JP3918961B2 - エレクトロクロミック表示素子 - Google Patents

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  • Electrochromic Elements, Electrophoresis, Or Variable Reflection Or Absorption Elements (AREA)

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、新規なエレクトロクロミック表示素子及びそれを有するディスプレイ又は調光ミラーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来エレクトロクロミック(EC)性を有する物質としては、無機系の酸化タングステン、水酸化イリジウム等があり、また有機系の物質としてはビオローゲン誘導体、スチリル類、フルオラン化合物、ジフェニルアミン等が知られている。 無機系のEC性物質を用いた表示素子においては繰り返し発色に対する耐性と発色応答速度に優れるものの表示色はEC性物質によって決まり、幅広い色相の発色を起こすことが困難である。例えば酸化タングステンを使用したものは青色に、また、水酸化イリジウムを使用したものはブルーブラックにしか発色出来ない。
【0003】
有機系の公知のEC性物質は発色の色相が無機系に比べて遙かに多様であるが、発色濃度が薄いという欠点があった。これを改善するためには印加電圧を高くする,EC性物質の濃度をあげる等の対策がとられるが、前者においては1.4Vを越えると水分の電気分解を生じて電極の腐食が起き(USP.4,902,108)、後者においてはEC性物質の溶解度の問題や、酸化あるいは還元により生じるラジカルどうしの結晶化により素子を発色したままの状態にしてしまい、制御性を損ねるという問題がある。(木谷 晧,佐々木 和夫,染料と薬品,34巻2号,3(1989).)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記の如く、エレクトロクロミック(EC)表示素子の繰り返し特性を向上させるには、電極の腐食を防ぐ為に、なるべく1.4V以下の低電圧駆動が必要であり、また、EC性物質どうしの結晶化を防ぐ為に低濃度でも充分な発色が得られることが必要である。本発明では、1.4V以下で発色し、繰り返し特性に優れた制御性良好なEC素子を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために鋭意検討した結果、EC性物質として式(1)
【0006】
【化14】
Figure 0003918961
【0007】
(式中、A1 ,A2 はそれぞれ置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいベンジル、置換されていてもよいジフェニルメチル、置換されていてもよい1−フェニルエチル基を表し、Aはアニオンとなる基を表す。m及びnは1又は2を表す。但しmが2のときnは1を表しmが1のときnは2を表す。又、nが2のときAは同一又は異なっていても良い。)
で表されるビオローゲン誘導体及び式(2)
【0008】
【化15】
Figure 0003918961
【0009】
(式中、A1 ,A2 はそれぞれ置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいベンジル、置換されていてもよいジフェニルメチル、置換されていてもよい1−フェニルエチル基を表し、A3 は置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキレン、置換されていてもよいフェニレン、置換されていてもよいキシリレン、置換されていてもよいビフェニレン基を表し、Aはアニオンとなる基を表す。m及びnは1又は2を表す。但しmが2のときnは1を表しmが1のときnは2を表す。又、nが2のときAは同一又は異なっていても良い。)
で表されるビスビオローゲン誘導体から選ばれた少なくとも一種と、
式(3)
【0010】
【化16】
Figure 0003918961
【0011】
(式中、B1 は置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいフェニル又は 置換されていてもよいカルバゾリル基を表し、B2 ,B3 はそれぞれ置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル、置換されていてもよいフェニル基又は置換されていてもよいナフチル基を表し、又B2 とB3 で環を構成してもよい。)
で表されるヒドラゾン誘導体、式(4)
【0012】
【化17】
Figure 0003918961
【0013】
(式中、C1 は置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル、置換されていてもよいベンジル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいジフェニルメチル又は置換されていてもよい1−フェニルエチル基を表す。)で表されるフェノチアジン誘導体及び、式(5)
【0014】
【化18】
Figure 0003918961
【0015】
(式中、D1 は置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキレン、置換されていてもよいp−フェニレン、置換されていてもよい4,4’−ビフェニレン又は置換されていてもよいp−キシリレン基を表す。)
で表されるビスフェノチアジン誘導体から選ばれた少なくとも一種と、
式(6)
【0016】
【化19】
Figure 0003918961
【0017】
(式中、E1 は置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル、置換されていてもよいベンジル又は置換されていてもよいフェニル基を表し、Aは式(1)と同じアニオンとなる基を表す。)
で表されるトリフェニルフォスフォニウム誘導体塩及び、式(7)
【0018】
【化20】
Figure 0003918961
【0019】
(式中、F1 は置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキレン、置換されていてもよいp−フェニレン、置換されていてもよい4,4’−ビフェニレン又は置換されていてもよいp−キシリレン基を表す。)
で表されるビストリフェニルフォスフォニウム誘導体塩から選ばれた少なくとも一種とを含むことを特徴とするエレクトロクロミック表示素子、
が優れたものであることを見いだした。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0021】
本発明の式(1)〜(7)で表される化合物において、「置換されていてもよい」なる表現における置換基としては、任意に、例えばメチル基、エチル基、プロピル基等の低級アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の低級アルコキシ基、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等のハロゲン原子、ニトロ基、アセチル基、アセチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等の低級アルキルアミノ基、フェニル基(メチル基、エチル基、プロピル基、メトキシ基、エトキシ基、ハロゲン原子で置換されていてもよい)などを挙げる事が出来る。又、式(1)〜(7)で表される化合物の各ベンゼン環はメチル基、エチル基、プロピル基等の低級アルキル基、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の低級アルコキシ基、塩素原子、臭素原子、フッ素原子、沃素原子等のハロゲン原子、ニトロ基、アセチル基、アセチルアミノ基、フェニル基などで置換されていても良い。以下本発明で使用する化合物の例を示す。
式(1)の化合物
【0022】
【化21】
Figure 0003918961
【0023】
【化22】
Figure 0003918961
【0024】
【化23】
Figure 0003918961
【0025】
【化24】
Figure 0003918961
【0026】
式(2)の化合物
【0027】
【化25】
Figure 0003918961
【0028】
【化26】
Figure 0003918961
【0029】
【化27】
Figure 0003918961
【0030】
式(3)の化合物
【0031】
【化28】
Figure 0003918961
【0032】
式(4)の化合物
【0033】
【化29】
Figure 0003918961
【0034】
【化30】
Figure 0003918961
【0035】
式(5)の化合物
【0036】
【化31】
Figure 0003918961
【0037】
式(6)の化合物
【0038】
【化32】
Figure 0003918961
【0039】
【化33】
Figure 0003918961
【0040】
式(7)の化合物
【0041】
【化34】
Figure 0003918961
【0042】
【化35】
Figure 0003918961
【0043】
本発明で使用される式(1)〜(7)で表される化合物は多くが公知の化合物であって、例えば以下の方法で製造する事が出来る。
【0044】
式(1)で表される化合物は例えばUSP.3,340,041号で記載されているように、4,4’ービピリジンをこの約2倍モルの式
1 −Br 又は A2 −Br
(式中A1 ,A2 は前記と同じ意味を有し、Brは臭素原子を表す。)
で表される化合物とアセトニトリルなどの有機溶媒中、好ましくは60〜82℃(使用する溶媒の沸点又は沸点近くの温度)に加熱して反応させることにより製造することが出来る。
【0045】
式(2)で表される化合物は例えば4,4’−ビピリジンをこれと約等モルの式
1 −Br 又は A2 −Br
(式中A1 ,A2 ,Brは前記と同じ意味を有する。)
で表される化合物とアセトニトリルなどの有機溶媒中、好ましくは60〜82℃(使用する溶媒の沸点又は沸点近くの温度)に加熱して反応させ、その反応液に更に4,4’ービピリジンの約1/2モルの式
Br−A3 −Br
(式中A3 ,Brは前記と同じ意味を有する。)
で表される化合物を加えて、好ましくは60〜82℃(使用する溶媒の沸点又は沸点近くの温度)に加熱して反応させると目的物であるビスビオローゲン化合物を製造する事ができる。
【0046】
式(3)で表される化合物は例えば式
1 −CHO
(式中、B1 は前記と同じ意味を有し、CHOはアルデヒド基を表す。)
で表される化合物と、約等モルの式
2 N−N(B2 )(B3 )・HCl
(式中、B2 ,B3 は前記と同じ意味を有し、HClは塩酸塩であることを意味する。)
で表される化合物と、同じく約等モルのナトリウムメトキシドを加え、エタノール等の有機溶媒中、好ましくは70〜78℃で縮合させて製造する事が出来る。
【0047】
式(4)で表される化合物は、例えばフェノチアジンと約等モルの式
1 −Br
(式中C1 ,Brは前記と同じ意味を有する。)
で表される化合物と、同じく約等モルの金属ナトリウムをアセトニトリルなどの有機溶媒中室温で反応させることによって製造する事が出来る。
【0048】
式(5)で表される化合物は、例えばフェノチアジンの約1/2モルの式
Br−D1 −Br
(式中D1 ,Brは前記と同じ意味を有する。)
で表される化合物と、フェノチアジンと約等モルの金属ナトリウムをアセトニトリルなどの有機溶媒中室温で反応させることにより製造する事が出来る。
【0049】
式(6)で表される化合物は、例えばトリフェニルフォスフィンと約等モルの式
1 ーBr
(式中E1 ,Brは前記と同じ意味を有する。)
で表される化合物とアセトニトリルなどの有機溶媒中、好ましくは60〜82℃(使用する溶媒の沸点又は沸点近くの温度)に加熱して反応させることにより製造することが出来る。
【0050】
式(7)で表される化合物は、例えばトリフェニルフォスフィンを約1/2モルの式
Br−F1 −Br
(式中F1 ,Brは前記と同じ意味を有する。)
で表される化合物とアセトニトリルなどの有機溶媒中、好ましくは60〜82℃(使用する溶媒の沸点又は沸点近くの温度)に加熱して反応させることにより製造する事ができる。
【0051】
本発明のエレクトロクロミック表示素子において好ましいものは、
(a) 式(1)で表されるビオローゲン誘導体及び式(2)で表されるビスビオローゲン誘導体の置換基A1 ,A2 が炭素数1〜12のアルキル、ベンジル、ジフェニルメチル又は1−フェニルエチル基であり、式(2)で表されるビスビオローゲン誘導体の置換基A3 が、炭素数1〜10のアルキレン、p−キシリレン、p−フェニレン、4,4’−ビフェニレンであり、式(3)で表されるヒドラゾン誘導体が、式
【0052】
【化36】
Figure 0003918961
【0053】
【化37】
Figure 0003918961
【0054】
【化38】
【0055】
【化39】
【0056】
【化40】
【0057】
【化41】
【0058】
で示される化合物であり、式(4)で表されるフェノチアジン誘導体のC1 が炭素数1〜12のアルキル、ベンジル、ジフェニルメチル又は1−フェニルエチル基であり、式(5)で表されるビスフェノチアジン誘導体のD1 が炭素数1〜10のアルキレン、p−フェニレン、4,4’−ビフェニレン又はp−キシリレンであり、式(6)で表されるトリフェニルフォスフォニウム誘導体塩のE1 が炭素数1〜12のアルキル、ベンジル基であり、Aがフッ素、臭素、ヨウ素、4フッ化ホウ素または過塩素酸であり、式(7)で表されるビストリフェニルフォスフォニウム誘導体塩のF1 が炭素数1〜10のアルキレンp−フェニレン、4,4’−ビフェニレン又はp−キシリレンであるエレクトロクロミック表示素子である。
【0059】
又、好ましい別の態様は、(b)エレクトロクロミック表示素子に使用されるエレクトロクロミック液中の式(1)で表されるビオローゲン誘導体又は式(2)で表されるビスビオローゲン誘導体の合計モル数と、式(3)で表されるヒドラゾン誘導体、式(4)で表されるフェノチアジン誘導体または式(5)で表されるビスフェノチアジン誘導体の合計モル数と、式(6)で表されるトリフェニルフォスフォニウム誘導体塩または式(7)で表されるビストリフェニルフォスフォニウム誘導体塩の合計モル数の3種のモル数のうち少なくとも2種が同じモル数であるエレクトロクロミック表示素子である。
【0060】
又、好ましい別の態様は、(c)式(1)で表されるビオローゲン誘導体及び式(2)で表されるビスビオローゲン誘導体のアニオンとなるAがフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、4フッ化ホウ素または過塩素酸であるエレクトロクロミック表示素子、(d)式(1)、(2)、(6)及び(7)で表される化合物のアニオンAがフッ素、塩素、臭素又は4フッ化ホウ素であるエレクトロクロミック表示素子、(e)溶媒として炭酸プロピレン及びジメチルアセトアミドの少なくとも一種を用いるエレクトロクロミック表示素子である。
【0061】
本発明によるエレクトロクロミック表示素子の一般的なものは、式(1)又は(2)のEC性物質、式(3)〜(5)の化合物から選ばれた少なくとも一種、及び式(6)又は(7)の化合物、さらに所望により支持電解質(EC性物質の酸化還元を補助するもの)、を溶媒に溶解して溶液となし、例えば図1に示したような通電表示装置(セル)に封入したものである。即ち、図1において1は透明上部基板、2は透明上部電極、5は透明下部電極、6は透明上部基板であり通常1と2、5と6が一体となったネサガラスが使用される。4はスペーサーであり透明上部電極2と下部電極5を隔てEC性物質と支持電解質を含む溶液3を保持する空間を与えるものであり通常ポリイミド、テフロン、フッ素ゴム、エポキシ樹脂等によってつくられる。セルの空間(厚さ)は通常0.1〜3mm程度である。
【0062】
本発明において必要であれば、他に支持電解質を併用することが出来る。支持電解質としては、例えばテトラ(C1〜C4)アルキルアンモニウム塩、ベンジルトリ(C1〜C4)アルキルアンモニウム塩、リチウム塩等があげられる。又、その対アニオンとしては、例えばテトラフルオロ硼素イオン、フッ素イオン、塩素イオン、臭素イオン、ヨウ素イオン、過塩素酸イオン、p−トルエンスルホン酸イオン等があげられる。好ましい支持電解質としては、例えばテトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレイト(化合物No81)、テトラブチルアンモニウムブロマイド(化合物No82)、ベンジルトリブチルアンモニウムテトラフルオロボレイト(化合物No83)、ベンジルトリエチルアンモニウムテトラフルオロボレイト、リチウムテトラフルオロボレイト、リチウムパークロレイト等があげられる。尚、式(1)、(2)、(6)及び(7)で表される化合物のアニオンA及び支持電解質のアニオンは同一種類のものが好ましい。
【0063】
EC性物質及び支持電解質を溶解する溶媒としては例えば炭酸プロピレン、γ−ブチロラクトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジエチルアセトアミド、アセトニトリル、ジオキサン、シクロヘキサノン、N−メチルピロリドン等の有機系溶媒が使用出来る。好ましくは炭酸プロピレン、ジメチルアセトアミドの少なくとも1種を含むのがよい。又、溶媒中には必要に応じて紫外線吸収剤、及び赤外線吸収剤等を溶解させてもよい。
【0064】
式(1)及び(2)で表されるビオローゲン誘導体は負極の電極から負電子を受け取ってビオローゲンラジカルカチオンとなって発色するとされている。表示素子の繰り返し発色特性(耐久性)を高めるには電極間に印加する電圧は水の電気分解が始まる1.4Vをなるべく越えない様にしなければならない。即ち、1.3V周辺が上限である。この為ビオローゲン誘導体には出来るだけ低電圧で負電子が与えられなければならない。この耐久性の点からすると式(1)の化合物の方がより好ましい。
【0065】
本発明で使用する式(3)で表されるヒドラゾン誘導体、式(4)で表されるフェノチアジン誘導体そして式(5)で表されるビスフェノチアジン誘導体はビオローゲン誘導体の発色電圧を著しく低下させる働きのあることが判明した。即ち有機溶媒中で印加電圧0.6V程度から発色が可能になった。この為これら式(3),(4),(5)で表される化合物はビオローゲン誘導体に負電子を与えるのを助けている。すなわち電荷移動剤として働いているものと思われる。この為ビオローゲン誘導体と電荷移動剤のモル数は同じとするのが望ましい。又、これらの化合物のうち、より好ましいものとしては、耐久性の点からすると式(3)で表されるヒドラゾン誘導体があげられ、発色後の消色性からすると式(5)で表されるビスフェノチアジン誘導体があげられる。
【0066】
しかしながら発色していたものを消色させる場合は出来るだけ速やかにビオローゲンラジカルカチオンから負電子を取り除かねばならない。これが速やかに行われないとラジカルカチオンどうしが結晶化して発色状態のままになり制御性を著しく損なうとされている。この為発色状態の表示素子の両電極を短絡したときは速やかに消色する必要がある。本発明で用いる式(6)で表されるトリフェニルフォスフォニウム誘導体塩、式(7)で表されるビストリフェニルフォスフォニウム誘導体塩は発色状態から消色状態への移行を極めて速やかに行わせる働きのあることが判明した。即ちビオローゲンラジカルカチオンから速やかに負電子を引き抜き、消色させる働きがある。この為ビオローゲン誘導体と式(6)及び式(7)の化合物のモル数は同じとするのが望ましい。又、これらの化合物のうち、より好ましいものとしては、耐久性の点からすると式(7)の化合物があげられる。
【0067】
本発明では、前記したような溶媒1000部(重量部、以下同じ)に対して式(1)及び(2)のビオローゲン誘導体の1種又は2種以上を混合して、通常は1〜20部、好ましくは3〜12部、式(3)で表されるヒドラゾン誘導体、式(4)で表されるフェノチアジン誘導体、及び式(5)で表されるビスフェノチアジン誘導体の1種または2種以上を混合して、通常は1〜20部、好ましくは3〜10部、式(6)で表されるトリフェニルフォスフォニウム誘導体塩、及び式(7)で表されるビストリフェニルフォスフォニウム誘導体塩の1種又は2種以上を混合して、通常は1〜50部、好ましくは3〜30部、更に必要とあらば支持電解質を通常5〜100部、好ましくは5〜30部を溶解して溶液となし、これを図1に示されるような空の通電表示装置に封入して本発明のエレクトロクロミック表示素子を得る。この本発明のエレクトロクロミック表示素子は透過型表示装置として、例えば光バルブや光シャッターなどに利用する事が出来る。
【0068】
本発明の表示装置(ディスプレイ:ECD)としては、例えば図1の透明下部基板6の外側に艶消し(光散乱性を有する)反射板を用いた反射型表示装置があげられる。反射型表示装置は、例えばクロック、ウオッチ、電卓、計測器用表示、端末表示、案内標識、広告、自動車室内用表示などに利用する事が出来る。調光ミラーは、図1の透明下部基板6の外側に鏡を用いたもので、例えば自動車用防眩ミラーなどに利用する事が出来る。
【0069】
本発明のエレクトロクロミック表示素子は例えば図2に見られるような電圧波形を電極間に印加、掃引することによって発色、消色をさせることが出来る。
【0070】
【実施例】
次に本発明を実施例によって更に詳細に説明する。実施例において部は重量部で表す。
【0071】
製造例1
ジフェニルメチルビオローゲンジテトラフルオロボレイト(化合物No13),ジフェニルメチルビオローゲンジブロマイド(化合物No14)の製造:
4,4’−ビピリジン(東京化成工業株式会社製、試薬)1.56g(0.01モル),α−ブロモジフェニルメタン(東京化成工業株式会社製、試薬)4.9g(0.0198モル)を溶媒アセトニトリル100gに溶解し、80℃で6時間加熱したところ黄色結晶が析出した。結晶を溶液と濾別した後乾燥し、粗ジフェニルメチルビオローゲンジブロマイド(化合物No14)の黄色結晶5.9gを得た。このもの2.9gを水20gに溶解し、再結晶して精製品1.6gを得た。
元素分析( C:66.3%,H:4.7%,N:4.2% )
計算値 ( C:66.47%,H:4.65%,N:4.31% )
3.0gの粗ジフェニルメチルビオローゲンジブロマイド(化合物No14)の黄色結晶を 100gの水にとかした後ホウフッ化ナトリウム3.0gを加えると直ちに白色の沈殿を生じた。沈殿を濾別し、更に水100gから再結晶して、ジフェニルメチルビオローゲンジテトラフルオロボレイト(化合物No13)の黄白色結晶2.6gを得た。
元素分析( C:65.2%,H:4.4%,N:4.2% )
計算値 ( C:65.09%,H:4.55%,N:4.22% )
【0072】
製造例2
ビスベンジルビオローゲンp−キシリレンテトラテトラフルオロボレイト(化合物No21)の製造:
4,4’−ビピリジン3.12g(0.02モル),ベンジルブロマイド(東京化成、試薬)3.39g(0.0198モル),溶媒アセトニトリル100gを80℃で6時間加熱したところ黄色結晶が析出した。このものに、p−キシリレンジブロマイド(東京化成、試薬)2.61g(0.0099モル)を加えて更に80℃で6時間加熱し、黄色結晶を得た。結晶を濾別後100gの水に溶解しこれにホウフッ化ナトリウム3.3gを加えて、生成した白色沈殿を水から再結晶して黄白結晶ビスベンジルビオローゲンーp−キシリレンテトラテトラフルオロボレイト(化合物No21)5.1gを得た。
元素分析( C:60.3%,H:4.7%,N:6.1% )
計算値 ( C:60.0%,H:4.66%,N:5.88% )
【0073】
製造例3
ビスメチルビオローゲンーp−キシリレンテトラテトラフルオロボレイト(化合物No22)の製造:
4,4’−ビピリジン3.12g(0.02モル),ヨウ化メチル(東京化成、試薬)2.81g(0.0198モル),溶媒アセトニトリル100gを80℃で6時間加熱したところ黄色結晶が析出した。このものに、p−キシリレンジブロマイド(東京化成、試薬)2.61g(0.0099モル)を加えて更に80℃で6時間加熱し、橙色結晶を得た。結晶を濾別後100gの水に溶解しこれにホウフッ化ナトリウム3.3gを加えて、生成した白色沈殿を水から再結晶して黄白結晶ビスメチルビオローゲンーp−キシリレンテトラテトラフルオロボレイト(化合物No22)3.1gを得た。
元素分析( C:45.3%,H:4.0%,N:6.9% )
計算値 ( C:45.39%,H:3.81%,N:7.06% )
【0074】
製造例4
化合物No31の製造:
4−ジエチルアミノベンズアルデヒド17.73g(0.1モル),1,1−ジフェニルヒドラジン塩酸塩22.1g(0.1モル)をエタノール100mlに溶解し40〜42℃に溶液を保つ。これに28%ナトリウムメトキシドのメタノール溶液19.3gを撹拌しながら滴下すると結晶が析出してくる。溶液は滴下終了後、75〜78℃で4時間保つ。反応終了後、溶液に水を加えると結晶が析出してくる。これを濾別、乾燥し、粗ヒドラゾン22.0gを得た。このものをアセトン200mlに溶解後、水100mlを加え、生じる沈殿を濾別、乾燥し白色粒状品21.0gを得た。mp.89〜90℃
元素分析( C:80.1%,H:7.5%,N:12.4% )
計算値 ( C:80.43%,H:7.34%,N:12.23% )
【0075】
製造例5
N−ベンジルフェノチアジン(化合物No41)の製造:
フェノチアジン(東京化成、試薬)3.98g(0.02モル),ベンジルブロマイド(東京化成、試薬)1.71g(0.02モル),金属ナトリウム(和光純薬工業株式会社製、試薬)0.46g(0.02モル)を溶媒アセトニトリル100gに溶解させたところ直ちに反応し、白色沈殿を生成した。沈殿を濾別後、溶液はエバポレーターでアセトニトリルを取り除き灰色残留物を得た。このものをアセトン10mlに溶解した後、水に100mlにあけて白色沈殿とし、沈殿を濾別した後、メタノールで再結晶させてNーベンジルフェノチアジン(化合物No41)2.6gを得た。mp.173〜175℃
元素分析( C:79.0%,H:5.3%,N:4.7% )
計算値 ( C:78.86%,H:5.22%,N:4.84% )
【0076】
製造例6
N−ジフェニルメチルフェノチアジン(化合物No42)の製造:
フェノチアジン(東京化成、試薬)3.98g(0.02モル),αーブロモジフェニルメタン(東京化成、試薬)4.9g(0.02モル),金属ナトリウム(和光純薬工業株式会社製、試薬)0.46g(0.02モル)を溶媒アセトニトリル100gに溶解させたところ直ちに反応し、白色沈殿を生成した。沈殿を濾別後、溶液はエバポレーターでアセトニトリルを取り除き灰色残留物を得た。このものをアセトン10mlに溶解した後、水に100mlにあけて白色沈殿とし、沈殿を濾別した後、メタノールで再結晶させてNージフェニルメチルフェノチアジン(化合物No41)2.6gを得た。mp.117〜120℃
元素分析( C:82.0%,H:5.3%,N:3.7% )
計算値 ( C:82.16%,H:5.24%,N:3.83% )
【0077】
製造例7
N,N’−ビスフェノチアジン−p−キシリレン(化合物No51)の製造:
フェノチアジン(東京化成、試薬)1.99g(0.01モル),p−キシリレンジブロマイド(東京化成、試薬)1.29g(0.0049モル),金属ナトリウム(和光純薬工業株式会社製、試薬)0.23g(0.01モル)を溶媒アセトニトリルに溶解させたところ直ちに反応し、白色沈殿を生成した。沈殿を濾別後、溶液はエバポレイーターでアセトニトリルを取り除き灰色残留物を得た。このものをアセトン5mlに溶解した後、水に100mlにあけて白色沈殿とし、沈殿を濾別した後、メタノールで再結晶させてN,N’−ビスフェノチアジン−p−キシリレン(化合物No51)1.6gを得た。mp.125〜127℃
元素分析( C:77.1%,H:5.0%,N:5.7% )
計算値 ( C:76.76%,H:4.83%,N:5.60% )
【0078】
製造例8
ベンジルトリフェニルフォスフォニウムテトラフルオロボレイト(化合物No61)の製造:
トリフェニルフォスフィン(東京化成、試薬)5.25g(0.02モル),ベンジルブロマイド(東京化成、試薬)3.39g(0.02モル)溶媒アセトニトリル100gを80℃で6時間加熱したところ白色結晶が析出した。結晶を濾別した後、水100gに溶解させた。この溶液にホウフッ化ナトリウム3.3gを加えて、生成した白色沈殿を水から再結晶して白色結晶のベンジルトリフェニルフォスフォニウムテトラフルオロボレイト(化合物No61)7.4gを得た。
元素分析( C:68.3%,H:4.9% )
計算値 ( C:68.21%,H:5.04% )
【0079】
製造例9
ビストリフェニルフォスフォニウム−p−キシリレンジテトラフルオロボレイト(化合物No71),ビストリフェニルフォスフォニウム−p−キシリレンジブロマイド(化合物No72)の製造:
トリフェニルフォスフィン(東京化成、試薬)5.25g(0.02モル),p−キシリレンジブロマイド(東京化成、試薬)2.64g(0.01モル),溶媒アセトニトリル100gを80℃で6時間加熱したところ白色結晶が析出した。結晶を濾別し、ビストリフェニルフォスフォニウム−p−キシリレンジブロマイド(化合物No72)7.3gを得た。
元素分析( C:65.6%,H:4.9% )
計算値 ( C:65.87%,H:4.77% )
このもの7gを水100gに溶解させホウフッ化ナトリウム3.3gを加えて、生成した白色沈殿を水から再結晶して白色結晶のビストリフェニルフォスフォニウムーp−キシリレンジテトラフルオロボレイト(化合物No71)5.1gを得た。
元素分析( C:69.9%,H:4.9% )
計算値 ( C:67.01%,H:4.86% )
【0080】
実施例1
ベンジルビオローゲンテトラフルオロボレイト(化合物No11)6.2g(0.012モル)、4−ジエチルアミノベンズアルデヒドジフェニルヒドラゾン(化合物No31)4.1部(0.012モル)、ビストリフェニルフォスフォニウム−p−キシレンテトラフルオロボレイト(化合物No71)4.8部(0.006モル)と支持電解質としてテトラブチルアンモニウムテトラフルオロボレイト(化合物No81)27.5部を炭酸プロピレン962.5とジメチルアセトアミド37.5部の混合溶媒に溶解し、この1部を図1に示す表示素子の空のものに封入して本発明のエレクトロクロミック表示素子を得た。
次に図2に示す方形波を下部電極5を接地して上部電極2に印加した。表示素子に−1. 3Vが印加されると速やかに濃い灰色に発色し、0Vでは速やかに消色し無色透明になった。−1.3Vを20秒、0Vを20秒の1サイクルとして、10万回の耐久試験をおこなったが0Vで僅かに黄色の着色が認められたが発色特性の変化はほとんど認められなかった。
【0081】
実施例2
ジフェニルメチルビオローゲンテトラフルオロボレイト(化合物No13)6.6部(0.010モル)、N−ジフェニルメチルフェノチアジン(化合物No42)3.7部(0.010モル)、ベンジルトリフェニルフォスフォニウムテトラフルオロボレイト(化合物No61)30部(0.068モル)を炭酸プロピレン1000部に溶解してこの1部を図1に示すセルの空のものに封入して本発明のエレクトロクロミック表示素子を得た。
次に図2に示す方形波を下部電極5を接地して上部電極2に印加した。表示素子に−1.3Vが印加されると速やかに濃い青色に発色し、0Vでは速やかに消色し無色透明になった。−1.3Vを20秒、0Vを20秒の1サイクルとして、10万回の耐久試験をおこなったが0Vで僅かに緑色の着色が認められたが発色特性の変化はほとんど認められなかった。
【0082】
実施例3〜実施例7、比較例1〜比較例2
上記実施例と同じ方法でエレクトロクロミック表示素子を作成し評価した。組成は表1に結果は表2に示した。すべての実施例と比較例で使用した溶媒は炭酸プロピレン1000部である。
【0083】
【表1】
Figure 0003918961
【0084】
【表2】
Figure 0003918961
【0085】
本発明の実施例では−1.3Vで満足な発色が得られ、0Vでは無色となりかつ40秒サイクルの10万回耐久性試験においても劣化は少なかったのに比べ、比較例では−1.3Vで着色不十分か、着色しても耐久性が不十分であった。
【0086】
【発明の効果】
濃い発色が可能であり、かつ耐久性の良好なエレクトロクロミック表示素子が得られた。
【図面の簡単な説明】
【図1】通電表示装置(セル(本発明のエレクトロクロミック表示素子))
【図2】印加電圧と秒(時間)からなる通電形波
【符号の説明】
1.透明上部基板
2.透明上部電極
3.EC性物質と支持電解質を含む溶液
4.スペーサー
5.透明下部電極
6.透明下部基板

Claims (7)

  1. (イ)式(1)
    Figure 0003918961
    (式中、A1 ,A2 はそれぞれ置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいベンジル、置換されていてもよいジフェニルメチル、置換されていてもよい1−フェニルエチル基を表し、Aはアニオンとなる基を表す。m及びnは1又は2を表す。但しmが2のときnは1を表しmが1のときnは2を表す。又、nが2のときAは同一又は異なっていても良い。)
    で表されるビオローゲン誘導体及び式(2)
    Figure 0003918961
    (式中、A1 ,A2 はそれぞれ置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいベンジル、置換されていてもよいジフェニルメチル、置換されていてもよい1−フェニルエチル基を表し、A3 は置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキレン、置換されていてもよいフェニレン、置換されていてもよいキシリレン、置換されていてもよいビフェニレン基を表し、Aはアニオンとなる基を表す。m及びnは1又は2を表す。但しmが2のときnは1を表しmが1のときnは2を表す。又、nが2のときAは同一又は異なっていても良い。)
    で表されるビスビオローゲン誘導体から選ばれた少なくとも一種と、
    (ロ)式(3)
    Figure 0003918961
    (式中、B1 は置換されていてもよいアルケニル、置換されていてもよいフェニル又は置換されていてもよいカルバゾリル基を表し、B2 ,B3 はそれぞれ置換されていてもよい炭素数1〜4のアルキル、置換されていてもよいフェニル基又は置換されていてもよいナフチル基を表し、又B2 とB3 で環を構成してもよい。)
    で表されるヒドラゾン誘導体、式(4)
    Figure 0003918961
    (式中、C1 は置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル、置換されていてもよいベンジル、置換されていてもよいフェニル、置換されていてもよいジフェニルメチル又は置換されていてもよい1−フェニルエチル基を表す。)で表されるフェノチアジン誘導体及び、式(5)
    Figure 0003918961
    (式中、D1 は置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキレン、置換されていてもよいp−フェニレン、置換されていてもよい4,4’−ビフェニレン又は置換されていてもよいp−キシリレン基を表す。)
    で表されるビスフェノチアジン誘導体から選ばれた少なくとも一種と、
    (ハ)式(6)
    Figure 0003918961
    (式中、E1 は置換されていてもよい炭素数1〜12のアルキル、置換されていてもよいベンジル又は置換されていてもよいフェニル基を表し、Aは式(1)と同じアニオンとなる基を表す。)
    で表されるトリフェニルフォスフォニウム誘導体塩及び、式(7)
    Figure 0003918961
    (式中、F1 は置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキレン、置換されていてもよいp−フェニレン、置換されていてもよい4,4’−ビフェニレン又は置換されていてもよいp−キシリレン基を表す。)
    で表されるビストリフェニルフォスフォニウム誘導体塩から選ばれた少なくとも一種とを含むことを特徴とするエレクトロクロミック表示素子。
  2. 式(1)で表されるビオローゲン誘導体及び式(2)で表されるビスビオローゲン誘導体の置換基A1 ,A2 が炭素数1〜12のアルキル、ベンジル、ジフェニルメチル又は1−フェニルエチル基であり、式(2)で表されるビスビオローゲン誘導体の 置換基A3 が、炭素数1〜10のアルキレン、p−キシリレン、p−フェニレン、4,4’−ビフェニレンであり、式(3)で表されるヒドラゾン誘導体が、式
    Figure 0003918961
    Figure 0003918961
    Figure 0003918961
    Figure 0003918961
    Figure 0003918961
    Figure 0003918961
    で示される化合物であり、式(4)で表されるフェノチアジン誘導体のC1 が炭素数1〜12のアルキル、ベンジル、ジフェニルメチル又は1−フェニルエチル基であり、式(5)で表されるビスフェノチアジン誘導体のD1 が炭素数1〜10のアルキレン、p−フェニレン、4,4’−ビフェニレン又はp−キシリレンであり、式(6)で表されるトリフェニルフォスフォニウム誘導体塩のE1 が炭素数1〜12のアルキル又はベンジル基であり、Aがフッ素、臭素、ヨウ素、4フッ化ホウ素または過塩素酸であり、式(7)で表されるビストリフェニルフォスフォニウム誘導体塩のF1 が炭素数1〜10のアルキレン、p−フェニレン、4,4’−ビフェニレン又はp−キシリレンである請求項1のエレクトロクロミック表示素子。
  3. エレクトロクロミック表示素子に使用されるエレクトロクロミック液中の式(1)で表されるビオローゲン誘導体又は式(2)で表されるビスビオローゲン誘導体の合計モル数と、式(3)で表されるヒドラゾン誘導体、式(4)で表されるフェノチアジン誘導体または式(5)で表されるビスフェノチアジン誘導体の合計モル数と、式(6)で表されるトリフェニルフォスフォニウム誘導体塩または式(7)で表されるビストリフェニルフォスフォニウム誘導体塩の合計モル数の3種のモル数のうち少なくとも2種が同じモル数である請求項1記載のエレクトロクロミック表示素子。
  4. 式(1),(2),(6)及び(7)で表される化合物のアニオンとなるAがフッ素、塩素、臭素、ヨウ素、4フッ化ホウ素または過塩素酸である請求項1のエレクトロクロミック表示素子。
  5. エレクトロクロミック表示素子に使用される溶媒が、炭酸プロピレン、ジメチルアセトアミドの少なくとも1種を含む事を特徴とする請求項1のエレクトロクロミック表示素子。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック素子を有する表示装置。
  7. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のエレクトロクロミック素子を有する調光ミラー。
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