JP3921535B2 - 抗癌剤及び抗癌用薬理組成物 - Google Patents

抗癌剤及び抗癌用薬理組成物 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、抗癌剤及び人体等に対して投与可能な薬理学的に許容しうる担体とからなる抗癌用薬理組成物に関する。
【0002】
ヒトの癌は、発癌の多くの段階を経て生じ、遺伝的またはエピジェネティック(後成的)な複数の遺伝子の改変がしばしば観察される(Trends Genet, 9: 138-141, 1993)。腫瘍の血管形成により提供される癌組織への血液供給が癌進行の間の重要な要因として認識されていることから、抗血管新生剤療法が最も有望な癌治療法として認識されている(Ann Surg, 175: 409-416, 1972;J Natl Cancer Inst, 94: 883-893, 2002.)。したがって、これまで、抗血管新生作用を有する多くの物質が抗癌剤として開発されてきており、また最近も多くの抗血管新生作用を有する抗癌剤が開示されている(特開2002−322182号公報、特開2002−322149号公報、特開2001−39869号公報、特開平10−259176号公報、特開平8−268886号公報、特開平7−242544号公報、特開平7−118245号公報、特開平5−255366号公報、及び特開平5−969号公報)。
【0003】
従来、細胞毒性剤として知られていたものでも、それらが癌の治療に有効である場合は抗血管新生作用も示すことが最近わかっている(Clin Cancer Res, 4: 1331-1336, 1998)。ヒト肝細胞癌の予後が不良であることは、それが腫瘍の脈管構造を形成するその能力と密接に関係している(Hepatology, 17: 1003-1007, 1993)。生理学的応答において、低酸素は、低酸素応答性転写因子HIF−1(Adv Exp Med Biol, 475: 123-130, 2000)の活性化を介して血管内皮生育因子(VEGF)のような血管形成因子の細胞内生成を劇的に促進し、そして低酸素条件下では解糖作用が顕著に促進されて細胞内エネルギー生産を維持する(Proc Natl Acad Sci U S A, 90: 4304-4308, 1993.)。
【0004】
しかしながら、血管造影術によれば、ヒトの癌は臨床的に低血管性の場合が多いことがわかっており、腫瘍組織の低酸素状態は癌が悪性である可能性を伴う場合が多い(Acta Oncol, 37: 567-574, 1998)。このことを説明するものの1つとして、低酸素の発症は癌が進行過程において血管形成能を獲得するための駆動力となりえることが提案されており(Semin Oncol, 28: 36-41, 2001)、そして本発明者は、栄養飢餓を忍容する能力、即ち耐乏性は低酸素応答の別の特徴であり、このため悪性腫瘍の重要な特徴であることを提案した(J Biol Chem,277;32791-32798, 2002;Cancer Res, 60: 6201-6207, 2000)。
【0005】
この仮説は、主に、亢進した解糖作用のためにより多くのグルコースが必要とされる場合にも、多くの細胞は低酸素条件下でグルコース飢餓に忍容性となるという所見に基づいている(J Biol Chem, 277;32791-32798, 2002)。恐らくは酸素および栄養、特にグルコースの双方が不十分である血液供給不足への未知の生理学的応答が存在するはずである。予測されるとおり、代表的な低血管性腫瘍である膵臓癌由来の幾つかの細胞系統はグルコース飢餓に対して忍容性を示すことがわかっている(Oncogene, 21: 6082-6090, 2002)。このような所見は低血管性腫瘍の進行の間の栄養飢餓に対する忍容性は遺伝子改変を介して獲得される可能性があることを示唆している。
【0006】
正常組織への血液供給は生理学的応答により微妙に調節されているため、そしてその結果、慢性虚血は正常な組織では起こらないことから、腫瘍の忍容性は癌治療戦略の絶好の標的であること、即ち、抗耐乏性を本発明者は提案した(J Biol Chem, 277;32791-32798,2002;Cancer Res, 60: 6201-6207, 2000)。この仮説に基づき、本発明者は、一部の寄生虫がその生命周期の間に特定の代謝経路を用いて嫌気的条件下にエネルギーを生産する能力を有することが知られていることから、そして、これらの機序が場合により駆虫剤の標的であることから、発明者は幾つかの駆虫剤の癌細胞のグルコース飢餓忍容性を消失させる能力について検討した(Nature, 228: 684-685, 1970)。
【0007】
【特許文献1】
特開2002−322182号公報。
【特許文献2】
特開2002−322149号公報。
【特許文献3】
特開2001−39869号公報。
【特許文献4】
特開平10−259176号公報
【特許文献5】
特開平8−268886号公報。
【特許文献6】
特開平7−242544号公報。
【特許文献7】
特開平7−118245号公報。
【特許文献8】
特開平5−255366号公報。
【特許文献9】
特開平5−969号公報。
【非特許文献1】
Trends Genet, 9: 138-141, 1993
【非特許文献2】
Ann Surg, 175: 409-416, 1972.
【非特許文献3】
J Natl Cancer Inst, 94: 883-893, 2002.
【非特許文献4】
Clin Cancer Res, 4: 1331-1336, 1998.
【非特許文献5】
Hepatology, 17: 1003-1007, 1993.
【非特許文献6】
Adv Exp Med Biol, 475: 123-130, 2000.
【非特許文献7】
Proc Natl Acad Sci U S A, 90: 4304-4308, 1993.
【非特許文献8】
Acta Oncol, 37: 567-574, 1998.
【非特許文献9】
Semin Oncol, 28: 36-41, 2001.
【非特許文献10】
J Biol Chem, 277;32791-32798, 2002.
【非特許文献11】
Cancer Res, 60: 6201-6207, 2000.
【非特許文献12】
Oncogene, 21: 6082-6090, 2002.
【非特許文献13】
Nature, 228: 684-685, 1970.
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、癌の発生の機構について解明する中で、in vivo環境において効果的な抗腫瘍活性を示すと共に、生体に対して安全な抗腫瘍剤及び抗癌用薬理組成物を開発し、提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記のとおり癌の発生の機構について研究する中で、何らかの未知の形態のエネルギー代謝が機能する栄養飢餓の間にのみ癌細胞の生存を抑制する薬剤を発見し、そして、その薬剤が細胞の生存のための細胞内シグナリングをブロックし、ヌードマウスにおける腫瘍の形成を抑制することを見い出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明の薬剤は、ピルビニウム化合物、特には、ピルビニウムパモエートを有効成分として含有してなる抗癌剤及び抗癌用薬理組成物からなる。
本発明の有効成分であるピルビニウムパモエートは、6−ジメチルアミノ−2−[2−(2,5−ジメチル−1−フェニル−3−ピリリル)ビニル]−1−メチル−キノリニウム パモエートの構造を有し、次の式で表される。
【0010】
【化1】
Figure 0003921535
【0011】
本発明の抗癌剤及び抗癌用薬理組成物の有効成分であるピルビニウムパモエートは、グルコース飢餓の状態にあるin vivoの癌細胞に対して極めて高い毒性を示す。また、本発明の有効成分であるピルビニウムパモエートは、既に、駆虫剤として人体に投与されているものであり、抗癌剤及び抗癌用薬理組成物として、生体投与に際して安全な成分でもある
【0012】
具体的には本発明は、6−ジメチルアミノ−2−[2−(2,5−ジメチル−1−フェニル−3−ピリリル)ビニル]−1−メチル−キノリニウム パモエートからなるピルビニウム化合物を有効成分として含有してなる抗癌剤(請求項1)や、膵臓癌に対する抗癌作用であることを特徴とする請求項1記載の抗癌剤(請求項)や、抗癌作用が、グルコース飢餓状態において発揮されることを特徴とする請求項1又は2記載の抗癌剤(請求項)や、請求項1記載のピルビニウム化合物と薬理学的に許容可能な担体とを含有することを特徴とする抗癌用薬理組成物(請求項)や、有効成分と薬理学的に許容可能な担体とが、注射可能な投与形態に調剤されていることを特徴とする請求項記載の抗癌用薬理組成物(請求項)からなる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明は、ピルビニウム化合物を有効成分として含有してなる抗癌剤及び抗癌用薬理組成物、特には、ピルビニウムパモエート(pyrvinium pamoate)、を有効成分とする抗癌剤及び抗癌用薬理組成物からなる。ピルビニウム パモエートは、(6−ジメチルアミノ−2−[2−(2,5−ジメチル−1−フェニル−3−ピリリル)ビニル]−1−メチル−キノリニウム パモエート、或いはパモ酸(4,4−メチレン−ビス(3−ヒドロキシ−2−ナフソエート)ピルビニウムの構造で示される(米国特許第2,925,417号明細書(Patented 1960)参照)。本発明の有効成分であるピルビニウム パモエートは、駆虫剤特にギョウ虫の駆虫薬として使用されている化合物である。
【0014】
本発明の有効成分であるピルビニウムパモエートは、in vitroにおいて、通常の培地中(DMEM培地)で培養した場合は、ヒト膵臓癌細胞系統であるPANC−1細胞に対しては毒性はないが、グルコース非含有培地においてはこれらに対し極めて高い毒性を示す。従って、in vivoにおいて、グルコース飢餓の状態の癌細胞に対して、強力な抗癌活性(すなわち、グルコース飢餓の間の癌細胞の重要な生存機序であるグルコース飢餓によるタンパク質キナーゼB(Akt)の活性の強力な抑制)を示す。本発明のピルビニウム化合物は、特に膵臓癌や底分化型線癌に対して顕著な抗癌作用を発揮する。
【0015】
本発明の有効成分を生体に投与するには、製薬上許容しうる各種の製剤形態にして投与することが出来るが、この発明の化合物は、経口投与による消化管からの吸収がしにくいという性質を有することから、注射可能な投与形態に調剤されていることが好ましい。該調剤形態としては、本発明の化合物を親油性溶媒(例えば油)及び親水性溶媒(水性溶媒)の両者の中で調合して、皮下注射のような注射可能な投与形態に調剤することが好ましい。
例えば、本発明の生体投与可能な薬理組成物を調合するには、本発明の有効成分である化合物の有効量を薬理学的に許容可能な担体とよく混合し、注射剤のような投与に望まれる調合物の形態に調剤する。なお、本薬理組成物は、経口投与でも効果があることが確認されている。
【0016】
本発明の有効成分を水性溶媒を用いて調合する場合を例示すれば、例えば、本発明の有効成分である化合物の有効量を水性溶媒の中に懸濁させる。その場合に、適宜、湿潤剤、懸濁剤、緩衝液、防腐剤或いは張度調節剤等を添加して調合することができる。その場合の湿潤剤としては、例えば、ポリソルベート80又はポリソルベート20のようなソルビタンエステルのポリエチレン誘導体、レシチン、ポリオキシエチレン及びポリオキシプロピレンエーテル、及びデオキシコール酸ナトリウムなどが、懸濁剤としては、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース及びヒドロキシプロピルメチルセルロースのようなセルロース誘導体、ポリビニルピロリドン、アルギネート類、キトサン、デキストラン類、ゼラチン、ポリエチレングリコール類、ポリオキシエチレン−及びポリオキシプロピレンエーテル類などを挙げることができる。
【0017】
緩衝液としては、塩酸のような酸、水酸化ナトリウムのような塩基、燐酸、琥珀酸、酒石酸、乳酸、酢酸、マレイン酸、クエン酸のような適量の酸と水酸化ナトリウム又は燐酸水素ニナトリウムのような塩基との混合物、などを含む緩衝液を挙げることができる。防腐剤としては、安息香酸、ベンジルアルコール、ブチル化されたヒドロキシアニソール、ブチル化されたヒドロキシトルエン、クロルブトール、没食子エステル、ヒドロキシ安息香酸エステル、EDTA、フェノール、クロロクレゾール、メタクレゾール、塩化ベンゾトニウムなどが挙げられる。
張度調節剤としては、塩化ナトリウム、デキストロース、マンニトール、ソルビトール、ラクトース、硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
【0018】
本発明の有効成分を親油性溶媒を用いて調合することも出来る。このために用いる油としては、落花生油、ゴマ油、綿実油、トウモロコシ油、サフラワー油、ヒマシ油、オレイン酸エチル、大豆油、長鎖脂肪酸又は中鎖脂肪酸のグリセロールエステル類等の不揮発油及びそれらの混合物を挙げることが出来る。この場合に、モノステアリン酸アルミニウム、エチルセルロース、トリグリセリド類、水素化ヒマシ油などの濃化剤を組成物に添加することもできる。
【0019】
【実施例】
以下、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明の技術的範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
[材料および方法]
(細胞および培養)
ヒト膵臓癌細胞系統PANC−1をJapanese Cancer Researchs Programより入手し、10%ウシ胎児血清(シグマ)添加Dulbeccoの変性Eagle培地(Nissui,東京)中で生育させた。栄養飢餓に付すために、血清、グルコースおよび/またはアミノ酸が欠損した種々の培地を以前に記載したとおり調製した(Cancer Res, 60: 6201-6207, 2000)。ウシ胎児血清は残留している恐れのあるアミノ酸およびグルコースを除去するために生理食塩水で十分透析した後に使用した。細胞の生存は、トリパンブルー又はヨウ化プロピジウムを用いた染料排出法及びHoechst334二重染色法(Suzuki)の何れかにより評価した。
【0020】
(リン酸化Aktのウエスタンブロット分析)
PKB/AktをAktに対する抗体またはセリン473におけるAktのホスホリル化型に対する抗体を用いたウエスタンブロットにより分析した。抗体はNew England Biolabより入手した。10%ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、1Mの2−メルカプトエタノール、50mM Tris−HCl緩衝液(pH7.5)を含有する沸騰試料緩衝液で抽出することにより細胞抽出液を調製した。抽出液蛋白約50μgを各レーンに適用し、蛋白をナイロンメンブレンに転写し、2%スキムミルクでブロッキングした。TBS(0.2%Tween20、150mM NaClおよび50mM Tris−HCl緩衝液(pH7.5))で3回洗浄した後、メンブレンを4℃で24時間1000倍希釈抗体と共にインキュベートし、そしてセイヨウワサビペルオキシダーゼとコンジュゲートしたウサギ免疫グロブリンに対する2次抗体(Amersham)と共に再度インキュベートした。バンドをLuminescence kit(Amersham)で可視化した。
【0021】
(有機酸の測定)
培地中の有機酸を定量するために、試料をエタノールおよびヘキサンで処理し、残存物を室温で1時間ビス(トリメチル)−トリフルオロアセトアミド(Wako Chemical,大阪,日本)で誘導体化した(14)。トリメチルシリル誘導体化した乳酸およびコハク酸は、5%フェニルメチルシロキサンカラム(HP−5MS,ヒューレット・パッカード)を装着したガスクロマトグラフ−質量スペクトル分析器(GC/MS)(HP6890,ヒュ-レット・パッカード,DE)を用いて定量した。GCカラムのオーブン温度のプログラムは100℃(4分)−10℃/1分−280℃(10分)とした。MSの操作条件は以下の通りである:イオン化方法は電子衝撃、イオン化電圧70eV、選択イオンモニタリング(乳酸、m/z=147;コハク酸、m/z=247;クエン酸、m/z=273)とした。ヘプタデカン酸を内標準(シグマアルドリッチ)として用い、有機酸の濃度はトリメチルシリル化標準試薬(シグマアルドリッチ)の直線回帰より求めた。
【0022】
(In vivo抗腫瘍活性)
PANC−1細胞を10%ウシ胎児血清添加DMEMを用いin vitroで培養し、5×106細胞/マウスの用量でヌードマウスに皮下注射した。約2週間後に小型の腫瘍が出現し、群間の腫瘍の大きさの差が最小限になるようにマウスを無作為に2群に割りつけた。生理食塩水中2%ジメチルスルホキシドに50μg/mlの濃度で溶解したピルビニウムパモエートまたは溶媒を実験終了時まで毎日対側性に背部に皮下注射した。毎週、各マウスの背部の腫瘍をノギスを用いて計測した。腫瘍の大きさは式:V=4/3×P×(L/2×W/2×W/2)[式中Lは長さ、Wは幅を示す]を用いて計算した。実験終了時、腫瘍を切開し、組織学的検査用に処理した。ホルマリン固定パラフィン包埋切片をヘマトキシリンエオシン染色した。
【0023】
[結果]
(ピルビニウムパモエートのin vitro細胞毒性)
代表的な低血管性腫瘍であるヒト膵臓癌由来のPANC−1細胞は、以前に報告した通りin vitroのグルコース飢餓に対し強力な忍容性を示した(Oncogene, 21: 6082-6090, 2002)。ピルビニウムパモエート0.1μg/mlの存在下では細胞は通常のDMEM培地中ほぼ正常に成育したが、1μg/mlでは細胞の生育は緩徐となった(図1)。しかしながら、グルコース非含有培地中で強力な細胞殺傷作用が観察され、そして、24時間以内に細胞全てを殺傷するのに100ng/mlでも十分であった。ヨウ化プロピジウムおよびHoechst334で細胞を染色することにより1μg/mlのピルビニウムパモエート存在下のグルコース飢餓の間のPANC−1細胞の形態学的変化について検討した。細胞の大部分は3時間で膨潤し、回旋状の核やクロマチン断片化を伴うことなく6時間でヨウ化プロピジウム染色陽性となり、壊死性の細胞死が見とめられた。
【0024】
ピルビニウムパモエートはグルコース枯渇時には有意に毒性となる。
種々の飢餓条件下におけるPANC−1細胞生育に対するピルビニウムパモエートの作用をグルコース、アミノ酸および/または血清を排除することにより検討した。図2に示すとおり、1μg/mlのピルビニウムパモエートは血清およびアミノ酸の存在とは無関係にグルコース枯渇時のみ毒性となった。一部の細胞系統がグルコース飢餓により誘発される細胞死に対して酸素正常状態よりも更に耐性となる低酸素条件下において同様の結果が得られた(J.Biol.Chem,277;32791-32798.2002)。ピルビニウムパモエートの細胞毒性作用の用量反応分析によれば、24時間以内の細胞死のためには0.1μg/mlで十分であった。
【0025】
ピルビニウムパモエートはグルコース飢餓下において種々の細胞系統に対し毒性であった。
本発明者の以前の研究において、種々の細胞系統の間でグルコース飢餓に対する忍容性に大きな相違が観察され、低血管性膵臓癌(KP−3およびAsPC−1)および低分化の胃癌(MKN−45)に由来する細胞系統がグルコース飢餓に対して極めて高い忍容性を示した(Oncogene, 21: 6082-6090, 2002)。図3に示す結果は明らかにピルビニウムパモエートが試験した全ての細胞系統に対してグルコースの非存在下でのみ毒性であり、存在下では毒性がみとめられず、そしてまた、細胞がグルコース飢餓および低酸素の間のエネルギー源としてアミノ酸を利用していることから(J.Biol.Chem.277;32791-32798,2002)ピルビニウムパモエートはこの代謝経路を抑制していることが疑われる。
【0026】
この可能性を調べるために、本発明者は、酸素の消費および有機酸の生産を分析することにより細胞の代謝に対するピルビニウムの作用を検討した。結果を図4aおよび4bに示す。1μg/mlにおいて、ピルビニウムパモエートはグルコース非存在下の酸素消費を僅かのみ抑制した。意外にもPANC−1細胞培地中の乳酸の蓄積は低酸素中不変であった。
しかしながら、ピルビニウムパモエートは酸素正常状態および低酸素状態の双方において、ただしグルコースの存在下でのみ、乳酸の蓄積を顕著に促進した。これとは対照的に、グルコース存在下ではコハク酸量は遥かに高値であったものの、低酸素では培地中のコハク酸の濃度はグルコースの存在とは無関係に有意に増加した(図4b)。ピルビニウムパモエートは酸素正常状態ではグルコースの存在下でコハク酸蓄積を促進したが、グルコース非存在下または低酸素では促進しなかった。
【0027】
ピルビニウムパモエートはグルコース飢餓によるAktホスホリル化をブロックする。
発明者の以前の研究において、PKB/Aktは培地中グルコース枯渇5〜10分以内に活性化され、そして、PKB/Aktは酸素正常状態または低酸素状態に関わらずグルコース飢餓時の細胞生存にとって必須であることが見出された(J.Biol.Chem.277;32791-32798, 2002.;Cancer Res, 60: 6201-6207, 2000)。PKB/Akt活性化に対するピルビニウムパモエートの作用を検討した。PANC−1細胞を1μg/mlのピルビニウムパモエートの存在下または非存在下にグルコース非含有培地中でインキュベートした。図5に示すとおり、ser473におけるPKB/Aktのホスホリル化はピルビニウムパモエートにより完全にブロックされた。この抑制はピルビニウムパモエートの細胞毒性作用と同じ濃度で達成され、抑制と細胞毒性との間には因果関係があることを示している。
【0028】
ピルビニウムパモエートはヌードマウスにおいてPANC−1細胞による腫瘍形成を強力に抑制する。
ピルビニウムパモエートは駆虫剤として臨床使用されている。水にはほとんど不溶であり哺乳類の腸管からはほとんど吸収されないと報告されており、そしてこのためヌードマウスにおいて腫瘍の治療のために経口投与することは困難であると考えられるため、先ず皮下投与した。各ヌードマウスの背部の片側に5×106個のPANC−1細胞を皮下注射した。移植3週間後、PANC−1細胞は背部に小型の腫瘍を形成し、ピルビニウムパモエートを毎日10μg/マウスの用量で背部に対側性に皮下注射した。未投与の対照マウスには同じ容量の溶媒、即ち生理食塩水中2%DMSOを0.2ml投与した。結果によれば明らかにPANC−1細胞に対するピルビニウムパモエートの抗腫瘍活性が観察された(図6)。8週間まで投与した後、毎日のピルビニウムパモエートの皮下注射による硬化、発赤または壊死は見とめられなかった。
【0029】
ピルビニウムパモエートは哺乳類の腸管からは吸収されないとされているが、発明者は腫瘍生育に対する経口投与の作用を検討した。図7に示す結果によれば明らかにピルビニウムパモエートはヌードマウスにおけるPANC−1に対して抗腫瘍活性を有していた。ピルビニウムパモエートの投与によりマウスの尿は赤変し、ピルビニウムパモエートが吸収され、尿中に排出されたことが強く示唆されていた。
【0030】
[評価・考察]
腫瘍の形成は細胞の生育と死滅の総括であり、両者は微小環境による生育と死滅の内因性細胞プログラムにより決定される。細胞の不死化と際限のない加速増殖およびプログラムされた細胞死からの開放に関わる分子機序は広範に研究されている。腫瘍組織への血液供給は微小環境の決定要因の1つであり、酸素供給不足、低酸素に対する腫瘍細胞の応答については多くの報告がある。しかしながら、血液供給は酸素の供給のためのみならず、栄養供給のためにも重要である。癌細胞は、一部はその内因性機序のために、そして一部はその低酸素環境のために、解糖作用を介したエネルギー生産のためには主にグルコースおよびグリコーゲンを使用していると考えられている。しかしながら本発明者は、本発明者の以前の研究においてグルコース源の問題を提起しており、亢進した解糖作用のみならずエネルギー源としてアミノ酸を使用する他の未知の代謝経路が腫瘍組織の生存に重要であるという仮説を示した(J.Biol.Chem.277;32791-32798, 2002;Cancer Res., 60: 6201-6207, 2000)。
【0031】
本発明者の一連の研究によれば、一部のアミノ酸は低酸素条件下のグルコース飢餓時の細胞の生存を支援し、そして、PKB/AktおよびAMPKの活性はHepG2細胞において低酸素時のグルコース飢餓への忍容性の誘導に重要であることがわかっており、そうでなければこの細胞は酸素正常条件下ではグルコース飢餓に対して感受性となる(J.Biol.Chem.277;32791-32798, 2002)。同様な、しかし構成的なグルコース飢餓に対する忍容性が一部の癌細胞系統で観察され、これらには、臨床血管造影所見から低血管腫瘍であることがよく知られている膵臓癌に由来するものが含まれる(Oncogene, 21,6082-6090, 2002)。これらの観察結果に基づいて、発明者は栄養飢餓への忍容性は悪性の癌の耐乏性の重要な特徴であり、エネルギー消費過程を制限し、全ての使用可能な代替基質からエネルギーを生産するという組織の特徴を意味するものであるという仮説を示した。興味深いことに、発明者はグルコースおよびアミノ酸の飢餓並びに腫瘍細胞の窒素酸化物曝露が侵襲性で転位性の癌の良く知られた因子であり、マトリックス蛋白を分解してアミノ酸を生成させるマトリックスメタロプロテイナーゼの合成を促進することを発見した(Int. J. Cancer,103;161-168,2003)。
【0032】
酸素と栄養の供給は正常組織の機能的および構造的一体性のために肝要であることから、その供給は生理学的および生化学的機序の双方により戦略的に調節されており、このため、これら成分の長期にわたる欠乏は正常組織では希である。グルコース飢餓に対する忍容性の生化学的機序はまだ十分に解明されていないが、発明者は構成的忍容性の分子的および生化学的機序をブロックする薬剤は癌の化学療法、即ち抗耐乏性療法に適用することができ、そしてピルビニウムパモエートはこの種の癌化学療法のための候補薬剤であるという仮説を唱えた。
【0033】
ピルビニウムパモエートの駆虫剤作用の根本となる生化学的機序は十分理解されていない。蠕虫におけるグリコーゲンおよびグルコースの利用の抑制が報告されている(Prog Drug Res, 19,147-157, 1975;J Inherit Metab Dis, 13,325-329,1990;Int. J. Cancer, in press, 103;161-168,2003)。きわめて低い酸素濃度(1%未満)におけるグルコース存在下および非存在下におけるPANC−1細胞呼吸に対するピルビニウムパモエートの作用について調べたが、1μg/mlまで抑制作用は観察されなかった。寄生虫は嫌気的条件下にフマル酸からコハク酸への還元を触媒するフマレート還元酵素反応を介してエネルギーを生産する場合が多い(Mol Biochem Parasitol, 122,189-200, 2002;Biochim Biophys Acta, 1553,123-139, 2002;Parasitology, 76,21-27, 1978.)。乳酸の蓄積は本実施例においては低酸素により促進されず、そしてコハク酸の蓄積は顕著に増大させたということは、一部の癌細胞は何らかの未知の代謝経路を機能させているという本発明者の以前の推測を裏付ける観察結果であった(10:J.Biol.Chem.277;32791-32798, 2002)。
【0034】
本発明者は、最近ピルビニウムパモエートがin vitroで蠕虫のフマレート還元酵素活性を阻害することを発見したが、ピルビニウムパモエートはグルコースの存在下においてのみPANC−1細胞の培地中における乳酸とコハク酸の蓄積を促進し、コハク酸の蓄積に対しては抑制よりむしろ促進作用を示したことから、ピルビニウムパモエートのこの阻害作用がその抗腫瘍活性の生化学的機序と関係があるかどうかは今後明らかにする必要がある。
ピルビニウムパモエートの明確な作用の1つはグルコース飢餓によるPKB/Akt活性化の抑制である。PKB/AktはPANC−1細胞の構造的忍容性にとって重要であるため、この抑制作用がその抗腫瘍作用と関係している可能性が高い。現時点ではPKB/Aktが忍容性に関与する機序は不明である。栄養飢餓への忍容性および耐乏性の分子的および生化学的な機序を十分理解することは、新しい種類の癌化学療法剤の開発を明らかに促進するものである。
【0035】
[図面の簡単な説明]
図1
ピルビニウムパモエートの細胞毒性。PANC−1細胞を栄養枯渇培地またはDMEM培地中、ピルビニウムパモエート(pp)の存在下または非存在下、大気圧中の酸素分圧下において培養した。■―■:PP非存在下のDMEM、□―□:0.1μg/mlのPPの存在下のDMEM、▲―――▲:1μg/mlのPPの存在下のDMEM、×―×:PP非含有栄養枯渇培地、□‐‐□:0.1μg/mlのPPの存在下の栄養枯渇培地、○‐‐○:1μg/mlのPPの存在下の栄養枯渇培地。★★は対照群と比較した場合のp<0.01の統計学的有意差を示す。使用略語:PP:ピルビニウムパモエート
【0036】
図2
種々の栄養成分が欠損した種々の培地中のPPの細胞毒性。PANC‐1細胞を大気圧酸素分圧下24時間種々の培地中で培養し、生存細胞数をトリパンブルー染料排出法により測定した。グルコースは1mg/mlで添加した。アミノ酸はDMEM中の濃度の全アミノ酸の混合物である。十分な透析後に血清を10%の濃度で添加した。★はPP非存在下の相当する対照と比較した場合のp<0.05での統計学的有意差を示す。★★はPP非存在下の相当する対照と比較した場合のp<0.01での統計学的有意差を示す。
【0037】
図3
種々の細胞系統に対するPPの毒性。a.ヒト胃癌細胞系統MKN45、b.ヒト膵臓癌細胞系統KP−3、c.ヒト肝細胞癌系統HepG2、およびd.ヒト膵臓癌細胞系統AsPC−1を種々の条件下に培養した。◆―◆:DMEMのみ、■−−■:1μg/mlのPPの存在下のDMEM、▲―――▲:グルコース非含有、×−−−×:1μg/mlのPPの存在下のグルコース非含有、★はPP非存在下の相当する対照と比較した場合のp<0.05での統計学的有意差を示す。★★はPP非存在下の相当する対照と比較した場合のp<0.01での統計学的有意差を示す。
【0038】
図4
呼吸および有機酸の蓄積に対するPPの作用。b.PANC‐1細胞の酸素消費に対するPPの作用。PANC‐1細胞をトリプシン処理により採取し、遠心分離し、グルコース非含有DMEM中に懸濁した。細胞の呼吸はClerk型オキシメーターUD−1(セントラル化学株式会社、大阪、日本)を用いた酸素測定法により測定した。b.培地中の有機酸の蓄積に対するPPの作用。培地中の有機酸は記載した種々の条件下で6時間2×106細胞を培養した培地を用いて記載した方法により測定した。数値は3個の独立したディッシュの平均値であり、誤差バーはSEである。★はPP非存在下の相当する対照と比較した場合のp<0.05での統計学的有意差を示す。★★はPP非存在下の相当する対照と比較した場合のp<0.01での統計学的有意差を示す。※は対照酸素正常状態とのp<0.05での統計学的有意差を示す。
【0039】
図5
AKT活性化に対するPPの作用のウエスタンブロット分析
PANC‐1細胞を2時間記載した種々の条件下に培養し、次に材料および方法の項で記載したとおり処理した。
図6
ヌードマウスにおけるPANC‐1細胞の腫瘍形成に対するPPの抗腫瘍活性腫瘍細胞移植6日後、動物を2群に分け、移植2週後に5日/週で投与を開始した。
図7
PANC‐1細胞の腫瘍に対する経口投与したPPの抗腫瘍活性
PPは実験終了時まで毎日100μg/マウスの用量で経口投与した。PPの経口投与は非麻酔下において強制給餌シリンジを用いて生理食塩水中2%DMSO中の500μg/mlのPP溶液を強制的に投与することにより行なった。各群マウス9匹とした。対照群マウスには同じ容量の溶媒を与えた。
【0040】
【発明の効果】
本発明の抗癌剤及び抗癌用薬理組成物の有効成分であるピルビニウムパモエートは、グルコース飢餓の状態にあるin vivoの癌細胞に対して極めて高い毒性を示す。特に、膵臓癌に対して強力な抗癌作用を示す。本発明の有効成分であるピルビニウムパモエートは、既に、駆虫剤として人体に投与されているものであり、生体に投与して安全性が確認されている成分である。したがって、本発明はその臨床に際して安全な抗癌剤及び抗癌用薬理組成物を提供するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例におけるピルビニウムパモエートの細胞毒性についての試験において、種々の飢餓条件下におけるピルビニウムパモエートのPANC−1細胞の生育に対する影響を示す図である。
【図2】本発明の実施例におけるピルビニウムパモエートの細胞毒性についての試験において、種々の栄養成分が欠損した種々の培地中のピルビニウムパモエートの細胞毒性について示す図である。
【図3】本発明の実施例におけるピルビニウムパモエートの細胞毒性についての試験において、種々の細胞系統に対するピルビニウムパモエートの毒性について示す図である。
【図4】本発明の実施例において、ピルビニウムパモエートの代謝経路の抑制の可能性を解明するために、呼吸および有機酸の蓄積に対するピルビニウムパモエートの作用の状況を示す図である。
【図5】本発明の実施例において、ピルビニウムパモエートがグルコース飢餓によるAktホスホリル化を検出するための試験で、AKT活性化に対するピルビニウムパモエートの作用のウエスタンブロット分析の結果を示す写真である。
【図6】本発明の実施例において、ヌードマウスにおけるPANC‐1細胞の腫瘍形成に対するピルビニウムパモエートの抗腫瘍活性の試験において、腫瘍細胞移植6日後、動物を2群に分け、移植2週後に5日/週で投与を行った結果を示す図である。
【図7】本発明の実施例において、PANC‐1細胞の腫瘍に対する経口投与したピルビニウムパモエートの抗腫瘍活性についての試験の結果を示す図である。

Claims (5)

  1. 6−ジメチルアミノ−2−[2−(2,5−ジメチル−1−フェニル−3−ピリリル)ビニル]−1−メチル−キノリニウム パモエートからなるピルビニウム化合物を有効成分として含有してなる抗癌剤。
  2. 抗癌作用が、膵臓癌に対する抗癌作用であることを特徴とする請求項1記載の抗癌剤。
  3. 抗癌作用が、グルコース飢餓状態において発揮されることを特徴とする請求項1又は2記載の抗癌剤。
  4. 請求項1記載のピルビニウム化合物と薬理学的に許容可能な担体とを含有することを特徴とする抗癌用薬理組成物。
  5. 有効成分と薬理学的に許容可能な担体とが、注射可能な投与形態に調剤されていることを特徴とする請求項記載の抗癌用薬理組成物。
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