JP3926139B2 - 光増幅素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は光増幅素子に関し、特に希土類元素が添加された透明部材を用いた光増幅素子に関する。
【0002】
【従来の技術】
図9は特開平4−104231号公報に記載の導波路型光増幅器の構成を示す図である。図9に示した従来の光増幅器は、光増幅器の構成要素である光合成部105、光合波部106及び光増幅部107を、基板103上に形成された光導波路により構成した導波路型光増幅器であり、基板103の端部と基板103上に設けられた溝102との間をジグザクに折り返す形状とされ希土類元素が添加された光導波路101により、光増幅部107を構成することによって光増幅器の小型化が図られている。
【0003】
図9において、光合成部105の出力である信号光と励起光とが光合波部106で合成され、信号光が光増幅部107で増幅される構成となっている。光増幅部107の導波路101は、光導波路基板103の端部と基板103上に設けられた溝102との間をジグザクに折り返すように構成されている。
【0004】
基板103上に設けられた溝102及び基板103の端面は、導波路に対して特定の角度θを持つように形成され、導波路内を通る光が外部に出力されることなく基板103の端面の屈折率差により反射が生じ、導波路をジグザグに折り返すことを可能としている。
【0005】
また、光増幅部107の導波路101はエルビウムイオンの注入を行った後イオンビームエッチング法で折り返し用の溝102を形成している。これにより導波路型光増幅器の小型化、および高利得化を可能としている。
【0006】
図10は特開平9−49910号公報に記載の光デバイスの構成を示す図である。図10に示した従来の光デバイスは、光増幅器に用いる光デバイスに関し、簡素な構成のものを用いるだけで、複数の光デバイス等のもつ機能を一体化し、小型化かつ低コスト化を実現することを目的としている。
【0007】
図10において、この従来の光デバイス201は、対向する第1面部201−1及び第2面部201−2が平行でないように構成されたテーパプリズム202を備え、光信号の入力側に位置する第1面部201−1に誘電体多層膜203が形成されると共に、第2面部201−2に、第1面部201−1を通じて入射した光信号を少なくとも1回は第1面部201−1へ向けて反射させる反射膜204が形成され、かつ、テーパプリズム202の所要面部に、テーパプリズム202内に入射して反射した光信号を取り出すための無反射膜205が形成されている。このような構成により、光増幅器を構成する各種波長フィルタ、光合分波器、光カプラの機能を一体化する光デバイスが提供される。
【0008】
図11は特許第2721537号明細書に記載のガラス導波路の構成を示す図である。なお、図11(a)はガラス導波路の側面図であり、図11(b)は図11(a)のA−A′断面図である。
【0009】
図11(a)及び(b)に示したガラス導波路は、半導体、ガラス、強誘電体、磁性体等よりなる基板301上に屈折率がnbの低屈折率層302を設け、その上に屈折率がnc(nc>nb)で略断面矩形状のコア導波路303をジグザグ状に形成し、そしてその上全体を屈折率がnc1(nc1>nc)のクラッド304で覆った構造である。
【0010】
コア導波路303には、例えばSiO2−FiO2系ガラスに、Er,Ndなどの希土類元素を少なくとも一種添加したガラスを用いる。クラッド304には、例えばSiO2−TiO2−B2O3系ガラスを用いる。また低屈折率層302にもSiO2−TiO2−B2O3系ガラスを用いる。屈曲部に設けられたミラー305−2,305−3,305−4及び305−5は反射率がほぼ100%のミラーである。ミラー305−1は反射率99%のミラーであり、ミラー305−6は反射率98%のミラーであり、これらミラー305−1とミラー305−6でレーザーミラーを構成させて発振波長の安定したレーザ発振用光共振器を実現させる構成としてある。
【0011】
すなわち、矢印306−1より励起光源(例えば、波長514.5nm のArイオンレーザー)を入射させると、その光信号はコア導波路303内を矢印306-2, 306-3, 306-4, 306-5, 306-6, 307-1, 307-2, 307-3, 307-4, 307-5, 306-2,…, 306-6 のように光共振器間を反射を繰り返すことにより、増幅作用、あるいはレーザー発振を行わせるようにしたものである。このように、コア導波路303をジグザグ状にしてその共振器長Lを長くすることによって、増幅あるいはレーザー発振しやすくしている。ここで、コア導波路303をジグザグ状にすると、308−1〜308−4のV字屈曲部分での放射損、ミラー305−2〜305−5の反射率の低下による損失が問題になるため、θを大きくすることや、非常に高い反射率の膜を形成することによって補っていた。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
図9に示した導波路型光増幅器では、平面基板103上に希土類を添加した光導波路101をジグザグ状に形成することにより光信号を増幅させるための光路長を得る構成となっているため、光路長を増加させようとした場合にはジグザグ部(光増幅部107)の基板103上に占める面積が光路長に比例して増加することとなり、装置の占有面積が増加してしまうという問題がある。
【0013】
また、光増幅器の利得特性の向上のため、希土類元素の種類や添加量並びに光増幅部107の光路長を適正に設定する必要があるが、光増幅部107の光路長を長くする必要がある場合、図9に示した導波路型光増幅器では小型化が困難となっていた。さらに、光増幅器の利得特性の向上のために異なる複数の光増幅素子を直列に接続して装置を構成する場合があるが、この場合、図9に示した導波路型光増幅器では構成が複雑となり、小型化はさらに困難となっていた。
【0014】
次に、図10に示した光デバイスでは、プリズム202中に励起のための希土類元素を添加するという記載がなく光増幅素子として用いることが不可能であるが、プリズム202中に希土類元素を添加して光増幅素子として適用した場合でも、図9に示した導波路型光増幅器の場合と同様、光増幅部の光路長を長くしたい場合、プリズム202の形状を大きくする必要があり、光増幅器を小型化する上で問題となっていた。
【0015】
また、図11に示したガラス導波路では、ジグザグ状の導波路のV字屈曲部分308−1〜308−4において放射による導波損失が発生するため、導波路の分岐部分の角度θを小さくすることができない。この理由を図12及び13を用いて説明する。図12は光導波路チップの構成を示す図である。
【0016】
図12において、光導波路チップ401は、基板上に形成された導波路402a及び402bと、レーザーダイオード403と、全反射フィルタ405と、光ファイバ407とを有している。レーザーダイオード403から出射した光信号は、導波路402a及び402bにより導波され、全反射フィルタ405により導波路402aから導波路402bへと折り返され、光ファイバ407に入力されることとなる。
【0017】
図13は図12に示した光導波路チップ401における導波路402aと402bの接続点であるV字交差部404のV字交差角度406を変化させたときのV字部導波損失及びV字部アイソレーションを示す図である。なお、実線で示されたグラフはV字交差角度−V字部導波損失特性を示し、破線で示されたグラフはV字交差角度−V字部アイソレーションを示している。
【0018】
V字部アイソレーションの値が低いとレーザーダイオード403に光信号が戻ってしまうこととなり、レーザーダイオード403の出力が不安定になる等の問題が生じる。このため、V字交差部404のV字交差角度406は、V字部導波損失が小さく、かつV字部アイソレーションが大きくなるよう設定する必要がある。したがって、図12に示した光導波路チップ401の場合、図13に示したように、V字交差角度406を20度(DEG)と極めて大きく設定する必要がある。
【0019】
したがって、図11に示したガラス導波路においても、角度θを小さくすることができず、よって、光路長を十分に長くする必要がある場合にはジグザグ状導波路の占有面積が大きくなってしまい、図9の導波路型光増幅器並びに図10の光デバイスと同様、光増幅器の小型化は困難となっていた。
【0020】
以上述べたように、図9〜11を用いて説明した従来の技術では、装置を小型にして、かつ、励起光源からの励起パワーと信号光の相互作用長を十分に長くとるということが困難であり、小型化と増幅特性の向上とを同時に満足することが容易でないという問題があった。
【0021】
本発明の目的は、光増幅器の小型化、高集積化並びに利得特性の向上を実現することができる光増幅素子を提供することである。
【0022】
【課題を解決するための手段】
本発明による光増幅素子は、各々互いに対向しかつ平行な第1及び第2面部を有し希土類元素が添加され、互いに光増幅特性が異なると共に積層された第1及び第2の透明部材と、前記第1及び第2の透明部材の前記第1及び第2面部にそれぞれ設けられた第1及び第2の反射膜とを含み、ビーム状の光が前記第1の透明部材の前記第1及び第2の反射膜の間の前記第1の透明部材内をジグザク状に進行し、前記第1の透明部材は、前記光がジグザグ状に進行する往路の終点となる第3面部を更に有し、前記第1の透明部材の前記第3面部から前記第2の透明部材の対応する面部にわたって設けられ、前記第1の透明部材の前記第3面部に到達した前記光が前記往路から前記透明部材厚み方向にのみずれた前記第2の透明部材中の帰路を進行するよう折り返す光路折り返し部材を更に含むことを特徴とする。
【0025】
本発明の作用は次の通りである。光信号を励起光源により直接増幅を行う光増幅器に適用される光増幅素子として、従来光ファイバや基板面上に構成されていた光増幅素子を、反射膜が形成され互いに対向しかつ平行な第1及び第2面部を有する希土類元素添加透明部材を含む光増幅素子に置き換え、さらに、入射光としてビーム状の光を用いることとしている。これにより、ビーム状の入射光が反射を繰り返して透明部材の第1面部と第2面部との間(第1及び第2の反射膜の間)をジグザグ状に進行する際の反射角度を小さくすることができ、よって、光増幅器の小型化、高集積化並びに利得特性の向上を実現することができる。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施例について図面を用いて説明する。図1は本発明の第1の実施例による光増幅素子の構成を示す図である。なお、以下に示す全ての図面において図1と同等部分は同一符号にて示している。図1において、本発明の第1の実施例による光増幅素子1は、希土類元素が添加された多角形状の透明部材2を有している。透明部材2には光学ガラスが用いられる。透明部材2は、コリメートされた信号光及び透明部材2中の希土類元素を励起状態とするための励起光が垂直に入射される光学面2−1(第4面部)と、互いに対向しかつ平行となる光学面2−2及び2−3(第1及び第2面部)と、透明部材2の中心軸を中心に光学面2−1に対して回転対称な位置にある光学面2−4(第3面部)とを有している。
【0027】
光学面2−2には、光学面2−1から入射したビーム状の信号光及び励起光を少なくとも1回光学面2−3方向へ反射させるための全反射膜3が形成されている。また、光学面2−3には、光学面2−2の全反射膜3で反射され到来する信号光及び励起光を少なくとも1回反射させるための全反射膜4が形成されている。そして、光学面2−4には、到来する光の光路を折り返すための光路折り返し素子5が貼り付けられている。
【0028】
このような構成の光増幅素子1では、光学面2−1を通じて透明部材2に入射して光学面2−2へ向かうビーム状の入射光は、全反射膜3及び4により繰り返し反射されることで、光学面2−2と光学面2−3との間をジグザグ状に進行することになる。そして、光学面2−3に形成された全反射膜4により反射された入射光は、光学面2−4へと導かれ、光学面2−4に取り付けられた光路折り返し素子5により光学面2−3方向へ折り返されて(往路の終点)、再度全反射膜3及び4により光学面2−2と光学面2−3との間をジグザグ状に進行して光学面2−1へと戻ることになる。すなわち、光学面2−4に到達した入射光は、光路折り返し素子5により、これまで進んできた光路(往路)を光学面2−1に向かって逆向きに進行することとなる。このように、光学面2−4に到達した入射光は、光路折り返し素子5によりその往路と同一の帰路を進行して、光学面2−1から出射されることになる。
【0029】
なお、図1と以下に示す図2、図3(a)、図4(a)、図5(a)及び図8においては、光学面2−1から光学面2−4へ進行する光の光路(往路)を実線にて示し、光学面2−4から光学面2―1へ進行する光の光路(帰路)を破線にて示しており、理解し易いよう実線と破線とがずらして表示されている。また、図1における光路折り返し素子5は、例えば光学面2−4に形成される全反射膜とすることができる。
【0030】
図2は図1に示した光増幅素子1を適用した光増幅器の構成を示す図である。図2において、光増幅器は、光サーキュレータ11と、光合波器12と、光増幅素子1とを有している。光増幅器に入力されたビーム状の信号光は、光サーキュレータ11を通過した後、光合波器12に入力される。また、ビーム状の励起光も光合波器12に入力される。光合波器12により合波されたビーム状の信号光及び励起光は、光増幅素子1の光学面2―1に導かれて希土類元素が添加された透明部材2の内部に入力される。
【0031】
励起光により透明部材2内の希土類元素が励起され、励起光の光路上に励起エネルギーの反転分布が形成されることにより、励起光の光路上を進行する信号光が増幅されることとなる。ここで、全反射膜3及び4により励起光と信号光の光路をジグザグ状として光路長を長くすることにより、励起エネルギーが効率的に信号光の増幅に寄与されるようにしている。
【0032】
光学面2−2と光学面2−3との間をジグザグ状に進行した信号光及び励起光は、光路折り返し素子5により進行方向を逆向きに折り返され、その往路と同一の帰路を進行し、光学面2−1から出射されることとなる。光学面2−1から出射した増幅された信号光は、光合波器12を通過して光サーキュレータ11に入力され、光サーキュレータ11の信号光出力ポートから出力される。
【0033】
このように、本発明では、信号光と励起光をビーム状にして透明部材2中を伝搬させる構成となっている。この光ビームの作用を図7を用いて説明する。なお、図7(a)及び(b)において同等部分は同一符号にて示している。図7(a)において、光ファイバ701aから出射した光は、レンズ702aにより略平行な光ビーム703に変換される。光ビーム703は、レンズ702bにより光ファイバ701bに入力される。
【0034】
ここで、光ファイバ701a及び701bとしてシングルモード光ファイバを用い、レンズ702aとレンズ702bとの間の距離Lを100[mm]程度に設定した場合、光ビーム703の直径703bは0.5[mm]以下と小さい。また、光ビーム703は符号703cで示すようにわずかに広がりながら伝搬するが、ビーム広がり角703aは0.5度(DEG)未満と非常に小さい。
【0035】
このため、図7(b)に示すように、全反射膜704で光ビーム703を折り返すよう構成した場合でも、光ビーム703の折り返し角度705を、ビーム広がり角度703aよりも十分に大きい数度(DEG)の角度に設定することで、アイソレーションを高くすることが可能となり、光ファイバ701aに光が戻ってしまうことを防ぐことができ、全反射膜704における光の損失を抑えることが可能となる。
【0036】
したがって、図11に示したガラス導波路では角度θを小さくすることができなかったが、図1に示した光増幅素子1のように、入射光として平行光ビームを用い、ガラス導波路に代えて希土類元素添加透明部材2を用いることにより、図11に示したガラス導波路で問題となっていた全反射膜での放射損失は無視できるほど小さくなるため、反射角度はきわめて小さく設定可能となり、よって光路長を長くすることが可能となるのである。このように、図1に示した光増幅素子1では、反射角度を数度程度に小さくすることが可能となり、小型化・高密度化が実現される。
【0037】
また、本発明の第1の実施例では、全反射膜3に入射される光ビームの角度を任意に設定することにより、同じ実装面積内でも光路長を自由に設定することができる。この例が図8(a)及び(b)に示されている。図8(a)及び(b)に示すように、全反射膜3に入射される光ビームの反射角度を、角度10aまたは角度10bというように任意に設定可能とすることで、同じ実装面積で異なる光路長の光増幅素子1a及び1bを得ることができる。このように、本発明の第1の実施例では、従来のガラス導波路を用いる方式よりも光路長の自由度が拡大される。
【0038】
なお、図1及び2では、光学面2−4に光路折り返し素子5を設けているが、これを設けずに、信号光が光学面2−4から出射するようにしてもよいことは勿論である。
【0039】
次に、本発明の第2の実施例について図面を用いて説明する。図3は本発明の第2の実施例による光増幅素子の構成を示す図であり、(a)は光増幅素子の平面図であり、(b)は光増幅素子の底面図である。図3(a)及び(b)において、本発明の第2の実施例による光増幅素子1は、図1の光路折り返し素子5として三角プリズム20を用いている。
【0040】
透明部材2中をジグザグに進行してきたビーム状の信号光及び励起光は、光学面2−4に到達して三角プリズム20に入射すると、図3(b)に示すように、三角プリズム20により透明部材2の厚み方向にずれて折り返され、その往路から透明部材2の厚み方向にのみずらされた帰路を進行して、光学面2−1から出射されることになる。このように、信号光の往路と帰路とは空間的に分離されることとなる。
【0041】
このため、本発明の第1の実施例による効果と同様の効果が得られると共に、図3(b)に示すように、信号光の入力側及び出力側に信号光と励起光の合波のための光合波器21及び22を設けることが可能となり、光合波器21を介して励起光を信号光と共に光学面2−1の信号光入射位置より透明部材2に入射し、光合波器22を介して励起光を光学面2−1の信号光出射位置より透明部材2に入射することにより、信号光の前方励起と後方励起とを実現することができる。なお、光学面2−4から励起光を入射してもよいことは勿論である。
【0042】
次に、本発明の第3の実施例について図面を用いて説明する。図4は本発明の第3の実施例による光増幅素子の構成を示す図であり、(a)は光増幅素子の平面図であり、(b)は光増幅素子の底面図である。図4(a)及び(b)において、本発明の第3の実施例による光増幅素子1は、光学面2−4に光路折り返し素子として2個の三角プリズム30及び32が設けられており、さらに、光学面2−1にも光路折り返し素子として1個の三角プリズム31が設けられている。
【0043】
三角プリズム30〜32の各々は、図3に示した三角プリズム20と同様に、自プリズムに入射した光を透明部材2の厚み方向にずれるよう折り返すことで、当該自プリズムに入射した光は、当該自プリズムが設けられた光学面に到達するまでの光の光路から透明部材2の厚み方向にのみずらされた光路を進行することになる。
【0044】
したがって、本発明の第3の実施例による光増幅素子1では、図4(b)に示したように、信号光及び励起光は、三角プリズム30から三角プリズム31へ折り返され、三角プリズム31から三角プリズム32へ折り返され、最後に三角プリズム32により折り返されて、光学面2−1から出射される。このように、本発明の第3の実施例による光増幅素子1では、本発明の第1及び第2の実施例による効果と同様の効果が得られると共に、入射光は光学面2−1と光学面2−4との間を2回往復するので、上記第1及び第2の実施例の2倍の光路長が得られ、光信号の利得効率を増大させることが可能となっている。
【0045】
なお、図4では、三角プリズムが3個の場合を示したが、これに限られるものではなく、三角プリズムを3個から5個、7個と増加させることによりさらに光路長を増やすことができることは明らかである。
【0046】
次に、本発明の第4の実施例について図面を用いて説明する。図5は本発明の第4の実施例による光増幅素子の構成を示す図であり、(a)は光増幅素子の平面図であり、(b)は光増幅素子の底面図である。図5(a)及び(b)において、本発明の第4の実施例による光増幅素子1は、2個の透明部材2A及び2Bを有しており、透明部材2A及び2Bは透明部材の厚み方向に貼り合わされている、すなわち、積層されている。また、透明部材2A及び2Bは、その組成及び添加される希土類元素量のうち少なくともいずれか一方が互いに異なるものである、すなわち、光増幅特性が互いに異なるものである。
【0047】
そして、1個の三角プリズム20が、透明部材2Aの光学面2−4Aから透明部材2Bの光学面2−4Bにわたって取付けられている。この三角プリズム20は、図3に示した三角プリズム20と同様に、自プリズムに入射した光を透明部材2の厚み方向にずれるよう折り返すが、このとき、図5(b)に示したように、透明部材2Bの光学面2−4Bに光が入力されるように光を厚み方向にのみシフトする。
【0048】
このような構成の本発明の第4の実施例による光増幅素子1では、光合波器21を介して透明部材2Aの光学面2−1Aから入力されたビーム状の信号光及び励起光は、透明部材2Aの光学面2−4Aから三角プリズム20に入力され、三角プリズム20によりその光路が透明部材2A及び2Bの厚み方向にシフトされて透明部材2Bの光学面2−4Bに入力され、透明部材2Bの光学面2−1Bから出力されることになる。なお、ビーム状の励起光は、光合波器22を介して光学面2−1Bから透明部材2Bへも入射されている。このように、互いに異なる光増幅特性を有する複数の透明部材2A及び2Bを組み合わせた本発明の第4の実施例においても、光増幅素子の実装占有面積はほとんど増加しないため、本発明の第1及び第2の実施例による効果と同様の効果が得られることは明らかである。
【0049】
また、希土類元素が添加された光増幅器の増幅スペクトルは、その光学部材の組成及び添加される希土類元素量に大きく依存する。このような特性を利用して、本発明の第4の実施例では、増幅特性が互いに異なる透明部材2A及び2Bを図5(b)に示したように直列接続する(積層する)ことにより、新規の増幅スペクトルを創出することができる。
【0050】
図6は図5に示した光増幅素子の増幅特性について説明するための図であり、(a)は透明部材2A及び2Bの各々の増幅特性を示す図であり、(b)は透明部材2A及び2Bを積層した場合の増幅特性を示す図である。
【0051】
図6(a)に示したように増幅特性が互いに異なる透明部材2A及び2Bを積層し、透明部材2Aに入射された信号光を三角プリズム20により透明部材2B中も進行させることで、図6(b)に示したように利得の平坦化が可能となる。
【0052】
請求項の記載に関連して本発明は更に次の態様をとりうる。
【0053】
(1)前記透明部材は、前記入射光が入射される第4面部を更に有し、
前記第3面部に設けられるN(Nは1以上の整数)個の光路折り返し部材と、前記第4面部に設けられるN個の光路折り返し部材とを更に含み、
前記帰路を進行して前記第4面部に到達した前記光は、前記2N個の反射部材の各々により前記帰路から前記厚み方向にのみ順次ずらされた経路を進行することにより、前記第3面部と前記第4面部との間を更にN回往復して前記第4面部から出射されることを特徴とする請求項3記載の光増幅素子。
【0054】
(2)前記透明部材は、前記光がジグザグ状に進行する往路の終点となる第3面部を更に有し、
前記透明部材である第1の透明部材と光増幅特性が異なり前記第1の透明部材に積層される第2の透明部材と、
前記第1の透明部材の第3面部から前記第2の透明部材の第3面部にわたって設けられる一の光路折り返し部材とを更に含み、
前記第1の透明部材の第3面部に到達した前記光は、前記光路折り返し部材によりその往路から前記透明部材厚み方向にのみずらされた前記第2の透明部材中の帰路を進行することを特徴とする請求項1記載の光増幅素子。
【0055】
【発明の効果】
本発明による効果は、光増幅器の小型化、高集積化並びに利得特性の向上を実現することができることである。その理由は、従来光ファイバや基板面上に構成されていた光増幅素子を、反射膜が形成され互いに対向しかつ平行な第1及び第2面部を有する希土類元素添加透明部材を含む光増幅素子に置き換え、さらに、入射光としてビーム状の光を用いることとして、ビーム状の入射光が反射を繰り返して透明部材の第1面部と第2面部との間(第1及び第2の反射膜の間)をジグザグ状に進行する際の反射角度を小さくすることを可能としているので、光増幅器を小型化しても信号光の光路長を十分長くとることができ、よって、小型化と光増幅特性の向上とを同時に満たすことができるためである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の光増幅素子の構成を示す図である。
【図2】図1の光増幅素子を適用した光増幅器の構成を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施例の光増幅素子の構成を示す図であり、(a)は光増幅素子の平面図であり、(b)は光増幅素子の底面図である。
【図4】本発明の第3の実施例の光増幅素子の構成を示す図であり、(a)は光増幅素子の平面図であり、(b)は光増幅素子の底面図である。
【図5】本発明の第4の実施例の光増幅素子の構成を示す図であり、(a)は光増幅素子の平面図であり、(b)は光増幅素子の底面図である。
【図6】図5の光増幅素子の増幅特性について説明するための図であり、(a)は透明部材2A及び2Bの各々の増幅特性を示す図であり、(b)は透明部材2A及び2Bを積層した場合の増幅特性を示す図である。
【図7】本発明に用いられる光ビームの作用について説明するための図であり、(a)は反射膜を用いない場合の光ビームを示す図であり、(b)は反射膜を用いた場合の光ビームを示す図である。
【図8】本発明の第1の実施例における光路長の自由度について説明するための図であり、(a)は光路長を長くとる場合の光増幅素子の構成を示す図であり、(b)は光路長を短くとる場合の光増幅素子の構成を示す図である。
【図9】従来の導波路型光増幅器の構成を示す図である。
【図10】従来の光デバイスの構成を示す図である。
【図11】従来のガラス導波路の構成を示す図である。
【図12】光導波路チップの構成を示す図である。
【図13】図12の光導波路チップのV字交差部におけるV字部導波損失及びV字部アイソレーションを示す図である。
【符号の説明】
1,1a,1b 光増幅素子
2,2A,2B,2a,2b 透明部材
2−1〜2−4 光学面
2−1A〜2−4A,2−1B〜2−4B 光学面
3,3A,3B,4,4A,4B 全反射膜
5 光路折り返し素子
10a,10b 反射角度
11 光サーキュレータ
12,21,22 光合波器
20,30〜32 三角プリズム

Claims (1)

  1. 各々互いに対向しかつ平行な第1及び第2面部を有し希土類元素が添加され、互いに光増幅特性が異なると共に積層された第1及び第2の透明部材と、
    前記第1及び第2の透明部材の前記第1及び第2面部にそれぞれ設けられた第1及び第2の反射膜とを含み、
    ビーム状の光が前記第1の透明部材の前記第1及び第2の反射膜の間の前記第1の透明部材内をジグザク状に進行し、
    前記第1の透明部材は、前記光がジグザグ状に進行する往路の終点となる第3面部を更に有し、
    前記第1の透明部材の前記第3面部から前記第2の透明部材の対応する面部にわたって設けられ、前記第1の透明部材の前記第3面部に到達した前記光が前記往路から前記透明部材厚み方向にのみずれた前記第2の透明部材中の帰路を進行するよう折り返す光路折り返し部材を更に含むことを特徴とする光増幅素子。
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