JP3917173B2 - C10タキサン誘導体 - Google Patents

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Description

発明の背景
本発明は、抗白血病および抗腫瘍剤として有用な新規タキサン(taxanes)に関する。
タキサン類のテルペン[タキソール(taxol)はその一種である]は、生物学および化学の両分野で高い関心が持たれている。タキソールは、抗白血病および腫瘍抑制活性スペクトルの広い、有望な癌化学療法剤である。タキソールは2’R,3’S配置を有し、構造式:
Figure 0003917173
[式中、Acはアセチルである。]
で示される。タキソールは、その有望性の故に、フランスおよび米国で臨床試験中である。
コリン(Colin)らは、米国特許第4814470号において、構造式:
Figure 0003917173
[式中、R’は水素またはアセチルであり、R”およびR”’の一方はヒドロキシ、他方はt−ブトキシカルボニルアミノである。]
で示されるタキソール誘導体およびその立体異性体並びにそれらの混合物は、タキソール(1)よりも顕著に高い活性を有すると報告した。R’が水素であり、R”がヒドロキシであり、R”’がt−ブトキシカルボニルアミノであり、2’R,3’S配置を有する式(2)の化合物は、通常、タキソテル(taxotere)と称されている。
タキソールおよびタキソテルは有望な化学療法剤であるが、万能ではない。従って、更なる化学療法剤が必要である。
本発明の概要
本発明の一目的は、抗白血病および抗腫瘍剤として有用な新規タキサン誘導体を提供することである。
本発明は、C10タキサン誘導体に関する。好ましい態様においては、本発明のタキサン誘導体は三環または四環の核を有し、式(3)で示される:
Figure 0003917173
[式中、
1は−OX6、−SX7または−NX89
2は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリール;
3およびX4はそれぞれ、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリール;
5は−COX10、−COOX10、−COSX10、−CONX810または−SO211
6は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ保護基、またはタキサン誘導体の水溶性を高める官能基;
7はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはスルフヒドリル保護基;
8は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロ置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールもしくはヘテロアリール;
9はアミノ保護基;
10はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロ置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールもしくはヘテロアリール;
11はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、−OX10または−NX814
14は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリール;
1は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、またはR14と共にカーボネートを形成;
2は水素、ヒドロキシ、−OCOR31、またはR2aと共にオキソを形成;
2aは水素、またはR2と共にオキソを形成;
4は水素、R4aと共にオキソ、オキシランもしくはメチレンを形成、またはR5aおよびそれらが結合する炭素原子と共にオキセタン環を形成;
4aは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シアノ、ヒドロキシ、−OCOR30、またはR4と共にオキソ、オキシランもしくはメチレンを形成;
5は水素、またはR5aと共にオキソを形成;
5aは水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、アシルオキシ、R5と共にオキソを形成、またはR4およびそれらが結合する炭素原子と共にオキセタン環を形成;
6は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールもしくはヘテロアリール、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、またはR6aと共にオキソを形成;
6aは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールもしくはヘテロアリール、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、またはR6と共にオキソを形成;
7は水素、またはR7aと共にオキソを形成;
7aは水素、ハロゲン、保護ヒドロキシ、−OR28、またはR7と共にオキソを形成;
9は水素、またはR9aと共にオキソを形成;
9aは水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、アシルオキシ、またはR9と共にオキソを形成;
10は水素、またはR10aと共にオキソを形成;
10aは水素、またはR10と共にオキソを形成;
14は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールもしくはヘテロアリール、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、またはR1と共にカーボネートを形成;
14aは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリール;
28は水素、アシル、ヒドロキシ保護基、またはタキサン誘導体の溶解性を高める官能基;
29、R30およびR31はそれぞれ水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、単環アリールまたは単環ヘテロアリール。]。
本発明の他の目的および特徴は、部分的には自明であり、部分的には以下の説明において示す。
好ましい態様の詳細な説明
本発明において、“Ar”はアリール;“Ph”はフェニル;“Ac”はアセチル;“Et”はエチル;“R”は特記しない限りアルキル;“Bu”はブチル;“Pr”はプロピル;“TES”はトリエチルシリル;“TMS”はトリメチルシリル;“TPAP”は過ルテニウム酸テトラプロピルアンモニウム;“DMAP”はp−ジメチルアミノピリジン;“DMF”はジメチルホルムアミド;“LDA”はリチウムジイソプロピルアミド;“LHMDS”はリチウムヘキサメチルジシラジド;“LAH”は水素化アルミニウムリチウム;“Red−Al”は水素化ナトリウムビス(2−メトキシエトキシ)アルミニウム;“AIBN”はアゾ−(ビス)−イソブチロニトリル;“10−DAB”は10−デスアセチルバッカチンIII;FARは2−クロロ−1,1,2−トリフルオロトリエチルアミン;保護ヒドロキシは−OR(Rはヒドロキシ保護基)である。スルフヒドリル保護基はヘミチオアセタール、例えば1−エトキシエチルおよびメトキシメチル、チオエステル、またはチオカーボネートを包含するが、それらに限定されない。“アミン保護基”はカルバメート、例えば2,2,2−トリクロロエチルカルバメートまたはt−ブチルカルバメートを包含するが、それらに限定されない。“ヒドロキシ保護基”はエーテル、例えばメチル、t−ブチル、ベンジル、p−メトキシベンジル、p−ニトロベンジル、アリル、トリチル、メトキシメチル、2−メトキシプロピル、メトキシエトキシメチル、エトキシエチル、テトラヒドロピラニル、テトラヒドロチオピラニル、およびトリアルキルシリルエーテル(例えばトリメチルシリルエーテル、トリエチルシリルエーテル、ジメチルアリールシリルエーテル、トリイソプロピルシリルエーテルおよびt−ブチルジメチルシリルエーテル);エステル、例えばベンゾイル、アセチル、フェニルアセチル、ホルミル、モノ−、ジ−およびトリハロアセチル(例えばクロロアセチル、ジクロロアセチル、トリクロロアセチル、トリフルオロアセチル);カーボネート、例えば炭素原子数1〜6のアルキルカーボネート(例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチルおよびn−ペンチル)、炭素原子数1〜6で、1個またはそれ以上のハロゲン原子で置換されたアルキルカーボネート(例えば2,2,2−トリクロロエトキシメチルおよび2,2,2−トリクロロ−エチル)、炭素原子数2〜6のアルケニルカーボネート(例えばビニルおよびアリル)、炭素原子数3〜6のシクロアルキルカーボネート(例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル)、1個またはそれ以上のC1-6アルコキシまたはニトロで環が置換されていることもあるフェニルまたはベンジルカーボネートを包含するが、それらに限定されない。他のヒドロキシ、スルフヒドリルおよびアミン保護基は、「プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)」、ティ・ダブリュ・グリーン(T.W.Greene)、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ(John Wiley and Sons)、1981を参照し得る。
アルキル基(不置換のもの、または本発明において定義する種々の置換基を有するもの)は、好ましくは、主鎖の炭素原子数1〜6で、炭素原子数15までの低級アルキルである。アルキル基は置換基を有し得、直鎖、分枝または環状であってよく、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ヘキシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどを包含する。
アルケニル基(不置換のもの、または本発明において定義する種々の置換基を有するもの)は、好ましくは、主鎖の炭素原子数2〜6で、炭素原子数15までの低級アルケニルである。アルケニル基は置換基を有し得、直鎖または分枝状であってよく、エテニル、プロペニル、イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ヘキセニルなどを包含する。
アルキニル基(不置換のもの、または本発明において定義する種々の置換基を有するもの)は、好ましくは、主鎖の炭素原子数2〜6で、炭素原子数15までの低級アルキニルである。アルキニル基は置換基を有し得、直鎖または分枝状であってよく、エチニル、プロピニル、ブチニル、イソブチニル、ヘキシニルなどを包含する。
アリール基(不置換のもの、または種々の置換基を有するもの)は、炭素原子数6〜15で、フェニルを包含する。置換基は、アルカンオキシ、保護ヒドロキシ、ハロゲン、アルキル、アリール、アルケニル、アシル、アシルオキシ、ニトロ、アミノ、アミドなどを包含する。フェニルが好ましいアリールである。
ヘテロアリール基(不置換のもの、または種々の置換基を有するもの)は、炭素原子数5〜15で、フリル、チエニル、ピリジルなどを包含する。置換基は、アルカンオキシ、保護ヒドロキシ、ハロゲン、アルキル、アリール、アルケニル、アシル、アシルオキシ、ニトロ、アミノおよびアミドを包含する。
アシルオキシ基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリール基を有する。
置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールおよびヘテロアリール基並びに本発明中に記載する基の置換基は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールであり得、および/または窒素、酸素、イオウ、ハロゲンを含み得、例えば低級アルコキシ(例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ)、ハロゲン(例えばクロロまたはフルオロ)、ニトロ、アミノおよびケトを包含する。
本発明により、構造式(3)で示される化合物がインビトロで顕著な作用を示し、有用な抗白血病および抗腫瘍剤であることがわかった。その生物学的活性を、パーネス(Parness)ら、ジャーナル・オブ・セル・バイオロジー(J. Cell Biology)、91:479−487(1981)の方法によるチューブリンアッセイ、およびヒト癌細胞系を用いてインビトロで試験したところ、タキソールおよびタキソテルの活性に匹敵することがわかった。
本発明の一態様においては、本発明のタキサンは、C10置換基がジヒドロであることを除いては、タキソールまたはタキソテルに相当する構造を有する。すなわち、R2aは水素、R2はベンゾイルオキシ、R14およびR14aは水素であり、R9およびR9aはオキソを形成し、R7は水素、R7aはヒドロキシ、R5は水素であり、R5aおよびR4およびそれらの結合する炭素はオキセタン環を形成し、R4aはアセトキシ、R1はヒドロキシであり、X1は−OH、X2は水素、X3はフェニル、X4は水素、X5は−COX10、X10はフェニルまたはt−ブトキシであり、本発明のタキサンは2’R,3’S配置を有する。
本発明の他の態様においては、本発明のタキサンは、C10置換基および他の少なくとも1個の置換基に関して、タキソールまたはタキソテルとは異なる構造を有する。例えば、R2がヒドロキシまたは−OCOR31[R31は水素、アルキル、または式:
Figure 0003917173
(式中、Zはアルキル、ヒドロキシ、アルコキシ、ハロゲンまたはトリフルオロメチルである。)
で示される基を含んで成る群から選択する基である。]であり得る。R9aが水素であり得、R9が水素またはヒドロキシであり得、R7が水素、アセトキシもしくは他のアシルオキシまたはハロゲンであり得、X3はイソブテニル、イソプロピル、シクロプロピル、n−ブチル、t−ブチル、シクロブチル、シクロヘキシル、フリル、チエニル、ピリジルまたはそれらの置換誘導体から選択し得、X5は−COX10または−COOX10であり、X10はフリル、チエニル、ピリジル、アルキル置換フリルもしくはチエニル、t−、イソ−もしくはn−ブチル、エチル、イソもしくはn−プロピル、シクロプロピル、シクロヘキシル、アリル、クロチル、1,3−ジエトキシ−2−プロピル、2−メトキシエチル、アミル、ネオペンチル、PhCH2O−、−NPh2、−NHnPr、−NHPh、および−NHEtから選択し得る。
一般式(3)で示されるタキサンは、β−ラクタムと、タキサン三環または四環核およびC−13金属オキシド置換基を有するアルコキシドとを反応させて、β−アミドエステル置換基をC−13に有する化合物を形成することによって合成し得る。β−ラクタムは、構造式:
Figure 0003917173
[式中、X1〜X5は前記と同意義である。]
で示される。
このようなβ−ラクタムは、容易に入手し得る物質から、下記反応式AおよびBに示すように合成し得る:
反応式A
Figure 0003917173
反応式B
Figure 0003917173
試薬:(a)トリエチルアミン、CH2Cl2、25℃、18時間;(b)4当量の硝酸第二セリウムアンモニウム、CH3CN、−10℃、10分間;(c)KOH、THF、H2O、0℃、30分間、またはピロリジン、ピリジン、25℃、3時間;(d)TESCl、ピリジン、25℃、30分間、または2−メトキシプロペン、トルエンスルホン酸(触媒)、THF、0℃、2時間;(e)n−ブチルリチウム、THF、−78℃、30分間;およびアシルクロリドもしくはクロロホルメート(X5=−COX10)、スルホニルクロリド(X5=−COSX10)、またはイソシアネート(X5=−CONX810);(f)リチウムジイソプロピルアミド、THF、−78℃〜−50℃;(g)リチウムヘキサメチルジシラジド、THF、−78℃〜0℃;(h)THF、−78℃〜25℃、12時間。
出発物質は、容易に入手し得る。反応式Aにおいては、グリコール酸からα−アセトキシアセチルクロリドを合成し、それと、アルデヒドおよびp−メトキシアニリンから合成したイミンとを、第三級アミンの存在下に環縮合させて、1−p−メトキシフェニル−3−アシルオキシ−4−アリールアゼチジン−2−オンを得る。p−メトキシフェニル基を、硝酸第二セリウムアンモニウムで酸化することによって容易に除去し、アシルオキシ基を、当業者に知られた通常の条件下に加水分解して、3−ヒドロキシ−4−アリールアゼチジン−2−オンを得ることができる。反応式Bにおいては、エチルα−トリエチルシリルオキシアセテートは、グリコール酸から容易に合成する。
反応式AおよびBにおいて、X1は好ましくは−OX6で、X6はヒドロキシ保護基である。2−メトキシプロピル(「MOP」)、1−エトキシエチル(「EE」)のような保護基が好ましいが、種々の他の通常の保護基、例えばトリエチルシリル基または他のトリアルキル(またはアリール)シリル基を使用してもよい。前記のように、他のヒドロキシ保護基およびその形成については、「プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス」、ティ・ダブリュ・グリーン、ジョン・ワイリー・アンド・サンズ、1981を参照し得る。
ラセミ体β−ラクタムは、対応する2−メトキシ−2−(トリフルオロメチル)フェニル酢酸エステルの再結晶によって、保護前に純粋なエナンチオマーに分割し得る。しかし、β−アミドエステル側鎖を結合する後述の反応は、高ジアステレオ選択性であるという利点を有するので、側鎖前駆物質のラセミ混合物を使用することができる。
三環または四環タキサン核、およびC−13金属オキシドまたはアンモニウムオキシド置換基を有するアルコキシドは、構造式:
Figure 0003917173
[式中、R1〜R14aは前記と同意義であり、Mはアンモニウムを含んで成るか、またはIA族、IIA族および遷移金属から成る群から場合により選択する金属、好ましくはLi、Mg、Na、KまたはTiである。]
で示される。最も好ましくは、アルコキシドは四環タキサン核を有し、構造式:
Figure 0003917173
[式中、M、R2、R4a、R7、R7a、R9、R9a、R10およびR10aは前記と同意義である。]
で示される。
アルコキシドは、タキサン核およびC−13ヒドロキシル基を有するアルコールと、有機金属化合物とを、適当な溶媒中で反応させることによって合成し得る。最も好ましくは、アルコールは、保護されたバッカチンIII、とりわけ7−O−トリエチルシリルバッカチンIII[グリーン(Greene)らのザ・ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ(JACS110:5917(1988)に記載の方法、または他の経路により得られる]、または7,10−ビス−O−トリエチルシリルバッカチンIIIである。
グリーンらが報告しているように、次の反応式に従って、10−デアセチルバッカチンIIIを、7−O−トリエチルシリル−10−デアセチルバッカチンIIIに変換する:
Figure 0003917173
注意深く最適化した条件であると報告されている条件下に、10−デアセチルバッカチンIIIと20当量の(C253SiClとを、10−デアセチルバッカチンIII1ミリモル当たり50mlのピリジンの存在下、アルゴン雰囲気中、23℃で20時間反応させて、7−トリエチルシリル−10−デアセチルバッカチンIII(4a)を反応生成物として得る(精製後の収率84〜86%)。次いで要すれば、反応生成物を、5当量のCH3COCl、および化合物(4a)1ミリモル当たり25mlのピリジンにより、アルゴン雰囲気中、0℃で48時間アセチル化して、7−O−トリエチルシリルバッカチンIII(4b)を86%の収率で得ることができる[グリーンら、ザ・ジャーナル・オブ・ジ・アメリカン・ケミカル・ソサエティ、110、5917−5918(1988)]。
次の反応式に示すように、7−保護バッカチンIII(4b)を、テトラヒドロフラン(THF)のような溶媒中で、LHMDSのような有機金属化合物と反応させて、金属アルコキシド13−O−リチウム−7−O−トリエチルシリルバッカチンIIIを得る:
Figure 0003917173
次の反応式に示すように、13−O−リチウム−7−O−トリエチルシリルバッカチンIIIと、β−ラクタム[X1は好ましくは−OX6(X6はヒドロキシ保護基)であり、X2〜X5は前記と同意義である。]とを反応させて、C−7およびC−2’ヒドロキシル基が保護された中間体を得る。次いで、エステル結合またはタキサン置換基を損なわないような穏やかな条件下に、保護基を加水分解する:
Figure 0003917173
アルコールからアルコキシドへの変換も、最終的なタキサン誘導体の合成も、同じ反応器内で行うことができる。アルコキシドの生成後、その反応器にβ−ラクタムを加えることが好ましい。
本発明の式(3)の化合物は、ヒトを含む動物の癌増殖抑制に有用であり、本発明の化合物の抗腫瘍有効量を薬学的に許容し得る担体または希釈剤と共に含有する薬剤組成物の形態で投与することが好ましい。
本発明の抗腫瘍組成物は、所期用途(例えば経口、非経口または局所投与)に適したどのような形態に調製してもよい。非経口投与の例は、筋肉内、静脈内、腹腔内、直腸および皮下投与である。
希釈剤または担体成分は、抗腫瘍化合物の処置効果を減弱するものであってはならない。
適当な経口投与形態は、錠剤、分散性粉末、顆粒、カプセル、懸濁液、シロップおよびエリキシル剤を包含する。錠剤用の不活性希釈剤および担体は、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトースおよびタルクを包含する。錠剤は、造粒および崩壊剤(例えばデンプンおよびアルギン酸)、結合剤(例えばデンプン、ゼラチンおよびアラビアゴム)、並びに滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸およびタルク)をも含有し得る。錠剤はコーティング無しでも、例えば崩壊および吸収を遅延するために、未知の方法でコーティングしてもよい。カプセル剤中に使用し得る不活性希釈剤および担体は、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウムおよびカオリンである。懸濁液、シロップおよびエリキシル剤は、通常の賦形剤、例えばメチルセルロース、トラガント、アルギン酸ナトリウム;湿潤剤、例えばレシチンおよびポリオキシエチレンステアレート;並びに保存剤、例えばエチルp−ヒドロキシベンゾエートを含有し得る。
適当な非経口投与形態は、溶液、懸濁液、分散液、乳剤などを包含する。用時に滅菌注射用媒体に溶解または懸濁し得る滅菌固体組成物の形態に調製してもよい。それらは、当分野で知られている懸濁または分散剤を含有し得る。
式(3)で示される化合物の水溶性は、C2’および/またはC7置換基の変更によって改善し得る。例えば、X1が−OX6、R7aが−OR28であり、X6およびR28がそれぞれ水素または−COGCOR1であり、
Gがエチレン、プロピレン、−CH=CH−、1,2−シクロヘキサン、または1,2−フェニレンであり、
1=OH塩基、NR23、OR3、SR3、OCH2CONR45、OH、
2=水素、メチル、
3=(CH2nNR67;(CH2n+678-
n=1〜3
4=水素、炭素数1〜4の低級アルキル、
5=水素、炭素数1〜4の低級アルキル、ベンジル、ヒドロキシエチル、CH2CO2H、ジメチルアミノエチル、
67=炭素数1もしくは2の低級アルキル、ベンジル、またはR6およびR7はNR67の窒素原子と共に環:
Figure 0003917173
を形成、
8=炭素数1もしくは2の低級アルキル、ベンジル、
-=ハライド、
塩基=NH3、(HOC243N、N(CH33、CH3N(C24OH)2、NH2(CH26NH2、N−メチルグルカミン、NaOH、KOH
である場合に、水溶性が高まり得る。X1またはX2が−COGCOR1である化合物の製造は、ホーグウィッツ(Haugwitz)の米国特許第4942184号に記載されており、該特許を引用により本発明の一部とする。
また、X1が−OX6であり、X6がCOCX=CHXまたは−COX−CHX−CHX−SO2O−Mを有する基であり、Xが水素、アルキルまたはアリール、Mが水素、アルカリ金属またはアンモニオ基である場合にも、水溶性が高まり得る[キングストン(Kingston)らの米国特許第5059699号参照;該特許を引用により本発明の一部とする]。
10−DAB、バッカチン(Baccatin)III、または10−DABもしくはバッカチンIIIの誘導体のC9ケト置換基を選択的に還元して対応するC9β−ヒドロキシ誘導体とすることによって、ケト以外のC9置換基を有するタキサンを合成し得る。還元剤は、好ましくはボロハイドライド、最も好ましくはテトラブチルアンモニウムボロハイドライド(Bu4NBH4)またはトリアセトキシボロハイドライドである。
反応式1に示すように、バッカチンIIIとBu4NBH4とを塩化メチレン中で反応させて、9−デスオキソ−9β−ヒドロキシバッカチンIII(5)を得る。C7ヒドロキシル基を、例えばトリエチルシリル保護基で保護した後、本明細書中に説明するように適当な側鎖を7−保護−9β−ヒドロキシ誘導体(6)に結合し得る。残った保護基を除去すると、9β−ヒドロキシ−デスオキソタキソール、または他のC13側鎖を有する9β−ヒドロキシ四環タキサンが得られる。
反応式1
Figure 0003917173
反応式2に示すように、7−保護−9β−ヒドロキシ誘導体(6)のC13ヒドロキシル基を、トリメチルシリルまたは他の保護基(C7ヒドロキシ保護基に対し相対的に選択的除去することができる)で保護し、タキサンの種々の置換基を更に選択的に変更することができる。例えば、7,13−保護−9β−ヒドロキシ誘導体(7)とKHとの反応により、アセテート基がC10からC9へ、ヒドロキシル基がC9からC10へ移り、10−デスアセチル誘導体(8)が生成する。10−デスアセチル誘導体(8)のC10ヒドロキシル基をトリエチルシリルで保護して、誘導体(9)を得る。誘導体(9)からC13ヒドロキシ保護基を選択的に除去して、誘導体(10)を得、これに適当な側鎖を前記のように結合し得る。
反応式2
Figure 0003917173
反応式3に示すように、10−デスアセチル誘導体(8)の酸化により、10−オキソ誘導体(11)を得ることができる。次いで、C13ヒドロキシ保護基を選択的除去した後、前記のように側鎖を結合して、9−アセトキシ−10−オキソ−タキソール、または他のC13側鎖を有する9−アセトキシ−10−オキソ四環タキサンを得ることができる。また、10−オキソ誘導体(11)を、二ヨウ化サマリウムのような還元剤で還元することにより、C9アセテート基を選択的除去して、9−デスオキソ−10−オキソ誘導体(12)を得、そのC13ヒドロキシ保護基を選択的除去した後、前記のように側鎖を結合して、9−デスオキソ−10−オキソタキソール、または他のC13側鎖を有する9−デスオキソ−10−オキソ四環タキサンを合成することができる。
反応式3
Figure 0003917173
反応式4に示すように、10−DABを還元してペンタオール(13)を得ることができる。次いで、ペンタオール(13)のC7およびC10ヒドロキシル基を、トリエチルシリルまたは他の保護基で選択的保護して、トリオール(14)を得、これに、場合により更に四環置換基に変更を加えた後、前記のようにC13側鎖を結合することができる。
反応式4
Figure 0003917173
C9および/またはC10にアセテート以外のアシルオキシ置換基を有するタキサンは、反応式5に示すように、10−DABを出発物質として合成することができる。ピリジン中で10−DABとトリエチルシリルクロリドとを反応させることにより、7−保護10−DAB(15)を得る。次いで、7−保護10−DAB(15)のC10ヒドロキシ置換基を、通常のアシル化剤で容易にアシル化して、新しいC10アシルオキシ置換基を有する誘導体(16)を得ることができる。誘導体(16)のC9ケト置換基の選択的還元により、9β−ヒドロキシ誘導体(17)を得、それにC13側鎖を結合し得る。また、前記反応式2と同様に、C10およびC9基の転移も行い得る。
反応式5
Figure 0003917173
別のC2および/またはC4エステル基を有するタキサンは、バッカチンIIIおよび10−DABを出発物質として合成し得る。バッカチンIIIおよび10−DABのC2および/またはC4エステルを、LAHまたはRed−Alのような還元剤を用いて、対応するアルコールに選択的還元し、次いで、無水物および酸クロリドのような通常のアシル化剤を、ピリジン、トリエチルアミン、DMAPまたはジイソプロピルエチルアミンのようなアミンと組み合わせて使用して、新しいエステルを形成し得る。また、C2および/またはC4アルコールを、新しいC2および/またはC4エステルに変換するために、アルコールをLDAのような適当な塩基で処理して対応するアルコキシドを形成後、酸クロリドのようなアシル化剤で処理してもよい。
C2および/またはC4に種々の置換基を有するバッカチンIIIおよび10−DAB類似体は、反応式6〜10に示すように合成し得る。説明を単純化するために、10−DABを出発物質として使用する。しかし、単に10−DABの代わりにバッカチンIIIを出発物質として使用することにより、バッカチンIII誘導体または類似体も同様の反応経路(C10ヒドロキシル基の保護を除く)で合成し得ると理解すべきである。C10および他の少なくとも一つの位置(例えばC1、C2、C4、C7、C9およびC13)に種々の置換基を有するバッカチンIIIおよび10−DAB類似体の誘導体は、本明細書中に記載の他の反応、および当業者が行い得る他の反応を更に行うことによって合成し得る。
反応式6においては、保護10−DAB(3)を水素化アルミニウムリチウムでトリオール(18)に変換する。その後、Cl2CO/ピリジン、次いで求核剤(例えばグリニヤール試薬またはアルキルリチウム試薬)を用いて、トリオール(18)を対応するC4エステルに変換する。
反応式6
Figure 0003917173
トリオール(18)をLDAで脱プロトン化し、次いで酸クロリドを導入すると、C4エステルが選択的に生成する。例えば、塩化アセチルを使用して、トリオール(18)を1,2−ジオール(4)に変換した(反応式7参照)。
トリオール(18)は、1,2−カーボネート(19)にも容易に変換し得る。反応式8に示すように、通常の激しい条件下にカーボネート(19)をアセチル化して、カーボネート(21)を得る;反応式6に示すように、カーボネート(19)にアルキルリチウムまたはグリニヤール試薬を付加すると、C4に遊離ヒドロキシル基を有するC2エステルが生成する。
反応式7
Figure 0003917173
反応式8
Figure 0003917173
反応式9に示すように、他のC4置換基を導入するには、カーボネート(19)と、酸クロリドおよび第三級アミンとの反応により、カーボネート(22)を得、それをアルキルリチウムまたはグリニヤール試薬と反応させて、C2に新しい置換基を有する10−DAB誘導体を生成すればよい。
反応式9
Figure 0003917173
また、バッカチンIIIを出発物質として使用して、反応式10に示すように反応させることもできる。バッカチンIIIを、C7およびC13において保護した後、LAHで還元して、1,2,4,10−テトラオール(24)を得る。テトラオール(24)を、Cl2COおよびピリジンを用いてカーボネート(25)に変換し、カーボネート(25)を、C10において酸クロリドおよびピリジンでアシル化してカーボネート(26)(反応式に示す)を得るか、または無水酢酸およびピリジンと反応させる(反応式に示さず)。カーボネート(26)を通常の激しい条件下にアセチル化してカーボネート(27)を得、これをアルキルリチウムと反応させて、C2およびC10に新しい置換基を有するバッカチンIII誘導体を得る。
反応式10
Figure 0003917173
Figure 0003917173
バッカチンIIIの10−デスアセトキシ誘導体、および10−DABの10−デスオキシ誘導体は、バッカチンIIIまたは10−DAB(またはそれらの誘導体)と、二ヨウ化サマリウムとの反応によって合成し得る。C10脱離基を有する四環タキサンと、二ヨウ化サマリウムとの反応は、テトラヒドロフランのような溶媒中、0℃で行い得る。二ヨウ化サマリウムは、C10脱離基を好都合に選択的に脱離する;C13側鎖、および四環核上の他の置換基は損なわれない。その後、本明細書中に説明するように、C9ケト置換基を還元して、対応する9−デスオキソ−9β−ヒドロキシ−10−デスアセトキシまたは10−デスオキシ誘導体を生成し得る。
C7ジヒドロおよび他のC7置換タキサンは、反応式11、12および12aに示すように合成し得る。
反応式11
Figure 0003917173
反応式12
Figure 0003917173
反応式12a
Figure 0003917173
反応式12に示すように、バッカチンIIIをTHF溶液中、室温でFARにより処理して、7−フルオロバッカチンIIIに変換し得る。遊離C7ヒドロキシル基を有する他のバッカチン誘導体も、同様に反応する。7−クロロバッカチンIIIは、バッカチンIIIを、過剰のトリエチルアミンヒドロクロリドを含有する塩化メチレン溶液中で、メタンスルホニルクロリドおよびトリエチルアミンで処理することによって合成し得る。
C7アシルオキシ置換基を有するタキサンは、反応式12aに示すように合成し得る。7,13−保護10−オキソ−誘導体(11)を、そのC13保護基を選択的除去して金属(例えばリチウム)に交換することによって、対応するC13アルコキシドに変換する。次いで、アルコキシドを、β−ラクタムまたは他の側鎖前駆物質と反応させる。その後、C7保護基を加水分解すると、C7ヒドロキシ置換基がC10に、C10オキソ置換基がC9に、C9アシルオキシ置換基がC7に転移する。
種々の三環タキサンが天然に存在し、本明細書中に説明するものと同様の方法で、そのC13酸素に適当な側鎖を結合し得る。また、反応式13に示すように、7−O−トリエチルシリルバッカチンIIIを、塩化メチレン溶液中、テトラフルオロホウ酸トリメチルオキソニウムの作用により、三環タキサンに変換し得る。次いで、生成したジオールを四酢酸鉛と反応させて、対応するC4ケトンを得ることができる。
反応式13
Figure 0003917173
最近、ヒドロキシル化タキサン(14−ヒドロキシ−10−デアセチルバッカチンIII)が、イチイ針葉抽出物中に見出された[ケミカル・アンド・エンジニアリング・ニューズ(C&EN)、36−37頁、1993年4月12日]。C2、C4などに前記のような種々の官能基を有するヒドロキシル化タキサン誘導体も、上記ヒドロキシル化タキサンを用いて合成し得る。更に、C14ヒドロキシル基は、ケミカル・アンド・エンジニアリング・ニューズに記載のように10−DABのC1ヒドロキシル基と共に1,2−カーボネートに変換でき、またはC2、C4、C7、C9、C10およびC13置換基に関して本明細書中に説明するような種々のエステルもしくは他の官能基に変換し得る。
以下の実施例により、本発明を更に説明する。
実施例1
Figure 0003917173
(68−3)
3’−デスフェニル−3’−(2−チエニル)−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−10−デスアセトキシタキソールの製造
THF(0.7ml)中の7−O−トリエチルシリル−10−デスアセトキシバッカチン(III)(47.5mg、0.073ミリモル)の溶液に、−45℃で、ヘキサン中のLiN(SiMe32の0.98M溶液(0.08ml)を滴下した。−45℃で0.5時間後、THF(0.7ml)中のシス−1−t−ブトキシカルボニル−3−トリエチルシリルオキシ−4−(2−チエニル)−アゼチジン−2−オン(70.0mg、0.182ミリモル)の溶液を、混合物に滴下した。溶液を0℃に昇温し、その温度に1時間保った後、THF中のAcOHの10%溶液(1ml)を加えた。混合物を、飽和NaHCO3水溶液および60/40酢酸エチル/ヘキサンに分配した。有機相を蒸発して得た残渣を、シリカゲルで濾過することにより精製して、(2’R,3’S)−2’,7−(ビス)−O−トリエチルシリル−3’−デスフェニル−3’−(2−チエニル)−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−10−デスアセトキシタキソールおよび少量の(2’S,3’R)異性体を含有する混合物64.3mgを得た。
アセトニトリル(3.2ml)およびピリジン(0.15ml)中の、上記反応によって得た混合物(64.3mg、0.056ミリモル)の溶液に、0℃で、48%HF水溶液(0.50ml)を加えた。混合物を0℃で3時間、および次いで25℃で13時間攪拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルに分配した。酢酸エチル溶液を蒸発して得た残渣46.3mgを、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、3’−デスフェニル−3’−(2−チエニル)−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−10−デスアセトキシタキソール40.1mg(91%)を得、これをメタノール/水から再結晶した。
m.p.158−160℃;[α]25 Na−58.4°(c0.0028、CHCl3).
1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.11(d、J=6.9Hz、2H、ベンゾエート オルト)、7.61(m、1H、ベンゾエート パラ)、7.50(m、2H、ベンゾエート メタ)、7.27(dd、J=5.5、1.2Hz、1H、チエニル)、7.06(d、J=3.3Hz、1H、チエニル)、7.01(dd、J=5.7、3.9Hz、1H、チエニル)、6.13(td、J=6.3、0.9Hz、1H、H13)、5.70(d、J=6.9Hz、1H、H2)、5.49(d、J=9.2Hz、1H、NH)、5.34(d、J=9.9Hz、1H、H3’)、4.62(dd、J=5.4 2.1Hz、1H、H5)、4.30(d、J=8.1Hz、1H、H20α)、4.29(s、1H、H2’)、4.17(d、J=8.1Hz、1H、H20β)、4.06(d、J=6.9Hz、1H、H7)、3.81(d、J=15.3Hz、H10α)、3.51(d、J=6.6Hz、1H、H3)、3.41(m、1H、2’OH)、2.61(m、1H、H6α)、2.36(s、3H、4Ac)、2.30(m、1H、H10β)、2.17(br s、1H、7OH)、2.06(m、1H、H14α)、1.81(m、1H、H14β)、1.76(br s、3H、Me18)、1.66(s、1H、1OH)、1.62(m、1H、H6β)、1.35(s、9H、3Me t−ブトキシ)、1.25(s、3H、Me17)、1.19(s、3H、Me19)、1.17(s、3H、Me16).
実施例2
Figure 0003917173
(68−4)
3’−デスフェニル−3’−(イソブテニル)−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−10−デスアセトキシタキソールの製造
THF(0.8ml)中の7−O−トリエチルシリル−10−デスアセトキシバッカチン(III)(50.0mg、0.077ミリモル)の溶液に、−45℃で、ヘキサン中のLiN(SiMe32の0.98M溶液(0.09ml)を滴下した。−45℃で0.5時間後、THF(0.7ml)中のシス−1−t−ブトキシカルボニル−3−(2−メトキシイソプロピルオキシ)−4−(イソブテニル)−アゼチジン−2−オン(58.0mg、0.193ミリモル)の溶液を、混合物に滴下した。溶液を0℃に昇温し、その温度に1時間保った後、THF中のAcOHの10%溶液(1ml)を加えた。混合物を、飽和NaHCO3水溶液および60/40酢酸エチル/ヘキサンに分配した。有機相を蒸発して得た残渣を、シリカゲルで濾過することにより精製して、(2’R,3’S)−2’−O−(2−メトキシイソプロピル)−7−O−トリエチルシリル−3’−デスフェニル−3’−(イソブテニル)−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−10−デスアセトキシタキソールおよび少量の(2’S,3’R)異性体を含有する混合物62.7mgを得た。
アセトニトリル(3.5ml)およびピリジン(0.16ml)中の、上記反応によって得た混合物(62.7mg、0.059ミリモル)の溶液に、0℃で、48%HF水溶液(0.55ml)を加えた。混合物を0℃で3時間、および次いで25℃で13時間攪拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルに分配した。酢酸エチル溶液を蒸発して得た残渣51.5mgを、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、3’−デスフェニル−3’−(イソブテニル)−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−10−デスアセトキシタキソール43.0mg(95%)を得、これをメタノール/水から再結晶した。
m.p.153−155℃;[α]25 Na−56.3°(c0.003、CHCl3).
1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.10(d、J=7.3Hz、2H、ベンゾエート オルト)、7.60(m、1H、ベンゾエート パラ)、7.47(m、2H、ベンゾエート メタ)、6.15(td、J=8.5、1.8Hz、1H、H13)、5.69(d、J=6.9Hz、1H、H2)、5.32(d、J=9.2Hz、1H、NH)、4.93(dd、J=9.6、1.8Hz、1H、H5)、4.82(d、J=8.7Hz、1H、Me2C=C−)、4.76(td、J=8.7、2.7Hz、1H、H3’)、4.37(d、J=8.7Hz、1H、H20α)、4.22(d、J=8.7Hz、1H、H20β)、4.18(d、J=2.7Hz、1H、H2’)、4.03(d、J=7.3Hz、1H、H7)、3.82(d、J=15.2Hz、1H、H10α)、3.47(m、1H、2’OH)、3.41(d、J=6.6Hz、1H、H3)、2.60(m、1H、H6α)、2.39(m、1H、H10β)、2.37(s、3H、4Ac)、2.18(s、1H、7OH)、2.08(m、1H、H14α)、1.78(m、1H、H14β)、1.76(s、3H、Me18)、1.74(s、6H、2Me イソブテニル)、1.63(m、1H、H6β)、1.36(s、9H、3Me t−ブトキシ)、1.26(s、3H、Me17)、1.18(s、3H、Me19)、1.15(s、3H、Me16).
実施例3
Figure 0003917173
(69−1)
N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−10−デスアセトキシタキソールの製造
THF(0.8ml)中の7−O−トリエチルシリル−10−デスアセトキシバッカチン(III)(50.0mg、0.077ミリモル)の溶液に、−45℃で、ヘキサン中のLiN(SiMe32の0.98M溶液(0.09ml)を滴下した。−45℃で0.5時間後、THF(0.8ml)中のシス−1−t−ブトキシカルボニル−3−トリエチルシリルオキシ−4−フェニル−アゼチジン−2−オン(67.5mg、0.193ミリモル)の溶液を、混合物に滴下した。溶液を0℃に昇温し、その温度に1時間保った後、THF中のAcOHの10%溶液(1ml)を加えた。混合物を、飽和NaHCO3水溶液および60/40酢酸エチル/ヘキサンに分配した。有機相を蒸発して得た残渣を、シリカゲルで濾過することにより精製して、(2’R,3’S)−2’,7−(ビス)−O−トリエチルシリル−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−10−デスアセトキシタキソールおよび少量の(2’S,3’R)異性体を含有する混合物72.0mgを得た。
アセトニトリル(3.8ml)およびピリジン(0.17ml)中の、上記反応によって得た混合物(72.0mg、0.071ミリモル)の溶液に、0℃で、48%HF水溶液(0.60ml)を加えた。混合物を0℃で3時間、および次いで25℃で13時間攪拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルに分配した。酢酸エチル溶液を蒸発して得た残渣57.4mgを、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−10−デスアセトキシタキソール39.4mg(71%)を得、これをメタノール/水から再結晶した。
m.p.145−147℃;[α]25 Na−54.4°(c0.0027、CHCl3).
1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.11(d、J=7.1Hz、2H、ベンゾエート オルト)、7.61−7.23(m、8H、ベンゾエート、フェニル)、6.13(td、J=6.3、0.9Hz、1H、H13)、5.68(d、J=6.9Hz、1H、H2)、5.43(d、J=9.2Hz、1H、NH)、5.26(d、J=9.9Hz、1H、H3’)、4.96(dd、J=5.4 2.1Hz、1H、H5)、4.31(d、J=8.1Hz、1H、H20α)、4.22(s、1H、H2’)、4.18(d、J=8.1Hz、1H、H20β)、4.03(d、J=6.9Hz、1H、H7)、3.81(d、J=15.1Hz、H10α)、3.43(m、1H、2’OH)、3.40(d、J=6.6Hz、1H、H3)、2.60(m、1H、H6α)、2.38(s、3H、4Ac)、2.32(m、1H、H10β)、2.15(br s、1H、7OH)、2.09(m、1H、H14α)、1.83(m、1H、H14β)、1.78(br s、3H、Me18)、1.66(s、1H、1OH)、1.63(m、1H、H6β)、1.36(s、9H、3Me t−ブトキシ)、1.25(s、3H、Me17)、1.18(s、3H、Me19)、1.16(s、3H、Me16).
実施例4
Figure 0003917173
(69−2)
3’−デスフェニル−3’−(2−フリル)−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−10−デスアセトキシタキソールの製造
THF(0.8ml)中の7−O−トリエチルシリル−10−デスアセトキシバッカチン(III)(50.0mg、0.077ミリモル)の溶液に、−45℃で、ヘキサン中のLiN(SiMe32の0.98M溶液(0.09ml)を滴下した。−45℃で0.5時間後、THF(0.8ml)中のシス−1−t−ブトキシカルボニル−3−トリエチルシリルオキシ−4−(2−フリル)−アゼチジン−2−オン(72.8mg、0.195ミリモル)の溶液を、混合物に滴下した。溶液を0℃に昇温し、その温度に1時間保った後、THF中のAcOHの10%溶液(1ml)を加えた。混合物を、飽和NaHCO3水溶液および60/40酢酸エチル/ヘキサンに分配した。有機相を蒸発して得た残渣を、シリカゲルで濾過することにより精製して、(2’R,3’S)−2’,7−(ビス)−O−トリエチルシリル−3’−デスフェニル−3’−(2−フリル)−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−10−デスアセトキシタキソールおよび少量の(2’S,3’R)異性体を含有する混合物69.4mgを得た。
アセトニトリル(3.8ml)およびピリジン(0.17ml)中の、上記反応によって得た混合物(69.4mg、0.068ミリモル)の溶液に、0℃で、48%HF水溶液(0.60ml)を加えた。混合物を0℃で3時間、および次いで25℃で13時間攪拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルに分配した。酢酸エチル溶液を蒸発して得た残渣59.0mgを、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、3’−デスフェニル−3’−(2−フリル)−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−10−デスアセトキシタキソール41.0mg(76%)を得、これをメタノール/水から再結晶した。
m.p.151−153℃;[α]25 Na−56.5°(c0.0025、CHCl3).
1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.11(d、J=7.3Hz、2H、ベンゾエート オルト)、7.60(m、1H、ベンゾエート パラ)、7.49(m、2H、ベンゾエート メタ)、7.41(m、1H、フリル)、6.37(m、1H、フリル)、6.34(m、1H、フリル)、6.13(dd、J=6.3、0.9Hz、1H、H13)、5.69(d、J=6.6Hz、1H、H2)、5.49(d、J=9.2Hz、1H、NH)、5.34(d、J=9.9Hz、1H、H3’)、4.62(dd、J=5.4、2.1Hz、1H、H5)、4.30(d、J=8.1Hz、1H、H20α)、4.29(s、1H、H2’)、4.17(d、J=8.1Hz、1H、H20β)、4.06(d、J=6.9、1H、H7)、3.81(d、J=15.3Hz、1H、H10α)、3.51(d、J=6.6Hz、1H、H3)、3.41(m、1H、2’OH)、2.61(m、1H、H6α)、2.36(s、3H、4Ac)、2.32(m、2H、H14α)、2.28(m、1H、H10β)、2.17(br s、1H、7OH)、2.14(m、1H、H14α)、1.82(m、1H、H14β)、1.76(br s、3H、Me18)、1.66(s、1H、1OH)、1.62(m、1H、H6β)、1.35(s、9H、3Me t−ブトキシ)、1.25(s、3H、Me17)、1.19(s、3H、Me19)、1.16(s、3H、Me16).
実施例5
Figure 0003917173
(75−1)
3’−デスフェニル−3’−(2−チエニル)−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−9−デスオキソ−10−デスアセトキシ−10−ケトタキソールの製造
THF(0.5ml)中の7−O−トリエチルシリル−9−デスオキソ−10−デスアセトキシ−10−ケトバッカチン(III)(25.0mg、0.039ミリモル)の溶液に、−45℃で、ヘキサン中のLiN(SiMe32の0.98M溶液(0.05ml)を滴下した。−45℃で0.5時間後、THF(0.5ml)中のシス−1−t−ブトキシカルボニル−3−トリエチルシリルオキシ−4−(2−チエニル)−アゼチジン−2−オン(45.0mg、0.117ミリモル)の溶液を、混合物に滴下した。溶液を0℃に昇温し、その温度に1時間保った後、THF中のAcOHの10%溶液(1ml)を加えた。混合物を、飽和NaHCO3水溶液および60/40酢酸エチル/ヘキサンに分配した。有機相を蒸発して得た残渣を、シリカゲルで濾過することにより精製して、(2’R,3’S)−2’,7−(ビス)−O−トリエチルシリル−3’−デスフェニル−3’−(2−チエニル)−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−9−デスオキソ−10−デスアセトキシ−10−ケトタキソールおよび少量の(2’S,3’R)異性体を含有する混合物36.2mgを得た。
アセトニトリル(3.0ml)およびピリジン(0.15ml)中の、上記反応によって得た混合物(36.2mg、0.035ミリモル)の溶液に、0℃で、48%HF水溶液(0.45ml)を加えた。混合物を0℃で3時間、および次いで25℃で13時間攪拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルに分配した。酢酸エチル溶液を蒸発して得た残渣29.4mgを、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、3’−デスフェニル−3’−(2−チエニル)−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−9−デスオキソ−10−デスアセトキシ−10−ケトタキソール24.3mg(87%)を得、これをメタノール/水から再結晶した。
m.p.163−169℃;[α]25 Na−54.2°(c0.0023、CHCl3).
1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.12(d、J=7.3Hz、2H、ベンゾエート オルト)、7.64(m、1H、ベンゾエート パラ)、7.51(m、2H、ベンゾエート メタ)、7.26(m、1H、チエニル)、7.10(d、J=3.4Hz、1H、チエニル)、6.99(dd、J=5.1、3.4Hz、1H、チエニル)、6.12(td、J=6.1、1.0Hz、1H、H13)、5.95(d、J=5.9Hz、1H、H2)、5.50(d、J=4.4Hz、1H、NH)、5.42(d、J=9.8Hz、1H、H3’)、4.94(d、J=8.3Hz、1H、H5)、4.64(dd、J=4.2、2.0Hz、1H、2’)、4.33(d、J=7.8Hz、1H、H20α)、4.18(d、J=7.8Hz、1H、H20β)、3.90(br s、1H、2’OH)、3.73(m、1H、H7)、3.11(d、J=15.8Hz、H9α)、3.09(d、J=5.1Hz、1H、H3)、2.90(d、J=15.6Hz、1H、H9β)、2.54(m、1H、H6α)、2.45(m、1H、H14β)、2.31(s、3H、4Ac)、2.28(m、1H、H14α)、2.01(br s、1H、7OH)、1.88(s、1H、1OH)、1.83(m、1H、H6β)、1.69(s、3H、Me18)、1.56(s、3H、Me16)、1.46(s、3H、Me19)、1.40(s、9H、3Me t−ブトキシ)、1.29(s、3H、Me17).
実施例6
Figure 0003917173
(74−4)
3’−デスフェニル−3’−(イソブテニル)−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−9−デスオキソ−10−デスアセトキシ−10−ケトタキソールの製造
THF(0.5ml)中の7−O−トリエチルシリル−9−デスオキソ−10−デスアセトキシ−10−ケトバッカチン(III)(30.0mg、0.047ミリモル)の溶液に、−45℃で、ヘキサン中のLiN(SiMe32の0.98M溶液(0.05ml)を滴下した。−45℃で0.5時間後、THF(0.5ml)中のシス−1−t−ブトキシカルボニル−3−(2−メトキシ−イソプロピルオキシ)−4−(イソブテニル)−アゼチジン−2−オン(44.1mg、0.141ミリモル)の溶液を、混合物に滴下した。溶液を0℃に昇温し、その温度に1時間保った後、THF中のAcOHの10%溶液(1ml)を加えた。混合物を、飽和NaHCO3水溶液および60/40酢酸エチル/ヘキサンに分配した。有機相を蒸発して得た残渣を、シリカゲルで濾過することにより精製して、(2’R,3’S)−2’−O−(2−メトキシイソプロピル)−7−O−トリエチルシリル−3’−デスフェニル−3’−(イソブテニル)−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−9−デスオキソ−10−デスアセトキシ−10−ケトタキソールおよび少量の(2’S,3’R)異性体を含有する混合物40.8mgを得た。
アセトニトリル(4ml)およびピリジン(0.2ml)中の、上記反応によって得た混合物(40.8mg、0.043ミリモル)の溶液に、0℃で、48%HF水溶液(0.5ml)を加えた。混合物を0℃で3時間、および次いで25℃で13時間攪拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルに分配した。酢酸エチル溶液を蒸発して得た残渣34.4mgを、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、3’−デスフェニル−3’−(イソブテニル)−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−9−デスオキソ−10−デスアセトキシ−10−ケトタキソール23.0mg(70%)を得、これをメタノール/水から再結晶した。
m.p.149−153℃;[α]25 Na−56.3°(c0.0025、CHCl3).
1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.12(d、J=7.2Hz、2H、ベンゾエート オルト)、7.64(m、1H、ベンゾエート パラ)、7.51(m、2H、ベンゾエート メタ)、6.12(t、J=7.5Hz、1H、H13)、5.95(d、J=6.2Hz、1H、H2)、5.30(d、J=8.9Hz、1H、NH)、4.94(d、J=8.2Hz、1H、H5)、4.88(d、J=8.9Hz、1H、Me2C=C−)、4.79(td、J=8.9、2.4Hz、1H、H3’)、4.34(d、J=8.2Hz、1H、H20α)、4.27(dd、J=5.5、2.7Hz、1H、H2’)、4.19(d、J=8.2Hz、1H、H20β)、3.73(m、1H、H7)、3.67(br s、1H、2’OH)、3.13(d、J=5.1Hz、1H、H3)、3.12(d、J=15.7Hz、1H、H9α)、2.90(d、J=15.7Hz、1H、H9β)、2.55(m、1H、H6α)、2.47(m、1H、H14β)、2.32(s、3H、4Ac)、2.28(m、1H、H14α)、2.04(br s、1H、7OH)、1.88(s、1H、1OH)、1.82(m、1H、H6β)、1.79(s、3H、Me18)、1.76(s、6H、2Me イソブテニル)、1.57(s、3H、Me16)、1.47(s、3H、Me19)、1.40(s、9H、3Me t−ブトキシ)、1.30(s、3H、Me17).
実施例7
Figure 0003917173
(74−3)
N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−9−デスオキソ−10−デスアセトキシ−10−ケトタキソールの製造
THF(0.5ml)中の7−O−トリエチルシリル−9−デスオキソ−10−デスアセトキシ−10−ケトバッカチン(III)(30.0mg、0.047ミリモル)の溶液に、−45℃で、ヘキサン中のLiN(SiMe32の0.98M溶液(0.05ml)を滴下した。−45℃で0.5時間後、THF(0.5ml)中のシス−1−t−ブトキシカルボニル−3−トリエチルシリルオキシ−4−フェニル−アゼチジン−2−オン(53.1mg、0.14ミリモル)の溶液を、混合物に滴下した。溶液を0℃に昇温し、その温度に1時間保った後、THF中のAcOHの10%溶液(1ml)を加えた。混合物を、飽和NaHCO3水溶液および60/40酢酸エチル/ヘキサンに分配した。有機相を蒸発して得た残渣を、シリカゲルで濾過することにより精製して、(2’R,3’S)−2’,7−(ビス)−O−トリエチルシリル−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−9−デスオキソ−10−デスアセトキシ−10−ケトタキソールおよび少量の(2’S,3’R)異性体を含有する混合物43.7mgを得た。
アセトニトリル(4.0ml)およびピリジン(0.20ml)中の、上記反応によって得た混合物(43.7mg、0.042ミリモル)の溶液に、0℃で、48%HF水溶液(0.50ml)を加えた。混合物を0℃で3時間、および次いで25℃で13時間攪拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルに分配した。酢酸エチル溶液を蒸発して得た残渣33.2mgを、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−9−デスオキソ−10−デスアセトキシ−10−ケトタキソール24.1mg(73%)を得、これをメタノール/水から再結晶した。
m.p.162−165℃;[α]25 Na−58.7°(c0.0025、CHCl3).
1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.11(d、J=7.1Hz、2H、ベンゾエート オルト)、7.63(m、1H、ベンゾエート パラ)、7.50(m、2H、ベンゾエート メタ)、7.40−7.29(m、5H、ベンゾエート、フェニル)、6.11(td、J=7.8、1.0Hz、1H、H13)、5.94(d、J=6.4Hz、1H、H2)、5.52(d、J=9.8Hz、1H、H3’)、5.27(d、J=9.3Hz、1H、NH)、4.93(dd、J=8.8Hz、1H、H5)、4.64(br s、1H、H2’)、4.32(d、J=8.3Hz、1H、H20α)、4.18(d、J=8.3Hz、1H、H20β)、3.88(br s、1H、2’OH)、3.71(m、1H、H7)、3.11(d、J=5.1Hz、1H、H3)、3.10(d、J=15.7Hz、H9α)、2.88(d、J=16.1、1H、H9β)、2.54(m、1H、H6α)、2.44(m、1H、H14β)、2.29(s、3H、4Ac)、2.26(m、1H、H14α)、2.02(br s、1H、7OH)、1.88(s、1H、1OH)、1.80(m、1H、H6β)、1.65(s、3H、Me18)、1.55(s、3H、Me16)、1.46(s、3H、Me19)、1.35(s、9H、3Me t−ブトキシ)、1.29(s、3H、Me17).
実施例8
Figure 0003917173
(72−1)
3’−デスフェニル−3’−(イソブテニル)−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−7−デスヒドロキシ−10−デスアセトキシタキソールの製造
THF(0.7ml)中の7−デスヒドロキシ−10−デスアセトキシバッカチン(III)(28.7mg、0.051ミリモル)の溶液に、−45℃で、ヘキサン中のLiN(SiMe32の0.98M溶液(0.06ml)を滴下した。−45℃で0.5時間後、THF(0.7ml)中のシス−1−t−ブトキシカルボニル−3−(2−メトキシイソプロピルオキシ)−4−(イソブテニル)−アゼチジン−2−オン(47.3mg、0.15ミリモル)の溶液を、混合物に滴下した。溶液を0℃に昇温し、その温度に1時間保った後、THF中のAcOHの10%溶液(1ml)を加えた。混合物を、飽和NaHCO3水溶液および60/40酢酸エチル/ヘキサンに分配した。有機相を蒸発して得た残渣を、シリカゲルで濾過することにより精製して、(2’R,3’S)−2’−O−(2−メトキシイソプロピル)−3’−デスフェニル−3’−(イソブテニル)−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−7−デスヒドロキシ−10−デスアセトキシタキソールおよび少量の(2’S,3’R)異性体を含有する混合物40.3mgを得た。
アセトニトリル(3.2ml)およびピリジン(0.15ml)中の、上記反応によって得た混合物(40.3mg、0.046ミリモル)の溶液に、0℃で、48%HF水溶液(0.47ml)を加えた。混合物を0℃で3時間、および次いで25℃で13時間攪拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルに分配した。酢酸エチル溶液を蒸発して得た残渣35.2mgを、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、3’−デスフェニル−3’−(イソブテニル)−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−7−デスヒドロキシ−10−デスアセトキシタキソール24.0mg(70%)を得、これをメタノール/水から再結晶した。
m.p.122−125℃;[α]25 Na−64.3°(c0.0025、CHCl3).
1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.12(d、J=7.1Hz、2H、ベンゾエート オルト)、7.60(m、1H、ベンゾエート パラ)、7.48(m、2H、ベンゾエート メタ)、6.11(td、J=8.1、1.8Hz、1H、H13)、5.68(d、J=6.9Hz、1H、H2)、5.23(d、J=9.9Hz、1H、NH)、5.12(d、J=9.9Hz、1H、H3’)、4.96(dd、J=9.1、2.7Hz、1H、H5)、4.80(d、J=8.7Hz、1H、Me2C=C−)、4.58(dd、J=5.7、2.1Hz、1H、H2’)、4.30(d、J=8.1、1H、H20α)、4.19(d、J=8.1Hz、1H、H20β)、3.97(d、J=6.9Hz、H3)、3.83(d、J=16.5、1H、H10α)、3.33(m、1H、H10β)、3.30(m、1H、2’OH)、2.39(m、1H、H14α)、2.35(s、3H、4Ac)、2.26(m、1H、H14β)、2.19(m、1H、H6α)、2.10(m、1H、H7α)、1.95(m、1H、H6β)、1.73(s、3H、Me18)、1.69(s、6H、2Me イソブテニル)、1.63(s、3H、Me19)、1.44(m、1H、H7β)、1.39(br s、1H、1OH)、1.35(s、9H、3Me t−ブトキシ)、1.25(s、3H、Me16)、1.15(s、3H、Me17).
実施例9
Figure 0003917173
(72−2)
3’−デスフェニル−3’−(2−チエニル)−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−7−デスヒドロキシ−10−デスアセトキシタキソールの製造
THF(0.7ml)中の7−デスヒドロキシ−10−デスアセトキシバッカチン(III)(25.0mg、0.044ミリモル)の溶液に、−45℃で、ヘキサン中のLiN(SiMe32の0.98M溶液(0.05ml)を滴下した。−45℃で0.5時間後、THF(0.7ml)中のシス−1−t−ブトキシカルボニル−3−トリエチルシリルオキシ−4−(2−チエニル)−アゼチジン−2−オン(50.0mg、0.13ミリモル)の溶液を、混合物に滴下した。溶液を0℃に昇温し、その温度に1時間保った後、THF中のAcOHの10%溶液(1ml)を加えた。混合物を、飽和NaHCO3水溶液および60/40酢酸エチル/ヘキサンに分配した。有機相を蒸発して得た残渣を、シリカゲルで濾過することにより精製して、(2’R,3’S)−2’−O−トリエチルシリル−3’−デスフェニル−3’−(2−チエニル)−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−7−デスヒドロキシ−10−デスアセトキシタキソールおよび少量の(2’S,3’R)異性体を含有する混合物35.4mgを得た。
アセトニトリル(3.2ml)およびピリジン(0.15ml)中の、上記反応によって得た混合物(35.4mg、0.037ミリモル)の溶液に、0℃で、48%HF水溶液(0.47ml)を加えた。混合物を0℃で3時間、および次いで25℃で13時間攪拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルに分配した。酢酸エチル溶液を蒸発して得た残渣32.4mgを、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、3’−デスフェニル−3’−(2−チエニル)−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−7−デスヒドロキシ−10−デスアセトキシタキソール20.5mg(71%)を得、これをメタノール/水から再結晶した。
m.p.132−134℃;[α]25 Na−61.3°(c0.0025、CHCl3).
1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.14(d、J=7.1Hz、2H、ベンゾエート オルト)、7.61(m、1H、ベンゾエート パラ)、7.51(m、2H、ベンゾエート メタ)、7.29(dd、J=5.4、1.2Hz、1H、チエニル)、7.09(d、J=3.3Hz、1H、チエニル)、7.01(dd、J=5.4、3.3Hz、1H、チエニル)、6.14(td、J=8.4、1.8Hz、1H、H13)、5.69(d、J=6.9Hz、1H、H2)、5.24(d、J=9.9Hz、1H、NH)、5.19(d、J=9.9Hz、1H、H3’)、4.93(dd、J=9.3、2.7Hz、1H、H5)、4.62(dd、J=5.7、2.1Hz、1H、H2’)、4.31(d、J=8.1、1H、H20α)、4.21(d、J=8.1Hz、1H、H20β)、3.98(d、J=6.9Hz、H3)、3.84(d、J=16.5、1H、H10α)、3.38(m、1H、H10β)、3.33(m、1H、2’OH)、2.40(m、1H、H14α)、2.37(s、3H、4Ac)、2.27(m、1H、H14β)、2.20(m、1H、H6α)、2.11(m、1H、H7α)、1.95(m、1H、H6β)、1.74(s、3H、Me18)、1.71(s、3H、Me19)、1.46(m、1H、H7β)、1.40(br s、1H、1OH)、1.34(s、9H、3Me t−ブトキシ)、1.24(s、3H、Me16)、1.13(s、3H、Me17).
実施例10
Figure 0003917173
(72−3)
3’−デスフェニル−3’−(2−フリル)−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−7−デスヒドロキシ−10−デスアセトキシタキソールの製造
THF(0.8ml)中の7−デスヒドロキシ−10−デスアセトキシバッカチン(III)(35.0mg、0.061ミリモル)の溶液に、−45℃で、ヘキサン中のLiN(SiMe32の0.98M溶液(0.07ml)を滴下した。−45℃で0.5時間後、THF(0.7ml)中のシス−1−t−ブトキシカルボニル−3−トリエチルシリルオキシ−4−(2−フリル)−アゼチジン−2−オン(68.0mg、0.18ミリモル)の溶液を、混合物に滴下した。溶液を0℃に昇温し、その温度に1時間保った後、THF中のAcOHの10%溶液(1ml)を加えた。混合物を、飽和NaHCO3水溶液および60/40酢酸エチル/ヘキサンに分配した。有機相を蒸発して得た残渣を、シリカゲルで濾過することにより精製して、(2’R,3’S)−2’−O−トリエチルシリル−3’−デスフェニル−3’−(2−フリル)−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−7−デスヒドロキシ−10−デスアセトキシタキソールおよび少量の(2’S,3’R)異性体を含有する混合物56.3mgを得た。
アセトニトリル(4.6ml)およびピリジン(0.22ml)中の、上記反応によって得た混合物(56.3mg、0.06ミリモル)の溶液に、0℃で、48%HF水溶液(0.68ml)を加えた。混合物を0℃で3時間、および次いで25℃で13時間攪拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルに分配した。酢酸エチル溶液を蒸発して得た残渣48.3mgを、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、3’−デスフェニル−3’−(2−フリル)−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−7−デスヒドロキシ−10−デスアセトキシタキソール31.7mg(69%)を得、これをメタノール/水から再結晶した。
m.p.128−131℃;[α]25 Na−66.9°(c0.0028、CHCl3).
1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.13(d、J=6.9Hz、2H、ベンゾエート オルト)、7.60(m、1H、ベンゾエート パラ)、7.48(m、2H、ベンゾエート メタ)、7.40(m、1H、フリル)、6.38(m、1H、フリル)、6.32(m、1H、フリル)、6.12(td、J=8.1、1.8Hz、1H、H13)、5.67(d、J=6.9Hz、1H、H2)、5.22(d、J=9.9Hz、1H、NH)、5.17(d、J=9.9Hz、1H、H3’)、4.91(dd、J=9.1、2.7Hz、1H、H5)、4.60(dd、J=5.7、2.1Hz、1H、H2’)、4.28(d、J=8.1、1H、H20α)、4.21(d、J=8.1Hz、1H、H20β)、3.95(d、J=6.9Hz、H3)、3.82(d、J=16.5、1H、H10α)、3.33(m、1H、H10β)、3.31(m、1H、2’OH)、2.38(m、1H、H14α)、2.35(s、3H、4Ac)、2.23(m、1H、H14β)、2.20(m、1H、H6α)、2.11(m、1H、H7α)、1.94(m、1H、H6β)、1.73(s、3H、Me18)、1.71(s、3H、Me19)、1.43(m、1H、H7β)、1.38(br s、1H、1OH)、1.32(s、9H、3Me t−ブトキシ)、1.23(s、3H、Me16)、1.12(s、3H、Me17).
実施例11
Figure 0003917173
(72−4)
N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−7−デスヒドロキシ−10−デスアセトキシタキソールの製造
THF(0.7ml)中の7−デスヒドロキシ−10−デスアセトキシバッカチン(III)(28.0mg、0.049ミリモル)の溶液に、−45℃で、ヘキサン中のLiN(SiMe32の0.98M溶液(0.06ml)を滴下した。−45℃で0.5時間後、THF(0.7ml)中のシス−1−t−ブトキシカルボニル−3−トリエチルシリルオキシ−4−(フェニル)−アゼチジン−2−オン(56.0mg、0.15ミリモル)の溶液を、混合物に滴下した。溶液を0℃に昇温し、その温度に1時間保った後、THF中のAcOHの10%溶液(1ml)を加えた。混合物を、飽和NaHCO3水溶液および60/40酢酸エチル/ヘキサンに分配した。有機相を蒸発して得た残渣を、シリカゲルで濾過することにより精製して、(2’R,3’S)−2’−O−トリエチルシリル−N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−7−デスヒドロキシ−10−デスアセトキシタキソールおよび少量の(2’S,3’R)異性体を含有する混合物38.4mgを得た。
アセトニトリル(3.2ml)およびピリジン(0.15ml)中の、上記反応によって得た混合物(38.4mg、0.041ミリモル)の溶液に、0℃で、48%HF水溶液(0.46ml)を加えた。混合物を0℃で3時間、および次いで25℃で13時間攪拌し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液および酢酸エチルに分配した。酢酸エチル溶液を蒸発して得た残渣33.8mgを、フラッシュクロマトグラフィーにより精製して、N−デスベンゾイル−N−(t−ブトキシカルボニル)−7−デスヒドロキシ−10−デスアセトキシタキソール27.4mg(71%)を得、これをメタノール/水から再結晶した。
m.p.135−138℃;[α]25 Na−65.2°(c0.0025、CHCl3).
1H NMR(CDCl3、300MHz)δ8.12(d、J=7.1Hz、2H、ベンゾエート オルト)、7.60(m、1H、ベンゾエート パラ)、7,51(m、2H、ベンゾエート メタ)、7.42−7.29(m、5H、フェニル)、6.12(td、J=8.1、1.8Hz、1H、H13)、5.66(d、J=6.9Hz、1H、H2)、5.21(d、J=9.9Hz、1H、NH)、5.16(d、J=9.9Hz、1H、H3’)、4.92(dd、J=9.1、2.7Hz、1H、H5)、4.58(dd、J=5.7、2.1Hz、1H、H2’)、4.30(d、J=8.1、1H、H20α)、4.21(d、J=8.1Hz、1H、H20β)、3.97(d、J=6.9Hz、H3)、3.82(d、J=16.5、1H、H10α)、3.41(m、1H、H10β)、3.36(m、1H、2’OH)、2.40(m、1H、H14α)、2.38(s、3H、4Ac)、2.26(m、1H、H14β)、2.20(m、1H、H6α)、2.13(m、1H、H7α)、1.93(m、1H、H6β)、1.73(s、3H、Me18)、1.70(s、3H、Me19)、1.43(m、1H、H7β)、1.38(br s、1H、1OH)、1.32(s、9H、3Me t−ブトキシ)、1.25(s、3H、Me16)、1.15(s、3H、Me17).
実施例12
実施例1〜11のタキサン68−3、68−4、69−1、69−2、75−1、74−4、74−3、72−1、72−2、72−3および72−4のインビトロ細胞毒性活性を、ヒト結腸癌細胞HCT−116に対して試験した。HCT−116細胞に対する細胞毒性の評価は、XTT(2,3−ビス(2−メトキシ−4−ニトロ−5−スルホフェニル)−5−[(フェニルアミノ)カルボニル]−2H−テトラゾリウムヒドロキシド)アッセイによって行った[スクディエロ(Scudiero)ら、「エバリュエーション・オブ・ア・ソルブル・テトラゾリウム/ホルマザン・アッセイ・フォー・セル・グロース・アンド・ドラッグ・センシティ・ビティ・イン・カルチャー・ユージング・ヒューマン・アンド・アザー・テューマ・セル・ラインズ(Evaluation of a soluble tetrazolium/formazan assay for cell growth and drug sensitivity in culture using human and other tumor cell lines)」、カンサー・リサーチ(Cancer Res.)48:4827−4833、1988]。96ウェルマイクロタイタープレートで、4000細胞/ウェルを培養し、24時間後に薬物を加え、段階希釈した。細胞を37℃で72時間インキュベート後、テトラゾリウム色素XTTを加えた。生存細胞中のデヒドロゲナーゼ酵素はXTTを還元して、450nmの光を吸収する形態とするので、それを分光測光法によって定量し得る。吸光度が高いほど、生存細胞数が多い。結果をIC50として表す。IC50は、未処理対照細胞と比較して細胞増殖(すなわち450nmにおける吸光度)を50%抑制するのに要する薬物濃度である。
全ての化合物が、IC50が0.1未満であり、細胞毒性活性であることがわかった。

Claims (3)

  1. 式(3)で示されるタキサン誘導体:
    Figure 0003917173
    [式中、
    1は−OX6、−SX7または−NX89
    2は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリール;
    3はヘテロアリール;
    4は水素;
    5は−COX10、または−SO211
    6は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、またはヘテロアリール;
    7はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはスルフヒドリル保護基;
    8は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、またはヘテロ置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールもしくはヘテロアリール;
    9はアミノ保護基;
    10はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、t−ブトキシ、またはヘテロ置換アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールもしくはヘテロアリール;
    11はアルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、または−NX814
    14は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリール;
    1は水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、またはR14と共にカーボネートを形成;
    2は水素、ヒドロキシ、−OCOR31、またはR2aと共にオキソを形成;
    2aは水素、またはR2と共にオキソを形成;
    4は水素、R4aと共にオキソ、オキシランもしくはメチレンを形成、またはR5aおよびそれらが結合する炭素原子と共にオキセタン環を形成;
    4aは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シアノ、ヒドロキシ、−OCOR30、またはR4と共にオキソ、オキシランもしくはメチレンを形成;
    5は水素、またはR5aと共にオキソを形成;
    5aは水素、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、アシルオキシ、R5と共にオキソを形成、またはR4およびそれらが結合する炭素原子と共にオキセタン環を形成;
    6は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールもしくはヘテロアリール、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、またはR6aと共にオキソを形成;
    6aは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールもしくはヘテロアリール、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、またはR6と共にオキソを形成;
    7は水素、またはR7aと共にオキソを形成;
    7aはハロゲン、ヒドロキシ、またはR7と共にオキソを形成;
    9はR9aと共にオキソを形成;
    9aはR9と共にオキソを形成;
    10は水素;
    10aは水素;
    14は水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールもしくはヘテロアリール、ヒドロキシ、保護ヒドロキシ、またはR1と共にカーボネートを形成;
    14aは水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールまたはヘテロアリール;
    30およびR31はそれぞれ水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、単環アリールまたは単環ヘテロアリール。]。
  2. 5が−COX10であり、X10がt−ブトキシである請求項1記載のタキサン誘導体。
  3. 14およびR14aが水素、R7が水素、R7aがヒドロキシ、R5が水素であり、R5aおよびR4およびそれらの結合する炭素がオキセタン環を形成し、R4aがアセトキシ、R1がヒドロキシ、X1が−OH、X2が水素、X5が−COX10、X10がフェニル、またはt−ブトキシである請求項1記載のタキサン誘導体。
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