JP3920055B2 - 半嵌合防止コネクタの組み付け方法及び半嵌合防止コネクタ - Google Patents

半嵌合防止コネクタの組み付け方法及び半嵌合防止コネクタ Download PDF

Info

Publication number
JP3920055B2
JP3920055B2 JP2001269062A JP2001269062A JP3920055B2 JP 3920055 B2 JP3920055 B2 JP 3920055B2 JP 2001269062 A JP2001269062 A JP 2001269062A JP 2001269062 A JP2001269062 A JP 2001269062A JP 3920055 B2 JP3920055 B2 JP 3920055B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fitting
detection member
connector
locking
fitting detection
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2001269062A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2002373735A (ja
Inventor
友美 遠藤
直人 田口
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yazaki Corp
Original Assignee
Yazaki Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yazaki Corp filed Critical Yazaki Corp
Priority to JP2001269062A priority Critical patent/JP3920055B2/ja
Priority to US10/118,218 priority patent/US6568954B2/en
Priority to GB0208201A priority patent/GB2375659B/en
Priority to DE10216072A priority patent/DE10216072B4/de
Publication of JP2002373735A publication Critical patent/JP2002373735A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3920055B2 publication Critical patent/JP3920055B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • HELECTRICITY
    • H01ELECTRIC ELEMENTS
    • H01RELECTRICALLY-CONDUCTIVE CONNECTIONS; STRUCTURAL ASSOCIATIONS OF A PLURALITY OF MUTUALLY-INSULATED ELECTRICAL CONNECTING ELEMENTS; COUPLING DEVICES; CURRENT COLLECTORS
    • H01R13/00Details of coupling devices of the kinds covered by groups H01R12/70 or H01R24/00 - H01R33/00
    • H01R13/64Means for preventing incorrect coupling
    • H01R13/641Means for preventing incorrect coupling by indicating incorrect coupling; by indicating correct or full engagement

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一組の雌雄コネクタハウジング相互を嵌合させた際に、一方のコネクタハウジングに装着された嵌合検知部材の適正嵌合検知位置へのスライド移動の可否によって、雌雄コネクタハウジング相互の中途嵌合状態を検知する半嵌合防止コネクタの組み付け方法及び半嵌合防止コネクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の半嵌合防止コネクタは、図18及び図19に示したように雄コネクタハウジング1と雌コネクタハウジング9との一組の雌雄コネクタハウジング1,9相互を嵌合させた際に、一方の雄コネクタハウジング1に装着された嵌合検知部材2の適正嵌合検知位置へのスライド移動の可否によって、雌雄コネクタハウジング1,9相互の中途嵌合状態を検知するものである。(特開平8−31517号公報参照)
【0003】
図19に示したように雄コネクタハウジング1は、上壁3の前端側から立ち上がってハウジング後方に延びる可撓ロックアーム4を有しており、この可撓ロックアーム4の中間部上面にはロック部6が突設されている。
また、雄コネクタハウジング1の後端寄りに位置する可撓ロックアーム4の自由端には、雌雄コネクタハウジング相互の嵌合時に可撓ロックアーム4を可撓変位させる操作部である押圧板部7が設けられている。
【0004】
また、前記雌コネクタハウジング9は、雌雄コネクタハウジング1,9相互の嵌合の際に前記可撓ロックアーム4の上に被さる上壁の内面側前端に係合部10を有している。
図20及び図21に示したように、前記係合部10は、雌雄コネクタハウジング1,9相互の嵌合時の嵌合長が適正値に達する時に、前記可撓ロックアーム4の可撓変位を介して前記ロック部6を乗り越える。そして、雌雄コネクタハウジング1,9相互の嵌合長が適正値に達した時に、前記係合部10が前記ロック部6の後方の凹部6aに上方から係合することでロック部6を係止して、雌雄コネクタハウジング相互の嵌合状態をロックする。
【0005】
図18及び図19に示したように、前記嵌合検知部材2は、前記雌雄コネクタハウジング相互の嵌合方向に沿ってスライド可能に前記押圧板部7に係合する操作板部16と、この操作板部16の後端部から雌雄コネクタハウジングの前端側に向かって延出した弾性片17と、この弾性片17の先端に突設された位置決め係止部20とを一体形成したものである。なお、前記弾性片17は、前記可撓ロックアーム4を構成する一組の側板部5,5間の空間を挿通可能な棒状を呈している。
【0006】
また、図18に示すように、前記位置決め係止部20は、前記弾性片17による付勢力で前記ロック部6の前後の凹部6a,6bに下側から嵌入可能な突起で、雌雄コネクタハウジング相互の嵌合前は、ロック部6の後方の凹部6aに嵌合した状態で、ロック部6の後縁に係止されて前方への移動が規制される。
【0007】
前記位置決め係止部20がロック部6の後縁に当接して前方への変位が規制された位置が、雄コネクタハウジング1に装着された嵌合検知部材2の初期位置である。
また、前記押圧板部7と操作板部16との間のスライド可能な係合は、前記初期位置よりも前方に設定された適正嵌合検知位置と前記初期位置との間を嵌合検知部材2がスライド可能となるようにスライド可能な範囲が設定されている。
【0008】
図21に示したように、一組の雌雄コネクタハウジング1,9相互を嵌合させた際、雌雄コネクタハウジング1,9相互の嵌合長が適正値に達して、ロック部6の後方の凹部6aに雌コネクタハウジング9の係合部10が嵌入する。
これにより、前記凹部6aに嵌合していた嵌合検知部材2の位置決め係止部20が、係合部10によって下方に押し出されて、位置決め係止部20に対する初期位置への位置規制が解除される。その結果、嵌合検知部材2は、図中に矢印Aで示したように、操作板部16を前方に押すとスライド可能となる。
【0009】
図22に示したように、前記位置決め係止部20は、初期位置への位置規制が解除された状態で嵌合検知部材2を前方に移動操作すると、係合部10及びロック部6の下面を摺接して前方に進む。そして、前記位置決め係止部20は、前記ロック部6の前縁を越えたときに、弾性片17の付勢力で上方に変位してロック部6の前方の凹部6bに嵌入する。
これにより、前記凹部6bに嵌入した位置決め係止部20は、その後端面がロック部6の前端面によって係止され、後方へのスライド移動が規制されたロック状態となる。
【0010】
ところが、前記雌雄コネクタハウジング1,9相互を嵌合させた際に、前記雌雄コネクタハウジング1,9相互の嵌合長が適正値に到達せずに、中途嵌合状態の場合には、雌コネクタハウジング9の係合部10がロック部6の後方の凹部6aに嵌入しない。
そのため、前記位置決め係止部20が、前記係合部10によって凹部6aから押し出されることがなく、前記ロック部6による嵌合検知部材2の初期位置への位置規制が解除されない。
従って、雌雄コネクタハウジング相互の中途嵌合時には、嵌合検知部材2の操作板部16を前方に押しても、前記嵌合検知部材2が前方に移動することはなく、この嵌合検知部材2の前方への移動の可否によって中途嵌合状態を検知することができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前述した一組の雌雄コネクタハウジング1,9のハウジング嵌合操作として、各々コネクタハウジング1,9を直接手指で持ってから双方のコネクタハウジング1,9を嵌合させる。
次に、双方のコネクタハウジング1,9の嵌合状態を検知するための検知部材移動操作として、一方の雄コネクタハウジング1を持っていた手指の位置を嵌合検知部材2の操作板部16を押す位置に変更して、嵌合検知部材2を初期位置から適正嵌合検知位置に移動させる。
更に、嵌合検知部材2が正常に適正嵌合検知位置に移動できても、ロック部6の破損等で雌雄コネクタハウジング相互のロック状態が不完全でないかどうかを確認するハウジング引張確認操作として、左右の手指で双方のコネクタハウジングを持って、互いに離脱方向に引っ張って雌雄コネクタハウジング相互のロック状態を確認する。
従って、上記3つの独立した操作を順に実施しなければならず、操作数が多いという問題があった。
また、次の操作に移る際には、その都度、雄コネクタハウジング1側では、雄コネクタハウジング1の側面を把持していた手指の位置を嵌合検知部材2の操作板部16上に変更したり、或いは嵌合検知部材2に添えていた手指の位置を雄コネクタハウジング1の側面に変更する必要があり、手指の位置の変更のために作業効率が低下するという問題もあった。
【0012】
更に、前述した嵌合検知部材2は、雄コネクタハウジング1上の可撓ロックアーム4に嵌合する比較的小さな部品で、雄コネクタハウジング1と嵌合検知部材2が、各々略同色の樹脂材料により形成されているため、雄コネクタハウジング1に組み付けた状態では目立ち難い。そのため、保守点検等の際に嵌合検知部材2が初期位置にあるか又は適正嵌合検知位置にあるかを目視で確認することが容易でなかったという問題があった。
【0013】
本発明は、上記問題に鑑みて成されたものであり、コネクタハウジング相互を接続する際、ハウジング嵌合操作と検知部材移動操作とを一つの操作で同時に完了させることができて、コネクタハウジング相互の接続時の操作数を低減させることができる半嵌合防止コネクタ及び半嵌合防止コネクタの組み付け方法を提供することを目的とする。
また、次の操作に移る際に、ハウジングを持つ手指の位置の変更も必要なく、効率良く次の操作を実施することができ、コネクタハウジング相互を接続する際の作業効率を向上させることができる半嵌合防止コネクタ及び半嵌合防止コネクタの組み付け方法を提供することを目的とする。
更に、保守点検等の際に嵌合検知部材が初期位置にあるか又は適正嵌合検知位置にあるかを目視で容易に確認することができる半嵌合防止コネクタを提供することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1に係る半嵌合防止コネクタの組み付け方法は、ハウジング本体上部に設けられた可撓ロックアームを有する一方のコネクタハウジングと、前記可撓ロックアームのロック部に係合する係合部を有して前記一方のコネクタハウジングに嵌合させた際に前記ロック部と前記係合部との係合によって前記一方のコネクタハウジングに連結される他方のコネクタハウジングと、前記ロック部に係合可能な位置決め係止部を備えて前記一方のコネクタハウジングに該コネクタハウジング相互の嵌合方向に沿ってスライド可能に装着され、スライド移動の可否によって前記コネクタハウジング相互の中途嵌合状態を検知する嵌合検知部材とを備えた半嵌合防止コネクタの組み付け方法であって、前記コネクタハウジング相互の嵌合前は、前記嵌合検知部材が、前記一方のコネクタハウジングの外周に嵌合すると共に前記ロック部と前記位置決め係止部との係合によって初期位置に位置規制され、前記コネクタハウジング相互の嵌合操作時には、前記一方のコネクタハウジングに装着された前記嵌合検知部材を該一方のコネクタハウジングの嵌合方向前方に押すことで、前記他方のコネクタハウジングの前記係合部を前記可撓ロックアームの前記ロック部に係合させて、前記コネクタハウジング相互が完全嵌合されると共に、前記係合部の前記ロック部への係合に伴って前記位置決め係止部が前記ロック部から押し出されて、前記一方のコネクタハウジングの初期位置に対する前記嵌合検知部材の位置規制が解除されて、更に前記嵌合検知部材が前記初期位置から前記一方のコネクタハウジングの前端寄りの適正嵌合検知位置にスライド移動すると共に、前記嵌合検知部材を前記適正嵌合検知位置に位置規制するために前記嵌合検知部材に複数設けられた係止手段により前記嵌合検知部材が前記適正嵌合検知位置に位置規制されることで前記コネクタハウジング相互の完全嵌合状態を検知することを特徴とする。
【0015】
前記構成の半嵌合防止コネクタの組み付け方法によれば、一方のコネクタハウジングに装着された嵌合検知部材を嵌合方向前方に押すことで、コネクタハウジング相互が完全嵌合されて、更に嵌合検知部材が適正嵌合検知位置にスライド移動すると共に位置規制される。そのため、コネクタハウジング相互の嵌合操作と検知部材移動操作を1回の押圧操作によって完了させることができる。
【0016】
上記目的を達成するための本発明の請求項2に係る半嵌合防止コネクタは、ハウジング本体上部に設けられた可撓ロックアームを有する一方のコネクタハウジングと、前記可撓ロックアームのロック部に係合する係合部を有して前記一方のコネクタハウジングに嵌合させた際に前記ロック部と係合部との係合によって前記一方のコネクタハウジングに連結される他方のコネクタハウジングと、前記一方のコネクタハウジングに該コネクタハウジング相互の嵌合方向に沿ってスライド可能に装着され、スライド移動の可否によって前記コネクタハウジング相互の中途嵌合状態を検知する嵌合検知部材とを備えた半嵌合防止コネクタであって、前記嵌合検知部材は、前記コネクタハウジング相互の嵌合方向に沿ってスライド可能に前記一方のコネクタハウジングの外周に嵌合する略筒状の検知部材本体と、前記ロック部との係合によって前記検知部材本体を初期位置に規制する位置決め係止部とを備えると共に、前記コネクタハウジング相互の嵌合前は、前記ロック部と前記位置決め係止部の係合によって前記初期位置に位置規制され、且つ前記コネクタハウジング相互の完全嵌合時は、前記係合部の前記ロック部への係合に伴って前記位置決め係止部が前記ロック部から押し出されて前記ロック部との係合状態が解除されることで、前記検知部材本体が前記初期位置から前記一方のコネクタハウジングの前端寄りの適正嵌合検知位置にスライド移動すると共に、前記一方のコネクタハウジングと前記嵌合検知部材とを相互に係止するために前記嵌合検知部材に複数設けられた係止手段によって、前記嵌合検知部材が前記適正嵌合検知位置に位置規制されることを特徴とする。
【0017】
上記構成の半嵌合防止コネクタによれば、一方のコネクタハウジングに装着された嵌合検知部材は、他方のコネクタハウジングへの嵌合前には、ロック部との係止により一方のコネクタハウジングの外周を略覆うように初期位置に位置規制されている。そのため、一組の雌雄コネクタハウジング相互を嵌合させるハウジング嵌合操作の際には、嵌合検知部材を手指で掴んだまま嵌合操作を行うことができる。
【0018】
また、前記ハウジング嵌合操作の終了後には、雌雄コネクタハウジング相互の嵌合状態の検知のために嵌合検知部材を初期位置から適正嵌合検知位置に移動させる検知部材移動操作を行う。この時、ハウジング嵌合操作の際に嵌合検知部材を手指で掴んでいれば、次の検知部材移動操作の際には、嵌合検知部材を掴んでいる手指の位置を変更することなく嵌合検知部材をハウジング前方に押すだけで移動させることができる。
即ち、前記検知部材移動操作は、嵌合検知部材をハウジング前方に移動させる操作で、ハウジング嵌合操作時と付勢方向が同一のため、ハウジング嵌合操作を行うための1回の押圧操作で、一挙に検知部材移動操作まで完了させることができる。
【0019】
更に、嵌合検知部材が適正嵌合検知位置に到達すれば、一方のコネクタハウジングと嵌合検知部材とを相互に係止する係止手段によって、嵌合検知部材のスライド移動が規制される。
従って、雌雄ハウジング相互を離脱方向に引っ張るハウジング引張確認操作は、引き続いて嵌合検知部材をハウジング後方側に引っ張れば良く、検知部材移動操作からハウジング引張確認操作に移行する際にも、嵌合検知部材を持つ手指の位置等を変更する必要がない。
【0020】
また、本発明の請求項3に係る半嵌合防止コネクタは、請求項2記載の半嵌合防止コネクタであって、好ましくは前記嵌合検知部材は、初期位置では前記一方のコネクタハウジングの後端から突出すると共に前記適正嵌合検知位置では前記一方のコネクタハウジングの外周上に位置する延長部を備え、前記延長部の位置が前記嵌合検知部材の前記初期位置と前記適正嵌合検知位置とで顕著に異なることを特徴とする。
前記構成の半嵌合防止コネクタによれば、組み付け時や保守点検等の際に嵌合検知部材が初期位置にあるか又は適正嵌合検知位置にあるかを前記延長部の位置の目視で容易に確認することができる。
【0021】
また、本発明の請求項4に係る半嵌合防止コネクタは、請求項2又は3に記載の半嵌合防止コネクタであって、好ましくは前記係止手段は、前記嵌合検知部材を前記一方のコネクタハウジングの前方位置で係止する第1係止手段と、前記一方のコネクタハウジングの後方位置で係止する第2係止手段とからなることを特徴とする。
前記構成の半嵌合防止コネクタによれば、嵌合検知部材の適正嵌合検知位置への係止を、嵌合検知部材の前方と後方で行うことができる。そのため、嵌合検知部材を適正嵌合検知位置に強固に係止することができる。
【0022】
また、本発明の請求項5に係る半嵌合防止コネクタは、請求項4に記載の半嵌合防止コネクタであって、好ましくは前記第1係止手段は、前記位置決め係止部と、前記可撓ロックアームの先端縁である検知部材係止部からなることを特徴とする。
前記構成の半嵌合防止コネクタによれば、第1係止手段として専用の係止孔等を形成する必要がなく、前記位置決め係止部と、可撓ロックアームの先端縁である検知部材係止部によって第1係止手段を構成することができ、嵌合検知部材及び一方のコネクタハウジングの構成形状を簡素化することができる。
【0023】
また、本発明の請求項6に係る半嵌合防止コネクタは、請求項4に記載の半嵌合防止コネクタであって、好ましくは前記第2係止手段は、前記一方のコネクタハウジングの底部後方に設けられた第1突部と、前記嵌合検知部材内周の底部に設けられた第2突部、又は前記一方のコネクタハウジングの底部後方に設けられた可撓係止部と、前記嵌合検知部材内周の側壁下部に渡設された係止リブであることを特徴とする。
前記構成の半嵌合防止コネクタによれば、嵌合検知部材の適正嵌合検知位置への係止を嵌合検知部材の前方上部と後方底部で行うことができ、嵌合検知部材と一方のコネクタハウジングとのガタ付きを抑えて、さらに強固に係止することができる。
【0024】
また、本発明の請求項7に係る半嵌合防止コネクタは、請求項4に記載の半嵌合防止コネクタであって、好ましくは前記第2係止手段は、前記可撓ロックアーム後端の両側面に設けられた係止突部と、前記嵌合検知部材後端の両内側面上部に設けられた係止片、又は前記可撓ロックアームの側部に隣接した後端上部に掛り爪を有する検知部材係止アームと、前記嵌合検知部材の上壁後方に設けられた係止壁であることを特徴とする。
前記構成の半嵌合防止コネクタによれば、第1,第2係止手段が上面に位置しているので、係止状態を目視で確認することができ、コネクタハウジングの嵌合状態を目視で検知することができる。さらに、第1,第2係止手段が上面に位置していることで、係止手段の解除操作を目視で確認しながら行うことができるので、解除操作性を向上させることができる。
【0025】
また、本発明の請求項8に係る半嵌合防止コネクタは、請求項2乃至7の何れか1項に記載の半嵌合防止コネクタであって、好ましくは前記嵌合検知部材は、前記係止手段によって前記適正嵌合検知位置に位置規制される時に要する挿入力が前記コネクタハウジング相互の嵌合に要する挿入力より小さくなるように設定されていることを特徴とする。
また、本発明の請求項9に係る半嵌合防止コネクタは、請求項8に記載の半嵌合防止コネクタであって、好ましくは前記第1突部と前記第2突部との係り代高さは、前記ロック部と前記係合部との係り代高さに比べて低く設定されているか、又は前記係止片のテーパ面の傾斜角度は、前記係合部の傾斜角度より小さく設定されていることを特徴とする。
【0026】
前記構成の半嵌合防止コネクタによれば、コネクタハウジング相互の嵌合操作に要する挿入力に比べて検知部材移動操作に要する挿入力が小さいので、コネクタハウジング相互の嵌合操作時における押圧慣性力によって検知部材移動操作を行うことができる。従って、コネクタハウジング相互の嵌合操作と検知部材移動操作を一度の押圧によって連続的に行うことができる。
【0027】
更に、本発明の請求項10に係る半嵌合防止コネクタは、請求項2乃至9の何れか一項に記載の半嵌合防止コネクタであって、好ましくは前記嵌合検知部材の前記初期位置と前記適正嵌合検知位置とで、前記一方のコネクタハウジングの外観に明確な色彩変化が生じるように、前記嵌合検知部材の外表面と、少なくとも前記嵌合検知部材から露出する前記一方のコネクタハウジングの外表面とに異なる彩色を施したことを特徴とする。
前記構成の半嵌合防止コネクタによれば、組み付け時や保守点検等の際に嵌合検知部材が初期位置にあるか又は適正嵌合検知位置にあるかを一方のコネクタハウジングと嵌合検知部材とで形成する彩色パターンを目視することで、容易に確認することができる。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る半嵌合防止コネクタの第1実施形態を図1乃至図6に基づいて詳細に説明する。図1は本発明の半嵌合防止コネクタの第1実施形態を示す分解斜視図、図2は図1における雌コネクタハウジングに嵌合検知部材を組み付けた状態を示す斜視図、図3は図2における縦断面図、図4は図1における雌雄コネクタハウジング相互の嵌合中の状態を示す斜視図、図5は図4における縦断面図、図6は図5における雌雄コネクタハウジング相互の完全嵌合状態を示す縦断面図である。
【0029】
図1に示すように本実施形態の半嵌合防止コネクタ31は、可撓ロックアーム41を有する一方のコネクタハウジングである雌コネクタ40と、前記可撓ロックアーム41上に設けられたロック部である係止孔42に係合する係合部である係合突起51を有する他方のコネクタハウジングである雄コネクタ50と、雌コネクタ40に嵌合方向に沿ってスライド可能に装着される略筒状の嵌合検知部材60とから構成されている。
即ち、前記嵌合検知部材60は、雌雄コネクタ40,50相互の嵌合前は前記係止孔42との係合によって初期位置に位置規制される。そして、雌雄コネクタ40,50相互の完全嵌合時には、前記係止孔42による位置規制が係合突起51の係止孔42への係合動作によって解除され、前記初期位置から所定距離離れた適正嵌合検知位置にスライド移動する。従って、この嵌合検知部材60の適正嵌合検知位置へのスライド移動の可否によって、雌雄コネクタ40,50相互の中途嵌合状態を検知することができる。
【0030】
本実施形態の雌コネクタ40は、図示していない雌形接続端子を収容保持する端子収容室40aが形成されたハウジング本体40bと、該ハウジング本体の上面に形成された前記可撓ロックアーム41と、嵌合検知部材60をスライド可能に支持するためのガイド部43とが一体成形された構造である。また、ハウジング本体40bの前端には、フロントホルダ40cが装着されており、ハウジング本体40bと連続した端子収容室40aを形成している。
【0031】
前記可撓ロックアーム41は、ハウジング本体40b上面の略中央に立設された支柱部44の上端に、ハウジング本体40bの前後方向に沿って延びるアーム部45を連設したもので、該アーム部45が支柱部44を支点に上下方向に可撓変位可能になっている。
【0032】
また、前記可撓ロックアーム41の係止孔42は、アーム部45の前端寄りの位置に設けられている。また、アーム部45の後端寄りの上面は、アーム部45の前端を上方に変位させるための解除操作部45aが設けられている。
従って、雌雄コネクタ40,50が嵌合して、雄コネクタ50の係合突起51が係止孔42に係合している状態で、解除操作部45aを押下してアーム部45の前端を上方に変位させると、係止孔42と係合突起51との係合状態を解除することができる。
【0033】
また、前記ガイド部43は、可撓ロックアーム41を挟むように、ハウジング本体40b上面の両側に形成されている。この各々ガイド部43は、外側面部にハウジング本体40bの前後方向に沿って延在するガイド溝43aを有している。
【0034】
更に、図3に示すように、本実施形態の雌コネクタ40は、可撓ロックアーム41の反対側の外周に嵌合方向に対して直交する横方向に延設された第2係止手段であるリブ状の第1突部48を有している。また、第1突部48の形状においては、緩やかな傾斜面を有する断面三角形状や半円形状が望ましい。該第1突部48は、後述する第2突部67と係合して、完全嵌合後に嵌合検知部材60が後方へ移動することを防止する。
【0035】
また、図1に示すように、本実施形態の雄コネクタ50は、図示していない雄形接続端子を収容する端子収容室50aが形成されたハウジング本体50bの上面に、前記係止孔42に係合する前記係合突起51と、前記可撓ロックアーム41と前記ガイド部43との間の隙間47に挿通する突条部53とを備えている。前記端子収容室50aは、雌コネクタ40の端子収容室40aに収容された前記雌形接続端子と接続する図示していない雄形接続端子を収容保持するもので、端子収容室40aと同じ配列ピッチに形成されている。
【0036】
また、前記係合突起51は、ハウジング本体50b上面の前端寄りの位置に突設されており、雌雄コネクタ40,50相互を嵌合させた際に、可撓ロックアーム41のアーム部45下面に摺接して進む。そして、該雌雄コネクタ相互の嵌合長が規程長に達すると、アーム部45の下方から係止孔42に嵌入して、該係止孔内に係合する。
【0037】
また、前記突条部53は、雌コネクタ40側の隙間47に挿通することで、雌雄コネクタ40,50相互の嵌合方向や嵌合位置を規制して、雌雄コネクタ40,50相互の嵌合動作を円滑にする。
【0038】
また、本実施形態の嵌合検知部材60は、雌雄コネクタ40,50相互の嵌合方向に沿ってスライド可能に雌コネクタ40の外周に嵌合して前記ハウジング本体40bの周囲を覆う略筒状の検知部材本体61と、前記係止孔42との係合によって前記検知部材本体61を初期位置に規制する位置決め係止部(第1係止手段)である係止突起63と、内周に完全嵌合時に第1突部48に係合する第2係止手段であるボス状の第2突部67(図3参照)とを備えている。
【0039】
前記検知部材本体61は、ガイド部43のガイド溝43aに摺動自在に嵌合するガイド突起61aが内側面に形成されていると共に、ガイド溝43aとガイド突起61aとの嵌合によって、雌雄コネクタ40,50の嵌合方向に沿ってスライド自在に雌コネクタ40に装着される。
また、前記検知部材本体61の外側面には、検知部材本体61をスライド移動させる際に、手指で掴む滑り止め部61bが設けられている。
【0040】
前記係止突起63は、検知部材本体61の上壁の一部をなす弾性片である係止アーム64の先端下部に突設されており、係止アーム64の上方への弾性変位に伴って変位可能である。この係止突起63は、その前端面を係止孔42の前端面42a(図3参照)に当接した状態で該係止孔42内に上方から嵌入され、嵌合検知部材60を初期位置に係合する。
【0041】
また、前記係止突起63の両側には、アーム突起63aが突設されており、嵌合検知部材60の雌コネクタ40への係合時に、前記係止孔42両側のハウジング本体40bに設けられた係止凹部43bに係合される。これにより、雄コネクタ50との嵌合前に可撓ロックアーム41前端が下方に撓んで係止孔42と係止突起63との係合状態が解除されても嵌合検知部材60が雌コネクタ40から外れるようなことはない。
【0042】
本実施形態において、嵌合検知部材60をスライド移動させる適正嵌合検知位置は、係止突起63が係止孔42によって係止される初期位置に対して、雌コネクタ40の前端寄りの位置に設定している。そのため、雌コネクタ40には、前記嵌合検知部材60が初期位置から前方の適正嵌合検知位置までスライド移動した時に、前記嵌合検知部材60のスライド移動を規制する第1係止手段である検知部材係止部49が設けられている。
前記検知部材係止部49は、可撓ロックアーム41のアーム部45前端縁で、嵌合検知部材60が適正嵌合検知位置までスライド移動した時に、係止突起63の後端面63b(図6参照)を係止することで、嵌合検知部材60を適正嵌合検知位置に位置決め固定する。この時、前記係止突起63が前記検知部材係止部49に係止されるときにクリック感を発生することで、雌雄コネクタ40,50相互の完全嵌合状態を検知することができる。
【0043】
また、図3及び図5乃至図6に示すように、前記第2突部67は前記検知部材本体61の内周に位置し、完全嵌合に伴って嵌合検知部材60が雌コネクタ40の前方に移動することで、第1突部48を乗り越えて係合する。嵌合検知部材60が前記初期位置から前記適正嵌合検知位置へ移動する際の第1突部48と第2突部67の接触面は、係合しやすいよう互いに緩やかな傾斜面となっていると共に、完全嵌合後に嵌合検知部材60の後方への戻りを防ぐため、嵌合検知部材60が前記適正嵌合検知位置から後方へ移動しようとする際の第1突部48と第2突部67の接触面は、互いに急な傾斜面であることが望ましい。
これにより、嵌合検知部材60と雌コネクタ40の係止力が向上して、嵌合検知部材60の前記適正嵌合検知位置への位置規制をさらに強固に保持することができる。また、第1突部48と第2突部67が係合するときにクリック感が発生し、雌雄コネクタ40,50相互の完全嵌合状態をこのクリック感によっても検知することができる。
【0044】
更に、第1突部48と第2突部67との係り代高さMは、係止孔42と係合突起51との係り代高さLに比べて低くなっている(L>M)。そのため、係合突起51が係止孔42に係合する際に要する挿入力に比べて、第2突部67が第1突部48を乗り越えて係合する際に要する挿入力が小さくなる。従って、雌雄コネクタ40,50相互の嵌合操作時における押圧慣性力によって検知部材60移動操作を完了することができ、雌雄コネクタ40,50相互の嵌合操作と検知部材60の移動操作を一度の押圧によって連続的に行うことができる。
【0045】
図2及び図3に示すように本実施形態の嵌合検知部材60は、初期位置に位置するときに、前記嵌合検知部材60後端が雌コネクタ40のハウジング後端から明確に突出するように延長部65が設けられている。
そして、図6に示すように、この延長部65後端は、適正嵌合検知位置に位置するときには雌コネクタ40のハウジング後端に略一致するように設定されている。従って、この延長部65は、嵌合検知部材60の初期位置と適正嵌合検知位置とでは、雌コネクタ40に対する位置が変わることで外観形態に顕著な差異が生じて、雌雄コネクタ40,50の嵌合状態を容易に検知することができる。
【0046】
更に、本実施形態の嵌合検知部材60は、前記嵌合検知部材60が雌コネクタ40に対して初期位置と適正嵌合検知位置に位置するときとでは、外観に明確な色彩変化が生じるように、嵌合検知部材60の外表面と嵌合検知部材60から露出する雌コネクタ40のハウジング外表面とに異なる彩色が施されている。従って、前記嵌合検知部材が初期位置にあるか又は適正嵌合検知位置にあるかを、雌コネクタ40と嵌合検知部材60とで形成する彩色パターンを目視することで、雌雄コネクタ40,50の嵌合状態を容易に検知することができる。
【0047】
上述したように本実施形態の半嵌合防止コネクタ31においては、図2及び図3に示すように、雌コネクタ40に装着された嵌合検知部材60は、雌雄コネクタ40,50相互の嵌合前には、雌コネクタ40の係止孔42による係止で初期位置に雌コネクタ40を覆うように位置規制されている。
そのため、雌雄コネクタ40,50相互を嵌合させるハウジング嵌合操作の際には、手指で雌コネクタ40自体を保持することなく、嵌合検知部材60自体と相手の雄コネクタ50を掴んで完全嵌合までの嵌合操作を容易に行うことができる。
【0048】
即ち、図4及び図5に示すように、雌雄コネクタ40,50相互の嵌合操作時においては、ハウジング相互の嵌合長が規定値に達して、雄コネクタ50の係合突起51がアーム部45の下方から係止孔42に嵌入する。この係合突起51と係止孔42との係合によって、雌雄コネクタ40,50相互の嵌合状態がロックされる。
【0049】
この時、図5中矢印Bで示すように、係止孔42に係合していた嵌合検知部材60の係止突起63が係合突起51によって上方に押し出されて、嵌合検知部材60の初期位置への位置規制が解除される。従って、嵌合検知部材60は、雌コネクタ40のハウジング前方に移動可能になる。
【0050】
そして、ハウジング嵌合操作の完了時には、雌雄コネクタ40,50相互の嵌合状態の検知のために嵌合検知部材60を初期位置から適正嵌合検知位置に移動させる検知部材移動操作を行う。即ち、ハウジング嵌合操作の際に嵌合検知部材60を手指で掴んでいるので、検知部材移動操作の際には、嵌合検知部材を掴んでいる手指を持ち替えることなく、そのまま嵌合検知部材60をハウジング前方に押す。これにより、雌雄コネクタ40,50相互の完全嵌合状態を検知するための検知部材移動操作を効率良く行うことができる。
【0051】
また、前記検知部材移動操作は、ハウジング嵌合操作時と付勢方向が同一であるため、ハウジング嵌合操作を行うための押圧操作で、一挙に検知部材移動操作まで完了させることができ、雌雄コネクタ相互の接続時の操作数を低減させることができる。
【0052】
そして、図6に示すように、前記嵌合検知部材60が適正嵌合検知位置に到達すると、嵌合検知部材60の係止突起63がアーム部45の前端縁である検知部材係止部49に係止され、前記嵌合検知部材60のスライド移動が規制される。従って、前記係止突起63が前記検知部材係止部49に係止されるときにクリック感を発生することで、雌雄コネクタ40,50相互の完全嵌合状態を検知することができる。
更に、嵌合検知部材60が雌コネクタ40の前方に移動することで、第2突部67が第1突部48を乗り越えて係合し、嵌合検知部材60の前記適正嵌合検知位置への位置規制をさらに強固に保持する。
【0053】
次に、雌雄ハウジング相互を離脱方向に引っ張るハウジング引張確認操作は、嵌合検知部材60をハウジング後方側に引っ張れば、嵌合検知部材60を介して雌コネクタ40に伝達される。従って、前記検知部材移動操作から前記ハウジング引張確認操作に移行する際にも、嵌合検知部材を掴む手指の位置を変更することなくスムースに行うことができる。
【0054】
前述したように雌雄コネクタ40,50相互を接続する際、ハウジング嵌合操作と検知部材移動操作とを嵌合検知部材60を掴んで前方に付勢する一つの操作で同時に完了させることができ、雌雄コネクタ相互の接続時の操作数を低減させることができる。そして、次の操作に移る際に、双方の雄コネクタ50及び嵌合検知部材60の掴む手指の位置を変更することなく、次の操作に移行することができ、雌雄コネクタ40,50相互を接続する接続作業の効率を向上させることができる。
【0055】
更に、第1突部48と第2突部67との係止によって、嵌合検知部材60の前記適正嵌合検知位置への位置規制を強固に保持することができる。なお、第1突部48と第2突部67との係止は、雌雄コネクタ40,50相互の嵌合操作時における押圧慣性力によって行うことができる。そのため、ハウジング嵌合操作を行うための押圧操作で、一挙に検知部材移動操作まで完了させることができ、雌雄コネクタ相互の接続時の操作数を増加させることなく嵌合検知部材の位置規制を強固に保持することができる。
【0056】
また、前記検知部材係止部49がアーム部45の前端縁であることで、検知部材係止部として専用の係止孔等を形成する必要がなく、可撓ロックアーム41の複雑化を防止して、成形性を向上させることができる。
【0057】
更に、前記嵌合検知部材60が初期位置に位置するときは、該嵌合検知部材60の延長部65後端が雌コネクタ40の後端から明確に突出すると共に、適正嵌合検知位置に位置するときには、雌コネクタ40の後端に略一致するように設定されている。従って、保守点検等の際に嵌合検知部材60が初期位置にあるか又は適正嵌合検知位置にあるかを、延長部65後端が突出しているか否かを目視確認することで容易に検知することができ、保守点検時等における嵌合検知部材の位置確認作業を容易にすることができる。
【0058】
また、前記嵌合検知部材60が初期位置と適正嵌合検知位置に位置するときとで、外観に明確な色彩変化が生じるように、嵌合検知部材60の外表面と嵌合検知部材60から露出する雌コネクタ40の外表面とに異なる彩色を施している。従って、保守点検等の際に嵌合検知部材が初期位置にあるか又は適正嵌合検知位置にあるかを、雌コネクタ40と嵌合検知部材60とで形成する彩色パターンを目視することでも容易に確認することができ、保守点検時等における嵌合検知部材60の位置確認作業を容易にすることができる。
【0059】
なお、本実施形態では、保守点検時等における嵌合検知部材60の位置確認作業を容易にするために、上述した嵌合検知部材60に延長部65を設けると共に、嵌合検知部材60及び雌コネクタ40の彩色を相異させるという2つの対策を取り入れているが、何れか一つの対策のみにしても良い。
【0060】
次に、本発明に係る半嵌合防止コネクタの第2実施形態を図7乃至図10に基づいて説明する。図7は本発明の半嵌合防止コネクタの第2実施形態における雌コネクタハウジングと嵌合検知部材を示す分解斜視図、図8は第2実施形態における雌雄コネクタハウジング相互の嵌合中の状態を示す縦断面図、図9は図8における部分縦断面図、図10は図8における雌雄コネクタハウジング相互の完全嵌合状態における部分縦断面図である。
なお、上記第1実施形態と同一構成の部材については、詳細な説明を省略する。
【0061】
図7及び図8に示すように、本実施形態の半嵌合防止コネクタは、可撓ロックアーム71を有する一方のコネクタハウジングである雌コネクタ70と、前記可撓ロックアーム71上に設けられたロック部である係止孔72に係合する係合部である係合突起81を有する他方のコネクタハウジングである雄コネクタ80と、雌コネクタ70に嵌合方向に沿ってスライド可能に装着される嵌合検知部材90とから構成されている。
【0062】
本実施形態の雌コネクタ70は、図示していない雌形接続端子を収容保持する端子収容室70aが形成されたハウジング本体70bと、該ハウジング本体の上面に形成された可撓ロックアーム71と、嵌合検知部材90をスライド可能に支持するためのガイド部73とが一体成形された構造である。また、ハウジング本体70bの前端には、フロントホルダ70cが装着されており、ハウジング本体70bと連続した端子収容室70aを形成している。
【0063】
前記可撓ロックアーム71は、ハウジング本体70b上面の略中央に立設された支柱部74の上端に、ハウジング本体70bの前後方向に沿って延びるアーム部75を連設したもので、該アーム部75が支柱部74を支点に上下方向に可撓変位可能になっている。
【0064】
また、前記可撓ロックアーム71の係止孔72は、アーム部75の前端寄りの位置に設けられている。また、アーム部75の後端の両側面には、第2係止手段である係止突部76が設けられている。この係止突部76には、検知部材90の移動操作時に係止片96に摺接するテーパ面76a(図9参照)が形成されている。
【0065】
また、本実施形態の他方のコネクタハウジングである雄コネクタ80は、上述した第1実施形態における雄コネクタ50と類似した構成であり、ハウジング本体80bの上面に、前記係止孔72に係合する係合突起81を備えている。
【0066】
また、本実施形態の嵌合検知部材90は、雌雄コネクタ70,80相互の嵌合方向に沿ってスライド可能に雌コネクタ70の外周に嵌合して前記ハウジング本体70bの周囲を覆う略筒状の検知部材本体91と、前記係止孔72との係合によって検知部材本体91を初期位置に規制する位置決め係止部(第1係止手段)である係止突起93とを備えている。また、検知部材本体91は、ガイド部73に摺動自在に嵌合するガイド溝92が内側面に形成されており、ガイド部73とガイド溝92との嵌合によって、雌雄コネクタ70,80の嵌合方向に沿ってスライド自在に雌コネクタ70に装着される。そして、雌雄コネクタ70,80相互の嵌合前は、嵌合検知部材90は係止孔72との係合によって初期位置に位置規制される。この嵌合検知部材90の適正嵌合検知位置へのスライド移動の可否によって、雌雄コネクタ70,80相互の中途嵌合状態を検知することができる。
【0067】
前記係止突起93は、検知部材本体91の上壁の一部をなす弾性片である係止アーム94の先端下部に突設されており、係止アーム94の上方への弾性変位に伴って変位可能である。この係止突起93は、その前端面を係止孔72の前端面72aに当接した状態で該係止孔72内に上方から嵌入され、嵌合検知部材90を初期位置に係合する。
【0068】
本実施形態において、嵌合検知部材90をスライド移動させる適正嵌合検知位置は、係止突起93が係止孔72によって係止される初期位置に対して、雌コネクタ70の前端寄りの位置に設定している。そのため、雌コネクタ70には、前記嵌合検知部材90が初期位置から前方の適正嵌合検知位置までスライド移動した時に、前記嵌合検知部材90のスライド移動を規制する第1係止手段である検知部材係止部79が設けられている。
検知部材係止部79は、可撓ロックアーム71のアーム部75の前端縁で、嵌合検知部材90が適正嵌合検知位置までスライド移動した時に、係止突起93の後端面93bを係止することで、嵌合検知部材90を適正嵌合検知位置に位置決め固定する。この時、前記係止突起93が前記検知部材係止部79に係止されるときにクリック感を発生することで、雌雄コネクタ70,80相互の完全嵌合状態を検知することができる。
【0069】
図7乃至図9に示すように、本実施形態の嵌合検知部材90は、初期位置に位置するときに、前記嵌合検知部材90後端が雌コネクタ70のハウジング後端から明確に突出するように延長部95が設けられている。延長部95の内側面上端付近には第2係止手段である係止片96が内方に向かって突設されており、検知部材90の移動操作時に係止突部76に摺接するテーパ面96aが形成されている。
そして、図10に示すように、この延長部95後端は、適正嵌合検知位置に位置するときには雌コネクタ70のハウジング後端面に略一致するように設定されている。従って、この延長部95は、嵌合検知部材90の初期位置と適正嵌合検知位置とでは、雌コネクタ70に対する位置が変わることで外観形態に顕著な差異が生じて、雌雄コネクタ70,80の嵌合状態を容易に検知することができる。
【0070】
更に、本実施形態の嵌合検知部材90は、上述した第1実施形態と同様に、前記嵌合検知部材90が雌コネクタ70に対して初期位置と適正嵌合検知位置に位置するときとでは、外観に明確な色彩変化が生じるように、嵌合検知部材90の外表面と嵌合検知部材90から露出する雌コネクタ70のハウジング外表面とに異なる彩色が施されている。
従って、保守点検等の際に嵌合検知部材が初期位置にあるか又は適正嵌合検知位置にあるかを、雌コネクタ70と嵌合検知部材90とで形成する彩色パターンを目視することでも容易に確認することができる。
【0071】
図8に示すように、雌雄コネクタ70,80相互の嵌合操作時においては、ハウジング相互の嵌合長が規定値に達して、雄コネクタ80の係合突起81がアーム部75の下方から係止孔72に嵌入する。この係合突起81と係止孔72との係合によって、雌雄コネクタ70,80相互の嵌合状態がロックされる。
【0072】
この時、係止孔72に係合していた嵌合検知部材90の係止突起93が係合突起81によって上方に押し出されて、嵌合検知部材90の初期位置への位置規制が解除される。従って、嵌合検知部材90は、雌コネクタ70のハウジング前方に移動可能になる。
【0073】
また、図9に示すように、嵌合検知部材90が初期位置に位置するときは、係止突起76と係止片96とが互いのテーパ面96a,76aで当接している。ハウジング嵌合操作の完了時には、雌雄コネクタ70,80相互の嵌合状態の検知のために嵌合検知部材90の移動操作が行われて、嵌合検知部材90が前方にスライド移動される。このスライド移動に伴って、テーパ面96a,76aが互いに摺接して係止片96が前方に移動するとともに、可撓ロックアーム71の後方が下方に変位する。
【0074】
そして、係止突部76が係止片96を乗り越えると、図10に示すように係止突起76は可撓ロックアーム71の付勢力によって上方に変位して、係止突起76の前端面と係止片96の後端面とが当接して係合する。この時、嵌合検知部材90が適正嵌合検知位置に位置決めされて嵌合検知部材90の後端と雌コネクタ70の後端面とが略一致した状態になる。これにより、雌雄コネクタ70,80の嵌合状態を容易に検知することができる。
【0075】
更に、検知部材移動操作の完了時には、上述した第1実施形態(図6参照)と同様に、検知部材係止部79と係止突起93の後端面93bとの係止によって嵌合検知部材90が適正嵌合検知位置に位置決めされる。
従って、雌コネクタ70と嵌合検知部材90とを相互に係止する係止手段として、係止突部76と係止片96との係止と、検知部材係止部79と係止突起93の後端面93bとの係止の2箇所で行われているため、雌コネクタ70と嵌合検知部材90との係止をより強固にすることができる。
【0076】
なお、前記検知部材移動操作は、ハウジング嵌合操作時と付勢方向が同一であるため、ハウジング嵌合操作を行うための押圧操作で、一挙に検知部材移動操作まで完了させることができ、雌雄コネクタ相互の接続時の操作数を低減させることができる。さらに、第1,第2係止手段が上面に位置しているので、係止状態を目視で確認することができ、雌雄コネクタハウジング相互の嵌合状態を目視で検知することができる。
【0077】
また、図8及び図9に示すように、雄コネクタ80の係合突起81がアーム部75の下方から係止孔72に嵌入する際にアーム部75が係合突起81に摺接する傾斜角X°に対して、係止突部76が係止片96に係合する際に係止突部76のテーパ面76aが摺接する係止片96のテーパ面96aの傾斜角Y°が小さくなっている(X°>Y°)。そのため、係合突起81が係止孔72に係合する際に要する挿入力に比べて、係止突部76が係止片96を乗り越えて係合する際に要する挿入力が小さくなる。従って、雌雄コネクタ70,80相互の嵌合操作時における押圧慣性力によって検知部材90の移動操作を完了することができ、雌雄コネクタ70,80相互の嵌合操作と検知部材90の移動操作を一度の押圧によって連続的に行うことができる。
【0078】
次に、前記検知部材移動操作からハウジング引張確認操作に移行する際にも、前記第1実施形態と同様に、嵌合検知部材90を掴む手指の位置を変更することなくスムースに行うことができる。
【0079】
また、雌コネクタ70と雄コネクタ80が嵌合して、雄コネクタ80の係合突起81が係止孔72に係合している状態で、アーム部75の後端を押下すると、アーム部75の前端が上方に変位して係止孔72と係合突起81との係合状態を解除することができると共に、アーム部75の後端が下方に変位して係止突起76と係止片96との係合状態を解除することができる。
さらに、第1,第2係止手段が上面に位置していることにより、係止手段の解除操作を目視で確認しながら行うことができるので、解除操作性が良好となる。
【0080】
次に、本発明に係る半嵌合防止コネクタの第3実施形態を図11乃至図14に基づいて説明する。図11は本発明の半嵌合防止コネクタの第3実施形態における雌コネクタハウジングを示す斜視図、図12は第3実施形態における嵌合検知部材を示す斜視図、図13は図12に示した嵌合検知部材が雌コネクタハウジングの初期位置に嵌合した状態における部分縦断面図、図14は図13における雌雄コネクタハウジング相互の完全嵌合状態における部分縦断面図である。
なお、上記第1実施形態と同一構成の部材については、詳細な説明を省略する。
【0081】
図11及び図12に示すように、本実施形態の半嵌合防止コネクタは、可撓ロックアーム101を有する一方のコネクタハウジングである雌コネクタ100と、該雌コネクタ100に連結される他方のコネクタハウジングである雄コネクタ(図示せず)と、雌コネクタ100にスライド可能に装着され、スライド移動の可否によって雌雄コネクタハウジング相互の中途嵌合状態を検知する嵌合検知部材110とを備えている。
【0082】
本実施形態の雌コネクタ100は、図示していない端子収容室が形成されたハウジング本体100bと、該ハウジング本体の上面に形成された可撓ロックアーム101と、後述する嵌合検知部材110をスライド可能に支持するためのガイド部103と、嵌合検知部材110を係止する検知部材係止アーム106が一体成形された構造である。また、ハウジング本体100bの前端には、フロントホルダ100cが装着されており、ハウジング本体100bと連続した端子収容室を形成している。
【0083】
前記可撓ロックアーム101は、ハウジング本体100b上面の略中央に立設された支柱部(図示せず)の上端に、ハウジング本体100bの前後方向に沿って延びるアーム部105を連設したもので、該アーム部105が前記支柱部を支点に上下方向に可撓変位可能になっている。また、係止孔102は、アーム部105の前端寄りの位置に設けられている。
【0084】
また、可撓ロックアーム101の一方の側部に隣接した位置には、後述する嵌合検知部材110の係止壁116と係合する、第2係止手段である検知部材係止アーム106がハウジング本体100bの側部から立設されている。この検知部材係止アーム106の後端上部には、掛り爪107が設けられている。この掛り爪107が後述する係止壁116に係合することにより嵌合検知部材110の後方への移動を規制する。さらに、検知部材係止アーム106の側面には、後述する嵌合検知部材110のガイド溝117に摺動可能に嵌合するガイド用突起108が形成されている。
【0085】
また、図示はしないが、本実施形態の他方のコネクタハウジングである雄コネクタは、上述した第1,第2実施形態における雄コネクタ50,80と類似した構成であり、ハウジング本体の上面に、前記係止孔102に係合する前記係合突起を備えている。
【0086】
また、本実施形態の嵌合検知部材110は、検知部材本体111の上壁の一部をなす弾性片である係止アーム114の先端下部に、係止孔102との係合によって検知部材本体111を初期位置に規制する位置決め係止部(第1係止手段)である係止突起(図示せず)を備えている。
また、検知部材本体111の上壁の後方には、雌コネクタ100の掛り爪107を係止する第2係止手段である係止壁116が後方下がりに傾斜して形成されている。検知部材本体111は、スライド可能なように雌コネクタ100に装着され、嵌合検知部材110の適正嵌合検知位置へのスライド移動の可否によって、雌雄コネクタ相互の中途嵌合状態を検知することができる。
【0087】
また、本実施形態における適正嵌合検知位置は、上述した第1,第2実施形態と同様、前記係止突起が係止孔102によって係止される初期位置に対して、雌コネクタ100の前端寄りの位置に設定している。そのため、雌コネクタ100には、前記嵌合検知部材110が初期位置から前方の適正嵌合検知位置までスライド移動した時に、前記嵌合検知部材110のスライド移動を規制する係止手段である検知部材係止部109が設けられている。
【0088】
図13に示すように、本実施形態の嵌合検知部材110は、初期位置に位置するときに、嵌合検知部材110後端が雌コネクタ100のハウジング後端から明確に突出するように延長部115が設けられている。また、該延長部115は、完全嵌合時に雌コネクタ100が嵌合検知部材の後端より後方に移動しないように、内方へ張り出した形状を有している。
【0089】
本実施形態において、雌雄コネクタ相互の嵌合操作時には、ハウジング相互の嵌合長が規定値に達すると、雄コネクタの係合突起が係止孔102に嵌入して、雌雄コネクタ相互の嵌合状態がロックされる。また、嵌合検知部材110の初期位置への位置規制が解除されて、前方への移動が可能になる。
【0090】
ハウジング嵌合操作の完了時には、雌雄コネクタ相互の嵌合状態の検知のために嵌合検知部材110の移動操作が行われて、嵌合検知部材110が前方にスライド移動される。このスライド移動に伴って、係止壁116が掛り爪107に摺接して前方(図13左方向)へ進み、検知部材係止アーム106を下方に弾性変位させる。
【0091】
そして、掛り爪107が係止壁116を乗り越えると、図14に示すように掛り爪107は検知部材係止アーム106の付勢力によって上方に変位して、掛り爪107の前端面と係止壁116の後端面とが当接して係合する。この時、嵌合検知部材110が適正嵌合検知位置に位置決めされて嵌合検知部材110の後端と雌コネクタ100の後端面とが略一致した状態になる。これにより、雌雄コネクタの嵌合状態を容易に検知することができる。
【0092】
更に、検知部材移動操作の完了時には、上述した第1,第2実施形態と同様に、検知部材係止部109と前記係止突起の後端面との係止によって嵌合検知部材110が適正嵌合検知位置に位置決めされる。
従って、雌コネクタ100と嵌合検知部材110とを相互に係止する係止手段として、掛り爪107と係止壁116との係止と、検知部材係止部109と前記係止突起の後端面との係止の2箇所で行われているため、雌コネクタ100と嵌合検知部材110との係止をより強固にすることができる。
さらに、第1,第2係止手段が上面に位置しているので、係止状態を目視で確認することができ、雌雄コネクタハウジング相互の嵌合状態を目視で検知することができる。
【0093】
なお、前記検知部材移動操作は、ハウジング嵌合操作時と付勢方向が同一であるため、ハウジング嵌合操作を行うための押圧操作で、一挙に検知部材移動操作まで完了させることができ、雌雄コネクタ相互の接続時の操作数を低減させることができる。
【0094】
次に、前記検知部材移動操作からハウジング引張確認操作に移行する際にも、嵌合検知部材110を掴む手指の位置を変更することなくスムースに行うことができる。
また、掛り爪107と係止壁116の係止解除操作は、掛り爪107を下方に押し下げて嵌合検知部材110を後方にスライド移動させれば良い。
さらに、第1,第2係止手段が上面に位置していることにより、係止手段の解除操作を目視で確認しながら行うことができるので、解除操作性が良好となる。
【0095】
次に、本発明に係る半嵌合防止コネクタの第4実施形態を図15乃至図17に基づいて説明する。図15は本発明の半嵌合防止コネクタの第4実施形態における嵌合検知部材が雌コネクタハウジングの初期位置に嵌合した状態を示す縦断面図、図16は図15における嵌合検知部材が適正嵌合検知位置へスライド移動中の状態を示す斜視図、図17は図16に示した雌雄コネクタハウジング相互の完全嵌合状態を示す縦断面図である。
なお、上記第1実施形態と同一構成の部材については、詳細な説明を省略する。
【0096】
図15乃至図17に示すように、本実施形態の半嵌合防止コネクタは、上記第1実施形態の構成と非常に類似した構成であり、可撓ロックアーム121を有する一方のコネクタハウジングである雌コネクタ120と、前記可撓ロックアーム121のロック部である係止孔122に係合する係合部である係合突起131を有する他方のコネクタハウジングである雄コネクタ130と、雌コネクタ120にスライド可能に装着され、スライド移動の可否によって雌雄コネクタ120,130相互の中途嵌合状態を検知する嵌合検知部材140とを備えている。
【0097】
また、本実施形態の半嵌合防止コネクタは、前記第1実施形態における第1突部48及び第2突部67の代替係止手段として、雌コネクタ120の底部後方に形成された可撓係止部126と、嵌合検知部材140の側壁下部に渡設された係止リブ146を有することを特徴とする。また、嵌合検知部材140の底面後方には、可撓係止部126と係止リブ146との係止を解除するための解除アーム147が形成されている。
【0098】
可撓係止部126は、雌コネクタ120と嵌合検知部材140とを相互に係止する第2係止手段であって、ハウジング本体120bの後方の底壁の一部をなす弾性片であり、上方に弾性変位可能である。嵌合検知部材140が初期位置から前方にスライド移動するときには、可撓係止部126の下方の傾斜面が係止リブ146に摺接して、可撓係止部126が上方に弾性変位する。嵌合検知部材140を適正嵌合検知位置に位置規制する際には、この可撓係止部126の前端面によって係止リブ146を係止する。
【0099】
係止リブ146は、雌コネクタ120と嵌合検知部材140とを相互に係止する第2係止手段であって、嵌合検知部材本体141の底面より僅かに上方の内側壁間に渡設されている。嵌合検知部材140が初期位置から前方にスライド移動するときには、係止リブ146が可撓係止部126を上方に撓ませて可撓係止部126の前方に移動する。嵌合検知部材140が適正嵌合検知位置に達すると、係止リブ146の後端が可撓係止部126の前端に当接して雌コネクタ120の前方へのスライド移動を規制する。
【0100】
図15に示すように、雌コネクタ120に装着された嵌合検知部材140は、雌雄コネクタハウジング相互の嵌合前には、位置決め係止部(第1係止手段)である係止突起143が、その前端面を係止孔122の前端面122aに当接した状態で係止孔122に嵌入して初期位置に係止される。この時、嵌合検知部材140の延長部145後端が雌コネクタ120の後端面から明確に突出しているので、嵌合検知部材140が初期位置にあることを目視で確認できる。
【0101】
図16に示すように、雌雄コネクタ120,130相互の嵌合操作時には、雄コネクタ130の係合突起131がアーム部125の下方から係止孔122に嵌入する。この係合突起131と係止孔122との係合によって、雌雄コネクタ120,130相互の嵌合状態がロックされる。
【0102】
雌雄コネクタ120,130相互の嵌合完了とともに、嵌合検知部材140は初期位置への位置規制が解除されて、雌コネクタ120の前方に移動可能になる。そして、係止アーム144が上方に弾性変位した状態で、検知部材140の移動操作によって嵌合検知部材140が前方にスライド移動される。この時、検知部材140のスライド移動に伴って係止リブ146の傾斜した上面が可撓係止部126の下方の傾斜面に摺接して、可撓係止部126を上方に弾性変位させる。
【0103】
図17に示すように、可撓係止部126が係止リブ146を乗り越えると、可撓係止部126は下方に変位して、可撓係止部126の後端面と係止リブ146の前端面とが当接する。この時、嵌合検知部材110が適正嵌合検知位置に位置決めされて嵌合検知部材140の後端と雌コネクタ120の後端面とが略一致した状態になる。これにより、雌雄コネクタの嵌合状態を容易に検知することができる。
【0104】
更に、検知部材移動操作の完了時には、第1係止手段である検知部材係止部129と係止突起143の後端面143bとの係止によって嵌合検知部材140が適正嵌合検知位置に位置決めされる。
従って、雌コネクタ120と嵌合検知部材140とを相互に係止する係止手段として、可撓係止部126と係止リブ146との係止と、検知部材係止部129と係止突起143の後端面143bとの係止の2箇所で行われているため、雌コネクタ120と嵌合検知部材140との係止をより強固にすることができる。
【0105】
なお、前記検知部材移動操作は、ハウジング嵌合操作時と付勢方向が同一であるため、ハウジング嵌合操作を行うための押圧操作で、一挙に検知部材移動操作まで完了させることができ、雌雄コネクタ相互の接続時の操作数を低減させることができる。
【0106】
次に、前記検知部材移動操作からハウジング引張確認操作に移行する際にも、前記第1実施形態と同様に、嵌合検知部材140を掴む手指の位置を変更することなくスムースに行うことができる。
また、可撓係止部126と係止リブ146の係止解除操作は、解除アーム147を上方に押し上げ、可撓係止部126を上方に弾性変位させて嵌合検知部材140を後方にスライド移動させれば良い。
【0107】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の請求項1記載の半嵌合防止コネクタの組み付け方法によれば、コネクタハウジング相互の嵌合前は、嵌合検知部材が、一方のコネクタハウジングの外周に嵌合すると共にロック部と位置決め係止部との係合によって初期位置に位置規制され、コネクタハウジング相互の嵌合操作時には、一方のコネクタハウジングに装着された嵌合検知部材を該一方のコネクタハウジングの嵌合方向前方に押すことで、他方のコネクタハウジングの係合部を可撓ロックアームのロック部に係合させて、コネクタハウジング相互が完全嵌合されると共に、係合部のロック部への係合に伴って位置決め係止部がロック部から押し出されて、一方のコネクタハウジングの初期位置に対する嵌合検知部材の位置規制が解除されて、更に嵌合検知部材が初期位置から一方のコネクタハウジングの前端寄りの適正嵌合検知位置にスライド移動すると共に、嵌合検知部材を適正嵌合検知位置に位置規制するために嵌合検知部材に複数設けられた係止手段により嵌合検知部材が適正嵌合検知位置に位置規制されることでコネクタハウジング相互の完全嵌合状態を検知する。
【0108】
前記構成の半嵌合防止コネクタの組み付け方法によれば、一方のコネクタハウジングに装着された嵌合検知部材を嵌合方向前方に押すことで、コネクタハウジング相互が完全嵌合されて、更に嵌合検知部材が適正嵌合検知位置にスライド移動すると共に位置規制される。そのため、コネクタハウジング相互の嵌合操作と検知部材移動操作を1回の押圧操作によって完了させることができる。
【0109】
また、本発明の請求項2記載の半嵌合防止コネクタによれば、嵌合検知部材は、コネクタハウジング相互の嵌合方向に沿ってスライド可能に前記一方のコネクタハウジングの外周に嵌合する略筒状の検知部材本体と、ロック部との係合によって検知部材本体を初期位置に規制する位置決め係止部とを備えると共に、コネクタハウジング相互の嵌合前は、ロック部と位置決め係止部の係合によって初期位置に位置規制され、且つ前記コネクタハウジング相互の完全嵌合時は、係合部のロック部への係合に伴って位置決め係止部がロック部から押し出されてロック部との係合状態が解除されることで、検知部材本体が初期位置から一方のコネクタハウジングの前端寄りの適正嵌合検知位置にスライド移動すると共に、一方のコネクタハウジングと嵌合検知部材とを相互に係止するために嵌合検知部材に複数設けられた係止手段によって、嵌合検知部材が適正嵌合検知位置に位置規制される。
【0110】
前記構成の半嵌合防止コネクタによれば、一方のコネクタハウジングに装着された嵌合検知部材は、他方のコネクタハウジングへの嵌合前には、ロック部との係止により一方のコネクタハウジングの外周を略覆うように初期位置に位置規制されている。従って、一組の雌雄コネクタハウジング相互を嵌合させるハウジング嵌合操作の際には、嵌合検知部材を手指で掴んだまま嵌合操作を行うことができる。
【0111】
また、前記ハウジング嵌合操作の終了後には、雌雄コネクタハウジング相互の嵌合状態の検知のために嵌合検知部材を初期位置から適正嵌合検知位置に移動させる検知部材移動操作を行う。この時、ハウジング嵌合操作の際に嵌合検知部材を手指で掴んでいれば、嵌合検知部材を掴んでいる手指の位置を変更することなく嵌合検知部材をハウジング前方に押すだけで一挙に検知部材移動操作まで完了させることができる。従って、コネクタハウジング相互の接続時の操作数を低減させることができる。
【0112】
更に、嵌合検知部材が適正嵌合検知位置に到達すれば、嵌合検知部材の位置決め係止部が一方のコネクタハウジング上の検知部材係止部に係合して、嵌合検知部材のスライド移動が規制される。
従って、雌雄ハウジング相互を離脱方向に引っ張るハウジング引張確認操作は、引き続いて嵌合検知部材をハウジング後方側に引っ張れば良く、嵌合検知部材を持つ手指の位置等を変更する必要がない。よって、コネクタハウジング相互の接続時の操作数を低減させることができ、コネクタハウジング相互を接続する際の作業効率を向上させることができる。
【0113】
また、本発明の請求項3記載の半嵌合防止コネクタによれば、前記嵌合検知部材は、初期位置では前記一方のコネクタハウジングの後端から突出すると共に前記適正嵌合検知位置では前記一方のコネクタハウジングの外周上に位置する延長部を備え、前記延長部の位置が前記嵌合検知部材の前記初期位置と前記適正嵌合検知位置とで顕著に異なっている。
従って、組み付け時や保守点検等の際に嵌合検知部材が初期位置にあるか又は適正嵌合検知位置にあるかを前記延長部の位置の目視で容易に確認することができる。
【0114】
また、本発明の請求項4記載の半嵌合防止コネクタによれば、係止手段は、嵌合検知部材を一方のコネクタハウジングの前方位置で係止する第1係止手段と、一方のコネクタハウジングの後方位置で係止する第2係止手段とからなる。
従って、嵌合検知部材の適正嵌合検知位置への係止を、嵌合検知部材の前方と後方で行うことができる。そのため、嵌合検知部材を適正嵌合検知位置に強固に係止することができる。
【0115】
また、本発明の請求項5記載の半嵌合防止コネクタによれば、第1係止手段は、位置決め係止部と、可撓ロックアームの先端縁である検知部材係止部からなる。
従って、第1係止手段として専用の係止孔等を形成する必要がなく、位置決め係止部と、可撓ロックアームの先端縁である検知部材係止部によって第1係止手段を構成することができ、嵌合検知部材及び一方のコネクタハウジングの構成形状を簡素化することができる。
【0116】
また、本発明の請求項6記載の半嵌合防止コネクタによれば、第2係止手段は、一方のコネクタハウジングの底部後方に設けられた第1突部と、嵌合検知部材内周の底部に設けられた第2突部、又は一方のコネクタハウジングの底部後方に設けられた可撓係止部と、嵌合検知部材内周の側壁下部に渡設された係止リブである。
従って、嵌合検知部材の適正嵌合検知位置への係止を嵌合検知部材の前方上部と後方底部で行うことができ、嵌合検知部材と一方のコネクタハウジングとのガタ付きを抑えて、さらに強固に係止することができる。
【0117】
また、本発明の請求項7記載の半嵌合防止コネクタによれば、第2係止手段は、可撓ロックアーム後端の両側面に設けられた係止突部と、嵌合検知部材後端の両内側面上部に設けられた係止片、又は可撓ロックアームの側部に隣接した後端上部に掛り爪を有する検知部材係止アームと、嵌合検知部材の上壁後方に設けられた係止壁である。
従って、第1,第2係止手段が上面に位置しているので、係止状態を目視で確認することができ、コネクタハウジングの嵌合状態を目視で検知することができる。さらに、第1,第2係止手段が上面に位置していることで、係止手段の解除操作を目視で確認しながら行うことができるので、解除操作性を向上させることができる。
【0118】
また、本発明の請求項8記載の半嵌合防止コネクタによれば、嵌合検知部材は、係止手段によって適正嵌合検知位置に位置規制される時に要する挿入力がコネクタハウジング相互の嵌合に要する挿入力より小さくなるように設定されている。
また、本発明の請求項9記載の半嵌合防止コネクタによれば、第1突部と前記第2突部との係り代高さは、前記ロック部と前記係合部との係り代高さに比べて低く設定されているか、又は前記係止片のテーパ面の傾斜角度は、前記係合部の傾斜角度より小さく設定されている。
従って、コネクタハウジング相互の嵌合操作に要する挿入力に比べて検知部材移動操作に要する挿入力が小さいので、コネクタハウジング相互の嵌合操作時における押圧慣性力によって検知部材移動操作を行うことができる。従って、コネクタハウジング相互の嵌合操作と検知部材移動操作を一度の押圧によって連続的に行うことができる。
【0119】
また、本発明の請求項10記載の半嵌合防止コネクタによれば、嵌合検知部材の初期位置と適正嵌合検知位置とで、一方のコネクタハウジングの外観に明確な色彩変化が生じるように、嵌合検知部材の外表面と、少なくとも嵌合検知部材から露出する前記一方のコネクタハウジングの外表面とに異なる彩色を施されている。
従って、組み付け時や保守点検等の際に嵌合検知部材が初期位置にあるか又は適正嵌合検知位置にあるかを、一方のコネクタハウジングと嵌合検知部材とで形成する彩色パターンを目視することで容易に確認することができる。よって、保守点検時等における一組の雌雄コネクタハウジング相互の嵌合状態を容易に確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の半嵌合防止コネクタの第1実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】図1における雌コネクタハウジングに嵌合検知部材を組み付けた状態を示す斜視図である。
【図3】図2における縦断面図である。
【図4】図1における雌雄コネクタハウジング相互の嵌合中の状態を示す斜視図である。
【図5】図4における縦断面図である。
【図6】図5における雌雄コネクタハウジング相互の完全嵌合状態を示す縦断面図である。
【図7】本発明の半嵌合防止コネクタの第2実施形態における雌コネクタハウジングと嵌合検知部材を示す分解斜視図である。
【図8】第2実施形態における雌雄コネクタハウジング相互の嵌合中の状態を示す縦断面図である。
【図9】図8における部分縦断面図である。
【図10】図8における雌雄コネクタハウジング相互の完全嵌合状態における部分縦断面図である。
【図11】本発明の半嵌合防止コネクタの第3実施形態における雌コネクタハウジングを示す斜視図である。
【図12】図12は第3実施形態における嵌合検知部材を示す斜視図である。
【図13】図12に示した嵌合検知部材が図11に示した雌コネクタハウジングの初期位置に嵌合した状態における部分縦断面図である。
【図14】図13における雌雄コネクタハウジング相互の完全嵌合状態における部分縦断面図である。
【図15】本発明の半嵌合防止コネクタの第4実施形態における嵌合検知部材が雌コネクタハウジングの初期位置に嵌合した状態を示す縦断面図である。
【図16】図15における嵌合検知部材が適正嵌合検知位置へスライド移動中の状態を示す斜視図である。
【図17】図16に示した雌雄コネクタハウジング相互の完全嵌合状態を示す縦断面図である。
【図18】従来の半嵌合防止コネクタの嵌合前の状態を示す縦断面図である。
【図19】図18における雄コネクタハウジングと嵌合検知部材の分解斜視図である。
【図20】図18における嵌合途中の状態を示す要部の部分縦断面図である。
【図21】図18における一方のコネクタハウジングのロック部に他方のコネクタハウジングの係合部が係合した状態を示す部分縦断面図である。
【図22】図18におけるコネクタハウジング相互の嵌合が完了して、嵌合検知部材の適正嵌合検知位置へのスライド移動が完了した状態を示す部分縦断面図である。
【符号の説明】
31 半嵌合防止コネクタ(第1実施形態)
40 雌コネクタ(一方のコネクタハウジング、第1実施形態)
41 可撓ロックアーム
42 係止孔(ロック部)
43 ガイド部
48 第1突部
49 検知部材係止部
50 雄コネクタ(他方のコネクタハウジング、第1実施形態)
51 係合突起(係合部)
60 嵌合検知部材(第1実施形態)
61 検知部材本体
63 係止突起(位置決め係止部)
64 係止アーム(弾性片)
65 延長部
67 第2突部
70 雌コネクタ(一方のコネクタハウジング、第2実施形態)
71 可撓ロックアーム
72 係止孔(ロック部)
76 係止突部
79 検知部材係止部
80 雄コネクタ(他方のコネクタハウジング、第2実施形態)
81 係合突起(係合部)
90 嵌合検知部材(第2実施形態)
91 検知部材本体
93 係止突起(位置決め係止部)
94 係止アーム(弾性片)
95 延長部
96 係止片
100 雌コネクタ(一方のコネクタハウジング、第3実施形態)
101 可撓ロックアーム
102 係止孔(ロック部)
106 検知部材係止アーム
107 掛り爪
109 検知部材係止部
110 嵌合検知部材(第3実施形態)
111 検知部材本体
114 係止アーム(弾性片)
115 延長部
116 係止壁
120 雌コネクタ(一方のコネクタハウジング、第4実施形態)
121 可撓ロックアーム
122 係止孔(ロック部)
126 可撓係止部
129 検知部材係止部
130 雄コネクタ(他方のコネクタハウジング、第4実施形態)
131 係合突起(係合部)
140 嵌合検知部材(第4実施形態)
141 検知部材本体
143 係止突起(位置決め係止部)
144 係止アーム(弾性片)
145 延長部
146 係止リブ
147 解除アーム

Claims (10)

  1. ハウジング本体上部に設けられた可撓ロックアームを有する一方のコネクタハウジングと、前記可撓ロックアームのロック部に係合する係合部を有して前記一方のコネクタハウジングに嵌合させた際に前記ロック部と前記係合部との係合によって前記一方のコネクタハウジングに連結される他方のコネクタハウジングと、前記ロック部に係合可能な位置決め係止部を備えて前記一方のコネクタハウジングに該コネクタハウジング相互の嵌合方向に沿ってスライド可能に装着され、スライド移動の可否によって前記コネクタハウジング相互の中途嵌合状態を検知する嵌合検知部材とを備えた半嵌合防止コネクタの組み付け方法であって、
    前記コネクタハウジング相互の嵌合前は、前記嵌合検知部材が、前記一方のコネクタハウジングの外周に嵌合すると共に前記ロック部と前記位置決め係止部との係合によって初期位置に位置規制され、前記コネクタハウジング相互の嵌合操作時には、前記一方のコネクタハウジングに装着された前記嵌合検知部材を該一方のコネクタハウジングの嵌合方向前方に押すことで、前記他方のコネクタハウジングの前記係合部を前記可撓ロックアームの前記ロック部に係合させて、前記コネクタハウジング相互が完全嵌合されると共に、前記係合部の前記ロック部への係合に伴って前記位置決め係止部が前記ロック部から押し出されて、前記一方のコネクタハウジングの初期位置に対する前記嵌合検知部材の位置規制が解除されて、更に前記嵌合検知部材が前記初期位置から前記一方のコネクタハウジングの前端寄りの適正嵌合検知位置にスライド移動すると共に、前記嵌合検知部材を前記適正嵌合検知位置に位置規制するために前記嵌合検知部材に複数設けられた係止手段により前記嵌合検知部材が前記適正嵌合検知位置に位置規制されることで前記コネクタハウジング相互の完全嵌合状態を検知することを特徴とする半嵌合防止コネクタの組み付け方法。
  2. ハウジング本体上部に設けられた可撓ロックアームを有する一方のコネクタハウジングと、前記可撓ロックアームのロック部に係合する係合部を有して前記一方のコネクタハウジングに嵌合させた際に前記ロック部と前記係合部との係合によって前記一方のコネクタハウジングに連結される他方のコネクタハウジングと、前記一方のコネクタハウジングに該コネクタハウジング相互の嵌合方向に沿ってスライド可能に装着され、スライド移動の可否によって前記コネクタハウジング相互の中途嵌合状態を検知する嵌合検知部材とを備えた半嵌合防止コネクタであって、
    前記嵌合検知部材は、前記コネクタハウジング相互の嵌合方向に沿ってスライド可能に前記一方のコネクタハウジングの外周に嵌合する略筒状の検知部材本体と、前記ロック部との係合によって前記検知部材本体を初期位置に規制する位置決め係止部とを備えると共に、前記コネクタハウジング相互の嵌合前は、前記ロック部と前記位置決め係止部の係合によって前記初期位置に位置規制され、且つ前記コネクタハウジング相互の完全嵌合時は、前記係合部の前記ロック部への係合に伴って前記位置決め係止部が前記ロック部から押し出されて前記ロック部との係合状態が解除されることで、前記検知部材本体が前記初期位置から前記一方のコネクタハウジングの前端寄りの適正嵌合検知位置にスライド移動すると共に、前記一方のコネクタハウジングと前記嵌合検知部材とを相互に係止するために前記嵌合検知部材に複数設けられた係止手段によって、前記嵌合検知部材が前記適正嵌合検知位置に位置規制されることを特徴とする半嵌合防止コネクタ。
  3. 前記嵌合検知部材は、初期位置では前記一方のコネクタハウジングの後端から突出すると共に前記適正嵌合検知位置では前記一方のコネクタハウジングの外周上に位置する延長部を備え、
    前記延長部の位置が前記嵌合検知部材の前記初期位置と前記適正嵌合検知位置とで顕著に異なることを特徴とする請求項2に記載の半嵌合防止コネクタ。
  4. 前記係止手段は、前記嵌合検知部材を前記一方のコネクタハウジングの前方位置で係止する第1係止手段と、前記一方のコネクタハウジングの後方位置で係止する第2係止手段とからなることを特徴とする請求項2又は3に記載の半嵌合防止コネクタ。
  5. 前記第1係止手段は、前記位置決め係止部と、前記可撓ロックアームの先端縁である検知部材係止部からなることを特徴とする請求項4に記載の半嵌合防止コネクタ。
  6. 前記第2係止手段は、前記一方のコネクタハウジングの底部後方に設けられた第1突部と、前記嵌合検知部材内周の底部に設けられた第2突部、
    又は前記一方のコネクタハウジングの底部後方に設けられた可撓係止部と、前記嵌合検知部材内周の側壁下部に渡設された係止リブであることを特徴とする請求項4に記載の半嵌合防止コネクタ。
  7. 前記第2係止手段は、前記可撓ロックアーム後端の両側面に設けられた係止突部と、前記嵌合検知部材後端の両内側面上部に設けられた係止片、
    又は前記可撓ロックアームの側部に隣接した後端上部に掛り爪を有する検知部材係止アームと、前記嵌合検知部材の上壁後方に設けられた係止壁であることを特徴とする請求項4に記載の半嵌合防止コネクタ。
  8. 前記嵌合検知部材は、前記係止手段によって前記適正嵌合検知位置に位置規制される時に要する挿入力が前記コネクタハウジング相互の嵌合に要する挿入力より小さくなるように設定されていることを特徴とする請求項2乃至7の何れか一項に記載の半嵌合防止コネクタ。
  9. 前記第1突部と前記第2突部との係り代高さは、前記ロック部と前記係合部との係り代高さに比べて低く設定されているか、
    又は前記係止片のテーパ面の傾斜角度は、前記係合部の傾斜角度より小さく設定されていることを特徴とする請求項8に記載の半嵌合防止コネクタ。
  10. 前記嵌合検知部材の前記初期位置と前記適正嵌合検知位置とで、前記一方のコネクタハウジングの外観に明確な色彩変化が生じるように、前記嵌合検知部材の外表面と、少なくとも前記嵌合検知部材から露出する前記一方のコネクタハウジングの外表面とに異なる彩色を施したことを特徴とする請求項2乃至請求項5の何れか一項に記載の半嵌合防止コネクタ。
JP2001269062A 2001-04-12 2001-09-05 半嵌合防止コネクタの組み付け方法及び半嵌合防止コネクタ Expired - Fee Related JP3920055B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001269062A JP3920055B2 (ja) 2001-04-12 2001-09-05 半嵌合防止コネクタの組み付け方法及び半嵌合防止コネクタ
US10/118,218 US6568954B2 (en) 2001-04-12 2002-04-09 Half-fitting prevention connector and assembling method thereof
GB0208201A GB2375659B (en) 2001-04-12 2002-04-09 Half-fitting prevention connector and assembling method thereof
DE10216072A DE10216072B4 (de) 2001-04-12 2002-04-11 Steckverbindung und Montageverfahren für diese

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001-114405 2001-04-12
JP2001114405 2001-04-12
JP2001269062A JP3920055B2 (ja) 2001-04-12 2001-09-05 半嵌合防止コネクタの組み付け方法及び半嵌合防止コネクタ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2002373735A JP2002373735A (ja) 2002-12-26
JP3920055B2 true JP3920055B2 (ja) 2007-05-30

Family

ID=26613521

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001269062A Expired - Fee Related JP3920055B2 (ja) 2001-04-12 2001-09-05 半嵌合防止コネクタの組み付け方法及び半嵌合防止コネクタ

Country Status (4)

Country Link
US (1) US6568954B2 (ja)
JP (1) JP3920055B2 (ja)
DE (1) DE10216072B4 (ja)
GB (1) GB2375659B (ja)

Families Citing this family (32)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6896538B2 (en) * 2002-10-31 2005-05-24 Tyco Electronics Corporation Self-cleaning CPA device for high-debris applications
JP4031374B2 (ja) * 2003-01-16 2008-01-09 矢崎総業株式会社 半嵌合防止コネクタ
JP2004241275A (ja) * 2003-02-06 2004-08-26 Yazaki Corp 半嵌合防止コネクタ
DE10313667B3 (de) * 2003-03-26 2004-12-02 Yazaki Europe Ltd., Hemel Hempstead Stecker mit Schieber zum Verbinden mit einer Steckbuchse
DE10348576B4 (de) * 2003-10-20 2006-01-12 Fci Steckverbinder
JP2006252806A (ja) * 2005-03-08 2006-09-21 Tyco Electronics Amp Kk 電気コネクタ
JP4548272B2 (ja) * 2005-08-17 2010-09-22 住友電装株式会社 コネクタ
JP4500245B2 (ja) * 2005-10-27 2010-07-14 矢崎総業株式会社 コネクタ
JP4616152B2 (ja) * 2005-11-04 2011-01-19 矢崎総業株式会社 コネクタ
US7329132B1 (en) * 2006-07-31 2008-02-12 Yazaki North America, Inc. Low-insertion force-lever connector for blind mating
JP5119788B2 (ja) * 2007-08-01 2013-01-16 住友電装株式会社 コネクタ
EP2020706B1 (en) * 2007-08-01 2011-10-26 Sumitomo Wiring Systems, Ltd. A connector, connector assembly and connection method
JP5486859B2 (ja) * 2009-07-09 2014-05-07 矢崎総業株式会社 コネクタ
US8002568B2 (en) * 2009-07-14 2011-08-23 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Connector frame
JP5346796B2 (ja) * 2009-12-24 2013-11-20 矢崎総業株式会社 ヒュージブルリンクユニット
JP5488839B2 (ja) * 2011-05-12 2014-05-14 第一精工株式会社 コネクタ装置
DE102012217598A1 (de) * 2012-09-27 2014-03-27 Hirschmann Automotive Gmbh Steckverbindung und Verfahren zum Betreiben einer solchen Steckverbindung
DE102014206431A1 (de) * 2014-04-03 2015-10-08 Robert Bosch Gmbh Connector Position Assurance (CPA) und Steckverbinderanordnung mit einer CPA
TWM491981U (zh) * 2014-08-12 2014-12-11 Well Shin Technology Co Ltd 線纜連接器
JP6551248B2 (ja) * 2016-01-29 2019-07-31 住友電装株式会社 コネクタ
JP6601242B2 (ja) * 2016-01-29 2019-11-06 住友電装株式会社 コネクタ
JP6783077B2 (ja) * 2016-06-15 2020-11-11 矢崎総業株式会社 コネクタ
JP6417370B2 (ja) * 2016-07-29 2018-11-07 矢崎総業株式会社 コネクタ
JP6417369B2 (ja) * 2016-07-29 2018-11-07 矢崎総業株式会社 コネクタ
JP6738085B2 (ja) * 2016-08-05 2020-08-12 日本圧着端子製造株式会社 コネクタ部材及びコネクタ
JP6605431B2 (ja) * 2016-11-17 2019-11-13 矢崎総業株式会社 コネクタ
CN109119785B (zh) 2017-06-23 2020-08-21 上海莫仕连接器有限公司 电源连接器
JP6667965B2 (ja) 2017-08-31 2020-03-18 矢崎総業株式会社 コネクタ
CN109616829B (zh) * 2017-10-04 2020-04-24 矢崎总业株式会社 连接器
JP2020047365A (ja) * 2018-09-14 2020-03-26 住友電装株式会社 コネクタ
FR3098028A1 (fr) * 2019-06-28 2021-01-01 Aptiv Technologies Limited Ensemble de connecteurs avec dispositif de verrouillage
US11309660B1 (en) * 2020-10-21 2022-04-19 Aptiv Technologies Limited Anti-vibration stabilized connected system with self-rejecting ergonomic feedback mechanism

Family Cites Families (22)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2524659B2 (ja) * 1990-10-12 1996-08-14 矢崎総業株式会社 コネクタの結合検知装置
US5507666A (en) 1993-12-28 1996-04-16 Yazaki Corporation Lock securing mechanism for connectors
JP2921645B2 (ja) * 1994-07-12 1999-07-19 矢崎総業株式会社 コネクタ嵌合検知構造
JP3047159B2 (ja) * 1995-11-09 2000-05-29 矢崎総業株式会社 コネクタ嵌合構造
JP3036419B2 (ja) 1995-11-17 2000-04-24 住友電装株式会社 半嵌合検知コネクタ
JPH09148003A (ja) 1995-11-22 1997-06-06 Yazaki Corp コネクタ装置およびコネクタ取付方法
JP3285305B2 (ja) 1995-12-22 2002-05-27 矢崎総業株式会社 半嵌合防止コネクタ
JPH09219255A (ja) * 1996-02-07 1997-08-19 Yazaki Corp 二重ロックコネクタ
JP3180016B2 (ja) 1996-02-08 2001-06-25 矢崎総業株式会社 半嵌合防止コネクタ
JP3285307B2 (ja) 1996-03-07 2002-05-27 矢崎総業株式会社 半嵌合防止コネクタ
JP3235478B2 (ja) 1996-07-23 2001-12-04 住友電装株式会社 コネクタ
JPH10112356A (ja) * 1996-10-07 1998-04-28 Yazaki Corp 半嵌合防止コネクタ
JPH10172671A (ja) * 1996-12-09 1998-06-26 Sumitomo Wiring Syst Ltd コネクタ
JP3498886B2 (ja) * 1997-04-11 2004-02-23 矢崎総業株式会社 コネクタ嵌合構造
JPH11150838A (ja) * 1997-11-17 1999-06-02 Furukawa Electric Co Ltd:The ビル等の建築物用幹線ユニット・ケーブル
JP3496803B2 (ja) * 1997-12-04 2004-02-16 矢崎総業株式会社 コネクタの嵌合検知機構
JPH11224728A (ja) * 1998-02-04 1999-08-17 Yazaki Corp 半嵌合防止コネクタ
JP3427743B2 (ja) 1998-08-20 2003-07-22 住友電装株式会社 嵌合検知コネクタ
JP3741348B2 (ja) * 1999-06-11 2006-02-01 矢崎総業株式会社 半嵌合防止コネクタ
JP3538750B2 (ja) * 1999-08-02 2004-06-14 住友電装株式会社 レバー式コネクタ
JP2001185290A (ja) 1999-12-27 2001-07-06 Sumitomo Wiring Syst Ltd コネクタ
JP3593959B2 (ja) 2000-08-10 2004-11-24 住友電装株式会社 コネクタ

Also Published As

Publication number Publication date
GB0208201D0 (en) 2002-05-22
DE10216072A1 (de) 2003-02-06
GB2375659B (en) 2003-07-09
GB2375659A (en) 2002-11-20
US6568954B2 (en) 2003-05-27
US20020160651A1 (en) 2002-10-31
JP2002373735A (ja) 2002-12-26
DE10216072B4 (de) 2005-04-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3920055B2 (ja) 半嵌合防止コネクタの組み付け方法及び半嵌合防止コネクタ
JP3813836B2 (ja) 半嵌合防止コネクタ
JP3810285B2 (ja) 半嵌合防止コネクタ
US7267562B2 (en) Connector
US5507666A (en) Lock securing mechanism for connectors
US7044758B2 (en) Lever fitting-type connector
JP3593959B2 (ja) コネクタ
EP1128486B1 (en) Connector fitting structure
US20150159793A1 (en) Pipe connector
US5609494A (en) Connector lever locking mechanism
JPH09219255A (ja) 二重ロックコネクタ
JP6839293B2 (ja) 部材の係止構造
JP2003142209A (ja) コネクタ
JP2003007388A (ja) コネクタ
WO2018211560A1 (ja) コネクタ
JP2003007389A (ja) コネクタ
JP4725500B2 (ja) コネクタ
WO2021182035A1 (ja) コネクタ
JP7275275B2 (ja) コネクタ
US20220271473A1 (en) Connector
US6953370B2 (en) Connector
JP7042402B2 (ja) コネクタ
CN111448719B (zh) 连接器
JP2009026590A (ja) コネクタ
JP3903885B2 (ja) 検知部材付きコネクタ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050126

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060324

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20060529

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20060614

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20060810

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070207

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070214

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 3920055

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100223

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110223

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110223

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120223

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130223

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140223

Year of fee payment: 7

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees