JP2011104137A - 超音波診断システム - Google Patents

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Abstract

【課題】三次元エコーデータにおける断面の位置を分かりやすくする。
【解決手段】記憶装置30には、臓器や胎児などの観察対象の三次元形状を表す参照モデルデータ32が記憶されている。座標整合処理部36は、メモリ18に記憶されたボリュームデータ(三次元エコーデータ)と、参照メモリとを位置合わせするための座標変換を計算する。カーソル生成部38は、断層画像生成部20が生成している断層画像に対応する断面を、その座標変換により変換することで、参照モデルの座標系におけるその断面の位置や向きを求め、求めた位置や向きを持つ断面カーソルを生成する。モデル画像生成部40は、断面カーソルと参照モデルとをレンダリングすることで、モデル画像を生成する。生成されたモデル画像は、画像生成・合成部22により、断層画像と組み合わされ、表示装置24に表示される。
【選択図】図1

Description

本発明は、超音波診断システムに関し、特に三次元エコーデータからある断面の画像を生成して表示する場合の、断面の位置の表示に関する。
現在の超音波診断装置は、超音波探触子(以下、プローブと呼ぶ)の位置を基準とした画像を表示するものが一般的である。このようなプローブ位置基準の画像は、診断のために現にプローブを操作している医師自身には分かりやすいものであるが、プローブがどこにどのような向きで当てられているのかが分からない第三者には、必ずしも理解しやすいものとはいえない。例えば、診断画像のデータを保存し、後で医師自身や他の人がその断層画像を観察する場合、観察の時点ではプローブを操作していないので、医師自身も他の人も、どの部分の画像かが把握しづらい。また、遠隔診療などのために、診断画像を超音波診断装置から遠隔の観察者の元にデータ転送して表示する場合も、遠隔の観察者の観察者にとっても、同様に、表示されているのがどこの部分の画像かが分かりにくい。
特許文献1には、超音波三次元画像データにおける任意断面の画像を表示する装置が開示されている。この技術では、三次元画像データに基づき、参照画像として三次元空間のワイヤーフレームの中に、超音波診断装置により得た組織の立体的画像を表示するとともに、ユーザから断層像表示対象の切断面の指示を受け、その切断面のイメージである切断面カーソルを表示する。そして、切断面を所定の向きから見た断層画像を三次元画像データから生成し、参照画像と並べて表示する。
また、特許文献2には、プローブが被検者の身体のどの部分に当てられているかを示すマークを超音波画像と共に表示することが開示されている。
また、特許文献3には、被検者の身体を模したボディマークを診断画像と共に画面表示し、プローブの位置を磁気センサ等で実測し、ボディマーク上でのその位置にプローブを表すプローブマークを表示する技術が開示されている。
また、特許文献4に開示される装置では、プローブの空間的な位置及び姿勢が計測され、その計測データが、プローブの超音波受信データ(例えば断層画像)に対応づけてシネメモリ等に格納される。シネメモリ等から受信データを読み出して画像を再生する場合に、その受信データに対応付けられた座標データに基づいて参照イメージが生成、表示される。参照イメージは身体を模したボディマーク及びプローブを模したプローブマークで構成され、その参照イメージによって受信データ取得時における診断状況が模式的に再現される。すなわち被検体における診断部位や診断角度がボディマーク上におけるプローブマークの位置及び姿勢として表現される。
特開2004−49426号公報 特開平6−22966号公報 特開2004−05379号公報 特開2005−124712号公報
特許文献1に開示された技術では、超音波により得た組織の立体的画像に対し、断層画像の切断面がどのように位置しているかを表示する。しかしながら、超音波で得た組織の立体的画像は、必ずしも分かりやすいものとはいえない。特に、その立体的画像が示す臓器等の超音波診断画像を見慣れていない人にとっては、分かりにくい。
特許文献2,3,4に記載された技術は、いずれも体表面に対するプローブの位置や姿勢の情報をマークによりを提供するものである。しかし、超音波診断画像の表す範囲が体内の臓器や胎児に対してどのような位置関係にあるかは、体表面に対するプローブの位置や姿勢からは、必ずしも分かりやすいとはいえなかった。
本発明に係る超音波診断システムは、観察対象の臓器又は胎児の一般的な三次元形状を表す三次元形状モデルデータと、当該三次元形状モデルデータにおける各特徴点の座標情報と、を記憶する記憶手段と、被検体内に超音波を送受波して、前記被検体内の前記観察対象の臓器又は胎児を含んだ観察領域の三次元エコーデータを生成する三次元エコーデータ生成手段と、前記三次元エコーデータ生成手段が生成した前記三次元エコーデータから、前記三次元モデルデータの前記各特徴点に対応する各特徴点を特定し、特定した前記三次元エコーデータの前記各特徴点の座標と、前記三次元モデルデータの前記各特徴点の座標と、に基づき、前記三次元モデルデータと前記三次元エコーデータとの間の座標変換情報を生成する座標変換情報生成手段と、を備える超音波診断システムである。
1つの態様では、本発明に係るシステムは、前記三次元エコーデータから、ユーザの指定した断面の断層画像を生成する断層画像生成手段と、前記三次元形状モデルデータを表すモデル画像を生成すると共に、前記ユーザが指定した断面の前記三次元エコーデータ中での位置及び向きと、前記座標変換情報とに基づき、前記三次元モデルデータ上での前記断面を位置及び向きを求め、求めた位置及び向きを持つ断面カーソル画像を前記モデル画像に合成するモデル画像生成手段と、前記断層画像生成手段が生成した前記断層画像と、前記モデル画像生成手段が生成した前記断面カーソルが合成された前記モデル画像と、を互いに対応づけた表示画像を生成する表示画像生成手段と、を更に備えていてもよい。
更なる態様では、前記座標変換情報生成手段は、前記各特徴点の各々について、ユーザに前記三次元エコーデータ中で断面を指定させ、指定された断面について前記断層画像生成手段が生成した前記三次元エコーデータの断層画像上で、前記ユーザから特徴点の位置の指定を受け付ける特徴点指定手段と、前記特徴点指定手段により指定を受け付けた特徴点の前記断層画像上での位置と、前記三次元エコーデータ内での前記断層画像に対応する断面の位置とに基づき、当該特徴点の前記三次元エコーデータ内での座標を算出する算出手段と、を備え、前記各特徴点のそれぞれについて前記算出手段が算出した座標と、前記三次元モデルデータにおける前記各特徴点の座標とに基づき、前記座標変換情報を生成するものであってもよい。
また、別の態様では、前記座標変換情報生成手段は、前記三次元エコーデータ及び前記三次元モデルデータのうちの一方をテンプレートとし、他方に対してテンプレートマッチング処理を実行し、テンプレートマッチング処理により得られた相関係数の値が最大となったときの前記テンプレートの平行移動量、回転角及び縮尺に基づいて前記座標変換情報を生成するものであってもよい。
更なる態様では、本発明に係るシステムは、前記表示画像生成手段が生成した前記表示画像内の前記モデル画像上で前記断面カーソルの位置及び向きの変更指示を受け付ける断面変更指示受付手段と、前記変更指示に応じて変更された前記断面カーソルの位置及び向きを表す情報を、前記座標変換情報を用いて、前記三次元エコーデータの座標系における断面の位置及び向きを表す情報に変換する断面変換手段と、を更に備え、前記断層画像生成手段は、前記三次元エコーデータから、前記断面変換手段が求めた変換後の位置及び向きを表す情報が表す断面の断層画像を生成する、ようにしてもよい。
本発明によれば、被検体の内部にある観察対象に対する断層画像の断面の位置関係を、観察対象の三次元形状を表す三次元モデルデータとの関係で表示することができる。
本発明に係る超音波診断装置の一実施形態の機能ブロック図である。 実施形態の処理手順の一例を示すフローチャートである。 特徴点位置指定の手順の一例を示すフローチャートである。 特徴点の位置指定のための画面表示の例を模式的に示す図である。 断面カーソルを表示したガイド表示と、断層画像とを並べて表示する表示画面の例を模式的に示す図である。 特徴点の位置指定のための画面表示の別の例を模式的に示す図である。 実施形態の処理手順の別の一例を示すフローチャートである。
図1を参照して、本発明に係る超音波診断装置の一実施形態の機能構成を説明する。
例示した装置は、三次元の超音波画像を表示する装置である。この装置において、3D(三次元)プローブ10は、被検体内の三次元エコー取得領域を超音波ビームにより走査し、被検体内で反射されたエコーを受信する超音波探触子である。3Dプローブ10は、一次元アレイの振動子アレイを機械走査する方式のもの、二次元アレイ振動子を用いるものなど、どのような方式のものでもよい。送受信制御部12は、3Dプローブ10を制御して送信超音波ビームの形成及び走査を行わせると共に、3Dプローブ10の振動子アレイの各振動素子が受信したエコー信号(受信信号)を受け取る。整相加算部14は、3Dプローブ10により得られた各振動素子の受信信号を整相加算することで受信ビームを生成する。ビーム処理部16は、整相加算後の受信信号(ビームデータ)に対し、検波処理や対数変換処理などの信号処理を実行する。信号処理後のビームデータは、三次元座標(例えば超音波ビームの2次元の方向を表す座標とエコー反射点の深さを表す座標の組、又は直交三次元座標)によりアドレス可能な状態で、メモリ18に書き込まれる。この書き込みの前に必要に応じて、ビーム走査の座標系から直交座標系等の表示のための座標系に座標変換を行ってもよい。メモリ18には、このようにして、1フレーム(三次元エコー取得領域を1回走査して得られる三次元データ)〜複数フレーム分のボリュームデータが格納される。連続的に走査を行う場合、例えばリングバッファのように、メモリ18内の最も古いフレームのデータに、現在取得したビームデータが上書きされる。
断層画像生成部20は、ボリュームデータから、指定された断面の断層画像を生成する。ユーザは、入力装置28を操作することで、断層画像を生成する断面の位置や向きを変更することができる。例えば、ユーザは、表示装置24に表示された三次元画像や断層画像を見ながら、入力装置28(例えばトラックボール等のポインティングデバイス)を走査して断面の位置や向きを指示すると、その指示が中央制御部26を介して断層画像生成部20に伝達される。断層画像生成部20は、ボリュームデータの中から、指示された位置及び向きの断面上にあるボクセルの値を読み出すことにより、断層画像を生成する。
画像生成・合成部22は、メモリ18内のボリュームデータに基づき三次元エコー取得領域の三次元画像を生成し、この三次元画像と、断層画像生成部20が生成した断層画像とを、例えば並べて表示するなどの形で1つの画面に合成する。合成された画面の画像は、液晶ディスプレイ等の表示装置24に表示される。
ここまでに説明した各モジュールは、従来の三次元超音波診断装置と同様のものでよい。
この実施形態では、更に、表示装置24に対して、断層画像と共に、三次元エコー取得領域内の臓器又は胎児などといった観察対象に対する断層画像の位置関係を表すガイド表示を行う。断層画像の位置の表示に関しては、従来、ボリュームデータにおいてユーザが指定した任意の断面の断層画像を表示し、その断面の位置を、あらかじめ定められた直交する3つの断面の断層画像上に(例えば任意断面とそれら3断面との交線として)表示することが行われている。以下では、断層画像の表示対象としてユーザが指定する断面を、直交3断面などのシステム固定の断面との対比で、任意断面と呼ぶことにする。しかしながら、観察対象のエコー断層画像にあまりなじみがない人や、3Dプローブ10が観察対象に対してどのような向きで当てられているかを分からない人には、そのようなガイド表示では観察対象と任意断面との位置表示が必ずしも分かりやすいとは言えない。そこで、本実施形態では、観察対象の臓器や胎児などの三次元形状を表すモデルを表示し、断層画像を表示する任意断面の位置や向きをその三次元形状モデルに対して表示する。三次元形状モデルは、臓器や胎児等といった観察対象の典型的な三次元形状を表す、三次元コンピュータグラフィックス又は三次元CAD(コンピュータ支援設計)のモデルであり、例えばサーフェイスモデル又はソリッドモデルなどといったモデルである。サーフェイスモデルの場合、観察対象の外表面を表すものであってもよいし、また観察対象の外表面内に腔部などの内部構造がある場合は、その内部構造の表面(例えば心室や心房の内表面や弁など)と外表面との両方を表すものであってもよい。また、ソリッドモデルの場合、観察対象の外形形状を表すものであってもよいし、外形形状とその中の腔部等の内部構造の両方を表すものであってもよい。このような観察対象の三次元形状モデルを、以下では、参照モデルと呼ぶ。臓器や胎児などの観察対象の形状には、解剖学の知見などから一般的、典型的な形状を想定することができるので、本実施形態では、そのような典型形状を表す参照モデルをあらかじめ作成し、用いるのである。
このようなガイド表示のために、この実施形態の超音波診断装置は、記憶装置30、座標整合処理部36、カーソル生成部38及びモデル画像生成部40を備える。
記憶装置30は、例えばハードディスク等の不揮発性の記憶装置であり、参照モデルデータ34と特徴点データ32を記憶している。参照モデルデータ34は、上に説明したような参照モデルを表す三次元形状データである。特徴点データ32は、参照モデル上で定められた複数の特徴点の定義データである。特徴点は、参照モデルを超音波走査により得た実際の三次元エコーデータ(すなわちボリュームデータ)に対して位置合わせするための基準となる点である。例えば、観察対象が胎児の場合、鼻の尖端、顎の尖端、右目の中心、左目の中心などが特徴点となる。ある観察対象の特徴点データ32には、当該観察対象の各特徴点の種類(例えば鼻の尖端か、顎の尖端かなど)と座標のデータが含まれる。この場合の座標は、参照モデルの座標系での座標である。
座標整合処理部36は、メモリ18内のボリュームデータと、参照モデルとの位置合わせを行う処理モジュールである。ボリュームデータは、一般に3Dプローブ10を基準として定められた座標系(プローブ座標系と呼ぶ)で表現されているのに対し、参照モデルは参照モデル自身の座標系で表現されている。また、実際の観察対象の形状と、典型的な形状である参照モデルとの間にはずれが存在する。そこで、座標整合処理部36は、参照モデルをボリュームデータに(或いはその逆に)位置合わせするための座標変換を計算する。この座標変換は、例えば平行移動、回転、拡大・縮小などの成分を含む。
この座標変換を求めるために、この実施形態では、ボリュームデータと参照モデルとの間で、同一の特徴点同士の位置が一致するように、両者間の座標変換を求める。参照モデルの各特徴点の情報は特徴点データ32としてあらかじめ記憶装置32に記憶されている。ボリュームデータの各特徴点は、表示装置24に表示した画像上でユーザに指定させる。
カーソル生成部38は、ユーザがボリュームデータに対して指定した任意断面の位置や向きを、座標整合処理部36が求めた座標変換の情報を用いて参照モデルの座標系に変換し、参照モデル上でその任意断面を表す断面カーソルの三次元データを生成する。
モデル画像生成部40は、参照モデルデータ34と、カーソル生成部38が生成した断面カーソルの三次元データとをレンダリングすることにより、参照モデル上に断面カーソルが示されたモデル画像を生成する。
画像生成・合成部22は、このモデル画像を、断層画像生成部20が生成したユーザ指定された断面の断層画像と共に表示した表示画面を生成し、表示装置24に供給する。また、三次元画像表示が指示されている場合は、画像生成・合成部22は、ボリュームデータをレンダリングした三次元画像も合わせて表示した表示画面を生成する。
中央制御部26は、これまで説明した送受信制御部12や座標整合処理部36等の各モジュールを制御する。
図1に示した各機能モジュールのうち、中央制御部26、座標整合処理部36、カーソル生成部38、モデル画像生成部40は、例えば、それら各機能モジュールの処理を記述したプログラムをプロセッサに実行させることにより実現することができる。
次に、図2及び図3を参照して、この実施形態の装置における断面カーソル表示のための処理手順の一例を説明する。
この手順では、ユーザが観測対象の領域をカバーするように被検者の体表に3Dプローブ10を当てると、図2に示すように、3Dプローブ10が超音波ビームを走査し、その領域のボリュームデータを生成する(S10)。これにより、例えば、画像生成・合成部22が生成したそのボリュームデータの三次元画像と、断層画像生成部20が生成した任意断面(最初はデフォルト設定された断面)の断層画像とが表示装置24に表示される。直交3断面を表示するモードの場合は、更に、あらかじめ定められた互いに直交する3つの断面の断層画像が断層画像生成部20により生成され、表示装置24に表示される。このボリュームデータが、以下に説明する参照モデルとの位置合わせ処理の対象となる。なお、メモリ18内に複数フレームのボリュームデータが記憶されている場合、ユーザがその中から1つを、以下の位置合わせ処理の対象として選択し、表示装置24に表示させてもよい。
ユーザが、入力装置28を介して断面カーソルの表示を指示すると、中央制御部26は、特徴点位置指定処理を実行する(S12)。特徴点位置指定処理の一例を図3に示す。
図3の処理では、中央制御部26は、表示装置24の画面上に、観測対象の複数の特徴点のうちの1つの特徴点の位置の指定を促すメッセージを表示する(S30)。例えば観測対象が胎児の場合、鼻の尖端、顎の尖端、右目、左目という4つの特徴点のうち、まず鼻の尖端の指定を指示するメッセージ(例えば「鼻の尖端をよく表した断層面を表示し、その断層面上で鼻の尖端の位置を指定して下さい。」)を画面に表示する。また、この場合、観測対象が胎児であることは、例えば診断の開始時などに、ユーザが超音波診断装置に指定しておけばよい。この時点では、表示装置24には、デフォルト断面の断層画像が表示されている(S32)ので、ユーザは必要に応じ入力装置28を操作して、表示する断面(任意断面)の位置や向きを変更する(S34)。表示断面が変更された場合、断層画像生成部20が変更後の断面の断層画像をボリュームデータから生成し、表示装置24に表示する。
そして、指定された特徴点を含んだ断面の断層画像が表示装置24に表示されると、ユーザは、入力装置28を走査して、その断層画像上での特徴点の位置を指定する。中央制御部26は、ユーザが指定した、断層画像上での特徴点の位置を取得する(S36)。
そして、中央制御部26は、表示断面の位置や向きを表す情報(例えば断面を表す方程式のパラメータ)と、断層画像上での特徴点の位置の情報とから、ボリュームデータの座標系でのその特徴点の座標を計算する(S38)。
中央制御部26は、以上に示したS30〜S38の処理を、観測対象に対して設定された全特徴点について繰り返す(S40)。
例えば、図4の例では、まず、鼻の尖端の指定をユーザに促すと、ユーザは任意断面の位置や向きを変え、鼻の尖端がよく現れた断層画像100Aが表示装置24に表示されると、その画像100A上で鼻の尖端110の位置を指定する。次に、顎の尖端の指定を促すと、ユーザは、顎の尖端がよく現れた断層画像100Bを表示装置24に表示させ、その画像100B上で顎の尖端110の位置を指定する。次に、右目と左目の指定を促すと、ユーザは、両目がよく現れた断層画像100Cを表示装置24に表示させ、その画像100C上で右目114と左目116の位置をそれぞれ指定する。なお、この明細書に添付する図4等のエコー断層画像の模式図は、実際の断層画像のグレー濃度を反転し、他階調であるところを単純化して描いたものである。
なお、観測対象の特徴点を必須の特徴点と必須でない特徴点とに分類しておき、必須の特徴点がすべて指定されれば、必須でない特徴点が指定されなくてもよいようにしてもよい。
このようにして、ボリュームデータ上での各特徴点の座標が分かると、図2の手順に戻り、次に中央制御部26は、座標整合処理部36に対し、特徴点座標の整合処理を実行させる(S16)。座標整合処理部36は、ボリュームデータ上の各特徴点の座標を、参照モデル上の対応する各特徴点の座標に一致させるための座標変換を計算する。求められる座標変換は、例えば座標変換行列などの情報で表現される。なお、全特徴点の座標が両者間で完全一致することは必須ではない。例えば、対応する特徴点同士の座標の誤差の全特徴点にわたる総和が最小となるような座標変換を求めるようにしてもよい。
このようにして座標変換情報が求められると、カーソル生成部38が、中央制御部26から現在の任意断面のボリュームデータの座標系における位置及び向きを表す情報を受け取り、その任意断面をその座標変換情報を用いて座標変換することで、参照モデルの座標系における任意断面を求め、その任意断面を表す断面カーソルデータを生成する(S16)。断面カーソルデータは、参照モデルの座標系での任意断面の平面を表す三次元データである。モデル画像生成部40は、その断層カーソルデータと参照モデルデータ34とをレンダリングすることで、参照モデルの立体形状に対して任意断面を表すカーソルが合成されたモデル画像を生成する(S18)。画像生成・合成部22は、この断面カーソルつきのモデル画像をガイド表示として、現在の任意断面の断層画像と共に、表示装置24に表示する(S20)。
図5に、任意断面の断層画像200と、ガイド表示210とを並べて表示した表示画面の例を示す。この例の任意断面は胎児の顔のある断面であり、ガイド表示210には、胎児の形状を表す参照モデル画像212に対し、その任意断面を表す断面カーソル214が合成されている。
この表示の後、ユーザが更に入力装置28を操作して任意断面の位置や向きを変更すると(S22の判定結果がYes)、再びカーソル生成部38が変更後の任意断面を表す断面カーソルデータを生成し(S16)、モデル画像生成部40がその断面カーソルデータと参照モデルとを合成したモデルの画像をレンダリングし(S18)、レンダリング結果のガイド表示を変更後の任意断面の断層画像と共に表示する(S20)。以上の処理を、ユーザが終了指示を行うまで繰り返す(S24)。
以上説明したように、この実施形態では、臓器や胎児などといった被検体内部の観察対象に対する、断層画像の断面の位置関係を示すことができる。また、この実施形態では、エコー画像そのものよりも形状を把握しやすい参照モデル上に断面カーソルを表示するので、観察対象のエコー画像に馴染んでいない人や3Dプローブ10を当てた位置や向きを知らない人にも任意断面の位置が分かりやすい。医師などは医学書などにより各種の臓器の形状を把握しているので、エコー画像そのものは分かりにくくても、観察対象の臓器や胎児の典型的な形状をモデル化した参照モデルならば形状や位置関係を把握しやすい。
なお、画像生成・合成部22が生成した、任意断面の断層画像と断面カーソルを含んだガイド表示とを表示した表示画面の情報を、ローカルエリアネットワークやインターネットなどのデータ通信ネットワークを介して遠隔地にある表示装置に送信し、表示させることもできる。
また、ボリュームデータを保存する際、座標整合処理部36が求めた座標変換情報と参照モデルを特定する情報とをそのボリュームデータと対応づけて保存するようにしてもよい。対応づけは、例えば、ボリュームデータのファイルの中に、属性情報として座標変換情報を組み込む等の方法で行うことができる。保存されたボリュームデータを超音波診断装置自身又は他の装置で表示する際に、対応する座標変換情報及び参照モデルの情報を用いることで、ボリュームデータの任意断面の位置を、参照モデル上の断面カーソルにより表示することができる。
また、図4及び図5では胎児を例にとったが、心臓などといった臓器に対してもこの実施形態の手法は適用可能である。心臓の場合、例えば、図6に例示するようにボリュームデータの中から、心エコー法の基本断面のうち左右の心室及び心房がすべて捉えられる心尖部四腔断面の断層画像300をユーザに選択させる。そして、その断層画像300の中から、僧帽弁の弁輪部2点(断面と弁輪部との交点)、三尖弁の弁輪部2点、及び心尖部1点を特徴点として選択させる。そして、これら特徴点の位置が、心臓の参照モデルに設定された心尖部四腔断面における各特徴点と位置合わせされるよう、座標変換を求めればよい。
また、以上の例は、座標変換の計算のためにユーザにボリュームデータ上で特徴点を指定させていたが、そのようなユーザの介在なしに自動的に座標変換を求める処理も考えられる。図7に、この自動方式の例の処理手順を示す。この例の装置構成は、図1に例示したものと同様でよいが、特徴点データ32は不要である。
この手順では、S10で対象とするボリュームデータを取得すると、座標整合処理部36は、そのボリュームデータをあらかじめ定めた閾値を用いて二値化する(S40)。なお、必要に応じ、ボリュームデータの画素値を反転させるなどの処理も行う。そして、参照モデルの縮尺、三次元的な回転角度及び位置を様々に変えながら、参照モデルをテンプレートとしてボリュームデータに対してテンプレートマッチング処理を行う(S42)。このテンプレートマッチング処理では、縮尺、回転角度及び位置の組み合わせごとに、参照モデルとボリュームデータとの相関係数を求める。そして、相関係数が最大となるときに参照モデルとボリュームデータとが位置合わせされたものとし、このときの縮尺、回転角度及び位置の組み合わせを元に、参照モデルとボリュームデータとの間の座標変換を計算する。このように座標変換情報が計算された後の処理は、図2の手順と同様でよい。
また、この実施形態において、モデル画像生成部40が生成したモデル画像上で断層画像をとる断面の位置や向きを指定できるようにしてもよい。この場合、ユーザは、入力装置28を操作して、モデル画像の表示(ガイド表示)上で断面カーソルの位置や向きを変更する。中央制御部26は、変更後の断面カーソルの位置や向きを表す情報を取得し、それを座標整合処理部36が求めた座標変換情報を用いて、ボリュームデータの座標系での断面の位置及び向きを表す情報へと変換する。そして、断層画像生成部20が、その変換により得られた位置及び向きの情報が表す断面上の各ボクセルのデータを描画することにより、ユーザが指定した断面の断層画像を生成する。
10 3Dプローブ、12 送受信制御部、14 整相加算部、16 ビーム処理部、18 メモリ、20 断層画像生成部、22 画像生成・合成部、24 表示装置、26 中央制御部、28 入力装置、30 記憶装置、32 特徴点データ、34 参照モデルデータ、36 座標整合処理部、38 カーソル生成部、40 モデル画像生成部。

Claims (5)

  1. 観察対象の臓器又は胎児の一般的な三次元形状を表す三次元形状モデルデータと、当該三次元形状モデルデータにおける3以上の各特徴点の座標情報と、を記憶する記憶手段と、
    被検体内に超音波を送受波して、前記被検体内の前記観察対象の臓器又は胎児を含んだ観察領域の三次元エコーデータを生成する三次元エコーデータ生成手段と、
    前記三次元エコーデータ生成手段が生成した前記三次元エコーデータから、前記三次元モデルデータの前記各特徴点に対応する各特徴点を特定し、特定した前記三次元エコーデータの前記各特徴点の座標と、前記三次元モデルデータの前記各特徴点の座標と、に基づき、前記三次元モデルデータと前記三次元エコーデータとの間の座標変換情報を生成する座標変換情報生成手段と、
    を備える超音波診断システム。
  2. 前記三次元エコーデータから、ユーザの指定した断面の断層画像を生成する断層画像生成手段と、
    前記三次元形状モデルデータを表すモデル画像を生成すると共に、前記ユーザが指定した断面の前記三次元エコーデータ中での位置及び向きと、前記座標変換情報とに基づき、前記三次元モデルデータ上での前記断面を位置及び向きを求め、求めた位置及び向きを持つ断面カーソル画像を前記モデル画像に合成するモデル画像生成手段と、
    前記断層画像生成手段が生成した前記断層画像と、前記モデル画像生成手段が生成した前記断面カーソルが合成された前記モデル画像と、を互いに対応づけた表示画像を生成する表示画像生成手段と、
    を更に備える請求項1に記載の超音波診断システム。
  3. 前記座標変換情報生成手段は、
    前記各特徴点の各々について、ユーザに前記三次元エコーデータ中で断面を指定させ、指定された断面について前記断層画像生成手段が生成した前記三次元エコーデータの断層画像上で、前記ユーザから特徴点の位置の指定を受け付ける特徴点指定手段と、
    前記特徴点指定手段により指定を受け付けた特徴点の前記断層画像上での位置と、前記三次元エコーデータ内での前記断層画像に対応する断面の位置とに基づき、当該特徴点の前記三次元エコーデータ内での座標を算出する算出手段と、
    を備え、前記各特徴点のそれぞれについて前記算出手段が算出した座標と、前記三次元モデルデータにおける前記各特徴点の座標とに基づき、前記座標変換情報を生成する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波診断システム。
  4. 前記座標変換情報生成手段は、前記三次元エコーデータ及び前記三次元モデルデータのうちの一方をテンプレートとし、他方に対してテンプレートマッチング処理を実行し、テンプレートマッチング処理により得られた相関係数の値が最大となったときの前記テンプレートの平行移動量、回転角及び縮尺に基づいて前記座標変換情報を生成する、
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波診断システム。
  5. 前記表示画像生成手段が生成した前記表示画像内の前記モデル画像上で前記断面カーソルの位置及び向きの変更指示を受け付ける断面変更指示受付手段と、
    前記変更指示に応じて変更された前記断面カーソルの位置及び向きを表す情報を、前記座標変換情報を用いて、前記三次元エコーデータの座標系における断面の位置及び向きを表す情報に変換する断面変換手段と、
    を更に備え、
    前記断層画像生成手段は、前記三次元エコーデータから、前記断面変換手段が求めた変換後の位置及び向きを表す情報が表す断面の断層画像を生成する、
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の超音波診断システム。
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