JP3921733B2 - 入力信号制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は例えばオーディオ録音機器などに好適とされる、入力信号に対するレベル制御を行う入力信号制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、録音機能を有する機器として、据置型やポータブルタイプなどの各種録音装置が開発されており、マイクロホン入力や他の機器からのライン入力にかかる音声信号をテープ、ディスクなどの記録媒体に記録できるようにされている。そして特に、音声信号をデジタルデータとして記録することで、著しい高音質化も実現されている。
【0003】
ところで、アナログ音声信号として入力された音声信号をデジタルデータとして記録するには、音声信号をA/D変換器によりデジタルデータに変換する必要がある。そして、A/D変換器の機能を最大限利用して高音質記録をはかるには、A/D変換器の変換ダイナミックレンジをフルに利用することが求められる。このため通常、A/D変換器の前段で入力音声信号のレベル調整が行われ、変換ダイナミックレンジに合致した状態で入力音声信号がA/D変換器に供給されるようにしている。また、著しく大きなレベルの音声入力があり、それがA/D変換器のフルスケールレベルを越えてしまうと、音声データとしてのひずみとなり、音質劣化が生ずる。これを防止するために、大入力の際に機能するリミッタ回路も搭載される。
【0004】
図6に従来のリミッタ回路の一例を示す。
マイクロホンやライン接続により録音装置に入力された音声信号SINは、例えば可変抵抗VR2によりユーザーの操作に応じた録音レベル調整が行われた後、初段アンプ20を介してリミッタ21に供給される。
この入力音声信号SINは初段アンプ20、次段アンプ21aによりA/D変換器22の変換ダイナミックレンジに応じたゲインが与えられ、A/D変換器22でデジタルデータに変換されて、記録データDRECとして後段の記録処理回路系に供給されるわけであるが、入力音声信号SINがA/D変換器22のフルスケールレベルを越えるような大入力レベルとなった際は、リミッタ21が機能してレベルが抑えられる。
【0005】
このリミッタ21としては次段アンプ21aの他に、電圧検出回路21b、抵抗R11、R12、コンデンサC11、トランジスタQ11を有する。
電圧検出回路21bは例えば整流回路とされ、A/D変換器22への入力端での電圧に応じた電流出力を行う。
電圧検出回路21bの出力によりコンデンサC11の充電が行われ、またコンデンサC11の充電電圧に応じてトランジスタQ11のベース電圧が変動し、トランジスタQ11の導通状態が制御されることになる。
【0006】
ここで、トランジスタQ11の飽和状態での抵抗値をr1とすると、次段アンプ21aの入力端での減衰量は、
1−{r1/(R12+r1)}=R12/(R12+r1)
となる。
つまり、トランジスタQ11の導通状態に応じて抵抗R12及びトランジスタQ11による分圧抵抗が変化する。従って大レベル入力時にコンデンサC11が充電され、トランジスタQ11がオンとなり抵抗値が小さくなる(飽和状態での抵抗値r)ことで、上記式からわかるようにR12/(R12+r1)という減衰量で入力音声信号が減衰されるリミッタ動作が実現されることになる。
【0007】
リミッタ動作のイメージを示す信号波形を図7に示す。図7(a)のように入力音声信号のレベルが変動した場合に、トランジスタQ11のベース入力、つまりコンデンサC11の充電電圧に応じたベース入力は図7(b)のようになる。これによりリミッタ3の出力(A/D変換器22の入力)は図7(c)のように制御される。
この場合、突発的な大レベル入力があってからリミッタ動作が有効となるまでの応答性としてのアタックタイムTAは、コンデンサC11の充電時間によるものとなる。従って、コンデンサC11の容量値及び抵抗R11による時定数を小さく設定すれば、アタックタイムTAを短くできる。
一方、A/D変換器22への入力レベルが低くなることに応じて、コンデンサC11が抵抗R11、トランジスタQ11を介した放電を行い、これによってリミッタ21としての減衰量は減少する。そしてこの場合の応答性としてのリカバリタイムTRも、コンデンサC11及び抵抗R11による時定数により決まることになる。
【0008】
図8に従来の他のリミッタ回路例を示す。
マイクロホンやライン接続により録音装置に入力された音声信号SINは、初段アンプ30を介して電子ボリューム31に供給され、この電子ボリューム31でレベル調整された後、次段アンプ32を介してA/D変換器33に供給される。この場合、入力音声信号SINは初段アンプ30、次段アンプ32によりA/D変換器33の変換ダイナミックレンジに応じたゲインが与えられ、A/D変換器33でデジタルデータに変換されて、記録データDRECとして後段の記録処理回路系に供給されるわけであるが、入力音声信号SINがA/D変換器33のフルスケールレベルを越えるような大入力レベルとなった際は、コントローラ34及び電子ボリューム31により形成されるリミッタ機能によりレベルが抑えられる。
【0009】
電子ボリューム31は例えばリニア抵抗アレイによるICとされ、その入力信号SINに対する抵抗値はコントローラ34からの設定データにより設定される。コントローラ34はマイクロコンピュータにより形成される。そしてコントローラ34は、A/D変換器33における入力音声信号SINのレベル(デジタルデータに変換された入力信号レベル)を監視しており、その入力レベル値に応じて所定の演算処理を行い、電子ボリューム31に対する設定データを算出して電子ボリューム31での抵抗値を制御することになる。
即ち大レベル入力に応じて電子ボリューム31において入力音声信号SINに与えられる抵抗値を上げることで、リミッタ動作を実現する。リミッタ動作のイメージを示す信号波形は図9のようになる。
図9(a)のように入力音声信号のレベルが変動した場合に、コントローラ34の制御によって電子ボリューム31の抵抗値が可変制御されることで、リミッタ出力(A/D変換器33の入力)は図9(b)のように制御される。
なお、コントローラ34は発振器35からのマスタークロックに基づいて演算処理、転送処理等を行うことになる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、これら図6、図8に示したような従来のリミッタ回路ではそれぞれ次のような問題がある。
まず図6のリミッタ回路の場合、上述したようにコンデンサC11と抵抗R11による充電時定数の設定によりアタックタイムを短くでき、突発的な大レベル入力にも対応できるという利点があるが、その一方で、コンデンサC11の放電、つまりリカバリタイムもその時定数により決まるため、アタックタイムを短くするとリカバリタイムも短くなる。ところが、入力音声信号が音楽等である場合、リカバリタイムが短い状態であると、その音声が非常に不自然に聞こえるという問題があり、ある程度リカバリタイムを長くとることが要求される。
さらにその一方で、信号減衰に非線形素子(トランジスタQ11)を用いて行うため、ひずみ率が1%〜0.1%程度となり、リカバリタイムを長くすることは高音質化に不利なものとなってしまう。
【0011】
また図8のリミッタ回路の場合は、マイクロコンピュータ制御による電子ボリュームにより音質劣化のほとんどない減衰動作が可能とされるとともに、リカバリータイムはコントローラ34の制御によりソフトウエア的に任意に設定でき、その点では高音質なデジタル録音機器に適しているといえる。ところが、突発的な大レベル入力に対応できるようにアタックタイムを短くしようとすることに難があり、実際上アタックタイムをある程度以上短くできない。
即ち、アタックタイムを早めようとしても、アタックタイムはマイクロコンピュータであるコントローラ34の処理スピードやデータ転送速度に依存し、つまりマスタークロックの周波数に依存することになる。従って、アタックタイムを早くするにはマスタークロックの高周波数化及びそれに応じた高性能のマイクロコンピュータの採用が必要となるため、もしアタックタイムの短縮を計るとすれば、コントローラ34としての処理負担の増大や機器としてのコストアップを余儀なくされる。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明はこのような問題点に鑑みて、突発的な大レベル入力に対応でき、さらに音質劣化のないリミッタ動作を実現できる、例えば高音質録音を行うための録音機器などに好適な入力信号制御装置を提供することを目的とする。
【0013】
このために入力信号制御装置として、入力信号のレベル検出を行い、入力信号レベルの変動に応じて早い応答性で入力信号に対するリミッタ動作を行うように構成された第1のリミッタ回路部と、入力信号のレベル検出を行い、入力信号レベルの変動に応じて比較的遅い応答性で入力信号に対するリミッタ動作を行うように構成された第2のリミッタ回路部とを備えるようにする。
即ち本発明では、第1のリミッタ回路部により突発的な大レベル入力に対応し、第2のリミッタ回路部で緩やかな入力レベル変動に対応することで例えば音声信号等の不自然さを解消する。
【0014】
そして、前記第2のリミッタ回路部によるリミッタ動作が行われる信号経路と並行して、可変抵抗手段によるレベル制御が行われる信号経路を備え、これらの信号経路のうちの1つを入力信号の信号経路として選択可能に構成されている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の入力信号制御装置の実施の形態としての一例を図1〜図4で説明する。
図1に本例の入力信号制御装置の構成を示す。この入力信号制御装置は例えばデジタル録音機器の音声信号入力段でのリミッタ動作を実行できる回路とする。
マイクロホンやライン接続により録音装置に入力された音声信号SINは、初段アンプ1を介して電子ボリューム2に供給され、この電子ボリューム2でレベル調整された後、リミッタ3に供給される。
【0016】
入力音声信号SINは初段アンプ1及びリミッタ3内の次段アンプ3aによりA/D変換器4の変換ダイナミックレンジに応じたゲインが与えられ、A/D変換器4でデジタルデータに変換されて、記録データDRECとして後段の記録処理回路系に供給される。そしてまた、入力音声信号SINがA/D変換器4のフルスケールレベルを越えるような大入力レベルとなった際は、第1のリミッタ回路部としてのリミッタ3と、第2のリミッタ回路部としての電子ボリューム2及びコントローラ5が機能して、レベルが適正状態にコントロールされる。
【0017】
第1のリミッタ回路部としてのリミッタ3は、次段アンプ3a、電圧検出回路3b、抵抗R1、R2、コンデンサC1、トランジスタQ1を有する。
電圧検出回路3bは例えば整流回路とされ、A/D変換器4への入力端での電圧に応じた電流出力を行う。
電圧検出回路3bの出力によりコンデンサC1の充電が行われ、またコンデンサC1の充電電圧に応じてトランジスタQ1のベース電圧が変動し、トランジスタQ1の導通状態が制御されることになる。コンデンサC1の充放電時定数はコンデンサC1の容量及び抵抗R1の抵抗値によって決まる。
【0018】
トランジスタQ1の飽和状態での抵抗値をrとすると、次段アンプ3aの入力端での減衰量は、
1−{r/(R2+r)}=R2/(R2+r)
となる。
つまり上述した図6のリミッタ21と同様に、トランジスタQ1の導通状態に応じて抵抗R2及びトランジスタQ1による分圧抵抗が変化する。
従って大レベル入力時にコンデンサC1が充電され、トランジスタQ11がオンとなり抵抗値が小さくなる(抵抗値r)ことで、R2/(R2+r)という減衰量で入力音声信号が減衰されるリミッタ動作が実現される。
【0019】
一方、第2のリミッタ回路部の構成としては、電圧検出回路3bの出力端の電圧が、コンデンサC2及び抵抗R3により安定化されて、マイクロコンピュータにより形成されているコントローラ5のA/D変換入力端子5aに供給される。
コントローラ5は、A/D変換入力端子5aから、電圧検出回路3bの出力端の電圧、つまりA/D変換器4への入力音声信号電圧をデジタルデータとして取り込む。そしてその取り込んだデータレベル値に応じて所定の演算処理を行い、電子ボリューム2に対する設定データを算出して電子ボリューム2での抵抗値を制御する。なお、コントローラ5は発振器6からのマスタークロックに基づいて演算処理、転送処理等を行うことになる。
【0020】
電子ボリューム2は例えばリニア抵抗アレイによるICとされ、その入力信号SINに対する抵抗値はコントローラ34からの設定データにより設定される。そしてコントローラ5が取り込んだデータレベル値に応じた演算処理で求められた設定データにより電子ボリューム2での抵抗値が制御されることで、大レベル入力に対応したリミッタ動作が実行される。
コントローラ34の設定データの算出のための演算処理としては、入力信号レベル値を用いた所定の演算式により設定データを算出してもよいし、例えばテーブルデータとして各入力信号レベルに応じた設定データを記憶しておき、A/D変換入力端子5aから入力され検出された入力信号レベルの値に応じてテーブルデータを検索し、対応する設定データを得るようにしてもよい。
【0021】
この図1の入力信号制御装置によるリミッタ動作のイメージを示す信号波形は図2のようになる。
図2(a)のように入力音声信号のレベルとして突発的な大レベル入力があった場合には、まず第1のリミッタ回路部としてのリミッタ3により短いアタックタイムTAで反応して信号減衰が行われる。
このように短いアタックタイムを実現するためにコンデンサC1及び抵抗R1による充電時定数は短い値に設定される。このためコンデンサC1についてはその容量を小さくする。
また時定数が短くされることで、リミッタ3でのリカバリタイムも短いものとなり、入力音声信号に対するリミッタ動作としては、リミッタ3は瞬間的にしか反応しないものとなる。
図3の特性▲2▼は、リミッタ3による入出力特性を示しており、突発的な大レベル入力となってトランジスタQ1がオンとなることで得られる特性である。
【0022】
またコンデンサC1の容量が小さく、放電が早められていることで図2(b)に示すリカバリタイムTRでの減衰動作は、リミッタ3による減衰動作の影響はほとんどなく、このリカバリ期間は第2のリミッタ回路部における電子ボリューム2による信号減衰にかかるものとなる。
そしてこのリカバリ期間の減衰動作は、コントローラ5の演算処理により制御されるものであり、その演算ソフトウエアの設定によりリカバリタイムTRは自在に設定可能である。図3の特性▲1▼は、電子ボリューム2によるリミッタ動作としての入出力特性を示しており、緩やかなレベル変動であってリミッタ3のトランジスタQ1がオフの場合に定常的に反応することになる入出力特性である。
【0023】
図4に本例の入力信号制御装置の動作の流れを示す。
入力音声信号SINは初段アンプ1へ入力され(F1)、増幅された後、電子ボリューム2に入力される(F2)。
この電子ボリュームの抵抗値の設定(F3)はステップF16でのコントローラ5の演算結果により行われ、入力された音声信号はその設定された抵抗値でレベル制御されて次段アンプ3aへ入力される(F4)。
次段アンプ3aの出力はA/D変換器4への入力信号となる(F6)他、電圧検出回路3bへの入力となる(F5)。
【0024】
そして電圧検出回路3bの出力に応じてコンデンサC1の充電又は放電が行われ、その結果トランジスタQ1がオン/オフ制御される。
即ち、電圧検出回路3bの出力がトランジスタQ1をオンとさせるレベルとなっている期間は、ステップF7からF11に進み、コンデンサC1が充電され、その結果トランジスタQ1が飽和状態となり(F12)、リミッタ3によるリミッタ動作としてR2/(R2+r)の信号減衰が行われる(F13)。
一方、電圧検出回路3bの出力がトランジスタQ1をオンとさせないレベルとなると、ステップF7からF8に進み、コンデンサC1が放電され、その結果トランジスタQ1がオフとなり、リミッタ3の信号減衰機能はオフとなる(F10)。
【0025】
一方、電圧検出回路3bの出力はステップF14でコントローラ5に取り込まれ、そのデータ値として入力信号レベルが検知される(F15)。そしてその入力信号レベルを用いた演算処理が行われ(F16)、電子ボリューム2のレベル設定が行われる。
【0026】
以上のような本例の入力信号制御装置では、突発的な大レベル入力があった場合には、トランジスタQ1を用いたアタックタイムの早いリミッタ3のリミッタ動作により対応できる。そしてこの場合非線形素子であるトランジスタQ1を用いているがリカバリタイムも短く設定することで、ひずみ率の悪くなる期間を非常に短く(例えば数msec以下)でき、リミッタ動作を非線形素子で行うことによる音質劣化を解消できる。
またアタックタイムの設定はコンデンサC1、抵抗R1の時定数によるものとなるため、短いアタックタイムの設定が容易である。
一方、緩やかなレベル変動に対しては電子ボリューム2とコントローラ5による第2のリミッタ回路部が機能するが、この場合歪み率の少ない電子ボリューム2を用いることで音質劣化が無く、またリカバリータイムも例えば音響的に不自然さがないようなある程度長い時間に任意に設定できることになる。またアタックタイムを短くすることによる突発的大レベル入力時の迅速な反応に関してはリミッタ3が行うため電子ボリューム2が対応する必要はなく、従ってクロック周波数やマイクロコンピュータの処理速度を早くするなどの処置は不要となり、コストアップ等を招かない。
【0027】
さらに本例では、コンデンサC1、抵抗R1の組み合わせと、コンデンサC2、抵抗R3の組み合わせの設定をかえるのみで、第1のリミッタ回路部と第2のリミッタ回路部で電圧検出回路3bを共用できるようにしており、これにより回路構成の簡易化、部品点数の削減を実現している。
【0028】
またリミッタ3のアタックタイムが早いため、A/D変換器4の変換ダイナミックレンジのフルスケールレベルに対し、−2dB〜−3dB程度までリニアリティをのばすことが可能となる。
また図3の特性例のように電子ボリューム2での制御レベルをリミッタ3での制御レベルより低いレベルで設定しておくことで、リミッタ3を突発的大レベル入力時にしか動作させないようにし、入力レベルが安定している期間は、トランジスタQ1の非線形性の影響のない歪みの少ない状態を維持できる。つまり高音質記録に好適なものとなる。
【0029】
図5に本発明の実施の形態としての他の入力信号制御装置を示す。
なお図1と同一機能部分には同一符号を付し、説明を省略する。
この図5の例では、初段アンプ1及び電子ボリューム2を有する入力信号経路とは並行に可変抵抗VR1を介する入力信号経路が形成され、この2つの入力信号経路がスイッチ7、8で切り換えられるようにされている。
スイッチ7、8はユーザーが記録装置に設けられているある操作子を操作することで連動切換されるものである。
【0030】
またトランジスタQ1のベースがリミッタ制御回路9のトランジスタQ2のコレクタと接続される。このトランジスタQ2は抵抗R4、スイッチ9aを介してベース電圧V1が印加され、つまりスイッチ9aのオン/オフに応じてトランジスタQ2がオン/オフされる構成となっている。スイッチ9aはユーザーが記録装置に設けられているある操作子を操作することで開閉される。
【0031】
この図5の例の場合、ユーザーは入力信号制御装置での入力信号レベル制御機能として3通りの機能状態を選択できる。リミッタ機能モード、マニュアル及びリミッタ機能モード、マニュアルモードである。
【0032】
リミッタ機能モードとは、図1の例と同様にリミッタ3によるリミッタ機能と電子ボリューム2によるリミッタ機能の両方が発揮されるモードであり、この場合ユーザーは入力レベルに関して何も操作しなくても最適な状態での録音ができることになる。
このためにはユーザーはスイッチ7、8がt1端子に接続される状態とし、スイッチ9aがオフとされる状態とする。その状態は等価的に図1と同様の回路構成となる。
【0033】
マニュアル及びリミッタ機能モードとする場合は、ユーザーはスイッチ7、8がt2端子に接続される状態とし、スイッチ9aがオフとされる状態とする。
この場合、入力音声信号SINは初段アンプ1及び電子ボリューム2を通らず、可変抵抗VR1でレベル調整されてリミッタ3に供給される。
即ちユーザーは手動で可変抵抗VR1を操作して任意の録音レベルを設定できる。そして、突発的な大レベル入力があったような場合に関してはリミッタ3のリミッタ動作が発揮されることになる。
【0034】
マニュアル機能モードとする場合は、ユーザーはスイッチ7、8がt2端子に接続される状態とし、スイッチ9aがオンとされる状態とする。
この場合、入力音声信号SINは初段アンプ1及び電子ボリューム2を通らず、可変抵抗VR1でレベル調整されてリミッタ3に供給される。
ところがトランジスタQ1のベースはトランジスタQ2を介して接地されることになるためトランジスタQ1はオンになることはない。従ってリミッタ3は機能しない。
即ちユーザーは手動で可変抵抗VR1を操作して任意の録音レベルを設定できるが、第1及び第2のリミッタ回路部としての機能はオフとされた状態となる。
【0035】
以上のように3通りの状態を選択できるが、これはユーザの好みや、野外・屋内などの録音場所の違い、録音対象となる音声の種別、大レベル音声の発生する可能性などの各種の条件により最適な状態が選択されればよく、これによって幅広い録音用途に対応できる録音装置に好適な入力信号制御装置を実現できる。
【0036】
以上、本発明の実施の形態を説明してきたが、本発明の入力信号制御装置としては各種他の構成例が考えられることはいうまでもない。また搭載される機器は録音装置に限られず、アンプユニット、音響エフェクタなど他の機器にも好適に用いることができる。
【0037】
【発明の効果】
以上説明したように本発明では、第1のリミッタ回路部により突発的な大レベル入力に対応し、第2のリミッタ回路部で緩やかな入力レベル変動に対応することができる。そして第1のリミッタ回路部では充電時定数の設定により非常に短いアタックタイムを容易に設定でき、これにより突発的な大レベル入力への対応をコンデンサ、抵抗等の素子の選択設定のみで簡易に実現できる。またこの場合第1のリミッタ回路部でのリカバリタイムも短くなるため、リミッタ動作に非線形素子を用いていることによる信号劣化の影響もほとんどない。
そして第2のリミッタ回路部においてリカバリタイムを任意に設定でき、このリカバリタイムをある程度長く設定することで信号の不自然さを解消できる。また、リカバリタイムが長くなっても、その間の減衰動作は本質劣化のほとんどない電子ボリューム部によるものとすることで、高音質化への妨げとはならない。これらのことから、高品質信号保持、突発的レベル変動対応ということを、不自然なレベル制御やコストアップを招かずに実現する入力信号制御装置を提供できるという効果があり、例えばデジタル録音機器におけるリミッタとして非常に好適である。
【0038】
また、第2のリミッタ回路部によるリミッタ動作が行われる信号経路と、可変抵抗手段によるレベル制御が行われる信号経路を選択可能とすることや、第1及び第2のリミッタ回路部による入力信号に対するリミッタ動作をオフとすることができるようにすることで、録音形態や録音対象などのユーザーの使用事情に応じた最適なリミッタ動作制御を実現できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の入力信号制御装置の回路図である。
【図2】第1の実施の形態のリミッタ動作波形の説明図である。
【図3】第1の実施の形態のリミッタ特性の説明図である。
【図4】第1の実施の形態の動作の流れの説明図である。
【図5】第2の実施の形態の入力信号制御装置の回路図である。
【図6】従来のリミッタ回路の回路図である。
【図7】従来のリミッタ回路の動作波形の説明図である。
【図8】従来のリミッタ回路のブロック図である。
【図9】従来のリミッタ回路の動作波形の説明図である。
【符号の説明】
1 初段アンプ、2 電子ボリューム、3 リミッタ、4 A/D変換器、5コントローラ、6 発振器、7,8,9 スイッチ、Q1,Q2 トランジスタ、C1,C2 コンデンサ、R1,R2,R3,R4 抵抗
Claims (3)
- 入力信号のレベル検出を行い、設定された早い応答性で入力信号レベルの変動に応じて入力信号に対するリミッタ動作を行うことができるように構成された第1のリミッタ回路部と、
入力信号のレベル検出を行い、比較的遅い応答性で入力信号レベルの変動に応じて入力信号に対するリミッタ動作を行うように構成された第2のリミッタ回路部とを備え、
前記第2のリミッタ回路部によるリミッタ動作が行われる信号経路と並行して、可変抵抗手段によるレベル制御が行われる信号経路を備え、これらの信号経路のうちの1つを入力信号の信号経路として選択可能に構成されている
ことを特徴とする入力信号制御装置。 - 前記第1のリミッタ回路部は、入力信号により充電が行われるコンデンサと、該コンデンサの充電状態により制御されるスイッチング素子とを有し、
前記スイッチング素子の導通状態に伴う抵抗値変化によって入力信号に対するリミッタ動作が行われるとともに、そのリミッタ動作の応答性は前記コンデンサの充電動作にかかる時定数により設定されることを特徴とする請求項1に記載の入力信号制御装置。 - 前記第2のリミッタ回路部は、入力信号に対するレベル制御を行う電子ボリューム部と、入力信号レベルをデジタルデータとして取り込み、そのデジタルデータに基づいて前記電子ボリューム部におけるボリューム値を設定制御する演算部とを有し、
前記演算部による前記電子ボリューム部に対するボリューム値設定制御によりリミッタ動作が行われるとともに、そのリミッタ動作の応答性は前記演算部によるボリューム値の設定演算方式により設定できることを特徴とする請求項1に記載の入力信号制御装置。
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