JP2004349325A - 光波長変換器とその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】レーザ光源との光結合効率を高められ、これによりエネルギーロスを最小限に抑えることの可能な光波長変換器とその製造方法を提供する。
【解決手段】ランタン系に代表される希土類を添加したコア層12を、スパッター、CVD、蒸着などの薄膜形成技術により、コア層12よりも屈折率の低い基板13上に積層する。次に基板13と同様の材質の基板14をコア層12の積層面に重ねて積層し、所定の幅に切り出して研磨(ラッピング)する。さらに、その切断面に基板15,16を接合し、略短冊状のコア層12をクラッド層(基板13〜16)で覆う形状の光導波路を形成する。さらに、光導波路の端面に光学膜ミラーM1,M2を形成する。
【選択図】 図1
【解決手段】ランタン系に代表される希土類を添加したコア層12を、スパッター、CVD、蒸着などの薄膜形成技術により、コア層12よりも屈折率の低い基板13上に積層する。次に基板13と同様の材質の基板14をコア層12の積層面に重ねて積層し、所定の幅に切り出して研磨(ラッピング)する。さらに、その切断面に基板15,16を接合し、略短冊状のコア層12をクラッド層(基板13〜16)で覆う形状の光導波路を形成する。さらに、光導波路の端面に光学膜ミラーM1,M2を形成する。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、アップコンバージョン技術によりレーザ光から可視光線や紫外線などを得るための光波長変換器およびその製造方法に関する。特に本発明は、高出力レーザ光を得るための光波長変換器およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光学記録媒体のデータ読み取り/書き込みなどの用途に、レーザ光源装置が用いられる。また近年では高出力型の光源装置の研究が行われ、プロジェクションTV、液晶プロジェクター、あるいは交通信号などの用途への適用が検討され始めている。このような用途においては出力光波長をある程度任意に設定できることが要求されるが、短波長領域の光をレーザ光源から直接に、しかも高出力で得ることは難しい。そこで、アップコンバージョン技術によりレーザ光源の出力光波長を変換することが行われている。
【0003】
アップコンバージェンスとは、Er(エルビウム),Pr(プラセオジウム)などのランタン系希土類元素を添加した光ファイバなどの光学媒体に励起光(例えば赤外光)を導入することにより希土類金属を高エネルギー準位レベルに励起する。そして、希土類金属が定常状態に移行することによりエネルギー準位の差分に相当する波長のレーザ光を取り出すという技術である。この技術によれば、赤外光を例えば青色領域の可視光や紫外線などの短波長光に変換することができる。
【0004】
ところで、半導体レーザ光源の出力を高くするには、発光層をスロー軸方向に拡大する必要がある。このためレーザ出力光の形状の非対称性が著しくなることが知られている。例えば高出力型の赤外線半導体レーザの出射形状は、ファスト軸方向に1〜2μmであるのに対してスロー軸方向に数100μm程度の広がりを持ち、スロー軸方向への広がりがファスト軸方向に対して極端に広い。これに対し励起用光ファイバのコア径は10μm前後であるため、両者の光結合効率を確保することが非常に困難である。複雑な光学系を用い、光源とファイバとの位置を如何に高精度に合わせたとしても、既存の技術により得られる結合効率は高々10%にも満たない。
【0005】
さらに、励起用光ファイバの材質は、フォノンエネルギーの小さい重金属弗化物ガラスが一般的である。ところがこのガラスは結晶化しやすく、ファイバ化が困難である。またこの種の用途への使用に最も多く検討されているZBLAN(ZrF4−BaF2−LaF3−AlF3−NaF)系のガラスは湿度に対する耐侯性が悪く、経年変化の度合いが大きいと言う不具合を持つ。
【0006】
なお、関連する技術が下記特許文献1および2に開示される。特許文献1に記載の技術によれば、アルカリ金属あるいはアルカリ土金属を含まない光学増幅器および光ファイバ用のガラスが提供される。この文献には、情報通信に利用される1〜2nmの赤外帯域のレーザ光を得ることの可能な、希土類を添加した平面型の光学導波路構造体が開示される。特許文献2には、アップコンバージェンスへの応用ではないものの、内部損失の低減を図ることの可能な光導波路が開示される。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−105965号公報(段落番号[0034]〜[0041]、図4)
【0008】
【特許文献2】
特開平7−333452号公報(段落番号[0034]〜[0041]、図4)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように既存のアップコンバージョン技術には、高出力レーザ光の形状が著しく偏平であることから励起用ファイバとの結合効率を高めることが難しく、エネルギーの損失が大きいという不具合がある。結合効率を少しでも高めるためには、非球面レンズなどを用いた複雑な光学系や高精度な位置合わせ制御を必要とするため、デバイスのサイズが大きくなったり、製造上の歩留まりが悪いという不具合も生じる。またこのような対策を如何に講じたとしても、得られる結合効率は高々10%程度に留まり、さらなる技術改良が待たれている。
【0010】
さらに、希土類の発光効率をアップさせるためにコア材として使用されるフッ化物ガラスは、作成時において結晶化、気泡の混入などへの対策を講じることが必要であり、窒素中に封入するなどといった煩雑な処理を要する。またこの種のガラス材は湿度に弱く、経年変化の度合いが大きいという不具合を持つ。
【0011】
本発明は上記事情によりなされたもので、その目的は、レーザ光源との光結合効率を高められ、これによりエネルギーロスを最小限に抑えることの可能な光波長変換器とその製造方法を提供することにある。また本発明の別の目的は、組成の制限を緩和し、簡易に製造することの可能な光波長変換器とその製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係わる光波長変換器は、希土類を添加した励起媒体(例えばコア層12)にレーザ光を入射して当該レーザ光の波長を変換する光波長変換器において、前記励起媒体よりも屈折率の低い平板状の第1の光学部材(例えば基板13)に前記励起媒体を膜状に積層し、その積層面に前記励起媒体よりも屈折率の低い第2の光学部材(例えば基板14)を積層した層状部材からなる直方体状部材(例えば部材33)と、この直方体状部材の長手方向と平行でかつ前記積層面と直交する面に接合されそれぞれ前記励起媒体よりも屈折率の低い第3および第4の光学部材(例えば基板15,16)と、前記直方体状部材の長手方向の両端面にそれぞれ形成されレーザ共振器構造を形成する第1および第2の反射性部材(例えば光学膜ミラーM1,M2)とを具備することを特徴とする。
【0013】
このような手段を講じることにより、励起媒体はその四面が基板で挟み込まれ、積層の厚みと、直方体状部材の幅と、直方体状部材の長手方向長さに応じた短冊状の形状となる。第1および第2の反射性部材はその長手方向に対する端面に形成され、一方の端面にレーザ光が入射されるとレーザ共振が生じてレーザ光はより短い波長に波長変換される。
【0014】
しかもレーザ入射端面の形状は、励起媒体の積層の厚みと直方体状部材の幅とを辺とする長方形となる。これは、半導体レーザの出射面の形状と相似形である。もちろん、励起媒体の積層の厚みと直方体状部材の切り出し幅を調節することで、半導体レーザの出射面と同じ形状にすることも容易に可能である。すなわち本発明によれば、コアとなる励起媒体の形状をレーザ光の出射形状に合わせた形状で成形することが容易に可能となる。従って複雑な光学系を必要とせず、レーザ光源と光波長変換器との光学的結合を飛躍的に高められ、エネルギーの損失を少なくすることが容易にできるようになる。
【0015】
また本発明によれば、スパッター、CVD(Chemical Vapor Deposition)、蒸着などのいわゆる薄膜形成技術によりコアを形成することができるので、結晶化、気泡などの発生にとらわれることなく、容易に、かつ組成や材質を制限されること無く製造手順を進行させることが可能になる。これにより発光効率が最も良好なコア材質を選定することもでき、波長変換効率をさらにアップさせることができる。
【0016】
また本発明によれば、励起媒体は4つの基板でその四面を挟まれる格好となる。これによりレーザ光の入射端面、出射端面に反射性部材を形成することが容易になり、しかも基板および反射性部材の保護効果により励起媒体の耐候性を高められる。もちろん、ファイバ形状に形成するといった処理を必要としないことから、基板自体の材質をより耐候性や経年変化への耐性の高いものにすることもできる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の実施の形態に係わるアップコンバージェンス光導波路11を示す斜視図である。このアップコンバージェンス光導波路11は、高出力型半導体レーザ(LASER Diode:以下LDと表記する)から入射されるレーザ光を光導波路構造体の内部でアップコンバージョンし、入射光よりも波長の短い光を出射する。このアップコンバージェンス光導波路11は、例えばプロジェクションTVの内部で、画像表示に必要なRGB光を生成する用途などに用いられる。
【0018】
図1において、コア層12はガラスなどの基板13,14,15,16に覆われる。コア層12は、Er,Pr,Yb(イッテルビウム)などの希土類が添加されたフッ化物ガラスをスパッターリング、CVD、蒸着などのいわゆる薄膜形成技術により基板13上に膜状に積層することで形成される。基板14,15,16は、上記薄膜形成技術または溶融接合、接着などの手法によりコア層12を覆うように形成され、その光学屈折率をいずれもコア層12よりも小さくする。これによりコア層12をコアとし、基板13,14,15,16をクラッドとする光導波路構造が形成される。
【0019】
アップコンバージェンス光導波路11の両端は光学研磨レベルに仕上げられ、レーザ入射端17に光学膜ミラーM1、レーザ出射端18に光学膜ミラーM2が形成される。光学膜ミラーM1には、入射される赤外光に対して100%の透過率を持たせ、赤色光または緑色光に対して100%の反射率を持たせる。光学膜ミラーM2には、赤色光または緑色光に対して5〜90%の透過率を持たせ、赤外光に対して100%の反射率を持たせるようにする。いずれの光学膜ミラーM1,M2もいわゆるハーフミラーである。これによりレーザ共振器が形成され、レーザ入射端17から入射される赤外光がコア層12において励起されて波長変換され、レーザ出射端18から出力される。
【0020】
図2は、高出力型LD1の出射光端面を示す図である。一般的に、半導体レーザの発光層7はファスト(Fast)軸方向に数μmの厚みを、スロー軸方向にその数倍の幅を有するが、その出力が大きくなるほどにスロー軸方向への広がりが大きくなる。近年の赤外レーザでは発光層の厚みが1−2μmであるのに対し、幅は数百μmにも及ぶものがある。図1のアップコンバージェンス光導波路11のレーザ入射端17およびコア層12は、このように偏平な発光層の形状に合わせて形成することができる。
【0021】
図3は、図1のアップコンバージェンス光導波路11の作用原理を説明するための横断面図である。図3において、高出力型LD1から出射される赤外線レーザ光21は、光学系20を介してアップコンバージェンス光導波路11のレーザ入射端17に集光される。そうするとコア層12の希土類イオンが励起され、エネルギー準位の遷移により赤または緑帯域の可視光が生成される。すなわちコア層12内でレーザ共振が生じることにより赤、または緑帯域のレーザ光22が生成出力される。
【0022】
図4〜図9は、図1のアップコンバージェンス光導波路11を製造する手順を示す図である。図4は、基板13上にコア層12が所定の厚みで積層された状態を示す。この状態の部材に符号30を付す。
図5は、部材30のコア層12の積層面に基板14を重ねて接合した状態を示す。この状態の部材に符号31を付す。基板14は、例えば部材30と重ねられた状態で加圧しつつ、コア層12の転移転または軟化点付近の温度にまで加熱することにより溶融接合される。または、基板14は、光学的な吸収が少なく屈折率がコア層12よりも小さい有機接着剤(図7に表示、符号を35とする)を介して部材30に接着される。
【0023】
図6は、部材31をその厚み方向に対して直交する方向(図中、水平方向)に所定の幅t1で切断し、直方体状の形状をなす部材33が切り出された状態を示す。図示されるように、部材33はその切断面に沿って長手方向を有する。切り出し工程の直後においては部材33の切断面が粗く乱れているため、例えばラッピングなどの手法により、切断面はいわゆる光学面研磨に仕上げられる。
【0024】
図7は、部材33に基板15が接合された状態を示す。この状態の部材に符号36を付す。基板15は、部材33に対して加圧加熱接合用の封着ガラス膜34を介して溶融接合される。封着ガラス膜34の屈折率は、コア層12の屈折率よりも小さい。または、基板15は、部材33に対して有機接着剤35を介して接着接合される。なお次の図8に示されるように、コア層12の幅を部材33の長手方向に対して変えるようにしても良い。
【0025】
図8は、コア層12の幅を部材33に対して変化させた状態を示す図である。すなわち、部材36のコア層12の露出面37を研削または光学面研磨することにより、コア層12の幅を変化させることができる。例えばその両端の幅をT1,T2とし、T1>T2とした、いわゆるテーパー形状に仕上げることも可能である。より幅の広い端面を励起光入力端とし、幅の狭い端面を波長変換されたレーザ光の取り出し端とすることでLDとの結合効率をさらに高められるとともに、コア層12の内部における励起光密度をアップさせて出力光強度を稼ぐことも可能になる。
【0026】
図9は、部材36に基板16が接合された状態を示す。基板16は部材36に対して封着ガラス膜34または有機接着剤35を介して接合される。この状態の部材の両端面38,39は光学面研磨され、研磨された状態の端面38に光学膜ミラーM1が、端面39に光学膜ミラーM2がそれぞれ形成される。以上の手順を経て本実施形態のアップコンバージェンス光導波路11が完成される。
【0027】
端面38を励起光の入射側とし端面39をレーザ光の出力側とすると、光学膜ミラーM1に、励起光に対する略100%の透過率を持たせ、波長変換されたレーザ光に対する略100%の反射率を持たせる。また光学膜ミラーM2には、励起光に対する略100%の反射率を持たせ、波長変換されたレーザ光に対しては略5〜90%の透過率を持たせるようにする。これによりコア層12内にレーザ共振器構造が形成され、励起光はより短い波長に波長変換されて端面39から出力される。このような光学膜ミラーM1,M2は、例えば誘電体薄膜により形成することができる。
【0028】
図10は、以上の手順をまとめたフローチャートである。図10に示されるように、まず基板13の一方の板面にスパッターリング、CVD、蒸着などの薄膜形成技術によりコア層12を積層する(ステップS1)。次に、基板14をコア層12の積層面に重ねて、溶融または接着などの手法により積層する(ステップS2)。
【0029】
次に、ステップS2までの工程により形成された部材31を所定の切り出し幅t1で複数に分割し、部材33を切り出す(ステップS3)。次に、部材33の両断面を光学面になるように研磨する(ステップS4)。次に、部材33の研磨面に基板15,16を溶融または接着などの手法により接合する(ステップSS5)。
【0030】
次に、ステップS5までの工程により形成された部材の長手方向の端面38,39を光学面になるように研磨する(ステップS6)。そうして、研磨された両端面に光学膜ミラーM1,M2を形成する(ステップS7)。
【0031】
図11は、上記手順により形成されるアップコンバージェンス光導波路11の断面図である。図10において、断面中央付近に形成されるコア層12は、基板14〜16に囲まれる。図10においては、各基板14〜16は光学膜41を介してコア層12に接合される。光学膜41は、各基板14〜16の溶融による変質層でも良いし、有機接着剤35でも良いし、あるいは例えばMgF2(フッ化マグネシウム)などの薄膜でもよい。要するに、コア層12を取り囲む光学膜41の屈折率をコア層12の屈折率よりも小さくする。これにより光学膜41がクラッド層としての役割を果たし、励起光はコア層12内部に閉じ込められる。
【0032】
光学膜41をクラッド層とすることにより、基板14〜16の屈折率は任意である。これにより基板13〜16の材質の選択の幅が広がり、加工性、耐候性、熱膨張特性、熱伝導特性などに適した材料を任意に選択することが可能となる。逆に光学膜41を設けない場合には、コア層12に直接に接する基板にクラッド層としての役割を持たせることになる。この場合クラッド層となる基板の材質は制限されるが、製造工程を簡略化することができる。
【0033】
このように本実施形態では、ランタン系に代表される希土類を添加したコア層12を、スパッター、CVD、蒸着などの薄膜形成技術により、コア層12よりも屈折率の低い基板13上に積層する。次に基板13と同様の材質の基板14をコア層12の積層面に重ねて積層し、所定の幅に切り出して研磨(ラッピング)する。さらに、その切断面に基板15,16を接合し、略短冊状のコア層12をクラッド層(基板13〜16)で覆う形状の光導波路を形成する。さらに、光導波路の端面に光学膜ミラーM1,M2を形成するようにしている。
【0034】
図12は、アップコンバージェンスを実現するための従来の構成を、比較のため示す図である。従来では、励起媒体として希土類を添加した直径10μm程度の光ファイバ5,6が使用される。光ファイバ5には例えばEr,Prなどがドープされ、光ファイバ6にはTm(ツリウム)などがドープされる。
【0035】
各光ファイバ5,6の端面にはそれぞれ光学膜ミラーM1とM2、光学膜ミラーM3とM4が形成され、レーザ共振器10−1,10−2が形成される。図12において高出力型LD1から出力されるレーザ光は、非球面レンズ2を介して初段のレーザ共振器10−1に入射され、アップコンバージョンされる。これにより例えば赤外光領域のレーザ光が赤、または緑領域に変換される。この波長変換光出力は次段のレーザ共振器10−2に入射されてさらにアップコンバージョンされ、青、または紫外線領域のレーザ光が得られる。
【0036】
図13は、光ファイバ5,6の構成を示す模式図である。光ファイバ5,6は、希土類がドープされたコア3とそれを輪状ないし柱状に取り囲むクラッド4とからなる。その断面形状が、レーザ共振器10−1,10−2の入射端面形状となる。
【0037】
図12のような構成においては、高出力型LD1から出射されるレーザ光の形状と初段のレーザ共振器10−1の入射端面形状とが著しく異なる。このことから光結合効率が劣化し、エネルギーのロスが大きい。また非球面レンズ2などの複雑な機構をもつ光学系を必要とし、また精密な光軸あわせが必要となる。よって製造工程が複雑になったり、サイズが大型化するなどといった不具合がある。
【0038】
また光ファイバ5,6の材質には変換効率を高めるためフッ化物系のガラスを用いる必要がある。この種のガラスはZBLAN(ZrF4−BaF2−LaF3−AlF3−NaF)に代表されるように非常に耐候性が悪く、特に湿度に対しては窒素(N2)雰囲気中で保護して使用しなければならず、使い勝手が良いとは言えない。さらにこの材質は結晶化し易く、ファイバ化にあたっては精密な温度管理を必要とする。これらのことから製造工程が非常に煩雑になる。
【0039】
これに対し本実施形態によれば、励起媒体としてのコア層12を高出力型LD1から出射されるレーザ光の形状とほぼ同じに形状にして、最初から形成することができる。これにより光結合効率を飛躍的に高められ、エネルギーの損失を最小限に抑えることができる。しかも複雑な光学系を必要とせず、つまり光学系20は円筒レンズなどの簡単なもので良く、さらに光軸合わせも平易に実施することができる。
【0040】
さらに、本実施形態のアップコンバージェンス光導波路11は、いずれも薄膜形成や接合などといった手法を主体とする工程により製造されるため、非常に簡易な手順により製造することができる。しかも、その形状および製造手順から、コア層12や基板13〜16の材質や組成においても特筆すべき制限事項は無い。よって結晶化、気泡などの発生にとらわれることなく、コア層12の発光効率や基板13〜16の耐環境性能を主眼として材料を選ぶことが可能になる。
【0041】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態につき説明する。第1の実施形態においては、図3に示されるようにコア層12を単層膜で形成した。この構造は図12のレーザ共振器10−1と対比し得るもので、赤外光を例えば長波長の可視光領域にまで変換することができる。ここでは、赤外光から長波長領域を経て、さらに波長の短い青、紫外光領域にまで変換することの可能な形態につき説明する。
【0042】
図14は、本実施形態に関わるアップコンバージェンス光導波路11の断面図である。図14において、コア部Cは複数のコア層12,23を備える。コア層23は2つのコア層12に上下に挟まれて形成される。すなわちコア部Cは、厚み方向に3つの副層を備える。
【0043】
これらの副層は、図10のステップS1における積層工程を複数繰り返すことにより形成される。すなわち、基板13の一方面にコア層12を積層したのち、さらにコア層23を積層し、それに重ねてコア層12を積層することで、図14に示されるような3層のコア部Cを形成することができる。以下の製造手順は図10と同様である。
【0044】
本実施形態では、図14のコア層23の屈折率を、コア層12の屈折率よりも大きくする。これによりコア部Cに入射されたレーザ光を、コア部C内に閉じ込めた状態でレーザ発振させることができる。またコア層23の組成はコア層12と異なり、Erなどに加えてTmなども添加される。
【0045】
図15は、図14のアップコンバージェンス光導波路11の作用原理を説明するための横断面図である。図15において符号M3,M4は光学膜ミラーである。光学膜ミラーM3を介してアップコンバージェンス光導波路11に入射された赤外線レーザ光21は、まずコア層12において、中間波長としての赤、または緑帯域にまでアップコンバージョンされる。この中間波長光は光学膜ミラーM3,M4間を往復することによりコア層23に達し、さらに、青、紫外帯域などの領域にまでアップコンバージョンされる。
【0046】
一般に、青、紫外帯域などの短波長領域のレーザ光は、エネルギーが高いことから赤外レーザ光からの直接的な波長変換により得ることが難しい。そこで本実施形態では、組成の異なる副層を積層してコア部Cを形成することにより、いわゆる二段励起を実施できるようにすることで、赤外光から短波長領域のレーザ光を得られるようにしている。
【0047】
二段励起手法は、例えば図12に示す構成などにより一般に知られている。しかしながら図12においては、レーザ共振器10−1から出力される中間波長光を再度集光してレーザ共振器10−2に導入する際に光結合損失が生じるため、エネルギーロスとなる。これに対し本実施形態では、中間波長光が外部に暴露されることなく、コア部Cのみにおいて赤外光をアップコンバージョンすることが可能となり、多くのエネルギーを要する波長変換を高い効率で実現できる。
【0048】
(第3の実施形態)
図16は、本発明に関わるアップコンバージェンス導波路の第3の実施形態を示す図である。このアップコンバージェンス導波路のコア層12は、図16(a)に示されるようにジグザグ状にパターニングして形成される。このようなパターンは、半導体製造技術に用いられるフォトエッチングプロセスにより形成することができる。すなわち図16(b)に示すように、コア層12は基板13上に積層され、その状態からフォトエッチングプロセスにより不要部分が除去される。所望のパターンが形成されたのち、コア層12は例えば有機接着剤35を介して基板14と接合される。
【0049】
図17は、図16のアップコンバージェンス導波路のA−A断面図である。ジグザグパターンが形成されることにより、A−A断面にはコア層12のパターンが規則的に現れる。
【0050】
図16(a)のジグザグパターンは、複数の屈折部が基板13,14の端面に露出するように形成され、その露出面に励起用レーザ光および発振光を全反射する光学膜ミラーM5が形成される。またレーザ入射端面には光学膜ミラーM1が形成され、レーザ出射端面には光学膜ミラーM2が形成される。波長835nmの赤外光を全透過させ、赤(R)、緑(G)、青(B)の可視光を全反射させるように光学膜ミラーM1の透過率を決定するとレーザ共振器構造が形成され、入射された赤外線レーザ光21はコア層12において波長変換されてレーザ光22として出力される。
【0051】
図16に示すようなパターンを形成することにより、アップコンバージェンス導波路の長さを延長することが容易にできる。すなわち既存のアップコンバージョン技術では光ファイバの長さが数メーターにも及ぶものがあるが、本実施形態によれば、このように長い光導波路を比較的簡単に実現することが可能になる。
【0052】
なお図17に示されるように本実施形態においてはコア層12として単層膜を示したが、図14、図15に示されるようにコア層12を多層構造で形成する場合にも同様の製造工程を適用することが可能である。
【0053】
図18は、本実施形態におけるコア層12のパターンの別の例を示す図である。この構成においてはコア層12はいわゆる蛇行状に形成される。これによりパターンの屈曲部においてミラー膜を必要とせず、製造プロセスを簡略化できる。
【0054】
フォトエッチングプロセスによれば、例えば螺旋状パターンなどの他の種々のパターンを形成することができる。要するにコア層12を一筆書き状にパターニングして形成することにより、光導波路の長さを容易に延伸することができる。
【0055】
このように本実施形態によれば、フォトエッチングプロセスによりコア層12の形状を自由に決めることができ、これによりコア層12の長さを省サイズで延伸することができ、効率の良い波長変換を実現できる。
【0056】
以上のように上記各実施形態によれは、例えば以下の効果を得ることができる。すなわち本実施形態によれば、高出力型LD1から出力される励起光の出射形状に相当する形状を有する、略長方形のコア層12を容易に形成することができる。よって、直径が10μm程度のアップコンバージョンファイバに励起光を導入する従来技術に比較して、レンズ系を簡素化でき、位置調整が容易に行え、しかも励起光の導入効率を大幅に改善したアップコンバージェンス光導波路を形成できる。
【0057】
またコア層12はスパッター、CVD、蒸着などの手法により形成される。よって、たとえ弗化物ガラスなどの素材を用いても結晶化、気泡などの発生を考慮する必要が無い。同様に、従来ではファイバ形状を形成する目的で多量に添加される弗化物元素も、ほとんど必要としない。このため希土類イオンを最も効率よく励起させることのできるガラス組成が選定することが可能となる。
【0058】
これらのことから上記各実施形態によれば、レーザ光源との光結合効率を高められ、エネルギーロスを最小限に抑えることの可能な光波長変換器とその製造方法を提供することができる。また、組成の制限を緩和し、簡易に製造することの可能な光波長変換器とその製造方法を提供することができる。
【0059】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
図19および図20は、本発明の他の実施の形態に係わるアップコンバージェンス光導波路11を示す図である。図19においては、コア層12の長手方向にその断面積(または幅あるいは厚み)を変化させたアップコンバージェンス光導波路11が示される。このような形態は、薄膜形成プロセスまたはラッピングプロセスにおける処理により実現できる。すなわちコア層12を、励起光の導入側または発光レーザの取り出し側から中央部に至るにつれ徐々に厚みを薄くするか、幅を狭くした形状としても良い。このようにすることで、光結合効率およびレーザ光の取り出し効率を容易に高められるとともに、コア層12内の励起光密度を高めて波長変換効率をさらに高めることができる。
【0060】
図20は、SiO2などの酸化物または非吸収帯域の広いフッ化物膜43とPr,Eb,Tmの希土類、またはこれらの希土類をドープしたフッ化物膜42とを交互に積層した多層膜を、クラッド層となる光学膜41を介して基板13,14により挟み込んで形成したガラス膜44を示す。特にフッ化物膜42の組成は、単にレーザ発光を効率良く行うためのみの組成とすることができ、発光した光はSiO2などの酸化膜または非吸収帯域の広いフッ化物膜43で伝播される。また光学膜41は、例えばMgF2などの低屈折率の素材を用いて形成する。
【0061】
このような構成にすることにより、全ての膜を単元素または2乃至3元素により形成することが可能となる。これにより、希土類添加ガラス膜を成膜する際に生じ易い組成の変化、偏析などを防止することができる。また、遠赤外から紫外領域に渡って、光吸収を少なく透過率を良好に保つことができる。すなわち光透過率の劣化と光吸収の増加を抑えることができ、これは、高出力の紫外線レーザ光を得る際に特に有利となる。
【0062】
また上記各実施形態において、コア層12の組成は希土類をドープしたフッ化物ガラスに限定されない。例えば酸化物などのより一般的なガラス素材を用いるようにしても良い。
【0063】
さらに、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、例えば導波路パターンなど、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0064】
【発明の効果】
以上詳しく述べたように本発明によれば、レーザ光源との光結合効率を高められ、これによりエネルギーロスを最小限に抑えることの可能な光波長変換器とその製造方法を提供することができる。また本発明によれば、組成の制限を緩和でき、簡易に製造することの可能な光波長変換器とその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わるアップコンバージェンス光導波路11を示す斜視図。
【図2】高出力型半導体レーザ1の出射光端面を示す図。
【図3】図1のアップコンバージェンス光導波路11の作用原理を説明するための横断面図。
【図4】図1のアップコンバージェンス光導波路11を製造する手順を示す図。
【図5】図1のアップコンバージェンス光導波路11を製造する手順を示す図。
【図6】図1のアップコンバージェンス光導波路11を製造する手順を示す図。
【図7】図1のアップコンバージェンス光導波路11を製造する手順を示す図。
【図8】図1のアップコンバージェンス光導波路11を製造する手順を示す図。
【図9】図1のアップコンバージェンス光導波路11を製造する手順を示す図。
【図10】図1のアップコンバージェンス光導波路11の製造工程を示すフローチャート。
【図11】図1のアップコンバージェンス光導波路11の断面図。
【図12】既存のアップコンバージェンス技術による光導波路の構成を、比較のため示す図。
【図13】図12の光ファイバ5,6の構成を示す模式図。
【図14】本発明の第2の実施形態に関わるアップコンバージェンス光導波路11の断面図。
【図15】図14のアップコンバージェンス光導波路11の作用原理を説明するための横断面図。
【図16】本発明に関わるアップコンバージェンス導波路の第3の実施形態を示す図。
【図17】図16のアップコンバージェンス導波路のA−A断面図。
【図18】本発明に関わるアップコンバージェンス導波路の第3の実施形態におけるコア層12のパターンの別の例を示す図。
【図19】本発明の他の実施の形態に係わるアップコンバージェンス光導波路11を示す図。
【図20】本発明の他の実施の形態に係わるアップコンバージェンス光導波路11を示す図。
【符号の説明】
M1〜M5…光学膜ミラー、C…コア部、1…高出力型半導体レーザ(LD)、2…非球面レンズ、3…コア、4…クラッド、5,6…光ファイバ、7…発光層、10…レーザ共振器、11…アップコンバージェンス光導波路、12,23…コア層、13〜16…基板、17…レーザ入射端、18…レーザ出射端、20…光学系、21…赤外線レーザ光、22…レーザ光、30,31,33,36…部材、34…封着ガラス膜、35…有機接着剤、37…露出面、38,39…端面、41…光学膜、42…フッ化物膜、43…フッ化物膜、44…ガラス膜
【発明の属する技術分野】
本発明は、アップコンバージョン技術によりレーザ光から可視光線や紫外線などを得るための光波長変換器およびその製造方法に関する。特に本発明は、高出力レーザ光を得るための光波長変換器およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光学記録媒体のデータ読み取り/書き込みなどの用途に、レーザ光源装置が用いられる。また近年では高出力型の光源装置の研究が行われ、プロジェクションTV、液晶プロジェクター、あるいは交通信号などの用途への適用が検討され始めている。このような用途においては出力光波長をある程度任意に設定できることが要求されるが、短波長領域の光をレーザ光源から直接に、しかも高出力で得ることは難しい。そこで、アップコンバージョン技術によりレーザ光源の出力光波長を変換することが行われている。
【0003】
アップコンバージェンスとは、Er(エルビウム),Pr(プラセオジウム)などのランタン系希土類元素を添加した光ファイバなどの光学媒体に励起光(例えば赤外光)を導入することにより希土類金属を高エネルギー準位レベルに励起する。そして、希土類金属が定常状態に移行することによりエネルギー準位の差分に相当する波長のレーザ光を取り出すという技術である。この技術によれば、赤外光を例えば青色領域の可視光や紫外線などの短波長光に変換することができる。
【0004】
ところで、半導体レーザ光源の出力を高くするには、発光層をスロー軸方向に拡大する必要がある。このためレーザ出力光の形状の非対称性が著しくなることが知られている。例えば高出力型の赤外線半導体レーザの出射形状は、ファスト軸方向に1〜2μmであるのに対してスロー軸方向に数100μm程度の広がりを持ち、スロー軸方向への広がりがファスト軸方向に対して極端に広い。これに対し励起用光ファイバのコア径は10μm前後であるため、両者の光結合効率を確保することが非常に困難である。複雑な光学系を用い、光源とファイバとの位置を如何に高精度に合わせたとしても、既存の技術により得られる結合効率は高々10%にも満たない。
【0005】
さらに、励起用光ファイバの材質は、フォノンエネルギーの小さい重金属弗化物ガラスが一般的である。ところがこのガラスは結晶化しやすく、ファイバ化が困難である。またこの種の用途への使用に最も多く検討されているZBLAN(ZrF4−BaF2−LaF3−AlF3−NaF)系のガラスは湿度に対する耐侯性が悪く、経年変化の度合いが大きいと言う不具合を持つ。
【0006】
なお、関連する技術が下記特許文献1および2に開示される。特許文献1に記載の技術によれば、アルカリ金属あるいはアルカリ土金属を含まない光学増幅器および光ファイバ用のガラスが提供される。この文献には、情報通信に利用される1〜2nmの赤外帯域のレーザ光を得ることの可能な、希土類を添加した平面型の光学導波路構造体が開示される。特許文献2には、アップコンバージェンスへの応用ではないものの、内部損失の低減を図ることの可能な光導波路が開示される。
【0007】
【特許文献1】
特開平9−105965号公報(段落番号[0034]〜[0041]、図4)
【0008】
【特許文献2】
特開平7−333452号公報(段落番号[0034]〜[0041]、図4)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上述べたように既存のアップコンバージョン技術には、高出力レーザ光の形状が著しく偏平であることから励起用ファイバとの結合効率を高めることが難しく、エネルギーの損失が大きいという不具合がある。結合効率を少しでも高めるためには、非球面レンズなどを用いた複雑な光学系や高精度な位置合わせ制御を必要とするため、デバイスのサイズが大きくなったり、製造上の歩留まりが悪いという不具合も生じる。またこのような対策を如何に講じたとしても、得られる結合効率は高々10%程度に留まり、さらなる技術改良が待たれている。
【0010】
さらに、希土類の発光効率をアップさせるためにコア材として使用されるフッ化物ガラスは、作成時において結晶化、気泡の混入などへの対策を講じることが必要であり、窒素中に封入するなどといった煩雑な処理を要する。またこの種のガラス材は湿度に弱く、経年変化の度合いが大きいという不具合を持つ。
【0011】
本発明は上記事情によりなされたもので、その目的は、レーザ光源との光結合効率を高められ、これによりエネルギーロスを最小限に抑えることの可能な光波長変換器とその製造方法を提供することにある。また本発明の別の目的は、組成の制限を緩和し、簡易に製造することの可能な光波長変換器とその製造方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために本発明に係わる光波長変換器は、希土類を添加した励起媒体(例えばコア層12)にレーザ光を入射して当該レーザ光の波長を変換する光波長変換器において、前記励起媒体よりも屈折率の低い平板状の第1の光学部材(例えば基板13)に前記励起媒体を膜状に積層し、その積層面に前記励起媒体よりも屈折率の低い第2の光学部材(例えば基板14)を積層した層状部材からなる直方体状部材(例えば部材33)と、この直方体状部材の長手方向と平行でかつ前記積層面と直交する面に接合されそれぞれ前記励起媒体よりも屈折率の低い第3および第4の光学部材(例えば基板15,16)と、前記直方体状部材の長手方向の両端面にそれぞれ形成されレーザ共振器構造を形成する第1および第2の反射性部材(例えば光学膜ミラーM1,M2)とを具備することを特徴とする。
【0013】
このような手段を講じることにより、励起媒体はその四面が基板で挟み込まれ、積層の厚みと、直方体状部材の幅と、直方体状部材の長手方向長さに応じた短冊状の形状となる。第1および第2の反射性部材はその長手方向に対する端面に形成され、一方の端面にレーザ光が入射されるとレーザ共振が生じてレーザ光はより短い波長に波長変換される。
【0014】
しかもレーザ入射端面の形状は、励起媒体の積層の厚みと直方体状部材の幅とを辺とする長方形となる。これは、半導体レーザの出射面の形状と相似形である。もちろん、励起媒体の積層の厚みと直方体状部材の切り出し幅を調節することで、半導体レーザの出射面と同じ形状にすることも容易に可能である。すなわち本発明によれば、コアとなる励起媒体の形状をレーザ光の出射形状に合わせた形状で成形することが容易に可能となる。従って複雑な光学系を必要とせず、レーザ光源と光波長変換器との光学的結合を飛躍的に高められ、エネルギーの損失を少なくすることが容易にできるようになる。
【0015】
また本発明によれば、スパッター、CVD(Chemical Vapor Deposition)、蒸着などのいわゆる薄膜形成技術によりコアを形成することができるので、結晶化、気泡などの発生にとらわれることなく、容易に、かつ組成や材質を制限されること無く製造手順を進行させることが可能になる。これにより発光効率が最も良好なコア材質を選定することもでき、波長変換効率をさらにアップさせることができる。
【0016】
また本発明によれば、励起媒体は4つの基板でその四面を挟まれる格好となる。これによりレーザ光の入射端面、出射端面に反射性部材を形成することが容易になり、しかも基板および反射性部材の保護効果により励起媒体の耐候性を高められる。もちろん、ファイバ形状に形成するといった処理を必要としないことから、基板自体の材質をより耐候性や経年変化への耐性の高いものにすることもできる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
(第1の実施形態)
図1は、本発明の実施の形態に係わるアップコンバージェンス光導波路11を示す斜視図である。このアップコンバージェンス光導波路11は、高出力型半導体レーザ(LASER Diode:以下LDと表記する)から入射されるレーザ光を光導波路構造体の内部でアップコンバージョンし、入射光よりも波長の短い光を出射する。このアップコンバージェンス光導波路11は、例えばプロジェクションTVの内部で、画像表示に必要なRGB光を生成する用途などに用いられる。
【0018】
図1において、コア層12はガラスなどの基板13,14,15,16に覆われる。コア層12は、Er,Pr,Yb(イッテルビウム)などの希土類が添加されたフッ化物ガラスをスパッターリング、CVD、蒸着などのいわゆる薄膜形成技術により基板13上に膜状に積層することで形成される。基板14,15,16は、上記薄膜形成技術または溶融接合、接着などの手法によりコア層12を覆うように形成され、その光学屈折率をいずれもコア層12よりも小さくする。これによりコア層12をコアとし、基板13,14,15,16をクラッドとする光導波路構造が形成される。
【0019】
アップコンバージェンス光導波路11の両端は光学研磨レベルに仕上げられ、レーザ入射端17に光学膜ミラーM1、レーザ出射端18に光学膜ミラーM2が形成される。光学膜ミラーM1には、入射される赤外光に対して100%の透過率を持たせ、赤色光または緑色光に対して100%の反射率を持たせる。光学膜ミラーM2には、赤色光または緑色光に対して5〜90%の透過率を持たせ、赤外光に対して100%の反射率を持たせるようにする。いずれの光学膜ミラーM1,M2もいわゆるハーフミラーである。これによりレーザ共振器が形成され、レーザ入射端17から入射される赤外光がコア層12において励起されて波長変換され、レーザ出射端18から出力される。
【0020】
図2は、高出力型LD1の出射光端面を示す図である。一般的に、半導体レーザの発光層7はファスト(Fast)軸方向に数μmの厚みを、スロー軸方向にその数倍の幅を有するが、その出力が大きくなるほどにスロー軸方向への広がりが大きくなる。近年の赤外レーザでは発光層の厚みが1−2μmであるのに対し、幅は数百μmにも及ぶものがある。図1のアップコンバージェンス光導波路11のレーザ入射端17およびコア層12は、このように偏平な発光層の形状に合わせて形成することができる。
【0021】
図3は、図1のアップコンバージェンス光導波路11の作用原理を説明するための横断面図である。図3において、高出力型LD1から出射される赤外線レーザ光21は、光学系20を介してアップコンバージェンス光導波路11のレーザ入射端17に集光される。そうするとコア層12の希土類イオンが励起され、エネルギー準位の遷移により赤または緑帯域の可視光が生成される。すなわちコア層12内でレーザ共振が生じることにより赤、または緑帯域のレーザ光22が生成出力される。
【0022】
図4〜図9は、図1のアップコンバージェンス光導波路11を製造する手順を示す図である。図4は、基板13上にコア層12が所定の厚みで積層された状態を示す。この状態の部材に符号30を付す。
図5は、部材30のコア層12の積層面に基板14を重ねて接合した状態を示す。この状態の部材に符号31を付す。基板14は、例えば部材30と重ねられた状態で加圧しつつ、コア層12の転移転または軟化点付近の温度にまで加熱することにより溶融接合される。または、基板14は、光学的な吸収が少なく屈折率がコア層12よりも小さい有機接着剤(図7に表示、符号を35とする)を介して部材30に接着される。
【0023】
図6は、部材31をその厚み方向に対して直交する方向(図中、水平方向)に所定の幅t1で切断し、直方体状の形状をなす部材33が切り出された状態を示す。図示されるように、部材33はその切断面に沿って長手方向を有する。切り出し工程の直後においては部材33の切断面が粗く乱れているため、例えばラッピングなどの手法により、切断面はいわゆる光学面研磨に仕上げられる。
【0024】
図7は、部材33に基板15が接合された状態を示す。この状態の部材に符号36を付す。基板15は、部材33に対して加圧加熱接合用の封着ガラス膜34を介して溶融接合される。封着ガラス膜34の屈折率は、コア層12の屈折率よりも小さい。または、基板15は、部材33に対して有機接着剤35を介して接着接合される。なお次の図8に示されるように、コア層12の幅を部材33の長手方向に対して変えるようにしても良い。
【0025】
図8は、コア層12の幅を部材33に対して変化させた状態を示す図である。すなわち、部材36のコア層12の露出面37を研削または光学面研磨することにより、コア層12の幅を変化させることができる。例えばその両端の幅をT1,T2とし、T1>T2とした、いわゆるテーパー形状に仕上げることも可能である。より幅の広い端面を励起光入力端とし、幅の狭い端面を波長変換されたレーザ光の取り出し端とすることでLDとの結合効率をさらに高められるとともに、コア層12の内部における励起光密度をアップさせて出力光強度を稼ぐことも可能になる。
【0026】
図9は、部材36に基板16が接合された状態を示す。基板16は部材36に対して封着ガラス膜34または有機接着剤35を介して接合される。この状態の部材の両端面38,39は光学面研磨され、研磨された状態の端面38に光学膜ミラーM1が、端面39に光学膜ミラーM2がそれぞれ形成される。以上の手順を経て本実施形態のアップコンバージェンス光導波路11が完成される。
【0027】
端面38を励起光の入射側とし端面39をレーザ光の出力側とすると、光学膜ミラーM1に、励起光に対する略100%の透過率を持たせ、波長変換されたレーザ光に対する略100%の反射率を持たせる。また光学膜ミラーM2には、励起光に対する略100%の反射率を持たせ、波長変換されたレーザ光に対しては略5〜90%の透過率を持たせるようにする。これによりコア層12内にレーザ共振器構造が形成され、励起光はより短い波長に波長変換されて端面39から出力される。このような光学膜ミラーM1,M2は、例えば誘電体薄膜により形成することができる。
【0028】
図10は、以上の手順をまとめたフローチャートである。図10に示されるように、まず基板13の一方の板面にスパッターリング、CVD、蒸着などの薄膜形成技術によりコア層12を積層する(ステップS1)。次に、基板14をコア層12の積層面に重ねて、溶融または接着などの手法により積層する(ステップS2)。
【0029】
次に、ステップS2までの工程により形成された部材31を所定の切り出し幅t1で複数に分割し、部材33を切り出す(ステップS3)。次に、部材33の両断面を光学面になるように研磨する(ステップS4)。次に、部材33の研磨面に基板15,16を溶融または接着などの手法により接合する(ステップSS5)。
【0030】
次に、ステップS5までの工程により形成された部材の長手方向の端面38,39を光学面になるように研磨する(ステップS6)。そうして、研磨された両端面に光学膜ミラーM1,M2を形成する(ステップS7)。
【0031】
図11は、上記手順により形成されるアップコンバージェンス光導波路11の断面図である。図10において、断面中央付近に形成されるコア層12は、基板14〜16に囲まれる。図10においては、各基板14〜16は光学膜41を介してコア層12に接合される。光学膜41は、各基板14〜16の溶融による変質層でも良いし、有機接着剤35でも良いし、あるいは例えばMgF2(フッ化マグネシウム)などの薄膜でもよい。要するに、コア層12を取り囲む光学膜41の屈折率をコア層12の屈折率よりも小さくする。これにより光学膜41がクラッド層としての役割を果たし、励起光はコア層12内部に閉じ込められる。
【0032】
光学膜41をクラッド層とすることにより、基板14〜16の屈折率は任意である。これにより基板13〜16の材質の選択の幅が広がり、加工性、耐候性、熱膨張特性、熱伝導特性などに適した材料を任意に選択することが可能となる。逆に光学膜41を設けない場合には、コア層12に直接に接する基板にクラッド層としての役割を持たせることになる。この場合クラッド層となる基板の材質は制限されるが、製造工程を簡略化することができる。
【0033】
このように本実施形態では、ランタン系に代表される希土類を添加したコア層12を、スパッター、CVD、蒸着などの薄膜形成技術により、コア層12よりも屈折率の低い基板13上に積層する。次に基板13と同様の材質の基板14をコア層12の積層面に重ねて積層し、所定の幅に切り出して研磨(ラッピング)する。さらに、その切断面に基板15,16を接合し、略短冊状のコア層12をクラッド層(基板13〜16)で覆う形状の光導波路を形成する。さらに、光導波路の端面に光学膜ミラーM1,M2を形成するようにしている。
【0034】
図12は、アップコンバージェンスを実現するための従来の構成を、比較のため示す図である。従来では、励起媒体として希土類を添加した直径10μm程度の光ファイバ5,6が使用される。光ファイバ5には例えばEr,Prなどがドープされ、光ファイバ6にはTm(ツリウム)などがドープされる。
【0035】
各光ファイバ5,6の端面にはそれぞれ光学膜ミラーM1とM2、光学膜ミラーM3とM4が形成され、レーザ共振器10−1,10−2が形成される。図12において高出力型LD1から出力されるレーザ光は、非球面レンズ2を介して初段のレーザ共振器10−1に入射され、アップコンバージョンされる。これにより例えば赤外光領域のレーザ光が赤、または緑領域に変換される。この波長変換光出力は次段のレーザ共振器10−2に入射されてさらにアップコンバージョンされ、青、または紫外線領域のレーザ光が得られる。
【0036】
図13は、光ファイバ5,6の構成を示す模式図である。光ファイバ5,6は、希土類がドープされたコア3とそれを輪状ないし柱状に取り囲むクラッド4とからなる。その断面形状が、レーザ共振器10−1,10−2の入射端面形状となる。
【0037】
図12のような構成においては、高出力型LD1から出射されるレーザ光の形状と初段のレーザ共振器10−1の入射端面形状とが著しく異なる。このことから光結合効率が劣化し、エネルギーのロスが大きい。また非球面レンズ2などの複雑な機構をもつ光学系を必要とし、また精密な光軸あわせが必要となる。よって製造工程が複雑になったり、サイズが大型化するなどといった不具合がある。
【0038】
また光ファイバ5,6の材質には変換効率を高めるためフッ化物系のガラスを用いる必要がある。この種のガラスはZBLAN(ZrF4−BaF2−LaF3−AlF3−NaF)に代表されるように非常に耐候性が悪く、特に湿度に対しては窒素(N2)雰囲気中で保護して使用しなければならず、使い勝手が良いとは言えない。さらにこの材質は結晶化し易く、ファイバ化にあたっては精密な温度管理を必要とする。これらのことから製造工程が非常に煩雑になる。
【0039】
これに対し本実施形態によれば、励起媒体としてのコア層12を高出力型LD1から出射されるレーザ光の形状とほぼ同じに形状にして、最初から形成することができる。これにより光結合効率を飛躍的に高められ、エネルギーの損失を最小限に抑えることができる。しかも複雑な光学系を必要とせず、つまり光学系20は円筒レンズなどの簡単なもので良く、さらに光軸合わせも平易に実施することができる。
【0040】
さらに、本実施形態のアップコンバージェンス光導波路11は、いずれも薄膜形成や接合などといった手法を主体とする工程により製造されるため、非常に簡易な手順により製造することができる。しかも、その形状および製造手順から、コア層12や基板13〜16の材質や組成においても特筆すべき制限事項は無い。よって結晶化、気泡などの発生にとらわれることなく、コア層12の発光効率や基板13〜16の耐環境性能を主眼として材料を選ぶことが可能になる。
【0041】
(第2の実施形態)
次に、本発明の第2の実施形態につき説明する。第1の実施形態においては、図3に示されるようにコア層12を単層膜で形成した。この構造は図12のレーザ共振器10−1と対比し得るもので、赤外光を例えば長波長の可視光領域にまで変換することができる。ここでは、赤外光から長波長領域を経て、さらに波長の短い青、紫外光領域にまで変換することの可能な形態につき説明する。
【0042】
図14は、本実施形態に関わるアップコンバージェンス光導波路11の断面図である。図14において、コア部Cは複数のコア層12,23を備える。コア層23は2つのコア層12に上下に挟まれて形成される。すなわちコア部Cは、厚み方向に3つの副層を備える。
【0043】
これらの副層は、図10のステップS1における積層工程を複数繰り返すことにより形成される。すなわち、基板13の一方面にコア層12を積層したのち、さらにコア層23を積層し、それに重ねてコア層12を積層することで、図14に示されるような3層のコア部Cを形成することができる。以下の製造手順は図10と同様である。
【0044】
本実施形態では、図14のコア層23の屈折率を、コア層12の屈折率よりも大きくする。これによりコア部Cに入射されたレーザ光を、コア部C内に閉じ込めた状態でレーザ発振させることができる。またコア層23の組成はコア層12と異なり、Erなどに加えてTmなども添加される。
【0045】
図15は、図14のアップコンバージェンス光導波路11の作用原理を説明するための横断面図である。図15において符号M3,M4は光学膜ミラーである。光学膜ミラーM3を介してアップコンバージェンス光導波路11に入射された赤外線レーザ光21は、まずコア層12において、中間波長としての赤、または緑帯域にまでアップコンバージョンされる。この中間波長光は光学膜ミラーM3,M4間を往復することによりコア層23に達し、さらに、青、紫外帯域などの領域にまでアップコンバージョンされる。
【0046】
一般に、青、紫外帯域などの短波長領域のレーザ光は、エネルギーが高いことから赤外レーザ光からの直接的な波長変換により得ることが難しい。そこで本実施形態では、組成の異なる副層を積層してコア部Cを形成することにより、いわゆる二段励起を実施できるようにすることで、赤外光から短波長領域のレーザ光を得られるようにしている。
【0047】
二段励起手法は、例えば図12に示す構成などにより一般に知られている。しかしながら図12においては、レーザ共振器10−1から出力される中間波長光を再度集光してレーザ共振器10−2に導入する際に光結合損失が生じるため、エネルギーロスとなる。これに対し本実施形態では、中間波長光が外部に暴露されることなく、コア部Cのみにおいて赤外光をアップコンバージョンすることが可能となり、多くのエネルギーを要する波長変換を高い効率で実現できる。
【0048】
(第3の実施形態)
図16は、本発明に関わるアップコンバージェンス導波路の第3の実施形態を示す図である。このアップコンバージェンス導波路のコア層12は、図16(a)に示されるようにジグザグ状にパターニングして形成される。このようなパターンは、半導体製造技術に用いられるフォトエッチングプロセスにより形成することができる。すなわち図16(b)に示すように、コア層12は基板13上に積層され、その状態からフォトエッチングプロセスにより不要部分が除去される。所望のパターンが形成されたのち、コア層12は例えば有機接着剤35を介して基板14と接合される。
【0049】
図17は、図16のアップコンバージェンス導波路のA−A断面図である。ジグザグパターンが形成されることにより、A−A断面にはコア層12のパターンが規則的に現れる。
【0050】
図16(a)のジグザグパターンは、複数の屈折部が基板13,14の端面に露出するように形成され、その露出面に励起用レーザ光および発振光を全反射する光学膜ミラーM5が形成される。またレーザ入射端面には光学膜ミラーM1が形成され、レーザ出射端面には光学膜ミラーM2が形成される。波長835nmの赤外光を全透過させ、赤(R)、緑(G)、青(B)の可視光を全反射させるように光学膜ミラーM1の透過率を決定するとレーザ共振器構造が形成され、入射された赤外線レーザ光21はコア層12において波長変換されてレーザ光22として出力される。
【0051】
図16に示すようなパターンを形成することにより、アップコンバージェンス導波路の長さを延長することが容易にできる。すなわち既存のアップコンバージョン技術では光ファイバの長さが数メーターにも及ぶものがあるが、本実施形態によれば、このように長い光導波路を比較的簡単に実現することが可能になる。
【0052】
なお図17に示されるように本実施形態においてはコア層12として単層膜を示したが、図14、図15に示されるようにコア層12を多層構造で形成する場合にも同様の製造工程を適用することが可能である。
【0053】
図18は、本実施形態におけるコア層12のパターンの別の例を示す図である。この構成においてはコア層12はいわゆる蛇行状に形成される。これによりパターンの屈曲部においてミラー膜を必要とせず、製造プロセスを簡略化できる。
【0054】
フォトエッチングプロセスによれば、例えば螺旋状パターンなどの他の種々のパターンを形成することができる。要するにコア層12を一筆書き状にパターニングして形成することにより、光導波路の長さを容易に延伸することができる。
【0055】
このように本実施形態によれば、フォトエッチングプロセスによりコア層12の形状を自由に決めることができ、これによりコア層12の長さを省サイズで延伸することができ、効率の良い波長変換を実現できる。
【0056】
以上のように上記各実施形態によれは、例えば以下の効果を得ることができる。すなわち本実施形態によれば、高出力型LD1から出力される励起光の出射形状に相当する形状を有する、略長方形のコア層12を容易に形成することができる。よって、直径が10μm程度のアップコンバージョンファイバに励起光を導入する従来技術に比較して、レンズ系を簡素化でき、位置調整が容易に行え、しかも励起光の導入効率を大幅に改善したアップコンバージェンス光導波路を形成できる。
【0057】
またコア層12はスパッター、CVD、蒸着などの手法により形成される。よって、たとえ弗化物ガラスなどの素材を用いても結晶化、気泡などの発生を考慮する必要が無い。同様に、従来ではファイバ形状を形成する目的で多量に添加される弗化物元素も、ほとんど必要としない。このため希土類イオンを最も効率よく励起させることのできるガラス組成が選定することが可能となる。
【0058】
これらのことから上記各実施形態によれば、レーザ光源との光結合効率を高められ、エネルギーロスを最小限に抑えることの可能な光波長変換器とその製造方法を提供することができる。また、組成の制限を緩和し、簡易に製造することの可能な光波長変換器とその製造方法を提供することができる。
【0059】
なお、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
図19および図20は、本発明の他の実施の形態に係わるアップコンバージェンス光導波路11を示す図である。図19においては、コア層12の長手方向にその断面積(または幅あるいは厚み)を変化させたアップコンバージェンス光導波路11が示される。このような形態は、薄膜形成プロセスまたはラッピングプロセスにおける処理により実現できる。すなわちコア層12を、励起光の導入側または発光レーザの取り出し側から中央部に至るにつれ徐々に厚みを薄くするか、幅を狭くした形状としても良い。このようにすることで、光結合効率およびレーザ光の取り出し効率を容易に高められるとともに、コア層12内の励起光密度を高めて波長変換効率をさらに高めることができる。
【0060】
図20は、SiO2などの酸化物または非吸収帯域の広いフッ化物膜43とPr,Eb,Tmの希土類、またはこれらの希土類をドープしたフッ化物膜42とを交互に積層した多層膜を、クラッド層となる光学膜41を介して基板13,14により挟み込んで形成したガラス膜44を示す。特にフッ化物膜42の組成は、単にレーザ発光を効率良く行うためのみの組成とすることができ、発光した光はSiO2などの酸化膜または非吸収帯域の広いフッ化物膜43で伝播される。また光学膜41は、例えばMgF2などの低屈折率の素材を用いて形成する。
【0061】
このような構成にすることにより、全ての膜を単元素または2乃至3元素により形成することが可能となる。これにより、希土類添加ガラス膜を成膜する際に生じ易い組成の変化、偏析などを防止することができる。また、遠赤外から紫外領域に渡って、光吸収を少なく透過率を良好に保つことができる。すなわち光透過率の劣化と光吸収の増加を抑えることができ、これは、高出力の紫外線レーザ光を得る際に特に有利となる。
【0062】
また上記各実施形態において、コア層12の組成は希土類をドープしたフッ化物ガラスに限定されない。例えば酸化物などのより一般的なガラス素材を用いるようにしても良い。
【0063】
さらに、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、例えば導波路パターンなど、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0064】
【発明の効果】
以上詳しく述べたように本発明によれば、レーザ光源との光結合効率を高められ、これによりエネルギーロスを最小限に抑えることの可能な光波長変換器とその製造方法を提供することができる。また本発明によれば、組成の制限を緩和でき、簡易に製造することの可能な光波長変換器とその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係わるアップコンバージェンス光導波路11を示す斜視図。
【図2】高出力型半導体レーザ1の出射光端面を示す図。
【図3】図1のアップコンバージェンス光導波路11の作用原理を説明するための横断面図。
【図4】図1のアップコンバージェンス光導波路11を製造する手順を示す図。
【図5】図1のアップコンバージェンス光導波路11を製造する手順を示す図。
【図6】図1のアップコンバージェンス光導波路11を製造する手順を示す図。
【図7】図1のアップコンバージェンス光導波路11を製造する手順を示す図。
【図8】図1のアップコンバージェンス光導波路11を製造する手順を示す図。
【図9】図1のアップコンバージェンス光導波路11を製造する手順を示す図。
【図10】図1のアップコンバージェンス光導波路11の製造工程を示すフローチャート。
【図11】図1のアップコンバージェンス光導波路11の断面図。
【図12】既存のアップコンバージェンス技術による光導波路の構成を、比較のため示す図。
【図13】図12の光ファイバ5,6の構成を示す模式図。
【図14】本発明の第2の実施形態に関わるアップコンバージェンス光導波路11の断面図。
【図15】図14のアップコンバージェンス光導波路11の作用原理を説明するための横断面図。
【図16】本発明に関わるアップコンバージェンス導波路の第3の実施形態を示す図。
【図17】図16のアップコンバージェンス導波路のA−A断面図。
【図18】本発明に関わるアップコンバージェンス導波路の第3の実施形態におけるコア層12のパターンの別の例を示す図。
【図19】本発明の他の実施の形態に係わるアップコンバージェンス光導波路11を示す図。
【図20】本発明の他の実施の形態に係わるアップコンバージェンス光導波路11を示す図。
【符号の説明】
M1〜M5…光学膜ミラー、C…コア部、1…高出力型半導体レーザ(LD)、2…非球面レンズ、3…コア、4…クラッド、5,6…光ファイバ、7…発光層、10…レーザ共振器、11…アップコンバージェンス光導波路、12,23…コア層、13〜16…基板、17…レーザ入射端、18…レーザ出射端、20…光学系、21…赤外線レーザ光、22…レーザ光、30,31,33,36…部材、34…封着ガラス膜、35…有機接着剤、37…露出面、38,39…端面、41…光学膜、42…フッ化物膜、43…フッ化物膜、44…ガラス膜
Claims (22)
- 希土類を添加した励起媒体にレーザ光を入射して当該レーザ光の波長を変換する光波長変換器において、
前記励起媒体よりも屈折率の低い平板状の第1の光学部材に前記励起媒体を膜状に積層し、その積層面に前記励起媒体よりも屈折率の低い第2の光学部材を積層した層状部材からなる直方体状部材と、
この直方体状部材の長手方向と平行でかつ前記積層面と直交する面に接合され、それぞれ前記励起媒体よりも屈折率の低い第3および第4の光学部材と、
前記直方体状部材の長手方向の両端面にそれぞれ形成されレーザ共振器構造を形成する第1および第2の反射性部材とを具備することを特徴とする光波長変換器。 - 前記励起媒体は前記層状部材の厚み方向に対してそれぞれ屈折率の異なる複数の副層を備えることを特徴とする請求項1に記載の光波長変換器。
- 前記複数の副層のうち前記レーザ光が入射される副層の屈折率を最も低くし、このレーザ光が入射される副層に隣接して積層される副層から順次段階的に屈折率を高くしたことを特徴とする請求項2に記載の光波長変換器。
- 前記第3および第4の光学部材は前記直方体状部材に溶融接合されることを特徴とする請求項1に記載の光波長変換器。
- 前記第3および第4の光学部材は前記励起媒体よりも屈折率の低い接着剤を介して前記直方体状部材に接着されることを特徴とする請求項1に記載の光波長変換器。
- 前記励起媒体は前記第1の光学部材に対して薄膜形成技術により積層されることを特徴とする請求項1に記載の光波長変換器。
- 前記励起媒体の断面積を前記直方体状部材の長手方向に対して変化させたことを特徴とする請求項1に記載の光波長変換器。
- 希土類を添加した励起媒体にレーザ光を入射して当該レーザ光の波長を変換する光波長変換器において、
前記励起媒体よりも屈折率の低い平板状の第1の光学部材と、
この第1の光学部材の一方の板面に、前記励起媒体を複数の屈折部を有するジグザグ状にパターニングして形成される光導波路と、
この光導波路に前記励起媒体よりも屈折率の低い接合部材を介して積層される前記励起媒体よりも屈折率の低い第2の光学部材と、
前記励起媒体に前記レーザ光が入射された場合に前記複数の屈折部において当該レーザ光を反射してレーザ共振器構造を形成する反射手段とを具備することを特徴とする光波長変換器。 - 希土類を添加した励起媒体にレーザ光を入射して当該レーザ光の波長を変換する光波長変換器において、
前記励起媒体よりも屈折率の低い平板状の第1の光学部材と、
この第1の光学部材の一方の板面に前記励起媒体を一筆書き状にパターニングして形成される光導波路と、
この光導波路に前記励起媒体よりも屈折率の低い接合部材を介して積層される前記励起媒体よりも屈折率の低い第2の光学部材と、
前記励起媒体の両端部に形成され当該励起媒体に前記レーザ光が入射された場合に当該レーザ光を反射してレーザ共振器構造を形成する反射手段とを具備することを特徴とする光波長変換器。 - 前記励起媒体は、蛇行状に形成されることを特徴とする請求項9に記載の光波長変換器。
- 前記励起媒体は、螺旋状に形成されることを特徴とする請求項9に記載の光波長変換器。
- 前記励起媒体は、前記第1の光学部材の一方の板面にフォトエッチングプロセスにより積層されることを特徴とする請求項8乃至11のいずれかに記載の光波長変換器。
- 希土類を添加した励起媒体にレーザ光を入射して当該レーザ光の波長を変換する光波長変換器の製造方法であって、
前記励起媒体よりも屈折率の低い平板状の第1の光学部材に前記励起媒体を膜状に積層する第1工程と、
前記励起媒体の積層面に当該励起媒体よりも屈折率の低い第2の光学部材を積層して層状部材を形成する第2工程と、
前記層状部材をその厚み方向に対して直交する方向に所定の幅で切断して長手方向を有する直方体状部材を形成する第3工程と、
前記直方体状部材の両切断面を光学面に研磨する第4工程と、
前記研磨された直方体状部材の両切断面に前記励起媒体よりも屈折率の低い第3および第4の光学部材をそれぞれ接合する第5工程と、
前記直方体状部材の長手方向の両端面を光学面に研磨する第6工程と、
前記研磨された直方体状部材の長手方向の両端面にレーザ共振器構造を形成する第1および第2の反射性部材をそれぞれ接合する第7工程とを具備することを特徴とする光波長変換器の製造方法。 - 前記第1工程は、前記層状部材の厚み方向に対してそれぞれ屈折率の異なる複数の励起媒体を積層する工程を含むことを特徴とする請求項13に記載の光波長変換器の製造方法。
- 前記第1工程は、前記複数の励起媒体の屈折率を隣接する励起媒体ごとに順次段階的に変化させて当該複数の励起媒体を積層する工程であることを特徴とする請求項14に記載の光波長変換器の製造方法。
- 前記第5工程は、前記第3および第4の光学部材を前記直方体状部材に溶融接合する工程であることを特徴とする請求項13に記載の光波長変換器の製造方法。
- 前記第5工程は、前記第3および第4の光学部材を前記励起媒体よりも屈折率の低い接着剤を介して前記直方体状部材に接着する工程であることを特徴とする請求項13に記載の光波長変換器の製造方法。
- 前記第1工程は、薄膜形成技術により前記第1の光学部材に対して前記励起媒体を積層する工程であることを特徴とする請求項13に記載の光波長変換器の製造方法。
- さらに、前記直方体状部材の長手方向に対する中央部よりも端部において前記励起媒体の断面積が広くなるように当該励起媒体を形成する第8工程を備えることを特徴とする請求項13に記載の光波長変換器の製造方法。
- 希土類を添加した励起媒体にレーザ光を入射して当該レーザ光の波長を変換する光波長変換器の製造方法であって、
前記励起媒体よりも屈折率の低い平板状の第1の光学部材の一方の板面に、前記励起媒体を複数の屈折部を有するジグザグ状にパターニングして光導波路を形成する第1工程と、
前記光導波路に前記励起媒体よりも屈折率の低い接合部材を介して前記励起媒体よりも屈折率の低い第2の光学部材を積層する第2工程と、
前記励起媒体に前記レーザ光が入射された場合に前記複数の屈折部において当該レーザ光を反射してレーザ共振器構造を形成する反射手段を形成する第3工程とを具備することを特徴とする光波長変換器の製造方法。 - 希土類を添加した励起媒体にレーザ光を入射して当該レーザ光の波長を変換する光波長変換器の製造方法であって、
前記励起媒体よりも屈折率の低い平板状の第1の光学部材の一方の板面に前記励起媒体を一筆書き状にパターニングして光導波路を形成する第1工程と、
前記光導波路に前記励起媒体よりも屈折率の低い接合部材を介して前記励起媒体よりも屈折率の低い第2の光学部材を積層する第2工程と、
前記励起媒体の両端部に当該励起媒体に前記レーザ光が入射された場合に当該レーザ光を反射してレーザ共振器構造を形成する反射手段を形成する第3工程とを具備することを特徴とする光波長変換器の製造方法。 - 前記第1工程は、前記第1の光学部材の一方の板面にフォトエッチングプロセスにより前記励起媒体を積層する工程であることを特徴とする請求項20または21に記載の光波長変換器の製造方法。
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