JP3918452B2 - コントローラ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数の制御則を切り替えて制御対象を自動制御するコントローラに係り、制御則の切り替え時の初期状態の設定方式に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のコントローラは、基本的には図3に示す構成になる。例えば、制御対象1を電動機とし、その制御を速度制御とトルク制御に切り替えるのに、第1の指令値に速度指令値を、第2の指令値にトルク指令値を与え、これら指令値を変化率制限器2と3をそれぞれ通した信号と制御対象1から検出される速度とトルクの制御量とを制御器4の制御則4A,4Bによってそれぞれ比較し、これら制御則4A,4Bの出力を切替器4Cで切り替えてインバータ等の制御装置5の制御指令とし、制御装置5により制御対象1の駆動出力を得る。
【0003】
ここで、変化率制限器2、3は、制御則の切り替え時に制御器4の出力が急変しないようにするものである。例えば、制御量を速度制御量Aからトルク制御量Bに切り替えるときは、図4に破線で示す指令値として切り替える直前のトルク制御量Bの値をトルク指令値Bとしてセットし、切り替え時に制御則4Bに与える実際のトルク指令値まで変化率を制限した指令値を与える。これにより、実際のトルク指令値はランプ状に変化させることで制御対象1に機械的なショックが発生するのを防止する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記の図4に例示する制御量Bの応答は、制御則切り替え直後から指令値に追従しているように描かれているが、実際には制御対象および制御則も動特性を持っており、制御量が指令値に常に一致していることにはならない。現実には、図5に制御則切り替え時の拡大波形を示すように、制御量Bが指令値Bに追従するまでに時間を要し、その間の制御量Bの応答は振動する場合が多い。このとき、制御装置5の出力も振動的になり、制御装置に過大な電気的負荷がかかるばかりでなく、制御対象にも過大な機械的負荷がかかり、制御装置の過電流事故や制御対象の機械故障の原因となることがある。
【0005】
本発明の目的は、電気的および機械的な負荷の急変や振動の発生を抑制して複数の制御則の切り替えができるコントローラを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、動特性をもつ制御則の出力がその入力の履歴に依存し、入力の履歴の情報は状態変数として保存されていることに着目し、この状態変数情報を基にして切り替わる先の制御則の初期状態を適切に設定することにより、制御則の切り替え時にその出力が切り替え前後でスムーズにつながるようにするものであり、以下の構成を特徴とする。
【0007】
複数の制御則を切り替えて制御対象を自動制御するコントローラにおいて、
前記制御則は次式
【0008】
【数4】
【0009】
ただし、A,Bはそれぞれ行列、c,dはそれぞれ1行の行ベクトル。
で表現されるr入力1出力n次の線形時不変離散系とし、
前記制御則を切り替えるとき、切り替える先の制御則の状態変数の初期値x〔0〕を次式、
【0010】
【数5】
【0011】
【数6】
【0012】
ただし、1rはr次の単位行列、y〔0〕*は制御則を切り替える時点の、切り替える前に使用している制御則の出力、u〔0〕*は制御則を切り替える時点の、切り替えた後に使用している制御則の入力。
に従って求めた値にセットする設定器を備えたことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態を示すコントローラの構成図であり、図3と異なる部分は、制御則4A,4Bの初期状態設定器6を設けた点にある。
【0014】
設定器6は、制御則切り替え前に、切り替え先の制御則の状態変数をその入力履歴情報として取り込んでおき、制御則が切り替わったときに、切り替わった先の制御則の入力がある値の時に、その制御則の出力を希望する値にするための初期状態を求め、この初期状態を切り替わり先の制御則に初期設定するものである。
【0015】
以下、設定器6における初期状態の設定手順を離散系の場合で詳細に説明する。
【0016】
まず、制御則4A,4Bはr入力1出力n次の線形時不変で、
【0017】
【数7】
【0018】
で表されているとする。ただし、大文字のA,Bはそれぞれ行列であり、小文字のc,dはそれぞれ一行の行ベクトルであることを示す 。
【0019】
また、制御則が切り替わったときの切り替わり先の制御則への入力はu〔n〕*、その制御則出力に希望する値をy〔n〕*であるとする。なお、制御則切り替え時刻は0とする。
【0020】
以上の条件で切り替わった先の制御則の初期状態x〔0〕を求める。まず、切り替わったときに出力がy〔0〕=y〔0〕*となるためには、式(2)より、
【0021】
【数8】
【0022】
を満たす必要がある。
【0023】
スムーズに切り替わるためには、切り替わる前後のそれぞれの制御則の出力値が連続になるだけではなく、切り替わった後も制御則の出力値が希望する値になることが必要である。したがって、
【0024】
【数9】
【0025】
より、
【0026】
【数10】
【0027】
を満たす必要がある。
【0028】
さらに、次の時刻でも制御器の出力値が希望する値になるためには、式(4)より、
【0029】
【数11】
【0030】
より、
【0031】
【数12】
【0032】
を満たす必要がある。
【0033】
以下、同様にして、1≦k≦nとして、
【0034】
【数13】
【0035】
のn個の方程式を満たすようにx〔0〕を設定すると、スムーズに制御器の切り替えを行うことができる。
【0036】
n個の方程式を行列を用いてまとめると、
【0037】
【数14】
【0038】
となる。式(1)、(2)が最小実現されていれば、〔c、A〕は可観測で、式(9)のx〔0〕の係数行列はフルランクになり、特に1出力の場合には正則な正方行列になることから、式(9)を満たすx〔0〕*は一意に定まる。
【0039】
制御則の切り替えは、定常状態になっているとすると、
【0040】
【数15】
【0041】
とできるので、
【0042】
【数16】
【0043】
として、
【0044】
【数17】
【0045】
となる。だだし、1rはr次の単位行列である。
【0046】
本実施形態による制御則の切り替えは、例えば、制御則4A,4Bへの入力と出力波形は図2に示すようになる。同図中のy〔0〕*は制御則を切り替える時点の、切り替える前に使用している制御則の出力、u〔0〕*は制御則を切り替える時点の、切り替えた後に使用している制御則の入力であり、制御則4Aから制御則4Bに切り替えるときには、y〔0〕*は切り替える直前の制御則4Aの出力と同じ値をセットし、u〔0〕*は切り替える直前の制御則4Bへの入力と同じ値をセットすることができる。
【0047】
【発明の効果】
以上のとおり、本発明によれば、動特性をもつ制御則の状態変数情報を基にして切り替わる先の制御則の初期状態を適切に設定することにより、制御則の切り替え時にその出力が切り替え前後でスムーズにつながるようにするため、制御則の切り替え時に電気的および機械的な負荷の急変や振動の発生を抑制することができ、過電流事故や機械破損事故を防止した制御則の切り替えができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態を示すコントローラの構成図。
【図2】実施形態における制御則の切り替え波形図。
【図3】複数の制御則を持つコントローラの構成図。
【図4】従来の制御則切り替え時の動作波形。
【図5】従来の制御則切り替え時の実波形。
【符号の説明】
1…制御対象
2、3…変化率制限器
4A、4B…制御則
4C…切り替え器
5…制御装置
6…設定器
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- 2001-04-25 JP JP2001126916A patent/JP3918452B2/ja not_active Expired - Fee Related
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