JP3918465B2 - 軟水装置における塩水濃度検出装置 - Google Patents

軟水装置における塩水濃度検出装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、軟水装置における塩水の濃度を検出するための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ボイラには、缶体内壁面へのスケールの付着を防止するために、軟水装置が設けられている。この軟水装置は、イオン交換樹脂を用いて、原水中に含まれるカルシウムイオンやマグネシウムイオンなどの硬度分を除去するようになっている。そして、前記イオン交換樹脂が硬度分と置換して飽和状態になると、塩水を供給して能力を再生するようにしている。この再生時には、所定濃度の塩水を所定量供給している。ここにおいて、再生時に用いる塩水は、つぎのようにして得ている。すなわち、所定の塩水タンク内に塩を収容するとともに、この塩水タンク内へ原水(真水)を供給することにより、塩を溶かし、飽和濃度の塩水を生成するようにしている。
【0003】
ところで、前記軟水装置においては、前記塩水タンク内への塩の補給を忘れると、飽和濃度の塩水を得ることができない。そして、前記再生時、塩水の濃度が低いと、前記イオン交換樹脂の能力の再生が充分に行われず、早期に硬度漏れが発生してしまう。そこで、前記のような塩の補給忘れや硬度漏れを防止するため、前記再生時の塩水の濃度を正確に把握することが要望されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明が解決しようとする課題は、軟水装置において、再生時の塩水の濃度を正確に検出することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、前記課題を解決するためになされたもので、請求項1に記載の発明は、樹脂筒1および塩水タンク2を備え、前記樹脂筒1の上方に塩水流下タンク11を設け、前記塩水タンク2と前記塩水流下タンク11とを塩水供給ライン16で接続し、前記塩水流下ライン11と前記樹脂筒1とを塩水流下ライン21で接続し、前記塩水供給ライン16に圧力センサ18を設け、この圧力センサ18からの信号に基づいて、塩水の濃度を算出する算出手段20を備えたことを特徴としている。
【0006】
請求項2に記載の発明は、請求項1において、前記算出手段20は、塩水を前記塩水流下タンク11内の所定水位まで満たしたときの塩水圧力に基づいて、塩水の濃度を算出することを特徴としている。
【0007】
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項1において、前記算出手段20は、塩水を前記塩水流下タンク11内の所定水位まで満たしたときの塩水圧力と、真水を前記塩水流下タンク11内の所定水位まで満たしたときの真水圧力とに基づいて、塩水の濃度を算出することを特徴としている。
【0008】
【発明の実施の形態】
つぎに、この発明の実施の形態について説明する。この発明は、軟水装置,とくにイオン交換樹脂の能力再生時、重力落下方式によって塩水を供給する軟水装置において、好適に実施することができる。
【0009】
まず、前記軟水装置について説明する。前記軟水装置は、樹脂筒および塩水タンクを備えている。前記樹脂筒内には、Na+型のイオン交換樹脂が収容されている。また、前記塩水タンクは、前記樹脂筒の側方に設けられており、その内部には、前記イオン交換樹脂を再生するための塩水が蓄えられている。そして、前記樹脂筒の上方には、塩水流下タンクが設けられている。この塩水流下タンクは、前記塩水タンクよりも小容量となっている。
【0010】
前記樹脂筒の下部には、原水ラインが接続されており、また前記樹脂筒の上部には、軟水ラインが接続されている。この軟水ラインの下流端は、ボイラなどの軟水使用機器接続されている。また、前記塩水タンクと前記塩水流下タンクは、塩水供給ラインによって接続されている。さらに、前記塩水流下タンクの下部と前記樹脂筒の上部は、塩水流下ラインによって接続されている。
【0011】
前記軟水装置は、前記イオン交換樹脂の能力再生のための処理工程として、たとえば再生準備工程,再生工程,押出し工程,洗浄工程および補水工程をこの順に行うようになっている。まず、前記再生準備工程においては、前記塩水タンク内の塩水を所定の高さまで汲み上げる。すなわち、前記塩水供給ラインを介して前記塩水タンクから前記塩水流下タンクへ塩水を供給し、前記塩水流下タンク内の所定水位まで塩水を満たした状態とする。
【0012】
つぎに、前記再生工程においては、前記塩水タンクから前記塩水流下タンクへ塩水を供給しながら、前記塩水流下タンクから前記樹脂筒へ塩水を流下させる。このとき、前記塩水流下タンクへの塩水供給量を前記塩水流下タンクからの塩水流下量より多くし、余分な塩水をオーバーフローさせて前記塩水タンクへ戻すようにしている。そうすることによって、前記塩水流下タンク内の塩水を所定水位に保ち、前記塩水流下タンクと前記樹脂筒との水頭差を一定に保持した状態で、前記塩水流下タンクから前記樹脂筒へ塩水を流下させるようにしている。そして、前記樹脂筒へ流下した塩水は、前記樹脂筒内を下向流として流れ、前記イオン交換樹脂の能力を再生した後、外部へ排出される。
【0013】
つぎに、前記押出し工程においては、前記樹脂筒の上部から原水を流入させ、前記樹脂筒内の塩水を外部へ押し出す。つぎに、前記洗浄工程においては、原水を前記樹脂筒内へ流入させ、前記樹脂筒内を洗浄して塩水を完全に外部へ排出する。つぎに、前記補水工程においては、原水を前記塩水タンクへ所定水位まで供給する。ここで、前記補水工程においては、原水を前記塩水流下ラインを介して前記塩水流下タンクへ供給し、さらに前記塩水流下タンクから前記塩水供給ラインを介して前記塩水タンクへ供給するようにしている。
【0014】
さて、つぎに、この発明に係る軟水装置における塩水濃度検出方法およびその装置について説明する。まず、塩水濃度を検出する第一の方法について説明する。この第一の方法は、塩水を所定高さまで汲み上げたときの圧力(以下、「塩水圧力」と云う)に基づいて、塩水の濃度(以下、「塩水濃度」と云う)を算出する方法である。すなわち、この第一の方法においては、前記再生工程時、前記塩水タンク内の塩水を前記塩水流下タンクへ供給し、前記塩水流下タンク内の所定水位まで塩水を満たしたときの塩水圧力に基づいて、再生時の塩水濃度を算出する。
【0015】
したがって、この第一の方法における塩水濃度検出装置は、塩水圧力を検出するための圧力センサと、この圧力センサからの信号に基づいて、塩水濃度を算出する算出手段とを備えている。ここで、前記圧力センサは、前記塩水供給ラインに設けられている。
【0016】
そして、前記再生工程時、前記圧力センサによって、前記塩水流下タンク内の所定水位まで塩水を満たしたときの塩水圧力を検出する。前記算出手段は、前記圧力センサの取付位置から前記塩水流下タンク内の所定水位までの高さと、前記圧力センサによって検出した塩水圧力とに基づいて、塩水の比重を算出し、さらにこの比重に基づいて、塩水濃度を算出する。この第一の方法によると、前記のように、塩水を所定高さまで汲み上げることにより、前記圧力センサによって検出する塩水圧力が高くなるので、塩水濃度を精度よく検出することができる。
【0017】
つぎに、塩水濃度を検出する第二の方法について説明する。この第二の方法は、塩水を所定高さまで汲み上げたときの塩水圧力と、真水を前記所定高さまで汲み上げたときの圧力(以下、「真水圧力」と云う)とに基づいて、塩水濃度を算出する方法である。すなわち、この第二の方法においては、前記再生工程時、前記塩水流下タンク内の所定水位まで塩水を満たしたときの塩水圧力と、前記補水工程時、真水としての原水を前記塩水流下タンク内の前記所定水位まで満たしたときの真水圧力とに基づいて、再生時の塩水濃度を算出する。
【0018】
したがって、この第二の方法における塩水濃度検出装置は、塩水圧力および真水圧力を検出するための圧力センサと、この圧力センサからの信号に基づいて、塩水濃度を算出する算出手段とを備えている。ここで、前記圧力センサは、前記と同様、前記塩水供給ラインに設けられている。
【0019】
そして、前記再生工程時、前記圧力センサによって、前記塩水流下タンク内の所定水位まで塩水を満たしたときの塩水圧力を検出し、この検出値を前記算出手段に記憶させておく。つぎに、前記補水工程時、前記塩水流下タンク内の前記所定水位まで原水を満たしたときの真水圧力を検出する。そして、前記算出手段によって、塩水圧力と真水圧力との比に基づいて、塩水の比重を算出し、さらにこの比重から塩水濃度を算出する。この第二の方法の場合には、前記圧力センサの検出精度が低い場合においても、塩水濃度を精度よく検出することができる。この理由について説明すると、この第二の方法において、塩水濃度を算出するための塩水の比重は、前記のように、塩水圧力および真水圧力の比に基づいて算出している。そのため、塩水圧力および真水圧力の検出値に誤差がそれぞれ生じたとしても、前記各検出値から算出した塩水の比重には、前記各検出値の誤差の影響が少なくなっている。したがって、この塩水の比重に基づいて塩水濃度を算出することにより、精度よく塩水濃度を検出することができる。
【0020】
ここで、この第二の方法においては、前記補水工程時、真水圧力を検出しているが、この真水圧力の検出は、前記塩水流下タンク内の前記所定水位まで原水を満たした状態にした後であれば、他の工程において行うこともできる。
【0021】
また、この第二の方法においては、前記圧力センサによって真水圧力を検出しているが、真水圧力を検出する代わりに、真水圧力を予め測定し、その値を用いることができる。この場合には、真水圧力の測定値を前記算出手段に記憶させておく。
【0022】
ここで、以上の説明において、前記各方法においては、前記再生工程時、塩水圧力を検出しているが、この塩水圧力の検出は、前記塩水流下タンク内の前記所定水位まで塩水を満たした状態にした後であれば、前記再生準備工程において行うこともできる。また、以上の説明においては、前記軟水装置の運転上、前記塩水流下タンクへ塩水を供給する工程において、塩水圧力の検出を行っているが、他の形態として、前記押出し工程や前記洗浄工程のように、前記塩水流下タンクへ塩水の供給の必要がない工程において、塩水圧力の検出を行うこともできる。この形態の場合には、前記塩水流下タンク内の所定水位まで塩水を満たす操作を加えることによって、塩水圧力を検出するようにする。
【0023】
【実施例】
以下、この発明の具体的実施例を図面に基づいて詳細に説明する。図1〜図7は、この発明の一実施例を軟水装置の概略構成とともに示す説明図であって、各図は、軟水装置の各処理工程ごとの状態をそれぞれ示す説明図である。
【0024】
図1において、軟水装置は、樹脂筒1および塩水タンク2を備えている。前記樹脂筒1内には、Na+型のイオン交換樹脂3が上下一対の樹脂流出阻止部材4,4に挟持された形で収容されている。前記樹脂筒1の下部には、原水ライン5が接続されており、この原水ライン5には、第一開閉弁6が設けられている。一方、前記樹脂筒1の上部には、軟水ライン7が接続されており、この軟水ライン7には、第二開閉弁8が設けられている。前記塩水タンク2は、前記樹脂筒1の側方に設けられている。そして、前記塩水タンク2内には、網状部材9がほぼ水平に設けられている。前記塩水タンク2内においては、前記イオン交換樹脂3を再生するための塩水が蓄えられるとともに、前記網状部材9上に塩10が所定量収容される。
【0025】
また、前記樹脂筒1の上方には、塩水流下タンク11および希釈水タンク12が並列状態で設けられている。前記各タンク11,12は、ほぼ同容積であって、前記塩水タンク2より小容積としている。また、前記各タンク11,12は、一体に構成されている。
【0026】
まず、前記塩水流下タンク11について説明する。前記塩水流下タンク11の内部は、第一仕切板13によって、第一大室14と第一小室15とに分割されている。前記第一大室14と前記塩水タンク2とは、塩水供給ライン16によって接続されている。この塩水供給ライン16には、上流側からストレーナ(図示省略),塩水供給ポンプ17および圧力センサ18が設けられている。この圧力センサ18は、前記塩水供給ライン16における垂直部分の最下方位置近くに設けられている。また、この圧力センサ18には、信号線19を介して算出手段20が接続されている。この算出手段20は、前記圧力センサ18からの信号に基づいて、塩水の濃度(以下、「塩水濃度」と云う)を算出する機能を備えている。
【0027】
また、前記第一大室14の下部と前記樹脂筒1の上部とは、塩水流下ライン21によって接続されている。この塩水流下ライン21には、上流側から第三開閉弁22および第一オリフィス23が設けられている。
【0028】
また、前記第一小室15と前記塩水タンク2とは、第一オーバーフローライン24によって接続されている。この第一オーバーフローライン24の途中と前記第一大室14の下部とは、塩水排出ライン25によって接続されている。この塩水排出ライン25は、前記第一大室14の底板に設けられた直径約2mmの小孔(図示省略)を介して、前記塩水流下タンク11に接続されている。したがって、前記塩水流下タンク11においては、前記塩水流下タンク11への塩水供給中において、前記塩水排出ライン25を介して排出される単位時間当たりの塩水排出量が、前記塩水流下タンク11への単位時間当たりの塩水供給量より非常に小さく設定されている。
【0029】
つぎに、前記希釈水タンク12について説明する。前記希釈水タンク12の内部は、前記塩水流下タンク11と同様、第二仕切板26によって、第二大室27と第二小室28とに分割されている。前記第二大室27と前記原水ライン5における前記第一開閉弁6の上流側とは、希釈水供給ライン29によって接続されている。この希釈水供給ライン29には、上流側から第二オリフィス30および第四開閉弁31が設けられている。また、前記第二大室27の下部と前記塩水流下ライン21の途中とは、希釈水流下ライン32によって接続されている。この希釈水流下ライン32には、第五開閉弁33が設けられている。
【0030】
また、前記第二小室28には、第二オーバーフローライン34が接続されている。この第二オーバーフローライン34の途中と前記第二大室27の下部とは、希釈水排出ライン35によって接続されている。この希釈水排出ライン35は、前記塩水流下タンク11と同様、前記第二大室27の底板に設けられた直径約2mmの小孔(図示省略)を介して、前記希釈水タンク12に接続されている。したがって、前記希釈水タンク12においては、前記希釈水タンク12への希釈水供給中において、前記希釈水排出ライン35を介して排出される単位時間当たりの希釈水排出量が、前記希釈水タンク12への単位時間当たりの希釈水供給量より非常に小さく設定されている。
【0031】
つぎに、前記軟水装置における他の配管構成について説明する。まず、前記希釈水供給ライン29における前記第二オリフィス30の上流側と、前記原水ライン5における前記第一開閉弁6の下流側とは、洗浄水ライン36によって接続されている。この洗浄水ライン36には、上流側から第三オリフィス37および第六開閉弁38が設けられており、前記洗浄水ライン36の下流側端部は、前記原水ライン5を介して前記樹脂筒1の下部に接続されている。
【0032】
また、前記希釈水流下ライン32における前記第五開閉弁33の下流側には、第一排出ライン39が接続されている。この第一排出ライン39には、第七開閉弁40が設けられている。そして、前記洗浄水ライン36における前記第六開閉弁38の下流側には、第二排出ライン41が接続されており、この第二排出ライン41には、第八開閉弁42が設けられている。前記第二排出ライン41の下流側端部は、前記第一排出ライン39における第七開閉弁40の下流側に接続されている。
【0033】
さらに、前記構成において、前記各開閉弁6,8,22,31,33,38,40,42および前記塩水供給ポンプ17は、制御器(図示省略)によって、予め設定したプログラムにしたがって自動的に制御されるようになっている。
【0034】
つぎに、前記軟水装置の処理工程について説明する。前記軟水装置の処理工程は、通水工程,再生準備工程,再生工程,押出し工程,洗浄工程および補水工程の各工程からなっている。原水を軟水にする処理は、前記通水工程において行われ、予め設定された前記イオン交換樹脂3の再生時期になると、前記再生準備工程から前記補水工程までの一連の再生処理が行われるようになっている。ここで、図1〜図7において、前記各開閉弁のうち、開状態にあるものは白抜きで示し、また閉状態にあるものは黒塗りで示している。また、前記各ラインのうち、流通状態にある部分は太線で示し、また非流通状態にある部分は細線で示している。
【0035】
まず、前記通水工程においては、図1に示すように、前記第一開閉弁6および前記第二開閉弁8が開状態であり、他の開閉弁が閉状態となっている。
【0036】
この状態において、原水は、前記原水ライン5から前記樹脂筒1内へ流入し、前記樹脂筒1内を上向きに流れ、前記イオン交換樹脂3の働きにより、原水中のマグネシウムイオンやカルシウムイオンなどの硬度分が除去されて軟水となり、この軟水は、前記軟水ライン7を介して前記軟水使用機器(図示省略)へ供給される。
【0037】
つぎに、前記再生準備工程について説明する。前記再生準備工程は、第一再生準備工程と第二再生準備工程とからなっている。まず、前記第一再生準備工程は、いわゆるエア抜きを行う工程であって、図2に示すように、前記第三開閉弁22,前記第五開閉弁33,前記第六開閉弁38および前記第七開閉弁40が開状態であり、他の開閉弁が閉状態となっている。
【0038】
この状態において、原水は、前記希釈水供給ライン29の一部および前記洗浄水ライン36を経由して前記樹脂筒1内へ下部から流入し、前記樹脂筒1内を上向きに流れ、前記塩水流下ライン21,前記希釈水流下ライン32および前記第一排出ライン39をそれぞれ流通する。したがって、前記塩水流下ライン21,前記希釈水流下ライン32および前記第一排出ライン39内の空気が、原水に押し出されて排出される。
【0039】
一方、前記第二再生準備工程は、いわゆる呼び水を行う工程であって、図3に示すように、前記第四開閉弁31,前記第六開閉弁38および前記第八開閉弁42が開状態であり、他の開閉弁が閉状態となっている。また、前記塩水供給ポンプ17が、稼動状態となっている。
【0040】
この状態において、前記塩水タンク2内の塩水は、前記塩水供給ライン16を介して前記塩水流下タンク11内へ流入する。そして、前記塩水流下タンク11内において、前記第一仕切板13の上端部からオーバーフローした塩水は、前記第一オーバーフローライン24を介して前記塩水タンク2へ戻る。したがって、前記第二再生準備工程においては、前記塩水流下タンク11と前記塩水タンク2との間で塩水が循環し、前記塩水流下タンク11内が塩水で満たされた状態になる。
【0041】
また、前記原水ライン5からの原水は、前記希釈水供給ライン29を介して前記希釈水タンク12内へ希釈水として流入する。そして、前記希釈水タンク12内において、前記第二仕切板26の上端からオーバーフローした希釈水は、前記第二オーバーフローライン34を介して外部へ排出される。このとき、前記第二排出ライン41においては、内部の空気が原水により押し出されて外部へ排出される。
【0042】
つぎに、前記再生工程においては、図4に示すように、前記第三開閉弁22,前記第四開閉弁31,前記第五開閉弁33および前記第八開閉弁42が開状態であり、他の開閉弁が閉状態となっている。また、前記塩水供給ポンプ17が、前記第二再生準備工程から継続して稼動状態となっている。
【0043】
この状態において、前記塩水流下タンク11内の塩水は、前記塩水流下ライン21を流下する。また、前記希釈水タンク12内の希釈水も、前記希釈水流下ライン32を流下する。そして、塩水と稀釈水は、前記塩水流下ライン21の途中で合流して混合し、所定濃度の塩水となって前記樹脂筒1内へ流下する。ここにおいて、前記塩水タンク2内の塩水は、ほぼ飽和濃度(約25%)となっているが、希釈後は、前記イオン交換樹脂3の再生効率が高い濃度(約10%)の塩水となるようにしている。そして、前記樹脂筒1内を下向きに流れる塩水は、前記イオン交換樹脂3の能力を再生した後、前記洗浄水ライン36および前記第二排出ライン41を介して外部へ排出される。
【0044】
ここで、前記塩水流下タンク11においては、前記塩水流下タンク11への塩水供給量を前記塩水流下タンク11からの塩水流下量より多くし、前記塩水流下タンク11においてオーバーフローした塩水を前記第一オーバーフローライン24を介して前記塩水タンク2へ戻すようにしている。したがって、前記塩水流下タンク11内の塩水の水位は、前記第一仕切板13の上端部において一定に保たれるので、前記塩水流下タンク11と前記樹脂筒1との水頭差が一定に保たれる。
【0045】
一方、前記希釈水タンク12においても、希釈水流下中も継続して前記希釈水タンク12へ希釈水を供給するとともに、前記希釈水タンク12への希釈水供給量を前記希釈水タンク12からの希釈水流下量より多くし、余分な希釈水を前記第二オーバーフローライン34を介して外部へ排出するようにしている。したがって、前記希釈水タンク12内の希釈水の水位は、前記第二仕切板26の上端部において一定に保たれるので、前記希釈水タンク12と前記樹脂筒1との水頭差が一定に保たれる。
【0046】
つぎに、前記押出し工程においては、図5に示すように、前記第四開閉弁31,前記第五開閉弁33および前記第八開閉弁42が開状態であり、他の開閉弁が閉状態となっている。また、前記塩水供給ポンプ17が、停止状態となっている。
【0047】
この状態において、原水は、前記希釈水供給ライン29を介して前記希釈水タンク12へ供給され、前記希釈水タンク12から前記希釈水流下ライン32を介して前記樹脂筒1内へ流入する。そして、原水は、前記樹脂筒1内を下向きに流れて前記樹脂筒1内の塩水を外部へ押し出す。一方、前記塩水流下タンク11内に残っていた塩水は、前記塩水供給ライン16および前記塩水排出ライン25を介して前記塩水タンク2へ戻る。
【0048】
つぎに、前記洗浄工程においては、図6に示すように、前記第六開閉弁38および前記第七開閉弁40が開状態であり、他の開閉弁が閉状態となっている。この状態において、原水は、前記希釈水供給ライン29の一部および前記洗浄水ライン36を経由して前記樹脂筒1内へ下部から流入し、前記樹脂筒1内を上向きに流れて前記イオン交換樹脂3を洗浄し、前記樹脂筒1内に残留している塩水を完全に排出する。また、前記希釈水タンク12においては、内部に残っていた希釈水が、前記希釈水排出ライン35を介して外部へ排出される。
【0049】
さらに、前記補水工程においては、図7に示すように、前記第三開閉弁22および前記第六開閉弁38が開状態であり、他の開閉弁が閉状態となっている。この状態において、原水は、前記希釈水供給ライン29の一部,前記洗浄水ライン36,前記樹脂筒1および前記塩水流下ライン21を経由して、前記塩水流下タンク11へ流入し、前記塩水流下タンク11から前記塩水供給ライン16および前記第一オーバーフローライン24を経由して、前記塩水タンク2内へ流入する。すなわち、前記補水工程において前記塩水流下タンク11内へ供給される原水は、洗浄水としても作用し、前記塩水流下ライン21,前記塩水流下タンク11,前記塩水供給ライン16および前記第一オーバーフローライン24の内部に残留している塩分を洗い流し、これを前記塩水タンク2へ戻すようにしている。そして、前記塩水タンク2内の水位が所定水位に達すると、前記補水工程を終了する。そして、前記補水工程の終了により、前記イオン交換樹脂3の再生処理が完了する。
【0050】
さて、つぎに前記軟水装置における塩水濃度を検出する第一の方法について、前記算出手段20の機能とともに説明する。この第一の方法は、前記再生工程時、前記塩水タンク2内の塩水を前記塩水流下タンク11へ供給し、前記塩水流下タンク11内の所定水位まで塩水を満たしたときの圧力に基づいて、再生時の塩水濃度を算出する方法である。
【0051】
この第一の方法においては、まず前記再生工程時、前記圧力センサ18によって、前記塩水流下タンク11内の所定水位まで塩水を満たしたときの圧力を検出する。ここで、前記再生工程においては、前記塩水流下タンク11内の所定水位,すなわち前記塩水流下タンク11内における前記第一仕切板13の上端部まで塩水で満たされた状態が維持されており、前記圧力センサ18の取付位置から前記塩水流下タンク11内の塩水の水面までの高さHが一定となる。そこで、前記圧力センサ18によって、前記高さH分の塩水の圧力(以下、「塩水圧力」と云う)を検出する。
【0052】
つぎに、前記算出手段20によって、前記圧力センサ18からの圧力検出値に基づいて、塩水濃度を算出する。すなわち、前記算出手段20は、前記高さHと、塩水圧力の検出値とに基づいて、塩水の比重を算出し、さらにこの比重に基づいて、塩水濃度を算出する。
【0053】
この第一の方法によると、塩水を前記塩水流下タンク11内における前記所定水位まで汲み上げることにより、前記圧力センサ18に加わる塩水圧力が高くなっているので、塩水濃度を精度よく検出することができる。
【0054】
つぎに、塩水濃度を検出する第二の方法について、前記算出手段20の機能とともに説明する。この第二の方法は、前記再生工程時、前記塩水タンク2内の塩水を前記塩水流下タンク11へ供給し、前記塩水流下タンク11内の所定水位まで塩水を満たしたときの圧力と、前記補水工程時、前記塩水流下タンク11内の所定水位まで真水としての原水を満たしたときの圧力とに基づいて、再生時の塩水濃度を算出する方法である。
【0055】
この第二の方法においては、まず前記第一の方法と同様、前記再生工程時、前記圧力センサ18によって、前記高さH分の塩水圧力を検出する。そして、この塩水圧力の検出値を前記算出手段20に記憶させておく。
【0056】
つぎに、前記補水工程時、前記塩水流下タンク11内の前記所定水位まで原水を満たしたときの圧力(以下、「真水圧力」と云う)を検出する。ここで、前記補水工程においては、前記塩水タンク2への補水中、前記塩水流下タンク11内の前記所定水位,すなわち前記第一仕切板13の上端部まで原水で満たされた状態に維持されている。すなわち、前記圧力センサ18の取付位置から前記塩水流下タンク11内の原水の水面までの高さは、前記再生工程時における前記塩水流下タンク11内の塩水の水面までの高さHと同じであり、一定に維持されている。そこで、前記圧力センサ18によって、前記高さH分の真水圧力を検出する。
【0057】
つぎに、前記算出手段20によって、前記再生工程時の塩水圧力と前記補水工程時の真水圧力との比に基づいて、塩水の比重を算出し、さらにこの比重から再生時の塩水濃度を算出する。
【0058】
この第二の方法によると、前記第一の方法と同様、塩水および原水を前記塩水流下タンク11内における前記所定水位まで汲み上げることにより、前記圧力センサ18に加わる塩水圧力および原水圧力を高くなるので、塩水濃度を精度よく検出することができる。しかも、この第二の方法によると、前記圧力センサ18の検出精度が低い場合においても、塩水濃度を精度よく検出することができる。この理由について説明すると、この第二の方法において、塩水濃度を算出するための塩水の比重は、前記のように、塩水圧力および真水圧力の比に基づいて算出している。そのため、塩水圧力および真水圧力の検出値に誤差がそれぞれ生じたとしても、前記各検出値から算出した塩水の比重には、前記各検出値の誤差の影響が少なくなっている。したがって、この塩水の比重に基づいて塩水濃度を算出することにより、精度よく塩水濃度を検出することができる。
【0059】
【発明の効果】
この発明によれば、再生時の塩水の濃度を正確に検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施例を軟水装置の概略構成とともに示す説明図であって、通水工程の状態を示す説明図である。
【図2】図1に示す軟水装置の第一再生準備工程の状態を示す説明図である。
【図3】図1に示す軟水装置の第二再生準備工程の状態を示す説明図である。
【図4】図1に示す軟水装置の再生工程の状態を示す説明図である。
【図5】図1に示す軟水装置の押出し工程の状態を示す説明図である。
【図6】図1に示す軟水装置の洗浄工程の状態を示す説明図である。
【図7】図1に示す軟水装置の補水工程の状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 樹脂筒
2 塩水タンク
3 イオン交換樹脂
11 塩水流下タンク
16 塩水供給ライン
18 圧力センサ
20 算出手段
21 塩水流下ライン

Claims (3)

  1. 樹脂筒1および塩水タンク2を備え、前記樹脂筒1の上方に塩水流下タンク11を設け、前記塩水タンク2と前記塩水流下タンク11とを塩水供給ライン16で接続し、前記塩水流下ライン11と前記樹脂筒1とを塩水流下ライン21で接続し、前記塩水供給ライン16に圧力センサ18を設け、この圧力センサ18からの信号に基づいて、塩水の濃度を算出する算出手段20を備えたことを特徴とする軟水装置における塩水濃度検出装置。
  2. 前記算出手段20は、塩水を前記塩水流下タンク11内の所定水位まで満たしたときの塩水圧力に基づいて、塩水の濃度を算出することを特徴とする請求項1に記載の軟水装置における塩水濃度検出装置。
  3. 前記算出手段20は、塩水を前記塩水流下タンク11内の所定水位まで満たしたときの塩水圧力と、真水を前記塩水流下タンク11内の所定水位まで満たしたときの真水圧力とに基づいて、塩水の濃度を算出することを特徴とする請求項1に記載の軟水装置における塩水濃度検出装置。
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