JP3924075B2 - フィルタのリーク試験装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、原子力発電所の活性炭フィルタのバイパスリーク試験等のように、試料ガスをガスクロマトグラフに注入する前に濃縮する必要がある試験に用いて好適なフィルタのリーク試験装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
原子力発電所においては、安全性の面から活性炭フィルタが設けられている。この活性炭フィルタに対しては、原子力発電所に据え付けられた後に、バイパスリーク試験が行われる。このバイパスリーク試験は、ガスサンプリング装置によって活性炭フィルタの上下流側から試料ガスを採取して行われる。ガスの分析用機器としてはガスクロマトグラフが用いられる。
【0003】
このリーク試験に用いる試料ガスとして、従来はフロンR−112が使用されていた。このフロンR−112の場合、その濃度がガスクロマトグラフの検出限度を越える場合があるため、希釈する必要が生じた。このため本願出願人は、フロンR−112を自動的に希釈する「ガス希釈装置」(特公平5−64729)を提案した。
【0004】
ところが、標準試料として用いていたフロンR−112は、地球環境保全の観点から使用が制限される方向になったため、近年はこのフロンR−112に代わる試料ガスが使用されるようになってきた。例えば、フロンR−112の代替えとしてフッ素化炭化水素等が使用されるようになってきた。
【0005】
しかし、このフッ素化炭化水素等を試料ガスとして使用する場合、フロンR−112と異なり、その濃度がガスクロマトグラフの検出限度に満たないことがある。この場合、そのままの状態では正確なリーク試験ができないため、「ガス濃縮装置」を用いる必要がある。そして、この「ガス濃縮装置」の技術は、前記「ガス希釈装置」を応用して開発された。
【0006】
これにより、試料ガスは、ガス濃縮装置で濃縮されたあとガスクロマトグラフに注入されて検出が行われる。
【0007】
また、ガスクロマトグラフの校正を行うときは、このガスクロマトグラフで検出できる一定濃度にまで予め濃縮された標準試料が用いられる。この濃縮された標準試料が直接ガスクロマトグラフに注入され、その標準試料の濃度を基準にしてガスクロマトグラフの校正が行われる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、前述の場合、一定温度に調整された校正用の標準試料は、直接にガスクロマトグラフに注入されるため、現実の検査対象である試料ガスの経路と異なり、濃縮装置を経由しないことになる。この濃縮装置は、予め設計された寸法、性能等に合わせて製造されるが、その濃縮性能が設定値と完全に一致することはほとんどなく、多少の誤差が生じてしまう。
【0009】
このため、標準試料(ガスクロマトグラフに直接に注入して校正するために予め用意された一定濃度の標準試料)と、現実の検査対象である試料ガスとでは、濃縮装置の誤差の分だけ濃縮率に違いが生じてしまう。そして、この濃縮率の違いは校正の誤差となり、高精度のリーク試験を行うことができないという問題点がある。
【0010】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたもので、濃縮装置の誤差を吸収して高精度のリーク試験を行うことができるフィルタのリーク試験装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
第1の発明に係るフィルタのリーク試験装置は、試料気体を分析するガスクロマトグラフと、フィルタの上流側又は下流側から試料気体を取り込んで計量し、動作モードに応じて濃縮して前記ガスクロマトグラフに送る試料気体取込み部とを備えたフィルタのリーク試験装置において、前記ガスクロマトグラフの校正用の標準試料を、一旦希釈してから前記試料気体取込み部内の前記試料気体の経路に通して、前記試料気体と同様に計量及び濃縮するガスクロマトグラフ校正用試料希釈濃縮回路を備えたことを特徴とする。
【0012】
前記構成により、ガスクロマトグラフ校正用試料希釈濃縮回路に通された標準試料は、一旦希釈され、試料気体取込み部内の試料気体の経路に通される。これにより、標準試料は試料気体と同様の経路を通って、試料気体と同様の処理が施される。この結果、標準試料は、試料気体取込み部内に設けられた種々の機器等の誤差を取り込んだ状態で、ガスクロマトグラフを正確に校正することができる。
【0013】
第2の発明に係るフィルタのリーク試験装置は、前記試料気体取込み部が、フィルタの上流側に接続された上流側接続系と、フィルタの下流側に接続された下流側接続系とからなり、前記上流側接続系は、フィルタの上流側の試料気体を取り込む上流側接続管と、この上流側接続管に接続され、取り込んだ試料気体を計量する上流側計量管と、この上流側計量管で計量した試料空気を前記ガスクロマトグラフに送ると共に前記上流側接続管、上流側計量管及びガスクロマトグラフの間の接続を適宜切り換える切換弁とからなり、前記下流側接続系は、フィルタの下流側の試料気体を取り込む下流側接続管と、この下流側接続管に接続され、取り込んだ試料気体を計量する下流側計量管と、この下流側計量管に接続され、計量された試料気体を濃縮する濃縮装置と、この濃縮装置で濃縮した試料気体を前記ガスクロマトグラフに送ると共に前記下流側接続管、下流側計量管、濃縮装置及びガスクロマトグラフの間の接続を適宜切り換える切換弁とからなることを特徴とする。
【0014】
前記構成により、上流側接続系においては、上流側接続管は、フィルタの上流側の試料気体を取り込む。上流側計量管は、上流側接続管に接続され、取り込んだ試料気体を計量する。この上流側計量管で計量した試料空気は、切換弁によって、ガスクロマトグラフに送られる。下流側接続系においては、下流側接続管は、フィルタの下流側の試料気体を取り込む。下流側計量管は、下流側接続管に接続され、取り込んだ試料気体を計量する。この下流側計量管で計量された試料気体は、濃縮装置で濃縮され、切換弁で切り換えられてガスクロマトグラフに送られる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るガスクロマトグラフ校正用試料希釈濃縮装置の実施形態を添付図面に基づいて説明する。本装置は、ガスクロマトグラフの校正時に、標準試料を実際のリーク試験時の検出経路に通して、検出精度を向上させたものである。
【0016】
バイパスリーク試験装置は図1に示すように構成されている。このバイパスリーク試験装置では、活性炭フィルタ(図示せず)の上流側の空気試料と下流側の空気試料がサンプリングのために2系統で取り込まれる。このため、2つの入口Ia1,Ia2と、それぞれに対応した出口O1,O2とを有する2系統の経路が設けられている。
【0017】
活性炭フィルタの上流側は入口Ia1に、下流側は入口Ia2にそれぞれ接続されている。出口O1とO2はそれぞれ吸引ポンプ(図示せず)に接続され、活性炭フィルタの上流側及び下流側の空気試料を適切な吸引量で吸引する。
【0018】
各入口Ia1,Ia2と出口O1,O2とを結ぶ接続管1,2には、入口Ia1,Ia2側から順に、エアフィルタAF1,AF2がそれぞれ設けられている。さらに、各接続管1,2には、一対の六方弁6V1,6V2及び6V3,6V4からなる経路切換部3,4がそれぞれ接続されている。
【0019】
経路切換部3では、六方弁6V2が直接に接続管1に接続されている。六方弁6V2には、計量管L1、六方弁6V1及び入口Ig1がそれぞれ接続されている。六方弁6V2と接続管1とを接続する管の一方には流量計FL1が設けられ、接続管1に流入する気体の流量を検出するようになっている。
【0020】
六方弁6V1には、六方弁6V2、出口Og1、濃縮装置6、排気口E1及び経路切換部4の六方弁6V3がそれぞれ設けられている。この濃縮装置6は、六方弁6V1に直接に接続された吸着管ADSと、この吸着管ADSを加熱する脱着用ヒータHと、この脱着用ヒータHの温度を調整する温調器TCと、脱着用ヒータHによって吸着管ADSを加熱する時間を設定するタイマTMと、吸着管ADSを冷やすための冷却用空気供給系7とから構成されている。冷却用空気供給系7は、冷却用空気供給装置(図示せず)と、冷却用空気供給装置からの冷却用空気を吸着管ADSまで供給する冷却用空気供給管8と、この冷却用空気供給管8に設けられた減圧弁Vr2及びソレノイドバルブVs3とから構成されている。これにより、減圧弁Vr2で一定圧力に減圧され、ソレノイドバルブVs3で開閉制御された冷却用空気が、冷却用空気供給管8の冷却用空気出口9から吸着管ADSに吹き付けられるようになっている。
【0021】
さらに、六方弁6V1は出口Og1を介してガスクロマトグラフ(図示せず)に接続され、濃縮装置6で濃縮されたガスがこの六方弁6V1を経由してガスクロマトグラフに送られるようになっている。また、排気口E1は、吸着管ADSに供給された気体のうち余分なものを、六方弁6V1を介して外部に排気するようになっている。六方弁6V1は、六方弁6V3及び入口Ig2を介して窒素ガス供給源に接続され、窒素ガスを吸着管ADS内に供給するようになっている。
【0022】
六方弁6V2には、入口Ig1、六方弁6V1、計量管L1及び接続管1がそれぞれ接続されている。入口Ig1は、キャリアガスの供給源(図示せず)に接続されている。六方弁6V2は、入口Ig1と六方弁6V1とを接続して、供給源からのキャリアガスを六方弁6V1に送るようになっている。このキャリアガスは、六方弁6V1を介して吸着管ADS内の試料ガスをガスクロマトグラフへ送るためのガスで、ヘリウムガス等によって構成されている。計量管L1は、六方弁6V2及び接続管1を介してフィルタ上流側からの試料空気を取り込んで、一定量(例えば1ml)保持するようになっている。
【0023】
経路切換部4の六方弁6V3には、計量管L2、入口Ig2、六方弁6V4及び経路切換部3の六方弁6V1がそれぞれ接続されている。計量管L2への接続により、吸着管ADSへ送る下流側試料ガスを正確に一定量(例えば100ml)だけ計量できるようになっている。入口Ig2には窒素ガス供給系(図示せず)が接続されている。この入口Ig2(窒素ガス供給系)及び六方弁6V1への接続により、窒素ガス供給系からの窒素ガスが六方弁6V3及び六方弁6V1を介して直接に吸着管ADSに供給され、また計量管L2で計量された一定量の下流側試料ガスが窒素ガスに押されて吸着管ADSに供給されるようになっている。六方弁6V3と入口Ig2との間にはバルブVn3が設けられ、流量制御が行われている。
【0024】
六方弁6V4は、六方弁6V3、排気口E2、希釈装置11及び接続管2にそれぞれ接続されている。六方弁6V3への接続により、入口Ia2を介して流入する下流側試料ガスを、六方弁6V3を介して計量管L2へ供給するようになっている。接続管2への接続により、計量管L2から溢れた下流側試料ガスが、六方弁6V3、六方弁6V4を介して接続管2に環流するようになっている。六方弁6V4と接続管2とを接続する管の一方には流量計FL2が設けられ、接続管2に流入する気体の流量を検出するようになっている。希釈装置11への接続により、希釈装置11で希釈されたガスを六方弁6V3、六方弁6V4を介して計量管L2へ供給するようになっている。また、排気口E2への接続により、計量管L2から溢れたガスが、六方弁6V3、六方弁6V4を介して排気口E2から排気されるようになっている。
【0025】
希釈装置11は、一定濃度に設定された校正用の標準試料を、検査対象である試料空気と同程度にまで一旦希釈して、実際のリーク試験の際の経路に通すようにする装置である。即ち、各機器等(リーク試験の際に試料ガスが通る経路に設けられた各機器等)の誤差を取り込んだ状態で校正を行って正確なリーク試験ができるようにするための装置である。なお、試料ガスの経路に設けられた、誤差を生じる機器は主に濃縮装置6である。
【0026】
希釈装置11は、ソレノイドバルブVs2を介して六方弁6V4に接続され、希釈された校正用の標準試料を、実際のリーク試験の際の経路に供給するようになっている。この希釈された標準試料は、実際のリーク試験の際の下流側試料ガスと同じ経路を通って濃縮装置6に供給され、この濃縮装置6で濃縮されてガスクロマトグラフに送られるようになっている。希釈装置11は主に、希釈容器Dと攪拌装置12とから構成されている。攪拌装置12は、希釈容器D内に回転可能に配設された攪拌子Sと、この攪拌子Sを回転させるマグネチックスターラMSとから構成されている。
【0027】
希釈容器Dには試料注入口Inj及び圧力変換器PSが設けられている。試料注入口Injは標準試料を希釈容器D内に注入する部分である。希釈容器Dは、試料注入口Inj、ソレノイドバルブVs1及び減圧弁Vr1を介して入口Ig2に接続されている。圧力変換器PSは、希釈容器D内の圧力が設定値に達したところで、経路切換部3,4を制御するようになっている。
【0028】
なお、経路切換部3,4、前記濃縮装置6、希釈装置11等でガスクロマトグラフ校正用試料希釈濃縮装置が構成されている。
【0029】
また、前記構成のバイパスリーク試験装置には、スタートボタン、分析時間設定タイマ(いずれも図示せず)が設けられている。スタートボタンはバイパスリーク試験装置を作動開始させるためのもので、それが押されることでシーケンス制御が自動的に進行する。分析時間設定タイマは、分析に要する所要時間を設定するためのタイマで、上流側分析時間及び下流側分析時間がそれぞれ設定される。
【0030】
前記各部は、図示しない制御装置に接続され、全体が自動的に動作制御されるようになっている。
【0031】
前記構成において、希釈装置11、六方弁6V1〜4及び濃縮装置6で、ガスクロマトグラフ校正用試料希釈濃縮回路が構成されている。
【0032】
[動作]
以上のように構成されたバイパスリーク試験装置は次のように動作する。このバイパスリーク試験装置の動作モードは主に5つある。即ち、活性炭フィルタの上流側の空気と下流側の空気を同時にサンプリングする上下同時測定と、上流側測定と、下流側測定と、高濃度校正と、低濃度校正の5つの動作モードがある。
【0033】
(1) このうち、上下同時測定は次のようになる。
【0034】
吸引ポンプによって、活性炭フィルタの上流側及び下流側の空気試料が各入口Ia1,Ia2を介して吸引されている。
【0035】
スターボタンを押すことで、以下のシーケンス制御が自動的に進行する。
【0036】
(A)上流側測定
六方弁6V2と六方弁6V3が60度回転されると共に、ガスクロマトグラフが作動開始される。これにより、計量管L1内の空気試料は、キャリアガスに押されて、六方弁6V2と六方弁6V1を介して直接にガスクロマトグラフへ送られる。六方弁6V2は数秒経過後にもとの状態に戻り、計量管L1内の空気試料をガスクロマトグラフへ送る。なお、活性炭フィルタの上流側の空気試料は高濃度のため、濃縮装置6を通す必要はない。
【0037】
これに対して、計量管L2の空気試料は、活性炭フィルタの下流側の空気試料であって低濃度の空気試料であるため、その濃度がガスクロマトグラフの検出限度に満たないことがある。このため、濃縮装置6によって一定の割合で一旦濃縮してからガスクロマトグラフへ送られる。即ち、計量管L2の空気試料は、入口Ig2から供給される窒素ガスに押され、六方弁6V3及び六方弁6V1を介して吸着管ADSに送られる。六方弁6V3は、計量管L2内の空気試料の全量が吸着管ADSに流れるのに要する時間を待ってもとの状態に戻される。この時間を濃縮時間という。
【0038】
(B)下流側測定
分析時間設定タイマで設定した上流側分析時間が経過するのを待って、次の下流側分析ステップに進む。
【0039】
即ち、六方弁6V1を切り換えて、吸着管ADSとキャリアガスの入口Ig1とが接続される。これにより、キャリアガスが、入口Ig1、六方弁6V2及び六方弁6V1を介して吸着管ADSに供給される。
【0040】
次いで、濃縮装置6の脱着用ヒータHによって吸着管ADSの加熱が開始される。同時に、ガスクロマトグラフも作動開始される。脱着用ヒータHの温度は温調器TCで、加熱時間はタイマTMでそれぞれ設定される。例えば、温調器TCで200℃に、タイマTMで120秒に設定される。また、吸着管ADSが加熱開始から設定温度に達するまでの昇温時間は、標準で60秒に設定される。
【0041】
タイマTMでの設定時間が経過したら、六方弁6V1がもとの位置に戻り、ソレノイドバルブVs3が開かれる。これにより、冷却用空気が冷却用空気出口9から吸着管ADSに吹き付けられて吸着管ADSが冷却される。
【0042】
分析時間設定タイマで設定した下流側分析時間が経過するのを待って、次のステップに進む。なお、前記冷却用空気による冷却では、吸着管ADSの温度が冷却温度設定値(常温付近)まで低下したとき、冷却が停止される。
【0043】
(2) 上流側測定
前記上下流側測定のうちの上流側測定のみを行う。
【0044】
(3) 下流側測定
前記上下流側測定のうちの下流側測定のみを行う。
【0045】
(4) 校正(高濃度)
高濃度の標準試料の場合は、希釈も濃縮もしないで校正を行う。この場合、まず標準試料をガスクロマトグラフに直接に注入する。次いで、ガスクロマトグラフをスタートさせ、分析を行って装置の校正を行う。分析が終わると、ガスクロマトグラフを停止させて校正を終了する。
【0046】
(5) 校正(低濃度)
この低濃度校正は、従来行われていなかったモードである。従来は前記高濃度校正のみが行われていた。この低濃度校正モードの場合は次のように動作する。
【0047】
低濃度校正モードが選択されると、まず準備工程として希釈容器D内のクリーニングが行われる。このクリーニングでは、希釈容器Dを挟む2つのソレノイドバルブVs1,Vs2が開かれると共にマグネチックスターラMSが作動される。これにより、入口Ig2からの窒素ガスがソレノイドバルブVs1を介して希釈容器D内に供給される。希釈容器D内では、マグネチックスターラMSで回転されている攪拌子Sによって窒素ガスが攪拌されて内部が洗浄される。入口Ig2からの窒素ガスは希釈容器D内に連続的に供給されており、ソレノイドバルブVs2を介して連続的に排出されている。この排出された窒素ガスは、六方弁6V4を介して排気口E2から外部に排気される。このクリーニングが2分間行われる。
【0048】
次いで、ソレノイドバルブVs1が閉じられ、希釈容器Dの内圧が大気圧になるまで待つ。大気圧になったところでソレノイドバルブVs2が閉じられて、準備工程が終了する。
【0049】
次いで、標準試料が試料注入口Injから希釈容器D内に注入されて、希釈容器Dに送られる。次いで、装置のスタートボタンが押される。これにより、ソレノイドバルブVs1が開かれると共にマグネチックスターラMSがスタートされる。ソレノイドバルブVs1は、圧力変換器PSの容器上限圧力設定値になるまで開かれた状態が維持され、容器上限圧力設定値に達したところで閉じられる。その後、約30秒間攪拌される。
【0050】
次いで、六方弁6V4が60度回転される。これにより、希釈容器Dから排出された窒素ガスが計量管L2に送られて採取可能になる。即ち、希釈容器Dから排出された窒素ガスは、六方弁6V4及び六方弁6V3を介して計量管L2に供給されると共に、この計量管L2から排出されたガスは六方弁6V3、六方弁6V4、ニードルバルブVn2及びソレノイドバルブVs2を介して排出口E2から外部に排出できるようになっている。
【0051】
この状態で、ソレノイドバルブVs2が開かれる。これにより、希釈容器D内の希釈後の空気は、六方弁6V4及び六方弁6V3を介して計量管L2に流入してこの計量管L2内を満たし、排出口E2から外部に排出される。希釈容器D内の圧力は次第に低下する。この希釈容器D内の圧力が大気圧まで低下したところで、六方弁6V3が60度回転される。これにより、ニードルバルブVn3で流量が設定された窒素ガスが計量管L2に供給され、計量管L2内の試料空気を押す。窒素ガスに押された試料空気は、六方弁6V3及び六方弁6V1を介して濃縮装置6の吸着管ADSに導入される。
【0052】
前記六方弁6V3の回転の後、ソレノイドバルブVs1及びソレノイドバルブVs2が開かれ、マグネチックスターラMSがスタートされて、希釈容器D内のクリーニングが開始される。このクリーニングは、分析が終了するまで継続される。
【0053】
六方弁6V3は、計量管L2内の試料空気が全量吸着管ADSに流れる時間を待ってもとに位置に戻される。
【0054】
次いで、温調器TC及びタイマTMで設定された温度及び時間で脱着用ヒータHが作動されて、濃縮装置6の吸着管ADSが加熱される。これにより、吸着管ADSから発生したガスがガスクロマトグラフに供給されて、ガスクロマトグラフが校正される。
【0055】
[効果]
以上のように、低濃度(濃縮装置等を通す必要があるほどの低濃度)の試料空気を試験するバイパスリーク試験装置の校正において、通常用いられる標準試料を一旦希釈して、試料空気が通される濃縮装置等の通路に通すようにしたので、濃縮装置等の誤差をそのまま取り込んで校正することができるようになる。
【0056】
この結果、濃縮装置等の誤差を吸収して高精度のリーク試験を行うことができるようになる。
【0057】
[変形例]
(1) 本発明のガスクロマトグラフ校正用試料希釈濃縮装置は、原子力発電所の活性炭フィルタのバイパスリーク試験に用いて好適であるが、原子力発電所の活性炭フィルタ以外のフィルタに用いてもよい。検査対象である試料気体の濃度がガスクロマトグラフで測定できない濃度(許容限度を越える高濃度又は低濃度)のために、試料気体を希釈又は濃縮する装置を備えた試験装置であれば、本発明のガスクロマトグラフ校正用試料希釈濃縮装置を用いることで、誤差を取り込んた正確な校正をすることができるようになる。
【0058】
(2) 本発明では、気体の分析装置をガスクロマトグラフで代表させたが、これ以外の分析装置を用いてよいことはいうまでもない。
【0059】
【発明の効果】
以上、詳述したように本発明によれば、次のような効果を奏する。
【0060】
検査対象である試料気体を分析するガスクロマトグラフの校正用の標準試料を希釈及び濃縮して、前記試料気体と同じ装置内経路を通すようにしたので、試料気体が通される経路に備えられた各種の機器の誤差をそのまま取り込んで校正することができるようになる。
【0061】
この結果、各種の機器の誤差を吸収して高精度の測定、試験を行うことができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るガスクロマトグラフ校正用試料希釈濃縮回路を含むバイパスリーク試験装置(ただし、ガスクロマトグラフは含まず)を示す全体構成図である。
【符号の説明】
1,2:接続管、3,4:経路切換部、6:濃縮装置、6V1,6V2,6V3,6V4:六方弁、7:冷却用空気供給系、8:冷却用空気供給管、9:冷却用空気出口、ADS:吸着管、11:希釈装置、12:攪拌装置、S:攪拌子、MS:マグネチックスターラ。

Claims (2)

  1. 試料気体を分析するガスクロマトグラフと、フィルタの上流側又は下流側から試料気体を取り込んで計量し、動作モードに応じて濃縮して前記ガスクロマトグラフに送る試料気体取込み部とを備えたフィルタのリーク試験装置において、
    前記ガスクロマトグラフの校正用の標準試料を、一旦希釈してから前記試料気体取込み部内の前記試料気体の経路に通して、前記試料気体と同様に計量及び濃縮するガスクロマトグラフ校正用試料希釈濃縮回路を備えたことを特徴とするフィルタのリーク試験装置。
  2. 請求項1に記載のフィルタのリーク試験装置において、
    前記試料気体取込み部が、フィルタの上流側に接続された上流側接続系と、フィルタの下流側に接続された下流側接続系とからなり、
    前記上流側接続系は、フィルタの上流側の試料気体を取り込む上流側接続管と、この上流側接続管に接続され、取り込んだ試料気体を計量する上流側計量管と、この上流側計量管で計量した試料空気を前記ガスクロマトグラフに送ると共に前記上流側接続管、上流側計量管及びガスクロマトグラフの間の接続を適宜切り換える切換弁とからなり、
    前記下流側接続系は、フィルタの下流側の試料気体を取り込む下流側接続管と、この下流側接続管に接続され、取り込んだ試料気体を計量する下流側計量管と、この下流側計量管に接続され、計量された試料気体を濃縮する濃縮装置と、この濃縮装置で濃縮した試料気体を前記ガスクロマトグラフに送ると共に前記下流側接続管、下流側計量管、濃縮装置及びガスクロマトグラフの間の接続を適宜切り換える切換弁とからなることを特徴とするフィルタのリーク試験装置。
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