って、これらの差に対応した集合に対する駆動電力の供給を並行して阻止する駆動制御手段23とを備えたことを特徴とする。
【0021】
図3は、本発明の第三の原理ブロック図である。
本発明に関連する第四の発明は、伝送先が同じである伝送情報が時系列の順に一定の語長で分割されてなる個々の単位情報に、その伝送情報における順位あるいは後続の単位情報の情報量を示す数値情報と、その伝送先の識別情報とを付加するフレーム構成に基づくパケットの列で変調された無線周波信号を復調し、そのパケットの列を示すビット列を得る復調手段11と、復調手段11によって得られたビット列にフレーム構成に適応したフレーム同期の処理を施してパケットの列を復元し、そのフレーム構成に基づいて単位情報、数値情報および識別情報を抽出する通信制御手段13と、無線周波信号が受信波として到来する位置における複数の無線チャネルについて、無線チャネル設定制御の手順に基づいて受信電界強度あるいは伝送品質の監視を行う監視手段31とを備えた無線パケット受信装置において、通信制御手段13によって抽出された数値情報および識別情報を取り込んでその識別情報が自局を示すか否かを判定し、その結果が「偽」であるときに、その数値情報とフレーム構成とに基づいて後続の単位情報の数を求め、その数とパケットの長さとの積を求めるパケット識別手段15を備え、監視手段31には、パケット識別手段15によって求められた積の値に相当する期間に渡って、監視を行う手段を有することを特徴とする。
【0022】
本発明に関連する第五の発明は、伝送先が同じである伝送情報が時系列の順に一定の語長で分割されてなる個々の単位情報に、その伝送情報における順位あるいは後続の単位情報の情報量を示す数値情報と、その伝送先の識別情報とを付加するフレーム構成に基づくパケットの列で変調された無線周波信号を復調し、そのパケットの列を示すビット列を得る復調手段11と、復調手段11によって得られたビット列にフレーム構成に適応したフレーム同期の処理を施してパケットの列を復元し、そのフレーム構成に基づいて単位情報、数値情報および識別情報を抽出する通信制御手段13と、無線周波信号が受信波として到来する位置における複数の無線チャネルについて、無線チャネル設定制御の手順に基づいて受信電界強度あるいは伝送品質の監視を行う監視手段31とを備えた無線パケット受信装置において、通信制御手段13によって抽出された数値情報および識別情報を取り込んでその識別情報が自局を示すか否かを判定し、その結果が「偽」であるときに、その数値情報とフレーム構成とに基づいて後続の単位情報の数を求め、その数とパケットの長さとの積と復調手段11の立ち上がり時間との差を求めるパケット識別手段15を備え、監視手段31には、パケット識別手段15によって求められた差に相当する期間に渡って、監視を行う手段を有することを特徴とする。
本発明に関連する第六の発明は、本発明に関連する第一ないし第五の発明において、パケット識別手段15には、フレーム構成と通信制御手段13によって抽出された数値情報とに基づいて伝送情報の先頭に対応した先頭パケットを識別し、識別情報が自局を示すか否かの判定の対象をその先頭パケットに限定する手段を含むことを特徴とする。
本発明に関連する第七の発明は、本発明に関連する第六の発明において、パケット識別手段15には、フレーム構成と通信制御手段13によって抽出された数値情報とに基づいて先頭パケットに後続するパケットの内、最先のパケットである後続パケットを識別する手段を含むことを特徴とする。
本発明に関連する第八の発明は、伝送先の識別情報と同一送信先の後続パケット数を示す数値情報とが付加された無線パケットを受信する無線パケット受信装置において、無線パケットを復調する復調手段11と、識別情報により復調された無線パケットが自局宛てか否かを判定し、自局宛てではなかった場合に、数値情報により同一送信先のパケットの長さを判別するパケット識別手段15と、パケット識別手段15によって求められた時間に復調手段11の全部または一部に対し、駆動電力の供給を停止する駆動制御手段17とを備えたことを特徴とする。
本発明に関連する第九の発明は、伝送先の識別情報と同一送信先の後続パケット数を示す数値情報とが付加された無線パケットを受信する無線パケット受信装置において、無線パケットを復調する復調手段11と、識別情報により復調された無線パケットが自局宛てか否かを判定し、自局宛てではなかった場合に、数値情報により同一送信先のパケットの長さを判別するパケット識別手段15と、パケット識別手段15によって求められた時間に、通信中でない他の無線チャネルの受信電界強度あるいは伝送品質の監視を行う監視手段31とを備えたことを特徴とする。
本発明に関連する第一の発明では、復調手段11は、パケットの列で変調された無線周波信号を復調してそのパケットの列を示すビット列を求める。通信制御手段13は、そのビット列にこのようなパケットのフレーム構成に適応したフレーム同期の処理を施すことにより、上述したパケットの列を復元し、かつこれらのパケットから単位情報、数値情報および識別情報を抽出する。
【0023】
また、パケット識別手段15は、このようにして抽出された数値情報および識別情報を取り込み、その識別情報が他局を示す場合には、その数値情報と上述したフレーム構成とに基づいて後続の単位情報の数を求めると共に、その数とパケットの長さとの積を求める。駆動制御手段17は、その積の値に相当する期間にわたって復調手段11の全てあるいは一部に対する駆動電力の供給を阻止する。
【0024】
さらに、このようなパケットについては、伝送先が同じである伝送情報が時系列の順に一定の語長で分割されてなる個々の単位情報に、その伝送情報における順位あるいは後続の単位情報の情報量を示す数値情報と、その伝送先の識別情報とが付加されて各フレームが構成される。
したがって、通信制御手段13が復元するパケットの列の内、宛先が他局であるものに後続し、かつその宛先が同じであるパケットが受信される期間には、復調手段11に消費される駆動電力は、上述したフレーム構成の下で確実に削減される。
【0025】
本発明に関連する第二の発明では、復調手段11の構成要素の内、駆動電力を断続すべき全てあるいは一部は立ち上がり時間の大小順に複数の集合に分割され、かつその集合毎に駆動電力が供給された時点から定常的な稼働状態に至るまでに所要する立ち上がり時間の最大値が個別に求められる。復調手段11および通信制御手段13は、本発明に関連する第一の発明と同様にして、パケットの列で変調された無線周波信号を復調してそのパケットの列を示すビット列を求め、かつフレーム同期をとることにより、これらのパケットから単位情報、数値情報および識別情報を抽出する。
また、パケット識別手段21は、このようにして抽出された数値情報および識別情報を取り込み、その識別情報が他局を示す場合には、その数値情報と上述したフレーム構成とに基づいて後続の単位情報の数を求めると共に、その数とパケットの長さとの積と復調手段11の立ち上がり時間との差を求める。駆動制御手段23は、これらの差に相当する期間にわたってその復調手段11の全てあるいは一部に対する駆動電力の供給を阻止する。
【0026】
すなわち、通信制御手段13が復元するパケットの列の内、宛先が他局を示すものに後続し、かつその宛先が同じであるパケットが受信される期間には、復調手段11を構成する複数の集合の駆動電力は、その復調手段11の立ち上がり時間が一定ではない場合であっても、個々の集合の立ち上がり時間の確保とこれらの立ち上がり時間の差の吸収がはかられつつ阻止される。
したがって、本発明に関連する第一の発明に比べて、節電の効率が向上する。
【0027】
本発明に関連する第三の発明では、復調手段11および通信制御手段13は、本発明に関連する第一の発明と同様にして、パケットの列で変調された無線周波信号を復調してそのパケットの列を示すビット列を求め、かつフレーム同期をとることにより、これらのパケットから単位情報、数値情報および識別情報を抽出する。また、このようなパケットのフレーム構成は、上述した本発明に関連する第一の発明と同様である。
【0028】
パケット識別手段15は、このようにして抽出された数値情報および識別情報を取り込み、その識別情報が他局を示す場合には、その数値情報と上述したフレーム構成とに基づいて後続の単位情報の数を求めると共に、その数とパケットの長さとの積と、復調手段11の全てあるいは一部の構成要素の内、立ち上がり時間の大小順に設定された複数の集合におけるその立ち上がり時間の最大値との差を求める。
駆動制御手段17は、このようにして求められた個々の差に相当する期間に渡って、これらの差に対応した集合に対する駆動電力の供給を並行して阻止する。
すなわち、通信制御手段13が復元するパケットの列の内、宛先が他局を示すものに後続し、かつその宛先が同じであるパケットが受信される期間には、復調手段11を構成する複数の集合の駆動電力は、その復調手段11の立ち上がり時間が一定ではない場合であっても、個々の集合の立ち上がり時間の確保とこれらの立ち上がり時間の差の吸収がはかられつつ阻止される。
したがって、本発明に関連した第一の発明に比べて、節電の効率が向上する。
【0029】
本発明に関連する第四の発明では、復調手段11は、伝送先が同じである伝送情報が時系列の順に一定の語長で分割されてなる個々の単位情報に、その伝送情報における順位あるいは後続の単位情報の情報量を示す数値情報と、その伝送先の識別情報とを付加するフレーム構成に基づくパケットの列で変調された無線周波信号を復調し、そのパケットの列を示すビット列を得る。通信制御手段13は、そのビット列に上述したフレーム構成に適応したフレーム同期の処理を施して既述のパケットの列を復元し、そのフレーム構成に基づいて単位情報、数値情報および識別情報を抽出する。
監視手段31は、上述した無線周波信号が受信波として到来する位置における複数の無線チャネルについて、無線チャネル設定制御の手順に基づいて受信電界強度あるいは伝送品質の監視を行う。パケット識別手段15は、通信制御手段によって抽出された数値情報および識別情報を取り込んでその識別情報が自局を示すか否かを判定し、その結果が「偽」であるときに、その数値情報と上述したフレーム構成とに基づいて後続の単位情報の数を求め、その数とパケットの長さとの積を求める。監視手段は、その積の値に相当する期間に渡って、監視を行う。
【0030】
すなわち、通信制御手段13が復元するパケットの列の内、宛先が他局であるものに後続し、かつその宛先が同じであるパケットが受信される期間には、復調手段11に対する駆動電力の供給は続行されるが、その駆動電力は上述した受信電界強度や伝送品質を先行して得るために有効に消費される。
【0031】
本発明に関連する第五の発明では、復調手段11は、伝送先が同じである伝送情報が時系列の順に一定の語長で分割されてなる個々の単位情報に、その伝送情報における順位あるいは後続の単位情報の情報量を示す数値情報と、その伝送先の識別情報とを付加するフレーム構成に基づくパケットの列で変調された無線周波信号を復調し、そのパケットの列を示すビット列を得る。通信制御手段13は、そのビット列に上述したフレーム構成に適応したフレーム同期の処理を施して既述のパケットの列を復元し、そのフレーム構成に基づいて単位情報、数値情報および識別情報を抽出する。
監視手段31は、上述した無線周波信号が受信波として到来する位置における複数の無線チャネルについて、無線チャネル設定制御の手順に基づいて受信電界強度あるいは伝送品質の監視を行う。パケット識別手段15は、通信制御手段によって抽出された数値情報および識別情報を取り込んでその識別情報が自局を示すか否かを判定し、その結果が「偽」であるときに、その数値情報と上述したフレーム構成とに基づいて後続の単位情報の数を求め、その数と既述のパケットの長さとの積と復調手段11の立ち上がり時間との差を求める。監視手段31は、その差に相当する期間に渡って、監視を行う。
すなわち、通信制御手段13が復元するパケットの列の内、宛先が他局であるものに後続し、かつその宛先が同じであるパケットが受信される期間には、復調手段11に対する駆動電力の供給は続行されるが、その駆動電力は上述した受信電界強度や伝送品質を先行して得るために有効に消費される。
【0032】
本発明に関連する第六の発明では、本発明に関連する第一ないし第五の発明において、パケット識別手段15は、フレーム構成と通信制御手段13によって抽出された数値情報とに基づいて伝送情報の先頭に対応した先頭パケットを識別し、識別情報が自局を示すか否かの判定の対象をその先頭パケットに限定する。
すなわち、本発明に関連した第一ないし第三の発明については、復調手段11に対する駆動電力の供給が阻止される期間の長さが最大となって節電効率が高められ、本発明に関連した第四または第五の発明については、受信電界強度や伝送品質を先行して得る処理が行われる時間が最大となってその処理が効率的に進められる。
本発明に関連する第七の発明では、本発明に関連した第六の発明において、パケット識別手段15は、フレーム構成と通信制御手段13によって抽出された数値情報とに基づいて先頭パケットに後続するパケットの内、最先のパケットである後続パケットを識別する。
すなわち、無線伝送路の伝送特性が変動したり、その無線伝送路を介して伝送されるパケットの列に非同期に駆動電力の供給の開始(あるいは始動)が行われ、先頭パケットが正常に受信されない事態が発生しても、確度高く節電や処理の効率化がはかられる。
本発明に関連する第八の発明では、復調手段11は、無線パケットを復調する。パケット識別手段15は、識別情報により復調された無線パケットが自局宛てか否かを判定し、自局宛てではなかった場合に、既述の数値情報により同一送信先のパケットの長さを判別する。駆動制御手段17は、パケット識別手段によって求められた時間に復調手段11の全部または一部に対し、駆動電力の供給を停止する。
すなわち、復調手段11によって復調されたパケットの列の内、宛先が他局であるものに後続し、かつその宛先が同じであるパケットが受信される期間には、その復調手段11に消費される駆動電力は、上述したフレーム構成の下で確実に削減される。
本発明に関連する第九の発明では、復調手段11は、無線パケットを復調する。パケット識別手段15は、復調された無線パケットが自局宛てか否かを既述の識別情報により判定し、自局宛てではなかった場合に、数値情報により同一送信先のパケットの長さを判別する。監視手段31は、パケット識別手段15によって求められた時間に、通信中でない他の無線チャネルの受信電界強度あるいは伝送品質の監視を行う。
すなわち、復調手段11によって復調されたパケットの列の内、宛先が他局であるものに後続し、かつその宛先が同じであるパケットが受信される期間には、復調手段11に対する駆動電力の供給は続行されるが、その駆動電力は上述した受信電界強度や伝送品質を先行して得るために有効に消費される。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下、図面に基づいて本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0034】
図4は、本発明の第一ないし第四の実施形態を示す図である。
図において、図11に示すものと機能および構成が同じものについては、同じ符号を付与して示し、ここではその説明を省略する。
本実施形態と図11に示す従来例との構成の相違点は、プロセッサ63に代えてプロセッサ51が備えられ、タイマ64に代えてタイマ52が備えられた点にある。
【0035】
なお、本実施形態と図1および図3に示すブロック図との対応関係については、アンテナ61および受信部62は復調手段11に対応し、プロセッサ51は通信制御手段13およびパケット識別手段15に対応し、タイマ52は駆動制御手段17に対応する。
図5は、本発明の第一および第三の実施形態の動作を説明する図である。
【0036】
図6は、本発明の第一および第三の実施形態の動作フローチャートである。
以下、図4〜図6を参照して本発明の第一の本実施形態の動作を説明する。
プロセッサ51は、予め決められた無線チャネル設定制御の手順、既述のマルチフレーム構成およびフレーム構成に基づいてメッセージデータが受信され得るタイミングを認識すると、受信部62を介して受信されたビット列と図13に示すフレーム構成との相関をとる。さらに、プロセッサ51は、このような相関をとる演算の過程において各タイムスロットを介して受信されたパケットについて、個別にそのパケットを構成するフィールドの内、パケット種別の値が「10」に等しいか否かを判別し(図6▲1▼)、その判別の結果が「偽」であるときには従来例と同様の受信処理を行う(図6▲2▼)。
【0037】
しかし、反対に「真」であるときには、プロセッサ51は、該当するパケットの宛先フィールドを参照し、そのフィールドの値が予め設定された自局の識別情報に等しいか否かを判別する(図6▲3▼)。
プロセッサ51は、このような判別の結果が「真」である場合には、そのパケットとこれに後続する全ての中間パケットおよび最終パケットを上述したパケット種別に基づいて識別しながら、これらのパケットの期間に渡って受信部62の駆動電力を維持する(図5▲1▼、図6▲4▼)。さらに、プロセッサ51は、その期間に渡って従来例と同様にしてこれらのパケットの受信処理を行う(図6▲5▼)。
【0038】
また、反対に上述した判別の結果が「偽」であった場合には、プロセッサ51は、速やかに受信部62に対する駆動電力の供給を阻止し(ここでは、簡単のため受信部62内部にその駆動電力の断続に供されるスイッチが搭載され、その断続制御がプロセッサ51の制御の下で行われるものと仮定する。)(図6▲6▼)、かつそのパケットの有効語長フィールドの内容で示される値Nと予め与えられたタイムスロットの単位長Tとの積と、受信部62が駆動電力の供給開始時点から定常状態になるまでに所要する時間tとの差に相当する計数値をタイマ52に設定する(図5▲2▼、図6▲7▼)。
【0039】
タイマ52は、このような計数値に応じて計時(図5▲3▼)を開始し、その計時の終了時点には、受信部62に対する駆動電力の供給を再開する(ここでは、簡単のため、上述したように受信部62に内蔵されるスイッチがタイマの制御の下で閉設定されるものと仮定する。)(図5▲4▼)。
したがって、本実施形態によれば、宛先が他局を示すパケットからなるブロックおよびそのブロックの集合からなるメッセージデータについて、各ブロックの先頭に対応した先頭パケット以外の全てのパケットが受信される期間に従来無用に受信部62によって消費されていた駆動電力が削減される。
【0040】
図7は、本発明の第二の実施形態の動作を説明する図である。
図8は、本発明の第二の実施形態の動作フローチャートである。
以下、図4、図7、図8および図13を参照して本発明の第二の実施形態について説明する。なお、図8に示す処理の内、図6に示す処理と同じ処理については、同じ丸番号を付与して示し、ここではその説明を省略する。
【0041】
メッセージデータが受信されるタイミングについては、上述したしたように予め決められた無線チャネル設定制御の手順、既述のマルチフレーム構成およびフレーム構成に基づいて認識される。
【0042】
しかし、例えば、移動端末等では、このようなメッセージデータを構成するブロックに対応した複数のパケットの内、先頭パケット以外のパケットが電源の投入直後に受信されたり、無線伝送路の伝送特性の変動(フェージング等)に起因してその先頭パケットが受信されない場合が生じ得る。また、プロセッサ51は、このような状況が発生したことを直接認識したりその状況が発生することを予測することはできない。
【0043】
プロセッサ51は、受信部62を介して受信されたビット列と図13に示すフレーム構成との相関を上述した第一の実施形態と同様にしてとる。さらに、プロセッサ51は、その演算の過程において、各タイムスロットを介して受信された各パケットについて、そのパケットを構成するフィールドの内、パケット種別フィールドの値が「10」、「01」の何れか一方に等しいか否かを判別し(図8▲1▼、(a))、「10」に等しい場合には主記憶の記憶領域に予め定義されたフラグの値を「1」に設定する(図8(b))が、反対に「01」に等しい場合にはそのフラグの値を「0」に設定する(図8(c))。
【0044】
したがって、このようなフラグの値は、個々のブロックについて先頭パケットが受信されたか否かを示す。
また、プロセッサ51は、上述したパケット種別フィールドの値が「10」である場合には、該当するパケットが先頭パケットであるから、図6▲3▼、▲6▼、▲7▼あるいは図6▲3▼〜▲5▼に示す手順と同じ手順に基づく処理を行う(図8▲3▼〜▲7▼)。
【0045】
さらに、プロセッサ51は、上述したパケット種別の値が「01」である場合には、該当するパケットが最終パケットであるから、受信処理を省略する。
しかし、上述した判別の結果が「偽」であるときには、プロセッサ51は、フラグの値が「1」であるか否かを判別する。
さらに、プロセッサ51は、その判別の結果が「真」であるときには、該当するパケットに先行して先頭パケットが受信されているのて、タイマ52に関する処理は何ら施さず、反対に「偽」であるときには、図8▲6▼、▲7▼(図7▲1▼)に示す処理を行う。 タイマ52は、図8▲7▼に示す処理に応じて計時(図7▲2▼)を開始し、その計時の終了時点には、受信部62に対する駆動電力の供給を再開する(図7▲3▼)。
【0046】
したがって、本実施形態によれば、パケットからなるブロックおよびそのブロックの集合からなるメッセージデータについて、何らかの原因で先頭パケットが受信されたなかった場合においても、その先頭パケットに後続した中間パケットに後続する全てのパケットの期間に無用に受信部62によって消費されていた駆動電力が確実に削減される。
【0047】
以下、本発明の第三の実施形態について説明する。
本実施形態と上述した第一および第二の実施形態との構成の相違点は、図4に点線で示すように、受信部62にシンセサイザ53が設けられ、プロセッサ51の特定の出力がタイマー54を介してそのシンセサイザ53の制御入力に接続された点にある。
【0048】
なお、本実施形態と図2に記載のブロック図との対応関係については、アンテナ61および受信部62は復調手段11に対応し、プロセッサ51は通信制御手段13およびパケット識別手段21に対応し、タイマ52、54は駆動制御手段23に対応する。
以下、図4〜図8および図13を参照して本実施形態の動作を説明する。
【0049】
本実施形態と上述した第一および第二の実施形態との相違点は、これらの実施形態においてプロセッサ51が行う処理の手順にある。
受信部62を構成する回路の内、シンセサイザ53を除く回路については、時定数を有する回路が少なく、かつその時定数の値が小さいので、プロセッサ51が行う制御の下で駆動電力が供給された時点から速やかに定常的な稼働状態に遷移する。
【0050】
しかし、シンセサイザ53については、位相制御ループその他のように本来的に長い時定数を有する構成要素を含み、特に、合成比が大きい場合にはその時定数も大きくなる。
プロセッサ51は、シンセサイザ53に固有の立ち上がり時間τが予め与えられ、かつタイマ52に計数値を与えるとき(図6▲7▼、図8▲7▼)には、タイマ54にも時間(=NT−τ)に相当する計数値をタイマ54に与えることにより、これらのタイマを並行して起動する(図6(A)、図8(A)) 。
【0051】
シンセサイザ53は、このようにして起動されたタイマ54が行う計時の終了時点で駆動電力が供給されるので、そのシンセサイザが定常的な稼働状態に遷移するときには、受信部62のシンセサイザ53を除く部分も同時に定常的な稼働状態に遷移する。
したがって、本実施形態によれば、シンセサイザ53の立ち上がり時間τが上述した時間tであると見なされていた上述した第一および第二の実施形態に比較して、受信部62のシンセサイザ53を除く部分においてその時間τに無用に消費されていた電力が確実に削減される。
【0052】
図9は、本発明の第四の実施形態の動作を説明する図(1) である。
図10は、本発明の第四の実施形態の動作を説明する図(2) である。
なお、本実施形態と図3に示すブロック図との対応関係についはて、アンテナ61および受信部62は復調手段11および監視手段31に対応し、プロセッサ51は通信制御手段13およびパケット識別手段21に対応し、タイマ52は駆動制御手段23に対応する。
【0053】
以下、図4、図6、図8〜図10および図13を参照して本発明の第四の本実施形態の動作を説明する。
本実施形態と既述の各実施形態との相違点は、これらの実施形態においてプロセッサ51が行う処理の手順にある。
【0054】
プロセッサ51は、受信部62(およびシンセサイザ53)に対する駆動電力の供給を阻止する(図6▲6▼、図8▲6▼)処理に代えて上述した隣接ゾーン監視処理を起動する。
また、プロセッサ51は、タイマ52(およびタイマ54)が計時を終了して後続のパケットあるいはタイムスロットの受信(あるいは送信)を開始するときには、上述した隣接ゾーン監視処理を中断する。
【0055】
したがって、本実施形態によれば、宛先が他局を示す中間パケットおよび最終パケットが無線伝送路を介して与えられる期間には、図9に示すように、また、先頭パケットを受信していない中間パケットおよび最終パケットが無線伝送路を介して与えられる期間には、図10に示すように、上述した各実施形態のようには受信部62(およびシンセサイザ53)における電力の消費は阻止されないが、自局が捕捉していない同一ゾーンの他の無線チャネルf2、f3、…や隣接ゾーンの受信電界強度(伝送品質)のように、通話中チャネル切り替えその他に供される有用な情報がその受信部を有効に利用することにより速やかに得られる。
【0056】
なお、本実施形態では、チャネル切り替えがタイムスロットの周期で行われているが、このような周期に限定されず、所望の精度で確実に受信電界強度等が計測されるならば、その周期は如何なるものであってもよい。
また、上述した各実施形態では、先頭パケットまたはその先頭パケットに後続して受信された最先の中間パケットが受信されたときに、タイマ52、54に計時の開始を指令する処理がブロック単位で一回のみ行われているが、本発明はこのような方法に限定されず、例えば、先頭パケットおよび各中間パケットが受信される度にこのような処理を反復して行ってもよい。
【0057】
さらに、上述した各実施形態では、各フレームにパケット種別フィールドと有効語長フィールドとが含まれているが、本発明はこのようなフレーム構成に限定されず、例えば、パケットの語長が一定であり、かつメッセージデータやブロックの語長が既知である場合には、パケット種別を含まずに各フレームを構成し、有効語長フィールドの値をその語長で除することにより商をパケット種別として認識すると共に、剰余を最終パケットの有効バイト(ビット)として認識してもよい。
【0058】
【発明の効果】
上述したように本発明では、宛先が他局であるパケットが受信されることが確実である期間における復調手段の電力の無用な消費が回避される。
また、本発明では、上述した電力の消費は、復調手段の構成要素を駆動電力の大小順に分割して形成された複数の集合単位にその大小順に適応した時間率に基づいて断続制御の下で削減されるので、節電の効率がさらに高められる。
【0059】
さらに、本発明では、宛先が他局であるパケットが受信されることが確実である期間には復調手段に対する駆動電力の供給が続行されるが、その駆動電力は無線チャネル設定制御に供される受信電界強度や伝送品質を先行して得るために有効に消費される。
また、本発明では、宛先が他局であるパケットが受信されることが確実である期間が先頭パケットのタイミングで検出されるので、駆動電力の供給が阻止される期間の長さが最大となって節電効率が高められ、かつ受信電界強度や伝送品質を先行して得る処理が行われる時間が最大となってその処理の効率が高められる。
【0060】
さらに、本発明では、宛先が他局であるパケットが受信されることが確実である期間の判別が中間パケットのタイミングにおいても行われるので、無線伝送路の伝送特性が変動したり、その無線伝送路を介して伝送されるパケットの列に非同期に駆動電力の供給の開始(あるいは始動)が行われ、先頭パケットが正常に受信されない事態が発生しても、確度高く節電や処理の効率化がはかられる。
【0061】
すなわち、これらの発明が適用された無線伝送システムでは、消費電力の削減と受信電界強度等に基づいて行われる無線チャネル設定制御の応答性の向上とがはかられる。また、特に、携帯型の移動端末のように駆動電力がバッテリによって供給される機器では、連続して運転可能な時間が拡大されて性能およびサービス品質が高められる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の原理ブロック図である。
【図2】 本発明の第二の原理ブロック図である。
【図3】 本発明の第三の原理ブロック図である。
【図4】 本発明の第一ないし第四の実施形態を示す図である。
【図5】 本発明の第一および第三の実施形態の動作を説明する図である。
【図6】 本発明の第一および第三の実施形態の動作フローチャートである。
【図7】 本発明の第二の実施形態の動作を説明する図である。
【図8】 本発明の第二の実施形態の動作フローチャートである。
【図9】 本発明の第四の実施形態の動作を説明する図(1) である。
【図10】 本発明の第四の実施形態の動作を説明する図(2) である。
【図11】 ディジタル移動通信システムの移動局に搭載された受信系の構成例を示す図である。
【図12】 従来例における受信部の動作タイミングを示す図である。
【図13】 マルチフレーム構成およびフレーム構成を示す図である。
【符号の説明】
11 復調手段
13 通信制御手段
15,21 パケット識別手段
17,23 駆動制御手段
31 監視手段
51,63 プロセッサ
52,54,64 タイマ
53 シンセサイザ
61 アンテナ
62 受信部
Claims (4)
- 自局宛てにデ−タが送信される可能性のあるスロットであって、スロット単位に分割されたデ−タが格納されたスロットを受信する移動局において、
1つのスロット内に1組だけ含まれる、宛先情報と、継続して同じ移動局宛てに送信されるスロット数を示す情報との組を受信する受信手段と、
該宛先情報により、受信したスロットの宛て先が自局宛てでないことを検出すると、継続して同じ移動局宛てに送信されるスロットにおいて、通信中でない他の無線チャネルの受信電界強度あるいは伝送品質の監視を行うとともに、先頭デ−タを含むスロットを受信せずに継続して送信されたデ−タを含むスロットを受信した場合に、宛先にかかわらず、継続して同じ移動局宛てに送信されるスロットにおいて、通信中でない他の無線チャネルの受信電界強度あるいは伝送品質の監視を行う監視手段と
を備えたことを特徴とする移動局。 - 宛て先情報と、先頭のデ−タであることを示す情報と、継続して同じ移動局宛てに送信されるスロット数を示す情報との組については1組だけ有する先頭デ−タを含むスロットを送信し、次の先頭デ−タを含むスロットを、前に送信した先頭デ−タを含むスロットが有する前記スロット数を示す情報に応じたスロット数分離した間隔で順次送信可能な基地局から送信されたスロットを受信する移動局において、
前記先頭デ−タを含むスロットを受信し、受信した該先頭デ−タを含むスロットが有する前記宛て先情報により、受信したスロットの宛て先が自局宛てであることを検出すると、該受信した該先頭デ−タを含むスロットが有する、スロット数を示す情報に応じたスロットの受信を行うとともに、次回のスロットで送信される前記先頭デ−タを含むスロットを受信する受信手段と、受信した前記先頭デ−タを含むスロットが有する前記宛て先情報により、受信したスロットの宛て先が自局宛てでないことを検出すると、該受信した該先頭デ−タを含むスロットが有するスロット数を示す情報に応じたスロット送信期間について通信中でない他の無線チャネルの受信電界強度あるいは伝送品質の監視を行うとともに、先頭デ−タを含むスロットを受信せずに継続して送信されたデ−タを含むスロットを受信した場合に、宛て先にかかわらず、継続して同じ移動局宛てに送信されるスロットにおいて、通信中でない他の無線チャネルの受信電界強度あるいは伝送品質の監視を行う監視手段と
を備えたことを特徴とする移動局。 - 自局宛てにデ−タが送信される可能性のあるスロットであって、スロット単位に分割されたデ−タが格納されたスロットを受信する移動局において、
1つのスロット内に1組だけ含まれる、宛先情報と、継続して同じ移動局宛てに送信されるスロット数を示す情報との組を受信する受信手段と、
該宛先情報により、受信したスロットの宛て先が自局宛てでないことを検出すると、継続して同じ移動局宛てに送信されるスロットにおいて、通信中でない他の無線チャネルの受信電界強度あるいは伝送品質の監視を行うとともに、先頭デ−タを含むスロットを受信せずに継続して送信されたデ−タを含むスロットを受信した場合に、宛先にかかわらず、継続して同じ移動局宛てに送信されるスロットにおいて、通信中でない他の無線チャネルの受信電界強度あるいは伝送品質の監視を行うことを特徴とする監視方法。 - 宛て先情報と、先頭のデ−タであることを示す情報と、継続して同じ移動局宛てに送信されるスロット数を示す情報との組については1組だけ有する先頭デ−タを含むスロットを送信し、次の先頭デ−タを含むスロットを、前に送信した先頭デ−タを含むスロットが有する前記スロット数を示す情報に応じたスロット数分離した間隔で順次送信可能な基地局から送信されたスロットを受信する移動局において、
前記先頭デ−タを含むスロットを受信し、受信した該先頭デ−タを含むスロットが有する前記宛て先情報により、受信したスロットの宛て先が自局宛てであることを検出すると、該受信した該先頭デ−タを含むスロットが有する、スロット数を示す情報に応じたスロットの受信を行うとともに、次回のスロットで送信される前記先頭デ−タを含むスロットを受信する受信手段と、受信した前記先頭デ−タを含むスロットが有する前記宛て先情報に より、受信したスロットの宛て先が自局宛てでないことを検出すると、該受信した該先頭デ−タを含むスロットが有するスロット数を示す情報に応じたスロット送信期間について通信中でない他の無線チャネルの受信電界強度あるいは伝送品質の監視を行うとともに、先頭デ−タを含むスロットを受信せずに継続して送信されたデ−タを含むスロットを受信した場合に、宛て先にかかわらず、継続して同じ移動局宛てに送信されるスロットにおいて、通信中でない他の無線チャネルの受信電界強度あるいは伝送品質の監視を行うことを特徴とする監視方法。
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