JP3916729B2 - プラスチック製ハンガーおよびその製造方法 - Google Patents

プラスチック製ハンガーおよびその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、射出成形等によって製造されるプラスチック製ハンガーおよびその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、図8に示すような実開平7−39658号公報によって開示された合成樹脂製のハンガーが知られている。このハンガーは、衣類Cを多段で吊持するように構成された多段式のハンガー100であり、水平杆210および一対の腕部220からなる逆U字形状のハンガー枠体200と、このハンガー枠体200の上部に上方に向かって突設されたフック400と、上記一対の腕部220間に水平に配設された衣類Cを吊り掛ける複数の吊持杆300とから構成されている。
【0003】
上記両腕部220の対向面には上記吊持杆300を着脱可能に係止する係止手段が設けられている。この係止手段は各腕部220の対向面に突設され、かつ、上方に向かって開いた係止凸部230から構成されている。この係止凸部230は、上面部から下方に向かって吊持杆300のキャップ体320を嵌入する係止溝231が形成されており、吊持杆300は、各キャップ体320を水平方向で対向した各係止凸部230の係止溝231に嵌め込むことによって一対の腕部220間に架橋されるようになっている。
【0004】
このような多段式のハンガー100は、材料コストの低減を図り、かつ、取り扱いの容易さを考慮して軽量化されているのが好ましい。軽量化の方策としては、内部が空洞に形成されるのが一般的である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のようなハンガー枠体200は、非常に複雑な外観形状を呈しているばかりか、内部が中空に形成されているため、例えば多段式のハンガー100を射出成形法で製造しようとすれば、金型が非常に複雑なものになる。また、射出成形においては、図8の二点鎖線で示す部分でハンガー枠体200を前後に二分した一対の半割れ品をそれぞれ成形する必要があり、しかも一方の半割れ品にはパーティング面に突部を形成するとともに、他方の半割れ品にはパーティング面に上記突部が係合される凹部を設けなければならず、一つの成形品をつくるのに2種類の金型を用意する必要があり、これによって金型のコストが嵩み、製造コストがアップするという問題点を有している。
【0006】
そのようなことから、実開平7−39658号公報によって開示されたものは、金型に高精度が要求されない吹き込み成形法によって製造されている。因に、この吹き込み成形法は、ハンガー枠体200の外観形状だけを備えたキャビティを有する金型内に加熱溶融した合成樹脂原料を装填してからキャビティ内にガスを吹き込むことにより溶融原料を膨張させてキャビティ形状に沿った成形品を製造する方法である。
【0007】
しかしながら、このような吹き込み成形法においては、得られ成形品の厚み寸法が均一にならず、これによって成形品には部分的に構造上弱い部分が発生し易くなり、均質な成形品を得ることが困難であるという問題点を有している。
【0008】
かかる問題点を解消するためには、樹脂原料を加圧しながら供給してキャビティ内に満たすことにより成形品にする射出成形法の採用が望ましい。すなわち、射出成形法によれば、キャビティ形状の設定のみで成形製品の厚み寸法を均一にしたり、部分的に厚い部分を形成させる等の肉厚設定を自由に行い得るが、上記のように金型が複雑になるとともに、二つの金型が必要になって装置コストが嵩むという二律背反の問題点が生じる。
【0009】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたものであり、内部が中空の射出成形品でありながら、一つの金型で済ませることが可能であり、これによって金型コストを抑えた上で射出成形により製造し得るプラスチック製ハンガーおよびその製造方法を提供することを目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載のプラスチック製ハンガーは、加熱溶融した熱可塑性合成樹脂を所定の金型のキャビティ内に供給することによって得られる単位成形品の一対を、ぞれぞれのパーティング面を合わせることによって得られる、横杆と、この横杆の両端部から下方に向けて延設された一対の縦杆とからなるハンガー枠体と、このハンガー枠体の一対の縦杆間に着脱自在に装着されたハンギングロッドとを備えたプラスチック製ハンガーであって、上記単位成形品は、パーティング面が上下方向に延びる中心線を基準にして左右に点対称に形成され、上記パーティング面の上記中心線を基準にした点対称位置の一方に前後方向に向けて突出した係合突片が設けられている一方、他方の点対称位置に上記係合突片に対応した係合凹部が凹設され、上記単位成形品の一対が、各係合突部を対応した係合凹部に係合させることによって前後方向に合体されて形成され、上記ハンギングロッドは、上記一対の縦杆間に複数本が装着されていることを特徴とするものである。
【0011】
本発明の請求項2記載のプラスチック製ハンガーの製造方法は、加熱溶融した熱可塑性合成樹脂からなる原料樹脂を上型と下型とからなる金型のキャビティ内に供給することによって、横杆と、この横杆の両端部から下方に向けて延設された一対の縦杆とからなるハンガー枠体と、このハンガー枠体の一対の縦杆間に着脱自在に装着された複数本のハンギングロッドとを備えたプラスチック製ハンガーを製造するプラスチック製ハンガーの製造方法であって、前後方向に延びる中心線を基準にして上記上型の左右の一方に上下方向に向けて突出した突部を設ける一方、上記下型の点対称位置に上記突部に対応した凹部を有する金型を用い、この金型の上型と下型とを合わせることによって形成されたキャビティ内に上記原料樹脂を供給することによって上記突部に対応した部分に係合凹部を形成させるとともに、上記凹部に対応した部分に係合突部を形成させた単位成形品を得、この単位成形品の一対を、各係合突部が対応した係合凹部に係合するように合わせることによって上記ハンガー枠体を形成させることを特徴とするものである。
【0012】
本発明のプラスチック製ハンガーおよびその製造によれば、一種類の金型を用いて得られた一の単位成形品を、他の単位成形品にそれぞれのパーティング面を合わせるようにして合体させることにより、一の単位成形品の係合突部が他の単位成形品の係合凹部に内嵌するとともに、一の単位成形品の係合凹部が他の単位成形品の係合突部に外嵌してそれぞれ係合し、両単位成形品が相互に結合されたハンガー枠体が形成される。そして、得られたハンガー枠体は、中心線周りに点対称に形成されている。
【0013】
このように、一つの金型で同一形状の単位成形品を多数成形してパーティング面同士を相互に当接させることで、中心線周りに点対称に形成されるハンガー枠体が得られるため、従来のように2種類の金型を用いて2種類の単位成形品をつくり、異なった種類の間で一つずつを組み合わせてハンガーを得る場合に比較して金型を半減することが可能であり、これによって金型コストの低減化を図ることができる。特に、内部が空洞であったり、多くの凹凸が複雑に形成されるようなプラスチック成形品を射出成形する場合には、金型コスト低減化の効果が顕著である。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下本発明を、図面を基に詳細に説明する。図1は、本発明に係るプラスチック製ハンガーとしての多段式ハンガーの一実施形態を示す分解斜視図であり、図2は、その組立て斜視図である。なお、図1および図2において、X−X方向を幅方向、Y−Y方向を前後方向といい、特に−X方向を左方、+X方向を右方、−Y方向を前方、+Y方向を後方という。
【0015】
これらの図に示すように、本発明に係る多段式ハンガー10(プラスチック製ハンガー)は、逆U字形状を呈したハンガー枠体1と、このハンガー枠体1に着脱自在に装着される複数本のハンギングロッド3と、上記ハンガー枠体1に取り付けられるフック部材4とを備えた基本構成を有している。上記ハンガー枠体1は、図2に示すように、水平方向に延びる横杆12と、この横杆12の両端部から垂下した幅方向一対の縦杆13とからなっている。かかる多段式ハンガー10は、外観形状が前後および左右でそれぞれ対称に形成されている。
【0016】
このようなハンガー枠体1は、同一形状の一対の単位成形品2を、成形時のパーティング面11が互いに当接するように合わせられて形成されている。なお、パーティング面11とは、所定の金型を用いて単位成形品2を射出成形する際に、上型と下型との当接面の直ぐ内側に形成される面のことであり、二つの単位成形品2のパーティング面11同士を相互に当接させることによってハンガー枠体1が形成される。
【0017】
上記単位成形品2は、水平方向に延びる半割れ水平杆21と、この半割れ水平杆21の両端部から垂下した一対の半割れ垂直杆22とからなっている。上記横杆12は、前後の半割れ水平杆21がそれぞれのパーティング面11を当接させた状態で結合されることによって形成され、上記縦杆13は、前後の半割れ垂直杆22がそれぞれのパーティング面11を当接させた状態で結合されることによって形成されている。
【0018】
かかる単位成形品2は、断面形状が略同一厚み寸法を備えた円弧状に形成され、これによって前後方向の一方の面に、単位成形品2の全長に亘った断面視で円弧状の凹溝23が形成され、前後の単位成形品2がパーティング面11同士の接合によって合体した状態で、ハンガー枠体1内に前後の凹溝23からなる空洞14が形成されるようになっている。
【0019】
上記半割れ水平杆21の中央部には、上方に膨出した半割れ膨出部24が設けられ、前後の単位成形品2が合体された状態で横杆12の上部に正面視で上に凸の円弧状の膨出部15が形成されるようになっている。この膨出部15に上記フック部材4が装着されている。
【0020】
また、幅方向一対の半割れ垂直杆22の対向面には、互いに対向する方向に突設された半割れ支持突片25が、上下方向に等ピッチで複数個設けられている。各半割れ支持突片25は、半割れ水平杆21の対向面に向かってL字形状を呈し、前後の単位成形品2が合体された状態で、前後の半割れ支持突片25が合わされることにより、それらで上方に向かって開いたU字溝16aを有するロッド支持部16が形成されるようになっている。従って、前後の単位成形品2が合体されて形成したハンガー枠体1の幅方向一対の各U字溝16aにハンギングロッド3の両端部を嵌め込むことによって、図2に示すように、幅方向一対の縦杆13間にハンギングロッド3が装着された状態になる。
【0021】
図3は、後方に位置した図1に示す単位成形品2の部分拡大斜視図であり、図4は、前方に位置した図1に示す単位成形品2の部分拡大斜視図である。また、図5は、図2のA−A線断面図であり、図6は、図2のB−B線断面図である。まず図3に示すように、単位成形品2の凹溝23には、半割れ水平杆21の中央部に凹溝23内に向かって膨出した中央膨出部26が形成されているとともに、中央膨出部26の幅方向両端部に対して若干離間した位置から左右の半割れ垂直杆22の下端部に向けて凹溝23内に膨出された幅方向一対の膨出条27とが設けられている。これら中央膨出部26および膨出条27が形成されることによって半割れ垂直杆22の表面側には、図4に示すように、陥没部17および化粧溝18が凹設されている。特に上記化粧溝18によってハンガー枠体1の外観がデザイン的に優れたものになっている。また、上記陥没部17は、化粧板17aによって閉止され、これによってハンガー枠体1の外観の見苦しさが解消されるようにしている。
【0022】
上記中央膨出部26は、ハンガー枠体1の上下方向に延びる中心線Lに対して左右対称の第1中央膨出部26aと第2中央膨出部26bとからなっているとともに、上記膨出条27は、中心線Lに対して左右対称の第1膨出条27aと第2膨出条27bとからなっている。
【0023】
そして、第1中央膨出部26aには、図3の前方に向けて二股状の係合突片28(二股状係合突片281)および板状の係合突片28(板状係合突片283)が前方に向けて突設されている一方、第2中央膨出部26bには、中心線Lに対する左右対称位置に各係合突片28に対応した係合孔(係合凹部)29(二股状係合突片281に対応した第1係合孔291および板状係合突片283に対応した第2係合孔292)が穿設されている。上記二股状係合突片281の先端部には互いに反対方向に突出した先細りの爪片282が設けられているとともに、板状係合突片283の先端部には先細りの一つの爪片284が設けられている。
【0024】
これによって、一の単位成形品2と他の単位成形品2とを、パーティング面11を合わせて合体させることにより、二股状係合突片281が第1係合孔291に嵌入してその爪片282が第1係合孔291の縁部に係止されるとともに(図5および図6)、板状係合突片283が第2係合孔292に嵌入して爪片284が第2係合孔292の縁部に係止されて一対の単位成形品2は強固に結合されるようになっている。
【0025】
また、図3における右方の半割れ水平杆21および半割れ垂直杆22のパーティング面11には、外縁部から若干内側に寄った部分に、縁部に沿った案内突条211が設けられている一方、左方の半割れ水平杆21および半割れ垂直杆22には上記案内突条211よりも内側寄りの部分に上記案内突条211に対応した嵌入突条212が設けられている。そして、一対の単位成形品2がパーティング面11を接するように合わせられた状態で、嵌入突条212が案内突条211に案内されつつ凹溝23内に摺接状態で嵌まり込み、これによって一対の単位成形品2の当接部分に貫通した隙間が形成されないようにしている(図5)。
【0026】
また、図3における左方の半割れ支持突片25のパーティング面11には、水平方向に延びる嵌合溝251が凹設されている一方、同右方の半割れ支持突片25のパーティング面11には、上記嵌合溝251に対応した嵌合突片252が突設され、一対の単位成形品2が合体された状態で嵌合突片252が嵌合溝251に嵌まり込み、これによって上記U字溝16が形成されるようになっている。
【0027】
また、上記半割れ膨出部24の頂部には半円錐状で上方に突出した半円錐部24aが設けられている。この半円錐部24aには中心線L(図3)に沿うように上下方向に延びる装着溝24bが設けられ、二つの単位成形品2が合体された状態で一対の半円錐部24aによって円錐部19が形成されるとともに、この円錐部19を上下に貫通した装着孔19aが形成されるようになっている。
【0028】
上記ハンギングロッド3は、棒状のロッド本体31と、このロッド本体31の幅方向両端部に取り付けられた一対の六角形状キャップ32とからなっている。各キャップ32は、回り止めされた状態でハンガー枠体1のU字溝16に着脱自在に装着されるように寸法設定されている。また、上記ロッド本体31の外周面には長手方向に延びる複数の突条が周方向に等ピッチで設けられており、衣類Cをロッド本体31に掛けた状態で衣類Cの滑り落ちが防止されるようになっている。
【0029】
上記フック部材4は、図1に示すように、上記装着孔19aの径寸法より若干小さい径寸法の棒体41と、この棒体41の頂部に形成された鈎状のフック42と、上記棒体41の下端部に同心で設けられた係止円盤43とを備えて形成されている。係止円盤43の径寸法は装着孔19aの径寸法より大きく寸法設定され、二つの単位成形品2の合体時に棒体41を各装着溝24bに嵌め込むことによって、フック部材4は係止円盤43に抜け止めされた状態で装着孔19aに装着されるようになっている。
【0030】
本実施形態に係る多段式ハンガー10は、以上詳述したように、ハンガー枠体1の外観形状が前後方向および左右方向のいずれにおいても対称に形成されているとともに、ハンガー枠体1を構成する単位成形品2は、左右方向において中心線Lに対して互いに対称な位置の一方に係合用の突部(係合突片28、嵌入突条212および嵌合突片252)が突設されているとともに、他方に上記突部が嵌まり込む凹部(係合孔29、案内突条211間の凹部および嵌合溝251)が形成されているため、全く同一に構成された一の単位成形品2と他の単位成形品2とを、図1に示すように、それらのパーティング面11を互いに対向させ後、各パーティング面11が当接するように両者を合体させることによって各突部が対応した各凹部に嵌まり込み、図2に示すような多段式ハンガー10が得られる。
【0031】
この多段式ハンガー10の実施形態で示したように、本発明のプラスチック成形品は、左右の一方に前後方向に向けて突出した係合突片を設ける一方、他方の対称位置に上記係合突片に対応する係合凹部を凹設した単位成形品を射出成形で製造し、この単位成形品の一対を、各係合突部が対応した係合凹部に係合するように前後方向に合体することによって形成するものであるため、従来のように異なった金型で2種類の単位成形品をつくり、異なった種類の単位成形品を合体させてプラスチック成形品を得る場合に比較して金型を一種類のみ用意するだけでよく、その分高価な金型コストを半減することができ、プラスチック成形品の製造コストの低減化を図る上で極めて有効である。
【0032】
図7は、本発明に係るプラスチック成形品の製造方法を説明するための説明図であり、(イ)は上型と下型とが互いに離間した状態、(ロ)は上型と下型とが合体されて形成したキャビティ内に合成樹脂原料が射出されつつある状態、(ハ)は得られた二つの単位成形品のパーティング面を相互に対向させた状態、(ニ)対向させた二つの単位成形品を合わせてハンガー枠体1が形成された状態をそれぞれ示している。なお、図7は、本発明方法の原理を説明するものであるため実際のものを簡略化して示している。
【0033】
単位成形品2を射出成形するに際しては、図7の(イ)および(ロ)に示すようなに金型5が用いられる。この金型5は、単位成形品2の表面側(図7においては下側)の形状に沿った下型51と、同裏面側の形状に沿った上型52とから構成されている。また上型52は、図略の昇降手段の駆動によって昇降するように構成されており、下降して下型51と合わせられた状態で、図7の(ロ)に示すように、両型51,52間に単位成形品2の立体形状に合致したキャビティ53が形成されるとともに、図7の(イ)に示すように上昇された状態でキャビティ53内に形成した単位成形品2を取り出し得るようになっている。
【0034】
また、上型52には、キャビティ53の左半分に単位成形品2の係合突片28に対応した所定個数の凹部54が凹設されているとともに、同右半分に単位成形品2の係合孔29に対応した凸部55が凸設されており、キャビティ53内に溶融樹脂が射出された状態で凹部54に樹脂が供給されることによって係合突片28が形成されるとともに、凸部55によって樹脂が排除されることにより係合孔29が形成されるようになっている。そして、本発明においては、各凹部54と各凸部55とは、中心線Lを挟んで左右対称の位置にそれぞれ設けられている。
【0035】
また、下型51には、射出成形機6からの加熱溶融樹脂をキャビティ53内に導く注入孔56が穿設されている。そして、単位成形品2を成形するに当たっては、図7の(ロ)に示すように、下型51上に上型52装着した後、射出成形機6からの溶融樹脂を注入孔56を介してキャビティ53内に注入する。これによってキャビティ53内は溶融樹脂によって満たされる。ついで所定の冷却手段にで金型5を冷却することによりキャビティ53内に単位成形品2が形成される。キャビティ53内の単位成形品2は、図7の(イ)に示すように、上型52が昇降手段の駆動で上昇された状態でキャビティ53から取り出される。このような操作が繰り返されることによって、単位成形品2が順次射出成形される。
【0036】
そして、上記のようにして得られた単位成形品2の二つを、一の単位成形品2の係合突片28が、他の単位成形品2の係合孔29に対応するようにするように、それぞれのパーティング面11を対向させることにより、図7の(ハ)に示す状態になる。この状態で、対向した一対の単位成形品2のパーティング面11を互いに合わせるように押圧することによって、図7の(ニ)に示すように、それぞれの単位成形品2の係合突片28が他方の単位成形品2の係合孔29に嵌まり込んで合体し、これによってハンガー枠体1が得られる。
【0037】
本発明のプラスチック成形品の製造方法によれば、中心線Lを境にして左右の対称位置に凹部54と、この凹部54に対応した凸部55とを備えた上型52を用いてキャビティ53を形成するようにしているため、得られた単位成形品2は、左右の対称位置に係合突片28と、この係合突片28が嵌まり込む係合孔29とが形成された状態になる。従って、この金型5から得られた単位成形品2は、二つを向きを変えて合体させることにより相互に係合突片28が係合孔29に嵌入してハンガー枠体1が形成され、従来のように係合突片28のみが設けられたものと、係合孔29のみが設けられたものとの二種類の単位成形品をつくる必要はなく、その分金型コストを削減することが可能になる。
【0038】
本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、以下の内容をも包含するものである。
(1)上記の実施形態においては、プラスチック成形品として多段式ハンガー10が採用されているが、本発明は、前後方向および左右方向の双方において対称なプラスチック成形品一般に対して適用することが可能である。
(2)上記の実施形態においては、プラスチック成形品として多段式ハンガー10が採用されているが、本発明は、プラスチック成形品が多段式ハンガー10であることに限定されるものではなく、通常の一段式の衣類用ハンガーに適用してもよい。
(3)上記の実施形態においては、ハンガー枠体1は射出成形によって製造されているが、本発明はプラスチック成形が射出成形であることに限定されるものではなく、金型を用いた成形法、例えば発泡性合成樹脂を原料として用いた、いわゆる発泡成形法等にも適用することが可能である。
【0039】
【発明の効果】
本発明の請求項1および2記載のプラスチック製ハンガーおよびその製造方法によれば、上型と下型とからなる一種類の金型を用いて得られた複数の同一形状の単位成形品を成形し、一の単位成形品のパーティング面と、他の単位成形品のパーティング面とが相互に当接するように二つの単位成形品を合体することにより、一の単位成形品の係合突部が他の単位成形品の係合凹部に内嵌するとともに、一の単位成形品の係合凹部が他の単位成形品の係合突部に外嵌してそれぞれ係合して両単位成形品が相互に結合され、これによって中心線周りに点対称のハンガー枠体を得ることができる。
【0040】
このように、一つの金型で同一形状の単位成形品を多数成形し、パーティング面同士を相互に当接させることで、中心線周りに点対称のハンガー枠体が得られるため、従来のように2種類の金型を用いて2種類の単位成形品をつくり、各種類の一つずつを組み合わせてハンガー枠体を得る場合に比較して金型を半減することが可能であり、これによって金型コストを低減することができる。特に、内部が空洞であったり、多くの凹凸が複雑に形成されるようなプラスチック製ハンガーを射出成形する場合には、金型コスト低減化は顕著である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る多段式ハンガーの一実施形態を示す分解斜視図である。
【図2】 図1に示す多段式ハンガーの組立て斜視図である。
【図3】 後方に位置した図1に示す単位成形品の部分拡大斜視図である。
【図4】 前方に位置した図1に示す単位成形品の部分拡大斜視図である。
【図5】 図2のA−A線断面図である。
【図6】 図2のB−B線断面図である。
【図7】 (イ)〜(ニ)は、本発明に係るプラスチック成形品の製造方法を説明するための説明図である。
【図8】 従来の多段式のハンガーを例示する一部切欠き斜視図である。
【符号の説明】
10 多段式ハンガー
1 ハンガー枠体
11 パーティング面
12 横杆
13 縦杆
14 空洞
15 膨出部
16 U字溝
17 陥没部
17a 化粧板
18 化粧溝
19 円錐部
19a 装着孔
2 単位成形品
21 半割れ水平杆
211 案内突条
212 嵌入突条
22 半割れ垂直杆
23 凹溝
24 半割れ膨出部
24a 半円錐部
25 半割れ支持突片
251 嵌合溝
252 嵌合突片
26 中央膨出部
26a 第1中央膨出部
26b 第2中央膨出部
27 膨出条
27a 第1膨出条
27b 第2膨出条
28 係合突片
281 二股状係合突片
282,284 爪片
283 板状係合突片
3 ハンギングロッド
31 ロッド本体
32 キャップ
4 フック部材
41 棒体
42 フック
43 係止円盤
5 金型
51 下型
52 上型
53 キャビティ
6 射出成形機

Claims (2)

  1. 加熱溶融した熱可塑性合成樹脂を所定の金型のキャビティ内に供給することによって得られる単位成形品の一対を、ぞれぞれのパーティング面を合わせることによって得られる、横杆と、この横杆の両端部から下方に向けて延設された一対の縦杆とからなるハンガー枠体と、このハンガー枠体の一対の縦杆間に着脱自在に装着されたハンギングロッドとを備えたプラスチック製ハンガーであって、上記単位成形品は、パーティング面が上下方向に延びる中心線を基準にして左右に点対称に形成され、上記パーティング面の上記中心線を基準にした点対称位置の一方に前後方向に向けて突出した係合突片が設けられている一方、他方の点対称位置に上記係合突片に対応した係合凹部が凹設され、上記単位成形品の一対が、各係合突部を対応した係合凹部に係合させることによって前後方向に合体されて形成され、上記ハンギングロッドは、上記一対の縦杆間に複数本が装着されていることを特徴とするプラスチック製ハンガー。
  2. 加熱溶融した熱可塑性合成樹脂からなる原料樹脂を上型と下型とからなる金型のキャビティ内に供給することによって、横杆と、この横杆の両端部から下方に向けて延設された一対の縦杆とからなるハンガー枠体と、このハンガー枠体の一対の縦杆間に着脱自在に装着された複数本のハンギングロッドとを備えたプラスチック製ハンガーを製造するプラスチック製ハンガーの製造方法であって、前後方向に延びる中心線を基準にして上記上型の左右の一方に上下方向に向けて突出した突部を設ける一方、上記下型の点対称位置に上記突部に対応した凹部を有する金型を用い、この金型の上型と下型とを合わせることによって形成されたキャビティ内に上記原料樹脂を供給することによって上記突部に対応した部分に係合凹部を形成させるとともに、上記凹部に対応した部分に係合突部を形成させた単位成形品を得、この単位成形品の一対を、各係合突部が対応した係合凹部に係合するように合わせることによって上記ハンガー枠体を形成させることを特徴とするプラスチック製ハンガーの製造方法。
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