JP3924234B2 - ハーネスプロテクタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車などの車体に沿って配索されるワイヤハーネスを保護するためのハーネスプロテクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図6には、従来のハーネスプロテクタの一例が示されている(特許文献1)。
【0003】
ハーネスプロテクタは、車体等に配索されるワイヤハーネスを保護するためのものである。図示するハーネスプロテクタ70の上部は開口形成されていて、開口からワイヤハーネス77が寝かされた状態で収納されるようになっている。
【0004】
このハーネスプロテクタ70は、長樋状の幹線挿通部71が主体部とされ、主体部の端部に短樋状の分岐線導出部72が突出して設けられている。この例では、分岐線導出部72が3箇所に設けられているが、分岐線導出部72の数は任意である。
【0005】
車両内において、ハーネスプロテクタ70の設置スペースの採れない箇所には、分岐線導出部72を設けることができないため、幹線挿通部71に切欠状の開口部73が設けられている。本例では、両側の側壁74に一つずつ開口部73が設けられているが、数を制限するものではない。
【0006】
幹線挿通部71のワイヤハーネス77は、側壁74内面に突設された突出片75の下側に収容され、突出片75の弾性力によって上から押し付けられ、外側に抜け出すことが防止されている。分岐線導出部72の内側には、モールディング78やテーピング等の手段によって分岐線77aが固定されている。開口部73のワイヤハーネス77は、分岐線77aがそのまま外側に導出している。
【0007】
ハーネスプロテクタ70の外側に導出されたワイヤハーネス77(分岐線77a)の先端部には、複数の端子収容室81を有するコネクタ80が取り付けられている。端子収容室81には、ワイヤハーネス77を構成する各電線の端末に接続された端子(図示せず)が収容保持されている。コネクタ80には、各種の車両搭載部品や制御装置などの相手方コネクタ(図示せず)が接続され、バッテリーからの電源電流の供給や信号電流のやりとりが行われるようになっている。
【0008】
【特許文献1】
実公平6−49060号公報(第1頁、第4図)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記従来のハーネスプロテクタ70では、解決すべき以下の問題点がある。
【0010】
一つには、ハーネスプロテクタ70が車両走行中の振動によってがたつきを生じる心配がある。ハーネスプロテクタ70は、車体パネルにねじやボルト等の締結部材で固着されたり、車体パネルから突出するブラケットに固定されたりするものであるが、取付状態や取付位置によっては、がたつきを生じることがある。
【0011】
ハーネスプロテクタ70ががたつきを生じると、ワイヤハーネス77がハーネスプロテクタ70のエッジに擦れ、断線などの損傷を生じ、電気的接続の信頼性が損なわれることとなる。特に、開口部73に位置するワイヤハーネス77は、絶縁被覆部がエッジと擦れ合って切れたりすることがある。
【0012】
また一つには、開口形成されたハーネスプロテクタ70の上部がカバーで覆われていないため、車両走行中の振動により、ワイヤハーネス77が突出片75を押し上げて、ハーネスプロテクタ70の外側に抜け出す心配もある。ハーネスプロテクタ70の外側に導出されたワイヤハーネス77は、何ら固定されていないため、車両の振動とともにばたつき、コネクタ同士が外れる心配もある。
【0013】
本発明は、上記した点に鑑み、車両走行中の振動によるがたつきを軽減し、プロテクタ本体の搭載安定性を高めることができ、コネクタ接続の信頼性を向上することができるハーネスプロテクタを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、端部にコネクタが接続されたワイヤハーネスを挿通する長樋状のプロテクタ本体と、該プロテクタ本体の上部開口に対応する形状をなしていて前記プロテクタ本体の上部開口に合体するプロテクタカバーとでワイヤハーネスを保護するハーネスプロテクタにおいて、前記プロテクタ本体に、前記ワイヤハーネス端部に接続されたハーネス側コネクタを装着するための凹状のコネクタ装着部が開口形成され、前記プロテクタカバーには、前記コネクタ装着部に対応するように、機器側に直付けされた機器側コネクタに当接するへら状の当て板部が突出形成され、ハーネス側コネクタをコネクタ装着部に装着することにより該ハーネス側コネクタの相対的な動きを拘束すると共にプロテクタ本体にプロテクタカバーを合体させた状態で前記当て板部を機器側コネクタに当接することによりハーネスプロテクタの相対的な動きを拘束するようにしたことを特徴とする。
【0015】
上記構成によれば、プロテクタ本体とプロテクタカバーとが合体することで、車体に沿って配索されるワイヤハーネスが外部干渉などから保護されて、電気的接続の信頼性が維持され、プロテクタ本体からのワイヤハーネスの抜け出しが防止される。
【0016】
そして、ハーネス側コネクタがコネクタ装着部に装着されることで、ハーネス側コネクタの相対的な動きが拘束され、車両振動によるコネクタのがたつきが防止され、相嵌合するコネクタが抜け外れることがなくなり、コネクタ接続の信頼性が高まる。
【0017】
また、当て板部が固定側コネクタに当接することで、ハーネスプロテクタの相対的な動きが拘束され、車両振動によるハーネスプロテクタのがたつきが防止され、ハーネスプロテクタの搭載安定性が向上する。
【0018】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載のハーネスプロテクタにおいて、前記当て板部が水平部と垂直部とが交差する壁部で構成されたことを特徴とする。
上記構成によれば、当て板部の交差する壁部が固定側コネクタに2面拘束状態で当接するから、ハーネスプロテクタの平面的な動きが拘束されて、ハーネスプロテクタの互いに直交する2方向のがたつきが防止される。
【0019】
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載のハーネスプロテクタにおいて、前記プロテクタカバーが、ヒンジ部により接続された固定カバーと開閉カバーとからなり、該開閉カバーに前記当て板部が設けられたことを特徴とする。
【0020】
上記構成によれば、プロテクタカバーが固定カバーと開閉カバーとからなっているから、ハーネス側コネクタに固定側コネクタを接続する際には開閉カバーを開けながらコネクタ接続が行われ、接続後は開閉カバーを閉じることでコネクタがハーネスプロテクタに固定される。また、当て板部が開閉カバーに形成されているから、開閉カバーを閉じることで、固定側コネクタに当て板部を押し当てることができる。
【0021】
また、請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか1項に記載のハーネスプロテクタにおいて、前記プロテクタ本体の一端部側に、ブラケットに係合するブラケット装着部が設けられ、前記当て板部が該プロテクタ本体の他端部側に位置することを特徴とする。
【0022】
上記構成によれば、ハーネスプロテクタがブラケットと固定側コネクタとに2点で支持された状態となり、相乗効果によりハーネスプロテクタのがたつきがより一層確実に防止される。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態の具体例を図面を用いて詳細に説明する。
図1〜4は、本発明に係るハーネスプロテクタの一実施形態を示すものである。
【0024】
図示する構成から明らかなように、本発明は、ワイヤハーネス11を挿通させるための上部開口の長樋状のプロテクタ本体12に凹状のコネクタ装着部28が開口形成され、該プロテクタ本体12の上部開口に対応する形状をなしていて前記プロテクタ本体の上部開口に合体するプロテクタカバー13に、前記コネクタ装着部28に対応する位置で、機器側に直付された機器側コネクタ62に当接する当て板部58が突出形成されたことを第1の特徴としている。
【0025】
プロテクタ本体12にコネクタ装着部28が開口形成されることで、ハーネス側コネクタの相対的な動きが拘束され、車両振動によるハーネス側コネクタのがたつきが防止され、相嵌合するコネクタ同士が抜け外れることがなくなり、コネクタ接続の信頼性が高まるようになっている。当て板部58については後述するが、当て板部58が相手方の機器側コネクタ62に当接することで、ハーネスプロテクタ10の相対的な動きが拘束され、車両振動によるハーネスプロテクタ10のがたつきが防止されるようになっている。
【0026】
プロテクタカバー13は、ハーネスプロテクタ10の上部開口15に対応した形状に形成されており、ヒンジ部49で連結された固定カバー13a及び開閉カバー13bからなっている。
【0027】
開閉カバー13bには、プロテクタ本体12のコネクタ装着部28と対応する位置で、機器側コネクタ62に当接する当て板部58が設けられている。当て板部58は、細長いへら状の板片であって互いに交差する壁部で構成され、側壁48の外側に突出形成されている。
【0028】
このような構成によれば、ハーネス側コネクタに機器側コネクタ62を接続する際には開閉カバー13bを開けながらコネクタ接続が行われ、接続後は開閉カバー13bを閉じることでコネクタがハーネスプロテクタ10に固定される。開閉カバー13bを閉じることで、機器側コネクタ62に当て板部58を押し当てることができる。
【0029】
また、当て板部58は図からも明らかなように、水平部と垂直部とが互いに交差する壁部で構成することで、当て板部58が機器側コネクタ62に2面拘束状態で当接し、ハーネスプロテクタ10の平面的な動きが拘束され、ハーネスプロテクタ10の互いに直交する2方向のがたつきが防止される。
【0030】
また、当て板部58は、ブラケット装着部30に対してプロテクタ本体12の長手方向の反対側に位置しているため、ブラケット装着部30はブラケット55に支持固定され、当て板部58は機器側コネクタ62に当接支持されて、ハーネスプロテクタ10は両側の2点で支持された状態となる。このため、相乗効果によりハーネスプロテクタ10のがたつきがより確実に防止されるようになっている。
【0031】
プロテクタ本体12に対するプロテクタカバー13の取り付けは、プロテクタ本体12の上部開口15に、プロテクタカバー13を対向するように位置させ、プロテクタカバー13をプロテクタ本体12に接近させ、係止枠29に係止片50を差し込み係止させることにより行われる。
【0032】
このような本実施形態の構成によれば、ハーネスプロテクタ10の自由端側に位置する当て板部58が機器側コネクタ62に当接することで、ハーネスプロテクタ10の相対的な動きが拘束され、車両振動によるハーネスプロテクタ10のがたつきが防止される。また、プロテクタカバー13を開閉自在とした開閉カバー13bに当て板部58を形成することで、コネクタ同士の接続作業性が損なわれることなく、当て板部58を機器側コネクタ62に押し付けることができる。さらに、ハーネスプロテクタ10がブラケット55と機器側コネクタ62に2点で支持されるから、ハーネスプロテクタ10のがたつきがより一層確実に防止される。
【0033】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1記載の発明によれば、プロテクタ本体には凹状のコネクタ装着部が開口形成されているから、ハーネス側コネクタがコネクタ装着部に装着されることでその相対的な動きが拘束され、また、プロテクタカバーには当て板部が形成されているから、当て板部が機器側コネクタに当接することでハーネスプロテクタの車両搭載機器に対する相対的な動きが拘束される。従って、コネクタのがたつきや、ハーネスプロテクタのがたつきが防止されて、コネクタ接続の信頼性及びハーネスプロテクタの搭載安定性が向上する。
【0034】
また、請求項2記載の発明によれば、当て板部の水平部と垂直部とが交差する壁部が固定側コネクタに2面拘束状態で当接するから、ハーネスプロテクタの平面的な動きが拘束され、ハーネスプロテクタの互いに直交する2方向のがたつきが防止される。従って、コネクタ接続の信頼性及びハーネスプロテクタの搭載安定性がより一層向上する。
【0035】
また、請求項3記載の発明によれば、プロテクタカバーが固定カバーと開閉カバーとからなっているから、開閉カバーを開けることで、コネクタ同士の接続を容易に行うことができ、接続後は開閉カバーを閉じることで、ハーネスプロテクタにコネクタを固定することができ、機器側コネクタに当て板部を押し当てることができる。従って、コネクタ同士の接続作業性が損なわれることなく、機器側コネクタに当て板部を押し当てることができ、ハーネスプロテクタの組付作業性が向上する。
【0036】
また、請求項4記載の発明によれば、当て板部がブラケット装着部の反対側に位置するから、ハーネスプロテクタがブラケットと機器側コネクタとに2点で支持された状態となる。従って、相乗効果によりハーネスプロテクタのがたつきがより一層確実に防止される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るハーネスプロテクタの概略構成を示す全体斜視図である。
【図2】図1に示すハーネスプロテクタの側面図である。
【図3】図1に示すハーネスプロテクタの底面図である。
【図4】図1に示すハーネスプロテクタの分解斜視図である。
【図5】図1に示すハーネスプロテクタの平面図である。
【図6】従来のハーネスプロテクタの一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
10 ハーネスプロテクタ
12 プロテクタ本体
13 プロテクタカバー
13a 固定カバー
13b 開閉カバー
28 コネクタ装着部
30 ブラケット装着部
49 ヒンジ部
55 ブラケット
58 当て板部
62 機器側コネクタ(固定側コネクタ)

Claims (4)

  1. 端部にコネクタが接続されたワイヤハーネスを挿通する長樋状のプロテクタ本体と、該プロテクタ本体の上部開口に対応する形状をなしていて前記プロテクタ本体の上部開口に合体するプロテクタカバーとでワイヤハーネスを保護するハーネスプロテクタにおいて、
    前記プロテクタ本体に、前記ワイヤハーネス端部に接続されたハーネス側コネクタを装着するための凹状のコネクタ装着部が開口形成され、前記プロテクタカバーには、前記コネクタ装着部に対応するように、機器側に直付けされた機器側コネクタに当接するへら状の当て板部が突出形成され、ハーネス側コネクタをコネクタ装着部に装着することにより該ハーネス側コネクタの相対的な動きを拘束すると共にプロテクタ本体にプロテクタカバーを合体させた状態で前記当て板部を機器側コネクタに当接することによりハーネスプロテクタの相対的な動きを拘束するようにしたことを特徴とするハーネスプロテクタ。
  2. 前記当て板部が水平部と垂直部とが交差する壁部で構成されたことを特徴とする請求項1記載のハーネスプロテクタ。
  3. 前記プロテクタカバーが、ヒンジ部により接続された固定カバーと開閉カバーとからなり、該開閉カバーに前記当て板部が設けられたことを特徴とする請求項1又は2記載のハーネスプロテクタ。
  4. 前記プロテクタ本体の一端部側に、ブラケットに係合するブラケット装着部が設けられ、前記当て板部が該プロテクタ本体の他端部側に位置することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載のハーネスプロテクタ。
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