JP3927859B2 - 超音波診断装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は超音波診断装置に関し、特にレンダリング演算によって三次元画像を形成する超音波診断装置に関する。
【0002】
【従来の技術及びその課題】
例えば、特開平10−33538号公報には、超音波三次元画像を形成する装置が開示されている。その三次元画像の形成原理について以下に説明する。生体内に設定される三次元空間に対して、視線方向に沿って複数のレイ(光線)が設定される。各レイごとに、順番にエコーデータが参照され、各エコーデータごとにボリュームレンダリング法に基づくレンダリング演算(ボクセル演算)が逐次的に実行される。所定の終了条件を満たした時点で、そのレンダリング演算は終了し、その時点での演算値が当該レイに対応する画素値として決定される。各レイごとに画素値を決定すれば、その集合として三次元空間を投影した三次元画像を構築できる。
【0003】
レンダリング演算は、以下のように実行される。ここで、i番目のエコーデータのエコー値(ボクセル値)をeiとし、その際のオパシティ(不透明度)をαi(但し、0≦αi≦1.0)とし、COUTiをi番目のエコー値についての演算結果(出力光量に相当)とし、CINiをi番目のエコー値についての入力値(これはi−1番目の演算結果と同じで、入力光量)とする。
【0004】
COUTi=CINi(1−αi)+eiαi ・・・(1)
ここで、(1−αi)は透明度と称され、それはオパシティ(不透明度)から演算される。
【0005】
レイ上に沿って逐次的に上記演算を行っていく場合において、それと並行して各オパシティを積算し、その値が1以上になった場合には、当該レイについての演算は終了する。また、最終のエコーデータについての演算が終了した場合にも当該レイについての演算は終了する。その終了時点の出力光量が画素値に相当する。なお、オパシティはエコーデータの関数として定義され、その関数形式は一般に指数関数である。この関数は、オパシティ関数と呼ばれる。
【0006】
上記従来装置では、このような処理により、視線方向から見た立体的な投影画像を形成し表示することができた。
【0007】
このような投影画像は、被検体内部に存在する組織の形状(主として表面形状)を空間的に把握する点では非常に有益なものであった。
【0008】
しかしながら、組織の状態をよりよく把握するには、表面形状のみならず、組織内部の状態が分かることが重要であるが、上記従来装置はこの点で十分なものではなかった。
【0009】
本発明はこのような課題に鑑みなされたものであり、組織の空間的把握及び組織内部状態の多面的な観察を可能とする超音波診断装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため、本発明の基礎となる構成では、三次元領域に対して超音波を送受波することにより、その三次元領域内の各点のエコー情報を取り込む送受波手段と、前記三次元領域内の各点のエコー情報に基づき、視線方向に沿ってボリュームレンダリング演算を実行することにより、三次元画像を形成するボリュームレンダリング手段と、前記三次元領域内の各点のエコー情報に基づき、前記三次元領域の3つの直交断面の各々の超音波断層像を形成する直交プレーン断層像形成手段と、前記三次元画像と、前記各直交断面の超音波断層像とを同時表示する表示手段とを備える。
【0011】
この構成によれば、視線方向に対応する三次元画像と3つの直交断面の超音波断層像とが同時に表示される。したがって、三次元画像により組織の形状の空間的把握ができると共に、3つの直交断面の超音波断層像により、組織内部の注目部位の状態を3方向から把握でき、組織の多面的な観察ができる。
【0012】
そして本発明では、前記ボリュームレンダリング手段は、前記3つの直交断面の各々の法線方向に対応した6方向の中から選択された視線方向についてボリュームレンダリング演算を実行する。
【0013】
この態様では、ボリュームレンダリング演算の視線方向をそれら6方向から選択する構成とするので、各直交断面の超音波断層像との関係で三次元画像の視線方向を把握しやすく、実用上からみて分かりやすい表示を実現することができる。
【0014】
更に好適な態様では、前記表示手段は、前記三次元画像と、その三次元画像の視線方向に対応する法線方向を持つ前記直交断面の超音波断層像とに、互いに対応する表示形態の識別マークを表示する。
【0015】
この態様では、識別マークにより、三次元画像がどの直交断面に対応する視線方向のものかが容易に把握できる。識別マークとしては、例えば、3つの直交断面の超音波断層像及び三次元画像の各々の表示領域の外枠を用いることができ、一つの好適な態様として、3つの直交断面の超音波断層像の各々の表示領域の外枠表示をそれぞれ異なる表示形態で表示するとともに、三次元画像の表示領域の外枠表示を、その三次元画像の視線方向に対応する法線方向を持つ前記直交断面の表示領域の外枠表示に対応した表示形態で表示する方式が考えられる。
【0016】
本発明の好適な態様は、前記3つの直交断面の超音波断層像の中の少なくとも1つに対し、ボリュームレンダリング演算における視線方向を示す視線方向表示を行う手段を備える。
【0017】
この態様では、視線方向表示を行うことで、三次元画像の視線方向を把握しやすくすることができる。
【0018】
また本発明の好適な態様は、前記3つの直交断面の超音波断層像の少なくとも1つに、前記送受波手段の基点位置を示す基点表示を行う手段を備える。
【0019】
この態様では、超音波断層像に基点表示を行うことで、送受波手段に対するその超音波断層像の位置関係を把握しやすくすることができる。
【0020】
また本発明の好適な態様では、前記3つの直交断面の超音波断層像の中の少なくとも1つに、当該超音波断層像に対応する直交断面以外の直交断面の位置を示すカーソル表示を行うカーソル表示手段を備える。
【0021】
また本発明の好適な態様では、前記三次元画像に対し、前記3つの直交断面の中の少なくとも1つの位置を示すカーソル表示を行うカーソル表示手段を備える。
【0022】
これらの態様では、カーソル表示により三次元領域における各直交断面の位置を把握しやすくすることができる。
【0023】
更に好適な態様では、前記表示手段は、前記各直交断面の超音波断層像に対して表示形態が互いに異なる識別マークをそれぞれ表示し、前記カーソル表示手段は、前記直交断面の位置を示すカーソル表示を、同じ直交断面の超音波断層像に表示された識別マークに対応する表示形態で表示する。
【0024】
この態様によれば、各超音波断層像の識別マークと各直交断面のカーソル表示との表示形態の対応により、各カーソル表示がどの直交断面に対応しているかを把握しやすくすることができる。
【0025】
本発明の好適な態様では、前記表示手段は、前記各直交断面同士の位置関係を疑似立体的に示す断面位置ガイド表示を行う手段を備える。
【0026】
この態様によれば、立体的な断面位置ガイド表示を行うことで、直交断面同士の位置関係を空間的に把握しやすくすることができる。なお立体的な断面位置ガイド表示としては、例えば三次元領域を表す直方体のワイヤーフレームを表示し、そのワイヤーフレームの各直交面の辺を、当該直交面と同じ向きの直交断面の断層像の外枠に対応する表示形態で表示したものなどが考えられる。
【0027】
また、本発明に係る超音波診断装置は、三次元領域に対して超音波を送受波することにより、その三次元領域内の各点のエコー情報を取り込む送受波手段と、前記三次元領域内の各点のエコー情報に基づき、前記三次元領域の3つの直交断面の各々の超音波断層像を形成する直交プレーン断層像形成手段と、前記各直交断面の超音波断層像を同時表示すると共に、それら3つの直交断面の超音波断層像の少なくとも1つに、前記送受波手段の基点位置を示す基点表示を行う表示手段とを備える。
【0028】
この構成によれば、3つの直交断面の超音波断層像の同時表示において、基点表示を行うことで、各直交断面の送受波手段に対する位置関係を把握しやすくすることができる。
【0029】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態(以下実施形態という)について、図面に基づいて説明する。
【0030】
図1には、本発明に係る超音波診断装置の全体構成がブロック図として示されている。3D(三次元)プローブ10は、三次元データ取込空間としての三次元空間を形成する超音波探触子である。具体的には超音波ビームを電子走査することにより走査面が形成され、その走査面を電子走査あるいは機械走査することにより三次元空間が形成される。本実施形態においては、3Dプローブ10が振動子ユニットとその振動子ユニットを機械走査する走査機構とを有している。振動子ユニットは1D(一次元)アレイ振動子を有し、その1Dアレイ振動子は直線配列あるいは円弧状配列された複数の振動素子によって構成される。その1Dアレイ振動子にて超音波ビームが形成され、その超音波ビームを電子走査することにより走査面が形成される。さらに、その振動子ユニットを機械走査すれば、上述したように三次元空間を形成できる。3Dプローブ10は、コントローラ36の制御により、そのような電子走査及び機械走査を行う。
【0031】
もちろん、いわゆる2Dアレイ振動子を用いて三次元空間を形成してもよいし、振動子ユニットを手によって走査し、これによって三次元空間を形成するようにしてもよい。
【0032】
送受信部12は、3Dプローブ10に対して送信信号を供給すると共に、3Dプローブ10から出力される受信信号(エコー信号)に対して所定の処理を実行する。送受信部12は送信ビームフォーマー及び受信ビームフォーマーとして機能する。
【0033】
信号処理部14は、送受信部12から出力されるエコー信号に対してBモード画像(二次元断層像)等の超音波画像を形成するための信号処理を実行する。
【0034】
ボリューム変換部16は、例えばデジタルスキャンコンバータ(DSC)などによって構成されており、信号処理部14で処理されたエコー信号に対し、座標変換処理を施す。すなわち、エコー信号は電子走査及び機械走査による超音波ビームの三次元走査に従って取り込まれるが、このエコー信号上の各点の信号データ(エコーデータ)を後の表示処理等のためにXYZ座標系(三次元デカルト座標系)アドレスにマッピングするのが、このボリューム変換部16である。このXYZ座標系での空間の分割単位がボクセルである。ボリューム変換部16により得られた各ボクセルのエコーデータは、ボリュームメモリ18に格納される。ボリュームメモリ18は、3Dプローブ10による三次元走査1回分以上のエコーデータを格納可能であり、三次元デカルト座標系に従ったアドレス指定によりデータの読み書きが可能である。このボリュームメモリ18は、3Dプローブ10が走査する立体領域を内包する、直方体等の形状の三次元領域のボクセルデータを格納することができる。
【0035】
XY断面断層像形成部20は、ボリュームメモリ18に格納されたエコーデータの情報をもとに、被検体のXY断面(すなわちXY平面に平行な断面)の超音波断層像(例えばBモード画像)(以下単に断層像という)を形成する。このXY断面の断層像(XY断層像と呼ぶ)の形成は、ボリュームメモリ18から、そのXY断面上の各ボクセルのエコーデータを読み出し、表示領域にプロットすることで実行できる。
【0036】
同様にして、YZ断面断層像形成部22はYZ平面に平行な断面(YZ断面)の断層像(YZ断層像と呼ぶ)を、ZX断面断層像形成部24はZX平面に平行な断面(ZX断面)の断層像(ZX断層像と呼ぶ)を、それぞれ形成する。
【0037】
このように、この超音波診断装置では、XY断層像形成部20、YZ断層像形成部22、及びZX断層像形成部24により、XY断面、YZ断面、及びZX断面という互いに直交した3つの断面についての断層像を実質的に並列的に形成することができる。
【0038】
なお、各断層像形成部20,22,24による断層像形成対象の断面の位置は、当該断面に垂直な方向に移動可能である。これら各断面の位置は、入力装置38を用いてユーザから指定することができ、指定された断面位置は、コントローラ36を介して、対応する断層像形成部20,22,24に供給される。
【0039】
三次元画像形成部26には、ボリュームメモリ18に格納された各ボクセルのエコーデータei をもとに、上述した(1)式を基礎としたボリュームレンダリング演算を行うことにより、被検体の三次元画像を形成する。このボリュームレンダリング演算による三次元画像形成処理には、前述した特開平10−33538号公報などに開示されている技術を利用すればよい。ボリュームレンダリング演算の演算条件は、コントローラ36によって設定される。また、ボリュームレンダリング演算において必要な各ボクセルのオパシティ値は、あらかじめ記憶されているオパシティ関数から求められる。
【0040】
ここで、ボリュームレンダリング演算の際のレイの方向、すなわち視線方向は、入力装置38からユーザ選択可能である。入力装置38によりユーザが指定した視線方向は、コントローラ36を介して三次元画像形成部26に指示され、三次元画像形成部26はこの視線方向についてボリュームレンダリング演算を行う。
【0041】
任意断面断層像形成部28は、ユーザが任意に指定した方向及び位置を持つ断面(任意断面という)の断層像を形成する。すなわち、前述の各断層像形成部20,22,24が、XY断面、YZ断面及びZX断面という、方向があらかじめ規定された断面の断層像を形成するのに対し、この任意断面断層像形成部28は任意方向の断面の断層像を形成する。ユーザは、入力装置38を介して、断層像表示対象の任意断面を指定することができる。指定された任意断面を特定する情報は、コントローラ36を介して任意断面断層像形成部28に供給され、任意断面断層像形成部28は、その情報に基づいて任意断面を特定し、その断層像を形成する。
【0042】
グラフィック画像形成部30は、表示画面上で断層像や三次元画像とともに表示する、カーソルや文字などのグラフィック画像を形成する。
【0043】
画像合成部32は、各断層像形成部20,22,24,及び28で形成された各断層像と、三次元画像形成部26で形成された三次元画像と、グラフィック画像形成部30で形成されたグラフィック画像との中から、指定された表示モードで必要なものを取捨選択し、それらを1つの表示画面上に合成する。この画像合成部32により合成された表示画面の画像が、表示装置34に表示される。
【0044】
コントローラ36は、超音波診断装置全体の制御を司る制御部である。上述した超音波診断装置の各構成要素は、直接的、あるいは間接的にこのコントローラ36からの制御を受けて各自の動作を行っている。
【0045】
入力装置38は操作パネルなどによって構成される。ユーザが入力装置38に対して行った入力を示す信号はコントローラ36に入力され、コントローラ36はその入力に対応して各構成要素を制御する。
【0046】
以上、実施形態の超音波診断装置の構成について概説した。この構成において、各断層像形成部20,22,24,28、三次元画像形成部26、画像合成部32は、ソフトウエア的に実現することもできるが、ハードウエア回路化することも可能である。
【0047】
図2は、3Dプローブ10と、これが走査する走査領域110及びボリュームメモリ18がカバーする三次元領域115との関係を示す図である。(a)は3Dプローブ10の外観を示し、(b)は走査領域110及び三次元領域115を示している。
【0048】
(a)に示した例では、3Dプローブ10の振動子収容部102には、コンベックス電子走査を行う1Dアレイ振動子が収容されている。ユーザは、把持部104を手で持って、振動子収容部102の下面を被検体表面に当接し、画像診断を行う。制御信号や送受信信号は、コード106を介して装置本体との間でやりとりされる。3Dプローブ10には、電子走査及び機械走査の基点を示すインデックスマーク108が設けられている。
【0049】
(b)に示すように、ボリュームメモリ18にデータ格納可能な直方体状の三次元領域115は、3Dプローブ10により超音波ビームが走査される走査領域110を内包する。コンベックス走査の1Dアレイ振動子が機械走査により所定の角度範囲で揺動されるので、走査領域110は、扇がその面に垂直な方向に、扇の要を中心に回転揺動されたときに掃引する領域に似た形状となる。この例では、三次元領域115のY軸の正方向は、3Dプローブ10の正面方向、すなわち1Dアレイ振動子が機械走査範囲の中央位置にあるときの、電子走査の中央位置の超音波ビームの送信方向に定めている。そして、このY軸方向を基準に、電子走査の方向に対応してX軸の正方向を、機械走査の方向に対応してZ軸の正方向を、それぞれ規定している。XYZ座標系の原点は、三次元領域115の頂点のうちインデックスマーク108に最も近い頂点の位置に定めている。
【0050】
この例では、Z軸の正方向を正面視方向、X軸の負方向を側面視方向、Y軸の正方向を上面視方向と呼び、これら三方向とその逆方向の合計6方向をボリュームレンダリング演算の視線方向として選択可能としている。
【0051】
図3は、画像合成部32が生成可能な表示画面の1つである四面表示画面200の画面構成を示した図である。この四面表示画面200には、4つの表示領域が2×2のマトリクス状に配列されており、そのうちの3つの領域にXY断層像202a,YZ断層像202b,ZX断層像202cが表示される。この例では、これら互いに直交する断面の断層像202a,202b,202cが、正投影図法の第三角法での投影図配置構成と同様の構成で配置されている。残りの1つの表示領域には、三次元画像形成部26による三次元画像204が表示される。
【0052】
図4は、三次元領域115と、XY断層像202a,YZ断層像202b,ZX断層像202cとの関係を説明するための図である。XY断層像202aは、正面視方向に垂直なXY断面140(外周(三次元領域115の外周面との交線)を一点鎖線で示す)の断層像である。YZ断層像202bは、側面視方向に垂直なYZ断面142(外周を破線で示す)の断層像であり,ZX断層像202cは、上面視方向に垂直なZX断面(外周を二点鎖線で示す)の断層像である。
【0053】
図5は、四面表示画面200の表示例を模式的に示した図であり、図3と同様の符号を用いている。この四面表示画面200は、心臓を対象としたものであり、三次元画像204として正面視方向の三次元画像を示している。各直交断面の断層像202a,202b,202cについては、繁雑さをさけるために線画で示している。
【0054】
この四面表示画面200では、各直交断面の断層像202a,202b,202cに対し、インデックスマーク210を表示している。このインデックスマーク210は、3Dプローブ10のインデックスマーク108の位置に対応しており、三次元走査の基点を示している。ユーザは、このインデックスマーク210の表示により、各断層像202a,202b,202cに対する3Dプローブ10の位置や、それら各断層像相互の位置関係を把握しやすくなる。
【0055】
また、この四面表示画面200では、直交断面の断層像202a,202b,202cのうちの2つの断層像に対し、三次元画像204の視線方向を示す視線方向マーク220を表示する。図5の例では、三次元画像204は正面視方向の画像であるため、側面視及び上面視の断層像202b,202cに視線方向マーク220が示されている。なお、この例では、矢印の視線方向マーク220を用いているが、ユーザが方向を理解できるものであればどのような表示形態のものでも視線方向の表示として用いることができる。なお、三次元画像204に上面視方向の画像を表示した場合の視線方向マーク220の表示例を図6に示す。図6の例では、正面視方向及び側面視方向の断層像202a,202bに視線方向マーク220が示されている。
【0056】
また、各断層像202a,202b,202cの表示領域の外枠203a,203b,203cをそれぞれ異なる色で表示すると共に、三次元画像204の表示領域の外枠205を、その視線方向と同じ法線方向を持つ断層像の外枠203a,203b,又は203cと同じ色で表示することも好適である。これにより、三次元画像204の視線方向に対応する断層像が直感的に分かりやすくなる。なお、色以外の表示形態でこのような対応付けを行うことももちろん可能である。また、三次元画像204の視線方向に対応する断層像の外枠を、強調表示(例えば太く表示するなど)することも好適である。
【0057】
また、この四面表示画面200では、各直交断面の断層像202a,202b,202cに対し、それぞれ自分以外の2つの直交断面の位置を示す断面位置カーソル230a,230b,230cが表示される。例えば、XY断層像202aには、YZ断層像202bの断面位置を示す断面位置カーソル230b(破線で示す)と、ZX断層像202cの断面位置を示す断面位置カーソル230c(二点鎖線で示す)とが表示される。同様にYZ断層像202bにはXY断層像202aの断面位置を示す断面位置カーソル230a(一点鎖線で示す)と、ZX断層像202cの断面位置の断面位置カーソル230cとが表示される。
【0058】
各断面位置カーソル230a,230b,及び230cは、互いに異なる表示形態で表示する。例えば、各断面位置カーソルを異なる色で表示したり、異なる線種で表示したりするなどである。これにより、各断面位置カーソルが区別しやすくなる。
【0059】
ここで、各断層像202a、202b,202cの表示領域の外枠203a,203b,203cの表示と、それら各断面位置カーソル230a,230b,及び230cと、を互いに対応した表示形態とすることも好適である。例えば、XY断層像202aの外枠203aを赤色で表示した場合、XY断面の位置を示す断面位置カーソル230aも同じ赤色の線で表示する、などである。このほかにも、断層像の表示領域の外枠と、この断層像の断面位置を示す断面位置カーソルとを、互いに類似した模様で表示するなど、様々なバリエーションが考えられる。このように表示形態による対応付けを行うことで、各断面位置カーソルがどの断層像の断面に対応しているかがユーザにとって把握しやすくなる。
【0060】
入力装置38からのユーザ入力により、断層像202a,202b,及び202cのいずれかの位置が変更された場合、位置変更された断層像に対応する断面位置カーソル230a,230b,又は230cは、その位置変更に応じた位置に移動して表示される。なお、位置変更された断層像については、その断層像の形成を担当する断層像形成部20,22,又は24が、変更された断面位置に対応する断面上の各点のエコーデータをボリュームメモリ18から読み出し、これに基づき新たな断層像を形成する。
【0061】
なお、四面表示画面200を利用した直交断面の位置変更指示のためのユーザインタフェース方式としては、例えば、次のような方式が可能である。この方式では、まず3つの断層像202a、202bまたは202cのうち1つをユーザが選択する。次に、選択された断層像の中で、位置変更したい断面に対応する断面位置カーソル230a,230b又は230cを選択する。そして、選択した断面位置カーソルを、トラックボールやマウス等を用いて所望の位置まで移動する。なお、断層像や断面位置カーソルの選択は、押すごとに選択対象が順番に循環的に切り替わるトグル方式ボタンや、マウス等のポインティングデバイス等を用いて行うことができる。
【0062】
また、図5には示していないが、三次元画像204にも、同様の断面位置カーソルを表示することも可能である。図5の例の場合、三次元画像204は正面視方向のものなので、YZ断面に対応する断面位置カーソル230bと、ZX断面に対応する断面位置カーソル230cが表示されることになる。
【0063】
以上に説明した断面位置カーソル230a,230b,230c、インデックスマーク210,視線方向マーカ220、四面表示の各表示領域の外枠203a,203b,203c,205などは、グラフィック画像形成部30にて形成され、画像合成部32により各断層像202a,202b,202cに合成され、表示される。
【0064】
なお、図7に示すように、表示装置34の画面において、四面表示画面200の隣に断面位置ガイド表示260を表示することも好適である。この断面位置ガイド表示260は、直方体を表すワイヤーフレームを斜め上方から見た状態を示しており、その正面、側面、上面の辺が、各断層像202a,202b,202cの外枠203a,203b,203cの表示形態と同じ表示形態で表示されている。図示の例では、断層像の外枠とワイヤーフレームの辺とが、同じ色分けで表示される。このような断面位置ガイド表示260を用いることで、各断層像の位置関係をユーザにより分かりやすくすることができる。なお、断面位置ガイド表示260は、図7に例示した形態に限られるものではなく、例えば図4に示したように三次元領域115の中に各断面を示すような形態のものを用いることもできる。
【0065】
次に、三次元画像形成部26による三次元画像204の形成処理について説明する。本実施形態では、正面視、側面視及び上面視の各方向と、それら各々の逆方向の中から三次元画像形成の視線方向を選択することができる。図8は、それら各視線方向の場合のボリュームレンダリング演算の演算方向を示している。視線方向が正面視方向の場合、(a)に示すようにボリュームレンダリング演算はZ軸の正方向に沿って行われる。同様に、視線方向が側面視方向の場合は(b)に示すように演算方向はX軸の負方向となり、視線方向が上面視方向の場合は(c)に示すように演算方向はY軸の正方向となる。図8には、(a),(b),(c)の各ケースについて、三次元画像を表示する表示領域250の座標系(Xs ,Ys)と、三次元領域115の座標系(X,Y,Z)との関係を示している。なお、正面視、側面視、上面視の各々の逆方向については、図示を省略する。
【0066】
視線方向として上面視方向が選択された場合を例にとって、三次元画像形成部26の画像形成処理手順を説明する。図9は、この場合の演算処理の手順を示すフローチャートである。
【0067】
ここでは、図10に示すように、三次元領域115内の各ボクセルについて、X軸方向についてはi(=0,1,2,・・・,l(エル))、Y軸方向についてはj(=0,1,2,・・・,m)、Z軸方向についてはk(=0,1,2,・・・,n)のインデックスをそれぞれ割り当てる。(Xi,Yj,Zk)と書いた場合、X軸方向がi番目、Y軸方向がj番目、Z軸方向がk番目のボクセルを示すこととする。同様に、表示領域250のピクセルについても、Xs 軸方向にはインデックスi、Ys 軸方向にはインデックスjを割り当てる。
【0068】
図9に示した上面視方向の三次元画像形成処理では、まずインデックスk,iを0に初期化する(S10,S12)。これにより、演算対象のレイが特定される。次に、インデックスjを0に初期化する(S14)。jは、そのレイの沿ったボクセルの順番を示す。次に、入力エコー値Cinとオパシティの累積値αacumを0に初期化する(S16)。次にインデックスの組(i,j,k)が指すボクセル(Xi,Yj,Zk)のエコーデータをボリュームメモリ18から取得し、変数eに代入する(S18)。そして、このボクセル(Xi,Yj,Zk)について次式で示される計算を行う(S20)。
【0069】
α=f(e) ・・・(2)
αacum=Σα ・・・(3)
Cout =Cin(1−α)+eα ・・・(4)
ここで、αは当該ボクセルのオパシティであり、これは装置に登録されているオパシティ関数fを用いて、そのボクセルのエコー値eに対応する値を求めることができる。αacumは、当該レイ上で0番目からj番目までの各ボクセルのオパシティ値を累積した値となる。(4)式は、当該ボクセルに対する入力エコー値Cinと当該ボクセルのオパシティから、当該ボクセルの出力エコー値Coutを求める計算であり、従来技術の(1)式と同じ計算である。
【0070】
この計算(S20)のあと、レイに沿っての計算処理の終了条件の判断を行う。終了条件は、オパシティ累積値αacumが1.0を超えるか、又は計算対象のボクセルの位置が三次元領域115の視線方向についての終点位置(j=m)に達するか、のいずれかであり、ステップS22,S24ではこれら各条件の判断を行っている。それら2つの条件が両方とも満足されなかった場合は、インデックスjの値を1つインクリメントして次のボクセルを計算対象とし、今回のボクセルの出力エコー値Cout を次のボクセルの入力エコー値Cinにセットし(s26)、ステップS18以下の処理を繰り返す。
【0071】
ステップS22及びS24に示した終了条件のいずれかが満足された場合は、この時点での出力エコー値Cout を、当該ボクセル(Xi,Yj,Zk)に対応する表示領域250上のピクセル(Xsi,Ysk)の値としてセットする(S28)。
【0072】
これで1つのレイについての処理が終わる。以上の処理を、インデックスi,kをインクリメントしながら繰り返すことで(S30,S32,S34,S36)、XZ面の全面にわたってレイを走査し、三次元領域115を上面から見た三次元画像を形成することができる。
【0073】
以上、上面視方向の三次元画像の形成処理を説明したが、この逆方向を視線方向とする場合は、Y方向(インデックスj)について逆順に演算を行えばよい。また、正面視方向、側面視方向、及びそれらの逆方向についても同様の処理手順で三次元画像を形成することができる。
【0074】
ユーザが入力装置38を用いて視線方向を指定すると、以上のような処理手順でその視線方向の三次元画像が形成され、画像合成部32で他の画像と合成されて、例えば四面表示画面200に表示されることになる。
【0075】
次に、本実施形態の超音波診断装置の任意断面モード機能について説明する。任意断面とは方向及び位置をユーザが自由に指定できる断面であり、任意断面モードとは、任意断面の断層像や、三次元領域115を任意断面で切り取った状態での三次元画像を表示するモードである。
【0076】
まず図11を参照して、任意断面モードでの処理の概略の手順を説明する。任意断面モードに移行するには、まずユーザが入力装置38からデータのフリーズ指示を入力することにより、ボリュームメモリ18内のボクセルデータの内容を固定させる。そして、任意断面モードへのモード切換指示を入力すると、任意断面の指定が可能になる。この任意断面の指定は、四面表示画面200の各断層像202a,202b,202cで3つの基準点を指定することにより行う(S40)。すなわち、平面は同一直線上にない3点を決めると特定することができるので、本実施形態では、そのような3点の指定を3つの直交断面の断層像を用いて行う。
【0077】
この基準点指定の方法を、図12を参照して説明する。この指定処理では、各断層像202a,202b,202cのうち、基準点指定対象として選択された断層像(図示例では断層像202a)に、第1基準点マーク240aが表示される。ここで断層像の選択は、入力装置38から行うことができる。入力装置38からの操作入力により、この第1基準点マーク240aを移動させることができる。そして、第1基準点マーク240aを所望の位置まで移動させると、入力装置38から位置確定指示を入力する。これにより、コントローラ36は、第1基準点マーク240aの位置を確定状態とし、第2基準点マーク240bを同じ断層像上に表示する。この第2基準点マーク240bの位置も、同様に移動させ、確定することができる。これら2つの基準点マーク240a,240bの位置を決めることで、選択している断層像と任意断面との交線を規定することができる。
【0078】
2つの基準点マーク240a,240bの位置が確定されると、選択されている断層像上に第3基準点マーク242が表示される。ここで、選択対象の断層像を変更することで、所望の断層像上に第3基準点マーク242を指定可能となる。図12の例では、YZ断面の断層像202bが選択されている。そして、入力装置38の操作により第3基準点マーク242をその断層像上の所望の位置まで移動させ、確定指示を入力すると、第3基準点マーク242の位置が確定される。
【0079】
このように3つの基準点240a,240b,242の位置が決まると、それら3点を通る平面、すなわち任意断面を一意に特定することができる(S42)。例えば、次の平面の方程式、
aX+bY+cZ+d=0 ・・・(5)
の変数X,Y,Zにそれら3つの基準点の座標を代入し、その結果得られる三元連立方程式を解くことで、その方程式の係数a,b,c,dを求めることができる。
【0080】
このように任意断面をいったん設定した後でも、各基準点マーク240a,240b,242をそれぞれ選択し、その位置を変更することで、任意断面の方向や位置を変更することも可能である。
【0081】
以上説明した3直交断面上での3点指定の処理を、直交断面の断面位置の変更処理と組み合わせることで、様々な方向、位置の任意断面を指定することができる。
【0082】
本実施形態では、このように、互いに直交する3つの断層像上で3つの基準点を指定することで任意断面が指定できるので、被検体の組織内部の構造との関係において任意断面をより適切に設定できるという利点がある。例えば、断層像で心臓の弁の位置を確認し、その弁を横切るように任意断面を設定するという操作を容易に行うことができる。特に、上に例示した、1つの断層像上で2点を指定し別の断層像で残りの1点を指定するという方式は、最初の断層面上で任意断面との交線を指定できるので、任意断面と被検体組織との関係がユーザにとって分かりやすいものとなる。
【0083】
このようにして任意断面が設定されると、超音波診断装置は、任意断面断層像を表示するか、と任意断面三次元画像の表示をするか、の指示を受付可能な状態となる(S44)。
【0084】
ここで、任意断面断層像の表示が指示された場合の処理手順の一例を図13〜図15を参照して説明する。この場合、設定された任意断面を特定するパラメータ(例えば平面の方程式の係数a,b,c,d)が、コントローラ36から任意断面断層像形成部28に提供され、任意断面断層像形成部28が以下のような処理を行う。
【0085】
断層像の表示領域の座標系を仮にXY座標系とすると、三次元領域115の任意断面150の断層像を表示する処理は、 図13に示すように、任意断面150上の各点を回転と平行移動により、XY平面である基準面160に移動させる処理と捉えることができる。この回転と平行移動は、アフィン変換行列で記述することができる。実際の表示処理では、表示領域のピクセルを基準に考える方が処理が簡単になるので、表示領域のピクセル位置に対応する任意断面150上の点(ボクセル)を逆変換で求め、その点のエコー値をそのピクセルに書き込むことになる。この表示処理の手順を示したのが図14である。
【0086】
図14に示す手順では、まず、設定された任意断面上の各点(ボクセル)の座標を表示領域の座標に変換するためのアフィン変換行列Tを計算する(S50)。
【0087】
ここで図15は、アフィン変換行列Tの求め方の一例を示した図である。この図を参照して行列Tの求め方を説明する。(a)において、ベクトルn=(a,b,c)は任意断面150の法線ベクトルであり、その成分a,b,cは任意断面150の方程式の係数から求めることができる。このベクトルnを、表示領域(XY平面)の法線ベクトルsと平行になるように回転させることを考える。ベクトルnのYZ平面への正射影とX軸とのなす角がθy であった場合、ベクトルnをY軸回りにθy だけ回転させることで、(b)に示すXY平面上のベクトルn1 が得られる。このベクトルn1 とY軸とのなす角がθz であるとすると、ベクトルn1 をZ軸回りにθz だけ回転させることで、(c)に示すようにY軸に平行なベクトルn2 が得られる。このベクトルn2 をθx =90度だけX軸回りに回転させると、Z軸に平行、すなわちXY平面に垂直なベクトルn3 が得られる。このベクトルn3 は、表示領域の法線ベクトルsに平行である。したがって、これら3回の回転で任意断面150をXY平面に平行にすることができる。このように回転させた面を更に平行移動させることで、任意断面150をXY平面に一致させることができる。このような座標変換により、任意断面150上の各点を表示領域のピクセルに対応付けすることができる。
【0088】
ここで、3次元空間におけるX軸、Y軸、Z軸回りの回転はそれぞれ次の行列Trx,Try,Trzで表すことができ、平行移動は次の行列Td で表すことができる。
【0089】
【数1】
これら各行列における回転角度θx,θy,θz と、X,Y,Z方向の平行移動量l,m,nは、任意断面150が特定されれば求めることができる。したがって、任意断面150の座標を表示領域の座標に変換するアフィン変換行列Tは、
T=Trx・Trz・Try・Td
で求めることができる。
【0090】
アフィン変換行列Tが求められると、表示領域でのピクセルのY方向のインデックスjとX方向のインデックスiをそれぞれ0に初期化する(S52,S54)。そして、表示領域上のピクセル(Xsi,Ysj)に、アフィン変換行列Tの逆行列を乗じることにより、そのピクセル(Xsi,Ysj)に対応する任意断面150上の点の座標(X,Y,Z)を計算する(S56)。そして、その座標(X,Y,Z)のエコー値をボリュームメモリ18から読み出し(S58)、表示領域のピクセル(Xsi,Ysj)の値としてセットする(S60)。以上の処理を、インデックス、i,jを順にインクリメントしながら繰り返す(S62,S64,S66,S68)ことで、任意断面150の断層像を形成することができる。形成された任意断面断層像は、画像合成部32にて他の画像と合成され、表示装置34に表示される。
【0091】
これにより、例えば、図16に示すように、3直交断面の断層像202a,202b,202cと共に、任意断面断層像206を表示する四面表示画面200を形成することができる。この四面表示画面200の表示によれば、3Dプローブ10との関係で方向があらかじめ規定された3つの直交断面の断層像と、ユーザが任意に設定できる任意断面の断層像とを同時に観察することができ、診断上有用である。
【0092】
なお、図16に例示した四面表示画面200では、3直交断面の断層像202a,202b,202cに対し、ユーザが設定した任意断面の位置を示す任意断面カーソル244を表示している。任意断面カーソル244は、各直交断面と任意断面の交線として求めることができる。このように任意断面カーソル244を表示することで、各直交断面と任意断面の位置関係の把握を助けることができる。
【0093】
次に任意断面三次元画像モードが選択された時の処理を説明する。このモードでは、三次元領域のうち、ユーザが指定した任意断面より視点に近い側のエコー値を省いてボリュームレンダリング演算を行う。すなわち、任意断面がボリュームレンダリング演算の演算開始位置を示すことになる。
【0094】
例えば、被検体内の注目対象の手前側に障害物が存在する場合、単純にボリュームレンダリング演算を行うと障害物の影響で注目対象が望み通りに画像化できないことがある。このような場合に、注目対象と障害物との間に任意断面を設定し、このモードを選択することで、障害物の影響なく注目対象を画像化することができる。
【0095】
このモードでは、設定された任意断面を特定するパラメータが三次元画像形成部26に提供される。ここでは、一例として視線方向が上面視方向である場合を説明する。この場合、三次元画像形成部26は、図17に示す処理手順で三次元画像を形成する。図17の手順において、図9に示した通常の上面視の三次元画像形成処理と同様の処理を行うステップについては同じ符号を付すことで詳細な説明を省略する。図9の手順と図17の手順の相違は、ステップS14とステップS38の相違のみである。すなわち、図9の手順では、Z及びX方向のインデックスk,iを定めてレイ(視線)を特定したあと、Y方向のインデックスjを0から順にインクリメントしてボリュームレンダリング演算を行ったのに対し、図17の手順では、そのレイと任意断面との交点に対応するインデックスjc を計算し、そのjc を演算開始点としてステップS16以降のボリュームレンダリング演算を行う。これにより、任意断面より視点側(手前側)のエコー値はボリュームレンダリング演算に反映されなくなる。このような処理により形成された三次元画像は、四面表示画面200に三次元画像204として表示することができる。
【0096】
以上、上面視方向の場合を例にとって説明したが、視線方向が変わっても、同様の考え方で、任意断面の手前側を省いたボリュームレンダリング演算を行うことができる。
【0097】
なお、以上は任意断面を、ボリュームレンダリング演算の演算開始位置を特定する面として用いた場合の例であったが、同様の考え方で、任意断面でボリュームレンダリング演算の演算終了位置を指定することもできる。このほか、任意断面を、ボリュームレンダリング演算に関わる各種のパラメータ・演算条件の変更位置を特定する面として用いることも可能である。例えば、上述の方法で、三次元領域115内に任意断面を複数設定し、隣り合う任意断面で挟まれる各範囲毎に演算条件(例えばオパシティ関数)を変えるなどの処理も可能である。
【0098】
また、いったん設定した任意断面を、入力装置38に設けられたトラックボールなどの操作で、当該断面の法線方向に沿って平行移動できるようにすることも好適である。この平行移動に応じて、任意断面断層像や任意断面の手前側を除いた状態の三次元画像をリアルタイムで再生成して表示するようにすれば、被検体内部の様子の把握の助けとなる。
【0099】
以上の例では、表示装置34に表示される表示画面として、3つの直交断面の断層像202a,202b,202cと、三次元画像204又は任意断面断層像206とを同時表示した四面表示画面200を例示したが、実施形態の超音波診断装置は、それら断層像又は三次元画像の1つを選択して画面一杯に表示することも可能である。また、この四面同時表示は、物理的に1つの表示装置の画面にそれら4画像を同時表示する場合に限るものではなく、各画像をそれぞれ別々の表示装置の画面に表示する場合も含む。
【0100】
また、以上の例では、エコーデータをいったんボリュームメモリ18に格納し、任意断面断層像の形成などの際に再利用できるようにしたが、これは必ずしも必須のことではない。例えば、ボリューム変換部16の処理が十分高速であるならば、ボリューム変換部16の前段側のいずれかの段階に、エコーデータを蓄積するバッファを設け、再利用の際にはそのバッファからエコーデータを読み出して座標変換し、上述の画像形成処理を行うようにすることも可能である。
【0101】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、3つの直交断面の超音波断層像と、三次元画像とを同時に表示することができるため、対象組織の空間的把握と該組織の内部状態の把握という多面的な観察を同時に行うことができる。また本発明では、識別マークにより、三次元画像がどの超音波断層像の直交断面に対応する方向のものなのかを容易に把握することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る超音波診断装置の全体構成を示す機能ブロック図である。
【図2】 3Dプローブと、これが走査する走査領域及びボリュームメモリがカバーする三次元領域との関係を示す図である。
【図3】 四面表示画面の画面構成を示した図である。
【図4】 三次元領域と、XY断層像,YZ断層像,ZX断層像との関係を説明するための図である。
【図5】 四面表示画面の表示例を模式的に示す図である。
【図6】 上面視方向の三次元画像を表示した場合の視線方向マークの表示例を示す図である。
【図7】 断面位置ガイド表示の一例を示す図である。
【図8】 各視線方向についてのボリュームレンダリング演算の演算方向を説明するための図である。
【図9】 上面視方向の場合のボリュームレンダリング演算の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図10】 三次元領域のボクセルと表示領域のピクセルの関係を説明するための図である。
【図11】 任意断面モードでの処理の全体的な手順を示す図である。
【図12】 任意断面設定のための基準点指定の操作を説明するための図である。
【図13】 任意断面と表示領域との関係を示す図である。
【図14】 任意断面断層像を表示するための処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図15】 任意断面と表示領域との間の座標変換の考え方を説明するための図である。
【図16】 任意断面断層像を表示した四面表示画面の表示例を模式的に示す図である。
【図17】 任意断面より視点側の領域を除いた状態で三次元画像を形成する場合の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10 3Dプローブ、12 送受信部、14 信号処理部、16 ボリューム変換部、18 ボリュームメモリ、20 XY断面断層像形成部、22 YZ断面断層像形成部、24 ZX断面断層像形成部、26 三次元画像形成部、28任意断面断層像形成部、30 グラフィック画像形成部、32 画像合成部、34 表示装置、36 コントローラ、38 入力装置。
Claims (4)
- 三次元領域に対して超音波を送受波することにより、その三次元領域内の各点のエコー情報を取り込む送受波手段と、
前記三次元領域内の各点のエコー情報に基づき、視線方向に沿ってボリュームレンダリング演算を実行することにより、三次元画像を形成するボリュームレンダリング手段と、
前記三次元領域内の各点のエコー情報に基づき、前記三次元領域の3つの直交断面の各々の超音波断層像を形成する直交プレーン断層像形成手段と、
前記三次元画像と、前記各直交断面の超音波断層像とを同時表示する表示手段と、
を備え、前記ボリュームレンダリング手段は、前記3つの直交断面の各々の法線方向に対応した6方向の中から選択された視線方向についてボリュームレンダリング演算を実行することを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項1に記載の超音波診断装置であって、
前記表示手段は、前記三次元画像と、その三次元画像の視線方向に対応する法線方向を持つ前記直交断面の超音波断層像とに、互いに対応する表示形態の識別マークを表示することを特徴とする超音波診断装置。 - 請求項2に記載の超音波診断装置であって、
前記識別マークは、前記各超音波断層像及び三次元画像の各々の表示領域の外枠表示であり、前記表示手段は、前記3つの直交断面の超音波断層像の各々の表示領域の外枠表示をそれぞれ異なる表示形態で表示するとともに、前記三次元画像の表示領域の外枠表示を、その三次元画像の視線方向に対応する法線方向を持つ前記直交断面の表示領域の外枠表示に対応した表示形態で表示することを特徴とする超音波診断装置。 - 三次元領域に対して超音波を送受波することにより、その三次元領域内の各点のエコー情報を取り込む送受波手段と、
前記三次元領域内の各点のエコー情報に基づき、視線方向に沿ってボリュームレンダリング演算を実行することにより、三次元画像を形成するボリュームレンダリング手段と、
前記三次元領域内の各点のエコー情報に基づき、前記三次元領域の3つの直交断面の各々の超音波断層像を形成する直交プレーン断層像形成手段と、
前記三次元画像と、前記各直交断面の超音波断層像とを同時表示する表示手段と、
前記3つの直交断面の超音波断層像の中の少なくとも1つに対し、ボリュームレンダリング演算における視線方向を示す視線方向表示を行う手段と、
を備えることを特徴とする超音波診断装置。
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