JP3926228B2 - 生ゴミ処理装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、マイクロ波と送風を生ゴミに作用させて生ゴミの減量化を図るタイプの生ゴミ処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来この種の生ゴミ処理装置として、生ゴミが投入されるゴミ容器と、該ゴミ容器内の生ゴミにマイクロ波を照射するマイクロ波照射装置と、ゴミ容器内に送風する送風ファンと、ゴミ容器からの排気を吸引する排気ファンと、ゴミ容器内の底部で回転し生ゴミを撹拌・切断する回転羽根とを備え、ゴミ容器内に収容した生ゴミを撹拌しながらマイクロ波と送風を作用させて生ゴミを乾燥させ、乾燥させた生ゴミを粉砕して減量化する装置が知られている。
【0003】
このような装置における回転羽根の制御手段として、本出願人は先に特願 号を提案している。この出願では、生ゴミの結合を防止するために、生ゴミ中の水分をある程度除去してから回転羽根を回転させ、生ゴミ中の水分量が更に減少したら回転羽根を間欠的に回転させて生ゴミの撹拌を図るようにしたものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような装置では、回転羽根の回転を羽根駆動モータへの通電時間により制御しているので、生ゴミの負荷により撹拌の程度にばらつきが生じるという問題を有していた。すなわち、ゴミの種類や量によって回転羽根の回転負荷が大きくなると、10秒間モータを駆動したとしてもほとんど撹拌が行われない。逆に、ゴミの量が少ない等で回転負荷が小さいと、10秒間モータを駆動すると撹拌過多になりゴミが結合して団子状になってしまうのである。また、回転負荷が大きい場合は、モータロックによりモータを破損させる危険もあった。
そこで本発明は、回転負荷に関係なく、常に一定の撹拌状態を確保し、且つモータロックによるモータ破損を防ぐことができる生ゴミ処理装置を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
このような課題を解決するために本発明は、生ゴミが収容される有底筒状のゴミ容器と、該ゴミ容器内に給排気するファン装置と、生ゴミにマイクロ波を照射するマイクロ波照射装置と、前記ゴミ容器の底部に回転自在で取り付けられる回転羽根と、該回転羽根を回転駆動する羽根駆動モータと、前記ゴミ容器を回転駆動する容器駆動モータと、前記回転羽根の回転数と回転方向を検出するエンコーダとを備え、前記回転羽根とゴミ容器とがそれぞれ逆方向に回転するように前記羽根駆動モータと容器駆動モータを駆動するとともに、前記羽根駆動モータを駆動してから所定時間経過しても前記エンコーダで回転羽根がゴミ容器と逆方向に所定数回転したことを検出しないとき、エラーと判断して羽根駆動モータの駆動を停止する制御手段を備えたものである。
【0006】
制御手段は、回転羽根を回転させずにゴミ容器のみを回転させたとき、前記エンコーダで回転羽根が所定量回転したことを検出するとエラーと判断して容器駆動モータを停止する。
【0008】
【作用】
本発明によれば、生ゴミの撹拌を行う際、回転羽根が所定数回転するまで羽根駆動モータに通電される。これにより、生ゴミによる回転負荷に関係なく、撹拌動作が行われる。羽根駆動モータを駆動してから、所定時間経過しても回転羽根の回転数が所定回数に達しない場合は、過負荷によるモータロックと判断して羽根駆動モータの駆動は停止される。また、ゴミ容器を回転させるように構成した場合、回転羽根を回転させずにゴミ容器のみを回転させる乾燥段階で、回転羽根がゴミとともに回転してしまうような場合は、ゴミの量が多すぎるもしくは処理しにくいゴミが投入されたと判断して容器駆動モータは停止される。
【0009】
【実施例】
本発明の生ゴミ処理装置の一実施例について説明する。図1は本発明一実施例の生ゴミ処理装置を示す外観斜視図、図2は同装置の正面断面図、図3は側面断面図、図4は平面断面図である。
本発明の生ゴミ処理装置は、箱形の本体ケーシング1の内部に、上面を開口した処理槽2と、処理槽2内に着脱されるゴミ容器3と、ゴミ容器3から排出される水分を受ける排水容器4と、ゴミ容器3に収容される生ゴミに対してマイクロ波を照射するマイクロ波発生装置5と、ゴミ容器3内に送風する送風ファン6と、ゴミ容器3内から排気する排気ファン7と、ゴミ容器3を回転する容器駆動モータ8と、ゴミ容器3内の回転羽根9を回転する羽根駆動モータ10とを備え、ケーシング1の上面に、処理槽2の上面開口を開閉する蓋体11と、操作パネル12を露出した操作ボックス13を備え、ケーシング1の前面下部に、開閉自在の前面扉14を備え、ケーシング1の底面に移動用キャスター15を備えている。つまり、ゴミ容器内の生ゴミに対し、マイクロ波照射・送風・攪拌・切断の作用を与え、減量化を図るタイプの装置である。以下、各部の構成について詳細に説明する。
【0010】
処理槽2は、内面にマイクロ波照射口16・送風口17・排気口18・排水口19が開口され、底部中心部にゴミ容器3を支持する係合部材29を備えている。マイクロ波照射口16は、一側面の中央部付近に開口されており、マイクロ波を透過する材料で構成されたマイクロ波透過板20を取り付け、導波管21を介して前記マイクロ波照射装置5と接続されている。送風口17は、マイクロ波照射口16の上側に位置する処理槽2の開口部近傍に開口されており、マイクロ波が漏洩しない大きさの通気孔を有する通気カバー22を取り付け、送風管23を介して送風ファン6が接続されている。排気口18は、送風口17と直交する処理槽2の後面側上部に開口されており、送風口17同様の通気カバー22を取り付け、排気洞24と排気ダクト25を介して排気ファン7が接続されている。排水口19は、処理槽2の底面に開口されており、マイクロ波が漏洩しない大きさの通水孔を有する通水カバー26を取り付け、ドレンホース27を介して排水容器4と連通している。
【0011】
送風管23は、マイクロ波照射装置5の放熱部を通過するように配置され(図3参照)、送風ファン6の送風によってマイクロ波照射装置5が冷却されるとともに、熱交換によって熱風となった送風がゴミ容器3内に供給されるようになっている。また、送風管23におけるマイクロ波照射装置5の上流側に外気温センサ67が設けられており、送風ファン6によって吸い込む周囲温度が検出できるようになっている。
【0012】
排気洞24は、仕切板24cによって内部が仕切られており(図4参照)、排気ダクト25が接続されて排気ファン7によって直接吸引される速流室24aと、仕切板24cと排気洞24内面との隙間で速流室24aと連通し吸引力が制限される遅流室24bが形成されている。速流室24aには、排気温度を検出するための排気温センサ65が設けられ、遅流室24bには、ゴミ容器3からの排気湿度を検出する湿度センサ66が設けられている。このように、排気側に空気の流れの少ない遅流室24bを形成し、この遅流室24bに湿度センサ66を取り付けることで湿度の検出を正確に行うことができる。
【0013】
係合部材29は、上面を開放した円筒形状をなし、円筒内面に後述するゴミ容器3の取付部材45を係合する係合部29aを形成し、外底面中央部に中空の外回転軸30を取り付けている。この係合部材29は、外回転軸30が処理槽2底面に設けた軸受31に軸支され、処理槽内で回転自在とされる。
【0014】
外回転軸30は、下端周囲にプーリ32が取り付けられ、容器駆動モータ8の駆動軸33に取り付けたプーリ34とVベルト35を介して連係されている。また、外回転軸30は、中空内に羽根駆動モータ10に駆動される内回転軸36が貫通され、この内回転軸36を軸支する軸受37が内装されている。
【0015】
内回転軸36は、上端を係合部材29の中心部に突出し、後述するゴミ容器3の受動軸と合致する下カップリング38が取り付けられ、下端には大プーリ39が取り付けられ、羽根駆動モータ10の駆動軸40に取り付けた小プーリ41とVベルト42を介して連係されている。また、内回転軸36は、その下端部に回転数を検出するためのエンコーダ64が取り付けられている。尚、外回転軸30と内回転軸36とは、それぞれ逆方向に回転するように構成されており、ゴミ容器3と回転羽根9が相対的に回転する。
【0016】
エンコーダ64は、図5に示すように、大プーリ39を貫通した内回転軸36の下端部に連係し、内回転軸36と供回りするシャフト64aと、該シャフト64aの軸周りに平行に固定される2枚のスリット付き円板64b,64cと、該円板64b,64cを挟んで配置される発光・受光装置64d,64eとからなり、円板のスリットにより発光・受光装置が送出する透光/遮光のパルス信号をカウントし、回転軸の回転数を検出する周知の回転数検出装置である。また、2枚の円板64b,64cに施されるスリットは、所定角度ずらした状態で設けられており、一方の発光・受光装置64dが遮光から透光に転じた時、他方の発光・受光装置64eが透光しているか遮光しているかによって回転方向を検出することもできる。
【0017】
尚、処理槽2は、外背面にマイクロ波照射装置をはじめとする各機器が接続される駆動回路基板28を取り付け、内底面に前記係合部材29を囲むように水受トレイ43を備え、更に、内側4面上部にゴミ容器3の上部を回転支持する凸片44を取り付けている。水受トレイ43は、処理槽2から取り出して清掃できるようになっている。
【0018】
ゴミ容器3は、マイクロ波を透過する材料により上面を開口した有底円筒状に形成し、底部中心に処理槽2の係合部材29に結合する取付部材45を取り付けている。
【0019】
取付部材45は、下部側に係合部材29に内嵌する大きさの取付部45aを形成し、この取付部45aの外周面に係合部材29の係合部29aに連係する係合凸部45cを設けている(図6参照)。また、上部側にはゴミ容器3の中心に突出するボス部45bを形成し、このボス部45b内に処理槽2の内回転軸36と連結して回転する受動軸46が貫通され、この受動軸46を軸支する軸受47が内装されている。受動軸46は、下端に内回転軸36の下カップリング38と合致する上カップリング48が取り付けられ、上端には回転羽根9が固着されている。
【0020】
また、ゴミ容器3は、内底面に生ゴミの水分のみが排出される大きさのスリット49が設けられている。これにより、このスリット49から生ゴミの水滴が排出され、処理槽2の水受トレイ43に落下し、排水口19からドレンホース27を通じて排水容器4に溜められるようになる。尚、50はゴミ容器3を着脱するための取手である。
【0021】
回転羽根9は、図6に示すように、取付部材45のボス部45bに遊嵌し、受動軸46の上端にねじ固定される基部9aと、この基部9aの上面から斜め上方に延びる2枚の上羽根部9bと、この上羽根部9bと交差するように配置され、基部9aの上面から斜め下方に延びる2枚の下羽根部9cとで構成されている。各羽根部9b,9cにおける2枚の羽根は、ボス部9aを挟んでそれぞれ対称に設けられ上羽根部9bが正面視逆ハ字型、下羽根部9cが正面視ハ字型に構成されている。また、上羽根部9bは下羽根部9cの略半分の長さを有しており、各羽根部9b,9cには回転時に先行する側の端部にそれぞれ薄肉のカッター刃が形成されている。この回転羽根9により、生ゴミはゴミ容器内で常に上下に対流し、順次上羽根部9bと下羽根部9cに作用することになり、均一にゴミの細分化が図られるのである。
【0022】
排水容器4は、図3に示すように、本体ケーシング1における処理槽2下部に形成される排水室51に着脱自在に取り付けられる。この排水室51は、本体1の前面扉14を開いた状態で排水容器4が出し入れできる位置に形成され、処理槽2の排水口19に連結されるドレンホース27が上面に露出している。また、この排水室51内には、排水容器4の有無を確認するためのマイクロスイッチ52が設けられており、排水容器4が無い状態で、装置を駆動させないようになっている。
【0023】
蓋体11は、図1に示すように、本体ケーシング1の処理槽2上面にヒンジ53によって開閉自在に取り付けられる。蓋体11の内面には、この蓋体11を閉じた状態でゴミ容器3内に臨む送風案内筒54が設けられており、この送風案内筒54の周囲にマイクロ波を外部に漏洩させないためのチョーク溝55が設けられている。
【0024】
送風案内筒54は、処理槽2の送風口17と連通する送風洞54aを一体的に形成し、処理槽2の排気口と対面する円周面に排気孔54bを穿設している。また、送風案内筒54の内面は、仕切板によって送風洞54aが形成される吹出部と排気孔54bが開口される吸込部とに仕切られており、送風ファン6からの送風をゴミ容器3内の生ゴミに指向させ、送風が直接排気孔54bへ抜けてしまうことを防止する役割を果たしている。尚、送風案内筒54は、ゴミ容器3への送風力を高めるために吹出部を狭くしており、その大きさは送風案内筒54の全体開口の約1/4以下にしている。一方、吸込部は生ゴミからの蒸気を多く取り込めるように、送風案内筒54の全体開口の約1/2程度にしている。
【0025】
また、送風案内筒54は、ゴミ容器3の上面開口に内嵌される大きさであり、ゴミ容器3内で回転羽根9が回転する粉砕時に、ゴミがゴミ容器3から外へ飛び散ることを防止するようになっている。すなわち、蓋体11内面の送風案内筒54がゴミ容器3の上面を覆う内蓋として機能し、ゴミ容器内で対流する生ゴミが飛び上がって処理槽との隙間に入り込むことがないのである。
【0026】
蓋体11は、前方部にこの蓋体11を開閉するための取手56が取り付けられ、操作ボックス13と隣接する側面には、蓋体11が閉じられているか否かを検出するスイッチマグネット57が設けられる。また、蓋体11の内面側前方には、蓋体11を閉塞状態に保持する固定マグネット58,58と、本体ケーシング1の上面に設けたスイッチ板59を押し込む押込棒60が凸設されている。尚、本体ケーシング1のスイッチ板59は、内蔵される3体のマイクロスイッチ61に連係されており、蓋体11を閉じると押込棒60がこのスイッチ板59を押し込んでマイクロスイッチ61が入る構造をなし、蓋体11を閉じていない状態で装置を動作させない安全スイッチの役割を果たす。
【0027】
操作ボックス13は、上面に操作パネル12を備え、内部に操作パネル12のスイッチ基板62と、前記蓋体11のスイッチマグネット57に反応して蓋体11が閉塞されていることを検出する磁気センサ63を備えている。
【0028】
次に、本実施例の制御系について図7のブロック図を用いて説明する。前記駆動回路基板28には、各メニューの動作プログラムが記憶されたメモリ71を内蔵したマイクロコンピュータ70が備えられ、各駆動機器であるマイクロ波照射装置5、送風ファン6、排気ファン7、容器駆動モータ8、羽根駆動モータ10,操作パネル12と、各検出機器である排水容器スイッチ52、蓋スイッチ61、磁気センサ63、エンコーダ64、排気温センサ65、湿度センサ66、外気温センサ67が接続されている。
【0029】
操作パネル12には、動作時間表示とエラー表示を行う時間表示部72、動作の進行状況を表示する工程表示部73、排水容器がセットされていない時に点滅する容器ランプ74、点検が必要な時に点灯する点検ランプ75の各表示部と、スタートキー76、ストップキー77、動作時間を設定する時間設定キー78、「標準」「オリジナル」の両メニューに対応したメニューキー79・80、追加乾燥キー81、手動粉砕キー82の各操作キーを備えている。この操作パネル12で各種設定を行った後、動作をスタートさせると設定した内容に応じてマイクロコンピュータ70が各駆動機器を制御し、生ゴミの処理が行われるのである。
【0030】
続いて、以上のように構成される本実施例の動作について、図8のフローチャート図に沿って説明する。
処理する生ゴミをゴミ容器3に投入し、このゴミ容器3を処理槽2内にセットする。蓋体11が閉じられていることを蓋スイッチ61及び磁気センサ63で確認(1)すると、メニュー受付状態(2)となる。すなわち、蓋体11が完全に閉じられた状態でないといずれのキー入力も受け付けない。次に、排水容器4が排水室51にセットされているか否かを排水容器スイッチ52で確認(3)し、排水容器4がセットされていない場合、容器ランプ74を点滅(4)させてスタートさせない。
【0031】
処理(2)におけるメニュー受付状態で、メニューキー79・80により希望のメニューが選択されると、スタートキー76入力の待機状態(5)となり、スタートキー76が入力されると、選択したメニューに応じたプログラムが実行されることになる。つまり、「標準」メニューを選択した場合は標準プログラム(6)が、「オリジナル」メニューを選択した場合はオリジナルプログラム(7)が実行される。尚、「オリジナル」メニューは、「標準」メニューをベースに各設定値(温度・湿度・時間)を処理するゴミの種類に合わせてカスタマイズしたものであり、基本動作は「標準」メニューと同じである。よって、以下、「標準」メニューの動作について説明する。
【0032】
「標準」メニューは、図9のフローチャートに沿って実行される。
プログラムがスタートすると、マイクロ波照射装置5・送風ファン6・排気ファン7・容器駆動モータ8が駆動(8)し、初期加熱が行われる。この処理は、回転羽根9を駆動させる前に生ゴミの水分をある程度取り除くことを目的としており、ゴミ容器3を回転させながらマイクロ波を照射することで、生ゴミにムラ無くマイクロ波を作用させると同時に、送風ファン6及び排気ファン7により取り除いた水分を円滑に外気へ排出するものである。
【0033】
初期加熱を開始してから設定時間ta経過(9)すると、周囲温度に基づく設定温度T1,T2の設定処理(10)が行われる。この処理は、初期加熱の状態から回転羽根9を回転して生ゴミを撹拌させる工程に移行するための設定温度T1と、マイクロ波照射装置による生ゴミへの加熱を終了させるための設定温度T2とを決定するものである。
【0034】
初期加熱によって生ゴミから発生する排気が、設定温度T1℃以上に上昇したことを排気温センサ65で検出(11)した後、排気湿度センサ66で排気湿度がH1%以下に低下したことを検出(12)すると、羽根駆動モータ10を制御(13)して、回転羽根9をn1回転させる。
【0035】
ここで、羽根駆動モータ10の動作制御について説明する。この制御は、図10のフローチャートに沿って行われるもので、羽根駆動モータ10を始動(30)させ、エンコーダ64で回転羽根9と直結する内回転軸36の回転数を監視し、エンコーダ64がn1回転したことを検出(31)すると、羽根駆動モータ10を停止(32)させるものである。すなわち、この制御では、エンコーダ64により回転羽根9を確実にn1回転させる動作が行われるのである。また、エンコーダ64がn1回転したことを検出するまでに設定時間tc経過(33)した場合は、ゴミの負荷により回転羽根9がロックしていると判断し、時間表示部72に所定のエラー表示(34)を行い、全ての動作を停止(35)させるようにしている。この状態は、ゴミの量を減らす等の処置を施した後、スタートキー76を入力することで再スタートさせることができる。
【0036】
また、排気湿度がH2%以下に低下したことを検出(14)すると、再び羽根駆動モータ10を制御(15)して、回転羽根9をn1回転させる。これらの動作で、生ゴミをある程度乾燥させてから回転羽根による撹拌が行われることになる。これにより、生ゴミが結合することなくばらけた状態となり、水分が生ゴミ内に閉じこめられずに内部の蒸気が活発に排出されることになる。
【0037】
次に、排気湿度がH3%以下に低下したことを検出(16)すると、排気湿度がH4%以下に低下するまで、羽根駆動モータ10をn1回転−t1秒停止で駆動(17)して、回転羽根9を間欠的に回転させる。また、排気湿度がH4%以下になったことを検出(18)すると、今度は排気湿度がH5%以下に低下するまで、羽根駆動モータ10をn1回転−t2秒停止(t1>t2)で間欠駆動(19)して、回転羽根9を間欠的に回転させる。この段階では、適度にばらけた生ゴミが更に細かく分離され、細部に及んで加熱され蒸気の排出が行われる。
【0038】
排気湿度がH5%以下に低下したことを検出(20)すると、羽根駆動モータ10を連続駆動(21)させて乾燥した生ゴミの粉砕が行われる。この処理は、ほぼ水分が取り除かれた生ゴミを細分化して減量するものであり、排気温度センサ67で排気温度が上記処理(10)で決定された設定温度T2℃以上になったことを検出(22)するまで実行される。
【0039】
設定温度T2に達していない場合は、上記処理(20)まで戻り、排気湿度がH5%以下に低下しているかがチェックされる。ここで、排気湿度がH5%以下に低下していないと判断されると、今度は処理(18)まで戻り、排気湿度がH4%以下に低下しているかがチェックされる。ここで、排気湿度がH4%以下に低下していないと判断されると、処理(17)に戻って羽根駆動モータ10をn1回転−t2秒停止で間欠駆動させる動作が行われる。すなわち、最終的な粉砕段階で乾燥不足が検出された場合は、水分の残留の程度に応じてかき混ぜ動作が追加されることになる。
【0040】
処理(22)において、排気温度が設定温度T2℃以上に達したことを検出すると、その時点でマイクロ波照射装置5の駆動のみを停止(23)し、過加熱による発火を防止する。次に、回転羽根9の駆動時間t3が確認(24)され、駆動時間t3が経過していない場合は引き続き回転羽根を回転させて粉砕動作を継続する。これにより、最終的なゴミ粉砕の動作は最低t3時間は行われることになり、粉砕不足になることがない。
【0041】
処理(24)において、駆動時間t3の経過を検出すると、羽根駆動モータ10を停止(25)する。送風ファン6・排気ファン7・容器駆動モータ8は引き続き動作させて、処理後のゴミ及びマイクロ波照射装置5の冷却が図られる。その後、排気温度がT3℃以下になったことを検出(26)するか、マイクロ波照射装置を停止してから設定時間tb経過(27)すると、ゴミが取り出しやすい温度まで低下したと判断して、送風ファン6・排気ファン7・容器駆動モータ8を停止(28)させるように動作するのである。
【0042】
さて、このようなメニュー実行中に生じるエラーについて説明する。
まず、全てのメニューを実行中に蓋体11が開放されると、どのタイミングであっても全ての機器を停止させる。また、ストップキー76が入力された場合も同じである。
【0043】
また、羽根駆動モータ10を駆動させていないにも関わらず、回転羽根36が所定数回転したことを検出すると、ゴミの量が多いか、ゴミの負荷が大きいため、ゴミ容器の回転に連動して回転羽根9が回転したと判断し、時間表示部72にエラー表示を行い、動作を中断もしくは中止する。この場合、エンコーダ64により回転羽根9が逆回転したことを検出することで認識することができる。そして、このエラー状態は、ゴミの量を減らす、負荷の大きいゴミを取り除く等の処置を施せば、再スタートさせることができる。
【0044】
処理(13)〜(19)を実行中に排気温センサ65で動作終了温度T2℃以上を検出した場合、異常と判断して送風ファンと排気ファンを除く全ての機器の駆動を停止し、強制終了させるようにしている。
【0045】
マイクロ波照射装置5の累計使用時間が所定時間(例えば4500時間)経過した場合、耐久性を考慮して点検ランプ75を点灯させて交換時期を報知するようにしている。また、累計使用時間が使用限界時間(例えば5000時間)に達した場合は、劣化による危険性を考慮して点検ランプ75を点滅させて装置の使用を拒否するようにしている。
【0046】
このようにして処理された後のゴミは、減量・細分化された状態となり、ゴミ容器3を処理槽2から取り外して廃棄する。また、ゴミ容器3底面から排出される水分は、処理槽2の排水口19から排水ドレン27を通じて排水容器4に溜められ、処理後にこの容器を取り出して廃棄されるのである。
【0047】
【発明の効果】
本発明は以上のように構成され、回転羽根の回転数を検出する回転検出手段と、該検出手段で前記回転羽根が所定数回転したことを検出するまで前記羽根駆動モータを駆動させる制御手段とを備えたので、確実に回転羽根を生ゴミの撹拌に必要な回転数だけ動作させることができ、ゴミの量に関わらず、常に一定の処理が可能になる。
【0048】
また、羽根駆動モータを駆動させてから所定時間経過しても回転検出手段で回転羽根が所定数回転したことを検出しないとき、エラーと判断して羽根駆動モータの駆動を停止するので、モータロックによるモータの破損を防ぐことができる。
【0049】
更に、ゴミ容器を回転自在にした場合、回転羽根を回転させずにゴミ容器のみを回転させたにも関わらず、回転検出手段で回転羽根が所定量回転したことを検出するとエラーと判断して容器駆動モータを停止するようにしたので、羽根駆動モータを駆動する前にゴミの過負荷が認識でき、未然にモータの破損を防ぐことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明一実施例の生ゴミ処理装置を示す外観斜視図である。
【図2】同装置の正面断面図である。
【図3】同装置の側面断面図である。
【図4】同装置の平面断面図である。
【図5】同装置のエンコーダ64を示す説明図である。
【図6】同装置の回転羽根9を示す説明図である。
【図7】同装置の制御系を示すブロック図である。
【図8】同装置の動作を示すフローチャート図である。
【図9】標準メニューの動作を示すフローチャート図である。
【図10】回転制御の動作を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
1 本体ケーシング
2 処理槽
3 ゴミ容器
4 排水容器
5 マイクロ波発生装置
6 送風ファン
7 排気ファン
8 容器駆動モータ
9 回転羽根
10 羽根駆動モータ
11 蓋体
12 操作パネル
64 エンコーダ
65 排気温センサ
66 湿度センサ
67 外気温センサ
70 マイクロコンピュータ
71 メモリ
Claims (2)
- 生ゴミが収容される有底筒状のゴミ容器と、該ゴミ容器内に給排気するファン装置と、生ゴミにマイクロ波を照射するマイクロ波照射装置と、前記ゴミ容器の底部に回転自在で取り付けられる回転羽根と、該回転羽根を回転駆動する羽根駆動モータと、前記ゴミ容器を回転駆動する容器駆動モータと、前記回転羽根の回転数と回転方向を検出するエンコーダとを備え、
前記回転羽根とゴミ容器とがそれぞれ逆方向に回転するように前記羽根駆動モータと容器駆動モータを駆動するとともに、前記羽根駆動モータを駆動してから所定時間経過しても前記エンコーダで回転羽根がゴミ容器と逆方向に所定数回転したことを検出しないとき、エラーと判断して羽根駆動モータの駆動を停止する制御手段を備えたことを特徴とする生ゴミ処理装置。 - 前記制御手段は、前記回転羽根を回転させずにゴミ容器のみを回転させたとき、前記エンコーダで回転羽根が所定量回転したことを検出するとエラーと判断して容器駆動モータを停止することを特徴とする上記請求項1記載の生ゴミ処理装置。
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