JP3927078B2 - 感光ドラム基体及びこれを用いた感光ドラム - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自然環境中に置かれたときの廃棄問題に対応しうる、生分解性に優れた感光ドラム基体及びこれを用いた感光ドラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、ファクシミリ、プリンターなどの電子写真装置や静電記録装置などにおける静電記録プロセスにおいては、一般にまず、光導電性物質〔例えばZnO、CdS、Se、OPC(有機半導体)、アモルファスシリコン(a−Si)など〕層を有する感光ドラム表面を一様に帯電させ、該感光ドラム表面に光学系から映像を投射し光の当たった部分の帯電を消去することによって静電潜像を形成し、次いで、この静電潜像にトナーを供給してトナーの静電的付着によりトナー像を形成し、これを紙、OHP、印画紙などの記録媒体へ転写して画像を形成する方法が採られている。
【0003】
このような静電記録プロセスに用いられる感光ドラムは、たとえば、感光ドラム基体に感光剤を分散させた感光剤塗膜を浸漬塗布することにより得ることができる。この感光ドラム基体としては、従来、比較的軽量で機械加工性にも優れ、かつ良好な導電性を有することから、アルミニウム合金を円筒状や円柱状に加工した感光ドラム基体が用いられていたが、近年、このアルミニウム合金製基体に代わるものとして、例えばポリアミド系樹脂などの熱可塑性樹脂にカーボンブラックなどの導電剤を混合分散した導電性樹脂を射出成形してなる感光ドラム基体が多く用いられている。
この樹脂製の感光ドラム基体を使用後に焼却または埋め立てによって処分することは自然環境に悪影響を及ぼすため、リサイクル、例えば、スプル・ランナの成形材や導電性ギヤ、導電性トレーなどの他の導電性樹脂製品の成形材としての再利用が考えられているが、いずれも環境負荷の考え方からは完全なリサイクルとはいえず、最終的に自然に還る形の完全なリサイクルが必要とされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、このような状況下で、従来における諸問題を解決し、自然環境下での完全リサイクルが可能な、環境負荷の小さい感光ドラム基体及びこれを用いた感光ドラムを提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の優れた機能を有する感光ドラム基体及び感光ドラムを開発すべく鋭意研究を重ねた結果、生分解性樹脂を成形してその表面に導電層を設けることにより、その目的を達成し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち本発明は、電子写真プロセスに用いられる感光ドラム用樹脂製基体であって、生分解性の樹脂成分からなる本体と該本体の外側に配設された導電層とから成ることを特徴とする感光ドラム基体を提供するものである。
また本発明は、前記感光ドラム基体と該感光ドラム基体の外側に配設された感光層とから成ることを特徴とする感光ドラムをも提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明でいう生分解性とは、黴、細菌、酵母などの環境中に存在する微生物が産生する酵素の作用によって、ポリマーがオリゴマーやモノマー、あるいはさらに低分子の物質にまで分解される性質のことであり、最終的には、水、炭酸ガス、メタンなどにまで分解されることである。
かかる性質を有する生分解性樹脂としては、微生物産生系、天然系及び化学合成系のものが知られているが、本発明における導電性樹脂組成物としては、射出成形性に優れた化学合成系の生分解性樹脂が好ましく用いられる。
【0007】
化学合成系の生分解性樹脂の代表的な例としては、脂肪族ポリエステル系のもの及びジオール・ジカルボン酸縮合系のものがあり、脂肪族ポリエステル系のものしては、乳酸を開環重合又は直接重合し二量化したポリ乳酸、カプロラクトンを直接重合したポリカプロラクトンなどが、ジオール・ジカルボン酸縮合系のものとしては、コハク酸と1,4−ブタンジオールとを重縮合したポリブチレンサクシネート・アジペートのほか、ポリエチレンサクシネート・アジペート、ポリブチレンアジペート・テレフタレート、ポリブチレンサクシネート・テレフタレート、ポリエチレンサクシネート・テレフタレート、ポリテトラメチレンアジペート・テレフタレート、ポリビニリアルコール鹸化物などが挙げられる。
かかる生分解性樹脂の成形方法としては、例えば、射出成形法、押出成形法などが挙げられるが、射出成形法が特に好ましい。成形温度や射出圧力などの成形条件は、基体を構成する生分解性樹脂の種類などに応じて適宜選択される。
【0008】
本発明における導電層において用いられる導電剤としては、特に制限されず、例えば、カーボンブラック、グラファイト、さらにはアルミニウム、銅、ニッケルなどの金属粉、導電性ガラス粉などが挙げられるが、この中ではカーボンブラックが好ましい。
また、イオン導電材も導電剤として使用することができる。イオン導電材としては、テトラエチルアンモニウム,テトラブチルアンモニウム,ラウリルトリメチルアンモニウム等のドデシルトリメチルアンモニウム,ヘキサデシルトリメチルアンモニウム,ステアリルトリメチルアンミニウム等のオクタデシルトリメチルアンモニウム,ベンジルトリメチルアンモニウム,変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウム等のアンモニウムの過塩素酸塩,塩素酸塩,塩酸塩,臭素酸塩,ヨウ素酸塩,ホウフッ化水素酸塩,硫酸塩,アルキル硫酸塩,カルボン酸塩,スルホン酸塩などの有機イオン導電材及びリチウム,ナトリウム,カルシウム,マグネシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の過塩素酸塩,塩素酸塩,塩酸塩,臭素酸塩,ヨウ素酸塩,ホウフッ化水素酸塩,トリフルオロメチル硫酸塩,スルホン酸塩などの無機イオン導電材を挙げることができる。
【0009】
導電層を形成するための導電性塗料としては、上記の如き導電剤を適当な高分子体成分に分散させたものが使用し得るが、導電層の上に設けられる感光層に対する下引き層としての効果を有する材料に導電剤を分散させたものが好ましい。この下引き層は、感光ドラムの本体からの不要荷電の注入阻止、電荷集中による放電破壊からの感光層の保護、感光ドラムの本体表面欠陥の隠蔽、感光層の密着性向上などを目的としており、その材料としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、カゼイン、ポリアミドなどがある。
導電層の形成方法としては、たとえば、前記の材料を適当な有機溶剤に溶解して感光ドラムの本体の表面に塗布・乾燥して、0.5〜5μm程度の膜厚の層を形成する方法を挙げることができる。
【0010】
本発明の感光ドラムは、前記の感光ドラム基体と、その外側に配設された感光層とからなるものである。前記感光層としては、少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を有するものが好ましい。ここで、電荷発生層は、通常電荷発生化合物及び結着樹脂から構成される。前記電荷発生化合物としては、特に制限はなく、従来、感光体の電荷発生層に用いられる公知の化合物の中から適宜選択され、各種無機系導電性化合物、有機系導電性化合物などが挙げられる。これらの中でも、電荷発生能の高い化合物などが好ましい。また、結着樹脂としては、特に制限はなく、従来、感光体の電荷発生層などに用いられる公知の樹脂の中から適宜選択される。この電荷発生層は、例えば塗布、蒸着などの公知の方法によって形成することができる。
【0011】
一方、電荷輸送層は、不均一電荷輸送層及び均一電荷輸送層を有するものが好ましく、前記不均一電荷輸送層としては、特に制限はないが、粒子分散型不均一電荷輸送層や、相分離型不均一電荷輸送層などが好ましい。該不均一電荷輸送層は、たとえば、高分子材料などの、前記不均一電荷輸送層に含有させる材料を、溶剤に分散させ、塗布などの公知の方法によって形成することができる。
前記均一電荷輸送層としては、特に制限はないが、電荷輸送能が高く、成膜性に優れる高分子化合物を含有するものが好ましい。該均一電荷輸送層は、前記高分子材料などの、前記均一電荷輸送層に含有させる材料を、溶剤に分散させ、塗布などの公知の方法によって形成することができる。
【0012】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
【0013】
実施例1
ジオール・ジカルボン酸縮合系の生分解性樹脂であるポリブチレンアジペート・テレフタレート〔BASFジャパン社製、商標:エコフレックス〕を使用し、通常の射出成形により、外径30mm、厚さ1.7mm、長さ260mmのパイプ状の成形体(本体)を得た。
このパイプ状の成形体の表面に、ファーネスカーボンブラック〔旭カーボン(株)製,商標「旭AX−015」〕20重量部、アルコール可溶性ポリアミド〔東レ(株)製,商標「アミランCM−8000」〕100重量部及びメチルアルコール700重量部からなる導電性塗料を塗布して、膜厚1μmの導電層を形成した。
更に、この導電層の上に通常の方法で感光層を形成し、感光ドラムを得た。
この感光ドラムは、廃棄するに際しては、導電層及び感光層を有機溶剤で除去することにより、微生物による分解が可能なものである。
【0014】
実施例2
生分解性樹脂として、脂肪族ポリエステル系の生分解性樹脂であるポリ乳酸〔三井化学(株)製、商標:レイシア〕を使用した以外は、実施例1と同様に実施し、感光ドラムを得た。
この感光ドラムは、廃棄するに際しては、導電層及び感光層を有機溶剤で除去することにより、微生物による分解が可能なものである。
【0015】
比較例1
ポリアミド66樹脂〔宇部興産(株)製,商標「宇部ナイロン2015B」〕100重量部及びファーネスカーボンブラック〔旭カーボン(株)製,商標「旭AX−015」〕28重量部からなる導電性樹脂組成物を使用し、通常の射出成形により、外径30mm、厚さ1.7mm、長さ260mmのパイプ状の成形体を得た。
この成形体の表面に、通常の方法で感光層を形成し、感光ドラムを得た。
この感光ドラムは、廃棄するに際しては、感光層を有機溶剤で除去しても、微生物による分解はできないものである。
【0016】
【発明の効果】
本発明の感光ドラム基体は、感光ドラムに使用した後に廃棄する場合は、導電層及び感光層を有機溶剤で除去することにより、微生物による分解が可能なものであり、自然環境下での完全リサイクルが可能な、環境負荷の小さいものである。
【発明の属する技術分野】
本発明は、自然環境中に置かれたときの廃棄問題に対応しうる、生分解性に優れた感光ドラム基体及びこれを用いた感光ドラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
複写機、ファクシミリ、プリンターなどの電子写真装置や静電記録装置などにおける静電記録プロセスにおいては、一般にまず、光導電性物質〔例えばZnO、CdS、Se、OPC(有機半導体)、アモルファスシリコン(a−Si)など〕層を有する感光ドラム表面を一様に帯電させ、該感光ドラム表面に光学系から映像を投射し光の当たった部分の帯電を消去することによって静電潜像を形成し、次いで、この静電潜像にトナーを供給してトナーの静電的付着によりトナー像を形成し、これを紙、OHP、印画紙などの記録媒体へ転写して画像を形成する方法が採られている。
【0003】
このような静電記録プロセスに用いられる感光ドラムは、たとえば、感光ドラム基体に感光剤を分散させた感光剤塗膜を浸漬塗布することにより得ることができる。この感光ドラム基体としては、従来、比較的軽量で機械加工性にも優れ、かつ良好な導電性を有することから、アルミニウム合金を円筒状や円柱状に加工した感光ドラム基体が用いられていたが、近年、このアルミニウム合金製基体に代わるものとして、例えばポリアミド系樹脂などの熱可塑性樹脂にカーボンブラックなどの導電剤を混合分散した導電性樹脂を射出成形してなる感光ドラム基体が多く用いられている。
この樹脂製の感光ドラム基体を使用後に焼却または埋め立てによって処分することは自然環境に悪影響を及ぼすため、リサイクル、例えば、スプル・ランナの成形材や導電性ギヤ、導電性トレーなどの他の導電性樹脂製品の成形材としての再利用が考えられているが、いずれも環境負荷の考え方からは完全なリサイクルとはいえず、最終的に自然に還る形の完全なリサイクルが必要とされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは、このような状況下で、従来における諸問題を解決し、自然環境下での完全リサイクルが可能な、環境負荷の小さい感光ドラム基体及びこれを用いた感光ドラムを提供することを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記の優れた機能を有する感光ドラム基体及び感光ドラムを開発すべく鋭意研究を重ねた結果、生分解性樹脂を成形してその表面に導電層を設けることにより、その目的を達成し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち本発明は、電子写真プロセスに用いられる感光ドラム用樹脂製基体であって、生分解性の樹脂成分からなる本体と該本体の外側に配設された導電層とから成ることを特徴とする感光ドラム基体を提供するものである。
また本発明は、前記感光ドラム基体と該感光ドラム基体の外側に配設された感光層とから成ることを特徴とする感光ドラムをも提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明でいう生分解性とは、黴、細菌、酵母などの環境中に存在する微生物が産生する酵素の作用によって、ポリマーがオリゴマーやモノマー、あるいはさらに低分子の物質にまで分解される性質のことであり、最終的には、水、炭酸ガス、メタンなどにまで分解されることである。
かかる性質を有する生分解性樹脂としては、微生物産生系、天然系及び化学合成系のものが知られているが、本発明における導電性樹脂組成物としては、射出成形性に優れた化学合成系の生分解性樹脂が好ましく用いられる。
【0007】
化学合成系の生分解性樹脂の代表的な例としては、脂肪族ポリエステル系のもの及びジオール・ジカルボン酸縮合系のものがあり、脂肪族ポリエステル系のものしては、乳酸を開環重合又は直接重合し二量化したポリ乳酸、カプロラクトンを直接重合したポリカプロラクトンなどが、ジオール・ジカルボン酸縮合系のものとしては、コハク酸と1,4−ブタンジオールとを重縮合したポリブチレンサクシネート・アジペートのほか、ポリエチレンサクシネート・アジペート、ポリブチレンアジペート・テレフタレート、ポリブチレンサクシネート・テレフタレート、ポリエチレンサクシネート・テレフタレート、ポリテトラメチレンアジペート・テレフタレート、ポリビニリアルコール鹸化物などが挙げられる。
かかる生分解性樹脂の成形方法としては、例えば、射出成形法、押出成形法などが挙げられるが、射出成形法が特に好ましい。成形温度や射出圧力などの成形条件は、基体を構成する生分解性樹脂の種類などに応じて適宜選択される。
【0008】
本発明における導電層において用いられる導電剤としては、特に制限されず、例えば、カーボンブラック、グラファイト、さらにはアルミニウム、銅、ニッケルなどの金属粉、導電性ガラス粉などが挙げられるが、この中ではカーボンブラックが好ましい。
また、イオン導電材も導電剤として使用することができる。イオン導電材としては、テトラエチルアンモニウム,テトラブチルアンモニウム,ラウリルトリメチルアンモニウム等のドデシルトリメチルアンモニウム,ヘキサデシルトリメチルアンモニウム,ステアリルトリメチルアンミニウム等のオクタデシルトリメチルアンモニウム,ベンジルトリメチルアンモニウム,変性脂肪族ジメチルエチルアンモニウム等のアンモニウムの過塩素酸塩,塩素酸塩,塩酸塩,臭素酸塩,ヨウ素酸塩,ホウフッ化水素酸塩,硫酸塩,アルキル硫酸塩,カルボン酸塩,スルホン酸塩などの有機イオン導電材及びリチウム,ナトリウム,カルシウム,マグネシウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の過塩素酸塩,塩素酸塩,塩酸塩,臭素酸塩,ヨウ素酸塩,ホウフッ化水素酸塩,トリフルオロメチル硫酸塩,スルホン酸塩などの無機イオン導電材を挙げることができる。
【0009】
導電層を形成するための導電性塗料としては、上記の如き導電剤を適当な高分子体成分に分散させたものが使用し得るが、導電層の上に設けられる感光層に対する下引き層としての効果を有する材料に導電剤を分散させたものが好ましい。この下引き層は、感光ドラムの本体からの不要荷電の注入阻止、電荷集中による放電破壊からの感光層の保護、感光ドラムの本体表面欠陥の隠蔽、感光層の密着性向上などを目的としており、その材料としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、メチルセルロース、カゼイン、ポリアミドなどがある。
導電層の形成方法としては、たとえば、前記の材料を適当な有機溶剤に溶解して感光ドラムの本体の表面に塗布・乾燥して、0.5〜5μm程度の膜厚の層を形成する方法を挙げることができる。
【0010】
本発明の感光ドラムは、前記の感光ドラム基体と、その外側に配設された感光層とからなるものである。前記感光層としては、少なくとも電荷発生層及び電荷輸送層を有するものが好ましい。ここで、電荷発生層は、通常電荷発生化合物及び結着樹脂から構成される。前記電荷発生化合物としては、特に制限はなく、従来、感光体の電荷発生層に用いられる公知の化合物の中から適宜選択され、各種無機系導電性化合物、有機系導電性化合物などが挙げられる。これらの中でも、電荷発生能の高い化合物などが好ましい。また、結着樹脂としては、特に制限はなく、従来、感光体の電荷発生層などに用いられる公知の樹脂の中から適宜選択される。この電荷発生層は、例えば塗布、蒸着などの公知の方法によって形成することができる。
【0011】
一方、電荷輸送層は、不均一電荷輸送層及び均一電荷輸送層を有するものが好ましく、前記不均一電荷輸送層としては、特に制限はないが、粒子分散型不均一電荷輸送層や、相分離型不均一電荷輸送層などが好ましい。該不均一電荷輸送層は、たとえば、高分子材料などの、前記不均一電荷輸送層に含有させる材料を、溶剤に分散させ、塗布などの公知の方法によって形成することができる。
前記均一電荷輸送層としては、特に制限はないが、電荷輸送能が高く、成膜性に優れる高分子化合物を含有するものが好ましい。該均一電荷輸送層は、前記高分子材料などの、前記均一電荷輸送層に含有させる材料を、溶剤に分散させ、塗布などの公知の方法によって形成することができる。
【0012】
【実施例】
次に、本発明を実施例により、さらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
【0013】
実施例1
ジオール・ジカルボン酸縮合系の生分解性樹脂であるポリブチレンアジペート・テレフタレート〔BASFジャパン社製、商標:エコフレックス〕を使用し、通常の射出成形により、外径30mm、厚さ1.7mm、長さ260mmのパイプ状の成形体(本体)を得た。
このパイプ状の成形体の表面に、ファーネスカーボンブラック〔旭カーボン(株)製,商標「旭AX−015」〕20重量部、アルコール可溶性ポリアミド〔東レ(株)製,商標「アミランCM−8000」〕100重量部及びメチルアルコール700重量部からなる導電性塗料を塗布して、膜厚1μmの導電層を形成した。
更に、この導電層の上に通常の方法で感光層を形成し、感光ドラムを得た。
この感光ドラムは、廃棄するに際しては、導電層及び感光層を有機溶剤で除去することにより、微生物による分解が可能なものである。
【0014】
実施例2
生分解性樹脂として、脂肪族ポリエステル系の生分解性樹脂であるポリ乳酸〔三井化学(株)製、商標:レイシア〕を使用した以外は、実施例1と同様に実施し、感光ドラムを得た。
この感光ドラムは、廃棄するに際しては、導電層及び感光層を有機溶剤で除去することにより、微生物による分解が可能なものである。
【0015】
比較例1
ポリアミド66樹脂〔宇部興産(株)製,商標「宇部ナイロン2015B」〕100重量部及びファーネスカーボンブラック〔旭カーボン(株)製,商標「旭AX−015」〕28重量部からなる導電性樹脂組成物を使用し、通常の射出成形により、外径30mm、厚さ1.7mm、長さ260mmのパイプ状の成形体を得た。
この成形体の表面に、通常の方法で感光層を形成し、感光ドラムを得た。
この感光ドラムは、廃棄するに際しては、感光層を有機溶剤で除去しても、微生物による分解はできないものである。
【0016】
【発明の効果】
本発明の感光ドラム基体は、感光ドラムに使用した後に廃棄する場合は、導電層及び感光層を有機溶剤で除去することにより、微生物による分解が可能なものであり、自然環境下での完全リサイクルが可能な、環境負荷の小さいものである。
Claims (6)
- 電子写真プロセスに用いられる感光ドラム用樹脂製基体であって、生分解性樹脂からなる本体と該本体の外側に配設された導電層とから成ることを特徴とする感光ドラム基体。
- 生分解性樹脂が化学合成系生分解性樹脂である請求項1に記載の感光ドラム基体。
- 生分解性樹脂が脂肪族ポリエステル系の化学合成系生分解性樹脂である請求項1又は2に記載の感光ドラム基体。
- 生分解性樹脂がジオール・カルボン酸縮合系の化学合成系生分解性樹脂である請求項1又は2に記載の感光ドラム基体。
- 導電層が高分子体成分と導電剤とを配合して成り、該導電剤がカーボンブラックを含むものである請求項1〜4のいずれかに記載の感光ドラム基体。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の感光ドラム基体と該感光ドラム基体の外側に配設された感光層とから成ることを特徴とする感光ドラム。
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JP2002170860A JP3927078B2 (ja) | 2002-06-12 | 2002-06-12 | 感光ドラム基体及びこれを用いた感光ドラム |
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