JP3920079B2 - 露光マスク密着方法及び密着装置並びに露光装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、基板上に形成された感光性レジスト層に露光光の波長より小さなパターンを露光するために、露光マスクと基板との密着性を向上させる露光マスク密着方法及び密着装置並びに露光装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光リソグラフィ技術は、特に縮小投影露光技術とレジスト技術の進歩により目覚ましい勢いで発展してきた。そして、更なる微細化の要望から、露光光の波長を小さくすることが求められている。しかし、光を用いるリソグラフィでは、光の回折限界が解像度の限界となるため、波長が248nmのF2エキシマレーザを用いても線幅100nmの微細化がレンズ列光学系を用いたリソグラフィの限界と言われている。さらに、その先のナノメータオーダの解像度を得ようとすると、コスト高となる電子線やX線(特に、SOR光:シンクロトロン放射光)リソグラフィ技術を用いる必要があり、現実的ではなかった。
【0003】
このような問題を解決する方法として、露光光の波長よりも小さい開口を含むパターンを有した露光マスクに露光光を照射し、そのときの露光マスクの開口からしみだす近接場光によってフォトレジスト等のレジスト感光層を露光する近接場露光方法が提案されている。この方法によれば、露光光の波長に拘わらず、上記の露光マスクの開口の大きさ程度の微細パターンを形成可能となる。この近似場光を用いる露光装置としては、例えば特開平2000−112116号公報等に一例が示されている。
【0004】
ところで、この近接場光のしみだす深さ、つまり、露光マスクに垂直な方向への近接場光の到達距離は、露光マスクの開口程度の極めて短い距離でしかない。従って、このような近接場光を利用して露光するためには、露光マスクと基板とを完全に密着させることが肝要である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の密着露光技術では、露光マスクと基板とを完全に密着させることは実際上難しく、基板に塗布されたレジスト層と露光マスク表面との間の界面には、どうしてもエアギャップがある程度残ってしまう。この原因の一つに、ウェハにレジストを塗布する際に用いられるスピンコート法では、遠心力でウェハ周辺部のレジストが盛り上がる傾向がある点が挙げられる。ウェハ周辺部でレジストが盛り上がると、図6(a)に示すように、レジスト層51の表面が露光マスク53の接触面に対して相対的に凹状となり、図6(b)に示すように、露光マスク53と基板55とを重ね合わせたときに、この凹状部内57に空気が閉じ込められてしまうことになる。このように、レジスト表面に露光マスクを密着させる場合、密着時にウェハと露光マスクとの間に空気が残り、エアギャップが生じやすくなっていた。
【0006】
パターンの線幅が100nmより大きい通常の露光時には、この程度のエアギャップが存在しも実質的に支障はなかったが、特に近接場露光方法においては、このようなエアギャップがあると、露光マスクの開口直下の極浅い距離にしか近接場光が生じないため、レジストに正確なパターン転写が行うことができないという問題を生じる。
また、このレジスト表面がマスク接触面に対して凹形状になる他の原因としては、例えば、露光マスク形状、ウェハ形状、露光台面形状等が関係すると考えられるが、個別にこれらの形状を制御することは実際上困難である。
【0007】
本発明は、このような従来の問題点に鑑みてなされたもので、露光用マスクと基板との密着性を向上させ、露光光の波長より小さな微細パターンを作製する近接場露光方法においても、高品位な露光が行える露光マスクの密着方法及び密着装置並びに露光装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記目的達成のため、本発明に係る請求項1記載の露光マスク密着方法は、露光光の波長より小さい開口が含まれるパターンを有したガラス材料からなる露光マスクを用い、感光性レジスト層の形成された基板に前記パターンの開口からしみ出す近接場光で露光する近接場露光を行う前に、予め前記露光マスクと前記基板とを密着させる露光マスク密着方法であって、前記露光マスクと前記基板とを重ね合わせて基板保持台に載置し、前記基板を前記基板保持台に真空吸着させた後、前記基板保持台に載置した前記露光マスクと基板とを、加圧ローラによって所定のニップ圧をもって挟み込み、前記加圧ローラを前記保持台に対して相対移動させることで、前記露光マスクと前記基板との間の界面に残留する気体を該界面から追い出すことを特徴とする。
【0009】
この露光マスク密着方法では、露光マスクと基板とを重ね合わせて吸着させた後、加圧ローラに挟み込み、この加圧ローラを露光マスク及び基板に対して相対移動させることで、露光マスクと基板との間の界面に残留する気体を該界面から追い出して、露光用マスクと基板との密着性を向上させることができ、露光光の波長より小さな微細パターンを作製する近接場露光方法においても高品位な露光が実現できるようになる。
また、加圧ローラと保持台との間に露光マスクと基板とを挟み込み相対移動させることにより、簡単な構成で良好な密着性を得ることができる。
【0014】
請求項2記載の露光マスク密着方法は、前記感光性レジスト層が、ドライエッチングにより除去可能な第1レジスト層と、光照射による照射部分のみ又は非照射部分のみが現像溶媒に可溶となる耐ドライエッチング性を有する第2レジスト層とをこの順に前記基板上に積層して形成されていることを特徴とする。
【0015】
この露光マスク密着方法では、感光性レジスト層が2層レジストからなり、近接場光により第2レジスト層が露光されることにより、これを現像処理することで露光された第2レジスト層が選択的に除去されてパターンが得られる。そしてこのパターンをマスクとして第1レジスト層をドライエッチングすることで、基板上に高いアスペクト比のパターン化されたレジストが形成される。このパターン化されたレジストを用いて基板を加工することで、微小なパターンを基板に形成することができる。
【0016】
請求項3記載の露光マスク密着装置は、露光光の波長より小さい開口が含まれるパターンを有したガラス材料からなる露光マスクと、感光性レジスト層の形成された基板とを用いて、前記基板に形成された感光性レジスト層に前記露光マスクの開口からしみ出す近接場光で露光する近接場露光を行う前に、前記露光マスクと前記基板とを密着させる露光マスク密着装置であって、前記露光マスクと前記基板とを重ね合わせて載置する基板保持台と、前記基板保持台に載置された前記基板を前記基板保持台に吸着する空気吸引手段と、前記基板保持台に対峙して前記露光マスクと前記基板とを挟んで載置される加圧ローラと、前記加圧ローラを前記露光マスクと前記基板に対して押圧する押圧手段と、前記基板を前記空気吸引手段により前記基板保持台に吸着させた後に前記加圧ローラを前記露光マスクと前記基板に対して相対移動させる相対移動手段と、を備えたことを特徴とする。
【0017】
この露光マスク密着装置では、加圧ローラにより露光マスクと基板とを重ね合わせて挟み込み、空気吸引手段により基板保持台に吸着させ、押圧手段によりクイーズローラを露光マスクと基板に対して押圧し、相対移動手段により加圧ローラを露光マスクと基板に対して相対移動させることで、露光マスクと基板との間の界面に残留する気体を該界面から追い出して、露光用マスクと基板との密着性を向上させることができ、露光光の波長より小さな微細パターンを作製する近接場露光方法においても高品位な露光が実現できるようになる。
また、加圧ローラと保持台との間に露光マスクと基板とを挟み込み相対移動させることにより、簡単な構成で良好な密着性を得ることができる。
【0022】
請求項4記載の露光装置は、請求項3記載の露光マスク密着装置と、前記露光マスク密着装置により密着された露光マスク及び基板に対して前記露光マスク側から露光光を照射する光源と、を備えたことを特徴とする。
【0023】
この露光装置では、露光マスク密着装置により密着処理することにより、露光マスクと基板との間の界面に残留する気体を該界面から追い出して、露光用マスクと基板との密着性を向上させることができ、この密着処理後の露光マスク及び基板に対して、露光マスク側から露光光を照射することにより、露光マスクの開口からしみ出す近接場光を、基板上の感光性レジスト層に確実に照射することができる。これにより、高品位な近接場露光が実現できるようになる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る露光マスク密着方法及び密着装置並びに露光装置の好適な実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は本発明に係る露光マスク密着装置の一概略構成図、図2は露光マスクの密着動作の説明図である。
本実施形態の露光マスク密着装置100は、概略的には、近接場露光に用いる露光マスクと、感光性レジスト層の形成された基板とを重ね合わせて搬入部11に供給し、装置内部の加圧ローラ及び相対移動手段としてのスクイーズローラ対13によって双方を押圧しつつ移動させることで双方全体を密着させ、搬出部15に排出するものである。露光マスク密着装置100から排出された密着状態の露光マスク及び基板は、露光装置に取り付けて近接場露光を行うが、この近接場露光の手順についての詳細は後述することにする。
【0025】
まず、露光マスク密着装置100の構成を説明する。
露光マスク密着装置100は、図1に示すように、密着させる被処理物1を載置して装置内部に導入する搬入部11と、搬入部11に載置された被処理物1を装置内部に導入するピックアップローラ17と、被処理物1を上下に挟み込む下側スクイーズローラ13a及び上側スクイーズローラ13bからなるスクイーズローラ対13と、上側スクイーズローラ13bを下側スクイーズローラ13a側に押圧するエアシリンダやバネ材等の押圧手段19と、各スクイーズローラ13a,13bを回転駆動するモータMと、スクイーズローラ対13により密着処理後の被処理物1を排出する搬出部15とを主要な構成として備えている。
【0026】
上側スクイーズローラ13a、及び下側スクイーズローラ13bは、少なくとも被処理物1の幅より長い軸方向幅を有するローラであって、それぞれが同一形態に構成されている。ローラの表面はシリコンゴム等の軟質材料で形成し、押圧時における被処理物1との密着性を向上させている。上側スクイーズローラ13bはその取り付け軸の両端に押圧手段19が取り付けられ、押圧手段19による押圧力Fにより下側スクイーズローラ13aとの間に所定のニップ圧を生じさせている。このときのニップ圧は被処理物1の厚みや材質等に応じて適宜設定される。なお、各スクイーズローラ13a,13bはモータMにより互いに反対の方向に回転駆動されるが、一方のローラを従動ローラとして片側のローラのみ駆動する構成としてもよい。これらスクイーズローラ13a,13bが回転駆動されることで、被処理物1が搬入部11から搬出部15へと搬送される。
【0027】
次に、上記露光マスク密着装置100による密着動作を説明する。
図2(a)に示すように、近接場露光を行う露光マスク3と表面に感光性レジスト層の形成された基板5とを重ね合わせた被処理物1を、搬入部11に供給、或いは、搬入部11において双方を重ね合わせて供給する。供給された被処理物1は、搬入部11からピックアップローラ17により装置内に引き込まれてスクイーズローラ対13に挟み込まれる。すると、回転駆動されたスクイーズローラ対13によって、被処理物1が端部から順次スクイーズローラ対13に通される。このとき、被処理物1の露光マスク3と基板5との間の界面に残存する空気(気泡)7は、スクイーズローラ対13の転がり移動に伴って移動する。即ち、図2(b)に示すように、スクイーズローラ対13により被処理物1を所定のニップ圧をもって挟み込みながら、スクイーズローラ対13と被処理物1とを相対的に移動させることで、スクイーズローラ13が露光マスク3と基板5との間の空気7を基板5の縁部に移動させ、最終的に露光マスク3と基板5との間の界面から追い出す。
【0028】
ここで、上記露光マスク3は、露光光の波長よりも幅の小さい開口が含まれるパターンを有して、露光光が照射されたときに、この開口から近接場光をしみ出させる近接場光露光用のフォトマスクである。この露光マスク3は、例えば厚さ0.4〜0.5mm程度のSiO2により形成したマスク、或いは、ガラス等のマスク基板上に金属の微小な開口パターンを形成したマスク等を用いることができる。また、基板5は、例えば厚さ0.3mmのSiウェハを用いることができるが、これに限らず、GaAs等の半導体基板や、SiO2膜等の絶縁膜が最上層に形成された基板でもよい。レジスト層は、近接場光の照射を受けた部分のみが所定の現像溶液に可溶となるポジ型レジスト、或いは、近接場光の非照射部分のみが所定の現像溶液に可溶となるネガ型レジストのいずれであってもよく、1つの層からなる通常のフォトレジストの他にも、例えば特開2001−15427号公報に開示されている2層レジストを用いることもできる。
【0029】
スクイーズローラ対13による被処理物1の相対移動速度は、空気7を確実に移動させることができる最大の速度に適宜設定される。また、この移動速度は、スクイーズローラ対13に挟まれる被処理物1の面積(ニップ長さ)が増加したときに減速させ、減少したときに加速させる等の加減速動作を伴ってもよい。
【0030】
これにより、露光マスク3と基板5との間に介在する空気の殆どがスクイーズローラ対13の通過によって円滑に押し出され、その結果、双方の間の空気が確実に除去され、高い密着状態が得られる。従って、後述する近接場露光処理において、露光光の波長より小さい露光用マスク3の開口から発生する近接場光が、基板5のレジスト層6に確実に到達して、微細なパターンが正確に露光転写できるようになる。
【0031】
次に、この密着処理された被処理物1を露光装置により行う近接場露光について説明する。
図3は近接場露光を行う露光装置の側面を一部断面で示した概略構成図である。
まず、図3を用いて露光装置120の構成を説明する。
この露光装置120は、表面5aにレジスト層6が形成された基板5を、裏面5b側から保持する概略円柱状の基板保持台21と、この基板保持台21を内部に収容するように配置された概略円筒状の露光マスク保持部材23と、この露光マスク保持部材23上に保持された露光マスク3を介して上記レジスト層6に露光光27を照射する露光光源25とを備えている。
【0032】
上記露光光源25としては、例えばg線(波長436nm)等、波長が概ね400nm以上であり、偏光板等により所望の方向に偏光された露光光27を発するものが用いられている。
【0033】
基板保持台21の上面は、基板5を保持する基板保持面21aとされている。また、この基板保持台21には、基板保持台21を上下に貫通して、基板保持面21aの周縁部の複数位置及び中央位置で開口する複数の排気通路21bが形成されている。この保持台21と露光マスク保持部材23との間には、基板保持台21の全周に亘ってシール部材29が介装され、基板保持台21と露光マスク保持部材23との間の空間は、このシール部材29を境に上下に分割されている。そして、露光マスク保持部材23には、シール部材29より上側の空間の位置において露光マスク保持部材23を横方向に貫通する排気通路23bが形成されている。
【0034】
これら排気通路21b,23bは、配管31を介して、例えば真空ポンプ等の空気吸引手段33に連通されている。この空気吸引手段33は、配管31及び露光マスク保持部材23と協働して、前述のように密着処理された露光マスク3と基板5とを、基板保持台21に確実に固定するためのものである。
【0035】
次に、露光装置120による露光手順を説明する。
まず、露光マスク密着装置100によって密着処理された露光マスク3及び基板5を、基板5の裏面5bが基板保持面21aに接する状態にして、基板保持台21の上に載置する。
その後、空気吸引手段33が駆動されると、基板保持台21の複数の排気通路21bから空気が吸引され、これにより基板5は基板保持台21の基板保持面21aに固定される。また、露光マスク保持部材23の排気通路23bからも空気が吸引されて、露光マスク3下側の露光マスク保持部材23に画成されている空間も真空排気されるので、露光マスク3が下側に引かれて基板5のレジスト層6との密着が一層強固となる。
【0036】
そして、この状態で露光光源25が駆動されることにより、露光マスク3を介してレジスト層6に露光光27が照射されて、レジスト層6が近接場光によって露光される。つまり、露光マスク3の露光光27の波長よりも幅の小さい開口から近接場光がしみ出して、これらの開口からなる微細なパターンがレジスト層6に転写露光される。
【0037】
また、露光光源25は、露光マスク3のパターンの直線の向きと同じ方向に直線偏光した露光光27を照射することで、レジスト層6に露光されるパターンの線幅が太ることを防止して、線幅の小さい微細なパターンを露光可能にしている。露光光27の偏光方向を変化させるには、例えば、光源からの光路の途中に介装された偏光板をパターンの直線の向きと一致するように回転させればよい。なお、直線でなく円形等のパターンや、複数の相異なる方向に延びる直線からなるパターンである場合は、偏光板を光路から外して非偏光状態の露光光27を照射することで、緻密なパターンが露光可能となる。
【0038】
次に、上記のように露光マスクと基板とを密着させて近接場露光した後の微細パターンの形成方法を説明する。
図4は近接場露光による微細パターン形成方法の説明図である。
図4(a)に示すように、基板5上には、有機高分子からなりドライエッチングにより除去可能な第1レジスト層6aと、光照射による照射部分のみ又は非照射部分のみが現像溶媒に可溶となる耐ドライエッチング性を有する感光性材料からなる第2レジスト層6bとが、スピンコート法或いはスプレイ法等により順次塗布されて、レジスト層6(2層レジスト)を形成している。
【0039】
次に、図4(b)に示すように、ガラス等のマスク基板3a上に金属の微小な開口パターン3bを形成した露光マスク3を、前述の露光マスク密着装置100により基板5上のレジスト層6に密着させる。そして、前述の露光装置120に、この密着された露光マスク3と基板5とを取り付けて、例えばi線(波長365nm)を発生する露光光源25からの露光光27を、露光マスク3側から照射する。これにより、露光マスク3の開口部からしみ出す近接場光28によって、図4(c)に示すようにレジスト層6への露光が行われて、露光された部分のレジスト(第2レジスト層6b)が感光する。
【0040】
次に、図4(d)に示すように、レジスト層6の露光された基板5を露光装置120から取り外し、第2レジスト層6bを現像液で現像処理すると、第2レジスト層6bがポジ型レジストである場合には、露光された部分が現像溶媒に可溶であるためポジ型パターンが形成される。また、第2レジスト層6bがネガ型レジストの場合には、露光パターンが反転されたネガ型パターンが形成される。
その後、図4(e)に示すように、第2レジスト層の6bパターンをマスクとして、第1レジスト層6aをO2プラズマによりドライエッチングすることで、アスペクト比の高い微細なパターンを形成する。ドライエッチングは、イオンドライエッチング又はガスエッチングであってもよい。
【0041】
そして、図4(f)に示すように、パターン化されたレジスト層6をマスクとして基板5をエッチング、又は蒸着等により加工する。その後、レジスト層6を剥離することで、微細なパターンの形成された基板5が得られる。
この剥離は、第1レジスト層6aが露光等により何ら変質していないため、第1レジスト層6aの溶解により簡単に実施することができる。また、プラズマアッシングにより剥離することも可能である。なお、第2レジスト層6bの厚さは、近接場光のしみ出し深さと同程度かそれ以下が望ましい。
【0042】
また、第1レジスト層6aの有機高分子材料は、O2プラズマによりエッチングされるものであればよく、公知のフォトレジストでもよいが、パターン形成後に、これをマスクとして基板5をドライエッチングする際の耐プラズマ性を考慮すると、芳香族含有ポリマーが望ましい。なお、2層レジストの材料は、特開2001−15427号公報に詳細が示されているので、適宜参照されたい。
上記のようにレジスト層6を2層レジストとすることで、しみ出し深さが少ない近接場光による露光であっても、高アスペクト比のレジストパターンを容易に形成することができる。
【0043】
次に、本発明に係る露光マスク密着装置の第2実施形態を説明する。
図5は本実施形態の露光マスク密着装置が搭載され近接場露光を行う露光装置の側面を一部断面で示した概略構成図である。ここで、図3に示した同一の部材に対しては同一の符号を付与することでその説明は省略するものとする。
前述の第1実施形態においては、露光マスク密着装置と露光装置とを別体に構成していたが、本実施形態においては、これらを一体化して構成している。
【0044】
図5(a)に示すように、露光装置220は、基板保持台21上にレジスト層6を上側に基板5が載置され、さらに、露光マスク保持部材23上に露光マスク3が載置され、この露光マスク3の露光光源25側の表面を基板5側に押圧する露光マスク密着装置200が、基板保持台21及び露光マスク保持部材23と露光光源25との間に配設されている。
露光マスク密着装置200は、前述と同様の構成のスクイーズローラ35を押圧手段19を介してボールネジ・ナット機構等の移動機構37に取り付けて、このスクイーズローラ35を露光マスク3に対して押圧可能に支持している。このスクイーズローラ35は、ボールネジ39に螺号されたナット部41に軸支され、モータmによってボールネジ39を回転駆動することで、図5(b)に示すように移動自在な構成にされている。
【0045】
この露光装置220では、基板保持台21に基板5を載置して、露光マスク保持部材23上に露光マスク3を載置した後に、空気吸引手段33を駆動して、基板5を基板保持台21の基板保持面21aに吸着させると共に、露光マスク3を基板5のレジスト層6に吸着させる。この状態で露光マスク密着装置200を動作させ、スクイーズローラ35を押圧手段19によって所定の押圧力を印加しつつ、露光マスク3の全面を転がり移動させる。これにより、スクイーズローラ35は基板保持台21との間でニップ圧を発生させながら転がり移動して、露光マスク3と基板5とを密着させる。この密着処理後に、スクイーズローラ35は、露光処理に支障のない位置まで退避され、前述の近接場露光処理が行われる。
【0046】
このように、本実施形態の露光装置220及び露光マスク密着装置200によれば、露光マスク3と基板5とを重ね合わせて露光する際に、スクイーズローラ35により密着処理することにより、双方の密着性が向上し、露光マスクからしみ出した近接場光が確実にレジスト層に露光されるようになり、高品位な近接場露光が実施可能となる。また、露光装置220内に露光マスク密着装置200を搭載することにより、一連の処理を連続して実施でき、塵埃の付着防止や高速化に寄与することができる。
【0047】
以上説明した各実施形態の露光マスクの密着装置では、一対のスクイーズローラ、乃至、スクイーズローラと基板保持台との間で密着処理を行う例を示したが、スクイーズローラの構成はこれに限らず、例えば、一対のスクイーズローラを用いる場合に、一方のスクイーズローラをクラウンローラとすることで、ニップ圧を均一化したり、一方のスクイーズローラを金属ローラ等としてニップ圧を増大させた構成としてもよい。また、スクイーズローラと基板保持台とを協働させる場合に、スクイーズローラを、軟質のスクレーパーやブラシ毛の植設されたブラシ材等により構成してもよい。
【0048】
【発明の効果】
本発明の露光マスク密着方法によれば、ガラス材料からなる露光マスクと基板とを重ね合わせて空気吸引により吸着させた状態でスクイーズローラに挟み込み、このスクイーズローラを露光マスク及び基板に対して相対移動させることで、露光マスクと基板との間に残留する気体を双方の界面から追い出して、露光用マスクと基板との密着性を向上させることができ、露光光の波長より小さな微細パターンを作製する近接場露光方法においても高品位な露光が実現できるようになる。
【0049】
また、本発明の露光マスク密着装置によれば、ガラス材料からなる露光マスクと基板とを重ね合わせて空気吸引により吸着させた後、スクイーズローラにより露光マスクと基板とを挟み込み、押圧手段によりクイーズローラを露光マスクと基板に対して押圧し、相対移動手段によりスクイーズローラを露光マスクと基板に対して相対移動させることで、露光マスクと基板との間に残留する気体を双方の界面から追い出して、露光用マスクと基板との密着性を向上させることができる。
【0050】
さらに、本発明の露光装置によれば、露光マスク密着装置により密着処理することにより、ガラス材料からなる露光マスクと基板との間に残留する気体を双方の界面から追い出して、露光用マスクと基板との密着性を向上させることができ、この密着処理後の露光マスク及び基板に対して、露光マスク側から露光光を照射することにより、露光マスクの開口からしみ出す近接場光を、基板上の感光性レジスト層に確実に照射することができる。これにより、高品位な近接場露光が実現できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る露光マスク密着装置の一概略構成図である。
【図2】露光マスク密着装置による露光マスクの密着動作の説明図である。
【図3】近接場露光を行う露光装置の側面を一部断面で示した概略構成図である。
【図4】近接場露光による微細パターン形成方法の説明図である。
【図5】本発明の第2実施形態に係る露光装置であって、露光マスク密着装置が搭載され近接場露光を行う露光装置の側面を一部断面で示した概略構成図である
【図6】従来の密着露光技術による露光マスクと基板との密着の様子を示す説明図である。
【符号の説明】
1 被処理物
3 露光マスク
5 基板
6 レジスト層
6a 第1レジスト層
6b 第2レジスト層
7 空気(気体)
13 スクイーズローラ対(加圧ローラ)
13a 下側スクイーズローラ(加圧ローラ)
13b 上側スクイーズローラ(加圧ローラ)
19 押圧手段
21 基板保持台
23 マスク保持部材
25 露光光源
27 露光光
28 近接場光
35 スクイーズローラ(加圧ローラ)
37 移動機構(相対移動手段)
39 ボールネジ
41 ナット部
100,200 露光マスク密着装置
120,220 露光装置
Claims (4)
- 露光光の波長より小さい開口が含まれるパターンを有したガラス材料からなる露光マスクを用い、感光性レジスト層の形成された基板に前記パターンの開口からしみ出す近接場光により露光する近接場露光を行う前に、予め前記露光マスクと前記基板とを密着させる露光マスク密着方法であって、
前記露光マスクと前記基板とを重ね合わせて基板保持台に載置し、前記基板を前記基板保持台に真空吸着させた後、
前記基板保持台に載置した前記露光マスクと基板とを、加圧ローラによって所定のニップ圧をもって挟み込み、
前記加圧ローラを前記保持台に対して相対移動させることで、前記露光マスクと前記基板との間の界面に残留する気体を該界面から追い出すことを特徴とする露光マスク密着方法。 - 前記感光性レジスト層が、ドライエッチングにより除去可能な第1レジスト層と、光照射による照射部分のみ又は非照射部分のみが現像溶媒に可溶となる耐ドライエッチング性を有する第2レジスト層とをこの順に前記基板上に積層して形成されていることを特徴とする請求項1記載の露光マスク密着方法。
- 露光光の波長より小さい開口が含まれるパターンを有したガラス材料からなる露光マスクと、感光性レジスト層の形成された基板とを用いて、前記基板に形成された感光性レジスト層に前記露光マスクの開口からしみ出す近接場光で露光する近接場露光を行う前に、前記露光マスクと前記基板とを密着させる露光マスク密着装置であって、
前記露光マスクと前記基板とを重ね合わせて載置する基板保持台と、
前記基板保持台に載置された前記基板を前記基板保持台に吸着する空気吸引手段と、
前記基板保持台に対峙して前記露光マスクと前記基板とを挟んで載置される加圧ローラと、
前記加圧ローラを前記露光マスクと前記基板に対して押圧する押圧手段と、
前記基板を前記空気吸引手段により前記基板保持台に吸着させた後に前記加圧ローラを前記露光マスクと前記基板に対して相対移動させる相対移動手段と、を備えたことを特徴とする露光マスク密着装置。 - 請求項3記載の露光マスク密着装置と、前記露光マスク密着装置により密着された露光マスク及び基板に対して前記露光マスク側から露光光を照射する光源と、を備えたことを特徴とする露光装置。
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