JP3920932B2 - エンジン・変速機制御装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、エンジン・変速機制御装置に関し、特に、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン等の各種エンジンと、トルクコンバータ、歯車伝動装置を組合わせた自動変速機、あるいはベルト、プーリを用いた無段変速機等の各種変速機とを関連して制御させるようにしたエンジン・変速機制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、エンジンのスロットルバルブの開度に応じて、車輪速度/エンジン速度比(以下、速度比と称する)を設定することは、ベルト式の無段変速機で公知である。また、エンジンのトルクに応じて、速度比を設定することも、既によく知られている(例えば、特公昭63−45977号公報、特公昭63−45976号公報参照)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記の如き従来のエンジン・変速機制御装置にあっては、エンジントルクに対する速度比が設定されるのみで、エンジントルクの変数である、空燃比(燃料量)、吸気バルブ閉じ角、過給圧力、膨張行程/圧縮行程比は、速度比と無関係に設定されている。すなわち、エンジントルクと車速に対して、一義的に速度比が与えられるので、柔軟性に欠け、燃料経済性と加速性の両立が困難である。したがって、手動、あるいは、車の環境認識によってトルクと速度比の関係を変えて、例えば、トルクに対する速度比を小さくして、加速性を向上させようとすると燃料経済性が低下してしまい、反対に、トルクに対する速度比を大きくして、燃料経済性を向上しようとすると加速性が低下するという問題点があった。
【0004】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、燃料経済性のみならず加速性をも同時に向上させることができ、しかも、柔軟性の高いエンジン・変速機制御装置を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成すべく、本発明に係わるエンジン・変速機制御装置は、基本的には、車両の燃費性と加速性を同時に最適化させる要求車輪トルクと車速の動作線図と、演算手段と、を備えたエンジン・変速機制御装置であって、前記演算手段は、前記動作線図を用いて要求車輪トルクと車速とから、車輪速度/エンジン速度比及び空燃比を関連付けて演算制御する前記環境認識手段で求められる要求車輪トルクに基づいて前記速度比を補正制御することを特徴としている。
また、本発明の他の態様としては、前記動作線図を用いて要求車輪トルクと車速とから、車輪速度/エンジン速度比及び吸気バルブ閉じ角を関連付けて演算制御する共に前記環境認識手段で求められる要求車輪トルクに基づいて前記速度比を補正制御すること、前記動作線図を用いて要求車輪トルクと車速とから、車輪速度/エンジン速度比及び過給圧力を関連付けて演算制御する共に前記環境認識手段で求められる要求車輪トルクに基づいて前記速度比を補正制御すること、前記動作線図を用いて要求車輪トルクと車速とから、車輪速度/エンジン速度比及び膨張行程/圧縮行程比を関連付けて演算制御すると共に前記環境認識手段で求められる要求車輪トルクに基づいて前記速度比を補正制御することを特徴としている。
【0006】
さらに、前記演算手段としては、前記要求車輪トルクと前記車速の動作線図を用いて制御を行うものや、加速または燃費性に関する運転者の好み、あるいは車両運転環境に基づいて演算を行うものが好適な具体例として挙げられる。
【0007】
【作用】
トルクに関与する変数、例えば燃料量を速度比と関連付けて制御する手段によって、燃料経済性が要求される条件下では、燃料量を小さくして速度比を大きくし、燃料経済性を向上させる。加速性が要求される条件下では燃料量を大きくして速度比を小さくし、加速性を向上させる。一方、加速時、速度比に対する燃料量を一時的に大きくし、加速性を向上させる。
また、燃料経済性あるいは加速性を向上できる運転を、車の環境、運転者の好みに応じ、自在に選択できる。
【0008】
【実施例】
以下、図面により本発明の一実施例を説明する。
以下の説明においては、変速機3として無段変速機の場合を例示するが、トルクコンバータ、歯車変速機の場合においても、同様に本発明を適用できる。また、筒内燃料噴射ガソリンエンジンの場合を例示したが、吸気ポート噴射ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンの場合にも適用できること勿論である。
【0009】
図1は本発明が適用されるエンジン・変速機制御装置の全体の構成図である。
図1において、エンジン1には、クラッチ2、変速機3が取付けられるとともに、これらを介してエンジン1の出力が車輪4に伝達されるようになっている。変速機15の速度比は速度比制御装置16によって制御される。クラッチ2は、クラッチ制御手段21、変速機3の速度比は、変速機制御手段22によって制御される。
【0010】
エンジン1の吸気側には、吸気口から下流に向けて、エアフィルタ5、エアフローセンサ6、圧縮機7、吸気管8、吸気バルブ9が設けられ、吸入空気はこれら部材を順に通過してシリンダ10に供給されるようになっている。圧縮機7は、変速機15を介し、エンジン1で駆動される。吸気バルブ9の開閉時期はバルブ開閉時期制御装置17によって制御されるとともに、該制御装置17はカム軸18によって駆動される。
【0011】
一方、燃料は、噴射弁11によってシリンダ10へ供給され、シリンダ10内の空気、燃料の混合物は点火プラグ12によって点火・燃焼されるようになっている。また、排ガスは、排気管13、触媒コンバータ14を通って大気に放出される。排気管13には、空燃比センサ19が取付けられ、出力信号はコントロールユニット20に入力される。
【0012】
速度比制御装置16、クラッチ制御手段21、変速機制御手段22は、コントロールユニット23によって制御される。コントロールユニット20と23はローカルエリアネットワーク(LAN)24で接続されている。エンジン回転速度は、エンジン回転速度センサ25によって検出され、出力信号はコントロールユニット23に入力される。アクセルペダル26の踏込み量の情報はポテンションメータ27によって、コントロールユニット23に入力される。コントロールユニット23には、車の環境認識手段28、運転者認識手段29が接続されている。
【0013】
環境認識手段28には車の前方監視レーダ30の信号が入力され、前方の走行の障害となる車が存在するかどうか等の走行環境を認識する。認識手段29には、ポテンショメータ27の出力が入力され、出力の時間的変化から、運転者がスポーティな運転を好むか、好まないかを認識する。時間的変化が大きいときは、アクセルペダル26の踏込みが急変する場合で、スポーティを好むと認識する。ポテンショメータ27の踏込み量から、コントロールユニット23は車輪トルクの要求値を求める。また、車速センサ31の出力がユニット23に入力される。
【0014】
ユニット23には、図2に示す速度比・エンジントルク演算手段100が内蔵され、要求車輪トルク、車速から、変速機3の速度比、エンジントルク、クラッチ2のすべりを演算する。一方、ユニット20には、図3に示す空燃比演算手段101が内蔵されており、エンジントルクから混合気の空燃比を演算する。要求トルクが大きいときは、空燃比を小さくして混合気を濃くし、エンジンの発生トルクを増す。速度比・エンジントルク演算手段100と空燃比演算手段101は連動しており、速度比=車輪速度/エンジン速度を大きく設定すると、要求トルクが大きくなり、空燃比が小さくなる。一方、速度比を小さく設定すると、要求トルクが小さくなり、空燃比が大きくなる。この点、公知例では、速度比、トルクの関係は、パワー、エコノミーの選択レバーで手動で切換えられるようになっているだけで、空燃比演算手段101と連動せず、柔軟性に欠けていた。
【0015】
図4は本発明の概念の理解を容易にするための制御ブロック図である。図4に示す如く、要求車輪トルク、車速から、速度比、クラッチすべり、空燃比が演算される。このとき、エンジン1は筒内燃料噴射方式で、シリンダ10の充填空気量は一定、空燃比は、噴射弁11の燃料量を加減することによって制御される。クラッチ制御手段21によってクラッチのすべりが、また、変速機制御手段22によって速度比が制御される。このように、演算手段102は、速度比・エンジントルク演算手段100及び空燃比演算手段101を結合したものである。
【0016】
ユニット20には、動力トルク演算手段103が内蔵されている。図5に示す如く、要求トルクと、エンジン回転速度変化率からエンジン発生トルクを求める。この発生トルクが得られるように、燃料噴射弁11の燃料量を加減する。これにより、回転数の上昇に使われるトルクの低下が補償される。公知例では、速度比と燃料量の関係が固定されており、上記の補償が困難であったのに対し、エンジン回転速度変化率は、アクセルペダル26の踏込み量の変化が代替できる。
【0017】
ところで、既によく知られているように、加速前のエンジン回転数を高めておくと加速性が向上するが、燃費が増大する。図6に示す如く、レーダの出力を環境認識手段28に入力し、要求車輪トルクの最大値を求め、これを、演算手段102に入力する。前方に障害物がなくトルク最大値が大きいときは、速度比を小さく設定する。一方、前方に障害物があり車が渋滞しているときは、速度比を大きくして、燃費低減を図る。また、運転者認識手段29で、スポーティを好むと判定されたときも、トルク最大値が大きくなり、速度比を小さく設定する。
【0018】
図7に示す如く、エンジンの要求トルクが小さいときは、バルブ開閉時期制御装置17によって吸気バルブの閉じ角を遅らせ、圧縮仕事を減じ、燃料経済性を向上させる。このとき、空燃比を理論空燃比に制御すると、触媒コンバータ14として三元触媒を用いることができる。また、エンジンの要求トルクが小さいときは、速度比制御装置16によって、圧縮機7の回転数を小さくし、過給圧力を低下させ、大気圧近くにする。これにより、圧縮機7の圧縮仕事を減じ、燃料経済性を向上させる。要求トルクが大きいときは、空燃比を理論空燃比に設定したまま、圧縮機7の回転速度を高め、過給圧力を高める。あるいは、吸気バルブ閉じ角を早くして、シリンダ1の充填空気量を増す。
【0019】
図7において、速度比・エンジントルク演算手段100によって、エンジン要求トルクと速度比を求め、このエンジン要求トルクの値を、速度比制御装置16、バルブ開閉時期制御装置17に入力し、圧縮機7の回転数、吸気バルブ9の閉じ角を最適に制御する。
次に、本発明の一実施例の作用について説明する。
【0020】
図8において、車輪速度/エンジン速度を、速度比xとすると、xが大きいときの車輪トルクはA曲線内、xが小さいときの車輪トルクはB曲線内となる。車速Vに対して、車輪トルクFの要求値F0 が与えられると、F1 >F0 、V1 <V0 のときはBのxが選択される。無段変速のときは、B2 の点は、連続的にA2 まで変化する。このとき、エンジンの速度は最高である。B1 点は連続的にA1 まで変化する。このときエンジンの回転は最低である。
【0021】
燃料経済性の面からは、エンジンは、できるだけ低回転、高負荷で運転するのが望ましい。したがって、まず、A1 −B1 曲線に沿って運転される。A1 −B1 曲線の右側で、F=F2 のときは、A1 −A2 曲線に沿って運転される。F=F1 のときは、B1 −B2 曲線に沿って運転される。V>V1 、F<F1 の領域では、Bの速度比で、エンジンの出力が制御される。V≦V1 で、V=V1 のときは、V1 −B1 曲線に沿って、V=V2 のときは、V2 −A1 曲線に沿って運転される。V<V2 のときは、すべりがないと、エンジンの回転速度が低下しすぎるので、クラッチをすべらせて、エンジン回転を維持する。図中のRLは定地走行の要求Fであり、希薄混合気ではP2 の点以上の運転はできない。
【0022】
車速、車輪トルクの領域を拡大するため、混合気を濃くする。トルクF2 がF2'まで増大し、急坂を登ることができるようになる。また、F1 がF1'まで増大し、P2'まで運転点が拡大する。図9において、αの領域では、エンジン回転数が最小で、部分負荷、希薄混合気で運転される。βの領域では、速度比xが最小で、希薄混合気、部分負荷で運転される。γの領域では、エンジン回転数が最大で、濃混合気で運転される。δの領域では、速度比xが最大で、濃混合気で運転される。εの領域では、エンジンは、希薄混合気の全開で運転される。速度比xは、速度Vによって変化する。
【0023】
εの領域は、図10に示す如く、さらに細分化することができる。ε1 では、xが最大で、濃混合気でも運転できる。しかし、このときは、希薄混合気、全開運転に比べて、燃費が増大するので、後者で運転される。
ε2 の領域では、濃混合気、エンジン回転数小の運転が可能である。したがって、E1 −E2 の曲線より左側では、エンジン回転数の増大を抑制するため、濃混合気、全開で運転される。ε3 の領域は、濃混合気、全開の領域である。E1 −E2 の曲線の左側では、濃混合気、全開で運転される。すなわち、εの領域では、希薄混合気、全開運転が可能であるが、エンジン回転数が増大すると、機械的摩擦によって、燃費が増大するので、例えば、エンジン回転数が3000rpmを越える領域では、濃混合気にして、エンジン回転数を低下させる。
【0024】
図11に示す如く、α、βの領域では、空燃比A/Fは25→80の範囲で制御され、A/Fが大きくなると燃料量が小さくなり、A/Fが増大する。δの領域ではA/Fは25→12の範囲で制御する。εの領域で、E1 −E2 の左側では、A/F=25で運転され、車輪トルクFは、減速比xによって加減される。γの領域において、a1 −a2 では、A/F=12で、b1 −b2 では、A/F−25で運転される。エンジン回転数は、最高の回転数、例えば6000rpmである。
【0025】
図11のC曲線上では、A/F=12にすることによって、エンジン回転速度を3000rpmに抑えることができる。したがって、A/F=25にして、エンジンの回転速度を上昇させるよりは、A/Fを小さくして、エンジン回転速度を低下させる。E曲線とC曲線にはさまれた領域では、A/F=25→12に変化させ、回転速度を3000rpmに維持する。
【0026】
図12に示す如く、定地走行RLの負荷では、最初、エンジン回転数は低速の1000rpmで、速度比を増すことによって、車速が増す。速度比がxmax に達すると、エンジン回転数を増すことによって車速が増大する。エンジン回転数が3000rpmに達する、車速V3 以上では速度比を小さくし、Fを増し、かつ、エンジンの回転数を増し、図12の破線の如くV4 まで車速を増大させる。V4 で、エンジン回転数が6000rpmに達する。このとき、速度比を高めることによって、V5 に達する。V3 の点からA/Fを小さくすると、xを減じることなく、図12の実線の如く車速が増大する。
【0027】
車速に対する空燃比A/Fの変化を図13に示す。A/F=16近くで、窒素酸化物の排出量が増大する。この点を破線で示す如く高速側にずらすことができる。
図8のRL曲線上のP点から、車を加速する際、アクセルペダルの踏込量が大きいときは、δ領域、あるいはγ領域で、A/Fは25→12に設定される。踏込量が小のときは、A/Fは25→80に設定する。δ領域に移行する際、速度比xが小さくなり、エンジン回転数を増大する必要があり、エンジンの発生トルクの一部が回転数の上昇に使われ、その分、加速性が低下する。これを補償するため、余分のトルクを発生させる。変速機の入力トルクをTとすると
【0028】
【数1】
【0029】
ここに、k,k1 :定数
ne :エンジン回転数
V :車速
となる。エンジンの発生トルクをTe とすると、
【0030】
【数2】
【0031】
ここに、I:可動部の慣性項
となる。(1)式を(2)式に代入し、F=F0 とすると、
【0032】
【数3】
【0033】
となる。したがって、右辺第2項分だけ、定常のTe より増分すれば、目標の車輪トルクF0 が得られ、加速性の低下が回避される。
αの領域内で加速する際は、エンジン回転速度の変化がなく、F0 に応じて単に燃料量を増大するのみで、車が加速される。車速の増大につれて、徐々にxが大きくなる。エンジン回転数の上昇を伴わないので、エンジンの発生トルクTe に応じた加速が得られる。
【0034】
図14のA1 −A1'−B1'−B1 の領域では、A/F=25→12で運転すると、xを変化することなく、加速することができる。また、α領域で、エンジン回転数の最小値をあらかじめ高めておくと、加速性が向上する。しかし、燃費増大はまぬがれない。車速V1 では速度比xを最大に設定するか、最小に設定するかのいずれも可能である。xを最小に設定すると、エンジン回転速度を増大することなく、A1'−A2'の車輪トルクを得ることができる。xを最大に設定すると、エンジン回転速度一定のままでは、B1 −B2 の車輪トルクしか得られない。それ以上のトルクを得るためには、xを小さくして、エンジン回転速度を高める必要がある。このとき、エンジンの発生トルクの一部は、エンジン自体の加速に用いられる。
【0035】
ここに、加速前に加速の要求車輪トルクがわかれば、要求車輪トルクが大きいときは、あらかじめ、xを小さく設定し、加速性の低下を防止できる。しかし、定常運転時の燃費は若干上昇する。要求値が大きいときは、前方に障害となる車がない、追越し加速、急な坂を登る等の時で、これらは、車の環境を検出して、把握することができる。前方の障害物の有無は、レーダ、レーザ等を用い、あるいは、画像処理によって検出されることは公知である。坂道も、傾斜センサ、あるいは走行抵抗の変化から検出されることは公知である。また、ドライバによっては、急加速を好む人と燃料経済性を好む人がおり、これは、アクセルペダルの踏み込みのパターンを処理することによって把握できることも公知である。スポーティな運転者のときは、定常時のxを小さく設定する。
【0036】
車速がV4 を越えると、xを最小値に設定できなくなり、車輪トルクは、A2'−B2'を越えることができない。このときも、定常運転時のエンジンの回転速度を低く設定しておくと、加速時のトルクが一時低下する。A1 −A2 −B2 のとルクは、希薄混合気でも達成できる。これを越えたときは、混合気を濃くする。V5 の車速では、x=最大で、希薄混合気では、B1 −B2 のトルクレベルが限界で、それ以上のトルクを得るためには、xを小さくし、エンジンの回転数を高めるか、x=最大で、混合気を濃くする必要がある。加速性の面からは後者が、燃料経済性の面からは前者が有利である。したがって、混合気を濃くしてトルクを増すか、xを小さくしてトルクを増すかは、そのときの運転者の好み、車の環境によって選択される。
【0037】
エンジンの膨張行程/圧縮行程が1以上のミラーサイクルにおいては、吸気バルブの閉じ角を加減して、エンジンの発生トルクを制御する。あるいは、過給機の圧力を制御しても、発生トルクを制御できる。閉じ角を遅くすると、圧縮行程が小さくなり、上記の行程比が増大し、膨張のエネルギが有効に利用され、燃料経済性が向上する。エンジンの発生トルクを増すためには、圧縮行程を増大する必要がある。しかし、その分、燃料経済性が低下する。xを小さくして車輪トルクを増すか、圧縮行程を増大してトルクを増すかは、そのときの運転者の好み、車の環境によって選択される。車速が一定のとき、図15に示す如く、xが大きいときはエンジントルクが大きく、xが小さいときはエンジントルクは小さい。Te1までは、行程比が大きいままで運転できるが、Te1→Te2では圧縮行程を小さくする必要がある。xを小さくすると、F01−F02の間では、Te1以下であるので、行程比が大きいままで運転できる。しかし、あまりxを小さくすると、エンジン回転速度が増大し、燃費が増大する。エンジン回転速度が3000rpm以上になると、xを大きく設定する。加速が要求されるときは、xを小さく、燃費を重視するときは、x=3000rpmで、Te1ができるだけ小さくなるように設定される。
【0038】
ミラーサイクルにおいて、膨張行程/圧縮行程が大きいまま、エンジンのトルクを増すためには過給圧力を高める必要がある。圧縮行程が小さくても、シリンダに多量の空気が充填され、エンジンのトルクを増すことができる。しかし、圧縮の仕事が増大するので、エンジン回転数3000rpmまでは、xを増大して、エンジンの要求トルクを小さくする。
(1)式において、T=Te とすると
【0039】
【数4】
【0040】
となる。図16のAの領域では、Te =Te1で運転するときは、エンジン回転数ne を3000rpm以上にする必要があり、このときは、Te をTe2に増して、エンジン回転数の増大を抑制する。
【0041】
【発明の効果】
以上の説明から理解されるように、本発明によれば、燃料経済性のみならず加速性をも同時に向上させることができ、しかも、柔軟性の高いエンジン・変速機制御装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されるエンジン・変速機制御装置の全体の構成図。
【図2】図1のユニット23に内蔵された速度比・エンジントルク演算手段の制御ブロック線図。
【図3】図1のユニット20に内蔵された空燃比演算手段の制御ブロック線図。
【図4】本発明の概念の理解を容易にするための制御ブロック線図。
【図5】図1のユニット20に内蔵された動力トルク演算手段の制御ブロック線図。
【図6】演算手段の他の実施例に係わる制御ブロック線図。
【図7】演算手段の他の実施例に係わる制御ブロック線図。
【図8】動作線図。
【図9】図8の動作線図の区分図。
【図10】図9の動作線図の詳細図。
【図11】図10の動作線図の詳細図。
【図12】車速ーエンジン回転数(速度比)動作線図。
【図13】車速に対する空燃比の変化を説明するための動作線図。
【図14】動作線図。
【図15】車輪トルクーエンジントルク動作線図。
【図16】F−V動作線図。
【符号の説明】
1…エンジン、3…変速機、11…噴射弁、16…速度比制御装置、17…バルブ開閉時期制御装置
Claims (4)
- 車両の燃費性と加速性を同時に制御するための要求車輪トルクと車速の動作線図と、演算手段と、車両外部の環境を認識する環境認識手段と、を備えたエンジン・変速機制御装置であって、
前記演算手段は、前記動作線図を用いて要求車輪トルクと車速とから、車輪速度/エンジン速度比及び空燃比を関連付けて演算制御すると共に、前記環境認識手段で求められる要求車輪トルクに基づいて前記速度比を補正制御することを特徴とするエンジン・変速機制御装置。 - 車両の燃費性と加速性を同時に制御するための要求車輪トルクと車速の動作線図と、演算手段と、車両外部の環境を認識する環境認識手段と、を備えたエンジン・変速機制御装置であって、
前記演算手段は、前記動作線図を用いて要求車輪トルクと車速とから、車輪速度/エンジン速度比及び吸気バルブ閉じ角を関連付けて演算制御すると共に前記環境認識手段で求められる要求車輪トルクに基づいて前記速度比を補正制御することを特徴とするエンジン・変速機制御装置。 - 車両の燃費性と加速性を同時に制御するための要求車輪トルクと車速の動作線図と、演算手段と、車両外部の環境を認識する環境認識手段と、を備えたエンジン・変速機制御装置であって、
前記演算手段は、前記動作線図を用いて要求車輪トルクと車速とから、車輪速度/エンジン速度比及び過給圧力を関連付けて演算制御する共に、前記環境認識手段で求められる要求車輪トルクに基づいて前記速度比を補正制御することを特徴とするエンジン・変速機制御装置。 - 車両の燃費性と加速性を同時に最適化させる要求車輪トルクと車速の動作線図と、演算手段と、車両外部の環境を認識する環境認識手段と、を備えたエンジン・変速機制御装置であって、
前記演算手段は、前記動作線図を用いて要求車輪トルクと車速とから、車輪速度/エンジン速度比及び膨張行程/圧縮行程比を関連付けて演算制御する共に、前記環境認識手段で求められる要求車輪トルクに基づいて前記速度比を補正制御することを特徴とするエンジン・変速機制御装置。
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- 1994-04-28 JP JP09176894A patent/JP3920932B2/ja not_active Expired - Lifetime
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