JP2639394B2 - 半導体ラマンレーザ - Google Patents
半導体ラマンレーザInfo
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Description
マンレーザに関する。
イオードと長波長レーザー』と題する電子技術第7巻第
3号第102〜106頁(1965年発行)の論文等により半導体
ラマンレーザの提案を行っており、この技術に基づいて
小型化可能な導波路形半導体ラマンレーザを実現し、
「Applied Physics Letter」Vol.51(18)第1457頁(19
87年発行)において『Lateral optical confinement of
the heterostructure semiconductor Raman laser』と
題する論文にて発表している。
に、GaP基板3上に、GaPコア層1及びAlXGa1-XPクラッ
ド層2を形成すると共に、GaP補助層4をこれらの上側
に形成し、次いでこれらの一部に多層誘電体反射膜6を
形成し且つリソグラフィ技術により励起光入射窓8を設
けることにより構成されており、このラマンレーザに、
GaPに対して透明な領域の任意の周波数ωLを持つレー
ザ光で励起することにより、ストークス光ωSの発振を
得ることができる。
phとすると ωL=ωS+ωph (1) の関係にある。
任意に選択し、上記関係を満たす任意の周波数ωSを増
幅発振させることができる光の周波数選択形増幅発振器
であり、本発明者らによる特開昭62−219992号公報で開
示されているように、現在のpinホトダイオードや雪崩
ホトダイオードで直接検波できかいテラヘルツ帯に達す
るような広帯域変調された光波の光ヘテロダイン検波の
手段となる。
周波数ωLのレーザ光を入射することが必要であるが、
従来の方式のものは、第1図に示すごとく高反射率誘電
膜6を両端面に蒸着し、その一部分にリソグラフィ技術
により励起光入射窓8を開口していた。この高反射率誘
電体膜6は上記『Lateral optical confinement of the
heterostructure semiconductor Raman laser』に記載
しているように、SiO2とTiO2をλ/4ごとの厚さで10〜15
層交互に蒸着し、反射率90〜99%の間の適宜の値を実現
している。
られるので、ラマンレーザの励起光源として最適である
が、光強度が大きくない。
が必要であるが、そのためにはコア断面積(ストライプ
の幅×ストライプの厚み)を小さくすることが必要であ
る。すなわち、ラマンレーザ内の増幅度は励起光パワー
密度に比例するからである。
起光入射窓8を5μ×5μ以下にすることは困難であ
り、しかもストークス光に対しては、このような励起光
入射窓8を開口することは損失となることから、90〜99
%の高反射率を有するように該反射率膜を蒸着したとし
ても、実質反射率は70%程度あるいはそれ以下にも低下
していたため、コア断面積を小さくすることによる効果
が得られず、励起光の低しきい値化が達成され得ないと
いう問題があった。
することができ、しかも励起光のしきい値を非常に小さ
くすることが可能な、半導体ラマンレーザを提供するこ
とを目的としている。
層を囲むAlXGa1-XPクラッド層と少なくとも入射側端面
のコア部分に励起光に対して高い透過率を有し第一スト
ークス光に対して高い反射率を有する狭帯域透過多層誘
電体膜とを含む半導体ラマンレーザにより、達成され
る。
第二ストークス光に対して高い透過率を有し且つ第一ス
トークス光に対して高い反射率を有する狭帯域透過多層
誘電体膜を形成することができる。また、狭帯域透過多
層誘電体膜を、所定の出力波長を得るべく選択された狭
帯域透過誘電体膜の中心波長(λL)のλ/4の厚さの多
層膜を、λの厚さの層で張り合わせて形成する構成とし
得る。
射する励起レーザ光のビームの回折限界程度あるいはそ
れ以下の大きさの断面を有するものとする。
起光ωLに対して高い透過率を有すると共に、ストーク
ス光ωSに対しては逆に高い反射率を有する選択波長形
の蒸着膜が蒸着形成されていることから、これによって
入射光はコア断面積全体を照射すればよいので、該コア
断面積を従来のものに比べて非常に小さくすることがで
き、レンズやファイバを使った入射ビームの絞り込みも
ごく容易になる。即ち、従来の方式ではコア断面積が40
μm×10μmが実質的な限界であったが、本発明によれ
ばコア断面積を1μm×1μmと小さくすることができ
る。
端面に窓の開口を形成する必要もないので、リソグラフ
ィを必要としないばかりでなく、レーザの製作が極めて
容易となる。
入射窓による損失がないことから、高い反射率が得られ
る結果となり、しきい値光パワー密度を低くすることが
できる。従来型のラマンレーザによれば、励起光入射窓
を形成していたため、しきい値パワー密度が大きく、少
なくとも1W以上の入射光強度を必要としていたが、本発
明によれば、1W以下の出力でよく、光パワー密度は上記
した従来型のものに比し同じ入射強度に対して400倍に
も達し得る。
ので、実質入射光は内部を2〜3往復しており、これに
対して本発明では1往復であるから、実質的には200倍
程度であるが、効果が著しいことは明白である。
る。
を示し、また第2図はその軸方向の断面の構造を示す模
式図である。
Ga1-XPクラッド層、13はGaP基板、14はGaP補助層であ
る。16は、励起光に対して高い透過率を有し且つ第一ス
トークス光に対して高い反射率を有する多層誘電体膜で
あり、該誘電体膜16はGaPコア層11とこのコア層11を囲
むAlXGa1-XPクラッド層12及びコア11部分の入射側端面
に蒸着形成されている。
誘電体膜により構成され得る。「レーザーハンドブッ
ク」(レーザー学会編,オーム社発行)にも記載されて
いるように、たとえばTiO2とSiO2とをλ/4ずつの厚さで
中心波長λLの多層膜を2組互いにλの間隔で張り合わ
せた構成のものを、15〜20層積層することにより、λL
にて透過率T=90〜95%、λSで反射率R=98〜99%が
得られる。
縦形光学フォノンの場合ωph=12T Hzであるから、例え
ばωL=282T Hzの場合、ωS=270T Hz、これを波長に
換算すると、λL=1.064μm,λS=1.112μm、すなわ
ち波長の差で48nmである。従ってλLで90%以上の透過
率を得、λSで99%の反射率を得ることは容易である。
又は光ファイバの直結が採用され得る。
回折限界においてrmin(λ/D)・fであることは一般
光学書に述べられている。ここで、Dは入射平行ビーム
の直径,fはレンズの焦点距離である。たとえばf≒10m
m,D2mmの場合、rmin4μmであるから、ラマンレー
ザのコア断面積は8μm×8μm程度あるいはそれ以下
にできる。なお、入射レンズの焦点距離を小さくしすぎ
ると、入射ビームの入射角度の広がりが大きくなりすぎ
るので、コア内に光を閉じ込められなくなってしまう。
の関係は、K.Suto,S.Ogasawara,T.Kimura,J.Nishizawa
による『Semiconductor Raman laser as a tool for wi
deband optical communications』と題する論文(IEEE
PROCEEDINGS,Vol.137,Pt.J,No.1,第43頁,1990年2月)
に記載されているが、結晶性を劣化させないためには、
その範囲内でAl組成xを小さくすることが必要である。
また、コアの断面積を入射ビームの回折限界程度あるい
はそれ以下にしておくことにより、ラマンレーザのコア
は一様に近い形で照射されるから、コア内を導波する励
起光は横方向最低次数の基本モードとなり、ストークス
光の基本モードを励起するには最も望ましいこととな
る。
合も同様である。シングルモードファイバの場合、ファ
イバコア径は数μmであるから、ラマンレーザのコア断
面を同程度の寸法あるいはそれ以下にし、直結、すなわ
ち極めて接近させ、マッチング用の液体をラマンレーザ
の端面とファイバ端面のすき間に侵入させることによ
り、励起光はほとんどロスなく入射され得る。ファイバ
の端面に半球レンズを装着した場合については、レンズ
による入射の場合と同様に、励起光の入射が行われる。
同時に、出力側端面にも選択透過・反射膜17を用いれ
ば、従来の半導体ラマンレーザでは得られない効果を有
する新規な半導体ラマンレーザが得られる。
一ストークス光)ωS1=ωL−ωphにおいては高い反射
率を有し且つ第二ストークス光ωS2=ωL−2ωphにお
いては高い透過率を有するような誘電体膜が使用され
る。その結果、第一ストークス光ωS1は、両端面が高い
反射率を有するためにレーザ発振に至る。ここで、反射
率が両端面とも98〜99%ある場合には、第一ストークス
光の光電界強度が入射光の強度と同程度に達しても、両
端面を通しての出力は入射光入力の数%にも達しないこ
とから、入射パワーの低下はほとんど生じない。
射光強度を上まわってしまうことを意味している。その
結果、第一ストークス光は入射光と同じメカニズムでし
かもより高い増幅率で、 ωS2=ωS1−ωph=ωL−2ωph で与えられる第二ストークス光を励起する。すなわち、
第一ストークス光の発振している時は第二ストークス光
に対しては第一ストークス光よりも高い増幅度が得られ
ることになる。
い透過率を与える蒸着膜にしておけば、出力側端面(入
射側と反対側という意味)よりωL−2ωphなる第二ス
トークス波長帯の信号光を入射すると、第二ストークス
光は第一ストークス発振光により増幅されつつ、入射側
端面(励起光を入射する側)で反射され再び出力側端面
にもどってくるから、この増幅された光をファラデー回
転器を使用することにより分離して取り出すことができ
る。すなわち光増幅器として作用することになる。この
方式によって、半導体ラマンレーザを光ヘテロダイン復
調器として使う場合、増幅度が第一ストークス光を使っ
た場合より高いだけ、帯域外の光に対するアイソレーシ
ョンも高いという効果が得られる。またこのような構造
にすることによって、第二ストークスの発振は生じない
ので、第一ストークス発振光のパワーの飽和が生じるよ
うなことはないという利点もある。
側端面において、GaPでなるコア層11を、ストライプ層1
0μm、ストライプ厚み10μmのほぼ矩形断面とし、ま
たAlXGa1-XPでなるクラッド層12は、x0.2とする。
よる励起光入射を示す。軸長は4mmであり、レンズによ
る最小ビーム径の位置にラマンレーザ本体の入射端面の
コア部分が配置されている。入射側多層蒸着膜16は、約
15層からなっていて、波長1.064μ帯に対して透過率T
90%、第一ストークス光波長1.112μ帯で反射率R≧9
8%となる狭帯域透過形多層蒸着膜である。蒸着膜は屈
折率の低いSiO2のλ/4厚みの膜(L)と屈折率の高いTi
O2のλ/4厚みの膜(H)の多層構造を有している。他
方、出力側の蒸着膜17は従来と同様の構成であり、1.06
4〜1.11μ帯で98〜99%の反射率を有する。
ザビームと、焦点距離f10mmのレンズを使用すること
により、実質的なビームの最小直径は約8μmとなり、
コア断面積に近い径になっている。
力は数十mWで、波長は1.112μである。
用し、誘電体膜は、透過波長830nmで、透過率90%、第
一ストークス光860nmで反射率R〜98%を有している。
数μmのシングルモードファイバの一端に対して通常の
手段で導入し、該ファイバの他端を前述した方法でラマ
ンレーザのコアに直結する。
が行われる。出力は数mWで、波長860nmである。
ーザは具体例2と同じである。
続し、回折限界約1μ半径のスポット位置にラマンレー
ザのコア端面を配置して入射する。
力は数mWで、波長860nmである。
し、出力側端面は入射側端面と同じ構造であるが、中心
透過波長を、第二ストークス光波長1.164μmとし、そ
の透過率T90%を有している。この場合、第一ストー
クス光1.112μ及び入射光1.064μに対しては、反射率98
〜99%となる。
ると、増幅度が10倍となる。信号光としてはYAGレーザ
で励起される別のラマンレーザの第二ストークス発振光
を利用する。
出力100mWのレーザダイオードを利用する。第一ストー
クス光波長は1.44μ,第二ストークス光波長は1.51μで
ある。信号光は、波長1.51μのレーザダイオード光であ
り、具体例4の場合と同様に増幅度が10倍となる。
設けずに、励起光に対して高い透過率を有し且つストー
クス光に対して高い反射率を有する選択波長形の蒸着膜
を設けることにより、ストークス光に対する窓による損
失が排除され、従って高い反射率が得られることになる
ので、しきい値パワー密度を低くすることが可能とな
り、これによりコア断面積をより小さくすることができ
ると共に、一定の入射強度に対してより高い光パワー密
度が得られることになる。
には、第一ストークス光が第二ストークス光に対して高
い透過率を有するようにしておけば、第二ストークス光
を取り出すことにより、光増幅器として作用し、帯域外
の光に対するアイソレーションを高くすることが可能
で、且つ第一ストークス光のパワー飽和も排除され得る
等、種々の効果が達成される。
を示す概略断面図、第2図はその軸方向の断面の構造を
示す模式図である。 第3図は従来の半導体ラマンレーザの構造を示す概略断
面図である。 10……半導体ラマンレーザ;11……コア層;12……クラッ
ド層;13……GaP基板;14……補助層;15……レンズ;16,17
……多層誘電体膜(選択透過・反射膜)。
Claims (4)
- 【請求項1】GaPコア層と、該コア層を囲むAlXGa1-XPク
ラッド層と、少なくとも入射側端面のコア部分に励起光
に対して高い透過率を有し且つ第一ストークス光に対し
て高い反射率を有する狭帯域透過多層誘電体膜と、を含
むことを特徴とする半導体ラマンレーザ。 - 【請求項2】出力側端面のコア部分に、第二ストークス
光に対して高い透過率を有し且つ第一ストークス光に対
して高い反射率を有する狭帯域透過多層誘電体膜を有す
ることを特徴とする、請求項1に記載の半導体ラマンレ
ーザ。 - 【請求項3】前記狭帯域透過多層誘電体膜を、所望の出
力波長を得るべく選択された狭帯域透過誘電体膜の中心
波長(λL)のλ/4の厚さの多層膜を、λの厚さの層で
張り合わせて形成したことを特徴とする、請求項1に記
載の半導体ラマンレーザ。 - 【請求項4】前記GaPコア層が、レンズ又は光ファイバ
によって入射する励起レーザ光のビームの回折限界程度
あるいはそれ以下の大きさの断面を有することを特徴と
する、請求項1乃至3に記載の半導体ラマンレーザ。
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JPH04150083A JPH04150083A (ja) | 1992-05-22 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPS62219992A (ja) * | 1986-03-22 | 1987-09-28 | Semiconductor Res Found | 半導体ラマンレ−ザ |
JPH0736463B2 (ja) * | 1987-03-02 | 1995-04-19 | 日本電信電話株式会社 | 光フアイバラマンレ−ザ |
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-
1990
- 1990-10-13 JP JP2274111A patent/JP2639394B2/ja not_active Expired - Fee Related
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