JP3926005B2 - 基準電圧発生回路 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、基準電圧発生回路、電源回路及び半導体集積回路装置に関し、例えばRAM(ランダム・アクセス・メモリ)に設けられる降圧電圧発生回路に用いられる基準電圧発生回路、電源回路及びそれを含む半導体集積回路装置に利用して有効な技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
半導体メモリに搭載される降圧回路として、培風館1994年11月5日発行「超LSIメモリ」伊藤清男著、第267頁〜第310頁がある。この降圧回路は、バイポーラトランジスタを用いるBiCMOS(バイポーラトランジスタとCMOS複合回路)RAMでは、バイポーラトランジスタで構成されたバンドギャップ電源を用い、MOSFETを用いたものでは高しきい値電圧のMOSFETと低しきい値電圧のMOSFETの差電圧をカレントミラー型のアンプで増幅するというものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記高しきい値電圧のMOSFETと低しきい値電圧のMOSFETの差電圧を用いるものでは、異なるしきい値電圧のMOSFETを形成するためにプロセスが複雑化する。そして、本願発明者等においては、素子の微細化に伴ってMOSFET自体の耐圧に対応して回路の動作電圧を設定し、従来回路との整合性を採るために外部端子から供給される電源電圧を降圧して上記動作電圧を形成するようにした場合、内部回路では上記耐圧対策ができるが、上記外部電源を受けざるを得ない降圧回路自体にあっては格別の素子耐圧破壊保護を行うことの必要性に気が付いた。
【0004】
この発明の目的は、MOSFETを用いた簡単な構成の基準電圧発生回路を提供することにある。MOSFETで構成された半導体集積回路装置に好適な電源回路を提供する。実効的に耐圧以上の電源電圧で動作を可能にした制御回路を含む半導体集積回路装置を提供する。この発明の前記ならびにそのほかの目的と新規な特徴は、本明細書の記述および添付図面から明らかになるであろう。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本願において開示される発明のうち代表的な1つの概要を簡単に説明すれば、下記の通りである。すなわち、同一の半導体基板上に同一製造工程で形成された第1及び第2のMOSFETと第1と第2の抵抗素子とを用い、上記第1のMOSFETには、テーリング領域において相対的に小さな電流密度にされた電流を流し、上記第2のMOSFETには、テーリング領域において相対的に大きな電流密度にされた電流を流し、上記第1の抵抗素子には、上記第1のMOSFETのゲートとソース間電圧と上記第2のゲートとソース間電圧との差電圧に対応した電圧を印加し、上記第1の抵抗素子で形成された電流を上記第2の抵抗素子に流して、かかる第2の抵抗素子で形成された電圧と上記第2のMOSFETを含む同一製造工程で形成されたMOSFETのゲート,ソース間電圧を加えて温度依存性をキャンセルさせた基準電圧を形成する。
【0008】
【発明の実施の形態】
図1には、この発明に係る基準電圧発生回路の一実施例の回路図が示されている。同図の各素子は、単結晶シリコンのような1個の半導体基板上において形成される。同図においては、Pチャンネル型MOSFETはチャンネル部分を矢印を付すことによって、Nチャンネル型MOSFETと区別される。このことは、他の回路図においても同様である。
【0009】
特に制限されないが、上記各MOSFETは、配線幅が0.35μmプロセスにより形成される。このような微細化された配線幅を用いたプロセスでは、MOSFETのゲート酸化膜の膜厚が8nm程度にされる。それ故、通常動作の外部電源電圧が5V±10%、電圧が高くされるバーンイン(エージング)時の電圧が8V製品に適用すれば、MOSFETのゲート酸化膜にかかる電界は、通常動作では5.6〜6.9MV/cm、バーンイン時では10MV/cmとなってしまう。一方、熱酸化膜の信頼性を考えると、通常動作での酸化膜の電界は4〜5MV/cm、バーンイン時には6〜7M/cmに設定することが適切と考えられる。したがって、MOSFETのゲートに印加できる電圧は、上記通常動作時には3.2V〜4Vとなり、バーンイン時には4.8V〜5.6V程度に抑える必要がある。このような電界抑制がなされないと、初期不良を洗い出すためのバーンインを実施すると、上記配線幅が0.35μmプロセスにより形成されたMOSFETは、その大半が破壊されてしまうという問題が生じる。
【0010】
したがって、5V電源で動作する電子回路との整合性を採るためには、上記素子の耐圧保護のために降圧回路を設けて、内部回路に供給される動作電圧を降圧する必要がある。この降圧動作のために基準電圧を形成する必要があるが、MOSFETのしきい値電圧差を利用するものでは、2種類のしきい値電圧を持つMOSFETを形成するためにプロセスが複雑化してしまうので、この実施例の基準電圧発生回路では、次に説明するように同一のプロセスにより形成されたMOSFETM1とM2のゲート,ソース間電圧の差を利用する。この基準電圧発生回路には、必然的に上記5Vのような電源電圧Vccが供給されるものであるので、上記素子耐圧を考慮した耐圧破壊保護回路も合わせて設けられる。
【0011】
この実施例では、従来のようなしきい値電圧ではなく、同一の製造工程で形成された2つのMOSFETをテーリング領域で動作させ、かつその電流密度を異ならせてゲート,ソース間電圧VGSに差を持たせ、かかるゲート,ソース間電圧VGSの差分を利用する。つまり、特に制限されないが、Pチャンネル型MOSFETM1ないしM2は、同一の製造プロセスで形成されることによりいわゆるしきい値電圧は、同じく形成される。MOSFETM1とM2は、同じチャンネル長のもとで、異なるチャンネル幅を持つようにされることにより、特に制限されないが、等しいバイアス電流I1とI2を流すようにすることにより電流密度が異なるようにされる。
【0012】
図11の特性図に示すように、MOSFETのテーリング領域においてはゲート,ソース間電圧Vgsに対してドレイン,ソース間電流Idsが対数目盛りのもとで直線性を持つ領域であり、かかる領域ではMOSFETのチャンネル長Lgが2.00μmから0.35μmのように異なるものでも、同じ電圧−電流特性を持つものとなり、バイポーラトランジスタと同様な動作を行うものである。同図の縦軸の電流スケールにおいて、1E−4は10-4(A)、1E−6は10-6(A)、1E−8は10-8(A)を表しており、1E−6から1E−10の範囲のようなテーリング領域では、その電流密度が10倍異なると約0.1Vの電圧差が生じる。
【0013】
上記MOSFETM1に対してM2の電流密度を上記のように大きくすること、言い換えるならば、MOSFETM1に対してMOSFETM2のサイズ(チャンネル幅)を1/10に小さく形成することにより、ゲート,ソース間電圧VGS2とVGS1に電圧差を持たせることができる。MOSFETM2は、ゲートとドレインとを接続してダイオード形態にし、ゲートをMOSFETM1のゲートと共通化させるとともに、MOSFETM1のソースと電源電圧Vccとの間に抵抗R1を接続する。この抵抗R1には、上記MOSFETM2とM1のゲート,ソース間電圧VGS2−VGS1のような差電圧ΔVGSが印加される。
【0014】
上記抵抗R1で形成された電流I1は、MOSFETM1を通して抵抗R2に流して、抵抗R1とR2の抵抗比に従って上記差電圧ΔVGSをR2/R1倍に増幅させる。この差電圧ΔVGSは、後で説明するように正の温度特性を持つため、それを相殺させるようMOSFETM3が設けられ、MOSFETM3のゲート,ソース間電圧VGS3と上記抵抗R2で発生した電圧が温度補償された基準電圧VREFとされる。
【0015】
この実施例では、上記のように電源電圧Vccとして約5Vのような電圧を用い、上記MOSFETM1〜M3は、前記0.35μmプロセスにより形成され、そのゲート酸化膜の耐圧がバーンイン時の電圧に対して小さくなっている。そこで、上記バーンイン時でもMOSFETのゲート酸化膜が破壊しないように、上記抵抗R2及びMOSFETM3のドレインと回路の接地電位との間には、電圧緩和素子M53、M54が設けられる。特に制限されないが、この電圧緩和素子M53とM54は、ゲートとドレインが接続されたダイオード形態のNチャンネル型MOSFET、あるいはゲートに中間電圧が印加されたMOSFETにより構成される。このような電圧緩和素子を設けることにより、電流I1とI3をそれぞれ形成する電流源MOSFETM61とM60のドレイン電圧は、電源電圧Vccから基準電圧VREF、MOSFETM3のゲート,ソース間電圧VGS3をそれぞれ差し引いた電圧、あるいは上記中間電圧からNチャンネル型MOSFETのゲート,ソース間電圧差し引いた中間電圧となり、ゲート酸化膜を破壊させるような高電圧の印加を阻止する。なお、電流I2を流す電流源MOSFETM62のドレイン電圧は、抵抗R3の抵抗値を適切に調整することで十分小さくできるので問題ない。
【0016】
特に制限されないが、回路の接地電位側に設けられた電流源MOSFETM60〜M62は、上記抵抗R1で形成された電流I1を流すMOSFETM61をダイオード形態にし、それと上記電流I2及びI3を流すMOSFETM60とM62とを電流ミラー形態にして、電流I1と電流I2、I3をそれぞれほぼ等しく設定するものであってもよい。
【0017】
上記のようにMOSFETにおいてはゲート,ソース間電圧Vgsに対してドレイン,ソース間電流Idsが対数目盛りのもとで直線性を持つ領域は、1E−8=0.01μAのように微小電流領域であるから必然的に低消費電力となる。つまり、上記基準電圧VREFは、電源電圧Vccと回路の接地電位間に設けられた、定常的にバイアス電流を流すことによって形成されるものであるが、上記バイアス電流そのものが極めて小さな電流値であるために、従来のようなMOSFETのしきい値電圧差を利用したものに比べて大幅に低消費電力となる。
【0018】
ちなみに、従来のようにしきい値電圧差を増幅する方式では、回路のMOSFETの動作領域は飽和領域で設計する必要がある。飽和領域にするためには、次式(1)の条件が必要である。
VDS≧VGS−Vth ・・・・・・・(1)
当然VDS>0Vであるから、VGS>Vthである。すなわち、原理的にMOSFETはVGS≦Vthの領域では動作しない。慎重に設計した場合でも、通常1μA程度のバイアス電流を流す必要があり、これに比べるとテーリング領域において上記のようにMOSFETに流れる本願発明のような電流I1〜I3は、おおむね無視できるような微小電流となる。ここで、VDSはMOSFETのドレイン,ソース間電圧、VGSはMOSFETのゲート,ソース間電圧、VthはMOSFETのしきい値電圧である。
【0019】
上記MOSFETM1〜M3に流れる電流I1〜I3が、上記テーリング領域となるようにそれぞれの電流値が設定され、各MOSFETM1〜M3における電流密度をJ1〜J3とする。前記説明したように、基準電圧VREFは、次式(2)のように表すことができる。
VREF=(R2/R1)(VGS2−VGS1)+VGS3 ・・(2)
上記VGS2−VGS1=ΔVGSを求めると、次式(3)のようになる。
ΔVGS=(kT/q)ln(J2/J1)(1+Cd/Cox)・・(3)
上記VREFの温度特性は、次式(4)のようになる。
dVREF/dT=(R2/R1)ΔVGS/dT+dVGS3/dT (4)
ここで、Coxは、ゲート酸化膜の単位面積当たりの容量、Cdは、チャンネル部の空乏層単位面積当たりの容量である。
【0020】
上記式(3)の第2項dVGS3/dTの温度依存性は、テーリング領域では−2mV/°C程度であるので、この温度依存性をキャンセルさせるには、第1項のΔVGS/dT=2mV/°Cであるから、常温中では(R2/R1)ΔVGS=300K×2mV/°C=0.6Vにすればよい。つまり、抵抗R2で0.6Vを発生させるように調整すればよい。そして、テーリング領域のMOSFETM3のゲート,ソース間電圧VGS3=0.5Vとすると、VREF=1.1Vが形成される。すなわち、上記基準電圧発生回路では、VREF=1.1V前後で温度依存性がキャンセルさせることができる。上記バイアス電流I1〜I3を十分に制御することにより電源電圧Vccの依存性もなくすことができる。
【0021】
図2には、この発明に係る基準電圧発生回路の他の一実施例の回路図が示されている。この実施例では、上記ゲート,ソース間電圧差を形成する前記同様な2つのMOSFETM1とM2のうち、MOSFETM1をダイオード接続し、それに上記抵抗R1を直列に接続する。これらのMOSFETM1と抵抗R1の直列回路をMOSFETM2のゲート,ソース間に接続する。特に制限されないが、上記MOSFETM2のソースには、抵抗R4を介して電源電圧Vccが印加される。
【0022】
上記の構成でも前記同様に、MOSFETM2のゲート,ソース間電圧VGS2とMOSFETM1のゲート,ソース間電圧VGS1との差電圧が抵抗R1に印加されて電流I1が形成される。この電流I1を抵抗R2に流して前記同様に差電圧ΔVをR2/R1倍に増幅させる。上記MOSFETM2をテーリング領域で動作させるような電流制御のために、MOSFETM3のドレインに抵抗R3が設けられてその他端を上記抵抗R2と共通接続される。特に制限されないが、電流I1と電流I2を等しくさせる場合には、抵抗R2とR3を同じ抵抗値とし、両者の電圧が等しくなるように電圧比較回路Aで比較して電流増幅動作、言い換えるならばインピーダンス変換を行うソースフォロワMOSFETM3のゲート電圧を制御する。
【0023】
上記電圧比較回路Aは、差動増幅回路で構成されるのが、低消費電力と高利得とするために差動MOSFETのドレインに設けられる負荷回路の抵抗値が大きく形成されることにより出力インピーダンスが大きくなってしまう。つまり、上記電圧比較回路Aは、図3の(A)、(B)に示すような差動増幅回路を用いて構成され、低消費電力化のために小さなバイアス電流を流しつつ、大きな電圧利得を得るようにするために、負荷回路を構成するMOSFETM6〜M9及び負荷抵抗R6、R7の抵抗値が大きくされて、必然的に大きな出力インピーダンスを持つものとなるので、上記MOSFETM3により電流増幅して、上記抵抗R3に流れる電流I2の制御を行う。上記のように抵抗R2とR3の抵抗値を等しくすると、電流I2は電流I1に等しくできる。図3(A)に示した回路では、差動MOSFETM5と負荷MOSFETM7の間に電圧緩和素子としてのMOSFETM53が設けられる。特に制限されないが、電圧緩和素子としてのMOSFETM53はダイオード接続される。
【0024】
図4には、この発明に係る基準電圧発生回路を用いた電源回路の一実施例のブロック図が示されている。この電源回路は、半導体集積回路装置の外部端子から供給された電源電圧Vccを降圧し、内部回路の動作に用いられる内部電圧VINTを形成する。特に制限されないが、上記外部端子から供給される電源電圧Vccは5Vとされ、通常動作時における上記内部電圧VINTは約3Vに設定される。電源回路は、上記通常動作の他にバーンイン時あるいはバッテリー動作時に対応した電圧切り換え機能が付加される。
【0025】
基準電圧発生回路は、前記図1又は図2に示したような回路から構成されて、前記のような安定化された基準電圧VREFを発生させる。この基準電圧VREFは、定倍回路(1)、定倍回路(2)及び定倍回路(3)に供給され、それぞれの回路から電圧VOP、VBI及びVDRが形成される。上記VOPは、前記のように通常動作時に用いられる回路の接地電位を基準とした3V程度の定電圧とされる。電圧VBIは、電源電圧Vccを基準にした定電圧であり、バーインモードのときの内部電圧に用いられる。そして、電圧VDRは、電源電圧Vccを基準にした定電圧であり、上記バーインモードとは逆に電源電圧Vccの低下、いいかえるならばバッテリー電圧の供給を検出するのに用いられる。
【0026】
上記電圧VOPとVBIは、電源電圧選択回路に供給されて、ここで電源電圧Vccに対応していずれか1つが選択された内部電圧VREGとして出力される。電源電圧Vccが5V程度のときには電圧VOPが選択され、電源電圧Vccを一定値以上に高くすると、上記電圧VBIが選択される。上記電圧VDRは、低電圧切替回路に供給されて、ここでバッテリー電圧を検出して制御信号LVMが発生される。駆動増幅回路は、基本的にはボルテージフォロワ回路から構成され、通常動作のときには上記電圧VREGに対応した内部電圧VINTを発生させる。そして、制御信号LVMが供給されると、言い換えるならば、外部電源電圧Vccが上記通常動作時の定電圧VOP以下になると、上記外部端子から供給された電圧をそのまま内部電圧VINTとして出力させるような出力切り換えが行われる。
【0027】
図5には、上記基準電圧発生回路、定倍回路(1)〜定倍回路(3)の具体的一実施例の回路図が示されている。基準電圧発生回路は、前記図2の実施例と同様な基準電圧発生回路であり、MOSFETM1〜M3及び抵抗R1〜R4と、、前記図3(A)に示したと同様な電圧比較回路Aを構成するMOSFETM4〜M9及びM53及び抵抗R5とにより構成される。
【0028】
この実施例では、安定化のために電圧比較回路Aの両入力と出力との間にそれぞれキャパシタC1,C2が設けられる。また、電圧緩和素子としてのMOSFETM53とM54は、それぞれダイオード接続されている。そして、電圧比較回路Aの出力と回路の接地電位との間に設けられるキャパシタC4は、電源投入直後に回路が正しく動作するための起動用として設けられている。この容量C4は、電圧緩和機能を持たせるために2つのキャパシタを直列形態に接続して用いられる。つまり、キャパシタC1〜C4は、MOS容量から構成されるものであり、その誘電体膜が上記ゲート絶縁膜を利用するものであるためにMOSFETと同様に電圧緩和を必要とするからである。
【0029】
キャパシタC3は、基準電圧VREFを安定化させるものであり、かかる基準電圧はPチャンネル型MOSFETM10のゲート,ソース間に印加される。このMOSFETM10により上記基準電圧VREFは電流信号に変換され、電流ミラー回路を構成するNチャンネル型MOSFETM11とM12と、同じく電流ミラー回路を構成するPチャンネル型MOSFETM13とM14を介してダイオード形態にされれPチャンネル型MOSFETM15、M16、M17に供給され、上記MOSFETM17のゲート,ドレインは回路の接地電位に接続される。それ故、定倍回路(1)を構成する上記直列接続のMOSFETM15〜M17は、上記MOSFETM10と同じ電流が流れ、同じサイズで形成されることによりそれぞれのゲート,ソース間電圧が上記基準電圧VREFと等しくされる。その結果、出力電圧VOPは、接地電位を基準にして3×VREFのような定電圧にされる。MOSFETM55は、そのゲートに中点電圧Vcc/2が印加されることにより電圧緩和素子として作用する。
【0030】
上記MOSFETM10で形成された電流は、Nチャンネル型MOSFETM11と電流ミラー回路を構成するNチャンネル型MOSFETを介して、上記同様にダイオード形態にされてPチャンネル型MOSFETM18、M19、M20に供給され、上記MOSFETM18のソースは電源電圧Vccに接続される。上記同様に定倍回路(2)を構成する直列接続のMOSFETM18〜M20は、上記MOSFETM10と同じ電流が流れ、同じサイズで形成されることによりそれぞれのゲート,ソース間電圧が上記基準電圧VREFと等しくされる。その結果、出力電圧VBIは、電源電圧Vccを基準にして3×VREFのような定電圧にされる。電圧VDRを形成する定倍回路(3)は、上記定倍回路(2)と同様なMOSFETM21〜M23及びNチャンネル型MOSFETとにより構成される。
【0031】
図6には、電源電圧選択回路の一実施例の回路図が示されている。この実施例では、基本的にはボルテージフォロワ形態にされた差動回路から構成される。ただし、入力側として並列接続されたMOSFETM26とM27を用い、そのゲートに上記電圧VOPとVBIを供給する。バイアス電流を形成するMOSFETM29のゲートには定電圧VNNが印加される。
【0032】
この回路は、電圧VOPとVBIのうち、いずれか高い方の電圧が選択されて出力される。図9の電圧特性図に示すように、外部電源電圧Vccが3.3V〜6.6Vの範囲では、VOP>VBIの関係となってMOSFETM26がオン状態にM27がオフ状態にされて電圧VOPが選択される。外部電源電圧Vccを上記6.6V以上にすると、言い換えるなぱ、Vcc−3×VREF>VOP(3×VREF)となると、VBI>VOPの関係となってMOSFETM26がオフ状態に代わってM27がオン状態にされて電圧VBIが選択される。
【0033】
図7には、低電圧切替回路の一実施例の回路図が示されている。この実施例では、定電圧VPPをPチャンネル型MOSFETM30のゲートに印加して、微小電流を流す定電流源を形成し、それと直列に上記電圧VDRを受けるNチャンネル型MOSFETM32を接続する。そして、耐圧保護のためにVcc/2を受ける電圧緩和素子としてのPチャンネル型MOSFETM31がその間に挿入される。
【0034】
前記のように電圧VDRは、Vcc−3×VREF(3.3V)とされて上記Vccが約5V程度のときには、MOSFETM32に流れる電流が上記MOSFETM30に流れる電流に比べて十分大きく吸い込み電流動作を行う。これに対して、Vccが上記3.3V程度まで低下すると、MOSFETM32のゲートに印加される電圧VDRがほぼ零になり、上記MOSFETM30からの微小電流によって押し出し電流動作を行う。このような制御電流は、そのゲートに中点電圧Vcc/2が印加されることによって電圧緩和素子として作用するPチャンネル型MOSFETM33とNチャンネル型MOSFETM34の共通接続点に流れるようにされる。上記MOSFETM33はPチャンネル型MOSFETM35のゲートの電流経路として動作し、上記MOSFETM34はNチャンネル型MOSFETM38のゲート電流経路として動作する。
【0035】
上記電流−電圧変化動作を行うPチャンネル型MOSFETM35とNチャンネル型MOSFETM38の間には、上記中点電圧Vcc/2を受けるPチャンネル型MOSFETM36とNチャンネル型MOSFETM37が直列に接続される。これにより、上記電源電圧Vccが3.3V以上の高いときには、上記電圧VDRに従ってMOSFETM32に流れる電流によりPチャンネル型MOSFETM35のゲート電圧がほぼVcc/2まで低下してオン状態にされる。このとき、Nチャンネル型MOSFETM38のゲート電圧は、上記MOSFETM32に流れる電流によってディスチャージされて回路の接地電位にされてオフ状態にされる。これに対して、上記電源電圧Vccが3.3V以下に低下すると、上記電圧VDRが零となり、MOSFETM32がオフ状態にされるためにPチャンネル型MOSFETM30で形成された押し出し電流によってNチャンネル型MOSFETM38のゲート電圧がほぼVcc/2まで上昇してオン状態にされる。このとき、Pチャンネル型MOSFETM35のゲート電圧は、上記MOSFETM30からの電流によってチャージアップされて電源電圧Vccとなるためにオフ状態にされる。
【0036】
上記Pチャンネル型MOSFETM35の出力信号は、Pチャンネル型の出力MOSFETM39のゲートに供給され、上記Nチャンネル型MOSFETM38の出力信号は、Nチャンネル型の出力MOSFETM42のゲートに供給される。そして、これらの出力MOSFETM39とM42のゲート耐圧保護のために前記同様にVcc/2がゲートに印加されたPチャンネル型MOSFETM40とNチャンネル型MOSFETM41とが直列に挿入される。そして、出力切り替え制御信号LVMは、例えばNチャンネル型MOSFETM42のドレインから出力される。
【0037】
図8には、上記駆動増幅回路の一実施例の回路図が示されている。この実施例は、MOSFETM43〜M48からなるボルテージフォロワ形態にされた差動出力回路と、MOSFETM49〜M52からなる出力切り替え回路により構成される。Nチャンネル型の差動MOSFETM45とM46のドレインには、電流ミラー形態にされたPチャンネル型MOSFETM43とM44が設けられる。上記差動MOSFETM45とM46の共通化されたソースと回路の接地電位との間には、定電圧VNNを受けてバイアス電流を流す電流源MOSFETM47が設けられる。そして、電流増幅を行うPチャンネル型の出力MOSFETM48が設けられ、上記差動増幅回路は入力信号VREGに従った出力電圧VINTを形成するというボルテージフォロワ動作を行う。
【0038】
出力切り替え回路を構成するPチャンネル型MOSFETM49には、定電圧VPPが印加されて微小電流が流れるように設定される。このMOSFETM49に対して直列に上記出力電圧VINTを受けるNチャンネル型MOSFETM50及び前記制御信号LVMを受けるNチャンネル型MOSFETM51が直列に接続される。上記MOSFET49のドレインは、Pチャンネル型の出力MOSFETM52のゲートに印加される。このMOSFETM52のソースには、電源電圧Vccが印加され、ドレインは上記出力端子VINTに接続されている。
【0039】
上記駆動増幅回路の動作は、図9の電圧特性図に従って説明する。外部電源電圧VEXT(Vcc)3.3V以下の低電圧領域では、上記定電圧VREGそのものが本来の電圧として形成されない。この電圧範囲では前記のように制御信号LVMがVcc/2のようなハイレベルになり、MOSFETM51をオン状態にさせる。これにより、Pチャンネル型の出力MOSFETM52をオン状態にして出力電圧VINTを電源電圧Vccと等しい電圧として出力させる。
【0040】
外部電源電圧VEXT(Vcc)が3.3Vを超えて大きくなると、上記低電圧切替回路が検知して、制御信号LVMをロウレベルに変化させる。これにより、上記MOSFETM51がオフ状態にされ、上記Pチャンネル型MOSFETM49からの電流によって出力MOSFETM52のゲート電圧が電源電圧Vccまでチャージアップされてオフ状態にされる。そして、このとき定倍回路(1)が有効な動作を開始して定電圧VOPを形成しているので、かかる電圧VOPに対応して形成された3.3Vの電圧VREGが、上記ボルテージフォロワ出力回路を通して内部電圧VINTとして出力される。そして、外部電源電圧VEXT(Vcc)を6.6V以上に高くすると、VBI>VOPの関係となって、上記電圧VREGがVccの上昇とともに変化して上昇する電圧VBIに対応した電圧となる。
【0041】
上記電圧特性のうち、網かけを行った3つの部分が実際の使用領域とされる。つまり、VINT=VEXT(Vcc)は、電源電圧Vccをバッテリーに切り替えて使用した場合であり、VINT=VOPは、通常動作モードのときであり、VINT=VBIは、バーンインモードのときである。
【0042】
図10には、この発明に係る半導体記憶装置を説明すたるめのブロック図が示されている。同図(A)は、入力回路と出力回路を外部システムとのレベル整合をとるために外部電源電圧Vccで動作させ、アドレス選択等の周辺回路とメモリアレイを前記のような電源回路で構成された降圧電圧を用いて構成される。この場合、素子の耐圧が上記バーインモードを含めて外部電源電圧Vccより小さいときには、上記降圧回路、入力回路及び出力回路において前記のような電圧緩和素子が挿入される。特に、入力回路や出力回路等において、2値の制御信号を形成するものは、前記図7に示したような電圧緩和構成とすることにより、CMOS回路の制御信号を形成することができる。
【0043】
同図(B)では、降圧回路と出力回路が外部電源電圧で動作させられ、他の入力回路、周辺回路及びメモリアレイは内部降圧電圧で動作させられる。そして、同図(C)では、上記降圧回路のみが外部電源回路で動作させられる。上記(A)〜(C)のように内部回路の動作電圧は、種々の構成を採ることができるが、降圧回路だけは外部電源電圧で動作させらることを避けることができない。このため、降圧回路において、言い換えるならば、電源回路において、上記のように動作電圧が素子のゲート絶縁膜の耐圧を超える場合、前記のような電圧緩和素子を設けることが必須とされる。
【0044】
上記のようなメモリ回路では、システム等の外部電源電圧が遮断された場合、記憶情報の不揮発化のためにバッテリーバックアップ動作を行うことが必要となる。この実施例の電源回路では、上記バッテリー電圧を検知し、外部電圧をそのまま内部電圧として切り替えて供給することにより、低い電池電圧の使用あるいは電池寿命を長くすることができる。
【0045】
上記の実施例から得られる作用効果は、下記の通りである。すなわち、
(1) 同一の半導体基板上に同一製造工程で形成された第1及び第2のMOSFETと第1と第2の抵抗素子とを用いて製造プロセスの簡素化を図りつつ、上記第1のMOSFETには、テーリング領域において相対的に小さな電流密度にされた電流を流し、上記第2のMOSFETには、テーリング領域において相対的に大きな電流密度にされた電流を流し、上記第1の抵抗素子には、上記第1のMOSFETのゲートとソース間電圧と上記第2のゲートとソース間電圧との差電圧に対応した電圧を印加し、上記第1の抵抗素子で形成された電流を上記第2の抵抗素子に流して、かかる第2の抵抗素子で形成された電圧と上記第2のMOSFETを含む同一製造工程で形成されたMOSFETのゲート,ソース間電圧を加えて温度依存性をキャンセルさせた基準電圧を形成することができるという効果が得られる。
【0046】
(2) 第3の抵抗素子と電圧制御回路とを更に設け、上記第1のMOSFETはゲートとドレインを共通接続してダイオード形態にして上記第1の抵抗素子の一端に接続し、かかる第1のMOSFETと第1と抵抗素子との直列回路を上記第2のMOSFETのゲートとソース間に設け、上記第1の抵抗素子と他端には上記第2の抵抗素子の一端を接続し、上記第1のMOSFETのドレインに上記第3の抵抗素子の一端を接続し、上記第2の抵抗素子と第3の抵抗素子の他端は共通接続して上記電圧制御回路により上記第2と第3の抵抗素子で発生する電圧が等しくなるように制御することにより、第2のMOSFETのソースと上記第2と第3の抵抗素子の共通接続点との間で上記基準電圧を得ることができるという効果が得られる。
【0047】
(3) 上記第1と第2のMOSFETに流れる電流の電流密度は、第2のMOSFETに対して第1のMOSFETのサイズを大きくするとともに両者にほぼ同じ電流を流すようにすることにより両者のサイズ比に従って高精度に電流密度比を設定することができるという効果が得られる。
【0048】
(4) 上記第3のMOSFETにはゲート,ドレインが接続されてダイオード形態にされたMOSFETを直列に接続し、上記第3のMOSFETのゲートと基板間に印加される電圧を緩和させることにより、動作電圧に対してゲート絶縁耐圧の小さな素子を用いること、言い換えるならば、動作電圧をそのままで素子の微細化を実現できるという効果が得られる。
【0049】
(5) 上記基準電圧がゲートとソース間に印加された第4のMOSFETを設け、上記第4のMOSFETで形成された電流を受けて同じ電流を形成する電流ミラー回路で形成された電流を上記第4のMOSFETと同じサイズとされたダイオード形態の複数の直列MOSFETを流すことにより、上記直列MOSFETの数に対応して上記基準電圧の整数倍された定電圧を形成することができるという効果が得られる。
【0050】
(6) 上記基準電圧を第4のMOSFETのゲートとソース間に印加して形成された電流を電流ミラー回路を介して同じ電流を上記第4のMOSFETと同じサイズとされたダイオート形態の複数の第1と第2の直列MOSFETに流して、上記第1と第2直列MOSFETにより形成された回路の接地電位及び電源電圧を基準にして整数倍された第1と第2の定電圧を受けて、通常動作時には上記第1の定電圧を電力増幅して内部電源電圧として出力させ、バーンイン等の試験モードのときには上記電源電圧に従って変化する第2の定電圧を電力増幅して内部電源電圧として出力させることができるという効果が得られる。
【0051】
(7) 上記電源回路を構成する各回路には、電源電圧と回路の接地電位との間にダイオード形態にされたMOSFETが設けられて、上記各回路を構成するMOSFETのゲートに印加される電圧を緩和させることにより、動作電圧に対してゲート絶縁耐圧の小さな素子を用いること、言い換えるならば、動作電圧をそのままで素子の微細化を実現できるという効果が得られる。
【0052】
(8) 上記出力切り換え回路は、上記第1と第2の定電圧を受け、並列形態にされた第5と第6のMOSFETと、上記第5と第6のMOSFETに対して差動形態にされてドレインとゲートが接続された第7のMOSFETと、上記第5ないし第7のMOSFETの共通化されたソースに設けられたバイアス電流源回路を備え、上記第7のMOSFETのドレインから出力信号を得るものとし、上記試験モードのときには電源電圧を上昇させて上記第1の定電圧に対して第2の定電圧が高くなるようにすることにより、外部電源電圧に従って自動的な切り替えを行うようにすることができるという効果が得られる。
【0053】
(9) 上記電圧切り換え回路の出力部には、上記定電圧を形成するに必要な電源電圧以下の領域では、電源電圧をそのまま出力させるスイッチMOSFETを設ることにより低電圧領域での動作、特にバッテリーバックアップ時に有効な電源供給を行うようにすることができるという効果が得られる。
【0054】
(10) 上記スイッチMOSFETをオン状態にさせる制御信号を形成する制御回路は、制御信号がゲートに供給されたPチャンネル型MOSFETのドレインとNチャンネル型MOSFETのドレインとの間に、電源電圧を分圧して形成された中点電圧がゲートに供給されたPチャンネル型MOSFET及びNチャンネル型MOSFETを直列に接続し、上記Pチャンネル型MOSFETのドレインから次段回路のPチャンネル型MOSFETをスイッチ制御する出力信号を形成し、Nチャンネル型MOSFETのドレインから次段回路のNチャンネル型MOSFETをスイッチ制御する出力信号を形成するものであり、かかる出力信号により上記スイッチMOSFETのスイッチ制御を行わせることにより、動作電圧に対してゲート絶縁耐圧の小さな素子を用いること、すなわち、動作電圧をそのままで素子の微細化を実現できるという効果が得られる。
【0055】
(11) 上記電源電圧と回路の接地電位を受けて動作し、上記電源電圧を分圧して形成された中点電圧がゲートに供給されたPチャンネル型MOSFETとNチャンネル型MOSFETとを、制御信号をゲートに受けるPチャンネル型MOSFETのドレインとNチャンネル型MOSFETのドレインとの間に直列に挿入し、上記Pチャンネル型MOSFETのドレインから次段回路のPチャンネル型MOSFETをスイッチ制御する出力信号を形成し、Nチャンネル型MOSFETのドレインから次段回路のNチャンネル型MOSFETをスイッチ制御する出力信号を形成することにより、動作電圧に対してゲート絶縁耐圧の小さな素子を用いること、言い換えるならば、動作電圧をそのままで素子の微細化を実現できるという効果が得られる。
【0056】
以上本発明者よりなされた発明を実施例に基づき具体的に説明したが、本願発明は前記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、基準電圧発生回路は、前記のようにテーリング領域で動作する2つのMOSFETの電流密度差に対応したゲート,ソース間の差電圧を電圧増幅したものと、同じくテーリング領域で動作するMOSFETのゲート,ソース間電圧を加えて温度補償を行うようにするものであれば何であってもよい。上記内部電圧は、上記基準電圧を整数倍するものの他、上記抵抗比を利用した電圧増幅するもの、あるいは上記分圧して微小電圧にするもの等種々の実施形態を採ることができる。上記電圧緩和素子は、抵抗素子で構成し、そこで発生する電圧降下を利用して、それと直列に接続されるMOSFETのゲートとドレイン間に印加される電圧を緩和させるようにするものであってもよい。
【0057】
電源回路は、バッテリー動作させないものでは前記定倍回路(3)、低電圧切替回路を省略することができる。また、電源電圧切り替え回路及び駆動増幅回路は種々の実施形態を採ることができる。上記基準電圧発生回路は、電源回路に用いられるもの他、半導体集積回路装置に形成される各種基準電圧発生回路として広く利用できる。上記基準電圧発生回路又は電源回路を備えた半導体集積回路装置は、前記のような半導体記憶装置の他にCMOS回路で構成された各種半導体集積回路装置に広く適用できる。上記半導体記憶装置は、スタティック型やダイナミック型のRAM、あるいは不揮発性記憶装置のROMのような各種の実施形態を採ることができる。
【0058】
【発明の効果】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下記の通りである。すなわち、同一の半導体基板上に同一製造工程で形成された第1及び第2のMOSFETと第1と第2の抵抗素子とを用いて製造プロセスの簡素化を図りつつ、上記第1のMOSFETには、テーリング領域において相対的に小さな電流密度にされた電流を流し、上記第2のMOSFETには、テーリング領域において相対的に大きな電流密度にされた電流を流し、上記第1の抵抗素子には、上記第1のMOSFETのゲートとソース間電圧と上記第2のゲートとソース間電圧との差電圧に対応した電圧を印加し、上記第1の抵抗素子で形成された電流を上記第2の抵抗素子に流して、かかる第2の抵抗素子で形成された電圧と上記第2のMOSFETを含む同一製造工程で形成されたMOSFETのゲート,ソース間電圧を加えて温度依存性をキャンセルさせた基準電圧を形成することができる。
【0059】
上記基準電圧を第4のMOSFETのゲートとソース間に印加して形成された電流を電流ミラー回路を介して同じ電流を上記第4のMOSFETと同じサイズとされたダイオート形態の複数の第1と第2の直列MOSFETに流して、上記第1と第2直列MOSFETにより形成された回路の接地電位及び電源電圧を基準にして整数倍された第1と第2の定電圧を受けて、通常動作時には上記第1の定電圧を電力増幅して内部電源電圧として出力させ、バーンイン等の試験モードのときには上記電源電圧に従って変化する第2の定電圧を電力増幅して内部電源電圧として出力させることができる。
【0060】
上記電源電圧と回路の接地電位を受けて動作し、上記電源電圧を分圧して形成された中点電圧がゲートに供給されたPチャンネル型MOSFETとNチャンネル型MOSFETとを、制御信号をゲートに受けるPチャンネル型MOSFETのドレインとNチャンネル型MOSFETのドレインとの間に直列に挿入し、上記Pチャンネル型MOSFETのドレインから次段回路のPチャンネル型MOSFETをスイッチ制御する出力信号を形成し、Nチャンネル型MOSFETのドレインから次段回路のNチャンネル型MOSFETをスイッチ制御する出力信号を形成することにより、動作電圧に対してゲート絶縁耐圧の小さな素子を用いること、言い換えるならば、動作電圧をそのままで素子の微細化を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る基準電圧発生回路の一実施例を示す回路図である。
【図2】この発明に係る基準電圧発生回路の他の一実施例を示す回路図である。
【図3】図2の基準電圧発生回路に用いられる電圧比較回路の一実施例を示す回路図である。
【図4】この発明に係る基準電圧発生回路を用いた電源回路の一実施例を示すブロック図である。
【図5】図4の基準電圧発生回路、定倍回路(1)〜定倍回路(3)の具体的一実施例を示す回路図である。
【図6】図4の電源電圧選択回路の一実施例を示す回路図である。
【図7】図4の低電圧切替回路の一実施例を示す回路図である。
【図8】図4の駆動増幅回路の一実施例を示す回路図である。
【図9】この発明に係る電源回路の動作を説明するための電圧特性図である。
【図10】この発明に係る半導体集積回路装置の一実施例を示すブロック図である。
【図11】この発明を説明するためのMOSFETの特性図である。
【符号の説明】
M1〜M52…MOSFET、M53〜M55…電圧緩和素子(MOSFET)、C1〜C4…キャパシタ、R1〜R7…抵抗素子、A…電圧比較回路。
Claims (3)
- 第1、第2、及び第3のMOSFETと第1及び第2の抵抗素子とを含み、
上記第1および第2のMOSFETは同一の半導体基板上に同一製造工程で形成されたものであり、
上記第1のMOSFETのチャネル幅を上記第2のMOSFETよりも大きくするとともに、上記第1のMOSFETと上記第2のMOSFETとに同じ電流を流すようにすることにより、テーリング領域において上記第1のMOSFETの電流密度が上記第2のMOSFETの電流密度より小さくなるようにされており、
上記第1のMOSFET、上記第1の抵抗素子、および上記第2の抵抗素子を直列に接続し、かつ上記第1の抵抗素子と上記第1のMOSFETのゲート・ソース間との直列回路と、上記第2のMOSFETのゲート・ソース間とを並列に接続することで、上記第1のMOSFETのゲート・ソース間電圧と上記第2のMOSFETのゲート・ソース間電圧との差電圧に対応した電圧が上記第1の抵抗素子に印加され、上記第1の抵抗素子に流れる電流を上記第2の抵抗素子に流し、
上記第2の抵抗素子で生成された電圧に前記第3のMOSFETのゲート・ソース間電圧を加えることにより、上記第2の抵抗素子で生成された電圧に対して、その電圧の、前記差電圧の持つ正の温度特定による温度特性を前記第3のMOSFETの負の温度特性によって相殺し、温度補償した基準電圧を生成することを特徴とする基準電圧発生回路。 - 上記第2のMOSFETは、ゲートとドレインとが共通接続されてなり、
上記第1のMOSFETのゲートは、上記第2のMOSFETの共通接続されたゲートとドレインに接続され、
上記第1のMOSFETのソースの電圧と上記第2のMOSFETのソースの電圧との差が上記第1の抵抗素子に印加されるものであり、
上記第1のMOSFETのドレインには、上記第3のMOSFETのゲート電圧が印加されるものであり、
上記第3のMOSFETのゲート・ソース電圧に上記第2の抵抗素子で形成された電圧が加算されて上記基準電圧を形成するものであることを特徴とする請求項1の基準電圧発生回路。 - 上記第1と第2の抵抗素子を含んで電源から回路の接地電位に向う電流径路に流れる電流を制御する電流源MOSFETと、
上記電流源MOSFETのゲートとドレイン間に印加される電圧を緩和する電圧緩和手段とを更に備えてなることを特徴とする請求項1または請求項2の基準電圧発生回路。
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