JP2003122361A - 効果付与装置 - Google Patents

効果付与装置

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JP2003122361A
JP2003122361A JP2001319441A JP2001319441A JP2003122361A JP 2003122361 A JP2003122361 A JP 2003122361A JP 2001319441 A JP2001319441 A JP 2001319441A JP 2001319441 A JP2001319441 A JP 2001319441A JP 2003122361 A JP2003122361 A JP 2003122361A
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imparting
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delay
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Eiji Urakawa
英治 浦川
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Roland Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】入力された楽音に効果を付与する効果付与装置
に関し、入力された楽音に効果を付与するにあたり、特
徴を生かした効果を付与する。 【解決手段】入力された楽音を3つ以上の周波数帯域の
各楽音成分に分割する帯域分割手段110,210,3
10と、帯域分割手段110,210,310によって
分割された楽音成分のうち、少なくとも、2つの楽音成
分に互いに異なる効果を付与する効果付与手段120,
220,320と、帯域分割手段110,210,31
0で得られる複数の楽音成分を、効果付与手段120,
220,320で効果が付与される楽音成分については
効果付与手段120,220,320で効果を付与した
上で相互に加算する加算手段400とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力された楽音に
効果を付与する効果付与装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、エレキギターなどの楽音を入
力して、その入力された楽音にコーラス効果等の様々な
効果を付与する効果付与装置が知られている。ここで
は、コーラス効果を付与する効果付与装置を例にあげて
説明する。
【0003】このコーラス効果は、単一の音源の音を複
数の音源が同時に鳴っているように変える効果である。
楽音(原音)を表すディジタル信号(原音信号)へのコ
ーラス効果の付与は、入力された原音信号を2つに分流
し、一方の信号には何の処理も行わず、もう一方の信号
には、ピッチが周期的に繰り返しシフトする楽音を表
す、原音信号に対して遅延された遅延信号を生成するデ
ィレイ処理を行い、両者を加算して出力することで行わ
れる。すなわち、原音信号とディレイ信号とを加算する
ことで、単一の音源の音を複数の音源が同時に鳴ってい
るように変えることができる。このような、コーラス効
果が付与された楽音の周波数特性は、図1に示すように
なる。
【0004】図1は、コーラス効果が付与された楽音の
周波数特性を静的に表したグラフである。
【0005】この図1のグラフの横軸は聴覚の特性を表
現するために対数表記の周波数を表わし、縦軸はレベル
を表わしたものである。図1に示すように、コーラス効
果が付与された楽音の周波数特性は、コムフィルタで処
理されたような特性となり、低域は聴感上ノッチの幅が
広く感じる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】したがって、レベルが
抑えられてしまう信号成分が増えてしまい、低域になる
ほどその傾向は強まる。このため、コーラス効果が付与
された楽音では、特に低域で音やせが目立ってしまう。
【0007】また、コーラス効果が付与された楽音は、
ピッチが周期的に繰り返しシフトする楽音が重ねられた
楽音であるため音揺れが生じる。この音揺れは、コーラ
ス効果の特徴の一つでもあるが、人がピッチに敏感な帯
域では、かえって邪魔になることがある。
【0008】コーラス効果に限らず他の効果を付与した
楽音でも、このように付与した効果の特徴がかえって邪
魔になる帯域があることは少なくない。
【0009】本発明は、上記事情に鑑み、特徴を生かし
た効果を付与することができる効果付与装置を提供する
ことを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発
明の第1の効果付与装置は、入力された楽音に効果を付
与する効果付与装置において、入力された楽音を3つ以
上の周波数帯域の各楽音成分に分割する帯域分割手段
と、前記帯域分割手段によって分割された楽音成分のう
ち、少なくとも、2つの楽音成分に互いに異なる効果を
付与する効果付与手段と、前記帯域分割手段で得られた
複数の楽音成分を、前記効果付与手段で効果が付与され
る楽音成分については該効果付与手段で効果を付与した
上で相互に加算する加算手段とを備えたことを特徴とす
る。
【0011】本発明の第1の効果付与装置では、入力さ
れた楽音に効果を付与するにあたり、付与する効果の特
徴を生かすことが最も有効な周波数帯域の楽音成分にそ
の効果を付与し、その効果の欠点が生じる周波数帯域の
楽音成分にはその効果とは別の効果を付与することがで
き、特徴を生かした効果を付与することができる。
【0012】上記目的を達成する本発明の第2の効果付
与装置は、入力された楽音に効果を付与する効果付与装
置において、入力された楽音を、所定の低域成分、所定
の中域成分、および所定の高域成分からなる3つの周波
数帯域の楽音成分に分割する帯域分割手段と、前記中域
成分に、該中域成分を複数に分流させピッチを同一量だ
けシフトさせて互いにクロスフェードさせる処理を含む
デチューン効果を付与するとともに、前記高域成分に、
ピッチを周期的に繰り返しシフトさせる処理を含むコー
ラス効果を付与する効果付与部と、前記低域成分、前記
中域成分、および前記高域成分を、前記中域成分および
前記高域成分については前記効果付与手段で効果を付与
した上で相互に加算する加算手段とを備えたことを特徴
とする。
【0013】ここで、人間は、200Hzから4KHz
程度の周波数帯域の楽音成分のピッチについて最も敏感
である。本発明の第2の効果付与装置では、このよう
な、人がピッチに敏感な帯域の楽音成分を、ピッチを周
期的に繰り返しシフトさせることなくクロスフェードさ
せることで、音揺れを防止しながら複数の音源が同時に
鳴っているような楽音成分に変えることができるととも
に、高域成分を、ピッチを周期的に繰り返しシフトさせ
ることで、コーラス効果の特徴の一つである音揺れを生
じさせた楽音成分に変えることができる。このため、入
力された楽音を、音抜けも、人がピッチに敏感な帯域で
の音揺れもない楽音でありながら、複数の音源が同時に
鳴っているような楽音に変えることができる。したがっ
て、本発明の第2の効果付与装置は、コーラス効果の特
徴を生かした効果を付与することができる。
【0014】また、本発明の第2の効果付与装置におい
て、前記効果付与手段は、さらに、前記低域成分に、該
低域成分のピッチを所定量だけシフトさせたディレイ効
果を付与するものであって、前記加算手段は、前記低域
成分、前記中域成分、および前記高域成分を、前記効果
付与手段でそれぞれ効果を付与した上で相互に加算する
ものであることが好ましい。
【0015】このように、低域成分に、ピッチを所定量
だけシフトさせたディレイ効果を付与することで、上記
加算手段で加算した楽音を、低域における音やせを防止
しつつ低域が拡がった楽音にすることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態について
説明する。
【0017】本発明の第1実施形態の効果付与装置は、
CPUによって制御されるDSPを備えている図2は、
第1実施形態の効果付与装置のDSPの作用を示す機能
ブロック図である。
【0018】この図2には、本実施形態の効果付与装置
1が備えるDSP10の入力から出力までの信号の流れ
が示されている。このDSP10には、楽音(原音)を
表すディジタル信号が入力される。ここで、人間は、2
00Hzから4KHz程度の周波数帯域の楽音成分のピ
ッチについて最も敏感である。そこで、本実施形態で
は、このような、人がピッチに敏感な帯域を中域、その
中域よりも高い帯域を高域、その中域よりも低い帯域を
低域とし、DSP10は、入力されたディジタル信号
を、これら3つの周波数帯域の各信号成分に分割するた
めに、HPF(ハイパスフィルタ)110、BPF(バ
ンドパスフィルタ)210、およびLPF(ローパスフ
ィルタ)310を備えている。入力されたディジタル信
号は原音信号として利用されるとともに、これらのフィ
ルタ110,210,310に供給される。また、この
DSP10は、コーラス部120、デチューン部22
0、およびディレイ部320を備えている。HPF11
0で入力ディジタル信号の中域以下の信号成分がカット
された、高域の信号成分はコーラス部120に供給され
る。BPF210で入力ディジタル信号の、低域および
高域の信号成分がカットされた、中域の信号成分はデチ
ューン部220に供給される。LPF310で入力ディ
ジタル信号の中域以上の信号成分がカットされた、低域
の信号成分はディレイ部320に供給される。また、こ
のDSP10は帯域成分加算器400と増幅器500を
備えており、コーラス部120、デチューン部220、
およびディレイ部320それぞれから出力された信号
は、この帯域成分加算器400によって加算され、加算
された信号は、この増幅器500によって増幅される。
さらに、このDSP10は、原音信号加算器600を備
えている。原音信号加算器600は、原音信号と帯域成
分加算器500で加算された信号とを加算する。原音信
号加算器600で加算された信号は、このDSP10か
らの出力信号として出力される。なお、DSP10内部
から原音信号加算器600を省略し、DSP10外部に
おいて原音信号と帯域成分加算器500で加算された信
号との加算を行ってもよい。
【0019】続いて、図3を用いて、コーラス部120
の詳しい説明を行う。
【0020】図3は、本実施形態のコーラス部の作用を
示す機能ブロック図である。
【0021】図3に示すコーラス部120に入力された
高域の信号成分は2つに分流される。分流された一方の
信号成分は、何の処理も行われずに加算器121に供給
されるが、もう一方の信号成分は、LFO(低周波信号
発振器)122からの信号によって遅延量が変化させら
れるディレイ123において遅延されて加算器121に
供給される。このディレイ123には、楽音データを一
旦記録するリングメモリ(不図示)が備えられており、
分流された高域の信号成分を構成する楽音データは、こ
のリングメモリに1サンプルずつ、サンプリング周期と
同じ周期で一旦書き込まれ、その後1サンプルずつ読み
出される。この書き込み時間と読み出し時間との時間差
がこのディレイ123における遅延量となるが、ここで
は、楽音データが書き込まれる、リングメモリのアドレ
ス(書込アドレス)と、楽音データが読み出される、リ
ングメモリのアドレス(読出アドレス)とのアドレス差
を遅延量(ディレイ長)として図3とともに図4を用い
て以下説明する。
【0022】図4は、本実施形態のコーラス部におけ
る、ディレイ信号の生成を説明するための図である。
【0023】図4の上方に示された(a)のグラフはデ
ィレイ123のディレイ長に関するグラフであり、下方
に示された(b)のグラフはディレイ音のピッチ差に関
するグラフである。図4(a)のグラフの縦軸はディレ
イ長を表し、図4(b)のグラフの縦軸は、原点の位置
を原音の高域成分のピッチとして、そのピッチに対する
ピッチ差を表す。また、これらのグラフの横軸はともに
時間を表し、同じスケールで同時刻を表すように互いに
揃えて示されている。
【0024】図4(a)に示された三角波の傾きは、デ
ィレイ123におけるリングメモリの読出速度に相当
し、三角波の右上がりの部分では、リングメモリの書込
速度に対して読出速度が遅いことを表し、三角波の右下
がりの部分では、リングメモリの書込速度に対して読出
速度が速いことを表す。また、各傾きは正負の違いはあ
るものの一定であるため、読出速度は、書込速度よりも
速い一定の速度と書込速度よりも遅い一定の速度との2
つになる。ここで、書込速度に対して読出速度が遅いと
ピッチは下がり、反対に速いとピッチは上がる。そのた
め、図4(b)に示すように、ディレイ音のピッチは、
三角波の右下がりの部分では下がったものとなり、三角
波の右上がりの部分では上がったものとなる。
【0025】図3に示すディレイ123には、LFO1
22から、この図4(a)に示すような三角波の読出制
御信号が供給され、ディレイ123では、リングメモリ
にサンプリング周期と同じ周期で書き込まれた楽音デー
タを、この読出制御信号に基づいて読み出すことでディ
レイ信号を生成する。したがって、生成されたディレイ
音は、ピッチが周期的に繰り返しシフトする楽音とな
る。
【0026】図3に示す加算器121は、何の処理も行
われていない高域の信号成分と、このようにして生成さ
れたディレイ信号とを加算し、この加算された信号がこ
のコーラス部120から出力される。このため、このコ
ーラス部120から出力された信号が表す楽音成分は、
ピッチが周期的に繰り返しシフトする楽音が重ねられた
楽音成分となり、音揺れが生じる。なお、コーラス効果
を付与した高域成分の楽音では、コーラス効果の付与に
伴う音やせは聴感上全く問題にならない。
【0027】続いて、図5を用いて、デチューン部22
0の詳しい説明を行う。
【0028】図5は、本実施形態のデチューン部の作用
を示す機能ブロック図である。
【0029】図5に示すデチューン部220に入力され
た、人がピッチに敏感な帯域である中域の信号成分はデ
ィレイ221に供給される。このデチューン部220の
ディレイ221も、コーラス部120のディレイ123
と同じく、リングメモリ(不図示)を備えており、リン
グメモリへの書き込みとリングメモリからの読み出しを
行う。ただし、デチューン部220のディレイ221で
は、リングメモリへ、分流された中域の信号成分を構成
する楽音データを書き込み、リングメモリからの読み出
し時には2つの楽音データを読み出す。ここでも、コー
ラス部120のディレイ123と同じく、書込アドレス
と読出アドレスとのアドレス差を遅延量(ディレイ長)
として、図5とともに図6を用いて説明するが、このデ
チューン部220のディレイ221が有するリングメモ
リには、楽音データが読み出されるアドレスが2つ用意
されている。そのため、一方の読出アドレスをRD1と
称し、もう一方の読出アドレスをRD2と称することに
する。
【0030】図6は、本実施形態のデチューン部におけ
る、ディレイ信号の生成を説明するための図である。
【0031】図6の一番上に示された(a)のグラフ
は、図5に示すディレイ221のディレイ長に関するグ
ラフであり、中央に示された(b)のグラフは、レベル
の制御に関するグラフであり、一番下に示された(c)
のグラフは、ディレイ音のピッチ差に関するグラフであ
る。図6(a)のグラフの縦軸は図4(a)のグラフの
縦軸と同様にディレイ長を表し、図6(b)のグラフの
縦軸は、レベルを表し、図6(c)のグラフの縦軸は、
原音の中域成分のピッチを基準としたピッチ差を表す。
また、これらのグラフの横軸はいずれも時間を表し、同
じスケールで同時刻を表すように互いに揃えて示されて
いる。
【0032】図6(a)には、位相がずらされた、同じ
波形の鋸波が2つ示されており、実線で示された鋸波の
傾きは、一方の読出アドレスRD1における読出速度に
相当し、点線で示された鋸波の傾きは、もう一方の読出
アドレスRD2における読出速度に相当する。これら2
つの鋸波はともに、右下がりのものであって各傾きは一
定である。図5に示すデチューン部220には、LFO
222が設けられており、図5に示すディレイ221に
は、このLFO222から、図6(a)に示すような2
つの鋸波の読出制御信号が供給される。図5に示すディ
レイ221は、リングメモリから、これら2つの読出制
御信号に基づいて2つの楽音データを読み出す。図6
(a)に示す2つの鋸波は同じ波形であり、また、いず
れの読出アドレスRD1,RD2においても、書込速度
よりも速い一定の読出速度で楽音データが読み出される
ため、これら2つの楽音データそれぞれに基づく楽音の
ピッチは、原音の中域成分のピッチよりも同じ量だけ上
にシフトした一定のピッチとなる。しかしながら、図6
(a)に示す2つの鋸波それぞれの切り立った各部分で
は読出速度が急激に変化する。この読出速度の急激な変
化はピッチを乱してノイズとなる。
【0033】図5に示すデチューン部220には、クロ
スフェード部223が設けられている。このクロスフェ
ード部223には、図5に示すディレイ221から、2
つの読出アドレスそれぞれで読み出された楽音データか
らなる信号が供給されるとともに、図5に示すLFO2
22から、図6(b)に示す2つの三角波の信号が供給
される。図6(b)のグラフの、実線の三角波は、一方
の読出アドレスRD1で読み出された楽音データからな
る信号のレベルを制御するためのものであり、図6
(a)の実線の鋸波の切り立った部分でレベルが0にな
るように位相調整された信号である。また、点線の三角
波は、もう一方の読出アドレスRD2で読み出された楽
音データからなる信号のレベルを制御するためのもので
あり、図6(a)の点線の鋸波の切り立った部分でレベ
ルが0になるように位相調整された信号である。クロス
フェード部223は、これらの三角波の信号に基づい
て、図5に示すディレイ221から供給された2つの信
号どうしをクロスフェード(混合する楽音の一方の楽音
の音量を下げつつ他方の楽音の音量を上げること)して
ディレイ信号を生成する。生成されたディレイ信号は、
このデチューン部220から出力される。このため、こ
のデチューン部22から出力されたディレイ信号が表
す、楽音の中域成分は、クロスフェードによってノイズ
の発生が抑えられたものとなる。また、クロスフェード
によってコーラス効果に似た複数の音源が同時に鳴って
いるようになるものの、ピッチが一定であるため音揺れ
は生じない。またさらに、原音の中域成分のピッチから
一定量だけシフトしたピッチであるため、図1に示す原
音信号加算器600によって原音信号と加算されること
で、本実施形態の効果付与装置1から出力される楽音の
中域成分に拡がりをもたせることができる。
【0034】続いて、図7を用いて、ディレイ部320
の詳しい説明を行う。
【0035】図7は、本実施形態のディレイ部の作用を
示す機能ブロック図である。
【0036】図7に示すディレイ部320に入力された
低域の信号成分はディレイ321に供給される。このデ
ィレイ部320のディレイ321も、コーラス部120
やデチューン部220のディレイ123,221と同じ
く、リングメモリ(不図示)を備えており、リングメモ
リへの書き込みとリングメモリからの読み出しを行う
が、コーラス部120やデチューン部220のディレイ
123,221よりも遅延量は大幅に小さい。また、こ
のディレイ部320は、このディレイ321に、リング
メモリからの読出速度を指示する制御信号を供給するL
FO322も備えている。図7に示すディレイ321に
は、このLFO322から、書込速度よりも速い一定の
読出速度を指示する制御信号が供給され、図7に示すデ
ィレイ321は、この制御信号に基づいて、リングメモ
リから楽音データを読み出すことでディレイ信号を生成
する。生成されたディレイ信号はこのディレイ部320
から出力される。この結果、このディレイ部320から
出力されたディレイ信号が表す楽音成分は、原音の低域
成分からわずかに遅れたものとなる。また、このディレ
イ信号が表す楽音成分のピッチは、原音の低域成分のピ
ッチから一定量だけ上にシフトしたピッチとなる。ここ
で、楽音の周波数特性が、図1に示すようなコムフィル
タで処理されたような特性となるのは、大きく位相が異
なる信号どうしが加算されたときである。したがって、
この図7に示すディレイ部320からは、原音信号が加
算されていないディレイ信号が出力されるため、出力さ
れたディレイ信号が表す楽音の周波数特性はコムフィル
タで処理されたような特性にはならず、この結果、ディ
レイ信号が表す楽音は音やせを生じない。また、この図
7に示すディレイ部320から出力された信号は、図1
に示す原音信号加算器600によって原音信号と加算さ
れるが、図7に示すディレイ321はショートディレイ
であるため、原音信号と加算されても、聴感上気になる
ほどの音やせは生じず、逆に、原音の低域成分のピッチ
から一定量だけシフトしたピッチであるため、本実施形
態の効果付与装置1から出力される楽音の低域成分にも
拡がりをもたせることができる。
【0037】なお、本実施形態では、ディレイ部320
においてピッチシフトを行っているが、このディレイ部
320からLFO322を省略し、原音の低域成分のピ
ッチを維持したままわずかに遅延させるだけのもとして
もよいし、あるいは、このディレイ部自体を省略して、
原音の低域成分についてはディレイを行わないものとし
てもよい。また、コーラス部120、デチューン部22
0、およびディレイ部320はいずれもリングメモリを
有するものであるが、それぞれ、リングメモリの代わり
にシフトレジスタを有するものであってもよい。
【0038】以上説明したように、本実施形態の効果付
与装置1から出力される信号に基づく楽音は、音抜け
も、人がピッチに敏感な帯域での音揺れもない楽音であ
りながら、複数の音源が同時に鳴っているような楽音と
なる。したがって、この効果付与装置1は、入力された
楽音にコーラス効果を付与するにあたり、コーラス効果
の特徴を生かしつつコーラス効果の欠点が生じることを
防止してコーラス効果を付与することができる。その結
果、本実施形態の効果付与装置1から出力される信号に
基づく楽音は、従来にない新たな効果が付与された楽音
になる。
【0039】続いて、本発明の第2実施形態の効果付与
装置について説明する。ただし、第2実施形態の効果付
与装置の説明では、第1実施形態の効果付与装置と同一
の構成については説明を省略し、特徴的な構成について
のみ説明を行う。なお、第1実施形態の効果付与装置と
同一の構成要素については、第1実施形態の説明で用い
た符号と同じ符号を付して説明する。
【0040】本発明の第2実施形態の効果付与装置も、
第1実施形態の効果付与装置と同様に、CPUによって
制御されるDSPを備えている。
【0041】図8は、第2実施形態の効果付与装置のD
SPの作用を示す機能ブロック図である。
【0042】この図8に示す第2実施形態の効果付与装
置1は、図2に示す第1実施形態の効果付与装置に比べ
て、DSP10に制御手段700を有する点が特徴であ
る。また、DSP10が備える、BPF210およびL
PF310それぞれは、カットオフ周波数が可変なもの
であって、LPF310のカットオフ周波数と、BPF
210の下限のカットオフ周波数とは同じ周波数であ
る。制御手段700は、このDSP10に入力されたデ
ィジタル信号から原音のピッチを抽出し、抽出したピッ
チに基づいて原音の基音の周波数を求め、LPF310
のカットオフ周波数と、BPF210の下限のカットオ
フ周波数をともに、「原音の基音の周波数×215」に設
定する。ただし、LPF310のカットオフ周波数およ
びBPF210の下限のカットオフ周波数の設定許容範
囲は、人がピッチに最も敏感な帯域である200Hzか
ら4KHzまでの範囲である。このように設定すること
で、中域成分のデチューン効果を最大限有効にしつつ、
音やせを確実に防止することができる。その結果、この
第2実施形態の効果付与装置1でも、入力された楽音に
コーラス効果を付与するにあたり、コーラス効果の特徴
を生かしつつコーラス効果の欠点が生じることを防止し
てコーラス効果を付与することができる。
【0043】
【発明の効果】以上、説明したように、本発明の効果付
与装置によれば、特徴を生かした効果を付与することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】コーラス効果が付与された楽音の周波数特性を
静的に表したグラフである。
【図2】第1実施形態の効果付与装置のDSPの作用を
示す機能ブロック図である。
【図3】本実施形態のコーラス部の作用を示す機能ブロ
ック図である。
【図4】本実施形態のコーラス部における、ディレイ信
号の生成を説明するための図である。
【図5】本実施形態のデチューン部の作用を示す機能ブ
ロック図である。
【図6】本実施形態のデチューン部における、ディレイ
信号の生成を説明するための図である。
【図7】本実施形態のディレイ部の作用を示す機能ブロ
ック図である。
【図8】第2実施形態の効果付与装置のDSPの作用を
示す機能ブロック図である。
【符号の説明】
1 効果付与装置 10 DSP 110 HPF 120 コーラス部 121 加算器 122 LFO 123 ディレイ 210 BPF 220 デチューン部 221 ディレイ 222 LFO 223 クロスフェード部 310 LPF 320 ディレイ部 321 ディレイ 322 LFO 400 帯域成分加算器 500 増幅器 600 原音信号加算器 700 制御手段

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力された楽音に効果を付与する効果付
    与装置において、 入力された楽音を3つ以上の周波数帯域の各楽音成分に
    分割する帯域分割手段と、 前記帯域分割手段によって分割された楽音成分のうち、
    少なくとも、2つの楽音成分に互いに異なる効果を付与
    する効果付与手段と、 前記帯域分割手段で得られた複数の楽音成分を、前記効
    果付与手段で効果が付与される楽音成分については該効
    果付与手段で効果を付与した上で相互に加算する加算手
    段とを備えたことを特徴とする効果付与装置。
  2. 【請求項2】 入力された楽音に効果を付与する効果付
    与装置において、 入力された楽音を、所定の低域成分、所定の中域成分、
    および所定の高域成分からなる3つの周波数帯域の楽音
    成分に分割する帯域分割手段と、 前記中域成分に、該中域成分を複数に分流させピッチを
    同一量だけシフトさせて互いにクロスフェードさせる処
    理を含むデチューン効果を付与するとともに、前記高域
    成分に、ピッチを周期的に繰り返しシフトさせる処理を
    含むコーラス効果を付与する効果付与部と、 前記低域成分、前記中域成分、および前記高域成分を、
    前記中域成分および前記高域成分については前記効果付
    与手段で効果を付与した上で相互に加算する加算手段と
    を備えたことを特徴とする効果付与装置。
  3. 【請求項3】 前記効果付与手段は、さらに、前記低域
    成分に、該低域成分のピッチを所定量だけシフトさせた
    ディレイ効果を付与するものであって、 前記加算手段は、前記低域成分、前記中域成分、および
    前記高域成分を、前記効果付与手段でそれぞれ効果を付
    与した上で相互に加算するものであることを特徴とする
    請求項2記載の効果付与装置。
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