JP3927012B2 - 走査型電子顕微鏡、及び基板支持方法 - Google Patents
走査型電子顕微鏡、及び基板支持方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、走査型電子顕微鏡により半導体基板を観察するときに半導体基板を支持するための基板支持装置、これを備えた走査型電子顕微鏡、及び基板支持方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、走査型電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)によりシリコンウェハなどの半導体基板を観察するとき、半導体基板はステージ上でリフトピンの上に単に載置されることが多かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
近年、スループット向上の要請から、ステージ移動の高速化が求められている。しかしながら、上記したようにリフトピン上に単に半導体基板を載置しておくだけでは、ステージ移動により半導体基板が滑ってしまい、正確な位置決めができなくなるおそれがある。
【0004】
そこで発明者は、静電力により半導体基板をステージ上に吸着して支持することを考えた。ここで、静電吸着するときに生じる電界は、理想的には半導体基板裏面において静電吸着用の電極と閉ループを形成するため、半導体基板表面には影響を与えない。しかしながら、現実には微小のもれ電流が存在するため、この影響により電子ビームが曲げられてミクロン単位で照射位置にずれが生じる。このずれは観察位置に応じて異なりその補正が容易でないため、良好な画像情報を得ることができないおそれがある。
【0005】
また、ボルテージコントラスト技術を利用する場合には、観察位置が負の電極上にある場合と正の電極上にある場合とで、照射される電子ビームへの影響或いは出射される二次電子への影響が異なり、得られる画像に差が生じるため、良好な画像情報を得ることができないおそれがある。
【0006】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、半導体基板を観察するときに、半導体基板を確実に支持すると共に、良好な画像情報を得ることを可能とする基板支持装置を備えた走査型電子顕微鏡、及び基板支持方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る走査型電子顕微鏡は、半導体基板を観察するときに半導体基板を支持するための基板支持装置を備えた走査型電子顕微鏡である。基板支持装置は、(1)半導体基板が搭載される搭載面を有する誘電体部と、(2)誘電体部内で搭載面に沿って設けられており、電位を互いに独立に制御可能な複数の電極と、(3)搭載面上に半導体基板を静電吸着するように、複数の電極の少なくとも一組に正負の電位をそれぞれ付与しつつ、半導体基板上の観察位置に対応する搭載面上の領域下にある電極の電位をいずれの観察位置においても常に一定の値とするように、複数の電極の電位を制御する制御装置と、を備えることを特徴とする。
【0008】
また本発明に係る基板支持方法は、走査型電子顕微鏡により半導体基板を観察するときに半導体基板を支持するための基板支持方法である。この方法では、半導体基板が搭載される搭載面を有する誘電体部と、誘電体部内で搭載面に沿って設けられており、電位を互いに独立に制御可能な複数の電極と、を備えた基板支持装置を用い、搭載面上に半導体基板を搭載し、複数の電極の少なくとも一組に正負の電位をそれぞれ付与しつつ複数の電極の電位を制御して、搭載面上に半導体基板を静電吸着すると共に、半導体基板上の観察位置に対応する搭載面上の領域下にある電極の電位をいずれの観察位置においても常に一定の値とする、ことを特徴とする。
【0009】
この基板支持装置及び基板支持方法では、複数の電極の少なくとも一組に正負の電位をそれぞれ付与するように電位を制御することにより、誘電体部の搭載面上に半導体基板を静電吸着することが可能であるため、半導体基板を確実に支持することができる。これにより、位置決めを高速に行うときでも半導体基板が搭載面上を滑るおそれがない。また、複数の電極の電位を制御することにより、半導体基板上の観察位置に対応する搭載面上の領域下にある電極の電位をいずれの観察位置においても常に一定の値とすることができるため、常に同一の条件で観察を行うことが可能となり、良好な画像情報を得ることができる。
【0010】
また上記した基板支持装置において、制御装置は、搭載面上に半導体基板を静電吸着すると共に、半導体基板上の観察位置に対応する搭載面上の領域下にある電極の電位を常にゼロとするように、複数の電極の電位を制御することを特徴としてもよい。また上記した基板支持方法において、複数の電極の電位を制御して、誘電体部の搭載面上に半導体基板を静電吸着すると共に、半導体基板上の観察位置に対応する搭載面上の領域下にある電極の電位を常にゼロとする、ことを特徴としてもよい。
【0011】
このようにすれば、照射される電子ビーム或いは出射される二次電子は電界の影響を受けることなく常に同一の条件で観察を行うことが可能となり、良好な画像情報を得ることができる。
【0012】
また上記した基板支持装置において、制御装置は、搭載面上に半導体基板を静電吸着すると共に、半導体基板上の観察位置に対応する搭載面上の領域下にある電極の電位を常に一定の負値とするように、複数の電極の電位を制御することを特徴としてもよい。また上記した基板支持方法において、複数の電極の電位を制御して、誘電体部の搭載面上に半導体基板を静電吸着すると共に、半導体基板上の観察位置に対応する搭載面上の領域下にある電極の電位を常に一定の負値とする、ことを特徴としてもよい。
【0013】
このようにすれば、照射される電子ビーム或いは出射される二次電子は負の電位の影響を受けるが、この影響は常に一定であるため、常に同一の条件で観察を行うことが可能となる。そして、この影響は容易に補正することができるため、これにより良好な画像情報を得ることができる。また、負の電位の影響により二次電子の出射が促進されるため、より良好な画像情報を得ることが可能となる。
【0014】
また上記した基板支持装置において、複数の電極は、搭載面の全面に沿って設けられていることを特徴としてもよい。また上記した基板支持装置において、複数の電極は複数の電極対を含み、複数の電極対は搭載面に沿って分散して設けられていることを特徴としてもよい。
【0015】
また上記した基板支持装置において、複数の電極は同面積であることを特徴としてもよい。このようにすれば、複数の電極から任意に一対の電極を選択し、所定の電位を与えて半導体基板を静電吸着しても、バランス良く吸着することができる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0018】
まず、基板支持装置及び基板支持方法の具体的な実施形態について説明する前に、本発明において半導体基板を支持する原理について説明する。
【0019】
本願発明者は、走査型電子顕微鏡(SEM)により半導体基板を観察するとき、図12に示すような外形が円柱状をなす静電吸着部100を用いて、半導体基板Wを静電吸着して支持することを考えた。静電吸着部100は、半導体基板Wが搭載される搭載面101を含む誘電体部102と、誘電体部102内で搭載面101に沿って設けられた複数の電極103と、を有している。
【0020】
説明の便宜のために、まず図13(a),(b)に示すように、2個の電極が誘電体部102の搭載面101の全面に沿って設けられており、これら電極E1,E2の電位を制御して、半導体基板Wを静電吸着する場合について説明する。図13(a)の状態では、電極E1が負の電位V-(例えば−500V)を有し、電極E2が正の電位V+(例えば+500V)を有している。半導体基板Wの観察位置Oが電極E1上にあるとき、半導体基板W上に照射される電子ビーム或いは半導体基板Wから出射される二次電子は、負の電位の影響を受ける。次に、半導体基板Wの観察位置Oが電極E2上に来たとき、電極E1,E2の電位がそのままの状態では、電子ビーム或いは二次電子は、正の電位の影響を受ける。
【0021】
このように、観察位置が負の電極上にある場合と正の電極上にある場合とで、照射される電子ビーム或いは出射される二次電子への影響が異なり、得られる画像に差が生じるため、良好な画像情報を得ることができないおそれがある。
【0022】
そこで本願発明者は、半導体基板Wの観察位置Oが電極E2上に来たとき、図13(b)に示すように、電極E1が正の電位V+を有し、電極E2が負の電位V-を有するように、電極E1,E2の電位を制御する。これにより、半導体基板W上の観察位置Oに対応する搭載面101上の領域の電位を常に一定の負の電位V-とすることができるため、常に同一の条件で観察を行うことが可能となる。このとき、半導体基板W上に照射される電子ビーム或いは半導体基板Wから出射される二次電子は負の電位の影響を受けるが、この影響は常に一定であるため容易に補正することができる。これにより、良好な画像情報を得ることができる。
【0023】
なお、電極E1,E2の電位の絶対値を同一にすることは必ずしも必要ではない。例えば、一方の電極の電位を−700V、他方の電極の電位を+300Vとするなどして電位をアンバランスにしても、半導体基板Wを静電吸着することができる。
【0024】
以上、2個の電極が誘電体部102の搭載面101の全面に沿って設けられている場合について説明したが、異なる符号の電位を持つ電極E1、E2の境界B上では、両電極の影響を受けることが考えられるため、電極同士の境界上では取得される画像情報が劣化することも考えられる。そこで、電極同士の境界上についても良好な画像情報を取得したい場合は、3個以上の電極を設けると好ましい。図14(a),(b)は、3個の電極E1、E2、E3を設けた場合を示している。この場合、例えば電極E1、E2が負の電位V-(例えば−500V)を有し、電極E3が正の電位V+(例えば+500V)を有するように制御すれば、電極E1、E2の境界上で取得される画像情報の劣化が抑制される。また、電極E1が正の電位V+を有し、電極E2、E3が負の電位V-を有するように制御すれば、電極E2、E3の境界上で取得される画像情報の劣化が抑制される。上記のように3個の電極E1、E2、E3を切り替え制御することで、電極の境界上で取得される画像情報の劣化が抑制されると共に、観察位置Oが電極E1、E2、E3のいずれの上にあっても、半導体基板W上の観察位置Oに対応する搭載面101上の領域の電位を常に一定の負の電位V-とすることができるため、常に同一の条件で観察を行うことが可能となり、良好な画像情報を得ることができる。
【0025】
さらに、4個以上の電極を設けることで、電極同士の境界上について良好な画像情報を取得することが可能であると共に、半導体基板W上に照射される電子ビーム或いは半導体基板Wから出射される二次電子が電位の影響を受けないようにすることもできる。図15(a),(b),(c)は、4個の電極E1、E2、E3、E4を設けた場合を示している。この場合、例えば電極E1、E2の電位がゼロであり、電極E3が負の電位V-(例えば−500V)を有し、電極E4が正の電位V+(例えば+500V)を有するように制御すれば、電極E1、E2上では電位の影響を受けることがなく良好な画像情報を取得することができ、また電極E1、E2の境界上で取得される画像情報の劣化が抑制される。また、電極E1が負の電位V-を有し、電極E2、E3の電位がゼロであり、電極E4が正の電位V+を有するように制御すれば、電極E2、E3上では電位の影響を受けることがなく良好な画像情報を取得することができ、また電極E2、E3の境界上で取得される画像情報の劣化が抑制される。また、電極E1が負の電位V-を有し、電極E2が正の電位V+を有し、電極E3、E4の電位がゼロであるように制御すれば、電極E3、E4上では電位の影響を受けることがなく良好な画像情報を取得することができ、また電極E3、E4の境界上で取得される画像情報の劣化が抑制される。
【0026】
上記のように4個の電極E1、E2、E3、E4を切り替え制御することで、観察位置Oが電極E1、E2、E3、E4のいずれの上にあっても、電極の境界上で取得される画像情報の劣化が抑制されると共に、半導体基板W上の観察位置Oに対応する搭載面101上の領域の電位を常にゼロとすることができる。従って、電位の影響をうけることなく常に同一の条件で観察を行うことが可能となり、良好な画像情報を得ることができる。
【0027】
以上説明したように、複数の電極の電位を切り替え制御し、半導体基板W上の観察位置Oに対応する搭載面101上の領域の電位を常にゼロ、一定の負値、あるいは一定の正値とすることで、常に同一の条件で半導体基板Wの観察を行うことが可能となり、良好な画像情報を得ることができる。特に、搭載面101上の領域の電位を常に一定の負値とすれば、半導体基板Wからの二次電子の放出が促進されるため好ましい。なお、半導体基板W上の観察位置Oに対応する搭載面101上の領域の電位は、実質的に一定であれば足り、厳密に一定であることを要求するものではない。
【0028】
また、複数の電極を同面積とすれば、複数の電極から任意に一対の電極を選択し、所定の電位を与えて半導体基板Wを静電吸着しても、バランス良く吸着することができるため好ましい。
【0029】
本発明は、上記のような原理に基づいて、半導体基板Wを支持するものである。以下、基板支持装置及び基板支持方法の具体的な実施形態について説明する。(第1の実施形態)
図1は、本実施形態に係る基板支持装置を備えた走査型電子顕微鏡の構成を概略的に示す図である。図1に示すように、走査型電子顕微鏡(SEM)10は、半導体基板Wの観察を行うための観察部12と、観察部12の制御やデータの解析を行う制御ユニット14と、外部モニタ16と、を備えている。
【0030】
観察部12は、電子光学系18と、半導体基板Wの支持及び位置決めを行うステージ20と、電子光学系18及びステージ20を収容する真空室22と、を有している。電子光学系18は、電子ビームを出射する電子銃24と、電子銃24から出射された電子ビームの照射位置を制御する走査コイル26と、電子ビームの照射により半導体基板Wから出射される二次電子を検出する二次電子検出部28と、を含んでいる。なお、二次電子検出部28は真空室22内であって電子光学系18の外部に設けられていてもよい。ステージ20は、半導体基板Wを静電吸着する静電吸着部30と、XY方向に変位可能な位置決め部32とを含んでいる。静電吸着部30は、この位置決め部32上に搭載されており、位置決め部32をXY方向に変位させることで静電吸着部30に吸着された半導体基板Wが位置決めされる。
【0031】
制御ユニット14は、制御解析部34、及び画像処理部36を有している。制御解析部34は、第1の信号生成部38と、第2の信号生成部40と、第3の信号生成部42と、演算部44と、を含んでいる。
【0032】
第1の信号生成部38は、観察部12が有するステージ20の位置決め部32と電気的に接続されている。第1の信号生成部38は、位置決め部32を駆動制御して所定位置に変位させるための信号を生成する。この信号に基づいて位置決め部32が駆動制御され所定位置に変位されることで、半導体基板Wの位置決めが行われる。
【0033】
第2の信号生成部40は、観察部12の電子光学系18と電気的に接続されている。第2の信号生成部40は、観察部12を駆動制御するための信号を生成する。この信号に基づいて、電子銃24から所定の加速電圧で電子ビームが出射され、走査コイル26により照射位置が制御されて半導体基板W上に電子ビームが照射される。そして、半導体基板Wから出射された二次電子が、所定のサンプリング周期で二次電子検出部28に検出される。
【0034】
第3の信号生成部42は、観察部12が有するステージ20の静電吸着部30と電気的に接続されている。第3の信号生成部42は、静電吸着部30が含む複数の電極(図2の46)の電位を制御するための信号を生成する。この信号に基づいて、静電吸着部30が含む複数の電極46にそれぞれ電圧が印加され、電位が制御される。
【0035】
演算部44は、画像処理部34から送られてくる画像データに基づいて、種々の解析を行う。この演算部44は外部モニタ16と接続されており、演算部44における解析の結果は画面上で確認することができる。
【0036】
画像処理部34は、観察部12の二次電子検出部と電気的に接続されている。この画像処理部34は、二次電子検出部28から受け取った検出データを処理し、所定の画素数の画像データを生成する。生成された画像データは、制御解析部34の演算部44に送出される。
【0037】
図2は、上記した構成のSEM10の観察部12のステージ20が含む静電吸着部30の構成を模式的に示す一部破断斜視図である。また図3は、静電吸着部30が含む複数の電極46の配置構成を説明するための図である。
【0038】
図2に示すように、外形が円柱状をなす静電吸着部30は、表面に半導体基板Wを搭載する搭載面48を有する誘電体部50と、誘電体部50内に設けられた複数の電極46と、を有している。これら複数の電極46は、図3に示すように、2個の半円形の電極とそれを取り囲む12個の扇形の電極とを含んでいる。これらの電極46は同一の面積を有し、搭載面48の全面に沿って同一平面上に設けられている。誘電体部50は、高分子系やセラミック系の誘電体材料から形成されている。高分子系の誘電体材料としては、シリコーンゴムやポリイミドなどが挙げられる。セラミック系の誘電体材料としては、アルミナや窒化アルミなどが挙げられる。複数の電極46は、誘電体材料と密着性がよい低抵抗の導電性材料から形成される。かかる導電性材料としては、例えばタングステン(W)、モリブデン(Mo)、ステンレス(SUS)等が挙げられる。
【0039】
かかる構成の静電吸着部30は、誘電体材料中に複数の電極46を埋め込んで一体的に形成してもよい。また、予め成形された一の誘電体部と他の誘電体部とで複数の電極46を挟み込み、接着剤で一体化して形成してもよい。
【0040】
これら複数の電極46は、図2に示すように、それぞれ制御ユニット14の制御解析部34に含まれる第3の信号生成部42に電気的に接続されており、電位を独立に制御可能である。
【0041】
ここで第3の信号生成部42は、図1に示すように、第1の信号生成部38と電気的に接続されている。この第3の信号生成部42は、第1の信号生成部38により生成された位置決め部32を駆動制御するための信号に基づいて、電子ビームを照射して観察を行う半導体基板W上の観察位置Oを把握する。そして、観察位置Oに対応する搭載面48上の電位を常に一定とすると共に、半導体基板Wを静電吸着するように、複数の電極46の電位をそれぞれ制御する信号を生成する。
【0042】
このように、制御解析部34の第1及び第3の信号生成部38,42により、本実施形態に係る制御装置が構成される。また、これら第1及び第3の信号生成部38,42と、静電吸着部30及び位置決め部32を含むステージ20とにより、本実施形態に係る基板支持装置が構成される。
【0043】
次に、上記した構成のSEM10を用いて半導体基板Wを観察するときの、基板支持方法について説明する。
【0044】
まず、観察を行いたい半導体基板W上の観察位置Oを示す複数の座標データが、外部から第1の信号生成部38に入力される。この複数の座標データのうち一の座標データに基づいて、第1の信号生成部38は、ステージ20の位置決め部32を駆動制御して半導体基板Wを位置決めするための信号を生成する。これにより、位置決め部32が駆動制御されて、半導体基板Wの位置決めがなされる。
【0045】
第1の信号生成部38で生成された信号は、第3の信号生成部42に送られる。第3の信号生成部42は、第1の信号生成部38から送られてきた信号に基づいて、電子ビームを照射して観察を行う半導体基板W上の観察位置Oを把握する。そして、図4(a)に示すように、例えば観察位置Oが電極E1の上にあるとき、電極E1の電位が0Vとなるように制御する。これと同時に、残りの電極のうち三組の電極(E2,E3)、(E6,E7)、(E10,E11)が所定の電位を有するように制御する。例えば電極E2、E6、及びE10が−500Vの電位を有し、電極E3、E7、及びE11が+500Vの電位を有するように制御する。さらに、第3の信号生成部42は、残りの電極E4、E5、E8、E9、E12、E13、及びE14が0Vの電位となるように制御する。
【0046】
このようにして、三組の電極(E2,E3)、(E6,E7)、(E10,E11)により、半導体基板Wが静電吸着部30にバランス良く静電吸着される。このとき、半導体基板W上の観察位置Oの下にある電極E1は0Vの電位を有するため、半導体基板Wの観察時に照射される電子ビーム或いは出射される二次電子が電位の影響を受けることが抑制される。
【0047】
次に、図4(b)に示すように、例えば観察位置Oが電極E2の上に来たとき、電極E2が0Vの電位を有するように制御する。これと同時に、残りの電極のうち三組の電極(E3,E4)、(E7,E8)、(E11,E12)が所定の電位を有するように制御する。例えば電極E3、E7、及びE11が−500Vの電位を有するように制御し、電極E4、E8、及びE12が+500Vの電位を有するように制御する。さらに、第3の信号生成部42は、残りの電極E1、E5、E6、E9、E10、E13、及びE14が0Vの電位を有するように制御する。
【0048】
このようにして、三組の電極(E3,E4)、(E7,E8)、(E11,E12)により、半導体基板Wが静電吸着部30に静電吸着される。このとき、半導体基板W上の観察位置Oの下にある電極E2は0Vの電位を有するため、半導体基板Wの観察時に照射される電子ビーム或いは出射される二次電子が影響を受けることが抑制される。
【0049】
図4(a),(b)に示したように、第1及び第3の信号生成部38,42により半導体基板W上の観察位置Oに応じて電極E1〜E14の電位を切り替え制御することで、観察位置Oに対応する搭載面48上の電位を常に一定の0Vとすることができる。よって、電位の影響をうけることなく常に同一の条件で観察を行うことが可能となり、良好な画像情報を得ることができる。また、複数の電極46は同面積であるため、複数の電極46から任意に一対の電極を選択し、所定の電位を与えて半導体基板Wを静電吸着しても、バランス良く吸着することができる。
【0050】
次に、上記した構成のSEM10を用いて半導体基板Wを観察するときの、基板支持方法の変形例について説明する。
【0051】
上記した例では、観察位置Oの下にある電極は常に0ボルトの電位に制御されていた。これに限らず、観察位置Oの下にある電極が常に負の電位、或いは正の電位を有するように制御してもよい。
【0052】
図5(a)に示すように、例えば観察位置Oが電極E1の上にあるとき、電極E1が−500Vの電位を有するように制御する。これと同時に、残りの電極のうち六組の電極(E3,E4)、(E5,E6)、(E7,E8)、(E9,E10)、(E11,E12)、(E13,E14)が所定の電位となるように制御する。例えば電極E3、E5、E8、E10、E12、及びE14が−500Vの電位となるように制御し、電極E4、E6、E7、E9、E11、及びE13が+500Vの電位となるように制御する。さらに、第3の信号生成部42は、残りの電極E2が+500Vの電位となるように制御する。
【0053】
このようにして、七組の電極(E1,E2)、(E3,E4)、(E5,E6)、(E7,E8)、(E9,E10)、(E11,E12)、(E13,E14)により、半導体基板Wが静電吸着部30に静電吸着される。
【0054】
そして、図5(b)に示すように、例えば観察位置Oが電極E2の上に来たとき、電極E2が−500Vの電位となるように制御する。これと同時に、残りの電極のうち六組の電極(E4,E5)、(E6,E7)、(E8,E9)、(E10,E11)、(E12,E1)、(E13,E14)が所定の電位となるように制御する。例えば電極E4、E6、E9、E11、E1、及びE14が−500Vの電位となるように制御し、電極E5、E7、E8、E10、E12、及びE13が+500Vの電位となるように制御する。さらに、第3の信号生成部42は、残りの電極E3が+500Vの電位となるように制御する。
【0055】
このようにして、七組の電極(E2,E3)、(E4,E5)、(E6,E7)、(E8,E9)、(E10,E11)、(E12,E1)、(E13,E14)により、半導体基板Wが静電吸着部30に静電吸着される。
【0056】
このように、半導体基板W上の観察位置Oに応じて電極E1〜E14の電位を切り替え制御することで、観察位置Oに対応する搭載面48上の電位を常に一定の負値−500Vとすることができる。よって、半導体基板Wの観察時に電子ビーム或いは二次電子は常に同じ影響を受け、常に同一の条件で観察を行うことが可能となる。この影響は容易に補正することができるため、これにより良好な画像情報を得ることができる。
【0057】
特に、観察位置Oに対応する搭載面48上の電位を常に一定の負値とすることで、二次電子の出射が促進されるため、より良好な画像情報を得ることが可能となる。また、複数の電極46は同面積であるため、複数の電極46から任意に一対の電極を選択し、所定の電位を与えて半導体基板Wを静電吸着しても、バランス良く吸着することができる。
【0058】
後者の例では、電極46の電位を、例えば−500Vと+500Vとし、電位の絶対値を等しくしていたが、例えば−700Vと+300Vとして電位の絶対値をアンバランスにしてもよい。このようにしても、静電吸着部30に半導体基板Wを吸着することができるだけでなく、負の電位の絶対値を大きくするにつれ、半導体基板Wからの二次電子の放出をより促進することが可能となる。
【0059】
なお、本実施形態において外形が円柱状をなす静電吸着部30は、図1に示すように、半導体基板Wが搭載される搭載面48が半導体基板Wの径よりも一周り小さく形成されている。これにより、半導体基板Wの搬出入を行う搬送アームは半導体基板Wの縁部を掴んで搬送することが可能となり、静電吸着部30と搬送アームとの干渉が抑制される。
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0060】
第2の実施形態に係る基板支持装置を備えたSEM10は、静電吸着部30が含む複数の電極46の配置構成以外は、第1の実施形態に係るSEMと同一の構成を有する。
【0061】
本実施形態において複数の電極46は、図6(a),(b)に示すように、14個の細長い電極を横縞状に割り振った構成を有している。この電極46の配置構成は、例えばDR−SEM(Defect Review Scannning Electron Microscope)による欠陥検出のように、ステージ20の動きが一方向に連続的に行われる場合に、電極の電位の切り替え回数を少なく抑えることができるため有効である。
【0062】
次に、本実施形態に係るSEM10を用いて半導体基板Wを観察するときの、基板支持方法について説明する。
【0063】
図6(a)に示すように、例えば観察位置Oが電極E3の上にあるとき、第3の信号生成部42は、電極E3の電位が0Vとなるように制御する。これと同時に、残りの電極のうち四組の電極(E1,E2)、(E5,E6)、(E9,E10)、(E13,E14)が所定の電位を有するように制御する。例えば電極E1、E5、E9、及びE13が+500Vの電位を有し、電極E2、E6、E10、及びE14が−500Vの電位を有するように制御する。さらに、第3の信号生成部42は、残りの電極E4、E7、E8、E11、及びE12が0Vの電位となるように制御する。
【0064】
このようにして、四組の電極(E1,E2)、(E5,E6)、(E9,E10)、(E13,E14)により、半導体基板Wが静電吸着部30に静電吸着される。このとき、半導体基板W上の観察位置Oの下にある電極E3は0Vの電位を有するため、半導体基板Wの観察時に照射される電子ビーム或いは出射される二次電子が電位の影響を受けることが抑制される。
【0065】
次に、図6(b)に示すように、例えば観察位置Oが電極E5の上に来たとき、第3の信号生成部42は、電極E5が0Vの電位を有するように制御する。これと同時に、残りの電極のうち組の三電極(E2,E3)、(E6,E7)、(E10,E11)が所定の電位を有するように制御する。例えば電極E2、E6、及びE10が+500Vの電位を有するように制御し、電極E3、E7、及びE11が−500Vの電位を有するように制御する。さらに、第3の信号生成部42は、残りの電極E1、E4、E8、E9、E12、E13、及びE14が0Vの電位を有するように制御する。
【0066】
このようにして、三組の電極(E2,E3)、(E6,E7)、(E10,E11)により、半導体基板Wが静電吸着部30に静電吸着される。このとき、半導体基板W上の観察位置Oの下にある電極E5は0ボルトの電位を有するため、半導体基板Wの観察時に照射される電子ビーム或いは出射される二次電子が影響を受けることが抑制される。
【0067】
図6(a),(b)に示したように、半導体基板W上の観察位置Oに応じて電極E1〜E14の電位を切り替え制御することで、観察位置Oに対応する搭載面48上の電位を常に一定の0Vとすることができる。よって、電位の影響を受けることなく常に同一の条件で観察を行うことが可能となり、良好な画像情報を得ることができる。
【0068】
次に、本実施形態に係るSEM10を用いて半導体基板Wを観察するときの、基板支持方法の変形例について説明する。
【0069】
上記した例では、観察位置Oの下にある電極は常に0Vの電位に制御されていた。これに限らず、観察位置Oの下にある電極には常に負の電位、或いは正の電位を有するように制御してもよい。
【0070】
図7(a)に示すように、例えば観察位置Oが電極E3の上にあるとき、第3の信号生成部42は、電極E3が−500Vの電位を有するように制御する。これと同時に、残りの電極のうち五組の電極(E4,E5)、(E6,E7)、(E8,E9)、(E10,E11)、(E12,E13)が所定の電位となるように制御する。例えば電極E4、E7、E8、E11、及びE12が−500Vの電位となるように制御し、電極E5、E6、E9、E10、及びE13が+500Vの電位となるように制御する。さらに、第3の信号生成部42は、残りの電極E2が+500Vの電位となり、電極E1、及びE14が0Vの電位となるように制御する。
【0071】
このようにして、六組の電極(E2,E3)、(E4,E5)、(E6,E7)、(E8,E9)、(E10,E11)、(E12,E13)により、半導体基板Wが静電吸着部30に静電吸着される。
【0072】
そして、図8に示すように、例えば観察位置Oが電極E5の上に来たとき、第3の信号生成部42は、電極E5が−500Vの電位となるように制御する。このとき、必ずしも全ての電極を用いて半導体基板Wを静電吸着する必要はなく、一部の電極を用いて静電吸着してもよい。この場合、残りの電極のうち二組の電極(E1,E2)、(E12,E13)が所定の電位となるように制御する。例えば電極E1、及びE13が+500Vの電位となるように制御し、電極E2、及びE13が−500Vの電位となるように制御する。さらに、第3の信号生成部42は、電極E6が−500Vの電位となるように制御する。このようにして、二組の電極(E1,E2)、(E12,E13)のみを用いて、半導体基板Wを静電吸着してもよい。
【0073】
このように、半導体基板W上の観察位置Oに応じて電極E1〜E14の電位を切り替え制御することで、観察位置Oに対応する搭載面48上の電位を常に一定の負値−500Vとすることができる。よって、半導体基板Wの観察時に電子ビーム或いは二次電子は常に同じ影響を受け、常に同一の条件で観察を行うことが可能となる。この影響は容易に補正することができるため、これにより良好な画像情報を得ることができる。特に、観察位置Oに対応する搭載面48上の電位を常に一定の負値とすることで、二次電子の出射が促進され、より良好な画像情報を得ることが可能となる。
【0074】
本実施形態では、電極46の電位を、例えば−500Vと+500Vとし、電位の絶対値を等しくしていたが、例えば−700Vと+300Vとして電位の絶対値をアンバランスにしてもよい。このようにしても、静電吸着部30に半導体基板Wを吸着することができるだけでなく、負の電位の絶対値を大きくするにつれ、半導体基板Wからの二次電子の放出をより促進することが可能となる。
(第3の実施形態)
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、第1及び第2の実施形態と同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0075】
第3の実施形態に係る基板支持装置を備えたSEM10は、静電吸着部30が含む複数の電極46の配置構成以外は、第1の実施形態に係るSEMと同一の構成を有する。
【0076】
本実施形態において複数の電極46は、図9(a),(b)に示すように、20個の半円状の電極を含み、2個の電極が対となって10個の円形の電極対が誘電体部50内で搭載面48に沿って分散して設けられている。
【0077】
次に、本実施形態に係るSEM10を用いて半導体基板Wを観察するときの、基板支持方法について説明する。
【0078】
図9(a)に示すように、例えば観察位置Oが電極E1〜E20上にないとき、第3の信号生成部42は、10個の電極対(E1,E2)〜(E19,E20)が所定の電位を有するように制御する。例えば電極E1、E3、・・・、E19が+500Vの電位を有し、電極E2、E4、・・・、E20が−500Vの電位を有するように制御する。
【0079】
このようにして、10個の電極対(E1,E2)〜(E19,E20)により、半導体基板Wが静電吸着部30に静電吸着される。このとき、半導体基板W上の観察位置Oの下にある搭載面48上の領域は0Vの電位を有するため、半導体基板Wの観察時に照射される電子ビーム或いは出射される二次電子が電位の影響を受けることが抑制される。
【0080】
次に、図6(b)に示すように、例えば観察位置Oが電極E3の上に来たとき、第3の信号生成部42は、この電極対(E3,E4)が0Vの電位を有するように制御する。そして、残りの電極対(E1,E2)、(E5,E6)〜(E19,E20)の電位をそのまま維持する。
【0081】
このようにして、9個の電極対(E1,E2)、(E5,E6)〜(E19,E20)により、半導体基板Wが静電吸着部30に静電吸着される。このとき、半導体基板W上の観察位置Oの下にある電極E3は0Vの電位を有するため、半導体基板Wの観察時に照射される電子ビーム或いは出射される二次電子が影響を受けることが抑制される。
【0082】
図9(a),(b)に示したように、半導体基板W上の観察位置Oに応じて電極E1〜E20の電位を切り替え制御することで、観察位置Oに対応する搭載面48上の電位を常に一定の0Vとすることができる。よって、電位の影響を受けることなく常に同一の条件で観察を行うことが可能となり、良好な画像情報を得ることができる。
【0083】
また、複数の電極46は同面積であるため、複数の電極対から任意に一対の電極対を選択し、所定の電位を与えて半導体基板Wを静電吸着しても、バランス良く吸着することができる。
【0084】
なお、本実施形態では、電極46の電位を、例えば−500Vと+500Vとし、電位の絶対値を等しくしていたが、例えば−700Vと+300Vとして電位の絶対値をアンバランスにしてもよい。
【0085】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されることなく種々の変形が可能である。
【0086】
例えば、電極46の数、形、大きさ、配置などを含めた電極の配置構成は、上記した実施形態で説明したものに限定されるものではない。
【0087】
また、上記した実施形態では、半導体基板Wの搬出入を行う搬送アームと静電吸着部30との干渉を避けるために、静電吸着部30の搭載面48を半導体基板Wの径よりも一周り小さく形成していた。これ以外にも、例えば図10に示すように、静電吸着部30の搭載面48に2mm〜3mmの段差部60を設け、搬送アームと静電吸着部30との干渉を避けるようにしてもよい。また、例えば図11(a),(b)に示すように、静電吸着部30の周囲に昇降可能なリング部62を設け、これにより搬送アームと静電吸着部30との干渉を避けるようにしてもよい。
【0088】
【発明の効果】
本発明によれば、半導体基板を観察するときに、半導体基板を確実に支持すると共に、良好な画像情報を得ることを可能とする基板支持装置を備えた走査型電子顕微鏡、及び基板支持方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態に係る基板支持装置を備えた走査型電子顕微鏡の構成を概略的に示す図である。
【図2】静電吸着部の構成を模式的に示す一部断面斜視図である
【図3】第1の実施形態において、静電吸着部が含む複数の電極の配置構成を説明するための図である。
【図4】第1の実施形態において、観察位置に応じて複数の電極の電位を切り替え制御する一例を説明するための図である。
【図5】第1の実施形態において、観察位置に応じて複数の電極の電位を切り替え制御する他の例を説明するための図である。
【図6】第2の実施形態において、静電吸着部が含む複数の電極の配置構成を説明すると共に、観察位置に応じて複数の電極の電位を切り替え制御する一例を説明するための図である。
【図7】第2の実施形態において、観察位置に応じて複数の電極の電位を切り替え制御する他の例を説明するための図である。
【図8】第2の実施形態において、観察位置に応じて複数の電極の電位を切り替え制御する他の例を説明するための図である。
【図9】第3の実施形態において、静電吸着部が含む複数の電極の配置構成を説明すると共に、観察位置に応じて複数の電極の電位を切り替え制御する一例を説明するための図である。
【図10】静電吸着部に半導体基板を搬出入するときに、搬送アームと干渉しないように静電吸着部に段差部が設けられている様子を示す図である。
【図11】静電吸着部に半導体基板を搬出入するときに、搬送アームと干渉しないように半導体基板を昇降させるためのリング部が設けられている様子を示す図である。
【図12】本発明における基板支持の原理を説明するための図であり、静電吸着部上に半導体基板が搭載される様子を示している。
【図13】本発明における基板支持の原理を説明するための図であり、2個の電極の電位を切り替え制御する様子を示している。
【図14】本発明における基板支持の原理を説明するための図であり、3個の電極の電位を切り替え制御する様子を示している。
【図15】本発明における基板支持の原理を説明するための図であり、4個の電極の電位を切り替え制御する様子を示している。
【符号の説明】
10…走査型電子顕微鏡、12…観察部、14…制御ユニット、16…外部モニタ、18…電子光学系、20…ステージ、22…真空室、24…電子銃、26…走査コイル、28…二次電子検出部、30…静電吸着部、32…位置決め部、34…制御解析部、36…画像処理部、38…第1の信号生成部、40…第2の信号生成部、42…第3の信号生成部、44…解析部、46…電極、48…搭載面、50…誘電体部。
Claims (9)
- 半導体基板を観察するときに該半導体基板を支持するための基板支持装置を備えた走査型電子顕微鏡であって、
前記基板支持装置は、
前記半導体基板が搭載される搭載面を有する誘電体部と、
前記誘電体部内で前記搭載面に沿って設けられており、電位を互いに独立に制御可能な複数の電極と、
前記搭載面上に前記半導体基板を静電吸着するように、前記複数の電極の少なくとも一組に正負の電位をそれぞれ付与しつつ、該半導体基板上の観察位置に対応する該搭載面上の領域下にある電極の電位をいずれの観察位置においても常に一定の値とするように、前記複数の電極の電位を制御する制御装置と、
を備えることを特徴とする走査型電子顕微鏡。 - 前記制御装置は、前記搭載面上に前記半導体基板を静電吸着すると共に、該半導体基板上の観察位置に対応する該搭載面上の領域下にある電極の電位を常にゼロとするように、前記複数の電極の電位を制御することを特徴とする請求項1に記載の走査型電子顕微鏡。
- 前記制御装置は、前記搭載面上に前記半導体基板を静電吸着すると共に、該半導体基板上の観察位置に対応する該搭載面上の領域下にある電極の電位を常に一定の負値とするように、前記複数の電極の電位を制御することを特徴とする請求項1に記載の走査型電子顕微鏡。
- 前記複数の電極は、前記搭載面の全面に沿って設けられていることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の走査型電子顕微鏡。
- 前記複数の電極は複数の電極対を含み、該複数の電極対は前記搭載面に沿って分散して設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の走査型電子顕微鏡。
- 前記複数の電極は同面積であることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の走査型電子顕微鏡。
- 走査型電子顕微鏡により半導体基板を観察するときに該半導体基板を支持するための基板支持方法であって、
前記半導体基板が搭載される搭載面を有する誘電体部と、該誘電体部内で該搭載面に沿って設けられており、電位を互いに独立に制御可能な複数の電極と、を備えた基板支持装置を用い、
前記搭載面上に前記半導体基板を搭載し、
前記複数の電極の少なくとも一組に正負の電位をそれぞれ付与しつつ該複数の電極の電位を制御して、前記搭載面上に前記半導体基板を静電吸着すると共に、該半導体基板上の観察位置に対応する該搭載面上の領域下にある電極の電位をいずれの観察位置においても常に一定の値とする、ことを特徴とする基板支持方法。 - 前記複数の電極の電位を制御して、前記誘電体部の前記搭載面上に前記半導体基板を静電吸着すると共に、該半導体基板上の観察位置に対応する該搭載面上の領域下にある電極の電位を常にゼロとする、ことを特徴とする請求項7に記載の基板支持方法。
- 前記複数の電極の電位を制御して、前記誘電体部の前記搭載面上に前記半導体基板を静電吸着すると共に、該半導体基板上の観察位置に対応する該搭載面上の領域下にある電極の電位を常に一定の負値とする、ことを特徴とする請求項7に記載の基板支持方法。
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