JP3920799B2 - 空間光変調器の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、空間光変調器の製造方法に係り、特に、磁気光学式空間光変調器に用いる、幾何学的に平坦な表面を持ちながらピクセル化した磁性ガーネット膜を形成し、その磁性ガーネット薄膜の厚さ、及びそのピクセルのサイズ、間隔を任意に形成する手法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、このような分野の先行技術としては、
(1)磁気光学効果を利用して入射光を空間的に変調する空間光変調器として、下記の特許文献1−4が挙げられる。
【0003】
(2)スパッタエピタキシャル技術を用いたイオンミリングによる結晶領域と非結晶領域を形成する技術としては、下記非特許文献1、2が挙げられる。
【0004】
(3)液相エピタキシャル(LPE)法におけるメタル(Ti)マスク技術としては、下記非特許文献3が挙げられる。
【0005】
本願発明者は、既に、磁気光学効果を利用して入射光を空間的に変調する空間光変調器を特願2002−304866号(未公開)として提案している。
【0006】
これによると、凹凸のないフラットな表面を持ちながら磁気的なピクセルを形成することにより、
(1)駆動用電流ラインあるいはPZT駆動の電圧ラインの形成が極めて容易である
(2)駆動電流値を1/10以下に低減することができる
(3)ピクセルおよびピクセルギャップ間隔を小さくすることができる
などを特徴とする磁気光学式光変調器(MOSLM)が得られる。
【0007】
かかるフラットサーフェースMOSLMを作製する方法は、局所熱処理法と金属膜ストレスの両効果を利用することができる。
【特許文献1】
米国特許第4,584,237号
【特許文献2】
米国特許第5,241,421号
【特許文献3】
米国特許第5,255,119号
【特許文献4】
米国特許第5,386,313号
【非特許文献1】
J.−P.Krumme et.al,J.Appl.Phys.,60(1986)2065.
【非特許文献2】
Yasuyuki Okamura et.al,Jpn,J.Appl.Phys.,part2,39(2000)L1294.
【非特許文献3】
Hideki Yokoi et.al,Jpn,J.Appl.Phys.,part1,38(1999)4847.
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記したフラットサーフェースMOSLMには、以下のような問題があった。
【0009】
(1)MOSLMで光利用効率を上げるには、個々のピクセルによる偏光面回転角を大きくする必要がある。偏光面の回転角度は、磁性ガーネット膜の厚さに比例するので、MOSLMに用いる磁性ガーネット膜はできるだけ厚い方がよい。しかし、上記したフラットサーフェースMOSLMの製造方法では、局所熱処理法と金属膜ストレス効果を用いているため、磁気的なピクセルが形成されるガーネット膜の厚さが約2ミクロン程度と小さいものであった。したがって、磁性ガーネット膜を厚く形成できないため光利用効率の低下を伴っていた。
【0010】
(2)局所熱処理法は、LPE(液相エピキシャル)法によって形成した磁性ガーネット上にPtなどの金属膜をパターン形成し、それを熱処理する方法であるが、金属膜製造時における作製工程が多くなると同時に、制御を要するパラメータもあるため、作製が煩雑であり、作製できるピクセルサイズ、ピクセル間隔にも限界があった。
【0011】
本発明は、上記状況に鑑みて、凹凸のないフラットな表面を有し、磁気的なピクセルを任意のサイズ、間隔で容易に形成することができる空間光変調器の製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
すなわち、磁性ガーネットをLPE法でエピタキシャル成長させる基板であるSGGGやGGG単結晶基板自体に微細加工を施すことにより、その上に成長する磁性ガーネット膜の磁気的なピクセルを任意のサイズ・間隔で形成することができる。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕空間光変調器の製造方法において、磁性ガーネットを形成する光磁気材料からなる単結晶基板に微細加工を施し、マスクを形成する工程と、前記マスクされた光磁気材料からなる単結晶基板にイオンミリング法によりイオンビームを照射し、前記光磁気材料からなる単結晶基板表面のマスクされていない部位を数十nm程度の厚さで粗面化する工程と、前記マスクを除去し、その上にLPE法で磁性ガーネットを形成し、前記光磁気材料からなる単結晶基板上の粗面化した部位を除く平坦な部位に表面がフラットな磁気的なピクセルを形成する工程とを施し、ピクセルギャップ/ピクセルサイズ≦0.4であることを特徴とする。
【0014】
〔2〕上記〔1〕記載の空間光変調器の製造方法において、前記光磁気材料からなる単結晶基板がSGGG基板やGGG基板であることを特徴とする。
【0015】
〔3〕上記〔1〕又は〔2〕記載の空間光変調器の製造方法において、前記磁性ガーネットの厚みを5μm〜10μmとすることを特徴とする。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0017】
図1は本発明の実施例を示す空間光変調器の製造工程断面図である。
【0018】
(1)まず、図1(a)に示すように、SGGG基板〔(Bi1.0 Y1.4 Gd0.6 )(Fe3.8 Ga1.2 )O12〕1を用意する。
【0019】
(2)次に、図1(b)に示すように、SGGG基板1の表面にホトレジストを塗布して、エッチングを行いレジストパターン2を形成する。
【0020】
(3)次に、図1(c)に示すように、イオンビーム3を照射して、SGGG基板1の部位にイオンミリングを行う。具体的には、例えば、ビーム電圧は700V、ビーム電流は20mA、加速電圧200V、ミリング時間は15分で、加速されたArなどの重い不活性なイオンをビーム状に引き出し、10-6〜10-5程度の高真空中で対象物としてのレジストパターン2を有するSGGG基板1に照射する。
【0021】
(4)次に、図1(d)に示すように、マスクとしてのレジストパターン2を除去すると、SGGG基板1のマスクされていない部位がイオンミリングされて表面が数十nmの厚さで粗面化したイオンミリング領域4が形成される。
【0022】
(5)次いで、図1(e)に示すように、LPE成長により磁性ガーネット膜5を成長させる。ここで、LPE成長の条件は、例えば、Bi2 O3 、Na2 CO3 のフラックス、成長温度は700℃、融解及びストリング温度は1100℃、成長時間は4分である。このとき、SGGG基板1の表面のイオンミリング領域4により磁性ガーネット膜5がピクセル化する。つまり、イオンミリング領域4上は結晶面が乱れているため、エピタキシャル的にうまく磁性ガーネットが成長せず、粗面化した部位6(図2〜図4におけるピクセルギャップに対応)となるが、イオンミリングされていない領域には磁性ガーネットが成長し、粗面化されていない平坦な部位7(図2〜図4におけるピクセルに対応)が形成される。
【0023】
したがって、SGGG基板1にイオンミリングを施すことにより、表面がフラットな磁気的なピクセルを容易に、任意のピクセルサイズ、ピクセル間隔で形成することができる。
【0024】
ここで、磁性ガーネット膜5は、μmオーダ(例えば5μm、10μm程度)にLPE法で成長させることができる。それにより、光利用効率の高い表面がフラットなピクセル化された磁性ガーネット膜5を得ることができる。
【0025】
なお、上記SGGG基板に代えて、GGG基板を用いてもよい。
【0026】
図2は本発明の実施例を示す基板上に形成されたピクセルサイズ5μmのLPEによる選択的領域を示す平面図であり、ピクセルギャップ(図1の粗面化した部位6に対応)が2μmの例を示している。
【0027】
図3は本発明の実施例を示す基板上に形成されたピクセルサイズ10μmのLPEによる選択的領域を示す平面図であり、ピクセルギャップが2μmの例を示している。
【0028】
図4は本発明の実施例を示す基板上に形成されたピクセルサイズ15μmのLPEによる選択的領域を示す平面図(SEM像)であり、ピクセルギャップが2μmの例を示している。
【0029】
図5は本発明の実施例を示すフラットな表面を有するイオンガーネットフィルムの平面図であり、表面がフラットであることが分かる。
【0030】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0031】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0032】
(A)光磁気材料からなる単結晶基板上にLPE法で磁性ガーネット膜を形成すると同時に磁気的なピクセルを形成することができる。
【0033】
したがって、磁気的なピクセルの形成を極めて簡便かつ容易に制御することができる。
【0034】
(B)表面がフラットな磁気的なピクセルを簡便かつ容易に製造することができる。
【0035】
(C)磁性ガーネット膜の厚さを十分に厚くすることができるため、光利用効率を高めることができる。
【0036】
(D)ピクセル化された磁性ガーネット膜を容易に任意のピクセルサイズ、ピクセル間隔で形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施例を示す空間光変調器の製造工程断面図である。
【図2】 本発明の実施例を示す基板上に形成されたピクセルサイズ5μmのLPEによる選択的領域を示す平面図である。
【図3】 本発明の実施例を示す基板上に形成されたピクセルサイズ10μmのLPEによる選択的領域を示す平面図である。
【図4】 本発明の実施例を示す基板上に形成されたピクセルサイズ15μmのLPEによる選択的領域を示す平面図である。
【図5】 本発明の実施例を示すフラットな表面を有するイオンガーネットフィルムの平面図である。
【符号の説明】
1 SGGG基板
2 レジストパターン
3 イオンビーム
4 イオンミリング領域
5 磁性ガーネット膜
6 粗面化した部位
7 粗面化されていない平坦な部位
Claims (3)
- (a)磁性ガーネットを形成する光磁気材料からなる単結晶基板に微細加工を施し、マスクを形成する工程と、
(b)前記マスクされた光磁気材料からなる単結晶基板にイオンミリング法によりイオンビームを照射し、前記光磁気材料からなる単結晶基板表面のマスクされていない部位を数十nm程度の厚さで粗面化する工程と、
(c)前記マスクを除去し、その上にLPE法で磁性ガーネットを形成し、前記光磁気材料からなる単結晶基板上の粗面化した部位を除く平坦な部位に表面がフラットな磁気的なピクセルを形成する工程とを施し、ピクセルギャップ/ピクセルサイズ≦0.4であることを特徴とする空間光変調器の製造方法。 - 請求項1記載の空間光変調器の製造方法において、前記光磁気材料からなる単結晶基板がSGGG基板やGGG基板であることを特徴とする空間光変調器の製造方法。
- 請求項1又は2記載の空間光変調器の製造方法において、前記磁性ガーネットの厚みを5μm〜10μmとすることを特徴とする空間光変調器の製造方法。
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