JP3918808B2 - 音声信号の効果付与方法、音声信号の効果付与装置およびプログラム - Google Patents

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本発明は、楽音信号に対する効果付与に用いて好適な音声信号の効果付与方法、音声信号の効果付与装置およびプログラムに関する。
従来より、Cdsと光源とから成るCdsカプラを用いて、アナログ音声信号のダイナミックレンジを圧縮するコンプレッサ、その他アナログ音声信号に特殊効果を付与を実現する技術が知られている(特許文献1,2)。ここで、Cdsカプラの回路図を図1に示しておく。図において102はLEDであり、供給された電流にほぼ比例した輝度の光を放射する。104はCdsであり、そのアドミタンスはLED102の受光量に応じて変化する。そして、両者を外光から遮蔽するパッケージに封入することにより、Cdsカプラ100が構成される。アナログ回路のコンプレッサまたはエフェクタ等において、回路を構成する抵抗器としてこのCds104を用いると、LED102に供給する電流に応じて回路特性が変動し、圧縮量やエフェクト量等を動的に変動させることができるのである。
実開昭48−53939号公報 特開昭62−187392号公報
近年、音声信号用のコンプレッサやエフェクタ等は、デジタル信号処理によって実現されることが一般的であるため、Cdsカプラ自体はこれらの機器にはほとんど用いられていない。しかし、Cdsカプラを用いた回路によって得られる音声信号には独特の味わいがあるため、近年のエフェクタ等においてそれをシミュレートすべきという要請も高かった。例えば、位相変調信号をCdsカプラ100に供給する、アナログ回路のオールパスフィルタ(位相変調回路)を構成すると、変調信号の周波数が高いほどオールパスフィルタの平均カットオフ周波数が高くなるという現象が見られる。また、例えばCdsカプラ100に対して二等辺三角形状の三角波を入力すると、立ち上がりが速く立ち下がりが遅い非対称三角波が得られる。
この発明は上述した事情に鑑みてなされたものであり、Cdsその他光伝導素子に特有の特性を模擬することができる音声信号の効果付与方法、音声信号の効果付与装置およびプログラムを提供することを目的としている。
上記課題を解決するため本発明にあっては、下記構成を具備することを特徴とする。なお、括弧内は例示である。
請求項1記載の構成にあっては、各々に供給された信号に対して各々カットオフ周波数が異なるローパスフィルタ処理を行う複数のフィルタ処理過程(10,20,30)と、入力信号に対して前記フィルタ処理過程を並列に実行しこれら各フィルタ処理過程の結果を合成し、または、該入力信号に対して前記各フィルタ処理過程を縦続的に実行することによって、出力信号を出力する合成過程(42,44,46,48)と、前記入力信号のレベルが高くなるほど前記各フィルタ処理過程におけるカットオフ周波数を高くすることにより、前記入力信号の立ち上がり時において該入力信号に対して前記出力信号を急速に追従させるとともに、前記入力信号の立ち下がり時において該入力信号に対して前記出力信号を徐々に追従させるフィルタ特性変更過程(111,113,114)とを処理装置に実行させることを特徴とする。
また、請求項記載の構成にあっては、請求項記載の音声信号の効果付与方法を実行することを特徴とする。
また、請求項記載の構成にあっては、請求項記載の音声信号の効果付与方法を処理装置に実行させることを特徴とする。
このように、本発明によれば、各々カットオフ周波数が異なるローパスフィルタ処理結果を合成されるから、光伝導素子の物理特性を正確に模擬することができる。さらに、入力信号のレベルが高くなるほど各フィルタ処理過程におけるカットオフ周波数を高くする構成によれば、光伝導素子のメモリ効果等を一層忠実に再現することができる。
1.実施例の前提理論
まず、図1を参照しつつ、各実施例において模擬しようとするCdsカプラ100の特性について説明する。
まず、LED102に流す電流を増加しLED102の輝度を上昇させるとCds104のアドミタンスが上昇し(抵抗値が下降し)、逆にLED102の輝度を下降させるとCds104のアドミタンスが下降する。ここで、LED102の輝度が上昇する場合にはCds104のアドミタンスは比較的速く追従して上昇するが、LED102の輝度が下降した場合には、ある程度の時間遅れを伴って徐々にCds104のアドミタンスが下降するという現象が見られる。このような特性は「メモリ効果」と称されている。上述したように、Cdsカプラ100を用いてアナログ回路のオールパスフィルタ(位相変調回路)を構成すると、変調信号の周波数が高いほどオールパスフィルタの平均カットオフ周波数が高くなるという現象が見られ、また、Cdsカプラ100に対して二等辺三角形状の三角波を入力すると、立ち上がりが速く立ち下がりが遅い非対称三角波が得られるという現象も見られる。これらの現象もかかるメモリ効果に起因するものと考えられる。
また、Cds104の受光面はある程度の面積を有しているが、ここに照射される単位面積あたりの光量は受光面の部分に応じて異なるため、「メモリ効果」による時間遅れの時定数は、Cds104の受光面の部分に応じて異なる。換言すれば、Cds104の受光面は分布定数的に時定数が変化するローパスフィルタを構成していると考えることができる。そこで、後述する各実施例においては、時定数の異なる複数のローパスフィルタを組み合わせることによってCds104の物理的特性をシミュレートすることとした。
2.第1実施例
2.1.実施例のハードウエア構成
次に、本発明の第1実施例のエフェクト装置のハードウェア構成を図2を参照して説明する。
図2において、1は入出力インターフェースであり、外部機器との間で音声信号を入出力する。2は信号処理部であり、一または複数のDSPによって構成され、入出力インターフェース2から入力された音声信号をデジタル信号処理する。3は操作部であり、各種スイッチ等によって構成されている。4は表示部であり、ユーザに対して各種情報を表示する。5はCPUであり、ROM7に記憶された制御プログラムに従って、バス8を介して各部を制御する。6はRAMであり、CPU5のワークメモリとして使用される。
2.2.実施例の動作
2.2.1.Cdsシミュレータのアルゴリズム
本実施例のエフェクト装置は、入力された音声信号に対して、信号処理部2において各種の特殊効果を施し、その結果を入出力インターフェース1を介して出力する。以下、信号処理部2において実行される処理のアルゴリズムを説明するが、最初にCdsカプラ100の動作をシミュレートするCdsシミュレータのアルゴリズムを図3を参照し説明する。なお、図3は、信号処理部2において実行されるマイクロプログラムのアルゴリズムをブロック図によって表現したものである。図3のアルゴリズムは、メモリ効果が全くなかったと仮定したときのCds104のアドミタンス(これはLED102に供給される電流に比例する)を入力アドミタンス信号SAinとし、この入力アドミタンス信号SAinに基づいてメモリ効果を加味した出力アドミタンス信号SAoutを出力するものである。
図3において12は減算器であり、入力アドミタンス信号SAinから遅延回路18の出力信号を減算する。なお、遅延回路18は、入力された信号を「1」サンプリング周期だけ遅延させる回路である。14は増幅器であり、減算器12の減算結果を所定のゲインc1で増幅する。16は加算器であり、増幅器14の出力信号と遅延回路18の出力信号とを加算し、この結果を遅延回路18に供給する。以上の構成要素12〜18によってIIR(infinite impulse response)フィルタであるローパスフィルタ10が構成されている。
ここで、ローパスフィルタ10の動作を定性的に説明しておく。まず、増幅器14の出力レベルが「0」であるとすると、遅延回路18に保持されている値がそのまま遅延回路18の入力端に供給されるから、遅延回路18の出力信号に変化が生じることはない。しかし、実際には遅延回路18の出力信号と、入力アドミタンス信号SAinとの差分に応じた信号が加算器16に逐次供給されるため、遅延回路18の出力信号は、入力アドミタンス信号SAinのレベルに徐々に近接してゆくことになる。そして、この近接してゆく速度はゲインc1に比例する。すなわち、ゲインc1が高いほど遅延回路18の出力信号の追従速度が高くなる。換言すれば、ゲインc1が高くなるほど時定数が小さくなることが解る。
20および30はローパスフィルタであり、各々構成要素12〜18と同様の構成要素22〜28および構成要素32〜38から構成されている。但し、増幅器14,24,34におけるゲインc1,c2,c3には、「c1>c2>c3」の関係がある。これにより、各ローパスフィルタには異なる時定数が付与されることになる。42,44,46は増幅器であり、加算器16,26,36の各出力信号に対して各々ゲインm1,m2,m3を乗算する。48は加算器であり、増幅器42,44,46の出力信号を加算し、その結果を出力アドミタンス信号SAoutとして出力する。
ここで、ゲインm1,m2,m3には、「m1+m2+m3=1」の関係がある。これは、CdsシミュレータのDCゲインを「1」にするためである。以上の構成要素により、Cdsシミュレータ66が構成されている。Cdsシミュレータ全体の特性は、上述した各ゲインc1,c2,c3およびゲインm1,m2,m3によって決定されるが、これらのゲインは、シミュレートしようとするCdsカプラに応じて、ロールオフが「6dB/oct」よりも緩やかなローパスフィルタ状にの特性になるように設定される。
次に、本実施例のCdsシミュレータと、単なるローパスフィルタ(ロールオフが「6dB/oct」のフィルタ)とに対して同一のカットオフ周波数を設定したと仮定して、両者の特性を比較してみる。まず、上記Cdsシミュレータにおいては、入力アドミタンス信号SAinのうち、Cdsシミュレータのカットオフ周波数よりも相当に高い周波数成分に対しても比較的高いゲインを付与することができる。これにより、単なるローパスフィルタと比較すると、入力アドミタンス信号SAinが立ち上がった時に、あるレベルまでは出力アドミタンス信号SAoutを急峻に立上げることができる。
また、本実施例のCdsシミュレータにおいては、カットオフ周波数よりも相当に低い周波数成分に対しても、比較的高い減衰量を保持することができる。これにより、入力アドミタンス信号SAinが立ち下がった時に、出力アドミタンス信号SAoutが入力アドミタンス信号SAinに追従するまでの時間を長くすることができる。このように、本実施例のCdsシミュレータにあっては、通常のローパスフィルタでは実現できないCdsの物理特性がシミュレートできることが解る。
2.2.2.コンプレッサのアルゴリズム
次に、上記Cdsシミュレータを用いて構成したコンプレッサのアルゴリズムを図4を参照し説明する。
図において50は増幅器であり、入力された音声信号Sinを所定の入力ゲインで増幅する。52は可変増幅器であり、後述する信号S68をゲインとして、増幅器50の出力信号を増幅する。54は減衰器であり、可変増幅器52の出力信号S52を所定の減衰率で減衰し、その結果を信号S54として出力する。58は減算器であり、信号S54から所定のスレッショルド値Thを減算し、その結果を信号S58として出力する。60は半波整流器であり、信号S58を半波整流し、その結果を信号S60として出力する。62はハイパスフィルタであり、信号S60の直流成分を除去し、その結果を信号S62として出力する。64は全波整流器であり、信号S62を全波整流し、その結果を上述した入力アドミタンス信号SAinとしてCdsシミュレータ66に供給する。
ここで、図5(a)〜(c)を参照し、上記信号S54〜S62,SAinの関係を説明する。まず、信号S54の波形は同図(a)に示すような交流波形であり、スレッショルド値Thは図示の一点鎖線に示すレベルであったとする。この場合、減算器58から出力される信号S58は、信号S54のゼロクロス点を上記スレッショルド値Thまでシフトしたような波形になる。これにより、半波整流器60の出力信号S60は、図5(b)に示すように、信号S58のうちゼロクロス点以下の区間のレベルを「0」にした信号に等しくなる。ここで、信号S60の平均値は図5(b)に一点鎖線で示すレベルである。次に、この信号S60から直流成分を除去した信号S62は、信号S60のゼロクロス点を該平均値にシフトしたような波形になる。従って、該信号S62を全波整流して成る入力アドミタンス信号SAinは、図5(c)に示すような波形になる。
図5の各図によれば、信号S54の振幅が常にスレッショルド値Th以下である場合には入力アドミタンス信号SAinは常に「0」であり、信号S54がスレッショルド値Thを超える時間が長いほど、また超えるレベルが大きいほど入力アドミタンス信号SAinのレベルが高くなることが解る。次に、68はアドミタンス/減衰量変換部であり、Cdsシミュレータ66から供給された出力アドミタンス信号SAoutに基づいて、信号S68のレベルを設定する。すなわち、信号S68は、出力アドミタンス信号SAoutが大きくなるほど小さくなるように設定される。
従って、音声信号Sinのレベルが高くなるほど入力アドミタンス信号SAinのレベルも高くなり、これによって可変増幅器52のゲインが下がることが解る。このように、可変増幅器52においてゲイン調節された信号S52は、減衰器54に供給されるとともに増幅器56に供給される。増幅器56においては、信号S52が所定の出力ゲインで増幅された後、音声信号Sinのダイナミックレンジを圧縮した出力信号Soutとして出力される。
3.第2実施例
次に、本発明の第2実施例のエフェクト装置について説明する。本実施例のハードウェア構成およびコンプレッサの全体のアルゴリズムは第1実施例と同様である。但し、本実施例においては、第1実施例におけるCdsシミュレータ66に代えて、図6に示すCdsシミュレータが適用される。なお、図6において図3の各部に対応する部分には同一の符号を付す。
図6において112は減算器、114は増幅器、116は加算器、118は遅延回路であり、第1実施例(図3)の構成要素12〜18と同様に構成されている。但し、本実施例における増幅器114は動的にゲイン調節される可変増幅器である。111は増幅器であり、入力アドミタンス信号SAinを所定のゲインc1aで増幅する。113は加算器であり、増幅器111の出力信号に対して定数c10を加算する。そして、この加算結果「SAin・c1a+c10」が増幅器114におけるゲインとして適用されることになる。これら構成要素111〜118によってローパスフィルタ110が構成されている。すなわち、定数c10は、入力アドミタンス信号SAinが「0」であるときのローパスフィルタ110の時定数を決定する定数であり、ゲインc1aは、入力アドミタンス信号SAinが「1」だけ変化するときの時定数の減少分に対応する値になる。
120および130はローパスフィルタであり、各々構成要素111〜118と同様の構成要素121〜128および構成要素131〜138から構成されている。但し、各加算器113,123,133に供給される定数c10,c20,c30には、「c10>c20>c30」の関係がある。本実施例においては、入力アドミタンス信号SAinのレベルが高くなるほど増幅器114,124,134のゲインが増加し、各ローパスフィルタ110,120,130の時定数が小さくなる。すなわち、入力アドミタンス信号SAinが低いレベルから高いレベルに立ち上がると、出力アドミタンス信号SAoutが入力アドミタンス信号SAinに対して急速に追従する一方、入力アドミタンス信号SAinが高いレベルから低いレベルに立ち下がると、出力アドミタンス信号SAoutが徐々に立ち下がるのである。
このように、本実施例においては、入力アドミタンス信号SAinの立ち上がりおよび立ち下がり時においてローパスフィルタ110,120,130の特性が切り替わるため、立ち上がりが早くメモリ時間が長いというCdsの挙動を一層忠実にシミュレートすることができる。
4.第3実施例
次に、本発明の第3実施例のエフェクト装置について説明する。本実施例のハードウェア構成およびコンプレッサの全体のアルゴリズムは第1実施例と同様である。但し、本実施例においては、第1実施例におけるCdsシミュレータ66に代えて、図7に示すCdsシミュレータが適用される。
図7において212は減算器、213は増幅器、214は加算器、215は遅延回路であり、第1実施例(図3)の構成要素12〜18と同様に構成されている。従って、構成要素212〜215によって、増幅器213におけるゲインc1に応じた時定数を有するローパスフィルタが構成される。216は増幅器であり、該ローパスフィルタによってフィルタリングされた信号に対して所定のゲインs1(但し、0≦s1≦1)を付与する。また、211は増幅器であり、フィルタリングされていない入力アドミタンス信号SAinに対してゲイン「1−s1」を付与する。217は加算器であり、両増幅器211,216の出力信号を加算する。上記構成要素211〜217によって、シェルビングフィルタ210が構成されている。
シェルビングフィルタ210において、上記ゲインs1を「1」に設定すると、シェルビングフィルタ210は第1実施例のローパスフィルタ10と等価になる。そして、ゲインs1を「0」を超える値にすると、その値に応じて高域成分が増幅器211を介して加算器217に供給される。ここで、入力アドミタンス信号SAinのうち充分高い周波数成分は、増幅器211のみを介して加算器217に供給されるから、そのゲインは「1−s1」である。一方、充分低い周波数成分は増幅器211,216の双方を介して加算器217に供給されるから、そのゲインは「1」である。そして、上記構成要素212〜215から成るローパスフィルタのカットオフ周波数付近では、周波数が高くなるほどゲインは「1」から「1−s1」に向かって徐々に低下する。このように、シェルビングフィルタ210は、ローパスフィルタの一種であるが、その周波数特性は階段状になることが解る。
220および230はシェルビングフィルタであり、各々構成要素211〜217と同様の構成要素221〜227および構成要素231〜237から構成されている。但し、増幅器213,223,234におけるゲインc1,c2,c3には、第1実施例と同様に「c1>c2>c3」の関係がある。そして、各シェルビングフィルタのカットオフ周波数に対して充分に高い周波数成分に対する減衰率は、各々ゲインs1,s2,s3によって決定される。本実施例のCdsシミュレータは、これらシェルビングフィルタ210,220,230が縦続接続されることによって構成されている。
第1,第2実施例において説明したアルゴリズムにおいては、Cdsシミュレータ全体の特性は、ロールオフが「6dB/oct」よりも緩やかなローパスフィルタの特性になるため、本実施例のようなシェルビングフィルタの縦続接続によっても同様な特性を実現することができる。
5.第4実施例
次に、本発明の第4実施例のエフェクト装置について説明する。本実施例のハードウェア構成およびコンプレッサの全体のアルゴリズムは第1実施例と同様である。但し、本実施例においては、第1実施例におけるCdsシミュレータ66に代えて、図8に示すCdsシミュレータが適用される。
図8において311,313,316は増幅器、312は減算器、314,317は加算器、315は遅延回路であり、第3実施例(図7)の構成要素211〜217と同様に構成されている。但し、本実施例における増幅器313は動的にゲイン調節される可変増幅器である。318は増幅器であり、入力アドミタンス信号SAinを所定のゲインc1aで増幅する。319は加算器であり、増幅器318の出力信号に対して定数c10を加算する。そして、この加算結果「SAin・c1a+c10」が増幅器313におけるゲインとして適用されることになる。これら構成要素311〜319によってシェルビングフィルタ310が構成されている。すなわち、第2実施例と同様に、定数c10は入力アドミタンス信号SAinが「0」であるときのローパスフィルタ110の時定数を決定する定数であり、ゲインc1aは、入力アドミタンス信号SAinが「1」だけ変化するときの時定数の減少分に対応する値になる。
320,330はシェルビングフィルタであり、各々構成要素311〜319と同様の構成要素321〜329および構成要素331〜339から構成されている。但し、各加算器319,329,339に供給される定数c10,c20,c30には、「c10>c20>c30」の関係がある。本実施例のCdsシミュレータは、これらシェルビングフィルタ310,320,330が縦続接続されることによって構成されている。
本実施例においては、第2実施例と同様に、入力アドミタンス信号SAinのレベルが高くなるほど増幅器313,323,333のゲインが増加するため、図8のCdsシミュレータにおいては、入力アドミタンス信号SAinが低いレベルから高いレベルに立ち上がると、出力アドミタンス信号SAoutが入力アドミタンス信号SAinに対して急速に追従する一方、入力アドミタンス信号SAinが高いレベルから低いレベルに立ち下がると、出力アドミタンス信号SAoutが徐々に立ち下がるという特性を有する。
このように、本実施例においては、入力アドミタンス信号SAinの立ち上がりおよび立ち下がり時においてシェルビングフィルタ310,320,330の特性が切り替わるため、上述した第2実施例と同様に、立ち上がりが早くメモリ時間が長いというCdsの挙動を一層忠実にシミュレートすることができる。
6.変形例
本発明は上述した実施例に限定されるものではなく、例えば以下のように種々の変形が可能である。
(1)上記各実施例においては、エフェクト装置のローパスフィルタ10上で動作するマイクロプログラムによってエフェクト装置およびCdsシミュレータの機能を実現したが、このプログラムのみをCD−ROM、フレキシブルディスク等の記録媒体に格納して頒布し、あるいは伝送路を通じて頒布することもできる。
(2)また、上記各実施例におけるローパスフィルタまたはシェルビングフィルタの構成は各実施例に述べたものに限定されるわけではない。例えば、これらのフィルタはFIR(finite impulse response)フィルタによって構成してもよい。また、IIR(infinite impulse response)フィルタも各実施例に示したもの以外に各種の方式が知られており、これらを適用してよいことは言うまでも無い。また、これらフィルタの伝達関数も双1次変換等によって求めても良い。
(3)また、上記各実施例は、本発明をコンプレッサに適用した例を説明したが、本発明はコンプレッサに限定されるものではなく、例えばフェーザ(位相シフトを行うオールパスフィルタ)、フランジャー、コーラス、トレモロ、パンニング等、各種の音声信号のエフェクト処理等に適用してもよい。
従来のCdsカプラ100の回路図である。 本発明の各実施例のハードウエアブロック図である。 第1実施例のCdsシミュレータのアルゴリズムのブロック図である。 第1実施例のコンプレッサのアルゴリズムのブロック図である。 図4における各部の波形図である。 第2実施例のCdsシミュレータのアルゴリズムのブロック図である。 第3実施例のCdsシミュレータのアルゴリズムのブロック図である。 第4実施例のCdsシミュレータのアルゴリズムのブロック図である。
符号の説明
2:信号処理部、3:操作部、4:表示部、5:CPU、6:RAM、7:ROM、8:バス、10,20,30:ローパスフィルタ、12:減算器、14:増幅器、16:加算器、18:遅延回路、42,44,46:増幅器、48:加算器、50:増幅器、52:可変増幅器、54:減衰器、56:増幅器、58:減算器、60:半波整流器、62:ハイパスフィルタ、64:全波整流器、66:Cdsシミュレータ、68:アドミタンス/減衰量変換部、100:Cdsカプラ、102:LED、104:Cds、110,120,130:ローパスフィルタ、111:増幅器、112:減算器、113:加算器、114:増幅器、210,220,230:シェルビングフィルタ、310,320,330:シェルビングフィルタ。

Claims (3)

  1. 各々に供給された信号に対して各々カットオフ周波数が異なるローパスフィルタ処理を行う複数のフィルタ処理過程と、
    入力信号に対して前記フィルタ処理過程を並列に実行しこれら各フィルタ処理過程の結果を合成し、または、該入力信号に対して前記各フィルタ処理過程を縦続的に実行することによって、出力信号を出力する合成過程と
    前記入力信号のレベルが高くなるほど前記各フィルタ処理過程におけるカットオフ周波数を高くすることにより、前記入力信号の立ち上がり時において該入力信号に対して前記出力信号を急速に追従させるとともに、前記入力信号の立ち下がり時において該入力信号に対して前記出力信号を徐々に追従させるフィルタ特性変更過程と
    を処理装置に実行させることを特徴とする音声信号の効果付与方法
  2. 請求項記載の音声信号の効果付与方法を実行することを特徴とする音声信号の効果付与装置
  3. 請求項記載の音声信号の効果付与方法を処理装置に実行させることを特徴とするプログラム。
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