JP3917253B2 - クラッチの付勢力伝達部材 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、クラッチの付勢力伝達部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、クラッチスプリングの付勢力を、付勢力伝達部材とコーンとの間に介装したボールを介してプレッシャプレートに伝達して動力を伝達し、同ボールを介しての付勢力伝達を解除して動力伝達を切断するようにしたクラッチがあり、上記付勢力伝達部材は、ボールへの接触面に略V字形状断面の溝を放射状に複数形成したリング形状に形成されており、各溝中にそれぞれボールを収納して各ボールの位置を所定範囲内に保持しながら、スプリングからボールへの付勢力を支承して、コーンとボールと付勢力伝達部材との間の楔作用により、上記付勢力を増力してプレッシャプレートに伝達するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記クラッチは、動力伝達状態では、コーンによって、ボールが付勢力伝達部材の略V字形状の溝中に、相対的な動きを伴わずに強力に圧接された状態に保持されるため、動力伝達状態が長く持続した後は、これらの部材間の油膜が切れてボールの膠着状態が発生し、ボールに作用する遠心力と相俟って、コーンからのボールへの付勢力を解除しても、ボールが付勢力伝達位置に留まって動力伝達を切断できず、クラッチが中立状態にならないという不具合が発生しがちであった。
【0004】
特に、小型の乗用管理機等に見られるように、上記クラッチを2個用い、一方を前進クラッチとし、他方を後進クラッチとして、1本の前後進切換レバーでこれらのクラッチを操作する場合、これらのクラッチの動力伝達切断が不確実であれば、前後進切換操作の際に、相反する方向に駆動する2個のクラッチが動力伝達を行うことになり、両方のクラッチや周辺の部材を損傷させる恐れがある。
【0005】
また、付勢力伝達部材に、複数の溝を均一かつ精密に形成するのが困難であるため溝の形状にバラツキが生じ、各ボールに作用する力が不均一になってボールの摩耗を促したり、更に、半クラッチ状態のように、コーンと付勢力伝達部材との間に回転速度の差がある場合には、付勢力を伝達する部材と、ボールを所定位置に保持する部材とが一体であるため、ボールに3点で部材が圧接することになり、そのため、ボールの転動が阻害されて滑り摩擦が発生し、潤滑不良や偏摩耗の原因になっていた。
【0006】
また、上記付勢力伝達部材の形状が複雑であるため、製造にコストがかさむという問題があった。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで、本発明では、車両の走行駆動系中に、前進駆動系に連動連結した前進クラッチと、後進駆動系に連動連結した後進クラッチとを配置し、運転部に設けた前後進切換レバーで、各クラッチの片方の動力伝達切断と、両方の動力伝達切断とを制御すべく構成し、各クラッチは、それぞれ、スリーブに作用するクラッチスプリングの付勢力を、プレッシャプレートに形成した凹状コーンと、スリーブに形成した凸状コーンと、付勢力伝達部材との間に介装した複数のボールを介し、プレッシャプレートに伝達して動力伝達を接続し、上記ボールを介しての付勢力伝達を解除して動力伝達を切断すべく構成したクラッチにおいて、上記付勢力伝達部材を、ボールへの付勢力を支承するスラストワッシャと、ボールの位置を所定範囲内に保持するリテーナとで構成し、当該リテーナの内周面に、ボールを半径及び円周方向の遊隙を保持して収納し得るボール収納溝を複数形成したことを特徴とするクラッチの付勢力伝達部材を提供せんとするものである。
【0008】
また、次のような特徴を併せ有するものである。
【0009】
前記付勢力伝達部材を、ボールへの付勢力を支承するスラストワッシャと、同スラストワッシャとは別体である前記リテーナとで構成して、当該リテーナを、前記スラストワッシャに対して自由に回動できるようにし、前記スラストワッシャボール転動面を平面に形成したこと。
【0010】
【発明の実施の形態】
本実施例では、クラッチを、スリーブに作用するクラッチスプリングの付勢力を、プレッシャプレートに形成した凹状コーンと、スリーブに形成した凸状コーンと、付勢力伝達部材との間に介装した複数のボールを介し、プレッシャプレートに伝達して動力伝達を接続し、上記ボールを介しての付勢力伝達を解除して動力伝達を切断すべく構成し、上記付勢力伝達部材を、ボール転動面を平面状に形成したスラストワッシャと、内周面に複数のボール収納溝を放射状に形成したリテーナとの2個の部材で構成し、各ボール収納溝にそれぞれボールを収納して、ボールの位置を所定範囲内に保持しながら、スラストワッシャのボール転動面でボールへの付勢力を支承するようにしている。
【0011】
【実施例】
本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、本発明に係るクラッチの付勢力伝達部材Aを具備する乗用管理機Bを示しており、同乗用管理機Bは、略矩形枠状のメインフレーム32の四隅部にそれぞれ前後車輪30,31 を配設し、メインフレーム32の前端部上面にハンドルコラム33を立設し、同ハンドルコラム33の上面に、前車輪30と連動連結したハンドル34を操作回動自在に配設し、同ハンドルコラム33の左側面下部に前後進切換レバー35とブレーキレバー36の基端部をそれぞれ前後傾動自在に取付けて運転部37を構成しており、ハンドルコラム33の後方には、所定間隔を保持して座席38を配設し、同座席38の後方にエンジン39とミッションケース1とを一体構成した原動機部40を配設して、エンジン39からの動力をベルト41とテンションクラッチ42とを介してミッションケース1に伝達し、ミッションケース1からデフケース43を介して後車輪31に伝達すると共に、ハンドル34で前車輪を操舵して乗用管理機Bを走行させるようにしている。
【0013】
ミッションケース1の内部には、前記前後進切換レバー35と連動して動力の断接を行う前後進クラッチCf,Cr を配設して、前後進切換レバー35が直立した操作位置では、前後進クラッチCf,Cr が両方とも動力伝達を切断して中立状態になり、前後進切換レバー35を前傾させた前進操作位置では、前進クラッチCfだけが動力を伝達し、後進クラッチCrは動力伝達切断状態となり、前後進切換レバー35を後傾させた後進操作位置では、前進クラッチCfは動力伝達切断状態となり、後進クラッチCrだけが動力を伝達するようにしている。
【0014】
図2及び図3は、ミッションケース1を示しており、同ミッションケース1は、ケーシング50の前端内部に、入力軸51と副軸52とを平行に軸架して、入力軸51の一端に入力プーリ53を嵌着し、他端に油圧ポンプ54を連動連結すると共に、上記入力軸51と副軸52とに、それぞれ、後進クラッチCrと前進クラッチCfとを互いに逆方向に配設している。
【0015】
また、上記前後進クラッチCf,Cr は、それぞれ、中間軸55を介して、直列的に配置した3段階に変速可能の主変速機構56と2段階に変速可能の副変速機構57とに連動連結しており、副変速機構57は、ケーシング50の後端部に設けた左右操向クラッチ58,58 を介して、それぞれ左右駆動軸59,59 に連動連結している。
【0016】
図2及び図3中、60は連動原動ギヤ、61は連動従動ギヤ、62は前進クラッチ出力ギヤ、63は後進クラッチ出力ギヤ、64は中間入力ギヤ、65は中間出力ギヤ、66は主変速主軸、67は主変速副軸、68は副変速軸、69は主変速入力ギヤ、70は1速原動ギヤ、71は1速従動ギヤ、72は2速原動ギヤ、73は2速従動ギヤ、74は3速原動ギヤ、75は3速従動ギヤ、76は主変速出力ギヤ、77は副変速入力ギヤ、78は副変速摺動ギヤ、79は最終従動ギヤ、80,80 は左右操向クラッチ操作機構、81はPTO軸、82は噛合傘歯車、83は主変速操作機構、84は副変速操作機構、89は油圧配管である。
【0017】
図4は、上述した前後進クラッチCf,Cr の一方の断面を示しており、上半部はクラッチ接続状態、下半部はクラッチ切断状態を示している。
【0018】
上記クラッチCは、ミッションケース1の内部にベアリング2,2 を介して、主軸3を軸支し、同主軸3の一端部に入力ギヤ4をスプライン嵌合し、同主軸3の他端部にニードルベアリング5を介してクラッチハウジング6のボス部7を回動自在に外嵌し、同ボス部7に出力ギヤ8を外嵌している。
【0019】
上記クラッチハウジング6は、入力ギヤ4方向に開口した略ドラム状に形成されており、同クラッチハウジング6の内部に主軸3にスプライン嵌合したクラッチボス9を収納し、同クラッチハウジング6の内周面とクラッチボス9の外周面との間に、クラッチハウジング6に軸方向摺動自在・回動不可に取付けたフリクションプレート10と、クラッチボス9に軸方向摺動自在・回動不可に取付けたクラッチプレート11とを交互に重層して形成したクラッチ体12を介装し、クラッチハウジング6の内部でクラッチ体12の入力ギヤ4側にリング状のプレッシャプレート13を配置し、同プレッシャプレート13の入力ギヤ4側に、クラッチハウジング6の入力ギヤ4側端部内周面に略リング形状の付勢力伝達部材Aを所定間隔を保持して固着し、同付勢力伝達部材Aとプレッシャプレート13の内部にかけて、ベアリング14を介し主軸3に軸方向摺動自在に軸支したスリーブ15を入力ギヤ4側から挿入して、上記付勢力伝達部材Aとプレッシャプレート13とスリーブ15の内側端部との間に複数のボールBを介装して、スリーブ15の外側端部とクラッチボス9との間に介装したクラッチスプリング16の付勢力を複数のボールBを介してプレッシャプレート13に伝達するようにしている。
【0020】
上記付勢力伝達部材Aは、両方ともリング状のスラストワッシャTとリテーナRとで構成されている。
【0021】
スラストワッシャTは、ボール転動面17を主軸3の軸線に直交する平面に形成しており、リテーナRには、図5で示すように、その内周面に、前記ボールBを半径及び円周方向の遊隙18を保持して収納し得るボール収納溝19を複数形成している。
【0022】
また、プレッシャプレート13の外側端面に凹状コーン20を形成すると共に、スリーブ15の内側端部に、内側方向に拡径した凸状コーン21を形成して、クラッチスプリング16によるスリーブ15に対する入力ギヤ4方向の付勢力を、凸状コーン21の斜面で半径外側方向の力に変換し、この半径外側方向の力を凹状コーン20の斜面で内側軸方向の力に変換して、プレッシャプレート13でクラッチ体12を押圧し、動力の伝達を行うようにしており、スリーブ15をクラッチ体12方向に移動させると、上述したプレッシャプレート13への付勢力伝達が解除されて、クラッチ体12への押圧が解除され、上記動力の伝達が切断されることになる。
【0023】
図4中、23はクラッチに断接動作を行わせるためのシフトフォーク、24は孔用止め輪、25は軸用止め輪である。
【0024】
上記前後進クラッチCf,Cr は、図2で示すように、前記ケーシング50を挿通したシフト軸85の回動操作により断接操作するように構成されており、上記シフト軸85に外嵌したシフタ86の左右端部に、それぞれ、前進シフトフォーク23f と後進シフトフォーク23r とを突設して、各シフトフォーク23f ,23rを前記スリーブ15の外側端部外周面に形成した段付部22に連動連結している。前述したように前後進クラッチCf,Cr は互いに逆方向に配設されているので、単一のシフタ86の移動によって前後進クラッチCf,Cr を相補的に作動させることができ、しかも、前後進クラッチCf,Cr の切断領域をラップさせて、これらの状態と前述した前後進切換レバー35の操作位置とを対応させている。表1は上記前後進切換レバー35の操作位置と、前後進クラッチCf,Cr の作動状態との対応を示している。
【0025】
【表1】
Figure 0003917253
【0026】
本発明の実施例は上記のように構成されており、クラッチスプリング16の付勢力が凸状コーン21と凹状コーン20との斜面により2段階に増力されているので、動力伝達に要するクラッチスプリング16の付勢力が小さくてすみ、更に、クラッチCの切断に要する操作力が小さくてすむことから、クラッチ操作を軽くすることができる。
【0027】
特に、長時間動力伝達状態が継続して、ボールBと、スラストワッシャT、凹状コーン20及び凸状コーン21ととの間の油膜が切れて、ボールBの膠着が発生しかけた場合でも、スラストワッシャTとは別体のリテーナRが自由に回動でき、かつ、ボールBとの間に遊隙18を設けているので、クラッチCの動力伝達切断のためにボールBへの付勢力を解除した際のスラストワッシャTと凸状コーン21との間の僅かな相対回動により、ボールBがスラストワッシャTと凹状コーン20上を転動し、これらの間に油膜が生じて膠着が防止されるので、ボールBの主軸3の軸芯方向の動きが円滑になり、ボールBからスラストワッシャTへの付勢力解除が確実になり、クラッチCの動力伝達を確実に切断することができ、クラッチ作動の信頼性を向上することができる。
【0028】
また、半クラッチ状態では、各ボールBはボール転動面17と凹状コーン20と凸状コーン21とに転動状態で圧接しているが、リテーナRには、位置保持のために軽く接触しているだけで滑り摩擦が発生せず、従って、各ボールBの表面に絶えず潤滑油が供給されて油膜が切れることがなく、潤滑不良が防止されてボールB及び同ボールBの転動面の摩耗を防止することができる。
【0029】
更に、付勢力伝達部材Aを、それぞれ簡単な形状のスラストワッシャTとリテーナRとで構成したことで、スラストワッシャTの製造が容易になり、特に、表面硬化・研磨等の加工を要するボール転動面17を平面にしたことで、同ボール転動面17の仕上げ精度を高め、各ボールBに均等に荷重を負担させて、ボールBの偏摩耗を防止できる。
【0030】
上記のように、クラッチCの動作の信頼性と耐久性とを高めているので、前述したように、前後進クラッチCf,Cr を、一本の前後進切換レバー35で操作するように構成した場合にで、前後進切換レバー35の中立操作位置に対応して、両方のクラッチが動力伝達を確実に切断することができ、また、前後進切換操作の際にも、駆動方向が相反する前後進クラッチCf,Cr が、同時に接続するという不具合が防止される。
【0031】
また、前述したように、表面硬化や研磨を要するボール転動面17が平面であるから、ローコストで高精度のボール転動面17を有するスラストワッシャTを製造することができる。
【0032】
【発明の効果】
本発明によれば次のような効果を得ることができる。
【0033】
請求項1記載の発明では、車両の走行駆動系中に、前進駆動系に連動連結した前進クラッチと、後進駆動系に連動連結した後進クラッチとを配置し、運転部に設けた前後進切換レバーで、各クラッチの片方の動力伝達切断と、両方の動力伝達切断とを制御すべく構成し、各クラッチは、それぞれ、スリーブに作用するクラッチスプリングの付勢力を、プレッシャプレートに形成した凹状コーンと、スリーブに形成した凸状コーンと、付勢力伝達部材との間に介装した複数のボールを介し、プレッシャプレートに伝達して動力伝達を接続し、上記ボールを介しての付勢力伝達を解除して動力伝達を切断すべく構成したクラッチにおいて、上記付勢力伝達部材を、ボールへの付勢力を支承するスラストワッシャと、ボールの位置を所定範囲内に保持するリテーナとで構成し、当該リテーナの内周面に、ボールを半径及び円周方向の遊隙を保持して収納し得るボール収納溝を複数形成しているので、ボールの円周方向の転動が阻害されず、この転動の間に、ボールと接触する各部材との間に油膜が形成されるので、ボールと、同ボールに接触する各部材間の膠着が防止されて、ボールの軸芯方向の動きが良くなり、確実に動力伝達を切断することができる。従って、各クラッチの動力伝達切断が、前後進切換レバーの操作に対応して確実に行われるので、前後進切換操作の際に、相反する方向に駆動する前後進クラッチが動力伝達を行って、両方のクラッチや周辺の部材を損傷させるなどの不具合が防止される。
【0034】
また、半クラッチ状態では、ボールが自由に転動できるので、ボールと各部材間の滑り摩擦がなくなり、潤滑不足やボールの偏摩耗を防止することができる。請求項2記載の発明では、前記付勢力伝達部材を、ボールへの付勢力を支承するスラストワッシャと、同スラストワッシャとは別体である前記リテーナとで構成して、当該リテーナを、前記スラストワッシャに対して自由に回動できるようにし、前記スラストワッシャボール転動面を平面に形成したことによって、動力伝達切断時にリテーナが自由に回動できるので、ボールの円周方向の転動が阻害されず、この転動の間に、ボールと接触する各部材との間に油膜が形成されるので、ボールと、同ボールに接触する各部材間の膠着が防止されて、ボールの軸芯方向の動きが良くなり、確実に動力伝達を切断することができる。従って、各クラッチの動力伝達切断が、前後進切換レバーの操作に対応して確実に行われるので、前後進切換操作の際に、相反する方向に駆動する前後進クラッチが動力伝達を行って、両方のクラッチや周辺の部材を損傷させるなどの不具合が防止される
【0035】
上記のように、付勢力伝達部材を簡単な形状の2部材で構成しているので、製造が容易になりコストダウンすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るクラッチの付勢力伝達部材を具備する乗用管理機の側面図。
【図2】前後進クラッチの配置状態を示す断面説明図。
【図3】変速機構の構成を示す断面説明図。
【図4】クラッチの断面説明図。
【図5】リテーナの一部正面図。
【符号の説明】
A 付勢力伝達部材
B ボール
C クラッチ
cf 前進クラッチ
cr 後進クラッチ
T スラストワッシャ
13 プレッシャプレート
16 クラッチスプリング
18 遊隙
20 凹状コーン
21 凸状コーン
35 前後進切換レバー
37 運転部

Claims (2)

  1. 車両の走行駆動系中に、前進駆動系に連動連結した前進クラッチ(cf)と、後進駆動系に連動連結した後進クラッチ(cr)とを配置し、運転部(37)に設けた前後進切換レバー(35)で、各クラッチ(cf)(cr)の片方の動力伝達切断と、両方の動力伝達切断とを制御すべく構成し、各クラッチ(cf)(cr)は、それぞれ、スリーブ(15)に作用するクラッチスプリング(16)の付勢力を、プレッシャプレート(13)に形成した凹状コーン(20)と、スリーブ(15)に形成した凸状コーン(21)と、付勢力伝達部材(A)との間に介装した複数のボール(B)を介し、プレッシャプレート(13)に伝達して動力伝達を接続し、上記ボール(B)を介しての付勢力伝達を解除して動力伝達を切断すべく構成したクラッチ(C)において、
    上記付勢力伝達部材(A)を、ボール(B)への付勢力を支承するスラストワッシャ(T)と、ボール(B)の位置を所定範囲内に保持するリテーナ(R)とで構成し、当該リテーナ (R) の内周面に、ボール (B) を半径及び円周方向の遊隙 (18) を保持して収納し得るボール収納溝 (19) を複数形成したことを特徴とするクラッチの付勢力伝達部材。
  2. 前記付勢力伝達部材 (A) を、ボール (B) への付勢力を支承するスラストワッシャ (T) と、同スラストワッシャ (T) とは別体である前記リテーナ (R) とで構成して、当該リテーナ(R)を、前記スラストワッシャ (T) に対して自由に回動できるようにし、前記スラストワッシャ(T)ボール転動面(17)を平面に形成したことを特徴とする請求項1に記載のクラッチの付勢力伝達部材。
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