以下、実施例および参考例により本発明の実施態様を説明する。
(参考例1)
本発明の第1の参考例の説明のためのブロック図を図1に示す。同図において、1−1はアナログの画像信号の入力端子であり、1−2は入力信号の水平同期信号(IHD)入力端子であり、1−3は入力信号の垂直同期信号(IVD)入力端子である。2はADコンバータであり、入力されたアナログ画像信号をnビットのデジタル信号に変換する。3は入力系画像処理部、4はメモリ制御部、5は画像データを格納するメモリ部、6は出力系画像処理部であり、7は画像表示部である。20−1、20−2、20−3、20−4は各部へnビットのデジタル信号を伝送するデータバスである。21はメモリの制御線とアドレス線から構成される制御バスであり、22はメモリのデータバスである。
また、8はPLL回路であり、ICKは入力水平同期信号IHDに同期したクロックである。12は発振回路であり、出力系クロックOCKを発生する。9はマイクロコンピュータ(μCOM)部であり、19はm本の、各部を制御する制御バスである。
デジタル画像信号はメモリ部5に格納される前に入力系画像処理部3で画質の調整や画像の縮小変換等の処理を行なわれ、メモリ制御部4に転送される。メモリ制御部4では入力同期信号(IHD、IVD)と入力系クロックICKに対応したタイミングでメモリ部5に画像データを格納するとともに、出力系クロックOCK、水平同期信号OHD、垂直同期信号OVDのタイミングで画像データをメモリ部5から読み出し、出力系画像処理部6にデータを転送する。画像処理部6では、画質の調整や、画像の拡大変換などが行なわれるのは図6の従来例と同様である。
図1においては、10が同期制御部であり、出力のフレームレートを決定するブロック
である。ここには、入力の同期信号IHD、IVDと出力系クロックOCKが入力し、出力系の水平同期信号OHD、垂直同期信号OVDと書込みフィールド制御信号WEと読み出しフィールド制御信号REを出力する。また、これらの制御をマイコンのバス19によりコントロールする。
図2にこの同期制御部10の回路構成例を示す。
図2において、901はOCKをカウントするHカウンタであり、902はOHDをカウントする第1のVカウンタであり、904はIHDをカウントする第2のVカウンタであり、905、906、907はカウンタ901、902、904それぞれの出力をデコードして任意のパルスを作成する第1、第2、第3のデコーダである。903と910はD入力フリップフロップ(D−FF)である。また、908および909は入力のパルスを切り換えて出力する第1および第2のスイッチ(SW1およびSW2)である。また、911は論理を反転するインバータである。また、912がIHDの、913がIVDの、914がOCKの入力端子であり、915がOHDの、916がOVDの、917がREの、918がWEの出力端子である。また、919、920がマイコンの制御バスのうち、各SWを切り換える信号線の入力端子であり、921、922、923は第1〜第3のデコーダの値を設定するためのマイコンの制御バスの入力端子である。
925、926、927は各カウンタのクロック入力端子であり、930、931、932は各カウンタのクロックのイネーブル端子であり、934、935、936は各カウンタの出力端子である。950はHカウンタのリセット端子である。また、出力端子934、935、936、937は各デコーダの入力端子にも接続しており、938、939、940は各デコーダの出力端子である。
928、929は各D−FF903、910のクロック端子であり、933はクロックのイネーブル端子、941、942はD−FFの入力端子である。また、943、944はD−FFの非反転出力端子であり、952は反転出力端子である。
947、948は第1のスイッチ908の入力端子IN1、IN2であり、949は出力端子である。940、945、946は第2のスイッチ909の入力端子IN3、IN4、IN5であり、951は出力端子である。
ここで、Hカウンタ901とデコーダ905でOCKをカウントおよびデコードしてOHDを作成し、915から出力するとともに、作成したOHDを第1のVカウンタ902とデコーダ906でカウントおよびデコードして第1のスイッチの入力端子947に結果を出力する。一方、入力したIVDはD−FF903を通過し、第1のスイッチ908の入力端子948に入力する。入力端子947と948に入力した信号は、端子919に入力されるマイコンからの制御信号により動作モードによって選択、切り換えされて、どちらか一方が端子916にOVDとして出力される。
また、D−FF903の出力はD−FF910のイネーブル端子933にも入力し、端子933にIVDが入力する度に極性が反転するメモリ書き込み信号WEを端子918に出力する。また、このメモリ書き込み信号WEとその反転論理信号とが、メモリ読み出し信号の候補信号として第2のスイッチ909の入力端子945、946に入力する。さらにIHDのカウンタ904とOHDのカウンタ902との両者の出力結果をデコーダ907でデコードして、両者の関係で定まる信号もメモリ読み出し信号の候補信号として第2のスイッチ909の入力端子940に入力し、端子920へのマイコンからの制御信号にしたがって、動作モードによってこの3入力の1つが選択されて、メモリ読み出し信号REとして端子917から出力される。
この参考例における、入力信号の周波数に対する動作モードと第1および第2のスイッチの切り換えて出力される信号との対応表を表1に、またその時のタイミングチャートを図3に示す。
表1には、入力信号の垂直周波数の範囲に対して、出力の垂直周波数が入力信号に同期しているかどうかと、ダブルバッファリングするかどうか、およびその動作を実現するための図2におけるSW1、SW2の切換出力する信号を示している。
また、図3においてA1、A2、A3、A4、A5はそれぞれ入力垂直周波数が100Hz、80Hz、75Hz、60Hz、50Hzのときの入力垂直同期信号IVDであり、A6、A7は入力周波数が80Hzのときの出力垂直同期信号と出力水平同期信号である。A8、A9は入力周波数が75Hzのときの出力垂直同期信号と出力水平同期信号である。A10、A11は入力周波数が60Hzのときの出力垂直同期信号と出力水平同期信号である。A12、A13は入力周波数が50Hzのときと100Hzのときの出力垂直同期信号と出力水平同期信号である。
本参考例では、使用頻度の高い60Hzから80Hzまでの垂直周波数の入力信号に対応して出力の垂直同期信号OVDを入力の垂直同期信号IVDに同期させるモードを、それ以外の入力信号については、入力の垂直同期信号には無関係に出力の垂直同期信号を発生させるモードを選択する構成をとっている。
このため、60Hzから80Hzまでの垂直周波数の入力信号に対応しては、ダブルバッファリングを用いず(用いてもかまわない)、入力の垂直同期と同期させる方法で動画に対して追い越し、フレームの二重化、および欠落のない画質を実現している。このとき、第1のスイッチはIN2側、第2のスイッチはIN5(IN4でも可)を選択する。
また、60Hz未満の場合は、フリッカ防止のため、SW1をIN1側としてダブルバッファリングによる動画質の改善を行ない、入力に対しては非同期とする。入力の垂直周波数が出力の周波数より低い場合は、書込みメモリ領域と反対のメモリ領域を読み出しフィールドとすればメモリ読み出し走査を書込み走査が追い越すことはないので、SW2をIN4側としている。
一方、80Hz以上では出力系の動作スピードを抑えるために、SW1をIN1側としてダブルバッファリングによる動画質の改善を行ない、入力に対しては非同期とする。入力の垂直周波数が出力の周波数より高い場合は、書込みメモリ領域と反対のメモリ領域を読み出しフィールドとしても、メモリ読み出し走査を書込み走査が追い越すことがあるので、SW2をIN3側として、入力のIHDと出力のOHDの関係から追い越しが生じないタイミングでメモリ読み出し信号を出力している。
このとき、図1の発振器(OSC)12の周波数は、出力系の最高垂直周波数であるXGA80Hzの時のクロック周波数にあわせて設計される。すなわち、1フィールド=1V期間=1S/80=12.5mSであるから、例えば、1V=(768+α)H=808Hとして1H期間=15.5μS、1H=(1024+α)CLK=1344CLKとして1CLK=11.5nSとなり、発振器12の周波数は、1/11.5nS=87MHzとなる。図3において、A2の80HzのIVDが入力した場合、その出力OVD=IVDとなり、OVDの1周期間のIHDは768+α=808個に設定される。
また、A3、A4の75Hz、60HzのIHDが入力した場合、対応するOHDであるA8、A9はIHDと同周期になり、また、OVDの1周期間のOCKおよびOHDの周期は一定に保たれるため、OVD1周期間のOHD数が比例して増加する。この768+α=808本を越える分の期間についてはブランキング期間が増加すると考えて表示部を駆動している。
一方、入力IHDが100HzのA1や50HzのA5の場合は、入力と非同期に出力の垂直周波数を設定するため、A12のOVD、A13のOHDに示すように80Hzの時と同じOVD、OHD周期でかつ、入力と非同期に自走させている。60〜80Hzという周波数は、現行のPCやWS(ワークステーション)やDTV(デジタルテレビ)等、最も広く普及している周波数帯である一方、TVからの動画の映像ソースもNTSCが60Hzのため、この範囲に入ってくるため使用頻度が非常に高く動画を最優先させる意味は高い。
一方、50Hzなど、低い周波数のフリッカ現象は、動画、静止画に関らず非常に見づらい画質劣化となる点から、ダブルバッファリングのような簡易的に動画に強い方式をとる方法で、フリッカ防止と動画画質向上を両立させている。
また、100Hzのように高い垂直周波数の信号に関しては、100MHzを超える動作速度が回路的な負担が大きいことを重視し、ダブルバッファリングのような簡易的に動画に強い方式をとる方法で、コスト削減と安定動作を動画画質向上と両立させている。特に液晶やPDPなどの表示素子は駆動電圧が10数Vから数十Vという高電圧が必要とされるため、1画素あたりの速度が高速化すると、映像信号系やドライバ回路が非常に高い動作帯域やスルーレートが必要とされる。現状においても、こうした高い速度の駆動に対しては追従できない部分を、複数に分割駆動しているが、さらなる出力系の高速化は高速な部品ヘの変更、新規部品の開発、分割数の変更などの回路変更によるコストアップばかりでなく回路の動作マージンを狭くし、安定的な動作を困難にする要因となる。また、この問題はSXGAやUXGAといった、現状よりもさらに数倍画素数の多い表示素子などを駆動する場合に、特に重要になる。将来の高画素化のためにも、コスト削減と安定動作が動画画質向上と両立できる点が重要になってくる。
本参考例のような構成をとることで、システムの全体の動作として、動画に強い構成をとり、特に使用頻度の高い垂直周波数帯で動画の問題のない動作を実現し、また、その他の垂直周波数帯では簡易的に動画に強い動作を行なうことで回路構成の簡素化、安価化を実現している。
ここでは、使用頻度の高い垂直周波数帯域以外の周波数をダブルバッファリングさせたが、ダブルバッファリングは、メモリ領域を倍必要とすること、またそのための制御回路部分が必要となるため、機能として省くことも考えられる。特定の垂直周波数帯域は入力
の垂直周波数に同期させる一方で、その帯域以外の使用頻度は低いと判断し、製品として動作はするが、動画質は改善しない単なる非同期な動作に切り換えることも安価な製品を提供する意味でひとつの選択肢である。
また、本参考例では、入力信号の垂直周波数により、出力系を入力系と同期させるか非同期とするかを選択したが、ここでは出力系を入力系と同期させるか非同期とするかを選択する回路を有することが特徴であり、切り換える基準は入力信号の垂直周波数以外にも、入力信号のフォーマットのほかの項目であったり、システムの動作モードであったり、ユーザー設定などによる場合も含んでいる。参考例2は、このような基準として、動画か静止画かを選択の基準にした例を示す。
(参考例2)
参考例1では、入力信号の垂直周波数によって出力系のV同期を入力同期信号に同期させるか非同期にするかを切り換える例を示したが、参考例2では、動作目的や用途で入力の同期信号に同期させるか非同期にするかを切り換える例を示す。図4に参考例2のブロック図を示す。
ここでは、入力系が2系統になり、メモリ制御部で合成している。これは、図5に示すように、例えば画面全体(C1)にPCのグラフや表などの出力画面を表示して、子画面部(C2)にTV電話の画像などの動画を出力するなどの、異なる入力源の合成画面を想定した回路構成である。こうした場合、両者の信号には一般的に同期関係がない。また、動画か静止画かは接続される入力源によって多種多様な組み合わせとなる。
図4において3−1は入力A系統の画像処理部であり、1−4はqビットのデジタルの画像信号の入力端子であり、1−5は入力信号の水平同期信号(IHD1)入力端子であり、1−6は入力信号の垂直同期信号(IVD1)入力端子、l−7は入力信号の同期クロック(ICK1)入力端子である。また、3−2は入力B系統の画像処理部であり、1−8はアナログの画像信号の入力端子であり、1−9は入力信号の水平同期信号(IHD2)入力端子であり、1−10は入力信号の垂直同期信号(IVD2)入力端子である。2はADコンバータであり、B系統のアナログ信号をnビットのデジタル信号に変換する。4−2はメモリ制御部、5は画像データを格納するメモリ部、6は出力系画像処理部であり、7は画像表示部である。20−5、20−6はqビットのデジタル信号のデータバスであり、20−7、20−8はnビットのデジタル信号を伝送するデータバスである。また、20−9、20−10はrビットのデジタル信号を伝送するデータバスである。21はメモリの制御線とアドレス線から構成される制御バスであり、22はメモリのデータバスである。
さらに、1−11、1−12はそれぞれ入力A系統、B系統のDDC(Display
Data Cannel)端子であり、ディスプレイの情報を入力信号源に伝える端子である。なお、DDCは、VESA(Video Electronics Standards Association)により規格化されたコンピュータ用ディスプレイとホストシステム間の通信の標準である。
また、8はPLL回路であり、ICK2は入力B系の水平同期信号IHD2に同期したクロックである。12は発振回路であり、出力系クロックOCKを発生する。9はマイクロコンピュータ(μCOM)部であり、19はm本の、各部を制御する制御バスである。
デジタル画像信号はメモリ部5に格納される前に入力系画像処理部3−1、3−2で画質の調整や画像の縮小変換等の処理を行なわれ、メモリ制御部4−2に転送される。また、入力系画像処理部3−1、3−2では動き検出も行ない、その結果をマイコンのバス19を介してマイコン9に送る。メモリ制御部4では入力同期信号(IHD1、IHD2、IVD1、IVD2)と入力系クロックICK1、ICK2に対応したタイミングでメモリ部5に画像データを格納するとともに、出力系クロックOCK、水平同期信号OHD、垂直同期信号OVDのタイミングで画像データをメモリ部5から読み出し、出力系画像処理部6にデータを転送する。画像処理部6においては、図6の従来例と同様に、画質の調整や、画像の拡大変換などが行なわれる。
図4において、10が同期制御部であり、出力のフレームレートを決定するブロックである。ここには、2系統の入力系同期信号IHD1、IVD1、IHD2、IVD2と出力系クロックOCK18が入力し、出力系の水平同期信号OHDおよび垂直同期信号OVDと、書込みフィールドの制御信号WEと、読み出しフィールド制御信号REとを出力する。また、これらの制御をマイコンのバス19によりコントロールする。
ここで、同期制御部10の動作例を表2に示す。参考例1同様、出力の垂直同期信号をスイッチを用いて、入力に同期か非同期かを切り換える。参考例1と異なるのは、入力が2系統になった点と、周波数によって同期関係を切り換えるほかに、入力源2系統の動画と静止画の状態によって同期関係を切り換える点である。
前述の入力の画像処理部3−1、3−2の動き検出の結果を受けて、マイコン部9からの制御信号により、表2のように動作モードを切り換える。一方が動画で一方が静止画の場合は、動画のほうの入力垂直同期信号にOVDを同期させる。また、2系統とも動画の場合には、IVD1とIVD2を比較し速い周期の垂直同期信号にOVDを同期させる。また、据置のTV会議システムなど、A系統がPCでB系統がTV出力などのように用途が固定している場合には、マニュアル設定でA系統のIVD1に同期させるか、B系統のIVD2に同期させるか、A、Bとも非同期にOVDを発生させるかを決定できるようにしてある。
さらに、本参考例では、DDCなどのディスプレイ側の情報をPCなどの入力信号源に伝える制御線を用いて、以下に述べる制御も行なう。すなわち、最初の状態で、一方のみが動作し、一方が接続されていない場合、例えばB系統のみが接続、動作しているとすると、同期制御部10は参考例1同様、IVD2に対してOVDを表1のような動作に設定する。
次に、後から1系統が接続される場合に(この場合A系統)、マイコンは現在のOVD周期と同じ垂直周波数の信号をA系統のDDC端子1−11を介し入力信号源に対して要求する。これを受けたA系統の入力信号源は、要求された垂直周波数の信号に設定を行ない、結果として入力の2系統とも同じ周波数となり、両方の画像が動画に対して強い出力設定にすることが可能にできる。
また、新規のA系統がDDCを受け付けない場合は、マイコン部が判断を行ない、後に接続されたA系統のIVD1に同期した設定に出力同期OVDを再設定する一方、このOVD周期と同じ垂直周波数の信号をB系統のDDC端子1−12を介してB系統の入力信号源に対して要求する。これを受けたB系統の入力信号源は、要求された垂直周波数の信号に再設定を行ない、入力の2系統が同じ周波数に設定される。
このような構成をとることで、複数の異なる周期の入力信号が混在するシステムにおいても、出力系の構成は1系統のクロックで動作させながら、動画に強い構成を簡単で安価な回路構成で実現することができる。
(実施例1)
図21は本発明を適用したディスプレイの第1の実施例として、1系統はデジタルのコンピュータ画像信号の入力であり、もう1系統はアナログのコンピュータ画像信号の入力である2系統のPC入力を有し、フレームメモリの出力を制御して合成を行ない、1系統の画像表示部に2画面のマルチ画面表示を行なう画像表示装置の画像処理部のブロック図を示す。
同図において、1−1aは1系統目のqビットのデジタルのコンピュータ画像信号(IDATA1)の入力端子である。ここでは、本来、赤、青、緑(RGB)の3系統あるはずであるが、構成の説明を簡単にするため、1系統で示している(以下同様)。1−1bは入力信号の水平同期信号(IHD1)入力端子であり、1−1cは入力信号の垂直同期信号(IVD1)入力端子である。1−1dは画像信号のクロック(ICK1)入力端子であり、1−1eはDDC信号(DDC1)の入出力端子である。20−1a−1、20−1a−2は各部へqビットのデジタルの画像信号を伝送するデータバスである。また、20−1b、20−1c、20−1d、20−1eは、それぞれ、IHD1、IVD1、ICK1、DDC1の信号線である。
1−2aは2系統めのアナログのコンピュータ画像信号(IDATA2)の入力端子である。1−2bは入力信号の水平同期信号(IHD2)入力端子であり、1−2cは入力信号の垂直同期信号(IVD2)入力端子である。1−2eはDDC信号(DDC2)の入出力端子である。
2はADコンバータであり、アナログの画像信号(IDATA2)をnビットのデジタル信号に変換する。また、8はPLL(Phase Locked Loop)回路であり、1−2bから入力した水平同期信号(IHD2)に同期したPC2側の入力系のクロック(ICK2)を発生する。
20−2a−0はアナログの信号線であり、20−2a−1、20−2a−2はnビットのデジタルの信号線である。また、20−2b、20−2c、20−2d、20−2eは、それぞれ、IHD2、IVD2、ICK2、DDC2の信号線である。
3−1はPC1の入力系の画像処理部1であり、3−2はPC2の入力系の画像処理部2処理部である。
10−3が画像比較部であり、20−REF−1、20−REF−2が、入力系画像処理部1および入力系画像処理部2から出力される画像信号から比較用に抽出された比較信号の信号線である。
4は2系統の入力画像処理部から入力された画像信号を、一旦メモリに記憶し、マルチ画面として出力するために画像を合成して、出力系の画像処理部に出力する制御を行なうメモリ制御部である。5−1、5−2は入力系PC1、PC2にそれぞれ対応したフレームメモリ(メモリA、メモリB)である。21−1、21−2はそれぞれメモリA、Bの制御バスであり、22−1、22−2はそれぞれメモリA、Bのデータバスである。
6は出力系の画像処理部であり、また、7は液晶やプラズマディスプレイ、CRTなどの画像表示部である。
1−fは画像表示部のデジタルデータ(ODATA)の画像表示部の入力端子であり、1−gは出力信号の水平同期信号(OHD)の画像表示部の入力端子であり、1−hは出力信号の垂直同期信号(OVD)の画像表示部の入力端子である。1−iは、出力画像信号のクロック(OCK)の画像表示部の入力端子であり、1−jは、マイコンバス(MB)の画像表示部の入力端子である。また、1−sは、画像表示部に対するDDC信号(DDC3)の入出力端子であり、20−s−1、20−s−2はこのDDC3の信号線である。20−f−1、20−f−2、20−f−3はkビットのデジタルの画像データ(ODATA)の信号線である。
12は発振回路であり、出力系のクロック(OCK)を発生する。20−i−1、20−i−2はOCKの信号線である。
10−2が同期制御部であり、20−WE−1はメモリAの書込みフィールドの制御信号WE―A、20−RE−1はメモリAの読み出しフィールド制御信号RE−A、20−WE−2はメモリBの書込みフィールドの制御信号WE―B、20−RE−2はメモリBの読み出しフィールド制御信号RE−Bである。また、20−g−1、20−g−2は出力系の水平同期信号(OHD)の信号線である。20−h−1、20−h−2は出力系の垂直同期信号(OVD)の信号線である。
9はシステムを制御するマイコン部であり、19−1および19−2はマイコンから各部への制御線およびデータ線からなるマイコンバス(MB)である。
画像の入力端子1−1aから入力したデジタル画像信号は、5−1のメモリ部Aに格納される前に3−1の入力系画像処理部1で画質の調整や画像の縮小変換等の処理を行なわれてから、4のメモリ制御部に転送される。また、入力系画像処理部1から画質を比較するための信号が、マイコンで選択されて画像比較部に送出される。
また、画像の入力端子1−2aから入力したアナログ画像信号は、PLL回路8で作成されたクロックに同期して、ADコンバータ2でデジタルデータに変換される。こうして得られたデジタル画像信号は、5−2のメモリ部Bに格納される前に3−2の入力系画像処理部2で画質の調整や画像の縮小変換等の処理を行なわれてから、4のメモリ制御部に転送される。
また、入力系画像処理部2から画質を比較するための信号が、マイコンで選択されて画像比較部に送出される。
4のメモリ制御部では、IDATA1からの信号を、入力同期信号(IHD1、IVD1)と入力系クロックICK1に対応したタイミングで5−1のメモリ部Aに画像データを格納するとともに、IDATA2からデジタルに変換された信号を、入力同期信号(IHD2、IVD2)と入力系クロックICK2に対応したタイミングで5−2のメモリ部Bに画像データを格納する。
本実施例では、このメモリ部A、メモリ部Bの双方ともダブルバッファリング可能なメモリ領域を確保し、同期制御部のメモリ書き込み信号と読み出し信号(20−WE−1、20−WE−2、20−RE−1、20−RE−2)で書き込みメモリ領域および読み出しメモリ領域を切替え制御する。
さらに、出力系のクロックOCKと同期制御部からの水平同期信号OHD、垂直同期信号OVDに同期して所定の画像の大きさ、表示位置の関係に合ったタイミングで2つの画像データを5−1と5−2のメモリ部から読み出して、6の出力系画像部にデータを転送する。
6の画像処理部では、画質の調整や、画像の拡大変換などが行なわれる。最後に画像表示部にこれらの画像データと同期信号、クロックが伝送され画像表示が行なわれる。
本実施例においては、10−2の同期制御部において、出力として選択されたフレームレートにあわせて、出力の同期信号とメモリ制御信号を作成、選択切替えを行なう。ここには、入力の同期信号IHD1、IHD2およびIVD1、IVD2と出力系のクロックOCKが入力し、出力系の水平同期信号OHD(20−g−1)、垂直同期信号OVD(20−h−1)とメモリAの書込みフィールドの制御信号WE―A(20−WE−1)と読み出しフィールド制御信号RE―A(20−RE−1)およびメモリBの書込みフィールドの制御信号WE―B(20−WE−2)と読み出しフィールド制御信号RE―B(20−RE−2)を出力する。また、これらの制御をマイコンのバス19−1によりコントロールする。
また、本実施例においては、10−3の画像比較部において、各入力系の画質の比較を行ない、マイコンが出力系と各入力系の画質制御を行なうための情報の出力を行なう。入力系画像処理部1および入力系画像処理部2から出力される画像信号から比較用に抽出された比較信号20−REF−1、20−REF−2から得られた比較情報の演算結果がマイコンバス19−1を経由してマイコンに伝達される。
本実施例において、マイコン部では各入力系の同期信号IHD1、IHD2、IVD1、IVD2が入力され、同期信号による各入力信号の動作タイミングの比較を行なうことに加えて、DDC3やほかの通信経路、初期情報で与えられる表示部の特性や条件とも加味した比較を行ない、システムの動作タイミングを決定して同期制御部を制御するとともに、DDC1、DDC2を介して入力信号源の動作タイミングの制御も行なう。また、画質については、画像比較部から得られる各入力系の画質特性の比較結果に加えて、DDC3や他の通信経路、初期情報等で与えられる表示部の特性や条件との比較を行ない、内部の各画像処理部(入力系画像処理部1、入力系画像処理部2、出力系画像処理部)を制御するとともに、DDC1、DDC2を介して入力信号源の画質制御を行なう。
これにより、複数の入力系の様々なフォーマットと画質特性の入力画像を1画面上に合成してマルチ画面表示を行なう際に、各入力系と出力表示部の画質や動画の特性に応じて、システム全体の動作タイミングと画質が最適化される。
図22にこの同期制御部10−2の回路構成例を示す。
図22において、901はOCKをカウントするHカウンタであり、902はOHDをカウントする第1のVカウンタであり、904−1はIHD1をカウントする第2のVカウンタである。904−2はIHD2をカウントする第3のVカウンタである。
903−1、903−2と910−1、910−2、957−1、957−2はD入力
フリップフロップ(DFF)であり、905、906、907−1、907−2はそれぞれのカウンタ出力をデコードして任意のパルスを作成する第1、第2、第3、第4のデコーダである。また、908、909−1、909−2は入力のパルスを切り換えて出力する第1(SW1)、第2(SW2−1)、第3(SW2−2)のスイッチである。また、911−1、911−2は論理を反転するインバータである。
また、912−1、912−2がIHD1、IHD2の、913−1、913−2がIVD1、IVD2の、914がOCKの入力端子であり、915がOHDの、916がOVDの、917−1、917−2がRE−A、RE−Bの、918−1、918−2がWE−A、WE−Bの出力端子である。また、919、920−1、920−2がマイコンの制御バスのうち、第1〜第3の各SWを切り換える信号線の入力端子であり、921、922、923−1、923−2は第1〜第4のデコーダの値を設定するためのマイコンの制御バスの入力端子である。
また、925、926、927−1、927−2は各カウンタのクロック入力端子であり、930、931、932−1、932−2は各カウンタのクロックのイネーブル端子であり、934、935、936−1、936−2は各カウンタの出力端子である。950はHカウンタのリセット端子である。また、各カウンタの出力端子934、935、936−1、936−2は各デコーダの入力端子953、954、955−1、955−2、956−1、956−2、937−1、937−2にも接続しており、938、939、940−1、940−2は各デコーダの出力端子である。
また、928−1、928−2、929−1、929−2、958−1、958−2は各DFFのクロック端子であり、933−1、933−2、959−1、959−2はクロックのイネーブル端子、941−1、941−2、942−1、942−2、960−1、960−2はD入力端子である。また、943−1、943−2、944−1、944−2、961−1、961−2はDFFの出力端子であり、952−1、952−2は反転出力端子である。
947、948−1、948−2は第1のスイッチ908の入力端子IN1、IN2−1、IN2−2であり、949は出力端子である。962−1、945−1、946−1は第2のスイッチ(SW2−1)909−1の入力端子IN3−1、IN4−1、IN5−1であり、951−1は出力端子である。962−2、945−2、946−2は第3のスイッチ(SW2−2)909−2の入力端子IN3−2、IN4−2、IN5−2であり、951−2は出力端子である。
Hカウンタ901とデコーダ905でOCKをカウント、デコードしてOHDを作成し、端子915から出力するとともに、作成したOHDを第1のVカウンタ902とデコーダ906でカウント、デコードして第1のスイッチの入力端子947に結果を出力する。
一方、入力したIVD1はDFF903−1を通過し、第1のスイッチの入力端子948−1に入力する。また、入力したIVD2はDFF903−2を通過し、第1のスイッチの入力端子948−2に入力する。入力端子947と948−1、948−2に入力した信号は、端子919のマイコンからの制御信号により動作モードによって選択、切り換えられて、どれか一つが端子916にOVDとして出力される。
また、DFF903−1の出力はDFF910−1のイネーブル端子933−1にも入力し、端子933−1にIVD1が入力する度に極性が反転するメモリ書き込み信号WE―Aを端子918−1に出力する。また、DFF903−2の出力はDFF910−2のイネーブル端子933−2にも入力し、端子933−2にIVD2が入力する度に極性が反転するメモリ書き込み信号WE―Bを端子918−2に出力する。
また、このメモリ書き込み信号WE―Aとその反転論理信号とが、メモリ読み出し信号の候補信号として第2のスイッチ(SW2−1)909−1の入力端子945−1、946−1に入力する。さらにIHD1のカウンタ904−1出力とIHD2のカウンタ904−2出力とOHDのカウンタ902出力の3者の値を、マイコンからの制御信号923−1で定まる関係でデコードしたデコーダ907−1の出力端子940−1からの信号も、メモリ読み出し信号の候補信号として第2のスイッチ(SW2−1)909−1の入力端子962−1に入力し、端子920−1のマイコンからの制御信号にしたがって、動作モードによってこの3入力のうち一つが選択される。この結果をOVDのタイミングでDFF957−1でラッチを行ない、メモリ読み出し信号RE―Aとして端子917−1から出力する。
さらに、メモリ書き込み信号WE―Bとその反転論理信号とが、メモリ読み出し信号の候補信号として第3のスイッチ(SW2−2)909−2の入力端子945−2、946−2に入力する。さらにIHD1のカウンタ904−1出力とIHD2のカウンタ904−2出力とOHDのカウンタ902の3者の値を、マイコンからの制御信号923−2で定まる関係でデコードしたデコーダ907−2の出力端子940−2からの信号も、メモリ読み出し信号の候補信号として第3のスイッチ(SW2−2)909−2の入力端子962−2に入力し、端子920−2のマイコンからの制御信号にしたがって、動作モードによってこの3入力のうち一つが選択される。この結果をOVDのタイミングでDFF957−2でラッチを行ない、メモリ読み出し信号RE―Bとして端子917−2から出力する。
この実施例における、入力信号の周波数に対する動作モードと各スイッチを切り換えて出力される信号との対応表を表3に示す。またその時のタイミングチャートは、前掲の図3と同様になる。
表3には、2系統の入力信号の垂直同期信号(IVD1、IVD2)の周波数fIN1
、fIN2の範囲に対して、出力の垂直周波数をいずれの入力信号に同期させるかどうかと、ダブルバッファリングするかどうか、およびその動作を実現するための図21におけるSW1、SW2−1、SW2−2の切換出力する信号を示している。
また、図3においてA1、A2、A3、A4、A5はそれぞれ入力垂直周波数が100Hz、80Hz、75Hz、60Hz、50Hzのときの入力垂直同期信号IVD(IVD1やIVD2)であり、A6、A7は入力周波数が80Hzのときの出力垂直同期信号(OVD)と出力水平同期信号(OHD)である。A8、A9は入力周波数が75Hzのときの出力垂直同期信号(OVD)と出力水平同期信号(OHD)である。A10、A11は入力周波数が60Hzのときの出力垂直同期信号(OVD)と出力水平同期信号(OHD)である。A12、A13は入力周波数が50Hzのときと100Hzのときの出力垂直同期信号(OVD)と出力水平同期信号(OHD)である。
本実施例では、使用頻度の高い60Hzから80Hzまでの垂直周波数の入力信号に対しては、出力の垂直同期信号OVDを入力の垂直同期信号IVD1やIVD2に同期させるモードとして、動画に強い画像を表示させる。また、IVD1とIVD2がともに使用頻度の高い60Hzから80Hzまでの垂直周波数の場合は、入力画像の性質をマイコンで判断したり(例えば、動画、静止画判別を、図21の10−3の画像比較部で行なう)、ユーザーの設定で選択したり、表示画面上での各入力画像の表示面積の割合に応じたり、画面上に複数のウインドウ画面が開いているときに、最も前面側の画面を選択するなどで、2系統のうちいずれの入力を優先して同期を合わせるかを選択している。
したがって、60Hzから80Hzまでの垂直周波数の入力信号に対応しては、ダブルバッファリングを用いる必要はなく(用いてもかまわない)、入力の垂直同期と同期させる方法で動画に対して追い越し、フレームの二重化、欠落のない画質を実現している。IVD1と同期を取る場合(表3の(4)、(5)、(6)、(9))、SW1はIN2−1側、同期を合わせる系統のスイッチSW2−1はIN5−1を選択する。IVD2と同期を取る場合(表3の(2)、(7)、(8)、(11))、SW1はIN2−2側、同期を合わせる系統のスイッチSW2−2はIN5−2を選択する。
また、入力の垂直周波数が60Hz未満の場合(IVD1にとっては表3の(1)〜(3)、IVD2にとっては(1)、(4)、(10))は、フリッカ防止のため、SW1をIN1側としてダブルバッファリングによる動画質の改善を行ない、出力は80Hz一定で出力して、入力に対しては非同期とする。入力の垂直周波数が出力の周波数より低い場合は、書込みメモリ領域と反対のメモリ領域を読み出しフィールドとすればメモリ読み出し走査を書込み走査が追い越すことはないので、SW2(SW2−1もしくはSW2−2)をIN4(IN4−1もしくはIN4−2)側としている。
一方、入力の垂直周波数IVD(IVD1、IVD2)が80Hz以上(IVD1にとっては表3の(10)〜(12)、IVD2にとっては(3)、(9)、(12))では、出力系の動作スピードを抑えるために、SW1をIN1側としてダブルバッファリングによる動画質の改善を行ない、出力は80Hz一定で出力して、入力に対しては非同期とする。入力の垂直周波数が出力の周波数より高い場合は、書込みメモリ領域と反対のメモリ領域を読み出しフィールドとしても、メモリ読み出し走査を書込み走査が追い越すことがあるので、SW2(SW2−1もしくはSW2−2)をIN3(IN3−1もしくはIN3−2)側として、入力のIVD1、IVD2と出力のOVDの関係から追い越しが生じないタイミングでメモリ読み出し信号を出力する。
また、IVD1とIVD2がともに使用頻度の高い60Hzから80Hzまでの垂直周波数の場合に、出力と同期しないモードに選択された系では、出力系と比べて入力の垂直
周波数が低い場合は、書込みメモリ領域と反対のメモリ領域を読み出しフィールドとすればメモリ読み出し走査を書込み走査が追い越すことはないので、SW2(SW2−1もしくはSW2−2)をIN4(IN4−1もしくはIN4−2)側とする。逆に、出力系と比べて入力の垂直周波数が高い場合は、書込みメモリ領域と反対のメモリ領域を読み出しフィールドとしてもメモリ読み出し走査を書込み走査が追い越すことがあるので、SW2(SW2−1もしくはSW2−2)をIN3(IN3−1もしくはIN3−2)側として、入力のIVD1、IVD2と出力のOVDの関係から追い越しが生じないタイミングでメモリ読み出し信号を出力する。
このとき、図21の発振器OSC12の周波数は、出力系の最高垂直周波数であるXGA80Hzの時のクロック周波数にあわせて設計される(例えば87MHz、1フィールド=1V期間=12.5mS、1V=(768+α)H=808Hとして1H期間=15.5μS、1H=(1024+α)CLK=1344CLKとして1CLK=11.5nS)。
図3において、A2の80HzのIVDが入力した場合、その出力OVD=IVDとなり、その間のIHDは768+α=808本に設定される。
また、A3、A4の75Hz、60HzのIHDが入力した場合、対応するOHDであるA8、A9はIHDと同周期になり、また、その間のOCKおよびOHDの周期は一定に保たれるため、OVD間のOHD数が比例して増加する。この768+α=808本を越える分の期間についてはブランキング期間が増加すると考えて表示部7を駆動している。
一方、入力IHDが100HzのA1や50HzのA5の場合は、入力と非同期に出力の垂直周波数を設定するため、A12のOVD、A13のOHDに示すように80Hzの時と同じOVD、OHD周期でかつ、入力と非同期に自走させている。
図23〜図26を用いて、具体的な動作例を示す。図23〜図26において、(a)は入力系統1の垂直同期信号IVD1であり、(b)は図22の回路で作成したメモリAの書き込み信号WE−Aであり、(c)は入力系統2の垂直同期信号IVD2であり、(d)は図22の回路で作成したメモリBの書き込み信号WE−Bであり、(e)は図22の回路で作成した出力の垂直同期信号OVDであり、(f)は図22の回路で作成したメモリAの読み出し信号RE−Aであり、(g)は図22の回路で作成したメモリBの読み出し信号RE−Bである。また、Ta1からTa9は出力の垂直同期信号のLOWレベルからHIGHレベルへの立ち上がりのタイミングを示しており、図22の回路はこのタイミングでWE−AおよびWE−Bの信号極性を保持することで、RE−AおよびRE−Bの信号極性を決定している。
まず、図23は本実施例での最適化が行なわれる前の状態を示している。例えば、電源投入時や入力系統1と2(PC1入力とPC2入力)からの信号が伝送される直前である。まず、本画像表示装置の画像表示部として動作範囲が50Hzから85Hzの範囲にあり、かつ推奨される動作タイミングが75Hzの垂直周波数の表示部を接続したとすると、出力としてOVDは、まず75Hzに設定されている。また、この直後に、IVD1として、50Hzの垂直周波数の信号とIVD2として60Hzの垂直周波数の信号がそれぞれ入力されたときを示している。この状態では、まだ本回路で最適化は行なわれておらず、それぞれの周波数に応じてメモリが駆動されて、ダブルバッファによる表示が行なわれている。
次に、図24は第一段階として入力系統2の60Hzを動画表示上優先すると判断した場合の動作を示している。この選択としては、例えば図21のマイコンに入力する同期信号IHD1、IHD2、IVD1、IVD2からマイコン部が2系統の入力信号の同期判別を行ない、解像度と垂直周波数を判定した結果を表3のように、マイコン部内に持つテーブルを参照して表3の(2)の動作を選択する。あるいは、図21の画像比較部10−3において、IVD2の系統がNTSCなどのTV系のインターレース信号をPC用にノンインターレース化した動画であり、IVD1の系統が静止画であるという判別を行なった場合も同様の決定がされる。図22のSW1、SW2−1、SW2−2はそれぞれIN2−2、IN4−1、IN5−2が選択される。これにより、図24の(e)に示すように、出力の垂直同期信号OVDはIVD2と同期が合わせ込まれる。これにより、IVD2の系の動画質は確保され、ダブルバッファリングの欠点であるフレームの二重化やフレームの抜けが発生しないスムーズな画面が実現される。また、IVD1の系は50Hzから60Hzに変換されるため表示部においてフリッカによる画質劣化を避けることができている。
さらに、図25に第二段階として、IVD1の入力系統も動画の映像ソースを送出してきたことを図21の画像比較部10−3で検出して、マイコン部がIVD1の入力系の動画質を改善すべきと判断した場合や、システムの設定で常に動画質を各系統とも最善の状態に設定するようにマイコン部のソフトウエアが設計されている場合の例を示す。図21のマイコン部9はDDC1を介してIVD1の入力信号源に対して、垂直周波数を50Hzから60Hzに変更するよう要求し、IVD1の入力信号源は垂直周波数を60Hzに設定を変更する。これにより、IVD1はIVD2やOVDとは位相は一致していないが、周波数は一致するため、ダブルバッファリングをしていても、フレームの二重化やフレームの抜けが発生しないスムーズな画面が実現される。これにより、2系統とも動画質の最適化された表示装置が実現される。
さらに、図26に第三段階として、画像表示部を変更した場合を示す。例えば、従来リア型のプロジェクションディスプレイを用いていたシステムをプラズマディスプレイに置き換えたり、古い型のディスプレイを新しい型に置き換えたりして、動作範囲が50Hzから85Hzまで可変できるタイプのディスプレイから、動作範囲が70Hzから100Hzのディスプレイに変更した場合が考えられる。
このとき、図21のシステムのマイコン部はDDC3を介して新たに接続されたディスプレイの動作範囲から、60Hzでは動作しないものであることを検知して、出力系の動作周波数を70Hz以上に変更しようとする。また、マイコン部は、DDCや入力画質の情報から、特にIVD1の系よりもIVD2の系の動画質を優先させるべきと判断する。そこで、本実施例のマイコン部は、もとのIVD2の垂直周波数の周期(画面の更新周期)に近く、また周期の比が整数対整数の比になるような新しい垂直周波数の候補を出力可能な周波数の範囲から選択するとともに(例えば、75Hzを選択する。もとの60Hzとの周期の比はT(60Hz):T(75Hz)=5:4)、IVD2系のDDC通信を介してIVD2の系が60Hzの次に最適な周波数としてその垂直周波数で動作可能かを調べる。IVD2側が動作可能であれば、新しく選択された垂直周波数75HzにIVD2の系の動作周波数が設定されるとともに、画像表示部の垂直周波数も、IVD2の垂直同期信号に同期した75Hzに設定される。再び、図22のSW1、SW2−1、SW2−2はそれぞれIN2−2、IN4−1、IN5−2が選択される。これにより、図26に示すように、出力の垂直同期信号OVDはIVD2と同期が合わせ込まれる。また、これに伴ない、IVD1の系も動画質を良くするために、DDC1を介して75Hzに動作周波数を設定し直される。これにより、入力系、出力系ともに75Hzに動作を変更される。
実施例の中で述べたように、60〜80Hzという周波数は、現行のPCやWS(ワークステーション)やDTV(デジタルテレビ)等、最も広く普及している周波数帯である一方、TVからの動画の映像ソースもNTSCが60Hzのため、この範囲に入ってくるので使用頻度が非常に高く、動画を最優先させる意味は高い。
一方、50Hzなど、低い周波数のフリッカ現象は、動画、静止画に関らず非常に見づらい画質劣化となる点から、ダブルバッファリングのような簡易的に動画に強い方式をとる方法で、フリッカ防止と動画画質向上を両立させている。
また、100Hzのように高い垂直周波数の信号に関しては、100MHzを超える動作速度が回路的な負担が大きいことを重視し、ダブルバッファリングのような簡易的に動画に強い方式をとる方法で、コスト削減と安定動作を動画画質向上と両立させている。特に液晶やPDPなどの表示素子は駆動電圧が10数Vから数十Vという高電圧が必要とされるため、1画素あたりの速度が高速化すると、映像信号系やドライバ回路が非常に高い帯域やスルーレートが必要とされる。現状においても、こうした高い速度の駆動に対しては追従できない部分を、複数に分割駆動しているが、更なる出力系の高速化は高速な部品への変更、新規部品の開発、分割数の変更などの回路変更によるコストアップばかりでなく、回路の動作マージンを狭くし、安定的な動作を困難にする要因となる。また、この問題はSXGAやUXGAといった、現状よりも更に数倍画素数の多い表示素子などを駆動する場合に、特に重要になる。将来の高画素化のためにも、コスト削減と安定動作が動画画質向上と両立できる点が重要になってくる。
さらに、このような垂直周波数の最適化を図る際に、出力の垂直同期が完全に一致できるのは、複数の系統のうち一つしかないため、複数系統の入力画像のどれを優先して垂直同期を一致させて動画質を確保するかの選択を可能にしたことで、複数系統のなかで動画質を重視する入力系統が、アプリケーションソフトや番組などにより変化した場合も、安価でありながら、柔軟に対応できるシステムが構築できる。
また、選択された出力同期周波数に対して、同期していない入力系統に対して、DDC等を介して入力信号源に対して入力周波数の変更を要求し、出力周波数と一致した周波数に変更することにより、複数画面の入力系とも動画質が最適に表示されるため、デジタルTVやPCのグラフィックゲームソフト、デジタルビデオ等、さまざまな動画ソースが表示されるマルチ画面の表示装置において、安価でありながら、動画質を十分満たせる機器を提供できる。
また、画像表示部が異なるタイプのディスプレイに変わったことにより(例えばリア型のプロジェクションディスプレイからプラズマディスプレイなど)、対応可能な動作周波数の帯域が変化した場合も、DDCやその他の通信を介して得られる画像表示部の特性の情報を受けて、内部の出力周波数の選択範囲や選択方法を変更するのに加えて、DDCを介して複数の入力信号系に要求する内容も変更をかける構成にしたことで、安価でありながら、将来的なシステムの変更やシステムの拡張に対しても柔軟で、かつ動画質の最適な機器が実現できる。
本実施例では、複数の入力に接続される機器からの通信手段として、DDC(DDC1、DDC2)を、また出力する画像表示装置との通信手段としてDDC(DDC3)を示しているが、これはVESAの標準(現在DDCver.3.0 1997.12.15発行)が、現在ディスプレイの情報をPCに通信する手段として最も普及しているため、例示してあるだけであり、USBやIEEE1394、従来のシリアル通信、パラレル通信手段など画像処理機器間で情報を通信できる手段であれば任意のものでよい。特にVESAの標準に関しては、逐次改定されているが、現在のところ、本発明のような複数のホスト機器(信号発生器やPC)と表示機器の接続は前提とされておらず、アドレス間の調
停などの観念もない。また、通信時期もホスト(PC)側の起動時に限られているため、このままでは本発明に利用できない。本実施例では、通信手段の実現方法の例として、通信線の形態をDDCと同じI2Cの2線式シリアルバスを3系統DDC1,DDC2,DDC3用意して、データ形式(フォーマット)もDDCの用いている標準EDID(現在EDIDver.3.0 1997.11.13発行)などに準じた形式にしている。これにより、複数の入力機器はホストとして、本実施例の画像処理装置をディスプレイとして扱いDDC情報を通信する。また、本実施例の画像処理装置は、接続される表示装置には、自身がホストとして表示装置をディスプレイとして扱い、DDC情報を通信する。これらの複数の入力機器と表示装置のアドレス間の調停やホスト役の切替えは、本来のDDCでは規定されていないので、本実施例の図21のマイコン9が制御する。また、ホストの起動時のみではなく、機器の接続切替え時にも通信を行なえるような検出と制御も、DDCでは規定されていないので、本実施例の図21のマイコン9で対応する。このようにして、本発明を実現している。他の実施例においても同様である。
ここでは、使用頻度の高い垂直周波数帯域を同期を一致させ、それ以外の周波数をダブルバッファリングさせたが、ダブルバッファリングは、メモリ領域を倍必要とすること、またそのための制御回路部分が必要となるため、入力系統数が多くなると高価になるため、機能として省くことも考えられる。特定の垂直周波数帯域のみ同期を一致させる方法やダブルブァッファする方法をとる一方で、その帯域以外の使用頻度は低いと判断し、動画質は改善しない単なる非同期な動作に切り換えることを行ない、複数の入力系のうち動画を優先する系統のみ選択切り替えて動画質を確保する方法も安価な製品を提供する意味で本実施例の一つの形態である。
また、本実施例では、入力信号の垂直周波数により、出力系を入力系と同期させるか非同期とするかを選択したが、本実施形態は複数の入力系の動作モードや画質特性から最適な出力系の動作モードや画質特性を選択する回路を有すること、および表示部を含む出力系の動作モードや画質特性と複数の入力系の動作モードや画質特性から、システム全体の動作モードや画質特性を決定する回路を有すること、またその決定にしたがって任意の入力系の動作モードや画質特性の変更を要求する回路を有することが特徴であり、切り換える基準は入力信号の垂直周波数以外にも、入力信号のフォーマットの他の項目でや、入力画像から抽出した画像情報、入力画像の信号の内容、システムの動作モード、画面の表示割合や配置条件、ユーザー設定、省電力モードなどによる場合も含んでいる。
また、切り替える対象として、本実施例は動画質に着目して垂直周波数を例示したが、他の画質特性に対しても、入力信号のフォーマットの他の項目、例えば解像度や画像の表示位置、画像の大きさ、色相、色度、ホワイトバランス、明るさ(ブライト)、明暗(コントラスト)、階調性(ガンマ特性)、ダイナミックレンジ等に関しても、同様である。
第2の実施例において、この例の一つとして階調性の例を示す。
(実施例2)
第1の実施例と同じ図21を用いて、第2の実施例を示す。ここで、図21における各部の構成および動作は第1の実施例と同じである。
本実施例においては、10−3の画像比較部において、各入力系の画質の比較を行ない、マイコンが出力系と各入力系の画質制御を行なうための情報の出力を行なう。入力系画像処理部1および入力系画像処理部2から出力される画像信号から比較用に抽出された比較信号20−REF−1、20−REF−2から得られた比較情報の演算結果がマイコンバス19−1を経由してマイコンに伝達される。
本実施例において、画像比較部から得られる各入力系の画質特性の比較結果に加えて、DDC3やほかの通信経路、初期情報等で与えられる表示部の特性や条件との比較を行ない、内部の各画像処理部(入力系画像処理部1、入力系画像処理部2、出力系画像処理部)を制御するとともに、DDC1、DDC2を介して入力信号源の画質制御を行なう。
ここで、本実施例での画質の主要な調整部は出力系画像処理部6に存在し、入力画像処理部3−1、3−2の画質調整部は補助的に存在する。これは、画像のビット誤差の増大を避けるためであり、画質を優先する系は入力の画像処理部の画質調整部をバイパスする構成として、出力系の調整部のみにより、画像表示部に適した特性に変換される。また、もう一方の系は、補助的に入力画像処理部の画質調整も行ない、優先した系と同様の画質になるように調整される。あるいは、優先しない方の系は、入力画像処理部での画質調整を行なうかわりに、DDCを介して入力信号源に、入力信号の画質を変更する要求を出すことで、優先した系と同様の画質になるように調整される。
これにより、複数の入力系の様々な画質特性の入力画像を1画面上に合成してマルチ画面表示を行なう際に、各入力系と出力表示部の画質特性に応じて、システム全体の画質が最適化される。
図27から図29を用いて、本実施例の動作を説明する。
図27は、本実施例による画質の最適化が行なわれる第一段階の状態を示している。このとき、表示部の表示特性は図15の15−1である。図27において、16−1A、16−1Bは2系統の入力IDATA1およびIDATA2から入力する信号レベルを示し、16−3A、16−3Bは出力画像処理部6の通過後の各信号レベルをあらわす。また、16−4A、16−4Bはこのときの表示部の輝度レベルを示す。
第一段階として、マイコン部は、入力系画像処理部1(3−1)と入力系画像処理部2(3−2)からの画質情報(20−REF−1、20−REF−2)を比較して得られた画像比較部(10−3)の結果と、DDC3経由や、あらかじめマイコン部付随のメモリ上に記憶されたテーブル等から得られる画像表示部の入出力特性から、画質を優先する入力系を決定する。ここでは、入力系2(IDATA2)を優先させると判断している。ここで、従来例と異なり、優先する系の入力信号の表示部に対する特性の変換は、入力系の画質処理部ではなく出力系の画質処理部で一括して行なわれる。変換係数は、あらかじめマイコン上で入力系2の特性と出力系の特性を合成して出力系画像処理部に適用することにより、デジタル処理の通過回数を半分にして、ビット誤差を少なくしている。また、このとき入力系1の画像に対しても同じ合成した変換係数が適用されるため、16−3Aのように、入力系1の画質の最適化は行なわれていない。
次に、第2段階として、マイコン部は優先しない入力1の系に対しても、画質の最適化を行なった様子を図28に示す。図28において、16−1A、16−1Bは2系統の入力IDATA1およびIDATA2から入力する各信号レベルを示し、16−2A、16−2Bは入力画像処理部1(3−1)と入力系画像処理部2(3−2)の通過後の各信号レベルを示す。16−3A、16−3Bは出力画像処理部6の通過後の各信号レベルをあらわす。また、16−4A、16−4Bは、このときの表示部の輝度レベルを示す。
第一段階で調整されたIDATA2の系(16−1B〜16−4B)に対して、第二段階ではIDATA1の系を調整する。このとき、出力画像処理部6の変換特性は入力2(IDATA2)で決定されているので、この特性に対する、入力1(IDATA1)の入力補正の差分を入力画像処理部1(3−1)に適用する。この結果、入力画像処理部1(3−1)通過後の信号レベル16−2Aは、入力画像処理部2(3−2)通過後の信号レベル16−2Bにほぼ等しくなり、出力画像処理部上では、16−3Bとほぼ同じ信号レベル16−3Aで出力され、また、16−4Bとほぼ同じ輝度レベル16−4Aで表示が行なわれる。
このように、優先しない系に対しては、ビット誤差は大きくなるものの、優先した系と同様の特性に調整を行なうことができる。
さらに、第三段階として、図15の15−2の特性のものに画像表示部7を変更した場合を図29に示す。図29において、16−1A、16−1Bは2系統の入力IDATA1およびIDATA2から入力する各信号レベルを示し、16−3A、16−3Bは出力画像処理部6の通過後の各信号レベルをあらわす。また、16−4A、16−4Bは、このときの表示部の輝度レベルを示す。
画像表示部の変更に伴ない、マイコン部は、DDC3経由や、あらかじめマイコン部付随のメモリ上に記憶されたテーブル等から得られる変更後の画像表示部の出力特性を読み込み直す。この情報と、各入力系の画質情報から画質を優先する入力系を再度決定する。
ここでは、再び入力2(IDATA2)を優先すると判断したとする。変換係数は、マイコン上で入力系2の特性と新しい出力系の特性を合成して出力系画像処理部に適用され、16−3Bが出力される。この結果、画像表示部の表示特性に最適化が行なわれた輝度レベルが選られる(16−4B)。また、第三段階では、さらに、入力系1に対しても画質のビット誤差を少なくするため、第二段階のような入力系1に対しての入力信号処理部での変換を行なわず、DDC1を介して入力信号源1に対して、信号振幅とレベルを入力信号源2に一致させるように要求を出して、16−1Aのように入力系1の入力信号の特性を、16−1Bの入力系2の入力信号の特性に等しくなるようにする。入力信号の段階で二つの入力系の信号レベルを一致させることにより、両方の系ともデジタル処理の通過回数を半分にして、ビット誤差を少なくしている。
以上に述べたように、画像比較部から得られる各入力系の画質特性の比較結果に加えて、DDCや他の通信経路、初期情報等で与えられる表示部の特性や条件との比較を行ない、内部の各画像処理部(入力系画像処理部1、入力系画像処理部2、出力系画像処理部)を制御するとともに、DDCなどの通信手段を介して入力信号源の画質制御を行なうことにより、複数の入力信号を一つの画面に表示するマルチ画面表示においても、安価で簡単な回路構成でありながら、優先する系の高画質表示を実現するとともに、他の系の画質も一定の水準を満たすシステムが実現できる。
本実施例においては、簡単化のため、グレースケール信号を用いて、画質として信号のDCレベルと振幅の最適化を行なう例を述べたが、実際には、表示素子の特性を補正するガンマ補正や、CRT用に映像信号に掛けられているガンマ補正をキャンセルする逆ガンマ補正などの非線型な補正に対しても同様に適用できる。また、赤、青、緑毎にこれらの特性が異なることにより生じるホワイトバランスのずれ、色の特性についても、本実施例を適用することにより、優先する入力系を選択して、出力系の特性と合わせて、各色のバランスを合わせ込み、他の系は補助的な手段を用いて、あるいは入力信号源に制御信号を送ることにより一定の水準を満たすように調整してシステムの最適化を図ることができるのは同様である。色毎の特性がばらつく原因としては、赤、青、緑毎に異なる液晶パネルを用いる3板式のプロジェクタなどに見られるような各色ごとの液晶素子のガンマ特性のばらつきや、色を光学系で3原色に分解するための各光学素子の色毎の特性のばらつき、バックライトやLED、ランプなどの発光体の特性、各色ごとの信号処理系のばらつきなどがある。
特に、信号処理系のばらつきは、各信号源やその信号源に信号データが送られてくる以前の処理系でも意外と大きいことがあり、これがその装置特有の色味になっていたりすることも少なくない。これは、ディスプレイとして、ある色を強くした方が、鮮やかにみえるというメーカーの故意の調整であったり、製造上での各色での信号処理系の調整工数を
減らしてコスト削減を行なうため省略されたためのばらつきであったりする。
さらに、こうした故意の調整や工数削減によるばらつきなどは色だけに限られることではない。特にPCのグラフィック画面やデジタルテレビ、通信を介して受信されたテレビ会議の映像、インターネットを経由してきた画像情報、テレビゲームのグラフィック画像、USBやIEEE1394を介して受信したデジタルビデオカメラの映像など信号源や伝送形態の種類の多様化に伴ない、機器間のこうした特性差は広がりつつある。また、解像度や画面のリフレッシュレートなどの表示動作の差も多様化している。一方、表示装置はこれらの多様な入力ソースを同じ画面で表示する方向に動いており、こうした意味で本実施形態の有効性も広がっている。
第1および第2の実施例においては、複数の入力信号源としてPCを2系統接続した例を挙げたが、第3の実施例としてはこうした多様化した機器間での適用例を示している。
(実施例3)
第3の実施例として多様化した機器間での適用例として、PC(パーソナルコンピュータ)上に画像処理の入出力基板を備えて、表示装置を表示させるシステムの例を図30に示す。入力としては、画像処理基板に直接他のPC等を接続する2系統のデジタル入力の他に、PC本体のCPUで実行されるアプリケーションにより描画されるグラフィック画像および、通信IFを介して受信されるTV会議などの画像情報、IEEE1394を介して入力されるDVDやデジタルビデオ、デジタルテレビ等の信号が扱える。また、出力信号は、画像処理基板に直接接続する表示装置の他に、IEEE1394を介して外部のデジタルテレビやビデオ記録用のサーバーなどに送ることができる。
図30において、9−1はPCのCPU(中央演算処理部)であり、9−2はチップセットと呼ばれるCPU周辺のメモリや周辺機器の制御するバスを制御するメモリ・バスコントローラであり、9−3はPC本体のメインメモリである。9−4はPCの通信インターフェース部であり、端子1−tを介して、外部の通信線に接続される。19−2、19−3はこのPCのシステム制御用バスであり、19−4はグラフィック部の制御用のバスである。25の一点鎖線で囲んだ領域が画像処理基板であり、PC本体とは端子1−4を介して、グラフィック制御バス19−4に接続される。
1−1aは1系統目の入力としてのqビットのデジタルの画像信号(IDATA1)の入力端子である。1−1bは入力信号の水平同期信号(IHD1)入力端子であり、1−1cは入力信号の垂直同期信号(IVD1)入力端子である。1−1dは画像信号のクロック(ICK1)入力端子であり、1−1eはDDC信号(DDC1)の入出力端子である。20−1a−1、20−1a−2は各部へnビットのデジタルの画像信号を伝送するデータバスである。また、20−1bcdはIHD1、IVD1、ICK1信号線群である。20−1eはDDC1の信号線である。
1−2aは2系統目の入力としてのnビットのデジタル画像信号(IDATA2)の入力端子である。1−2bは入力信号の水平同期信号(IHD2)入力端子であり、1−2cは入力信号の垂直同期信号(IVD2)入力端子である。1−2dは画像信号のクロック(ICK2)入力端子であり、1−2eはDDC信号(DDC2)の入出力端子である。20−2a−1、20−2a−2は各部へnビットのデジタルの画像信号を伝送するデータバスである。また、20−2bcdはIHD2、IVD2、ICK2信号線群である。20−2eはDDC2の信号線である。
3−1は入力系1の画像処理部Aであり、3−2は入力系2の画像処理部Bである。
1−3は、3系統目の入力かつ外部出力として機能するIEEE1394の入出力端子である。23はIEEE1394の処理ブロックであり、24はIEEE1394信号を内部で扱う映像信号と同期信号に変換および逆変換するためのエンコーダ兼デコーダである。また、3−3は入力したIEEE1394画像の画像処理部Cであり、6−3はIEEE1394信号として出力する前の出力系の画像処理部Bである。
20−3はIEEE1394の信号線であり、20−3a−1は変換後のrビットのデジタル画像信号である。また、20−3bcdは、IEEE1394信号から再生された同期信号、CLKなどの信号線群である。
また、4系統目の入力として1−4の端子を介して、19−4のグラフィック制御用バスからPCのアプリケーションプログラムにより生成されるグラフィック情報と、外部機器から通信線を介してPCに入力される画像情報が入力される。9−6はこれらの情報からグラフィックデータを出力するグラフィック生成・制御部Dであり、20−4a−1がvビットのグラフィックデータの信号線群である。また、20−4bcdはこのグラフィック画像の同期信号とクロックの信号線群である。また、19−5は端子1−4を介して外部バス19−4に接続されるグラフィック制御用の内部バスであり、この画像処理ボードの全体の制御はこのバスを介して、PC本体のCPUとグラフィック生成・制御部が分担して行なう。
4は3つの入力画像処理部3−1、3−2、3−3とグラフィック生成・制御部9−6のあわせて4系統から入力した画像信号を、一旦メモリに記憶し、マルチ画面として出力するために、画像を合成して、出力系の画像処理部に出力する制御を行なうメモリ制御部である。5−1、5−2、5−3、5−4は入力系1、入力系2、入力系3およびグラフィック生成部にそれぞれ対応したフレームメモリ(メモリA、メモリB、メモリC、メモリD)である。21−1、21−2、21−3、21−4はそれぞれメモリA、B、C、Dの制御バスであり、22−1、22−2、22−3、22−4はそれぞれメモリA、B、C、Dのデータバスである。
6−1は出力系の画像処理部Aであり、7は液晶やプラズマディスプレイ、CRTなどの画像表示部である。
1−fは画像表示部のkビットのデジタルデータ(ODATA)の画像表示部の入力端子であり、1−gは出力信号の水平同期信号(OHD)の画像表示部の入力端子であり、1−hは出力信号の垂直同期信号(OVD)の画像表示部の入力端子である。1−iは出力画像信号のクロック(OCK)の画像表示部の入力端子である。20−f−1、20−f−2、20−f−3はkビットのデジタルの画像データ(ODATA)の信号線である。また、20−g−2、20−h−2、20−i−2は、外部表示装置への水平同期信号、垂直同期信号、クロックの各信号線である。また、1−sは、画像表示部に対するDDC信号(DDC3)の入出力端子であり、20−s−1、20−s−2は、このDDC3の信号線である。
12は発振部であり、出力系のクロック(OCK)を発生する。20−i−1はOCKの信号線である。発振部12は水晶などの発振回路やPLL(Phase−Locked−Loop)回路などで構成される。
10−4が内部および外部の同期制御部であり、20−WEはメモリA〜Dの書込みフィールドの制御信号群、20−REはメモリA〜Dの読み出しフィールド制御信号群である。20−ghiは出力系の水平同期信号、垂直同期信号、クロックの各信号線群である。また、20−CNT−6はIEEE1394信号処理ブロック23の同期信号とクロックを制御するための制御線である。
また、10−5が画像比較部および内部、外部の画質制御部であり、20−CNT−1および20−CNT−2は入力系画像処理部AとBからの画像抽出情報のデータ線および、入力系画像処理部AとBの画質を制御するための制御線からなる信号線群である。20−CNT−3はIEEE1394信号処理ブロック23内の入力画像処理部Cと出力系画像処理部Bからの画像抽出情報のデータ線および、入力系画像処理部Cと出力系画像処理部Bの画質を制御するための制御線からなる信号線群である。20−CNT−4はグラフィック生成・制御部からの画像抽出情報のデータ線および、グラフィック生成・制御部の画質を制御するための制御線からなる信号線群である。20−CNT−5は出力系画像処理部Aからの画像抽出情報のデータ線および、出力系画像処理部Aの画質を制御するための制御線からなる信号線群である。
さらに、9−5は内部・外部同期制御部(10−4)と内部・外部画質制御部(10−5)との連携をとり、入力信号のDDC信号DDC1およびDDC2と、画像表示部のDDC信号DDC3を送受信するためのDDC用のインターフェース部である。また、20−u−1、20−u−2は、それぞれ内部・外部同期制御部(10−4)および内部・外部画質制御部(10−5)とこのDDC用インターフェース部間のデータ線および制御線である。
画像の入力端子1−1aから入力したデジタル画像信号は、5−1のメモリ部Aに格納される前に3−1の入力系画像処理部Aで画質の調整や画像の縮小変換等の処理を行なわれてから、4のメモリ制御部に転送される。また、入力系画像処理部Aから画質を比較するための信号が、画像比較部に送出される。また、同期信号およびクロックは内部・外部同期制御部10−4に伝送される。
画像の入力端子1−2aから入力したデジタル画像信号は、5−2のメモリ部Bに格納される前に3−2の入力系画像処理部Bで画質の調整や画像の縮小変換等の処理を行なわれてから、4のメモリ制御部に転送される。また、入力系画像処理部Bから画質を比較するための信号が、画像比較部に送出される。また、同期信号およびクロックは内部・外部同期制御部10−4に伝送される。
IEEE1394入出力端子1−3から入力したIEEE1394信号は、内部で扱える画像信号と同期信号に変換される。5−3のメモリ部Cに格納される前に3−3の入力系画像処理部Cで画質の調整や画像の縮小変換等の処理を行なわれてから、4のメモリ制御部に転送される。また、入力系画像処理部Cから画質を比較するための信号が、画像比較部に送出される。
さらに、IEEE1394として外部出力する場合は、この出力画像処理部Bでの画像情報も画像比較部に送出される。また、同期信号およびクロックは内部・外部同期制御部10−4に伝送される。
また、グラフィック生成・制御部9−6では、アプリケーションソフトやグラフィックドライバーソフトの指示に従って、内部・外部同期制御部(10−4)で作成した同期信号とクロックが入力するとともに、グラフィック信号を生成して5−4のメモリ部Dに格納されるために4のメモリ制御部に転送される。このとき、画質の制御は内部・外部画質制御部(10−5)によって行なわれる。
メモリ制御部では、内部・外部同期制御部(10−4)で作成した出力系の同期信号とクロックにしたがって各メモリA〜Dより信号が読み出され、合成される。このとき、出力系画像処理部Aでの画像情報も画像比較部(10−5)に送出される。
本実施例では、このメモリ部A〜Dのいずれもダブルバッファリング可能なメモリ領域を確保し、同期制御部のメモリ書き込み信号と読み出し信号の制御線群(20−WE、20−RE)で書き込みと読み出すメモリ領域を切替え制御する。
さらに、内部・外部同期制御部からの出力系のクロックOCKと水平同期信号OHD、垂直同期信号OVDに同期して所定の画像の大きさ、表示位置の関係にあったタイミングで4系統の画像データをメモリ部から読み出して、6−1の出力系画像部にデータを転送する。
6−1の画像処理部では、画質の調整や、画像の拡大変換などが行なわれる。最後に画像表示部7にこれらの画像データと同期信号、クロックが伝送され画像表示が行なわれる。
本実施例においても、10−4の内部・外部同期制御部において、実施例1同様、動画像を優先する入力系を選択して、システム全体の動作の最適化を行なうことができる。ここには入力系1、入力系2、入力系3の同期信号とクロックが入力する。また、DDCインターフェース部を介して、画像表示部と入力系1および入力系2のDDCが接続されている。また、内部バス19−5を介してグラフィック作成・制御部が実行するアプリケーションソフトや通信からの画像表示の動作の要求内容が入力される。さらに、10−5の画質比較部により入力系1〜3の画像抽出情報で画像の特性情報が得られる。これらの情報から、内部・外部同期制御部は入力4系統の動作タイミングと画像の動画質特性および、画像表示部の動作特性を判断して、優先させるべき入力系の動画像に適した出力系動作となるように、メモリの制御信号と出力系の同期信号とクロックを作成する。また、グラフィック作成・制御部の同期信号およびクロックには、出力と同期したタイミングの信号を送出する。さらに、それ以外の入力系に対しても、動作の最適化を行なう必要がある場合は、入力系1および2に対してはDDCなどの通信手段を介して、入力信号源の動作を変更する要求を行なう。また入力系3の場合は制御線20−CNT−6を通じてエンコーダ・デコーダ部24で要求信号をIEEE1394信号に変換して、さらにこの信号がIEEE1394を通じて信号源の装置の制御を行なうことにより、入力信号源の動作を変更する。
また、本実施例においても、10−5の内部・外部画質制御部において、実施例2同様、画質を優先する入力系を選択して、システム全体の画質の最適化を行なうことができる。ここには入力系画像処理部A〜Cから抽出された画像情報が入力するとともに、グラフィック生成・制御部から抽出された画像情報も入力される。また、出力系画像処理部Aからの画像抽出情報と、画像表示部7からDDCインターフェースを介して得られる表示特性が入力される。また、出力系画像処理部Bからの画像抽出情報と、IEEE1394を介して得られるIEEE1394で接続された別の表示装置の表示特性も入力される。これらの情報から、内部・外部画質制御部は入力4系統の画質特性および、画像表示部7の画質表示特性とIEEE1394経由で接続される別の表示装置の画質表示特性を判断して、優先させるべき入力系に適した画質特性となるように、出力系画像処理部Aもしくは出力系画像処理部Bを制御する。さらに、それ以外の入力系に対しても、画質の最適化を行なう必要がある場合は、各入力系の画像処理部により画質の調整を行なう。あるいは、入力系1および2に対してはDDCなどの通信手段を介して、入力信号源に対して画質を変更する要求を行なう。また入力系3の場合は制御線20−CNT−6を通じてエンコーダ・デコーダ部24で要求信号をIEEE1394信号に変換して、さらにこの信号がIEEE1394を通じて信号源の装置の制御を行なうことにより、入力信号源からの信号の画質を変更する。
本実施例において、優先する入力系を選択して、最適化を行なうシステム全体の最適化の判断は、10−4の内部・外部同期制御部や、10−5の内部・外部画質制御部のブロックでハード的に処理される場合以外に、9−6のグラフィック生成・制御部あるいは9−1のCPUにおいて、アプリケーションソフトあるいはグラフィック制御用のドライバーソフト等によりソフト的に実行される場合もあることはいうまでもない。
これにより、複数の入力系の様々なフォーマットと画質特性の入力画像を1画面上に合成してマルチ画面表示を行なう際に、各入力系と出力表示部の画質や動画の特性に応じて、システム全体の動作タイミングと画質が最適化される。
ここでは、各入力系毎の整合性を考えたが、実際には各信号源からの信号は一種類の信号源からの出力のみとは限らない。例えば、IEEE1394にはDVDとデジタルビデオ、衛星放送やケーブルテレビ、地上波放送等のセットトップボックスなどの複数の機器が接続される。本実施例は、こうした1入力において混合された複数の画像情報も各入力信号源の一つ一つと考えて適用可能であり、IEEE1394端子等から入力するこうした複数の機器からの信号と、他の入力系の信号とを同列にならべた上で、優先する信号を選択して、動画質および画質特性のシステム全体の最適化を行なうことができる。
また、優先する入力画像の選択は、画像抽出情報や画像信号のフォーマットだけではなく、入力する画像の用途や種類および自動設定あるいはユーザー設定される表示画面上の各画像の配置条件によっても行なわれる。例えば、本実施例において図31および、表4のように各入力映像信号が合成表示される画面を考える。
表4において、各列は各信号入力源の信号の用途や種類を示す。ここでは、例として(1)IEEE1394を介してデジタルTV信号と、また、(2)通信IFを介してTV電話と、さらに(3)外部PC入力からインターネットの画像が入力してきた場合を挙げている。また、表4の行には、用途により自動設定されたり、その表示装置を見ているユーザーが用途に応じて最も注目する画面として、例えば最前面に配置するなどの配置条件により選択された画像が示されている。表4の(a)〜(d)が図31の(a)〜(d)に対応している。そして、○印が、その入力源の信号の用途や種類と配置条件において、本実施例の回路が優先して選択する入力信号源である。
図31および表4において、まず、(a)の表示画面では、最前面にデジタルテレビ画面が配置されている。このとき、画像表示部には、他にインターネット画面は子画面で表示されているが、それは最も注目される表示物ではなく、また静止画が主体である。また、TV電話の画像も入力しているが、現在は受信していない状態である。したがって、同期制御部および画質制御部は優先する入力系としてデジタルテレビの信号を選択して、システム動作を最適化する。
また、(b)の表示画面では、最前面にTV電話の画面が配置されている。このとき、画像表示部には、他にインターネット画面は子画面で表示されているが、それは最も注目される表示物ではなく、また静止画が主体である。また、デジタルテレビ画面の画像も入力しているが、現在は小さく表示されている状態である。したがって、同期制御部および画質制御部は優先する入力系としてTV電話の画面の信号を選択して、システム動作を最適化する。
また、(c)の表示画面では、最前面にインターネット画面が配置されている。このとき、画像表示部には、他にデジタルテレビの画像が子画面で表示されている。また、TV電話の画像も入力しているが、現在は小さく表示されている状態である。ここで、同期制御部および画質制御部は優先する入力系として、デジタルテレビの画像の信号を選択して、システム動作を最適化する。これは、配置条件としてはインターネット画面が最前面であるが内容が静止画主体のため、デジタルテレビを最優先する入力と判断したためである。
一方、(d)の表示画面でも、最前面にインターネット画面が配置されており、画像表示部には、他にデジタルテレビの画像と、TV電話の画像も入力している。(c)と比較して違う点は、インターネット画面上で配信される動画情報の映像が小さなウインドウ(4)で表示されている点である。ここで、同期制御部および画質制御部は優先する入力系として、インターネット画面の信号を選択して、システム動作を最適化する。これは、配置条件としてはインターネット画面が最前面であり、また内容が動画主体になったため、デジタルテレビよりもインターネット画面が最優先する入力と判断したためである。
このようにして、ユーザーが見る主体を変化させた配置条件やその信号の内容により、信号源の優先したシステム動作の最適化を図る。また、ユーザーは図30のシステムメモリ部に、これらの入力信号と配置条件における設定状態を保存できるようになっており、これによりユーザーの各種の映像機器と画像表示部の最適化関係を本実施形態の画像処理装置に記憶することができる。
上記の第1および第2の参考例によれば、出力系を入力系の垂直同期信号に対して同期、非同期にすることを切換可能として、垂直周波数などの入力信号のフォーマットによって選択することにより、システムの全体を動画に強い構成として、特に使用頻度の高い垂直周波数帯で動画の問題のない動作を実現し、また、その他の垂直周波数帯では簡易的に動画に強くかつ画質上の問題の解決と動作マージンを確保し安定な動作を行なうことを両立する画像処理装置を簡素で安価に実現することができる。また、将来的にもUXGA等、現状よりも更に数倍画素数の多い信号処理用途で、容易に同様の構成で安価で動画に強い回路を実現できる。また、複数の異なる周期の入力信号が混在するシステムにおいても、複数の入力系の垂直同期信号に対して出力系を同期、非同期にすることを切換可能として、また、その結果を用いて任意の入力信号源の垂直周波数の設定を行なえるように構成することにより、出力系の構成は1系統のクロックで動作させながら、複数の入力系統間と出力の同期関係を最適化して、システム全体を動画に強い構成でかつ簡単で安価な回路構成にすることができる。
本発明の第1〜第3の実施例によれば、各入力信号源からの入力画像を同一画面上に表示するマルチ画面表示用の画像処理装置において、各入力系の入力信号のフォーマットや特性および表示内容と、画像表示部の特性を比較して、優先する入力信号を選択し、画像表示部の動作モードおよび画質特性を設定する。また、優先する系以外の入力系に対しても、適用した画像表示部の動作モードおよび画像特性にあわせた動作や画質調整に再度調整を行なう。あるいは、各入力信号源に対してDDCやIEEE1394などの通信手段を介して、適用した画像表示部の動作モードおよび画像特性にあわせた動作や画質調整に設定の変更要求を行なう。これにより、複数の入力信号に対しても、柔軟に動画質や画質特性を最適化した画像処理装置が安価に実現できる。
さらに、画像表示装置の変更や特性の変化に対しても、各入力信号の特性を考慮に入れた最適化を行なうことができる。
具体的には、出力系を各入力系の垂直同期信号に対して同期、非同期にすることを切換可能として、垂直周波数などの入力信号のフォーマットや入力信号の動き成分などの内容によって動画質を優先する入力系を選択して、その垂直同期信号に同期することにより、優先した系の動画質を最適にする。また、その他の入力系も選択した動作モードの中でダブルバッファリングなどの動作モードに調整したり、あるいはDDC等の通信手段を介して、適用した画像表示部の動作モードおよび画像特性にあわせた動作や画質調整に入力源の設定の変更要求を行なう。これにより、出力系の構成は1系統のクロックで動作させながら、複数の入力系統間と出力の同期関係を最適化して、システム全体を動画に強い構成でかつ簡単で安価な回路構成にすることができる。
また、入力信号のフォーマットや画質特性、表示内容などによって表示画質を優先する入力系を選択して、優先する入力系の画質特性と出力系の画質特性を合成して出力画像調整部に適用することにより、優先した系に対してビット誤差の少ない画質を実現する。また、その他の入力系も設定した出力画像調整に対して、補助的な調整を入力画像調整部で行なったり、あるいはDDC等の通信手段を介して、適用した画像表示部の出力画像調整に合わせた画質調整に入力源の設定の変更要求を行なう。これにより、複数の入力系統間の画質差と出力の画質関係を最適化して、システム全体の画質に統一性を持たせる回路を簡単で安価に実現することができる。
3,3−1,3−2:入力系画像処理部、4:メモリ制御部、5:メモリ部、6:出力系画像処理部、7:画像表示部、8:PLL、9:マイコン、10:同期制御部、12:発振器(第2クロック発生部)、ICK,ICK1,ICK2:入力系クロック(第1のクロック)、IHD,IHD1,IHD2:入力系水平同期信号(第1の画像同期信号)、IVD,IVD1,IVD2:入力系垂直同期信号(第1の画像同期信号)、OCK:出力系クロック(第2のクロック)、OHD:出力系水平同期信号(第2の画像同期信号)、OVD:出力系垂直同期信号(第2の画像同期信号)、RE:読み出しフィールド制御信号、WE:書込みフィールド制御信号。