JP3925222B2 - 視線検出装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、眼の像を撮影して視線の方向を検出する視線検出装置に関し、例えば、視線の方向によって表明された使用者の意思を機器の制御に反映させるために利用される。
【0002】
【従来の技術】
映像により高い臨場感を提供するバーチャルリアリティの分野では、視線の方向を検出して、検出した視線の方向に応じた映像を表示することが行われている。また、近年では、障害により身体を自由に動かすことが困難な人のために、視線の方向を検出し、検出した視線の方向からその人の意思を判断して、機器の動作を制御することが提案されている。例えば、視線の方向に応じてテレビをオン/オフし、受信チャンネルを切り替える。
【0003】
姿勢や頭部の向きにかかわらず確実に視線の方向を検出し得るようにするためには、装置全体または装置のうち視線の検出に直接関与する部分を、使用者の頭部に装着する形態とする必要がある。頭部への装着のための形態としては、ヘルメット型、ゴーグル型、眼鏡型等があり、日常生活で使用する場合は、通常、最も自然な眼鏡型とされる。
【0004】
視線の方向の簡便な検出方法の1つに、眼の像を撮影して、撮影した像における黒眼部分の位置に基づいて視線の方向を判断するものがある。この方法は、簡素な構成で実施することができ、日常生活で使用する装置に適する。ただし、眼の像を撮影するための撮像部によって視野が遮られて、使用者が不快感を覚えたり、安全性が損なわれたりすることのないように配慮する必要がある。このため、視野の周辺部に撮像部を配置して、眼に対して斜めの方向から眼の像を撮影することが行われている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、視野の周辺部に撮像部を配置して眼の正面から大きく離れた方向から撮影すると、撮影される眼の範囲が狭くなって、検出精度が低下したり、検出が困難になったりすることがある。例えば、使用者が視線を撮像部の反対方向に向けているときには、黒眼が撮影されなくなり、視線の検出はできない。
【0006】
この不都合を解消する方法として、撮像部を視野の周辺部に配置するとともに、外部からの光を透過させて眼に導き、眼からの光を反射して撮像部に導く半透過性の反射光学素子を眼の前方に配置することが考えられる。このようにすると、視野が遮られるのを避けることができるだけでなく、正面付近から見た眼の像を撮影することが可能になって、確実にかつ精度よく視線の方向を検出することができる。
【0007】
ただし、半透過性の反射光学素子として、ごく一般的なハーフミラーを用いるのでは、外部からの光の一部が素子によって反射されて眼に入射しなくなるため、観察される外界の像の一部が暗くなってしまい、使用者に不自然な印象を与える。半透過性の反射光学素子として、特定の波長範囲の光を選択的に反射するダイクロイックミラーを用い、これによって反射される波長範囲の光を撮影に利用するようにすれば、外界の像の一部が暗くなるのを軽減することができる。
【0008】
しかしながら、ハーフミラーやダイクロイックミラーは光を正反射するため、それらの向きによって撮像部の位置が決まってしまい、それらと撮像部の配設位置に大きな制約が生じて、装置の小型化が難しくなる。例えば、ミラーを眼の直前に配置し、ミラーの真上または真下に撮像部を配置するときは、ミラーの前後方向の長さを上下方向の長さに等しくすることになり、厚くなってしまって、眼鏡型とするのに適さなくなる。
【0009】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、視野を遮り難く、しかも小型化が容易な視線検出装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明では、眼の像を撮影し、撮影した像から視線の方向を検出する視線検出装置は、眼を赤外光によって照明する照明ユニットと、前記照明の反射光を用いて眼の像を撮影する撮像手段と、前記照明ユニットからの光を、所定の回折角を有する回折によって進路を変えて、眼に導くとともに、眼からの反射光を、前記回折角を有する回折によって進路を変えて、撮像手段に導く導光手段とを備え、前記導光手段は、眼の前方からの可視光を全て透過させる一方、前記照明ユニットからの赤外光を反射して眼に導き、眼によって反射された赤外光を前記撮像手段と前記照明ユニットの方向に向けて反射する構成とする。
また、本発明では、眼の像を撮影し、撮影した像から視線の方向を検出する視線検出装置は、眼を赤外光によって照明する照明ユニットと、前記照明の反射光を用いて眼の像を撮影する撮像手段と、前記照明ユニットからの光を、回折によって進路を変えて、眼に導くとともに、眼からの反射光を、回折によって進路を変えて、撮像手段に導く導光手段とを備え、前記導光手段は、眼の前方からの可視光を全て透過させる一方、前記照明ユニットからの赤外光を反射して眼に導き、眼によって反射された赤外光を前記撮像手段と前記照明ユニットの方向に向けて反射する構成とする。
【0011】
この視線検出装置では、導光手段を備えたことで、撮像手段を視野の周辺部または視野外に配置しても眼の広い範囲を撮影することが可能であり、撮像手段によって視野が遮られるのを避けつつ、確実にかつ精度よく視線の方向を検出することができる。導光手段は回折光学素子であり、回折波長、回折角、回折効率等の回折条件の設定次第で、眼からの光を回折して撮像手段の方向に向かわせ、外部からの光を回折することなく透過させるようにすることが可能である。したがって、導光手段によって視野が遮られたり外界の像の一部が暗くなったりすることも避けられる。また、反射回折光を眼に導く設定とすることも、透過回折光を眼に導く設定とすることもできる。
【0012】
さらに、回折角を広い角度範囲の中から選択することが可能であり、これにより、導光手段と撮像手段の配設位置の自由度が高まり、装置の小型化が容易になる。例えば、導光手段を眼の直前に配置しその真上または真下に撮像手段を配置するときでも、導光手段を前後方向の長さが上下方向の長さの半分程度以下の薄型とすることができる。導光手段は微細な物理的凹凸から成る回折格子とすることが可能である。
【0013】
導光手段はホログラム光学素子とすることもできる。ホログラム光学素子は作製が容易であり、透明な材料の表面だけでなく、内部に設ける場合にも適する。
【0014】
上記の視線検出装置は、1対の透明板とこれらの透明板に取り付けられた1対の支持部材を有し、支持部材が頭部の側方に位置して側頭部で支持され、透明板が左右の眼の直前に位置するように、人の頭部に装着される装着手段を備え、導光手段が装着手段の透明板に設けられている構成とするとよい。装着部材は眼鏡型であり、日常生活での使用に便利な装置となる。前記照明ユニットおよび前記撮像手段は、前記支持部材に取り付けられていてもよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。第1の実施形態の視線検出装置1の要部の外観を図1に示し、その回路構成の概略を図2〜図4に模式的に示す。視線検出装置1は、装着ユニット20、撮像ユニット30、コントロールユニット40、表示ユニット50および照明ユニット60より成る。視線検出装置1は撮像ユニット30によって眼の像を撮影し、撮影した像における黒眼の位置から視線の方向を検出するもので、撮像ユニット30は使用者の頭部に装着される装着ユニット20に取り付けられている。
【0019】
装着ユニット20は、1対の透明板21L、21R、これらの透明板21L、21Rを連結する連結部材22、透明板21L、21Rの側端部に取り付けられ、透明板から遠い端部が湾曲した棒状の1対の支持部材23L、23R、および連結部材22に取り付けられ、連結部材22から遠い端部に面積の広い部分を有する1対の支持部材24L、24Rより成る。装着ユニット20が頭部に装着されたとき、透明板21L、21Rがそれぞれ左右の眼の直前に位置し、支持部材23L、23Rが左右から頭部を挟んで耳の上縁を含む側頭部で支持され、支持部材24L、24Rが鼻の上部両側部で支持される。すなわち、装着ユニット20は眼鏡型であり、透明板21L、21Rが一般の眼鏡のレンズに、支持部材23L、23Rがつる(テンプル)に、支持部材24L、24Rが鼻当てに相当する。
【0020】
撮像ユニット30は、一方の支持部材23Lに取り付けられており、支持部材23Lが取り付けられている透明板21Lに向けて配置されている。照明ユニット60も、支持部材23Lに取り付けられており、撮像ユニット30の近傍に位置して、透明板21Lに向けて配置されている。照明ユニット60には、赤外光を発する発光ダイオード、その駆動部、およびコントロールユニット40から無線で与えられる制御信号を受ける受信部が内蔵されている。
【0021】
透明板21Lの使用者の顔側の表面のうち中央よりもやや下方の部位には、微細な凹凸形状の周期的配列である回折格子25が設けられている。回折格子25は、前方からの可視光を全て透過させるように設定されている。したがって、回折格子25の存在により使用者が観察する外界の像の一部が暗くなることはない。回折格子25は、また、照明ユニット60からの赤外光を反射して眼に導き、眼によって反射された赤外光を撮像ユニット30と照明ユニット60の方向に向けて反射するように設定されている。
【0022】
視線検出装置1は、照明ユニット60からの赤外光によって眼を照明し、その反射光を用いて眼の像を撮影する。使用者の眼から撮像ユニット30に導かれる光は、使用者の眼の像だけでなく、眼の表面に映った外界の像も表すが、撮像ユニット30が撮影に用いる光を可視光ではなく赤外光としたことで、眼の像の認識に際して外界の像がノイズとなることが避けられ、像認識を誤りなく行うことができる。
【0023】
図2に示すように、撮像ユニット30は、光電変換を行うことによって光が表す像を撮影する撮像素子32、撮像素子32上に光を結像させる撮影レンズ31、撮像素子32を駆動する駆動部33、およびコントロールユニット40との間で無線によって通信を行う送受信部34を含む。撮像素子32は照明ユニット60が発する赤外光に対して感度を有する。
【0024】
送受信部34は、コントロールユニット40からの制御信号を受けて駆動部33に与え、駆動部33は与えられる制御信号に応じて、撮像素子32の光電変換と信号出力を制御する。撮像素子32の出力信号は送受信部34に与えられ、送受信部34は撮像素子32の出力信号をコントロールユニット40に送信する。なお、図示しないが、撮像ユニット30には各部に電力を供給する小型の電池が備えられている。
【0025】
図3に示すように、コントロールユニット40は、送受信部41、信号処理部42、視線方向判定部43、制御部44、出力部45、映像生成部46、および映像出力部47を含む。送受信部41は、撮像ユニット30の送受信部34と無線で通信し、制御信号を撮像ユニット30に与えるとともに、撮像素子32の出力信号を受けて信号処理部42に与える。送受信部41は照明ユニット60にも制御信号を与える。信号処理部42は、送受信部41から与えられる撮像素子32の出力信号にデジタル化を含む所定の処理を施して、撮影された画像を表す画像データを生成する。
【0026】
視線方向判定部43は、信号処理部42が生成した画像データのコントラストから黒眼の部分を検出して、撮影された像全体における黒眼の部分の位置から視線の方向を判定する。撮像素子32から視線方向判定部43までの一連の動作によって視線の方向が検出され、検出された視線の方向は制御部44に与えられる。制御部44は、コントロールユニット40内の各部の動作を制御するとともに、送受信部41を介して撮像ユニット30および駆動ユニット60の動作も制御する。
【0027】
視線検出装置1は、使用者が視線の方向によって表す意思に従ってテレビ等の外部機器を制御するためのインターフェースとして用いることを目的の1つとして開発されており、外部機器に制御信号を出力するための出力部45を有する。制御部44は、検出された視線の方向に応じて外部機器への制御信号を生成し、出力部45を介して出力する。
【0028】
視線の方向と外部機器の制御とを対応づけ、また、所望の制御をするために使用者がどの方向に視線を向けるべきかを案内するために、視線検出装置1は、いくつかの選択肢を表す映像を表示して使用者に提供する。このために、視線検出装置1は表示ユニット50を有しており、コントロールユニット40には、映像生成部46と映像出力部47が設けられている。映像生成部46は表示する映像を表す映像信号を生成し、映像出力部47はその映像信号と制御信号を表示ユニット50に出力する。制御部44は映像生成部46による映像信号の生成も制御する。
【0029】
図4に示すように、表示ユニット50は、表示素子51、コンデンサレンズ52、光源部53、駆動部54、および受信部55を含む。表示素子51は小さな透過型の液晶表示器である。光源部53は発光ダイオードより成り、表示素子51を照明するためのバックライトを供給する。コンデンサレンズ52は光源部53からの光を略平行光として表示素子51に導く。駆動部54は、映像信号に応じて表示素子51を駆動し、制御信号に応じて光源部53を制御する。受信部55は、コントロールユニット40の映像出力部47から映像信号と制御信号を受けて、駆動部54に与える。
【0030】
コントロールユニット40と表示ユニット50はケーブル70によって接続されており、映像信号および制御信号はケーブル70を介して送信される。表示ユニット50の各部への電力供給もケーブル70を介してコントロールユニット40から行われる。なお、撮像ユニット30と同様に、表示ユニット50も無線でコントロールユニット40と通信するようにしてもよい。
【0031】
図1に示すように、表示ユニット50は、装着ユニット20の透明板21Rの上縁に取り付けられている。表示ユニット50と透明板21Rの断面を図5に示す。表示素子51からの映像光は透明板21Rの上端面から透明板21Rの内部に入り、対向する2つの表面で全反射されながら下方に向かう。透明板21Rの中央部には表面に対して傾斜したホログラム光学素子26が埋設されており、ホログラム光学素子26は映像光を反射して使用者の眼に入射させ、表示素子51に表示された映像の拡大虚像を提供する。ホログラム光学素子26は外部からの光を全て透過させるように回折条件を設定されており、視野の妨げとはならない。
【0032】
テレビを制御する場合を例にとって、視線検出装置1が提供する映像の例を図6に示す。映像の右上部には、テレビの電源のオンとオフを指示する2つの選択肢が示されており、左部にはチャンネルの切り替えおよび音量の調節を指示する4つの選択肢が示されている。また、右下部には、制御の対象を他の機器に切り替えることを指示する選択肢と、視線の基準方向を再設定することを指示する選択肢が示されている。コントロールユニット40の制御部44は、検出された視線の方向にいずれかの選択肢が位置し、その視線の方向が所定時間(例えば5〜10秒)変化しないときに、使用者がその選択肢を選択したと判断して、その選択肢に対応する制御信号を生成する。
【0033】
視線の基準方向を再設定するのは、真正面を注視するときでも黒眼の位置が使用者ごとに相違するのを考慮して、視線検出装置1を個々の使用者に適合させるためである。また、何らかの理由で、検出される視線の方向が実際の使用者の視線の方向に合致しなくなった場合に、適切に検出を行い得るようにするためでもある。使用者が視線の基準方向を再設定することを指示した場合に表示する映像の例を図7に示す。所定の印を所定時間注視すべき旨のメッセージが示され、注視すべき印が映像の中央に表される。制御部44は、この間に検出された視線の方向を視線の基準方向として、その後の視線の方向の取り扱いに利用する。
【0034】
なお、視線検出装置1は、右眼に映像を提供し左眼の像を撮影して視線の方向を検出しているが、人の左右の眼は連動するから、このように映像を提供する眼と視線を検出する眼を同じにしなくても、映像を観察しようとする視線の方向を検出することが可能である。
【0035】
視線検出装置1は、外部機器の制御のためのインターフェースとして利用することができるほか、映像の鑑賞のためにも利用することができる。この場合、検出された視線の方向に応じた映像を提供することが可能であり、これにより、使用者は高い臨場感を味わうことができる。
【0036】
第2の実施形態の視線検出装置2の要部を図8に示す。この視線検出装置2は、第1の実施形態の視線検出装置1を修飾して、回折格子25をホログラム光学素子27に替えたものである。ホログラム光学素子27は、前方からの可視光を全て透過させるように回折条件を設定されている。したがって、ホログラム光学素子27の存在により使用者が観察する外界の像の一部が暗くなることはない。ホログラム光学素子27は、また、照明ユニット60からの赤外光を反射して眼に導き、眼によって反射された赤外光を撮像ユニット30と照明ユニット60の方向に向けて反射するように回折条件を設定されている。
【0037】
ホログラム光学素子27は、感光材料を透明板21Lの表面に塗布した状態でホログラム露光を行うことによって作製することができる。また、フィルム状のホログラム光学素子27を別途作製しておき、これを透明板21Lの表面に貼り付けるようにしてもよい。装着ユニット20、コントロールユニット40、表示ユニット50および照明ユニット60の構成は視線検出装置1と同様であり、重複する説明は省略する。
【0038】
第3の実施形態の視線検出装置3の要部を図9に示す。この視線検出装置3は第1、第2の実施形態の視線検出装置1、2のものと同様の装着ユニット20、コントロールユニット40、および表示ユニット50を有している。撮像ユニット30は、視線検出装置1、2のものと類似の構成であるが、透明板21Lの上縁に取り付けられている。また、照明ユニット60は省略されており、視線検出装置3は外部からの光を利用して眼の像を撮影する。したがって、撮像素子32としては可視光に対して感度を有するものを用いている。
【0039】
撮像ユニット30と透明板21Lの断面を図10に示す。透明板21Lの中央部には表面に対して傾斜したホログラム光学素子28が埋設されている。ホログラム光学素子28は、前方からの光を全て透過させて眼に導き、眼からの光を反射して透明板21L内を進行させるように回折条件を設定されている。ホログラム光学素子28によって反射された眼からの光は、透明板21Lの2つの表面で全反射されながら端面に達し、端面から出射して撮像素子32入射する。
【0040】
ホログラム光学素子28の回折条件は、素子全体にわたって一様には設定されておらず、パワーを有し、眼からの光を撮像素子32上に結像させるように設定されている。したがって、撮影レンズは不要であり、視線検出装置3では撮影レンズ31は省略されている。
【0041】
図9に示すように、コントロールユニット40と表示ユニット50を接続するケーブル70は撮像ユニット30にまで延設されており、コントロールユニット40の送受信部41と撮像ユニット30の送受信部34はケーブル70を介して通信を行う。撮像ユニット30の電力もケーブル70を介してコントロールユニット40から供給される。
【0042】
外部からの光を利用して眼の像を撮影する視線検出装置3では、眼の表面に映った外界の像が眼自体の像のコントラストを低下させて、検出精度が低下するおそれがある。これを防止するためには、特定の波長域の光のみを透過させるバンドパスフィルタ、特定の直線偏光のみを透過させる偏光板等の選択透過素子を備えて、外界の像を表す光を低減すればよい。撮像ユニット30にこのような選択透過素子を備えた構成を図11に示す。ここでは、選択透過素子35を透明板21Lの端面に設けている。
【0043】
第4の実施形態の視線検出装置4の要部を図12に示す。この視線検出装置4は第3の実施形態の視線検出装置3を修飾して、撮像ユニット30と表示ユニット50とを一体にし、透明板21Rの上縁に取り付けたものである。これらの断面を図13に示す。撮像素子32は表示素子51を取り囲むように配置されている。
【0044】
透明板21Rの中央部には、前述の映像提供のためのホログラム光学素子26と撮像のためのホログラム光学素子28とを兼ねるホログラム光学素子29が埋設されている。表示素子51からホログラム光学素子29に向かう映像光と、ホログラム光学素子29から撮像素子32に向かう眼からの光は、透明板21R内の略同じ部位を逆方向に進行する。
【0045】
視線検出装置4の変形例の構成を図14に示す。これは、撮像素子32を表示素子51からの映像光の光路の傍らに配置するとともに、透明板21Rの端面に上述の選択透過素子35を設けたものである。
【0046】
第5の実施形態の視線検出装置5の要部を図15に示す。この視線検出装置5は、撮像ユニット30と表示ユニット50を一体にした第4の実施形態の視線検出装置4を修飾して、撮像素子32と表示素子51を左右に並べて配置したものである。映像提供のためのホログラム光学素子26と撮像のためのホログラム光学素子28も、透明板21Rの中央部に左右に並べて配置されている。
【0047】
第6の実施形態の視線検出装置6の要部を図16に示す。この視線検出装置6は、第3の実施形態の視線検出装置3を修飾して、表示ユニット50が取り付けられている透明板21Rの下縁に撮像ユニット30を取り付けたものである。透明板21Rの中央部には、映像提供のためのホログラム光学素子26と撮像のためのホログラム光学素子28が、傾斜方向を逆にして上下に並べて埋設されている。
【0048】
第7の実施形態の視線検出装置7の要部を図17に示す。この視線検出装置7は、視線検出装置6を修飾して、映像提供のためのホログラム光学素子26と撮像のためのホログラム光学素子28とを兼ねるホログラム光学素子29aを透明板21Rの中央部に埋設したものである。ホログラム光学素子29aは表示素子51からの映像光を反射して眼に導くとともに、眼からの光を透過させて撮像素子32に導くように設定されている。
【0049】
第8の実施形態の視線検出装置8の要部を図18に示す。この視線検出装置8は、視力矯正用の一般の眼鏡に取り付け得るようにしたものであり、上縁に撮像ユニット30を取り付け、中央部にホログラム光学素子28を埋設した透明板21Lと、上縁に表示ユニット50を取り付け、中央部にホログラム光学素子26を埋設した透明板21Rとを含む。図18は、眼鏡に取り付けた状態の視線検出装置8を表している。透明板21L、21Rは、両端部に爪21aが設けられており、爪21aで挟むようにして眼鏡のレンズに取り付けられ、取り外しも可能である。
【0050】
なお、第1〜第7の実施形態の視線検出装置1〜7では透明板21L、21Rを平行平板としているが、透明板21L、21Rにパワーをもたせて、視線検出装置1〜7が視力矯正の機能も有するようにしてもよい。また、ここでは日常の生活に適するように装着ユニット20を眼鏡型とする例を掲げたが、装着ユニットはゴーグル型、ヘルメット型等、他の形状としてもかまわない。
【0051】
眼の像を撮影し、撮影した像から視線の方向を検出する視線検出装置において、本発明のように、眼を赤外光によって照明する照明ユニットと、前記照明の反射光を用いて眼の像を撮影する撮像手段と、前記照明ユニットからの光を、(所定の回折角を有する)回折によって進路を変えて、眼に導くとともに、眼からの反射光を、(前記回折角を有する)回折によって進路を変えて、撮像手段に導く導光手段とを備え、前記導光手段は、眼の前方からの可視光を全て透過させる一方、前記照明ユニットからの赤外光を反射して眼に導き、眼によって反射された赤外光を前記撮像手段と前記照明ユニットの方向に向けて反射する構成とすると、撮像手段を視野の周辺部または視野外に配置しても眼の広い範囲を撮影することが可能であり、撮像手段によって視野が遮られるのを避けつつ、確実にかつ精度よく視線の方向を検出することができる。しかも、導光手段は回折光学素子であり、眼からの光を回折して撮像手段の方向に向かわせながらも、外部からの光を回折することなく透過させるようにすることが可能であるから、導光手段によって視野が遮られたり外界の像の一部が暗くなったりすることも避けられる。さらに、回折角を広い角度範囲の中から選択することができるため、導光手段と撮像手段の配設位置の自由度が高まって、装置の小型化が容易になり、導光手段自体の前後方向の長さを抑えることもできる。
【0052】
導光手段をホログラム光学素子とすると、透明な材料の表面だけでなく、内部に設けることも容易になる。
【0053】
1対の透明板とこれらの透明板に取り付けられた1対の支持部材を有し、支持部材が頭部の側方に位置して側頭部で支持され、透明板が左右の眼の直前に位置するように、人の頭部に装着される装着手段を備え、導光手段が装着手段の透明板に設けられている構成とすると、眼鏡型の装置となって、日常生活での使用に便利である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施形態の視線検出装置の要部の外観を示す斜視図。
【図2】 第1の実施形態の視線検出装置の撮像ユニットの回路構成を模式的に示すブロック図。
【図3】 第1の実施形態の視線検出装置のコントロールユニットの回路構成を模式的に示すブロック図。
【図4】 第1の実施形態の視線検出装置の表示ユニットの回路構成を模式的に示すブロック図。
【図5】 第1の実施形態の視線検出装置の光学構成の要部を示す断面図。
【図6】 第1の実施形態の視線検出装置が案内のために提供する映像の例を示す図。
【図7】 第1の実施形態の視線検出装置が視線の基準方向の再設定のために提供する映像の例を示す図。
【図8】 第2の実施形態の視線検出装置の要部の外観を示す斜視図。
【図9】 第3の実施形態の視線検出装置の要部の外観を示す斜視図。
【図10】 第3の実施形態の視線検出装置の光学構成の要部を示す断面図。
【図11】 第3の実施形態の視線検出装置の光学構成の変形例を示す断面図。
【図12】 第4の実施形態の視線検出装置の要部の外観を示す斜視図。
【図13】 第4の実施形態の視線検出装置の光学構成の要部を示す断面図。
【図14】 第4の実施形態の視線検出装置の光学構成の変形例を示す断面図。
【図15】 第5の実施形態の視線検出装置の要部の外観を示す斜視図。
【図16】 第6の実施形態の視線検出装置の光学構成の要部を示す断面図。
【図17】 第7の実施形態の視線検出装置の光学構成の要部を示す断面図。
【図18】 第8の実施形態の視線検出装置の要部の外観を示す斜視図。
【符号の説明】
1〜8 視線検出装置
20 装着ユニット
21L、21R 透明板
22 連結部材
23L、23R 支持部材
24L、24R 支持部材
25 回折格子
26 ホログラム光学素子
27 ホログラム光学素子
28 ホログラム光学素子
29 ホログラム光学素子
29a ホログラム光学素子
30 撮像ユニット
31 撮影レンズ
32 撮像素子
33 駆動部
34 送受信部
35 選択透過素子
40 コントロールユニット
41 送受信部
42 信号処理部
43 視線方向判定部
44 制御部
45 出力部
46 映像生成部
47 映像出力部
50 表示ユニット
51 表示素子
52 コンデンサレンズ
53 光源部
54 駆動部
55 受信部
60 照明ユニット
70 ケーブル

Claims (5)

  1. 眼の像を撮影し、撮影した像から視線の方向を検出する視線検出装置において、
    眼を赤外光によって照明する照明ユニットと、
    前記照明の反射光を用いて眼の像を撮影する撮像手段と、
    前記照明ユニットからの光を、所定の回折角を有する回折によって進路を変えて、眼に導くとともに、眼からの反射光を、前記回折角を有する回折によって進路を変えて、撮像手段に導く導光手段とを備え、
    前記導光手段は、眼の前方からの可視光を全て透過させる一方、前記照明ユニットからの赤外光を反射して眼に導き、眼によって反射された赤外光を前記撮像手段と前記照明ユニットの方向に向けて反射することを特徴とする視線検出装置。
  2. 眼の像を撮影し、撮影した像から視線の方向を検出する視線検出装置において、
    眼を赤外光によって照明する照明ユニットと、
    前記照明の反射光を用いて眼の像を撮影する撮像手段と、
    前記照明ユニットからの光を、回折によって進路を変えて、眼に導くとともに、眼からの反射光を、回折によって進路を変えて、撮像手段に導く導光手段とを備え、
    前記導光手段は、眼の前方からの可視光を全て透過させる一方、前記照明ユニットからの赤外光を反射して眼に導き、眼によって反射された赤外光を前記撮像手段と前記照明ユニットの方向に向けて反射することを特徴とする視線検出装置。
  3. 導光手段がホログラム光学素子であることを特徴とする請求項1または2に記載の視線検出装置。
  4. 1対の透明板とこれらの透明板に取り付けられた1対の支持部材を有し、支持部材が頭部の側方に位置して側頭部で支持され、透明板が左右の眼の直前に位置するように、人の頭部に装着される装着手段を備え、
    導光手段が装着手段の透明板に設けられていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の視線検出装置。
  5. 前記照明ユニットおよび前記撮像手段が、前記支持部材に取り付けられていることを特徴とする請求項4に記載の視線検出装置。
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