JP3917677B2 - インクジェットプリントヘッド - Google Patents

Description

【０００１】
【産業上の利用分野】
本発明は、一般に、インクジェットプリンタのためのプリントヘッドに関するものであり、更に詳細に述べれば、プリントヘッド内部のインク発射チャンバ用インク送り溝の構造に関するものである。
【０００２】
【発明の背景】
サーマルインクジェットプリンタは、小容量のインクを、その上にマークやプリントを施される媒体の近辺に保持されている一表面内の複数の小さいノズルまたはオリフィスを通して、噴射する(expell)ことにより動作する。これらノズルは、インクの小滴が予め決められた数のノズルから媒体の特定の位置に対して噴射されると所望の文字またはイメージの一部が生成されるように表面に設置されている。サブストレートまたは媒体を制御下で再び配置させ、他のインク滴の噴射によって、所望の文字またはイメージの更に多くの画素の生成を継続する。選択された色のインクをノズルの個別配置と結合させることもでき、これによって、オリフィスの選択された発射によって、インクジェットプリンタにより多色イメージを生成することができる。
【０００３】
従来のサーマルインクジェットプリンタのインク滴の噴射は、インク溶媒の沸点を超えて、インクの気相バブルを生ずる温度までインクを急速に加熱する結果生じるものである。各ノズルは、インクが充填され、インクと熱的に連結している個別に指定可能な加熱抵抗素子を有する小さい独特のインク発射チャンバに結合している。バブルが核を形成し、膨張すると、バブルはインクのある容量と置き換わり、ノズルから押し出されて媒体上に被着される。次に、バブルはつぶれ、置換されたインクある容量は更に大きいインク貯蔵器からインク供給溝により補給される。
【０００４】
加熱抵抗素子が不活性化され、そして、発射チャンバからインクが噴射された後、インクは発射チャンバ内へ戻り、噴射されたインクで空になっている容量を充填する。インクでチャンバを可能な限り急速に再充填させることが望ましく、それによりプリントヘッドのノズルの非常に急速な発射を可能にする。もちろん、ノズルの急速発射は高速プリントを結果得ることができる。インク供給源とインク発射チャンバとの間の大きい開放流体結合は高速再充填の必要性を満たす。しかし、複数のノズルおよび発射チャンバが存在する実際のプリントヘッドでは、このような大きい結合は発射されるノズルからインクを押し出すばかりでなく、隣接のインク発射チャンバおよびその関連ノズルへのインク供給ルートを経由してインクを押し出すこともある。この現象は一般にクロストークと呼ばれており、単一のノズルがインクを噴射すべきところ、複数のノズルがインクを噴射する結果、プリント出力に不正確に画定される文字が生じることになる。したがって、隣接インク発射チャンバ間のクロストークを防止するため、緩和させる形状の共通インク供給源が必要である。たとえば、米国特許第4,882,595号を参照。
【０００５】
加えて、インクジェットプリントヘッド自体で時折現われる問題は、インク供給溝に生ずる障害に関するものである。極微の粒子が初期の構成で使用されていた狭いインク供給溝に入り込み、インク発射チャンバのインクを空にする可能性がある。インクを発射するように命令されたときインク滴を発射しないひとつのノズルはプリントされた文字に喪失部分を残し、ぬりつぶしのイメージをプリントする際、媒体上にプリントされないバンドを残す。これは、プリント結果の品質を劣化させ、インクジェットプリンタにとって非常に望ましくないものである。この望ましくない特性を解決するため、欠陥ノズルの位置にインクを放出する予備のまたは余分なノズルを使用すること（米国特許第4,963,882号参照）またはインク発射チャンバへの複数の入口を使用することを提案している。
【０００６】
【発明の目的】
それ故、隣接するインク発射チャンバとノズルとの間のクロストークのない、粒子障害に対する耐性が向上し、プリント速度の速いインクジェットプリントヘッドを実現することが望まれている。
【０００７】
【発明の概要】
インクジェットプリンタ・プリントヘッドは、インク源と結合し、基板とオリフィスプレートとの間に設けられた障壁層により寸法的に区切られている複数のインク発射チャンバを備えている。少なくとも二つのインク供給溝が一つのインク発射チャンバと結合し、その一部が、障壁層により寸法が画定されている。これらインク供給溝の少なくとも一つは、インク供給源に大きな寸法の入口および複数のインク発射チャンバの一つに狭い寸法の出口を備えている。障壁層の島が一つのインク供給溝をインク発射チャンバにのために作用する他のインク供給溝から分離している。この島はインク発射チャンバに向かって設けられた本質的に平らな壁面を備えている。
【０００８】
【発明の実施例】
インクジェットプリンタに使用する典型的なサーマルインクジェットプリントヘッドの一部の非常に拡大した斜視図を図１に示す。プリントヘッドの幾つかの素子を切り取り、インクジェットプリントヘッド内部のインク発射チャンバ101を明瞭に示している。多数のこのような発射チャンバをプリントヘッド内に典型的に交互配列した列を成して設置してあり、このような二つの列を効率の良い高品質のプリントのためインク供給プレナムの周りに一群を成して配置することができる。付加的なグループをプリントヘッド内に設け、各グループから個別の色をプリントすることができる。各発射チャンバ101に関連して発射チャンバ101に対して配置されたノズル103があり、発射チャンバ内で加熱抵抗素子109により急速に加熱されたインクをノズル103から小滴として強制的に噴射する。他のインク発射チャンバに関連する第２のノズル105の部分も示している。加熱抵抗素子はプリンタ内のマイクロプロセッサおよび関連回路によりプリンタに入ってくるデータに関連するパターンを成して選択されるので、選択されたノズルから噴射されるインクは媒体上に規定のプリントの文字またはイメージを画定する。媒体（図示せず）は典型的にオリフィスプレート111に平行に且つノズル103から噴射されるインク滴の方向に垂直に保持される。インクは普通インク供給溝といわれる開口107を経由して発射チャンバ101に供給される。このインクははるかに大きいインク溜め（図示せず）からグループのすべての発射チャンバに共通であるインクプレナムによりインク供給溝107に供給される。
【０００９】
インクが一旦発射チャンバ101に入ると、加熱抵抗素子109により沸騰するまで急速に加熱されるまでそこに留まる。従来より、加熱抵抗素子109はシリコン基板113の表面に設けられ、基板113の上に設けられた導体によりプリンタの電子回路に接続されている薄膜抵抗構造である。複雑さが増したプリントヘッドは典型的にシリコン基板113の上に集積回路形態で構成されている電子回路の幾つかの部分を備えている。パシベーション層およびキャビテーション障壁層等の様々な保護層は更に加熱抵抗素子109を覆ってこれをインクの腐食特性および研磨特性から保護することができる。このようにして、インク発射チャンバ101は一方の側をその加熱抵抗素子109のあるシリコン基板で区切られ、他方の側をその付属オリフィスのあるオリフィスプレート111により区切られている。インク発射チャンバ101およびインク供給溝107の他方の側はポリマー障壁層115により画定されている。この障壁層は好適には実質的にインクの腐食作用に不活性で、従来より、基板113およびその各種保護層の上に被着されており、続いて所望の幾何学形状にフォトリソグラフィーによって形成され、エッチングされる有機ポリマープラスチックから作られている。障壁層115を形成する目的に適するポリマーには、例えば、デラウェア州ＷilmingtonのＥ.Ｉ.ＤuPont De Ｎemours and Company において Parad、Vacrel、およびRiston の製品名で販売されている。このような材料は300°もの高い温度に耐えることができ、プリントヘッドのオリフィスプレートを所定の位置に保持する良好な粘着性を備えている。典型的には障壁層115の厚さは、プリントヘッドをオリフィスプレートと共に組み立てた後で約25から30μmである。
【００１０】
オリフィスプレート111は、障壁層115によりシリコン基板113に固定されている。典型的にはオリフィスプレート111はインクの腐食作用に耐えるように金でめっきされたニッケルから構成されている。典型的にはオリフィスプレート111にあるオリフィスの直径は約43μmである。
【００１１】
図１の従来のプリントヘッドの障壁材料の平面図を図２に示す。加熱抵抗素子109は発射チャンバ101に設置され、インクはインク供給溝107を経由して供給される。インクのインク源の方に戻る流れを弱めるため(dampen)、インク供給溝107に加熱抵抗素子109からの距離に依存して溝の幅を減らす一連の構造203、205が設けられる。このような構成は満足な分離を行い且つクロストークを減らすことがわかっているが、発射チャンバインクの再充填速度の犠牲を払っている。
【００１２】
本発明では、粒子障害に対する耐性の向上およびプリント速度の増加を実現するために、インク供給溝およびインク発射チャンバの障壁材料構成を提供する。本発明の好適な実施例の障壁材料の平面図を図３に示す。好適な一実施例の斜視図を図４に示す。ポリマー障壁材料の層301は、従来通り、シリコン基板113´の上に被着されている。ポリマー材料エッチング・プロセスの一部として、一連の障壁材料の島303、305、307がシリコン基板113´の上に作られている。（抵抗素子109´、309、311は、従来どおり、シリコン基板113´の上に薄膜抵抗材料から成る。）好適な一実施例では、加熱抵抗素子は互いに間隔をあけており（offset)、従来より直線列から離れてタイミング論理および共通相互接続を考慮している。
【００１３】
障壁材料の島303、305、307は図３に示すように加熱抵抗素子とインク源との間に設置されている。この構成は二つのインク溝、たとえば障壁材料の島305に関連するインク溝315、317および障壁材料の島303に関連するインク溝319、321を効果的に作り出している。二つのインク溝というこのような構成は各発射抵抗素子に対する過剰なインク供給を与える。望ましくない粒子323が一つのインク供給溝319を閉塞しても、第２のインク供給溝321が発射チャンバに適切なインクを供給するので、プリントは、満足のゆく出力で継続することができる。更に、第２のインク供給溝はしばしば抵抗素子が作動すると発生するインクパルスが詰まったインク供給溝から望ましくないインクを追い出すことができる。二重溝構造は、単一溝構造より約1000倍の粒子耐性の増加を示す。インク供給溝が単一粒子により塞がれる機会が５％存在すれば、二つのインク供給溝が二つの粒子により閉塞される機会は（0.05)²である。ノズルが50個あるプリントヘッドの二重溝構造について、二つの粒子が同じノズル／発射チャンバの二重インク送り溝に留まる機会は、（0.05)²/50である。これは単一インク供給溝構造より1000倍の改善てある。予想されるように、この比率は単一粒子の小さい滞留確率が改善される。
【００１４】
本発明の付加的な特徴は図５に示すように一つの発射チャンバの平面図から知ることができる。抵抗素子109´を備えた発射チャンバは、先端を切り取った「Ｖ」字形構成に共に現われる突起501および503により作られる障壁材料壁により画定されている。この先端を切った部分は突起501および503により形成される壁を接合して加熱抵抗素子109´のポケットを画定する端壁507を作り出している。インク発射チャンバの前壁509は、加熱抵抗素子109´に最も近い障壁材料の島305の端により形成されており、好適な一実施例では、障壁材料の島305の鈍い端を形成する実質的に平坦な壁である。従来では、発射チャンバの床および天井はそれぞれ基板およびオリフィスプレートにより画定される。インクは、インクがインク供給溝の出口に到達するため、それを通してインク発射チャンバに流入しなければならない収束開口を備えている各インク供給溝315および317の入口に流入する。インク供給溝の壁が平行ではなく、インクがインク源から発射チャンバまで流れるにつれて入口から出口まで収束していることは本発明の重要な特徴である。このようなインク供給溝の収束壁によりインクは滑らかに且つ滑り抵抗がほとんど無く、インク発射チャンバに流入することができる。また、インク供給溝はインク発射チャンバの側面を形成する境界壁に滑らかに融合する。
【００１５】
電気エネルギは、加熱抵抗素子109´に供給されると、インクの気泡が加熱抵抗素子109´の上方でインク発射チャンバ内に形成される。このインク気泡の急速な形成は、ノズル103´を通してインクを噴射する他に、インクを後方にインク供給溝315および317に押し戻す。この後方向に流れるインクは発散壁に沿う渦の形成を助長するように設置されているインク供給溝発散壁に突き当たる。これらの渦はインク供給溝を通してこの方向に流れようとするインクに高い滑り抵抗を加える。更に、インク容量の幾分かは渦流それ自身に捕らえられ、それによりインクの平行移動運動量をインク発射チャンバから押し出されたインクの回転運動量に移す。したがって、プリントヘッド内で変位したインクは以前の構成より発射抵抗素子109´の近くに留まる。好適な一実施例の構成は、それで、インクがインク発射チャンバに容易に流入することができるが、インク供給溝によりインク発射チャンバからのその流れに抵抗を及ぼすものである。この構成はインク発射チャンバのインクが空にならないから利用可能なプリントが生ずる割合が高い。
【００１６】
好適な一実施例では、各インク供給溝（たとえばインク供給溝317）は、それぞれ他方から角度θで発散する発散壁を備えている。ここで、θは15゜から45゜の範囲にあり、好適な角度は30゜である。障壁材料の島305は、好適な一実施例では、実質的に涙滴形をしており、丸い端は発射チャンバの一方の壁を形成し、終端はインク供給源に面している。好適な一実施例では、障壁材料の島305は長さＬが60μmで幅Ｗが41.5μmである。障壁材料の島305は本質的に二つのインク供給溝315との中心、発射チャンバの最高点で端壁507から約６μmに設置されている。突起501および503は共通のインク供給領域内にインク発射チャンバの後壁507からＰμmの距離だけ突出しており、半径12μmの丸い端を備えている。加熱抵抗素子109´を発射抵抗器列に交互に配置することができるので、突起が共通インク供給源内に突出している距離Ｐは118から138μmの範囲にある。インク供給の寸法は、流れに対する抵抗が溝の長さをその面積で割ったものに比例する簡単な流体力学的流れ抵抗モデルに関連して作られた。好適な一実施例では、各インク供給溝に対して、溝の長さは60μmであり、溝の幅は、その最も狭い点で、34μmである。この構成はインク発射チャンバを流出するインクに対する流体力学的抵抗を発射チャンバに流入するインクの流体力学的抵抗に対して２倍である。
【００１７】
インク気泡の核形成の後、インクは発射チャンバに逆に流入する。障壁材料の島305の形状が、とりわけ、発射チャンバに戻るインクのコヒーレントな流れを妨げる可能性があることがわかっている。本発明がなければ、インク供給溝315および317によりインク発射チャンバに戻るインクは、二つの溝の合流点でコヒーレントな圧力波に混合することになる。圧力波は次に発射チャンバの後壁まで伝播され、十分な力で衝突することにおよってオリフィス103´から望ましくない噴射を生ずるる。丸みのある壁509を障壁材料の島305に設ければ内側表面が二つのインク供給溝315、317を経由して戻るインクの運動量の幾らかを対向させ、よって相殺し、それによりコヒーレントな圧力波の寸なくとも一部の形成を防止する。
【００１８】
本発明の他の特徴は二つのインク供給溝の壁の間に非対称である。好適な一実施例では、曲率509がインク供給溝315のインク供給溝の壁に導入されている。この曲率509は「Ｓ」形狭窄の形を成し、インク供給溝315が、加熱抵抗素子109´に近い区域で、５μmに等しい量Ｎだけ小さいようになっている。インク供給溝のこの非対称は更にインク供給溝でのコヒーレントな圧力波の形成を破壊し、噴射がノズル103´から噴射されないようにする。
【００１９】
本発明を採用するプリントヘッドの性能向上を図６のグラフからも認めることができる。図６で、プリントサイクル中にノズルから噴射されるインク滴の体積をプリントヘッドノズルが発射する割合（周波数）に対してプロットしている。曲線603はノズルが約4000Ｈzの割合で点火されるとき小滴の体積が減少し始めるということを示している。これは主として加熱抵抗素子が発射チャンバが完全に再充填する機会を得る前に加熱され、従って利用可能なインクが減少し、インク滴の大きさを実質的に減少させる。本発明を採用するプリントヘッドは曲線603として示してあるような性能曲線を生ずる。曲線603はインク滴の体積がノズル発射周波数がほぼ7000Ｈzになるまで比較的一定であることを示している。
【００２０】
更に、インク供給溝の非対称な壁および丸い端の障壁材料の島を用いればノズルからの望ましくない噴射は受容可能な制限で維持される。
【００２１】
以上、本発明の実施例について詳述したが、以下、本発明の悪実施態様毎に列挙する。
(1)インク源に結合され、基板とオリフィスプレートとの間に設けられた障壁層により画定される複数のインク発射チャンバを備えているインクジェットプリンタプリントヘッドにおいて、複数のインク発射チャンバの一つと結合され、一部分は、障壁層により画定され、少なくとも第１のものはインク源に広い寸法の入口、および前記複数のインク発射チャンバの一つに狭い寸法の出口を備えている少なくとも二つのインク供給溝と、 前記少なくとも二つのインク供給溝の前記第１のインク供給溝および第２のインク供給溝を分離する障壁層の島であって、インク発射チャンバに向かって設けられている実質的に平坦な壁面を備えている島より構成されているインクジェットプリントヘッド。
(2)前記第１のインク供給溝は更に実質的に「Ｓ」形輪郭の障壁層の壁を備えている前項(1)のインクジェットプリントヘッド。
(3)広い寸法の入り口および狭い寸法の出口を備えている前記インク供給溝の前記第１のものは更に前記入口から前記出口まで滑らかに収束する寸法である前項(1)のインクジェットプリントヘッド。
(4) 前記滑らかに収束する寸法は15°を超え、35°未満の角度で収束する前項(3)に記載のインクジェットプリントヘッド。
(5) 前記第１および第２のインク供給溝は更に、インク発射チャンバの寸法境界の少なくとも一部を形成している本質的に切り取られた「Ｖ」形輪郭を成す収束を備えている前項(3)に記載のインクジェットプリントヘッド。
(6)インク源および複数の壁で境界が形成されている少なくとも一つのインク発射チャンバを備えているインクジェットプリントヘッドの閉塞されたインク供給溝の動作頻度を増加させ、供給溝の数を減らす方法であって、
少なくとも二つのインク供給溝を経由して、インク発射チャンバ（101)をインク源に結合し、前記インク源に入口を、前記インク発射チャンバに出口を備え、前記入口の寸法は前記出口の寸法より大きい、前記収束インク供給溝の少なくとも一つを生成し、前記前記少なくとも二つのインク供給溝と前記インク発射チャンバの第１の端との間に島を設置し、前記島の実質的に平坦な輪郭をインク発射チャンバに向けて配置し、それにより前記実質的に平坦な輪郭がインク発射チャンバの一つの境界を形成することを含むインクジェットプリントヘッドにおいて閉塞するインク供給溝を減少し、操作周波数を増加させる方法。
(7) 収束インク送り溝を作る工程は更に実質的に「Ｓ」形輪郭のインク供給溝の壁を形成する工程を備えている前項(6)の方法。
(8) 前記インク供給溝の出口より大きい寸法のインク供給の入口を備えている少なくとも一つの収束インク送り溝を作る工程は更に前記入口から前記出口まで滑らかに収束する寸法を有する前記少なくとも一つのインク供給溝を生成する工程を備えている前項(6)の方法。
(9)基板とオリフィスプレートとの間に設けられている障壁層から複数のインク発射チャンバを創成することによりインクジェットプリンタプリントヘッドを構成する方法であって、
障壁層から各々が入り口および出口を備えている少なくとも二つのインク供給溝を生成し、前記少なくとも二つのインク供給溝の少なくとも第１のものを広い入口寸法を有するインク源での入り口から狭い出口寸法を有するインク発射チャンバでの出口に結合し、 前記少なくとも二つのインク送り溝の前記第１のものを前記少なくとも二つのインク供給溝の第２のものから障壁層の島により分離し、インク発射チャンバの壁の一つをインク発射チャンバに向かって配置されている前記島の実質的に平坦な輪郭で生成する工程を含む方法。
(10)前記少なくとも二つのインク供給溝の前記第１のものを結合する工程は更に、前記少なくとも二つのインク供給溝の前記第１のものを前記入口から前記出口まで滑らかに収束する実質的に「Ｓ」形の輪郭で生成する工程を備えている前項(9)の方法。
【図面の簡単な説明】
【図１】インクジェットプリンタのプリントヘッドの斜視図。
【図２】図１のプリントヘッドの障壁層および基板の平面図。
【図３】本発明を採用することができるプリントヘッドの障壁層および基板の平面図。
【図４】本発明を採用することができるインクジェットプリンタのプリントヘッドの斜視図。
【図５】本発明を採用することができるプリントヘッドの障壁層および基板の平面図。
【図６】本発明に関連するプリントヘッドノズル噴射の周波数に対してインク滴体積をプロットしたグラフ。
【符号の説明】
101： インク発射チャンバ
103 、105： ノズル
107： 開口
109： 加熱抵抗素子
111： オリフィスプレート
113： シリコン基板
115： 障壁層
303、305、307： 障壁材料の島
309、311： 抵抗素子
315、317、319、321： インク送り溝

Claims (4)

1. インク源に結合され、基板とオリフィスプレートとの間に設けられた障壁層により画定される複数のインク発射チャンバを備えているインクジェットプリンタプリントヘッドにおいて、
   前記複数のインク発射チャンバの一つと結合された少なくとも二つのインク供給溝であって、一部分は、前記障壁層の第１および第２の壁により画定され、少なくとも第１のものは、前記第２の壁に対して不平行に設けられた前記第１の壁を有して、上記インク源に広い寸法の入口を備えるとともに、前記インク発射チャンバに狭い寸法の出口を備えている少なくとも二つのインク供給溝と、
   前記少なくとも二つのインク供給溝の前記第１のインク供給溝および第２のインク供給溝を分離する障壁層の島であって、インク発射チャンバに向かって設けられている実質的に平坦な壁面を前記インク発射チャンバの前壁として備えるとともに、前記第２の壁を構成する島と、を備え、
   前記二つのインク供給溝の前記第１の壁同士は、前記インク発射チャンバから前記インク源に向って相互の間隔が拡大するように設けられ、
   前記第１のインク供給溝は、前記入口から前記出口まで収束すると共に、前記第１のインク供給溝の第１の壁が前記インク発射チャンバに近い区域で前記第２のインク供給溝の第１の壁に対し非対称であり狭窄部を形成する、ことを特徴とするインクジェットプリントヘッド。
2. 前記第１のインク供給溝は、１５°を超え、４５°以下の角度で収束することを特徴とする請求項１記載のインクジェットプリントヘッド。
3. 前記第１及び第２のインク供給溝は、更に、インク発射チャンバの寸法境界の少なくとも一部を形成するように実質的に先端が切り取られた「Ｖ」形輪郭を成す収束を備えていることを特徴とする請求項１記載のインクジェットプリントヘッド。
4. 基板とオリフィスプレートとの間に設けられている障壁層から複数のインク発射チャンバを生成することによりインクジェットプリンタのプリントヘッドを製造する方法であって、
   障壁層から、該障壁層の第１および第２の不平行壁と入口および出口とを有する少なくとも二つのインク供給溝を生成するステップと、
   前記少なくとも二つのインク供給溝の少なくとも第１のインク供給溝を、前記第１および第２の壁間の広い分離をもつインク源での入口から前記第１および第２の壁間の狭い分離をもつ前記インク発射チャンバでの出口に結合するステップと、
   前記少なくとも二つのインク供給溝における前記第１のインク供給溝を、前記少なくとも二つのインク供給溝における前記第２のインク供給溝から前記障壁層の島により分離し、前記島によって前記第２の壁を構成するステップと、
   前記インク発射チャンバの壁の一つを、前記インク発射チャンバに向かって配置されている前記島の実質的に平坦な輪郭で生成するステップと、
   を含み、
   前記二つのインク供給溝を生成するステップは、該二つのインク供給溝の前記第１の壁相互の間隔を前記インク発射チャンバから前記インク源に向って拡大するステップを含み、
   前記少なくとも第１のインク供給溝を結合するステップは、前記第１及び第２の不平行壁を前記入口から前記出口まで収束させるステップと、前記第１のインク供給溝の第１の壁を前記インク発射チャンバに近い区域で前記第２のインク供給溝の第１の壁に対し非対称に形成し、狭窄部を形成するステップとを含む、ことを特徴とする方法。

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