JP3921037B2 - 棒材供給機用部品 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、棒材加工機に棒材を供給するための棒材供給機に取付けるための部品に関し、より詳細には、既存の棒材供給機の材料棚と、棒材を材料棚から取出してガイドレールに補給するための割出板とに取付けるための部品に関する。
【0002】
【従来技術】
従来から、棒材を材料棚から取出してガイドレールに補給するための割出板を有する棒材供給機が知られている。このような棒材供給機には、例えば、実公昭第56−46882号公報に記載されたものがある。構造について簡単に説明すると、棒材供給機には、材料棚と、材料棚に近接して設けられた円形の割出板とが設けられている。割出板の周囲には、半径方向外方に向かって開放する複数の四角い切り欠きが形成されている。切り欠きはそれぞれ、異なる外径の棒材に対応した大きさを有しており、対応する外径の棒材を1つだけ、切り欠きの中の棒材受入れ領域に受け入れることができる大きさに形成されている。材料棚は、割出板の切り欠きに向かって斜め下方に延びる棚面を有する。各切り欠きは材料棚と整列するとき、棒材受入れ領域が材料棚に載置された棒材に向かって臨む。また、材料棚の割出板に隣接する縁部には、棚面から下方のガイドレールの近傍まで、円形の割出板の周縁形状に対して相補的な円弧状の湾曲面が形成されている。
【0003】
棒材をガイドレールに補給する際、まず、加工すべき棒材の外径に対応する所定の切り欠きが、材料棚と整列し、棒材が傾斜した材料棚の棚面に沿って移動して、1つの棒材だけが棒材受入れ領域の中に受入れられる。割出板が回転し、切り欠きが材料棚近傍からガイドレール近傍まで回転する間、切り欠きが、材料棚の湾曲した縁部によって閉じられ、棒材が切り欠きの中の棒材受入れ領域に閉じ込められる。切り欠きがガイドレールと対向する下方位置まで移動すると、棒材が棒材受入れ領域から落下してガイドレールの中に受け入れられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように構成された棒材供給機において、材料棚と割出板とは互いに近接して設けられ、互いの間には、小さな隙間が形成されているにすぎず、棒材は、隙間につかえることなく、材料棚から割出板の棒材受入れ領域の中に円滑に受け入れられる。
しかし、棒材の外径が、非常に細い場合、例えば、1mm以下のような細材の場合には、上記の従来の構造を有する棒材供給機では、材料棚と割出板との間のわずかな隙間にひっかかってしまい、棒材が材料棚から切り欠きの中に円滑に移動しない場合がある。また、従来の棒材供給機では、切り欠きの大きさが、棒材の外径に対応する大きさを有しているが、細材の場合には撓み易く、材料棚の上で撓んでしまい、入口高さが1mm以下の切り欠きの中に全体が受け入れられにくい。したがって、従来の棒材供給機に設けられている割出板と材料棚の機構は、細材を材料棚から取出すには向いていない。
そこで、本発明は、割出板を有する形式の棒材供給機において、細材を材料棚から円滑に取出すことができるように、棒材供給機に取付けるための部品を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、周囲に形成された切り欠きのうち所定の切り欠きが、材料棚と整列する整列位置において、材料棚から棒材を、所定の切り欠きの中の棒材受入れ領域に受け入れ、第一の方向に回転して棒材をガイドレールの中に補給する棒材供給機に取付けるための部品であって、前記材料棚と前記割出板のそれぞれに対して、着脱自在に取付けるための第一部品と第二部品とを有し、前記第一部品と前記第二部品をそれぞれ取付けた状態において、前記第一部品は、前記材料棚の傾斜した棚面から上方に突出して、棒材を前記棚面の上に保持するためのストッパを有し、また、前記第二部品は、前記棒材受入れ領域から前記ストッパに隣接する棒材の下方まで延びる棒材迎え受け面を有し、前記割出板が第二の方向に回転することによって、棒材が前記棒材迎え受け面によって前記ストッパを超えて持上げられ、棒材は前記棒材迎え受け面によって前記棒材受入れ領域まで案内される、ことを特徴とする棒材供給機用部品によって達成することができる。
【0006】
既存の割出板を有する形式の棒材供給機に本発明にかかる部品を取付ける。割出板が第二の方向に回転すると、棒材迎え受け面によって、材料棚上にストッパに隣接して載置された1つの棒材が、ストッパを超えて持ち上げられ、棒材が、棒材迎え受け面によって棒材受入れ領域まで案内されて、受け入れられる。引き続き、割出板が第一の方向に回転し、切り欠きが下方まで移動すると、棒材が棒材受入れ領域からガイドレールの中に落下して、棒材が補給される。
本発明においては、既存の割出板を有する形式の棒材供給機に、部品を取りつければ、非常に細い棒材であっても、棒材をガイドレールに円滑に供給することができる。すなわち、棒材迎え受け面によって、1つの棒材だけが材料棚から取出され、棒材受入れ領域まで案内され、棒材を確実に1つづつ、ガイドレールの中に補給することができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明にかかる棒材供給機および取付部品の実施の形態について説明する。
図1は、従来の棒材供給機の横断面図であり、材料棚と割出板の詳細を示す。
図1に示すように、従来の棒材供給機2は、基台4の上に設けられたガイドレール6と、ガイドレール6の上方に設けられ、棒材Wを棒材を保持するための材料棚10から棒材を1つづつ取出して、ガイドレール6の中に補給するための割出板8と、割出板8の側方に設けられ、割出板8に向かって斜め下方に傾斜する棚面10aをもつ材料棚10と、材料棚10の上方に、棚面10aに平行して真っ直ぐに延びて設けられた、棒材Wを棚面10aの上に一列に整列させるための棒材規制部材12とを有する。ガイドレール6は、割出板8に向かって上方に開放するU字形の横断面を有する。材料棚10および割出板8の、図1において手前側の側面は、互いに略面一になっている。
【0008】
割出板8の周囲には、複数の切り欠き16が形成されている。切り欠き16はそれぞれ、異なる外径を有する棒材Wを1つだけ受け入れることができるように、異なる外径の棒材Wに対応した大きさを有している。切り欠き16の中の棒材受入れ領域に棒材Wが受け入れられる。各切り欠き16は四角形に形成されており、半径方向外方に向けて開口している。また、各切り欠き16は、材料棚10に整列する整列位置にあるとき、四角い切り欠き16の下面16aが、材料棚10の棚面10aの延長上に真っ直ぐに整列するように形成されている。材料棚10の割出板8に隣接する縁部は、円形の割出板8の縁部と相補的な円弧形状に形成されている。円弧状縁部は、棚面10aから下方にガイドレール6の手前まで延びている。材料棚10から棒材Wを受け入れた切り欠き16は、割出板8が材料棚10からガイドレール6の手前領域まで回転する間、円弧状縁部によって閉じられ、棒材Wが棒材受入れ領域内に閉じ込められる。
【0009】
割出板8は、ガイドレール6の垂直方向上方に設けられた回転軸18に取付けられている。割出板8は、回転軸18によって、第一の方向(反時計方向)に回転されることによって、加工すべき棒材Wの外径に対応する切り欠き16が、下方のガイドレール6に向かって開口する投入位置まで移動し、また、第二の方向(時計方向)に回転されることによって、材料棚10と整列する整列位置まで移動する。このように、割出板8は、整列位置と投入位置とを回転の限界として、2つの限界位置の間で往復回転運動する。
【0010】
図2は、本実施の形態にかかる取付部品を取りつけた状態の棒材供給機の横断面図である。
例えば、直径1mm程度の細い棒材Wを供給するため、図1に示す従来の材料棚10に第一部品20を、また、割出板8に第二部品22を取付ける。図2は、第一部品20と第二部品22を取付けた状態を示す。材料棚10の遠い側の側面に第一部品20(点線で示す)が、また、割出板8の手前側の側面に第二部品22(実線で示す)が取付けられている。
第一部品20は、材料棚10の棚面10aの傾斜方向に延びる細長い本体部分20aと、本体部分20aの一端に設けられた、ストッパ部分20bとを有する。ストッパ部分20bは、材料棚10に取付けられたとき、棚面10aの割出板8に隣接した下流側縁部から上方に突出し、棒材Wを傾斜した棚面10aの上に保持する。本体部分20aには、材料棚10の棚面10aの傾斜方向に延びる長孔20cが形成されている。第一部品20は、材料棚10の側面に対して長孔20cを介してねじ23によって着脱自在に取付けられている。ストッパ部分20bの位置は、長孔20cの長さ寸法の範囲において、棚面10aに沿って調節可能である。
【0011】
棒材規制部材12は、材料棚10の上方に着脱自在に取付けられており、図1に示す棒材規制部材12は、図2に示すように、別の棒材規制部材24に取替えられている。図2に示す棒材規制部材24は全体的に、材料棚10の上方に、材料棚10の棚面10aに沿って延びる細長いプレート部材で構成されている。棒材規制部材24は、材料棚10の棚面10aから上方に棒材Wの外径寸法だけ離間して、横方向に延びる棒材規制縁部24aを有する。棒材規制縁部24aは、棚面10aに対して平行に真っ直ぐに延び、且つ、材料棚10に載置された複数の棒材Wのうち、第一部品20のストッパ部分20bに隣接する棒材W1、すなわち、棒材Wの移動方向に対して最も下流側の棒材W1に隣接する棒材Wの上方領域Aから、材料Wの移動方向に対して上流側に向かって延びている。
【0012】
図2を見て分かるように、第二部品22は全体的に、割出板8と同じ半径をもつ扇状のプレートで構成されている。第二部品22は、割出板8の手前側の側面に対して、ねじ26によって、スペーサを介して着脱自在に取付けられている。第二部品22の周縁部には、半径方向外方に向けて開放した、棒材を受け入れるための四角い切り欠き22cが1つ形成されている。切り欠き22cの大きさは、棒材を受け入れやすいように、棒材の外径よりかなり大きい入口高さ寸法と奥行き寸法とを有している。
【0013】
また、第二部品22は、切り欠き22cに隣接して設けられた、半径方向外方に突出するアーム部分22aを有する。切り欠き22cが材料棚10に隣接した回転位置に位置する第一部品22を見たとき、切り欠き22cを構成する半径方向に延びる2つの面のうちの、下側(第二の回転方向に対して遅れ側)の面22dの延長上に、アーム部分22aの上面22bが、連続して真っ直ぐに半径方向外方に延びている。より詳細には、アーム部分22の上面22aは、材料棚10に向かって延び、ストッパ部分20bの下方を横切り、更に、ストッパ部分20bに隣接する最も下流側の棒材Wの下方領域を横切り、最も下流側の棒材Wと下流側から2番目の棒材Wとの間で終端している。これによって、後に詳述するように、割出板8が第二の方向に回転することによって、最も下流側の棒材W1だけを材料棚10から押上げることができる(図4参照)。
このように、切り欠き22cの下面22dと、それと連なって真っ直ぐに延びるアーム部分22aの上面22bとで、棒材Wを材料棚10から迎え受けて棒材受入れ領域Aへと案内する棒材迎え受け面22gが構成されている。棒材迎え受け面22gによって、切り欠き16'の中の棒材受入れ領域Aと材料棚10とが橋渡しされ、材料棚10と割出板8との間の隙間に棒材がつかえないようになっている。
【0014】
第二部品22が割出板8に対して、図2に示すように、切り欠き22cと、割出板8の複数の切り欠き16のうちの所定の切り欠き16’とを重ね合わせるようにして、取付けられている。切り欠き16’は、割出板8の複数の切り欠き16のうち、第二部品22の切り欠き22cより大きいものが選択されている。切り欠き22cは、切り欠き16’の内側に位置しており、切り欠き16’内の棒材受入れ領域Aが切り欠き22cによって、狭められている。より詳細には、第二部品22が割出板22の側面に取付けられた状態、且つ、切り欠き16’が材料棚10に隣接する状態において、切り欠き22cを構成する3つの面のうち、上側(第二の回転方向に対して進み側)の面22dおよび周方向の面22fは、切り欠き16’の内側、すなわち、棒材受入れ領域Aの中に位置している。また、棒材迎え受け面22gは、切り欠き16’の下側(第二の回転方向に対して遅れ側)の面16aに対して、ストッパ部分20bの略高さ寸法と同じ距離だけ上側(第二の回転方向に対して進み側)の位置で、棒材受入れ領域Aの中を横切っている。
【0015】
図3〜図7は、本実施形態にかかる取付部品を取り付けた割出板によって、材料棚から棒材Wを取出すときの工程を示す図である。
本実施形態にかかる取付部品を取り付けた棒材供給機2の割出板8および材料棚10は、以下の通り作用する。
図3に示すように、材料棚10の傾斜した棚面10aの上には、複数の棒材Wが載置されており、ストッパ部分20bによって、棒材Wが傾斜した棚面10aの上に保持されている。また、最も下流側から2番目の棒材Wから上流側の棒材Wは、棒材規制部材12によって規制され、棚面10aの上に一列に整列している。また、割出板8は、初め、下方の投入位置にあり、切り欠き16’、22cは、ガイドレール6に向かって開放している。引き続き、割出板8は、第二の方向(図3に示す矢印の方向)である時計方向に回転する。なお、材料棚10の手前側の側面と割出板8の手前側の側面とは面一であり、割出板8の手前側にスペーサを介して取付けられた第二部品22は、アーム部分22aが材料棚10の手前側の側面と干渉することなく、側面に沿って回転する。
【0016】
図4は、棒材迎え受け面22gが、切り欠き16’の中の棒材受入れ領域Aから、材料棚上の最も下流側の棒材W1の下方まで真っ直ぐに延びた、棒材取出し位置にある状態を示す。なお、棒材迎え受け面22gが棒材取出し位置にあるときは、割出板8は回転の限界位置である整列位置(切り欠き16’の下面16aが材料棚10の棚面10aと整列する位置)には達していない。より詳細には、棒材迎え受け面22gと切り欠き16’の下面16aとは、周方向にストッパ部分20bの略高さ寸法だけ互いに離間しているので、棒材取出し位置においては、割出板8は、周方向の距離において、整列位置に対して、ストッパ部分20bの略高さ寸法だけ、第二の回転方向に対して遅れ側に位置している。
図5に示すように、割出板8が、更に、第二の回転方向に回転して、最も下流側の棒材Wが、ストッパ部分20bの上流側の側面と棒材規制部材12の下流側の側面との間を通って、材料棚10から持ち上げられる。割出板8が、回転の限界位置である整列位置に達したとき、棒材迎え受け面22gがストッパ部分20bと略同じ高さに位置し、棒材Wは、ストッパ部分20bを超えて、斜め下方に延びる棒材迎え受け面22gに沿って、棒材受入れ領域Aに向かって転動し、棒材受入れ領域Aの中に受け入れられる。
【0017】
一旦、棒材Wが棒材受入れ領域A内に受け入れられたら、引き続き、図6に示すように、割出板8は、第一の方向(図6に矢印で示す方向)である反時計方向に逆転する。割出板8の回転中、切り欠き16’、22cは、材料棚10の円弧状縁部によって閉じられており、棒材Wが棒材受入れ領域内に保持される。
図7に示すように、割出板8が、下方の回転限界位置である投入位置まで回転すると、切り欠き16’、22cはガイドレール6に向かって開放し、棒材Wがガイドレール6の中に落下して投入される。
引き続き、図示はしないが、ガイドレール6の中で棒材Wを給送するための送り矢が移動し、棒材Wが棒材加工機に向かって給送される。1つの棒材Wの加工が終了し、残った残材が廃棄されたら、図3〜図7に示す工程を繰返して、棒材Wが1つづつ、ガイドレール6の中に投入される。
【0018】
本実施形態によれば、本実施形態にかかる第一部品20及び第二部品22を、既存の、比較的太い棒材Wを給送するための棒材供給機2の割出板8に取付けるだけで、例えば、外径が1mm以下のような、非常の細くて撓み易い棒材も、材料棚10から確実に1つづつ取出してガイドレール6に供給することが可能となる。従って、簡易かつ安価な手段によって、既存の棒材供給機2を利用して、細材を供給することが可能となる。
【0019】
また、本実施形態によれば、棒材Wが材料棚10から棒材受入れ領域Aの中に、棒材迎え受け面22gによって案内されるので、細い棒材Wが材料棚10と割出板8との間の隙間に挟まってつかえることがない。
更に、従来の棒材供給機2においては、切り欠き16を1つの棒材だけを受け入れることができる大きさとし、材料棚10から棒材を1つだけ受け入れることによって、棒材を1つづつ材料棚10から取出しているのに対して、本実施形態においては、第二部品22の棒材迎え受け面22gによって、棒材Wを1つだけを取出すように構成している。したがって、切り欠き22cの入口高さを大きくすることが可能となり、また、棒材受入れ領域Aの大きさも、棒材を1本以上受入れ可能な大きさにすることが可能となる。これによって、棒材Wが撓んでいても、また、断面が円形以外の所謂「異形材」であっても、棒材全体が棒材受入れ領域Aの中に容易に受け入れられ、確実に棒材を1つづつ、ガイドレール6に供給することが可能となる。また、棒材受入れ領域Aの大きさおよび、その入口高さを充分大きくしておけば、1つの第二部品22で、異なる外径を有するすべての棒材に対応することができる。
【0020】
更に、本実施形態においては、割出板8が回転の限界位置である整列位置にあるとき、棒材迎え受け面22gがストッパ部分20bと同じ高さになり、棒材をストッパ部分20bより高い位置に持上げて取出すように構成されている。したがって、既に設定されている棒材供給機2の割出板8の回転範囲の変更および調整の作業が不要である。
【0021】
本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
例えば、本実施形態においては、既存の棒材供給機2の材料棚10と割出板8に、第一部品20と第二部品22をそれぞれ取付けるようになっており、簡易かつ安価な手段を用いて、細材の給送が可能になる点で有利であるが、第一部品20と第二部品22はそれぞれ、割出板8と材料棚10と別体である必要はなく、これらと一体的に形成してもよい。この場合、切り欠き16’は不要であり、切り欠き22cによって棒材受入れ領域Aが形成される。
また、本実施形態においては、割出板8が回転の限界位置である整列位置にあるとき、棒材迎え受け面22gがストッパ部分20bと同じ高さになるように構成されている。棒材迎え受け面22gの位置は、割出板8が回転の限界位置である整列位置にあるとき、棒材をストッパ部分20bを超えて取出すことができ、かつ、棒材を棒材受入れ領域Aの中に案内することができるいかなる位置にあってもよい。
【0022】
また、上記実施形態においては、第二部品22に形成された切り欠き22cは割出板8の切り欠き16’より小さく形成されており、棒材受入れ領域Aが切り欠き22cによって狭められている。切り欠き22cの大きさは、狭められた残りの棒材受入れ領域Aの入口高さ、および、奥行き寸法が、棒材Wが撓んでいても確実に受け入れ可能な大きさであれば、本実施形態にかかる切り欠き22cより小さくてもよい。
【0023】
更に、本実施形態においては、既に設定された、棒材供給機2の割出板8の回転範囲をそのまま利用して、細材の取出しを行っている。しかし、棒材迎え受け面22gによって棒材がストッパ部分20bを超える高さに持ち上げるように、割出板8の回転角度を変更してもよく、棒材迎え受け面22gは、切り欠き16’の下面より高い位置にある必要はない。
更に、本実施の形態においては、棒材受入れ領域Aが切り欠き22cによって狭められているが、そのように構成される必要はない。例えば、切り欠き22cの縁部22e、22fは、切り欠き16’の縁部と一致していても、また、棒材受入れ領域Aの外側に位置していてもよい。また、棒材迎え受け面22gは、材料棚10の棚面10aと割出板8との間の隙間を橋渡しするように、棒材受入れ領域Aから材料棚10まで延びていれば、棒材受入れ領域Aの中を横切っている必要はなく、切り欠き16’の下面と一致していてもよい。但し、この場合には、上記のように、割出板8が整列位置を超えて第二方向に回転するように、割出板8の回転範囲の変更をする必要がある。
【0024】
更に、第二部品22には四角形状の切り欠き22cが形成されていが、切り欠き22cを構成する上面22eおよび周方向の面22fを有することは必須ではない。第二部品22には、材料棚10の棚面10aと割出板8との間の隙間を橋渡しする棒材迎え受け面22gが設けられていればよい。例えば、図4に示す第二部品22において、棒材迎え受け面22gを半径方向内方に延長した線に沿って2つに切断した場合の、下側部分(アーム部分22aを有する部分)だけを、第二部品として使用してもよい。
【0025】
更に、本実施形態にかかる棒材迎え受け面22gは、棒材受入れ領域Aから真っ直ぐに延びているが、材料棚10から押上げた棒材が、棒材受入れ領域Aまで円滑に案内されれば、必ずしも真っ直ぐである必要はなく、例えば、湾曲していても、段状であってもよい。
更に、細材は、断面が円形の棒材に限らず、例えば、断面が六角形などの異形材であってもよい。
なお、上記実施形態における構成は、特に、細材を供給する場合について説明し、細材の供給において特に有利であるが、上記構成を、従来の棒材供給機によって供給可能な比較的太い棒材に適用することを妨げるものではない。
【発明の効果】
本発明にかかる部品を利用すれば、既存の割出板を有する形式の棒材供給機を利用して、細材を材料棚から円滑に取出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】従来の棒材供給機の横断面図であり、材料棚と割出板の詳細を示す。
【図2】本実施の形態にかかる取付部品を取りつけた状態の棒材供給機の横断面図である。
【図3】本実施形態にかかる取付部品を取りつけた割出板によって材料棚から棒材を取出すときの工程を示す図である。
【図4】本実施形態にかかる取付部品を取りつけた割出板によって材料棚から棒材を取出すときの工程を示す図である。
【図5】本実施形態にかかる取付部品を取りつけた割出板によって材料棚から棒材を取出すときの工程を示す図である。
【図6】本実施形態にかかる取付部品を取りつけた棒材供給機の割出板によって材料棚から棒材を取出すときの工程を示す図である。
【図7】本実施形態にかかる取付部品を取りつけた割出板によって材料棚から棒材を取出すときの工程を示す図である。
【符号の説明】
2 棒材供給機
6 ガイドレール
8 割出板
10 材料棚
16 切り欠き
16’ 所定の切り欠き
20 第一部品
20b ストッパ
22 第二部品
22g 棒材迎え受け面
A 棒材受入れ領域
W 棒材

Claims (4)

  1. 棒材を材料棚から取出してガイドレールに補給するための割出板の周囲に形成された複数の切り欠きのうち所定の切り欠きが、材料棚と整列する整列位置において、材料棚から棒材を、所定の切り欠きの中の棒材受入れ領域に受け入れ、第一の方向に回転して棒材をガイドレールの中に補給する棒材供給機に取付けるための部品であって、
    前記材料棚と前記割出板のそれぞれに対して、着脱自在に取付けるための第一部品と第二部品とを有し、前記第一部品と前記第二部品をそれぞれ取付けた状態において、前記第一部品は、前記材料棚の傾斜した棚面から上方に突出して、棒材を前記棚面の上に保持するためのストッパを有し、また、前記第二部品は、前記棒材受入れ領域から前記ストッパに隣接する棒材の下方まで延びる棒材迎え受け面を有し、前記割出板が第二の方向に回転することによって、棒材が前記棒材迎え受け面によって前記ストッパを超えて持上げられ、棒材は前記棒材迎え受け面によって前記棒材受入れ領域まで案内される、ことを特徴とする棒材供給機用部品。
  2. 前記割出板が、第二の方向に前記整列位置まで回転して、棒材が、前記棒材迎え受け面によって、前記ストッパを超えて持上げられる、ことを特徴とする請求項1に記載の棒材供給機用部品。
  3. 棒材を材料棚から取出してガイドレールに補給するための割出板の周囲に形成された複数の切り欠きのうち所定の切り欠きが、材料棚と整列する整列位置において、材料棚から棒材を、所定の切り欠きの中の棒材受入れ領域に受け入れ、第一の方向に回転して棒材をガイドレールの中に補給する棒材供給機であって、
    前記材料棚と割出板のそれぞれに対して、着脱自在に取付けるための第一部品と第二部品とを有し、前記第一部品と前記第二部品をそれぞれ取付けた状態において、前記第一部品は、前記材料棚の傾斜した棚面から上方に突出して、棒材を前記棚面の上に保持するためのストッパを有し、また、前記第二部品は、前記棒材受入れ領域から前記ストッパに隣接する棒材の下方まで延びる棒材迎え受け面を有し、前記割出板が第二の方向に回転することによって、棒材が前記棒材迎え受け面によって前記ストッパを超えて持上げられ、棒材は前記棒材迎え受け面によって前記棒材受入れ領域まで案内される、ことを特徴とする棒材供給機。
  4. 前記割出板が第二の方向に前記整列位置まで回転して、棒材が前記棒材迎え受け面によって、前記ストッパを超えて持上げられる、ことを特徴とする請求項3に記載の棒材供給機。
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