JP3920853B2 - ピペットチップ容器 - Google Patents

Description

本発明は、ピペットチップ容器に関し、特には、ピペットチップの移送及び収納のための容器構造に関する。

特許文献１は、使い捨てのピペットチップのパッケージを開示する。ここでは複数のチップがトレイ上に支持され、チップを備えたトレイは積み重ねられる。このようなトレイの積み重ね体は、支持体の上に固定されて箱の中に配置される。

特許文献２は、ピペットチップラック用の補充パックを開示する。このパックは、固定手段に連結された解放手段を有する。解放手段は、チップトレイを保持手段から下方に移動させて空のピペットチップラック内に配置するためのものである。解放手段はさらに、カバーに接続された支持プレートを有する固定手段を固定するとともに、支持プレートとチップを備えたトレイとをホルダーから個別に解放してパック内に配置されたときの空のチップラックに補充するための複数の要素を有する。

この特許の開示内容に従う発明の例示的実施形態において、複数のチップを支持する水平プレートと、カバー及びそのカバーにトレイを着脱可能に取付けるための解放可能なスナップ式固定要素を備えた手動固定式キャリヤとを有するチップパッケージが開示されている。カバーは、軽くて薄い弾性のプラスチック材料から作製される浅い容器を構成し、水平の弾性カバー及び側方要素を有する。側方要素は、トレイのための解放可能な「Ｓ」字形状のスナップ式固定要素を備える。パックのユーザは、空のラックの上部にパックを乗せる。次にユーザは弾性カバーの上部を下方に押してスナップ式固定要素を解放し、容器からトレイを取り外して、ラック内にチップを配置する。

さらに、特許文献３は、積み重ね可能なピペットチップラックを開示する。このピペットチップラックは、同一構造の他のピペットチップラック内に固定式に配置されるように形成され、複数のピペットチップを上部位置に保持する。開示された構成においては、チップラックの上面の近くの複数の側壁に、このラック上に配置される次のラックの突起を操作するための複数の孔が形成される。特に、複数の側壁は、レバー部又は関節式要素を備えた固定機構を有する。関節式要素は２つのヒンジ要素によって壁に固定され、２つのヒンジ要素はある要素をそのヒンジを通る軸の回りで回転させる。一方、関節式要素の下方部分に沿って突起が配置される。

米国特許第３，９３７，３２２号明細書 米国特許第５，４４１，７０２号明細書 米国特許第５，３６６，０８８号明細書

本発明によれば、ピペットチップ容器は、複数のチップを備えたトレイを配置するためのベースと、トレイフィーダであるカバーとを有し、フィーダが有する互いに反対側の２つの弾性側壁が、それら側壁の内側に、チップトレイ用のウェッジ形状の突起を備える。

本発明に係るピペットチップ容器において、互いに反対側の複数の側壁は、ウェッジ形状の突起を備えた弾性ホルダを有する。

本発明に係るピペットチップ容器において、ウェッジ形状の突起はベースの側壁に当接する。

本発明に係るピペットチップ容器において、ベースは、チップを備えたトレイが重ね合わされるベース上面の上に延びるコーナーガイドを有する。

本発明に係るピペットチップ容器において、フィーダは突出する複数のコーナーを有し、それらの下方エッジはコーナー内に配置されたチップより下方に位置する。

本発明に係るピペットチップ容器において、フィーダは側壁と弾性ホルダとの間に弾性のリンクを有する。

本発明に係るピペットチップ容器において、互いに反対側にあるベースの複数の側壁は、弾性のフィーダリンクのための溝を備える。

本発明に係るピペットチップ容器において、トレイは孔の回りにリングを有し、リングの上方エッジの上にチップが配置される。

本発明に係るピペットチップ容器において、フィーダの上部は長いチップの上部を囲む内側安定リングを有し、そのリングの外径寸法はトレイの複数の孔の間隔に略等しい。

本発明に係るピペットチップ容器において、ベースはその下部内に、複数の長いチップの下端を収容するための追加のボトムベースを有する。

本発明に係る解決策の長所は、フィーダの使用により、チップを備えたトレイを容器のベース上に移動させ保持し、次に、同時に容器のカバーでもあるフィーダによって容器を閉じることを可能にすることである。

本願明細書に含まれるとともにその一部を構成する添付図面は、本発明の実施形態を記述内容とともに例示し、本発明の原理の説明に役立つものである。

これより本発明の好適な実施形態を詳細に説明する。その実施形態の一例は添付図面に示されている。

図１に示される容器は、ベース１と、ピペットチップを備えたトレイ用フィーダ２を構成するカバーとを有する。ベース１は、図２に示すように、剛性の側壁３、４、５、６と、チップを備えたトレイが配置される上面の上に延びるコーナーガイド７、８、９、１０とを有する。ベース１はその上部に、安定ピン１２を備えたフィン１１を有する。さらに、ベース１の互いに反対側の２つの側壁３、５は、溝１３、１４を有する。次に、フィーダ２は、外側を向いたコーナー１５、１６、１７、１８を有し、それらの下方エッジは、フィーダ２内に配置されるチップより下方に位置する。図３に示すように、ベース１内には、ピペットチップ用の複数の孔２０を備えたトレイ１９が配置される。

図４は、平坦かつ好ましくは剛性の上部２２と４つの側壁２３、２４、２５、２６とからなるフィーダ２を示す。互いに反対側の２つの側壁２３、２５は、それらの中間部に弾性のホルダ２７、２８を備える。弾性のホルダ２７、２８は、弾性のリンク２９、３０によって側壁２３、２５に接続され、フィーダ２の内側にウェッジ形状の突起３１、３２を備える。

フィーダ２がチップ２１を備えたトレイ１９上に配置されて下方に押されたときは、チップ２１を備えたトレイ１９は、ウェッジ形状の突起３１、３２上に支持されるようにフィーダ２内に入れ子式に安定して配置される。一方チップ２１の上部は、図５及び断面図６に示すように、フィーダ２の上部２２に当接する。

次にトレイ１９は、同一のフィーダ２の使用により、図２に示す他のベース内に配置することができる。このことを達成するために、トレイ１９及びピペットチップ２１を備えたフィーダ２は、ベース１のコーナーガイド７、８、９、１０上にフィーダ２のコーナー１５、１６、１７、１８を摺動させることにより、ベース１内に配置される。フィーダ２が下方に押されたときは、側壁に当接するウェッジ形状の突起３１、３２は、弾性のホルダ２７、２８とともに横向きに傾斜して、チップ２１を備えたトレイ１９を解放する。トレイ１９は、図３に示すように、ベース１内の安定ピン１２とそれに対応するトレイ１９の安定孔との使用により、ベース１内で安定して配置される。このようにして、チップ２１を備えたトレイ１９は解析テスト用に準備される一方、ベース１上にフィーダ２を配置してチップ２１を備えた容器を閉じることが可能になる。

図６に示すチップ２１と比べて、トレイ１９とフィーダ２の上部２２との間の距離よりも短い長さのフランジを有する、短いチップ３３を使用する場合は、フィーダ２の上部２２に当接させてチップ３３のフィーダ２内での位置を安定させるために、図７及び断面図８に示すように、トレイ１９は複数の孔の回りに複数のリング３４を有し、それらリング３４の上方エッジの上には複数の短いチップ３３が配置される。

次に、トレイ１９の複数の孔の間隔に略等しい外径のフランジを有する長いチップ３５については、フィーダ２内での位置を安定させるために、フィーダ２の上部２２は、長いチップ３５の上部全体を囲繞する好ましくは矩形の内側安定リング３６を有する。さらに、図９及び断面図１０に示すように、フィーダ２の側壁の高さは長いチップ３５のフランジ長さに適合され、一方ベース１はその下部に、複数の長いチップ３５の下部を収容するための追加のボトムベース３７を有する。

ピペットチップ２１は、図１１に示すように、孔２０を備えたトレイ１９の積み重ね体を有する大きな容器に供給され、その中に配置される。この積み重ね体から、フィーダ２を使用することによってチップ２１を備えたトレイ１９が最上部のトレイ１９から順に取り出され、ベース１の上に配置される。

本発明による容器の概略図である。 ベース及びフィーダを有する容器の図である。 トレイ及びピペットチップを備えたベースを上部前方から見た図である。 トレイフィーダを下部前方から見た図である。 図４のフィーダがトレイ及びチップを備えた図である。 トレイ及びチップを備えた図５のフィーダの鉛直方向の断面図である。 トレイ及び短いチップを備えたベースを上部前方から見た図である。 図７の状態から、トレイ及び短いチップを備えたフィーダの鉛直方向の断面図である。 トレイ及びピペットチップを備えたベースを上部前方から見た図である。 図９の状態から、トレイ及び長いチップを備えたフィーダの鉛直方向の断面図である。 ピペットチップを備えた一連の積み重ねトレイの図である。

Claims (7)

1. チップ（２１）を備えたトレイ（１９）を配置するための、互いに反対側の２つの側壁（３、５）を備えたベース（１）と、トレイのフィーダ（２）であるカバーとを有するピペットチップ容器であって、
   前記フィーダ（２）は、互いに反対側の２つの側壁（２３、２５）上に弾性ホルダ（２７、２８）を有し、
   前記弾性ホルダ（２７、２８）は、内側に前記トレイ（１９）を支持するためのウェッジ形状の突起（３１、３２）を有する、ピペットチップ容器において、
   チップ（２１）を備えた前記トレイ（１９）を支持する前記フィーダ（２）が前記ベース（１）に向けて押されたときに、前記ウェッジ形状の突起（３１、３２）が前記ベース（１）の前記側壁（３、５）に当接し、それにより前記ウェッジ形状の突起（３１、３２）は前記弾性ホルダ（２７、２８）とともに横向きに傾斜して前記トレイ（１９）を解放するように構成されること、
   を特徴とするピペットチップ容器。
2. 前記弾性ホルダ（２７、２８）は、前記フィーダ（２）の前記側壁（２３、２５）の横方向中間部に配置されることを特徴とする、請求項１に記載のピペットチップ容器。
3. 前記フィーダ（２）は、前記側壁（２３、２５）と前記弾性ホルダ（２７、２８）との間に弾性のリンク（２９、３０）を有し、前記ベース（１）の前記側壁（３、５）は、前記弾性のリンク（２９、３０）に係合する溝（１３、１４）を有することを特徴とする、請求項１に記載のピペットチップ容器。
4. 前記フィーダ（２）は、下方に延びる複数のコーナー（１５、１６、１７、１８）を有し、該複数のコーナーは、前記ベース（１）の上面の上に延びる該ベース（１）の複数のコーナーガイド（７、８、９、１０）と協働することを特徴とする、請求項１に記載のピペットチップ容器。
5. 前記トレイ（１９）は、複数の孔の回りに複数のリング（３４）を有し、前記リング（３４）の内径は前記孔の直径に等しく、前記リング（３４）の上方エッジの上には複数の短いチップ（３３）が配置されることを特徴とする、請求項１に記載のピペットチップ容器。
6. 前記フィーダ（２）の上部（２２）は、複数の長いチップ（３５）の上部を囲繞する内側安定リング（３６）を有し、該リングの外径は、前記トレイ（１９）の複数の孔の間隔に略等しいことを特徴とする、請求項１に記載のピペットチップ容器。
7. 前記ベース（１）はその下部に、複数の長いチップ（３５）の下端を収容するための追加のボトムベース（３７）を有することを特徴とする、請求項６に記載のピペットチップ容器。

Images