JP3925332B2 - 車両用外界認識装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数の外界認識センサによって自車両周囲の物体を検知し、これとの相対関係を検出するようにした車両用外界認識装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば、特開2001−134769号公報に示すように、カメラ等の撮像手段によって撮像した撮像画像において道路白線を検出し、さらに、レーダ等の測距手段の測距信号に基づいて検知した自車両前方の物体の位置を、前記撮像画像上の座標系に変換し、この変換した前記物体の撮像画像上における位置を含む所定領域を画像処理することにより、前記測距信号に基づく測距による注目物体に相当する物体を前記所定領域から抽出し、前記撮像画像上における道路白線位置と、前記所定領域から抽出した注目物体との位置を比較することによって、注目物体が自車両の走行レーン内にあるか否かの判断を行うようにした方法等が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記特開2001−134769号公報に記載された外界認識系においては、異なるセンサで検出した物体の座標系を合わせ、撮像画像上から注目物体の位置を検出するようにしている。このため、走行環境による何らかの影響から、レーダ等の測距手段に比較して画像処理の検知精度が低い状況にあっても、その画像処理結果に基づき、レーン内外判断等といった後段の処理が行われることになり、レーン内外判断精度が低下することや、誤判断が生じる可能性があるという問題がある。
【0004】
そこで、この発明は、上記従来の未解決の問題に着目してなされたものであり、検知物体との相対関係をより高精度に検出することの可能な車両用外界認識装置を提供することを目的としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明に係る車両用外界認識装置は、自車両と自車両周囲の物体との相対関係を検出する外界認識センサを複数備え、これら複数の外界認識センサによる同一物体に対する検出結果を1回微分して例えばその分散値等から、そのばらつきを外界認識センサ毎に検出し、ばらつきが小さい外界認識センサほど、その認識精度が高いと評価する。そして、この評価の結果、その認識精度が最も高いと評価される外界認識センサを今回の高認識センサとして選択し、この高認識センサとして選択された外界認識センサの前回の検出結果と今回の検出結果との変化分を前回の統合値に加算し、これを、前記物体との相対関係を表す、今回の統合値とする。
【0006】
【発明の効果】
本発明に係る車両用外界認識装置によれば、複数の外界認識センサの同一物体に対する検出結果を1階微分し、例えばその分散値等のばらつきが小さい外界認識センサほどその認識精度が高いと評価し、評価の結果、認識精度が最も高い外界認識センサとして選択し、この高認識センサとして選択された外界認識センサの前回の検出結果と今回の検出結果との変化分を前回の統合値に加算し、これを今回の統合値とするようにしたから、外界認識センサの認識精度をその検出結果の1階微分値から評価することにより、検出結果の真値がわからない場合であっても認識精度を的確に評価することができる。また、外界認識センサの認識精度を考慮した統合値を得ることができると共に、高認識センサの検出結果の変化分を前回の統合値に加算しこれを今回の統合値としているから、高認識センサとしての外界認識センサが切り換わった場合であっても、滑らかに変化する統合値を得ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
まず、第1の実施の形態について説明する。
図1は、本発明における車両用外界認識装置の一例を示す機能ブロック図であって、自車両周辺の物体位置を検知する各種の外界認識センサ手段1と、これら外界認識センサ手段1の検出信号に基づき検知精度を評価する検知精度評価手段2と、検知精度評価手段2での評価結果をもとに、前記外界認識センサ手段1からの検出信号を1つの検出信号に統合するセンサ出力値統合手段3と、を備え、このセンサ出力値統合手段3で統合した検出信号は、例えば自車両前方の障害物判断等を行う後段の処理手段4で用いられるようになっている。
【0008】
図2は、本発明の車両用外界認識装置を適用した先行車両追従走行装置付き車両の一実施形態を示すシステム構成図である。外界認識部11には、スキャニング式レーザレーダ12で走査した結果から、自車両前方の物体を検出するレーダ処理装置13が接続されている。このレーダ処理装置13は、検出された1又は複数の物体に対して自車両を原点とする二次元座標値、すなわち、検出物体の位置を算出する機能が付加されている。
【0009】
また、前記外界認識部11には、CCDカメラ14で撮像された自車両前方の画像から自車両の走行レーンの道路白線を検出する画像処理部15が接続されている。前記CCDカメラ14は、自車両前方の状況を広角且つ高速に把握することの可能なプログレッシブスキャン式のものであり、また、前記画像処理部15には、前記レーダ処理装置13で検出された検出物体の左右のエッジ端を検出する機能が付加されている。
【0010】
さらに、前記外界認識部11には、自車両の走行状態を検出するための車速検出装置16及び操舵角検出装置17が接続されている。前記車速検出装置16は、従動輪である後輪の回転速度から自車両の走行速度Vspを検出するものである。また、前記操舵角検出装置17は、図示しないステアリングホイールの操舵角θを検出するものである。
【0011】
そして、前記外界認識部11では、各種センサで検知された検知物体の位置情報、つまり、図2の場合には、CDDカメラ14及びレーザレーダ12で検知された検知物体に基づいて、これらセンサの物体の検知精度を評価し、この評価結果に基づいて、各種センサで検出した検知物体の位置情報を一つの値に統合する。そして、統合した検知信号に基づいて、例えば、前記検知物体が、自車両の走行レーン内にあるか否かを判定し、自車両の走行レーン内にあると判定された場合にはこれを自動ブレーキ制御装置19に通知する。また、前記検知物体が、自車両にとって障害物であるか否かを判定し、障害物であるときには自動ブレーキ制御装置19に対してこれを通知する。また、前記検知物体が、障害物ではなく、自車両と同等の速度で走行する先行車両であると判断された場合には、図示されない先行車両追従走行制御装置に判断結果を出力し、これを受けて、前記先行車両追従走行制御装置は、前記車速検出装置16及び操舵角検出装置17の検出信号に基づいて、エンジンの出力と各車輪への制動力とを制御して先行車両に追従走行する制御を行う。
【0012】
前記自動ブレーキ制御装置19は、前記外界認識部11から検知物体が障害物であることが通知されたときには、前記車速検出装置16及び操舵角検出装置17に基づいて必要に応じて負圧ブレーキブースタ20を作動し、各車輪に制動力を付与して検知物体との接触を回避する。また、外界認識部11で、前記検知物体が障害物であり且つ自車両の走行レーン内にあると判断された場合には、より大きな制動力を各車輪に付与する。
【0013】
そして、前記外界認識部11と画像処理部15とで外界認識装置21を構成しており、これら外界認識装置21、レーダ処理装置13、自動ブレーキ制御装置19等は、それぞれマイクロコンピュータとその周辺機器、並びに、各アクチュエータを駆動するための駆動回路等を備えており、互いに通信回路を介して情報を送受信できるようになっている。
【0014】
図3は、外界認識装置21で実行される、複数のセンサにより検知された物体の検知情報を一つの検知情報に統合する、検知情報統合処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
この検知情報統合処理は、予め設定された所定周期、例えば、10〔ms〕毎に実行される。
【0015】
そして、まず、ステップS1で、自車両の運動状況を表す運動情報として、車速検出装置16からの車速Vsp、操舵角検出装置17からの操舵角θを読み込む。
次いで、ステップS2に移行し、レーダ処理装置13から、レーザレーダ12によるスキャニング結果を読み込む。なお、この処理は、レーダレーダ12のサンプリング周期毎に行われる。例えば、レーザレーダ12のサンプリング周期を100〔ms〕と仮定し、検知情報統合処理が10〔ms〕で動作するものと仮定すると、10回に一度行われる。
【0016】
そして、スキャニング結果に基づき、物体を検知した場合には、検知物体の位置ベクトルを算出する。
次いで、ステップS3に移行し、ステップS2で検知した各検知物体の位置ベクトルに基づき、最も重要な1物標を次式(1)により決める。
primNo=min(LR_Py) ……(1)
ここで、min(A)とは、集合Aにおける最小値を出力する関数であって、LR_Pyとは、ステップS2で求めたレーザレーダ12の検知した各検知物体の位置ベクトル群における縦位置(車間距離)を表している。つまり、前記(1)式は、各検知物体の中から自車両に最も接近している物体を選択することを表し、primNoには、検知物体を識別するための物体番号、或いは、物体のID番号を代入する。
【0017】
そして、精度向上用に用いるレーダレーザ12の横位置を次式(2)により決める。
LPx=LR_Px(primNo) ……(2)
ここで、LR_PxとはステップS2でレーザレーダ12から求めた位置ベクトルにおける、各検知物体の横位置(車幅方向)を表している。例えば、LR_Px(2)とは複数の検知物体群において識別番号が“2”として認識している検知物体の横位置を意味している。
なお、本実施の形態では、演算負荷を考慮して、複数の検知物体から最も注目すべき1物標を選択して、検知精度向上を行うようにしたが、各検知物体のそれぞれに対して、後述する処理を同様に行い、全ての検知物体の精度向上を図るようにしてもよい。
【0018】
次いで、ステップS4に移行し、CCDカメラ14で撮像した撮像画像における、ステップS3で決定した最も注目すべき物体の位置を透視変換、つまり3次元座標から2次元の画像座標に座標変換した画像上の領域から、検知物体のみを抽出し、カメラ画像処理による物体位置を求める。そして、このカメラ画像による検知物体の位置ベクトルを、CPy(縦位置)、CPx(横位置)とする。
【0019】
なお、この処理は、CCDカメラ14のサンプリング周期毎に行われる。例えば、一般的なNTSCレートを33.33〔ms〕毎とし、検知情報統合処理が10〔ms〕で動作するものとすると、検知情報統合処理が10回行われる間に3回行われることになる。
なお、前記3次元座標から2次元の画像座標への座標変換から前記物体位置を検出する処理は、例えば、先に本出願人が提出した特願2002−34930号のステップ205及びステップ206に記載されている手順で行えばよい。簡単に説明すると、CCDカメラ14の取り付け高さ、画素換算したCCDカメラ14の鉛直方向及び水平方向の焦点距離、障害物であるとして考慮すべき物体の高さ及び幅等に基づいて、レーザレーダ12で検知した検知物体の位置を含むその近傍の領域を、画面上の領域に座標変換して、検知物体の存在する画面上の領域への絞り込みを行う。そして、この絞り込んだ領域内において、sobelフィルタ等を行った後2値化し、2値化した画像を投影処理することにより、検知物体のエッジに相当するエッジペアを検出し、検知物体の画像内位置を検出する。
【0020】
このようにしてカメラ画像処理による物体の位置検出を行ったならば、続いてステップS5に移行し、前記ステップS3で決定した注目物標の横位置LR_Px(primNo)を入力とし、次式(3)の伝達関数で表される擬似微分器により相対速度LrVxを算出する。
G(Z)=(LcZ2−Lc)/(Z2−LaZ+Lb) ……(3)
ここで、式(3)中のZは進み演算子であり、係数La,Lb,Lcは正の定数であって、レーザレーダ12の測距精度のバラツキと、相対速度の算出に要求される応答性との兼ね合いから決める。
【0021】
なお、ここでは、レーザレーダ12のサンプリング周期が、CCDカメラ14のサンプリング周期よりも長いため、係数La,Lb,Lcを定数としている。
また、レーザレーダ12により検知物体のロストや捕捉といった測距状況の変化が生じた場合には、入出力変数の全ての過去値として、現在の測距値をセットする。
【0022】
次いで、ステップS6に移行し、ステップS4で検出したCCDカメラ14のカメラ画像による、注目物標の横位置CPxを入力とし、次式(4)の伝達関数で表される疑似微分器により、横位置CPxの相対速度CrVxを算出する。
G(Z)=(CcZ2−Cc)/(Z2−CaZ+Cb) ……(4)
ここで、係数Ca,Cb,Ccは正数であって、後述するステップS16の処理で設定される、時変な係数である。なお、レーザレーダ12のサンプリング周期よりもCCDカメラ14のサンプリング周期の方が長いため、係数Ca,Cb,Ccを変数としている。
【0023】
また、ロストや捕捉といった測距状況の変化が生じると、入出力変数の全ての過去値を、現在の測距値にセットする。
次いで、ステップS7に移行し、前記ステップS5で算出した、レーザレーダ12による注目物標の横位置を入力とする相対速度LrVxの過去10回分の値に基づき、次式(5)から、その分散値LVを算出する。なお、ここでは、分かり易さの観点から標準偏差として算出する。
【0024】
Figure 0003925332
ここで、LrVx[0]とは今回算出したレーザの相対速度を意味し、LrVx[1]とは前回算出したレーザの相対速度を意味し、……、LrVx[9]は、9回前に算出したレーザの相対速度を意味している。
【0025】
また、過去10回分、つまり、過去1〔s〕間に、分散値LVの算出に用いる検知データに、レーザレーダ12が物体を捕捉していない、或いは、ロストを意味する値がある場合、つまり、非捕捉中やロストが過去1〔s〕間に発生した場合には、前記(5)式の出力を、予め設定した所定値に設定する。なお、この所定値は、後述のステップS9の処理において、分散値の比較を行う際に、物体を捕捉していない状態或いはロストが行ったときの検知データに基づく分散値LVが、パフォーマンスの高いセンサとして選択することを回避することの可能な値に設定される。
【0026】
次いで、ステップS8に移行し、前記ステップS6で算出した、注目物標の横位置CPxの相対速度CrVx過去10回分の値に基づき、次式(6)にしたがって、その分散値CVを算出する。なお、ここでは、単位系を同じにしたほうが分かり易いという観点から標準偏差として算出する。
Figure 0003925332
ここで、CrVx[0]とは今回算出したカメラ画像に基づく相対速度を意味し、CrVx[1]とは前回算出したカメラ画像からの相対速度を意味し、……、CrVx[9]は、9回前に算出したカメラ画像による相対速度を意味している。
【0027】
また、過去10回分、つまり、過去0.333〔s〕間で、分散値CVの算出に用いる検知データに、カメラ画像が物体を捕捉していないことを意味する値、或いは、ロストを意味する値がある場合、つまり、非捕捉中やロストが過去0.333〔s〕間に発生した場合には、前記(6)式の出力を予め設定した所定値に設定する。なお、この所定値は、後述のステップS9の処理において、分散値の比較を行う際に、物体を捕捉していない状態或いはロストが行ったときの検知データに基づく分散値CVが、パフォーマンスの高いセンサとして選択することを回避することの可能な値に設定される。
【0028】
次いで、ステップS9に移行し、前記ステップS7及びステップS8の処理でそれぞれ算出した、レーザレーダ12に基づく相対速度LrVxの分散値LVと、カメラ画像に基づく相対速度CrVxの分散値CVとを比較し、次式(7)にしたがって、検知精度のパフォーマンスが高いセンサを選択する。つまり、分散値の小さいセンサ、すなわち、物体の運動に関するバラツキの小さい方のセンサを、検知精度のパフォーマンスが高いセンサとして選択する。
【0029】
if(LV<CV) selectedPx=LPx
else selectedPx=CPx ……(7)
ここで、if(expression) statements1、else statements2とは、expressionが真の場合にstatements1を、偽の場合にはstatements2を実施することを意味する関数である。
【0030】
次いで、ステップS10に移行し、ステップS9の処理で選択したセンサの、センサ出力の今回値と前回値との変化分を求め、次式(8)により横位置の統合を行う。
Figure 0003925332
なお、式中の、integratedPx[0]とは、今回のサンプリングにおける、横位置の統合値を意味し、integratedPx[1]とは前回のサンプリングで統合した、横位置の統合値を意味する。
【0031】
次いで、ステップS11に移行し、ステップS9で選択したセンサのセンサ出力のサンプリング周期を用いて、次式(9)の演算を行い、これに基づき、疑似微分器の係数を算出する。
Figure 0003925332
ここで、SamplePeriod[0]は、今回のサンプリングにおける望ましいサンプリング周期を意味し、SamplePeriod[1]及びSamplePeriod[2]は、その過去値を意味している。なお、ここでは、擬似微分器の次数が2次であるため、2回過去までの移動平均を算出している。
【0032】
そして、算出した、サンプリング周期SamplePeriod[0]をもとに、次式(10)にしたがって、擬似微分器の係数を求める。
【0033】
【数1】
Figure 0003925332
【0034】
ここで、func1(A)、func2(A)、func3(A)とは、引数をAとした、図4に示す特性を有する関数である。
図4において、横軸は、引数Aを表し、縦軸は、各関数の出力を表す。つまり、図4に示すように、func1(A)は、引数Aが大きくなるほど、その出力は徐々に小さくなり、func2(A)は、引数Aが大きくなるほど、func1(A)の出力と同様の傾きでその出力が変化し且つ、func1(A)の出力よりも所定値だけ小さな出力となるように設定される。また、func3(A)は、前記func2(A)の出力よりも小さく且つ、前記引数Aが大きくなるほど、その出力は徐々に大きくなるように設定される。
【0035】
次いで、ステップS12に移行し、前記(10)式で算出した係数を持つ、次式(11)で表される伝達関数を用い、前記(8)式で算出された横位置の統合値を入力として、センサ統合値の相対速度を算出する。
Figure 0003925332
つまり、上記式(11)の進み演算子の各係数を、前記(10)式に基づいて設定することによって、引数Aつまり前記(9)式で算出されるサンプリング周期SamplePeriod[0]が変化しても、係数integratedA、integratedB及びintegratedCは、SamplePeriod[0]に同調して変化するため、前記(11)式で表される伝達関数は、サンプリング周期に影響され難いという特性を有する。
【0036】
次いで、ステップS13に移行し、前記ステップS3で算出した注目物標のレーザレーダ12による横位置LPxと前記ステップS4で算出した注目物標のカメラ画像による横位置Cpxをもとに、次式(12)にしたがって、各々の分散値を算出する。
Figure 0003925332
次いで、ステップS14に移行し、次式(14)にしたがって、タイムカウンタTCを操作する。
【0037】
Figure 0003925332
ここで、式(14)中の、thresholdL及びthresholdCはレーダレーザ12とカメラ画像による、測定バラツキを表すしきい値である。また、thresholdVsp及びthresholdδは、自車両が直線走行しているとみなすことの可能なしきい値である。
【0038】
また、タイムカウンタTCは、検知物体をロストするとゼロクリアされる。
なお、ここで、相対速度ではなく、位置の分散値を求める理由は、位置の分散が小さいほど、物体と自車両との動きの変化が小さい状態であるため、物体の動きと測定のバラツキとを分離し易くなるためである。
次いで、ステップS15に移行し、タイマカウントTCがしきい値TCα以下であるかどうかを判断し、TC≦TCαでない場合には、ステップS16に移行し、TC≦TCαである場合には、そのままステップS17に移行する。なお、前記タイマカウントTCのしきい値TCαは、自車両と前方車両との動特性に基づいて設定される値であって、例えば、2.0程度に設定される。
【0039】
前記ステップS16では、次式(15)にしたがって、前記ステップS6において、カメラ画像に基づく横位置の相対速度CrVxを算出するための、疑似微分器の係数Ca、Cb、Ccを算出する。
【0040】
【数2】
Figure 0003925332
【0041】
ここで、式(15)中のfunc4(A)、func5(A)、func6(A)とは、引数をAとした、図5に示すような特性を有する関数である。また、func7(A)とは、引数をAとした図6に示すような特性を有する関数である。
図5及び図6において、横軸は、引数Aを表し、縦軸は、各関数の出力を表す。そして、図5に示すように、関数func4(A)は、引数Aが大きくなるほど、その出力が減少し、同様に、関数func5(A)も、引数Aが大きくなるほどその出力は減少し且つ関数func4(A)の出力よりも小さな値をとるようになっている。また、関数func6(A)は、引数Aが増加するほどその出力は増加するようになっている。
【0042】
また、図6に示すように、関数func7(A)は、引数Aが大きくなるほど、その出力は減少しその最低値(図6の場合0.5)で頭打ちとなり、引数Aが小さくなるほどその出力は増加しその最大値(図6の場合2.5)で頭打ちとなり、且つ、引数Aが小さいほどその変化度合が大きくなるようになっている。なお、引数Aが負値の場合には、最大値(図6の場合2.6)をとるようになっている。この関数func7(A)は、関数func4〜6の3つの係数で構成されるCCDカメラ14による相対速度算出用の疑似微分器のカットオフ周波数に相当するパラメータであり、引数Aが小さいとき、つまり、CCDカメラ14による横位置のバラツキが小さく、CCDカメラ14の検出結果に基づく横位置の分散値CVとレーザレーダ12の検出結果に基づく横位置の分散値LVとの差が小さいときには、疑似微分器は、高周波特性つまり敏感な特性となって、これを用いて演算されるパフォーマンス評価用の相対速度は、バラツキが大きくなる傾向に算出される。逆に、引数Aが大きいとき、つまり、CCDカメラ14のバラツキが大きいときには、疑似微分器は、低周波特性つまり鈍感な特性となり、これを用いて演算されるパフォーマンス評価用の相対速度は、バラツキが小さくなる傾向に算出される。
【0043】
これによって、光環境や天候等といった測距状況に応じて、CCDカメラ14の微分値とレーザレーダ12との微分値とが同等になるように調整されることになる。
なお、ここでは、相対速度CrVxを算出する微分演算を行う際の、各係数をオンラインでセルフチューニングするようにしているが、オフラインで行うようにしてもよい。
【0044】
次いで、ステップS17に移行し、各フィルタや分散値等の算出に必要な過去値を更新記憶し、検知情報統合処理を終了する。
次に、上記第1の実施の形態の動作を説明する。
外界認識装置21では、所定周期で検知情報統合処理を実行し、レーザレーダ12のサンプリング周期毎に、レーザレーダ12のスキャニング結果に基づいて物体の検知を行い、その位置ベクトルを算出する。そして、レーザレーダ12による検知物体のうち、最も自車両に接近している物体を注目物体として検出し、この検知物体の横位置を横精度向上用に用いるレーザレーダ12の横位置の値とする(ステップS1〜S3)。
【0045】
同様に、CCDカメラ14のサンプリング周期毎に、カメラ画像上から、前記注目物体に対応する検知物体を特定し、その位置ベクトルを検出する(ステップS4)。
そして、このようにして検知した注目物体のレーザレーダ12による横位置と、カメラ画像による位置とをもとに、それぞれ(3)式及び(4)式を用いてその相対速度をLrVx、CrVxを算出し、その過去10回分の相対速度の分散値LV、CVをそれぞれ算出する(ステップS5〜S8)。
【0046】
ここで、前記検知情報統合処理は10〔ms〕周期で実行され、また、レーザレーダ12のサンプリング周期は、100〔ms〕、CCDカメラ14のサンプリング周期は33.33〔ms〕としているから、過去1秒間のレーザレーダ12の検知信号に基づく相対速度と、過去0.333秒間のカメラ画像に基づく検知信号に基づく相対速度とが算出されることになる。
【0047】
そして、これらの相対速度LV及びCVのうち、分散値の小さい方、つまり、物体の運動に関するばらつきが小さい方が、パフォーマンスの高いセンサとして選択され(ステップS9)、例えば、レーザレーダ12が選択された場合には、このレーザレーダ12による注目物標の前回処理実行時の横位置と今回処理実行時の横位置との差を前回統合した横位置の統合値integratedPx[1]に加算し、これが今回の、横位置の統合値integratedPx[0]として設定される。逆に、CCDカメラ14が選択された場合には、このCCDカメラ14による注目物標の前回処理実行時の横位置と今回処理実行時の横位置との差を、前回の横位置の統合値に加算し、これを今回の、横位置の統合値とする(ステップS10)。
【0048】
そして、パフォーマンスの高いセンサとして選択されたレーザレーダ12又はCCDカメラ14のサンプリング周期に基づいて前記(9)式にしたがって、望ましいサンプリング周期が設定され、これに基づいて、擬似微分器の係数を算出し、これを用いて前記(11)式で表される伝達関数を用い、今回の横位置の統合値を入力として、センサ統合値の相対速度を算出する(ステップS11、S12)。
【0049】
さらに、注目物標のレーザレーダ12による横位置LPxと注目物標のカメラ画像による横位置Cpxをもとに、各々の分散値を算出し、これに基づき自車両が直線路を走行しているとみなすことができる間、タイムカウンタTCを更新し、この状態が所定時間TCα継続したときに、このときの、分散値CV及びLVに基づいて、カメラ画像に基づく横位置の相対速度CrVxを算出するための、疑似微分器の係数Ca、Cb、Ccが算出される(ステップS14〜S17)。
【0050】
そして、このようにして算出された、横位置の統合値integratedPx[0]と、相対速度の統合値とをもとに、後段の処理4において、検知物体が自車両内に存在するかどうか等の判断を行う。
このように、CCDカメラ14及びレーザレーダ12による検知信号に基づいてそのパフォーマンスを評価し、物体の運動に関するばらつきが小さい方を選択し、これに基づいて横位置の統合値を算出するようにしているから、検出精度の低い検知信号に基づいて位置検出が行われることが回避されることになって、高精度な位置検出を行うことができる。
【0051】
また、このとき、パフォーマンスの評価を行う際には、位置情報を一階微分して相対速度を算出し、その分散を用いて評価を行うようにしたから、より適切に評価することができる。
つまり、検知物体との位置についてサンプリング周期毎の真値が分かれば、分散値を算出する際に、計測時刻における真値に対する計測位置の誤差のバラツキを求めることで双方のセンサの検知精度を公平に評価することが可能であるが、前記検知物体の位置の真値を検出することは困難である。
【0052】
しかしながら、上述のように、位置情報を一階微分して算出した相対速度の分散を評価するようにしており、これは、静的な計測誤差をキャンセルし、停止物を含めた等速直線運動を行っている物体に対する運動のバラツキを求めることを意味しているから、時々刻々と変化する環境において、物体位置の真値が分からなくても、検知精度を的確に評価することができる。
【0053】
また、前記レーザレーダ12のサンプリング周期と、CCDカメラ14のサンプリング周期とは、異なっている。このようにセンサの動作周期が異なる場合、それらのセンサ出力値(位置検出値)の分散値から検知精度を比較すると、同一母数のデータを取得するまでの時間も異なる。この場合、検知物体との位置関係が変化しない静的な環境以外では、サンプリングの違いによる影響を受けて、サンプリングが短い方のセンサ出力が過剰に高いパフォーマンスで機能している、というように評価される傾向となり、正しい判断は困難となる。
【0054】
しかしながら、上述のように、位置情報を一階微分して相対速度を算出するための微分演算を行うときに、その周波数特性を調整することで、サンプリングが異なるセンサを用いる場合であっても、的確に評価を行うことができる。
つまり、サンプリングの異なるセンサの場合、同一周波数特性の微分演算は、サンプリングが遅くなるほど高ゲイン化されるため、一般に相対速度の変化分が大きい値で算出され、バラツキが大きくなる傾向があるが、周波数特性の調整を行い、サンプリングの早い方のセンサつまり、CCDカメラ14を、比較的、高周波特性を有する微分演算となるように調整し、サンプリングの遅い方のセンサ、つまりレーザレーダ12と同等の高ゲイン化に合せることによって、双方のセンサ出力値のバラツキという観点から妥当な検知精度のパフォーマンスの評価を行うことができる。
【0055】
また、上述のように的確に評価した結果、高い評価を得たセンサを選択し、そのセンサ出力値の前回値と今回値との変化分を、前回の横位置の統合値に加算し、これを今回の横位置の統合値として扱うようにしている。したがって、算出される横位置の統合値は、注目物標の位置ベクトルの変化に段差が生じるような統合値とはならず、且つ、その波形は、遅れがなくまたその波形は、何れかのセンサの出力と同じである。よって、評価結果に応じて何れかのセンサ出力を選択しこれに基づいて統合値を算出するようにしているが、なめらかに変化する統合値を得ることができる。
【0056】
また、このとき、相対速度の統合値を得る場合には、横位置の統合値を微分しこれを相対速度として得るようにしている。したがって、例えば、それぞれのセンサ出力の微分値の分散値に基づき、その評価の高い方のセンサを選択しこれに基づき相対速度の統合値を得るようにした場合には、統合値として用いられるセンサの出力値が切り替わるため、場合によっては、切り替わり時に統合値に段差が発生する場合がある。しかしながら、横位置の統合値を微分して相対速度を得るようにしており、前記横位置の統合値は、前述のように段差のない、なめらかな波形であるから、その微分値もなめらかな波形となり、なめらかに変化する相対速度の統合値を得ることができる。
【0057】
また、このとき、ステップS16の処理では、相対速度算出用の微分演算における特性の調整を、自車両が、直線路で先行車両を追従走行中であると判断されるときに行い、且つ、各センサ出力の微分値の分散値が同等となるように行うようにしたから、検知物体との動きの変化が少ない状態であり物体の動きと測定とのバラツキを分離しやすく、サンプリング周期が異なるセンサを用いた場合であっても分散値を同等に合わせることが可能な状態であるときに、特性の調整を行うことになり、このようにして設定した特性に基づいて評価を行うことによって、より的確に評価を行うことができる。また、直進路で先行車両を追従走行中であると判断されるときにはリアルタイムで調整を行うようにしているから、光環境や天候等の測距状況に応じて、CCDカメラ14及びレーザレーダ12の検出カメラの微分バラツキ状態を同等に調整することができる。したがって、測距状況に応じて中立な評価を行うことができ、より的確にパフォーマンス評価を行うことができる。また、サンプリング周期の長い方のセンサ、この場合、レーザレーダ12は、相対速度算出の特性変更に対し、その出力値が反映されるまでの遅れが大きいが、周期の短い方のセンサ、この場合、CCDカメラ14の微分特性を調整することによって、相対速度算出の特性変更に対して生じる遅れを十分抑えながら、演算を行うことができる。
【0058】
また、このとき、上述のように実際に使用するセンサ値の出力波形に近い波形を統合値とし、この統合値を用いて相対速度の統合値を算出するようにしているから、相対速度の波形をなめらかにすることができ、相対速度のベクトルの精度が必要とされる処理に対して扱い易い相対速度に加工することができる。
また、このとき、相対速度を算出する際の微分特性の調整は、サンプリング周期が短い方のセンサつまりレーザレーダ12については微分特性の変更は行わず、サンプリング周期が長い方のセンサつまりCCDカメラ14についてのみ微分特性の変更を行うようにしている。ここで、サンプリング周期の長い方のセンサは、1サンプル当たりの変化分がサンプリング周期の短い方のセンサに比較して大きく、相対速度のばらつきが大きいから、微分特性を低域側に調整する以外に調整余地はなく、これに伴う検知精度のパフォーマンス評価に伴って生じる遅れを防止することができる。
【0059】
また、上述のように、相対速度の統合値を算出する際に、離散時間系で疑似微分を行うときには、評価が高いとして選択されたセンサのサンプリング周期の履歴において、微分演算を行うために必要なタイムスパンに相当する最新の履歴の平均値からサンプリング周期を算出しこれに基づいて微分演算器の各係数を変更するから、微分演算特性がサンプリング周期に依存しにくく、微分演算の精度を向上させることができる。
【0060】
したがって、このようにして算出した横位置或いは相対速度の統合値に基づいて、後段の処理を行うことによって、より的確に制御を行うことができる。
なお、上記第1の実施の形態においては、外界認識センサ手段としてレーザレーダ12とCCDカメラ14とを用いた場合について説明したが、これに限るものではなく、検知物体と自車両との相対関係を検出することのできるセンサであれば、適用することができる。
【0061】
また、上記第1の実施の形態においては、注目物標の横位置及びその相対速度を検出するようにした場合について説明したが、これに限らず、縦方向の距離を検出する場合であっても適用することができることはいうまでもない。
ここで、上記第1の実施の形態において、レーザレーダ12、CCDカメラ14が外界認識センサに対応し、図3のステップS7及びステップS8の処理が評価手段に対応し、ステップS10の処理が統合手段に対応し、ステップS13〜S15の処理が状態検出手段に対応し、ステップS16の処理が周波数調整手段に対応している。
【0062】
次に、本発明の第2の実施の形態を説明する。
この第2の実施の形態における走行路環境検出装置は、図7に示すように、CCDカメラ14及び画像処理装置15に替えて、ミリ波レーダ22及びこのミリ波レーダ22の検出信号をもとに、自車両前方の物体を検出するミリ波レーダ処理装置23が接続され、このミリ波レーダ処理装置23は、検出された1又は複数の物体に対して自車両を原点とする二次元座標値、すなわち、検出物体の位置を算出する機能を備えている。なお、上記第1の実施の形態と同一部には同一符号を付与しその詳細な説明は省略する。
【0063】
そして、第2の実施の形態における外界認識装置21は、図8に示す検知情報統合処理を行い、その結果に基づいて、障害物が自車両のレーン内に存在するか否か等の判断を行う。
すなわち、ステップS21で、上記第1の実施の形態と同様に、自車両の運動情報として、車速Vsp、舵角δ等を読み込み、ステップS22で、レーザレーダ12による測距結果を、レーザ処理装置13から読み込む。
【0064】
次いで、ステップS23に移行し、前記第1の実施の形態と同様に前記(1)式にしたがって、最も重要な1物標を決定し、これに基づき次式(16)から、精度向上用に用いるレーザレーダ12による注目物標の縦位置を求める。
LPy=LR_Py(primNo) ……(16)
次いで、ステップS24に移行し、ミリ波レーダ処理装置23から、ミリ波レーダ22による各検知物体の測距値MR_Py、MR_Pxを読み込む。なお、この処理は、ミリ波レーダ22の検知周期毎(例えば、レーザレーダ12の検知周期と同じ100〔ms〕)に行う。
【0065】
次いで、ステップS25に移行し、ミリ波レーダ22による検知物体のうち、前記ステップS23で設定した注目物標の検知位置に、最も近い物体を選択し、その物体番号をMprimNoとする。そして、このMprimNoに相当する検知物体の縦位置に基づいて、次式(17)から、精度向上用に用いるミリ波レーダの縦位置を求める。
【0066】
MPy=MR_Py(MprimNo) ……(17)
次いで、ステップS26に移行し、前記(3)式の伝達関数に対してステップS23で設定した注目物標のレーザレーダ12による縦位置を入力し、レーザレーダ12による相対速度LrVyを算出する。
次いで、ステップS27に移行し、前記(3)式の伝達関数に対して、ステップS25で選択した注目物標に相当するミリ波レーダ22による検知物体の縦位置を入力し、注目物体の、ミリ波レーダ22による相対速度MrVyを算出する。なお、ミリ波レーダの場合、ドップラー効果を利用することによって、直接、縦方向の相対速度を検知することができるが、ミリ波レーダで直接検出した相対速度は用いない。
【0067】
次いで、ステップS28に移行し、前記ステップS26で算出したレーザレーダ12による相対速度LrVyの過去10回分の値に基づき、次式(18)にしたがって、分散値LVを算出する。なお、ここでは、分かり易さの観点から標準偏差を算出する。
Figure 0003925332
ここで、LrVy[0]とは今回算出したレーザレーダ12による相対速度を、LrVy[1]とは前回算出したレーザレーダ12による相対速度を、それぞれ意味している。
【0068】
また、過去10回分、つまり、過去1〔s〕の間で、分散値の算出に用いるの検知データに、レーザレーダ12が物体を捕捉していない、或いは、ロストを意味する値がある場合には、つまり、非捕捉中やロストが過去1〔s〕間に発生した場合には、前記(18)式の出力を予め設定した所定値に設定する。
次いで、ステップS29に移行し、前記ステップS27で算出したミリ波レーダ22に基づく相対速度MrVyの過去10回分の値に基づき、次式(19)から、その分散値MVを算出する。なお、ここでは、単位系を同じにしたほうが分かり易いという観点から標準偏差を算出している。
【0069】
Figure 0003925332
ここで、式(19)中の、MrVy[0]とは今回算出したミリ波レーダ22に基づく相対速度を意味し、MrVy[1]とは前回算出したミリ波レーダ22に基づく相対速度を意味し、……MrVy[9]とは9回前に算出したミリ波レーダ22に基づく相対速度を意味する。
【0070】
また、過去10回分、つまり、過去1〔s〕間で、分散値の算出に用いる検知データに、ミリ波レーダ22が物体を捕捉していない、或いは、ロストを意味する値がある場合、つまり、非捕捉中やロストが過去1〔s〕間に発生した場合には、前記(19)式の出力を予め設定した所定値に設定する。
次いで、ステップS30に移行し、次式(20)にしたがって、レーザレーダ12の縦位置と、ミリ波レーダ22の縦位置とを、前記ステップS28で算出したレーザレーダ12による相対速度の分散値LVと、前記ステップS29で算出したミリ波レーダ22による相対速度の分散値MVとの比で内分し、これらを統合する。
【0071】
Figure 0003925332
次いで、ステップS31に移行し、微分演算や分散値演算のために必要とする所定の過去値を更新記憶し、検知情報統合処理を終了する。
したがって、この第2の実施の形態においては、縦位置の統合値を算出する際に、各センサ出力値の1階微分値の分散値に応じて、各センサ出力値の内分値を算出し、よりばらつきの小さい方のセンサ出力値を主として統合値を算出するようにしているから、複数のセンサ出力値から、認識精度に応じて的確な統合値を得ることができる。また、この統合値は、各センサの出力値が取り得る範囲内に必ず存在することになるから、安全で信頼性の高い統合値を得ることができる。
【0072】
また、このとき、ミリ波レーダ22を用いた場合、検知物体の相対速度を検出することができるが、この相対速度を用いずに、位置情報を1階微分して算出した相対速度を用いて、ミリ波レーダ22及びレーザレーダ12による縦位置の統合値を算出するようにしているから、ミリ波レーダ22の静的な計測誤差の影響を受けることなく、2つのセンサの統合値を的確に算出することができる。また、ミリ波レーダ22のように、位置検出だけでなく、相対速度も直接検出することのできるセンサの場合、ある時点における位置情報の検知精度が悪くても相対速度の検知精度はよいという状況が生じることがあり、つまり、検出位置と検出相対速度とに相関がない場合がある。したがって、検出相対速度を有効としてこれに基づき統合値を算出した場合、算出される統合値は、検知精度の低い位置情報の影響を受けることになる。しかしながら、位置情報を1階微分して算出した相対速度を用いて統合値を算出するようにしているから、検知精度の低い位置情報を考慮して統合値が算出されることになって、的確な統合値を得ることができる。
【0073】
なお、この第2の実施の形態において、縦位置の相対速度の統合値を得る場合には、上記第1の実施の形態と同様に、レーザレーダ12及びミリ波レーダ22で検出した縦位置の統合値を微分演算するようにすればよい。このとき、各レーダが物体を検知し始めてから、各レーザによる縦位置に基づいて相対速度を算出するための疑似微分器の遅れ時間が経過するまでの間は、ミリ波レーダ22で検出した相対速度を、縦位置の相対速度の統合値とするようにすればよい。
【0074】
また、ミリ波レーダ22の検出相対速度の1階微分値の分散値と、レーザレーダ12による縦位置を微分演算して求めた算出相対速度の1階微分値の分散値とを比較し、その分散値の小さい方の相対速度を統合値とするようにしてもよい。また、上記第2の実施の形態においては、検知物体までの縦位置の統合値を求める場合について説明したが、これに限らず、横位置の統合値を検出することも可能である。
【0075】
なお、上記各実施の形態においては、各センサの出力の1階微分値の分散値に基づいて認識精度の評価を行うようにした場合について説明したが、共分散行列に基づいて評価を行うようにしてもよく、要は、認識精度を評価することができればどのような方法であっても適用することができる。
また、上記各実施の形態においては、2つのセンサ出力を統合するようにした場合について説明したが、これに限らず、3つ以上のセンサ出力を統合することも可能であり、この場合にも上記と同様にして統合すればよい。
【0076】
なお、上記第2の実施の形態において、レーザレーダ12及びミリ波レーダ22が外界認識センサに対応し、図8のステップSステップS28及びステップS29の処理が評価手段に対応し、ステップS30の処理が統合手段に対応している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明における車両用外界認識装置の一例を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態における車両用外界認識装置を適用した先行車両追従走行装置付き車両の一実施形態を示すシステム構成図である。
【図3】第1の実施の形態における検知情報統合処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図4】関数func1〜func3の出力特性を表す特性図である。
【図5】関数func4〜func6の出力特性を表す特性図である。
【図6】関数func7の出力特性を表す特性図である。
【図7】第2の実施の形態における車両用外界認識装置を適用した先行車両追従走行装置付き車両の一実施形態を示すシステム構成図である。
【図8】第2の実施の形態における検知情報統合処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 外界認識センサ手段
2 検知精度評価手段
3 センサ出力値統合手段
11 外界認識部
12 レーザレーダ
13 レーダ処理装置
14 CCDカメラ
15 画像処理部
16 車速検出装置
17 操舵角検出装置
19 自動ブレーキ制御装置
20 負圧ブレーキブースタ
21 外界認識装置
22 ミリ波レーダ

Claims (8)

  1. 自車両と自車両周囲の物体との相対関係を検出する複数の外界認識センサと、
    同一物体に対する前記複数の外界認識センサの検出結果の1階微分値のばらつきを前記外界認識センサ毎に検出し、前記ばらつきが小さい外界認識センサほどその認識精度が高いと評価する評価手段と、
    当該評価手段による評価結果に応じて前記外界認識センサの複数の検出結果から、前記物体との相対関係を表す一つの統合値を生成する統合手段と、を備え
    前記評価手段は、前記統合値を算出する毎に前記評価を行い、
    前記統合手段は、前記評価手段での評価の結果、最も認識精度が高いと評価される外界認識センサを今回の高認識センサとして選択し、この高認識センサとして選択された外界認識センサの前回の検出結果と今回の検出結果との変化分を前回の統合値に加算し、これを今回の統合値とすることを特徴とする車両用外界認識装置。
  2. 前記統合手段は、前記複数の外界認識センサの検出結果の1階微分値を統合した値として、前記検出結果の統合値の1階微分値を算出することを特徴とする請求項記載の車両用外界認識装置。
  3. 前記統合手段は、前記複数の外界認識センサの検出結果の1階微分値を統合した値として、離散時間系で疑似微分演算を行って前記検出結果の統合値の1階微分値を算出し、且つ前記高認識センサとして選択された外界認識センサのサンプリング周期の履歴のうち、最新のサンプリング周期から前記擬似微分演算を行うために必要なタイムスパン相当分の個数のサンプリング周期についてその平均値を求め、当該平均値を前記擬似微分演算におけるサンプリング周期とすることを特徴とする請求項記載の車両用外界認識装置。
  4. 自車両と自車両周囲の物体との相対関係を検出する複数の外界認識センサと、
    同一物体に対する前記複数の外界認識センサの検出結果の1階微分値のばらつきを前記外界認識センサ毎に検出し、前記ばらつきが小さい外界認識センサほどその認識精度が高いと評価する評価手段と、
    当該評価手段による評価結果に応じて前記外界認識センサの複数の検出結果から、前記物体との相対関係を表す一つの統合値を生成する統合手段と、を備え、
    前記評価手段は、前記統合値を算出する毎に前記評価を行い、
    前記統合手段は、前記複数の検出結果を前記評価手段での評価結果に応じた比で内分し、これを前記統合値とすることを特徴とする請求項記載の車両用外界認識装置。
  5. 前記相対関係の変化が小さい状態であるかどうかを検出する状態検出手段と、
    当該状態検出手段で前記相対関係の変化が小さい状態であると判断されるとき、前記評価手段における前記検出結果の1階微分値算出のための微分演算における周波数特性を調整する周波数調整手段と、を備え、
    当該周波数調整手段は、各外界認識センサの検出結果の1階微分値のばらつきが同等となるように前記周波数特性を調整することを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の車両用外界認識装置。
  6. 前記周波数調整手段は、前記複数の外界検出センサのうち、そのサンプリング周期が最も短い外界検出センサの検出結果に対する微分演算における周波数特性を、リアルタイムで調整することを特徴とする請求項記載の車両用外界認識装置。
  7. 前記評価手段は、前記相対関係を表す相対関係値を1階微分演算し、当該1階微分演算の演算結果を用いて前記認識精度の評価を行うことを特徴とする請求項1から請求項6の何れか1項に記載の車両用外界認識装置。
  8. 前記外界認識センサは、前記自車両周囲の物体の位置情報を検出することを特徴とする請求項1から請求項7の何れか1項に記載の車両用外界認識装置。
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