JP3926631B2 - 停復電検出機能を有する電子機器 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば電子式電力量計のようにA/D変換機能を持ったマイコンを用いた電子機器に関し、とくに、停電時にバッテリーバックアップによる復電監視動作を低消費電力で行なうようにした停復電検出機能を具備した電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】
停電時にバッテリーによるバックアップがなされる電子式電力量計などの電子機器においては、図8に示すようなハードウエアで構成される停復電検出手法、図9に示すようなマイコンを内蔵したソフトウエアによる停復電検出手法によって、停電検出や復電検出を行なっている。
【0003】
図8に示すハードウエアからなる停復電検出手段を具備した電子機器は、停復電検出回路1と、電源回路3と、バックアップ電源5と、電子機器本体7とから構成される。
【0004】
停復電検出回路1は、直列に接続された抵抗121と抵抗122からなる停復電圧検出回路12と、停復電圧検出回路12の出力が一方の入力端子に供給され後述する基準電圧回路17の出力が他方の端子に供給されるヒステリシスコンパレータ15と、一方が停復電圧検出回路12に接続され他方が電子機器7の停復電検出信号端子T73に接続される抵抗161と抵抗162と定電圧ダイオード163とからなる停復電検出信号回路16と、直列に接続された抵抗171と定電圧ダイオード172からなる基準電圧回路17とから構成される。
【0005】
電源回路3は、1次側が商用電源に接続された変圧器31と、変圧器31の2次側に接続された整流器32と、変圧器31の2次側に並列に接続された平滑コンデンサ33と、平滑コンデンサに並列に接続され出力がバックアップ電源回路5と逆流阻止ダイオード35に接続される定電圧回路34と、電子機器の非バックアップ電源端子T71に接続される逆流阻止ダイオード35とを有して構成される。
【0006】
バックアップ電源5は、1次電池などの電力蓄積手段51と、逆流阻止ダイオード52と、逆流阻止ダイオード53とを有して構成され、出力が電子機器7のバックアップ電源端子T72に供給される。
【0007】
このようなヒステリシスコンパレータ15を用いた停復電圧検出手段を用いた電子機器は、ヒステリシスコンパレータ15や、停復電検出信号回路16を必要とする。
【0008】
図9に示すように、マイコンを内蔵したソフトウエアによる停復電検出手法によって停電検出や復電検出を行なう停復電検出手段を具備した電子機器は、停復電検出回路1と、電源回路3と、バックアップ電源5と、電子機器本体7とから構成される。
【0009】
停復電検出回路1は、停復電圧検出回路12の出力がA/D入力端子T112に入力されるA/D変換機能を備えたマイコン11と、直列に接続された抵抗121と抵抗122からなる停復電圧検出回路12とから構成される。
【0010】
電源回路3は、1次側が商用電源に接続された変圧器31と、変圧器31の2次側に接続された整流器32と、変圧器31の2次側に並列に接続された平滑コンデンサ33と、平滑コンデンサに並列に接続され出力がバックアップ電源回路5と逆流阻止ダイオード35に接続される定電圧回路34と、電子機器の非バックアップ電源端子T71に接続される逆流阻止ダイオード35とを有して構成される。
【0011】
バックアップ電源5は、1次電池などの電力蓄積手段51と、逆流阻止ダイオード52と、逆流阻止ダイオード53とを有して構成され、出力が電子機器7のバックアップ電源端子T72に供給される。
【0012】
このように、バッテリーバックアップを持つ装置では、一般的に停電中はマイコンを低消費電力モードにして使用し、復電により通常動作モードに戻すことが行われる。この場合ハード的な停電検出回路を持っていればその出力信号の変化をマイコンの割り込み等で捕らえて通常動作モードに戻せるが、マイコンに内蔵したA/D変換機能とソフトウェアによって停復電を検出する場合には、タイマ等で定期的にマイコンを動作させて電源の状態をA/D変換機能により調べて復電を検出する必要がある。
【0013】
このマイコン11において、停電レベルが復電レベルより小さい関係でヒステリシスを生成するインターバルタイマルーチンR4のフローを、図10を用いて説明する。マイコン11は、A/D入力端子T112に入力された停復電検出信号をA/D変換し(S61)、停電中であるか否かを判断する(S62)。停電中でないときには、A/D変換した停復電検出信号が停電レベル以下であるか否かを判定する(S63)。A/D変換した停復電検出信号が停電レベル以下であるときは、停電移行処理を実行し(S64)、低消費電力モードへ移行する(S65)。
【0014】
ステップS62の判定で、停電中と判定されたときには、A/D変換した停復電検出信号が復電レベル以上であるか否かを判定する(S66)。A/D変換した停復電検出信号が復電レベル以上であるときには、復電移行処理を実行し(S67)、インターバルタイマルーチンを終了する(S68)。
【0015】
ステップS63で、A/D変換した停復電検出信号が停電レベル以下でないと判断されると、インターバルタイマルーチンを終了する(S68)。
【0016】
ステップS66で、A/D変換した停復電検出信号が復電レベル以上でないときには、低消費電力モードへ移行する(S65)。
【0017】
このようにして停電レベル<復電レベルの関係でヒステリシスを生成することができる。
【0018】
停復電検出のコストを比較すると、ハード的な回路をもつものの方が部品点数が多く高くなるが、マイコンのA/D変換機能を用いる方法では復電検出を行うための動作間隔を短く設定するとバックアップを行うバッテリーの容量が多く必要になりやはりコストアップになってしまう。
【0019】
部品点数から見てコスト的にはマイコンのA/D変換機能よって停復電を検出する方式のほうが有利であるが、バックアップ時の電力消費を低く抑えるためには、復電の検出をA/D変換機能によらずに行う必要がある。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題を解決するために、A/D変換機能を内蔵したマイコンを備えソフトウエアによって停復電を検出する停復電検出機能を有する電子機器において、バックアップ電源の容量を大きくすることなく低消費電力で復電監視を行うことができる停復電検出機能を備えた電子機器を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明は、A/D変換機能を持ったマイコンを用い、機器電源の停復電検出をこのA/D変換機能により低消費電力で行うバックアップ電源を有する機器において、復電の検出を、バックアップを行わない電源電圧をマイコンの低消費動作から復帰する端子に接続して検出し、通常動作に復帰するようにした。
【0022】
さらに、本発明は、A/D変換機能を持ったマイコンを用い、機器電源の停復電検出をこのA/D変換機能により低消費電力モードで行うバックアップ電源を有する機器において、バックアップを行わない電源電圧を低消費動作から復帰する端子に制限抵抗を介して接続し、さらにこの端子とは別の入出力切替のできる端子もこの端子に接続し、停電後のバックアップを行わない電源電圧が下降途中に別の端子から低電圧を出力して、バックアップを行わない電源電圧が十分下がった後に別の端子を入力に切替え、その後の復電の検出、通常動作に復帰を行う。
【0023】
さらに、本発明は、上記課題を解決するために、電子機器およびマイコンに電圧を供給する電源回路と、停電時にマイコンに電圧を供給するバックアップ電源と、A/D変換用入力端子と割込み端子とを有するマイコンからなる停復電検出回路とを備えた停復電検出機能を有する電子機器において、前記マイコンが、電源電圧の停電と復旧を監視する停復電監視機能と、マイコンの動作モードを通常動作モードと低消費電力モードとの間で移行させる動作モード変更機能と、電子機器の動作を制御する機能とを有し、前記電源回路が停電であるか通電であるかを表わす停復電検出信号を前記A/D変換用入力端子に供給し、前記電源回路の出力電圧を前記割込み端子に供給し、停復電検出信号が停電を示したときにマイコンの動作モードをバックアップ電源からの電力により動作する低消費電力モードに移行させ、割込み端子に電源の復旧を検出したときにマイコンの動作モードを通常動作モードに復帰させるようにした。
【0024】
また、本発明は、上記停復電検出機能を有する電子機器において、上記マイコンが、端子の状態を出力状態または入力状態に変更可能な入出力切替可能端子を有し、上記電源回路の出力電圧を制限抵抗を介して上記割込み端子と前記入出力切替可能端子に供給し、上記停復電検出信号が停電を示したときに前記入出力切替可能端子を低電圧を出力する出力状態とし、その後入出力切替可能端子を入力状態として復電監視を行なうようにした。
【0025】
本発明は、上記停復電検出機能を有する電子機器において、上記マイコンが、端子の状態を出力状態または入力状態に変更可能な入出力切替可能端子を有し、上記電源回路の出力電圧を制限抵抗を介して上記割込み端子と前記入出力切替可能端子に供給し、上記停復電検出信号が停電を示したときに前記入出力切替可能端子を低電圧を出力する出力状態とし、前記電源回路の出力電圧が前記割込み端子に入力貫通電流を生じない電圧にまで低下したときに、前記入出力切替可能端子を出力状態から入力状態に変更して復電監視を行なうようにした。
【0026】
本発明は、上記停復電検出機能を有する電子機器において、上記マイコンが、端子の状態を出力状態または入力状態に変更可能な入出力切替可能端子と、前記A/D変換用入力端子と異なる第2のA/D変換用入力端子を有し、上記停復電検出回路が、非バックアップ電圧検出信号を出力する上記電源回路の出力に接続された非バックアップ電圧検出回路を備え、前記電源回路の出力電圧を制限抵抗を介して前記割込み端子と入出力切替可能端子に供給し、前記非バックアップ電圧検出信号を第2のA/D変換用入力端子に供給し、上記停復電検出信号が停電を示したときに前記入出力切替可能端子を低電圧を出力する出力状態とし、前記電源回路の出力電圧が割込み端子に入力貫通電流を生じない電圧にまで低下したことを前記第2のA/D変換用入力端子の入力により検出したときに、前記入出力切替可能端子を出力状態から入力状態に変更して復電監視を行なうようにした。
【0027】
本発明は、上記電子機器において、前記低消費電力動作から復帰する割込み端子が入出力切替可能端子のとき、停電後のバックアップを行なわない電源電圧が下降途中にバックアップ電源電圧を復帰する端子を出力端子に切り替えて低電圧を出力し、バックアップを行なわない電源電圧が十分下がった後にバックアップ電源電圧を復帰する端子を入力端子に切り替えて復電検出の通常動作に復帰するようにした。
【0028】
【発明の実施の形態】
本発明にかかる停復電検出機能を有する電子機器の構成の概要を、図1を用いて説明する。
【0029】
図1に示すように、例えば電子式電力量計などの、本発明にかかるマイコンを内蔵するとともにソフトウエアによる停復電検出手法によって停電検出や復電検出を行なう停復電検出機能を具備した電子機器は、停復電検出回路1と、電源回路3と、バックアップ電源5と、電子機器本体7とから構成される。
【0030】
停復電検出回路1は、A/D変換機能を備えるとともに割込み端子T111および第1A/D入力端子T112を有するマイコン11と、直列に接続された抵抗121と抵抗122からなり接続点Aがそのマイコン11の第1A/D入力端子T112に接続される停復電圧検出回路12とから構成される。
【0031】
電源回路3は、1次側が商用電源に接続された変圧器31と、変圧器31の2次側に接続された整流器32と、変圧器31の2次側に並列に接続された平滑コンデンサ33と、平滑コンデンサに並列に接続され出力がバックアップ電源回路5と逆流阻止ダイオード35に接続される定電圧回路34と、電子機器の非バックアップ電源端子T71およびマイコン11の割込み端子T111に接続される逆流阻止ダイオード35とを有して構成される。
【0032】
バックアップ電源5は、1次電池などの電力蓄積手段51および逆流阻止ダイオード52と、逆流阻止ダイオード53とを有して構成され、出力が電子機器7のバックアップ電源端子T72に供給される。電力蓄積手段51と逆流素子ダイオード52の直列回路は、逆流阻止ダイオード53を介して前記定電圧回路34に並列に接続されるとともに、マイコン11のAVcc端子およびVcc端子と、GND端子およびAGND端子接続される。
【0033】
マイコン11の割込み端子T111は、マイコン11の信号変化で割込みが発生し通常モードに戻せる端子である。バックアップを行わない電源を割込み端子T111に接続することによって、復電時に割り込みが発生して通常モードに戻るので、復電を監視するために定期的にマイコンを動作させてA/D変換を行うことなく復電を検出することができる。
【0034】
しかし、このままの接続では停電直後のバックアップを行わない電源の電圧下降中にその電位が中間値となり、マイコン11の割込み端子T111に図2に実線で示す入力貫通電流を発生させる。バックアップを行わない電源の負荷は、中間電位程度の低電圧ではほとんど動作せずその下降速度は回路にもよるが数秒というオーダーになる場合も珍しくない。したがって、入力貫通電流が発生する場合もこのオーダーで発生し、その電流はバックアップを行うバッテ−リーから供給されることになりバッテリーを著しく消費する。数秒にわたる入力貫通電流の発生は、バッテ−リーの内部インピーダンスが高い場合には、電圧が降下しバックアップ動作に支障をきたす場合もある。
【0035】
この問題を解決する本発明の第2の実施例を、図3を用いて説明する。この実施例では、逆流阻止ダイオード35を介したバックアップを行わない電源3と割込み端子T111との間に制限抵抗13を挿入するとともに、割込み端子T111に並列に入出力を切替えることができる入出力切替可能端子T113を接続した点に特徴を有している。マイコン11が停復電圧検出回路12の入力を監視して入力電圧が所定の値以下になったことを検出すると、入出力切替可能端子T113は、バックアップを行わない電源3の電圧が入力貫通電流を生じない電圧に下降するまで低電圧を出力する。このことによって、制限抵抗13を介して割込み端子T111に供給される電源3の電圧は、入出力切替可能端子T113と同じ低電圧になり入力貫通電流が発生することはない。電源3の電圧が入力貫通電流を生じない電圧に下降する時間を経過した後、入出力切替可能端子T113を入力に切り換えてから低消費電力モードに移行して、復電を監視し、割込み端子T111の立ち上がりを割り込みが検出して復電を検出し、マイコンを通常モードに戻すことができる。
【0036】
ここで、入出力切替可能端子T113が低電圧を出力する期間は、バックアップを行わない電源3の電圧が入力貫通電流を生じない電圧に下降するまでの時間を実測して得た値を用いることもできる。
【0037】
図4を用いて、非バックアップ電圧検出信号入力の確認を行わない場合のインターバルタイマルーチンR3を説明する。
【0038】
マイコン11は、第1A/D入力端子T112に入力される停復電検出信号をA/D変換し(S41)、A/D変換結果が停電レベル以下であるか否かを判断する(S42)。停復電検出信号が停電レベルを越えるときには、インターバルタイマルーチンR3を終了する(S54)。停復電検出信号が停電レベル以下であるときには、タイマ停止を含む停電移行処理を実行する(S43)とともに、入出力切替可能端子T113を低電圧レベル出力に切り替えて(S44)、非バックアップ電圧の降下のカウントを開始する(S45)。次いで、第1A/D入力端子T112に入力される停復電検出信号をA/D変換し(S46)、A/D変換結果が復電レベル以上であるかを判定する(S47)。
【0039】
ステップS47で、A/D変換結果が復電レベル以上の場合には、入出力切替可能端子T113を入力に切り替える(S52)とともに、タイマ再開を含む復電移行処理を実行して(S53)、インターバルタイマルーチンR3を終了する(S54)。
【0040】
ステップS47で、A/D変換結果が復電レベルに満たない場合には、電圧降下カウントが終了したか否かを監視し(S48)、電圧降下カウントが終了するまでステップS46に戻り、非バックアップ電圧降下のカウントを続ける。ステップS48で、電圧降下カウントが終了すると、入出力切替可能端子T113を低電圧出力から入力に切り替え(S49)、低消費電力モードに設定して復電監視状態に移行する(S50)。
【0041】
復電を監視する状態で割込み端子T111に電圧の立上りがあると、低消費電力モードから通常の状態への復帰を設定し(S50)、低消費電力モードへ移行する(S51)。
【0042】
このように入出力切替可能端子T113の低電圧出力期間を設定する手法に変えて、図5に示すように、バックアップを行わない電源3の電圧を、抵抗141と抵抗142の直列回路からなる非バックアップ電圧検出手段14を介して第2A/D入力端子T114に入力し、A/D変換して正確に停復電を検出する手法が有る。この場合のマイコン11における停復電検出処理のインターバルタイマルーチンR1処理を図6のチャートを用いて説明する。
【0043】
マイコン11は、第1A/D入力端子T112に入力される停復電検出信号をA/D変換し(S1)、A/D変換結果が停電レベル以下であるか否かを判断する(S2)。停復電検出信号が停電レベル以下であるときには、タイマ停止を含む停電移行処理を実行する(S3)とともに、入出力切替可能端子T113を低電圧レベル出力に切り替えて(S4)、第2A/D入力端子T114に入力される非バックアップ電圧検出信号をA/D変換する(S5)。
【0044】
入力貫流電流が十分小さな値となる非バックアップ電圧であるか否かを判定し(S6)、検出した非バックアップ電圧が十分低い電圧であるときには、入力貫通電流が生じない状態にあるので、入出力切替可能端子T113を低電圧出力から入力に切り替え(S7)、低消費電力モードに設定して復電監視状態に移行する。
【0045】
復電を監視する状態で割込み端子T111に電圧の立上りがあると、低消費電力モードから通常の状態への復帰を設定し(S8)、低消費電力モードへ移行する(S9)。
【0046】
ステップS6で、非バックアップ電圧が十分低くないときには、第1A/D入力端子T112に入力される停復電検出信号をA/D変換し(S10)、A/D変換結果が復電レベル以上であるかを判定する(S11)。復電レベルに達しないときには、ステップS5に戻る。停復電検出信号が復電レベル以上であるときには、入出力切替可能端子T113を入力に切り替える(S12)とともに、タイマ再開を含む復電移行処理を実行して(S13)、インターバルタイマルーチンR1を終了する(S14)。
【0047】
次に、図7を用いて、低消費電力モードから復帰する場合の割込み端子T111における割込みルーチンR2を説明する。マイコン11は、第1A/D入力端子T112に入力される停復電検出信号をA/D変換して(S21)、A/D変換結果が復電レベル以上であるか否かを判定する(S22)。停復電検出信号が復電レベル以上であるときには、復電移行処理を実行して(S32)、割込みルーチンR2を終了する(S33)。ステップS22において、停復電検出信号が復電レベルに達しないときには、入出力切替可能端子T113を低電圧レベル出力に切り替え(S23)、第2A/D入力端子T114に入力される非バックアップ電圧検出信号をA/D変換する(S24)。
【0048】
A/D変換された非バックアップ電圧が十分低いか否かを判定し(S25)、低い場合には、入力貫通電流が生じない状態にあるので、入出力切替可能端子T113を低電圧出力から入力に切り替え(S26)、低消費電力モードに設定して復電監視状態に移行する。
【0049】
復電を監視する状態で割込み端子T111に電圧の立上りがあると、低消費電力モードから通常の状態への復帰を設定し(S27)、低消費電力モードへ移行する(S28)。
【0050】
ステップS25で非バックアップ電圧が十分低くない場合には、第1A/D入力端子T112に入力される停復電検出信号をA/D変換し(S29)、A/D変換結果が復電レベル以上であるかを判定する(S30)。復電レベルに達しないときには、ステップS24に戻る。停復電検出信号が復電レベル以上であるときには、入出力切替可能端子T113を入力に切り替える(S31)とともに、タイマ再開を含む復電移行処理を実行して(S32)、割込みルーチンR2を終了する(S33)。
【0051】
以上のように、本発明において、マイコンが通常モードに戻った後にA/D変換機能により復電を確認すればより確実である。
【0052】
また、入力貫通電流値やその時間が問題とならない場合には、図1に示した停復電検出回路を備えても低消費電力での復電監視を行うことができる。さらに、図3および図4に示すように、バックアップを行わない電源の下降時間をあらかじめ実測等により一定値とする方法も有効である。
【0053】
【発明の効果】
本発明によれば、A/D変換機能を持ったマイコンを用い、バッテリーバックアップによる低消費動作を行う機器において低コストでの停復電検出を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例にかかる停復電検出回路を備えた電子機器の構成の概要を説明するブロック図。
【図2】 C−MOS ICの入力貫通電流を説明する図。
【図3】 本発明の第2の実施例にかかる停復電検出回路を備えた電子機器の構成の概要を説明するブロック図。
【図4】 図3におけるマイコンのインターバルタイマールーチンの処理を説明するフローチャート。
【図5】 本発明の第3の実施例にかかる停復電検出回路を備えた電子機器の構成の概要を説明するブロック図。
【図6】 図5におけるマイコンのインターバルタイマールーチンの処理を説明するフローチャート。
【図7】 図5におけるマイコンの割込みルーチンの処理を説明するフローチャート。
【図8】 従来のヒステリシスコンパレータによる停復電検出回路を備えた電子機器の構成を説明するブロック図。
【図9】 従来のマイコンを用いた停復電検出機能を備えた電子機器の構成を説明するブロック図。
【図10】 図9におけるマイコンのインターバルタイマールーチンの処理を説明するフローチャート。
【符号の説明】
1 停復電圧検出回路
11 マイコン
12 停復電圧検出回路
13 制限抵抗
14 非バックアップ電圧検出回路
15 ヒステリシスコンパレータ
17 基準電圧源
3 電源回路
31 変圧器
32 整流器
33 平滑コンデンサ
34 定電圧回路
35 逆流阻止ダイオード
5 バックアップ電源
51 電力貯蔵手段
52 逆流阻止ダイオード
53 逆流阻止ダイオード
7 電子機器本体
T111 割込み端子
T112 第1A/D変換用入力端子
T113 入出力切替可能端子
T114 第2A/D変換用入力端子
Claims (4)
- 電子機器およびマイコンに電圧を供給する電源回路と、停電時にマイコンに電圧を供給するバックアップ電源と、A/D変換用入力端子と割込み端子とを有するマイコンからなる停復電検出回路とを備え、
前記マイコンが、電源電圧の停電と復旧を監視する停復電監視機能と、マイコンの動作モードを通常動作モードと低消費電力モードとの間で移行させる動作モード変更機能と、電子機器の動作を制御する機能とを有し、
前記電源回路が停電であるか通電であるかを表わす停復電検出信号を前記A/D変換用入力端子に供給し、
前記電源回路の出力電圧を前記割込み端子に供給し、
停復電検出信号が停電を示したときにマイコンの動作モードをバックアップ電源からの電力により動作する低消費電力モードに移行させ、
割込み端子に電源の復旧を検出したときにマイコンの動作モードを通常動作モードに復帰させる停復電検出機能を有する電子機器において、
前記マイコンが、端子の状態を出力状態または入力状態に変更可能な入出力切替可能端子を有し、前記電源回路の出力電圧を制限抵抗を介して前記割込み端子と前記入出力切替可能端子に供給し、前記停復電検出信号が停電を示したときに前記入出力切替可能端子を低電圧を出力する出力状態とし、その後入出力切替可能端子を入力状態として復電監視を行なうことを特徴とする停復電検出機能を有する電子機器。 - 前記マイコンが、端子の状態を出力状態または入力状態に変更可能な入出力切替可能端子を有し、前記電源回路の出力電圧を制限抵抗を介して前記割込み端子と前記入出力切替可能端子に供給し、前記停復電検出信号が停電を示したときに前記入出力切替可能端子を低電圧を出力する出力状態とし、前記電源回路の出力電圧が前記割込み端子に入力貫通電流を生じない電圧にまで低下したときに、前記記入出力切替可能端子を出力状態から入力状態に変更して復電監視を行なうことを特徴とする請求項1に記載の停復電検出機能を有する電子機器。
- 前記マイコンが、端子の状態を出力状態または入力状態に変更可能な入出力切替可能端子と、前記A/D変換用入力端子と異なる第2のA/D変換用入力端子を有し、前記停復電検出回路が、非バックアップ電圧検出信号を出力する前記電源回路の出力に接続された非バックアップ電圧検出回路を備え、前記電源回路の出力電圧を制限抵抗を介して前記割込み端子と前記入出力切替可能端子に供給し、
前記非バックアップ電圧検出信号を第2のA/D変換用入力端子に供給し、
前記停復電検出信号が停電を示したときに前記入出力切替可能端子を低電圧を出力する出力状態とし、前記電源回路の出力電圧が前記割込み端子に入力貫通電流を生じない電圧にまで低下したことを前記第2のA/D変換用入力端子の入力により検出したときに、前記入出力切替可能端子を出力状態から入力状態に変更して復電監視を行なうことを特徴とする請求項1に記載の停復電検出機能を有する電子機器。 - 前記低消費電力動作から復帰する割込み端子が入出力切替可能端子のとき、
停電後のバックアップを行なわない電源電圧が下降途中にバックアップ電源電圧を復帰する端子を出力端子に切り替えて低電圧を出力し、バックアップを行なわない電源電圧が十分下がった後にバックアップ電源電圧を復帰する端子を入力端子に切り替えて復電検出の通常動作に復帰を行うことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の停復電検出機能を有する電子機器。
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