JP3920254B2 - 改質ポリエステル繊維及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は改質ポリエステル繊維及びその製造方法に関する。特にアルコキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールを使用して得られる、改質ポリエチレンテレフタレート(PET)ポリエステル繊維に関する。
ポリエステル繊維は優れた耐摩擦性を有し、低コスト等の利点があるため、ファッションやアクセサリ、或いは工業製品などの分野において好適に利用されており、合成繊維の分野では極めて重要な地位を占めている。ポリエステル繊維の種類は様々であるが、その中でもテレフタル酸或はそのアルキルエステルとアルキレングリコールからなるポリアルキレンテレフタレートポリエステル繊維が広く利用されている。一般によく知られているポリアルキレンテレフタレートポリエステル繊維としてはポリエチレンテレフタレート(PET)ポリエステル繊維、ポリプロピレンテレフタレート(PPT)ポリエステル繊維、及びポリブチレンテレフタレート(PBT)ポリエステル繊維などが挙げられる。その中でもPETポリエステル繊維の強度は木綿より約1倍ほど高く、羊毛より3倍高い。また、弾力性も羊毛に近い。更に、優れた耐磨耗性、耐皺性、耐熱性及び安定性を有し、もっとも広く利用されている合成繊維である。
PETポリエステル繊維は他の天然繊維、例えば羊毛及び木綿と混紡して強度と耐久性を向上させることができる。混紡により得られた織物はPETポリエステル繊維の物性を維持することができるばかりではなく、天然繊維とほぼ同一の品質を得ることができる。通常、このような合成繊維を製造する場合、先ず、重縮合反応により生成したポリエステルポリマーを押出し成形し、次に仮撚、クリンピング(加工)及び特定な化学処理により、羊毛や木綿などの天然繊維より優れた特性を持つ合成繊維ができる。
そうした合成繊維による紡織品は染色により所望の色が得られる。しかしながら、PETポリエステル繊維の染色性は悪く、天然繊維のように染色し易くはなく、必ず高温、高圧で或は常圧で染色助剤を加えてから染色する。このような高温、高圧での染色を行う場合、設備費がかかるばかりでなく、ランニングコストも増える。また、羊毛や木綿等の天然繊維及びスパンデックス(Spandex)のような繊維は温度に対して敏感であり、PETポリエステル繊維とこれらの繊維を混紡染色する際に、不都合が生じるため、PETポリエステル繊維の利用には制限があり、また、混紡染色の要求に応ずるためには、製造コストが増加する。
一方、ポリエステル繊維を染色助剤の物理作用又は化学作用を利用して、染色性を改善することにも多くの欠点がある。即ち、先ず第1に、これらの染色助剤の多くは染料分子及びポリエステル繊維と化学反応する官能基を持っている。これらの官能基としては、例えばカルボン酸(特に、ジカルボン酸或は多官能性カルボン酸)基、硫酸基、スルホン酸基等がある。それ故、用いられる染料は一般的な分散性染料の代りに、より高価な反応性染料を用いるために、生産コストが一層増えることになる。更に、これらの染色助剤は紡織品の製造工程において、排水及び製造で得られた紡織品の中に残留し、環境に対する悪い影響を及ぼす。
従って、繊維業者は積極的に新しい改質PETポリエステル繊維の研究開発に取り組んでおり、PETポリエステル繊維の染色し難い欠点を解消し、PETポリエステル繊維の応用範囲を高め、且つ環境汚染も低減されることが期待されている。
特許文献1には、2−メチル−1,3−プロパンジオールを用いて、PETポリエステル繊維の改質を行い、すぐれた染色性、延伸性及び繊維強度を有する改質ポリエステルが得られた旨の開示がある。しかしながら、この文献に開示された改質ポリエステル繊維は水洗堅牢度が良くなく、染め易いけれども洗い出され易いと言う特性を持つために、この改質ポリエステル繊維の応用範囲は狭い。
また、特許文献2に開示されている、低温下で染め易い特性を持つポリエステル繊維は、染め易い特性を持つPPTポリエステル繊維とPETポリエステル繊維を混合してなる共重合ポリエステル繊維であり、得られたポリエステル繊維は染め易い特性を有してはいるが、PPTを製造する原料の“1,3−プロパンジオール”がPETの製造原料であるエチレングリコールと比べて価格が遙かに高く、且つ入手し難い等の問題点を有しており、染色コストは低減できても、ポリエステル繊維自体のコストが高くなるので、コストの低減には不利である。
従って、低温度で染色でき、且つ製造コストが増えない改質ポリエステル繊維の開発が望まれている。
USP5,916,677号明細書 USP6,187,900号明細書
本発明の目的は、低温で染め易い特性を持つ改質ポリエステル繊維を提供することにある。
本発明は、また、アルコキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールを用い、改質を行って改質PETポリエステル繊維を提供することを目的とする。
更に、本発明は、染色助剤を使わずに常圧及び100℃の温度で低温染色のできる改質PETポリエステル繊維を提供することを目的とする。
更にまた、本発明は、優れた染色性及び水洗堅牢度を有する改質PETポリエステル繊維を提供することを目的とする。
また、本発明は、未改質のPPTポリエステル繊維と同じレベルの水洗堅牢度と低温で染め易い特性を持つ改質PETポリエステル繊維を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明はアルコキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールを用いて、改質を行った改質ポリエステル繊維、就中、改質PETポリエステル繊維と、この改質ポリエステル繊維の製造方法を提供するものである。
即ち、本発明は、アルコキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオール、アルキレングリコール、及びテレフタル酸又はそのアルキルエステルとを重縮合反応させることにより得られる改質ポリエステル繊維に関する。
また、本発明は、アルコキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオール、テレフタル酸又はそのアルキルエステル、及びアルキレングリコールを重縮合反応させて、ポリエステル共重合体を製造する工程、及びこのポリエステル共重体をスピニングして、改質ポリエステル繊維を得る工程を含むことを特徴とする、改質ポリエステル繊維の製造方法に関する。
本発明の方法により、得られた改質PETポリエステル繊維は、染色助剤を使わずに常圧下で低温染めを行うことができ、特に温度に敏感な天然繊維又はエラスティック繊維の混紡染色への適用に適したものである。更に、この改質PETポリエステル繊維は、低温で染色を行った後も、優れた染色性及び水洗堅牢度を示し、コストの低減、製造工程の簡素化及び環境への汚染減少などの利点がある。
本発明者らは鋭意研究を行った結果、アルコキシ化2-メチル-1,3-プロパンジオールはメチル基の側鎖を有するため、得られたポリエステルポリマーが非対称的な化学構造を示し、染料と容易に接触し、染め易い特性を持つことを見出した。一方、このようなアルコキシ化2-メチル-1,3-プロパンジオールをPETポリエステル繊維に導入して改質を行うと、得られた改質PETポリエステル繊維も染色助剤を使わずに常圧下100℃の温度でも低温染色を行うことができ、優れた染色性及び水洗堅牢度を持つことができた。
一般的にはポリエステル繊維とは、二価アルコール又は多価アルコールと二塩基酸又は多塩基酸との重縮合反応により形成された85重量%以上のエステル結合を含む糸状の高分子繊維である。通常、テレフタル酸又はそのアルキルエステルは各種のアルキレングリコールと重縮合反応を行うことができ、ポリアルキレンテフタレートポリエステル繊維を生成する。アルキレングリコールの具体例としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。テレフタル酸はエチレングリコールとの重縮合によりPETを形成し、プロピレングリコールとの重縮合によりPPTを形成し、また、ブチレングリコールとの重縮合によりPBTを形成することができる。最も広く利用されているPETポリエステル繊維は、テレフタル酸又はそのアルキルエステルをエチレングリコールと重縮合反応を行わせて、ポリエステルポリマーを形成させ、次いで、これをスピニングすることにより得られる。
本発明の具体的な実施例において、この改質PETポリエステル繊維は、先ず、アルコキシ化2-メチル-1,3-プロパンジオールとエチレングリコールからジオール混合物を形成させ、次いで、そのジオール混合物をテレフタル酸又はそのアルキルエステルと重縮合反応を行わせてPETポリマーを形成させ、最後にこれをスピニングすることにより得られる。
本発明で用いられる改質用のアルコキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールとしては、例えば、下記一般式(I)で示されるものが好ましい。
Figure 0003920254
(式中、XとYはそれぞれ独立して、C〜Cの直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表し、mとnはそれぞれ独立して、0〜6の整数を表す。但し、mとnの少なくとも一方は0ではない。)
一般式(I)で示されるアルコキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールの具体例としては、例えば、(モノ又はジ)エトキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオール、(モノ又はジ)プロポキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオール、(モノ又はジ)イソプロポキシ2−メチル−1,3−プロパンジオール、(モノ又はジ)ブトキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオール、(モノ又はジ)イソブトキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオール、(モノ又はジ)sec−ブトキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオール、(モノ又はジ)tert−ブトキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオール及び複数のアルコキシ基によりアルコキシ化を行った2−メチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。これらアルコキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールの中で、ジエトキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオール及びジプロポキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールが特に好ましい。
テレフタル酸又はそのアルキルエステルと重縮合反応を行って、ポリエステルポリマーを形成させるために用いられるジオール混合物(アルコキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールとアルキレングリコールの混合物)中に含まれるアルコキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールの量は、ジオール混合物の総重量に対して、1〜15モル%、好ましくは2〜8モル%である。
上記アルコキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールとエチレングリコールからなるジオール混合物は、テレフタル酸との、例えば、直接エステル化工程及び重縮合工程からなる重縮合反応、或はテレフタル酸エステル(例えば、テレフタル酸メチル)とのエステル転化工程及び重縮合工程からなる重縮合反応によって、ポリエステルポリマーを形成する。
エステル転化工程の重縮合反応はより穏やかな反応条件で進行できる。また、使用原料や設備に対する条件が特に厳しくなく、コントロール及び操作がし易いと言う利点がある。但し、このようなエステル転化工程を行う際には、まずテレフタル酸エステルを形成させること、即ち、テレフタル酸のエステル化工程が必要なため、工程数が増えると言う欠点がある。
一方、直接エステル化工程を行う重縮合反応には、原料や設備、及びコントロール操作に対する要求が高いが、反応工程は簡単であり、原料の消費が少ない。また、製品の品質が高いと云う利点があるので、通常は、こちらの方が主な製造方法となっている。
以下に本発明の改質ポリエステル繊維の製造方法について具体的に述べる。
本発明の改質PETポリエステル繊維を製造するには、先ず、上記ジオール混合物とテレフタル酸が1.5:1〜1:1、好ましくは1.2:1のモル比率になるように混合され、200〜280℃の温度(好ましくは250℃)で、1kg/cm(G)の圧力で、直接エステル化反応を行い、反応の転化率が95%、或いはそれ以上に達すると、低重合のオリゴマーが得られる。次いで、触媒及び必要に応じて添加剤(例えば、消光剤としての酸化チタン無機化合物等)を得られたオリゴマ―に添加して、重縮合反応を行い、PETポリエステルポリマーを製造する。該反応に用いられる触媒の具体例としては、例えば、アンチモン化合物(例えば酸化アンチモン等)、ゲルマニウム化合物、チタニウム化合物等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。通常、該重縮合反応は200〜300℃の温度、好ましくは280℃で、1トールの圧力で行われる。 重縮合反応で生成したポリエステルポリマーは、40重量%のフェノールと60重量%のテトラクロルエタンからなる混合溶媒中、30℃で測定した固有粘度が0.4〜1.5dl/gであることが望ましい。ポリエステルポリマーの固有粘度が0.4dl/gより低いと、得られたポリエステル繊維の強度が足りないため、用途面での要求に合わなくなる。一方、1.5dl/gより高いと、このポリエステルポリマーの溶融粘度が大きくなり、繊維の紡糸性、紡織性、及び染色性が悪くなる。
上記のエステル化工程及び重縮合工程を含む重縮合反応はバッチ式又は連続式何れの方法によっても行うことができる。エステル化及び重縮合反応を進行させる各種条件については、当業者が使用する反応物及び反応システムによって調整することができるが、上記に限定されるものではない。
次いで、得られたポリエステルポリマーを紡糸工程に付し、ポリエステル繊維を製造する。伝統的なスピニング工程としては溶融スピニング、乾式スピニング、湿式スピニングなどが挙げられる。PETポリエステル繊維の場合は、通常、溶融紡績の方法により、PETポリマーを紡糸原料として、PETポリエステル繊維を形成する。この溶融紡糸は、先ず紡糸原料を加熱して、粘稠液体にさせる。次いで、この溶融紡糸原料を紡糸口金を通過させ、固化させてモノフィラメントとする。形成されたモノフィラメントは公知の紡糸条件で紡糸を行い、例えば、熱ロールにより、モノフィラメントを予熱し、適当な延伸率で延伸すれば、本発明の改質PETポリエステル繊維が得られる。但し、紡績に関する分野、特に、合成繊維の製造に関して、“紡糸”と言う用語はポリマー溶融液体から繊維を製造し、天然の、又は合成した、或はこれらを混合し、形成させた糸と該繊維とを同時に巻取ると言うことである。
本発明の特徴及び効果を、以下の実施例によって更に詳しく説明する。
エチレングリコールとジエトキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールを93:7のモル比でジオール混合物とし、更に、1.2:1のモル比で上記のジオール混合物とテレフタル酸を1kg/cm(G)の圧力及び250℃の温度で、転化率95%でエステル化反応を行い、低重合のオリゴマーを生成した。生成したオリゴマーに350ppmの酸化アンチモンを触媒として添加し、1トールの圧力及び280℃の温度で、重縮合反応を3時間行い、固有粘度0.6dl/gのポリエステルポリマーを得た。
このポリエステルポリマーを円柱状のポリエステル顆粒にするため、圧縮して粒切りを行った。このポリエステル顆粒を乾燥させた後、押出機に溶融させ、20個の直径0.25mmの紡糸口金により、3200m/minの速度で紡糸を押出させ、更に80℃の熱ロール、130℃の熱プレートで500m/minの速度で紡糸を行い、75デニール/40モノフィラメントの複数の糸を形成させた。紡糸比率は1.7であった。 次いで、当該紡糸を用いて靴下の筒を織り、100℃で染色を行ってサンプル1とした。一方、未改質PETを用いて、上記と同じ工程で靴下の筒を織り、130℃で染色を行って標準品とし、その染色性を100%とした。AATCCの測定方法61−2Aにより水洗堅牢度を測定した。当該標準品とサンプル1の染色性及び水洗堅牢度を測定した結果を表1に示す。
Figure 0003920254
実施例1と同じ方法により、エチレングリコールとジエトキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールを95:5のモル比でジオール混合物とし、更に、このジオール混合物とテレフタル酸のモル比を1.2:1にして、重縮合反応及び紡糸工程を行い、生成した紡糸を用いて靴下の筒を織り、100℃で染色を行ってサンプル2とした。一方、未改質PETを用いて上記と同様にして靴下の筒を織り、130℃で染色を行って標準品とし、その染色性を100%とした、AATCCの測定方法61−2Aにより水洗堅牢度を測定した。当該標準品とサンプル2の染色性及び水洗堅牢度を測定した結果を表2に示す。
Figure 0003920254
実施例1と同じ方法により、エチレングリコールとジプロポキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールを93:7のモル比でジオール混合物とし、更に、このジオール混合物とテレフタル酸のモル比を1.2:1にして、重縮合反応及び紡糸工程を行い、生成した紡糸を用いて靴下の筒を織り、100℃で染色を行ってサンプル3とした。一方、未改質PETを用いて上記と同様にして靴下の筒を織り、130℃で染色を行って標準品とし、その堅牢度を100%とした、AATCCの測定方法61−2Aにより水洗堅牢度を測定した。当該標準品とサンプル3の染色性及び水洗堅牢度を測定した結果を表3に示す。
Figure 0003920254
比較例1
実施例1と同じ方法により、エチレングリコールと2−メチル−1,3−プロパンジオールを95:5のモル比でジオール混合物とし、更に、このジオール混合物とテレフタル酸のモル比を1.2:1にして、重縮合反応及び紡糸工程を行い、生成した紡糸を用いて靴下の筒を織り、100℃で染色を行って比較サンプル4とした。一方、未改質PETを用いて上記と同様にして靴下の筒を織り、130℃で染色を行って標準品とし、その染色性を100%とした、AATCCの測定方法61−2Aにより水洗堅牢度を測定した。当該標準品と比較サンプル4の染色性及び水洗堅牢度を測定した結果を表4に示す。
Figure 0003920254
比較例2
実施例1と同じ方法により、1,3−プロパンジオールとテレフタル酸を1.2:1のモル比で重縮合反応及び紡糸工程を行い、生成した紡糸を用いて靴下の筒を織り、100℃で染色を行って比較サンプル5とした。当該比較サンプル5及び実施例1の標準品とサンプル1について測定した染色性及び水洗堅牢度の結果を表5に示す。
Figure 0003920254
上記の結果から、アルコキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールで改質されたPETポリエステル繊維は100℃の温度条件で染色を行うことが出来、且つ、未改質PETポリエステル繊維と同じ染色性及び水洗堅牢度を有し、未改質PETポリエステル繊維よりも更に広い領域に利用され得ることが判った。
上記の内容は、本発明を実施例を用いてより具体的に説明したものであるが、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で、同等の効果が得られる種々の変更や改良は上記本発明の“請求の範囲”に含まれる。
本発明の改質ポリエステル繊維は、低温で染色を行うことが可能であり、また優れた染色性や水洗堅牢度を有するので、合成繊維の分野で広く利用することができる。

Claims (9)

  1. アルコキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオール、アルキレングリコール、及びテレフタル酸又はそのアルキルエステルとを重縮合反応させることにより得られる改質ポリエステル繊維。
  2. アルコキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールの使用量が、アルコキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールとアルキレングリコールの総量に対して、1〜15モル%である、請求項1に記載の改質ポリエステル繊維。
  3. アルコキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールの使用量が、アルコキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールとアルキレングリコールの総量に対して、2〜8モル%である、請求項2に記載の改質ポリエステル繊維。
  4. アルコキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールが、下記一般式(I)
    Figure 0003920254
    (式中、XとYはそれぞれ独立して、C〜Cの直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表し、mとnはそれぞれ独立して、0〜6の整数を表す。但し、mとnの少なくとも一方は0ではない。)
    で示されるものである、請求項1に記載の改質ポリエステルエステル繊維。
  5. アルコキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオール、テレフタル酸又はそのアルキルエステル、及びアルキレングリコールを重縮合反応させて、ポリエステル共重合体を製造する工程、及びこのポリエステル共重体をスピニングして、改質ポリエステル繊維を得る工程を含むことを特徴とする、改質ポリエステル繊維の製造方法。
  6. アルキレングリコールがエチレングリコールである、請求項5に記載の製造方法。
  7. アルコキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールの使用量がアルコキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールとエチレングリコールの総量に対して、1〜15モル%である、請求項6に記載の製造方法。
  8. アルコキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールの使用量がアルコキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールとエチレングリコールの総量に対して、2〜8モル%である、請求項7に記載の製造方法。
  9. アルコキシ化2−メチル−1,3−プロパンジオールが下記一般式(I)
    Figure 0003920254
    (式中、XとYはそれぞれ独立して、C〜Cの直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表し、mとnはそれぞれ独立して、0〜6の整数を表す。但し、mとnの少なくとも一方は0ではない。)
    で示されるものである、請求項5に記載の製造方法。
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