JP3916086B2 - ハイブリダイゼーションなどの相互作用を検出する方法及び検出部、該検出部を備えるバイオアッセイ用基板、ハイブリダイゼーションなどの相互作用を検出する装置、並びに試薬キット - Google Patents

ハイブリダイゼーションなどの相互作用を検出する方法及び検出部、該検出部を備えるバイオアッセイ用基板、ハイブリダイゼーションなどの相互作用を検出する装置、並びに試薬キット Download PDF

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Description

本発明は、塩を含むHEPES緩衝液を用いた相互作用検出技術に関する。より詳しくは、塩を含むHEPES緩衝液を用いる、ハイブリダイゼーションなどの相互作用を検出する方法及び検出部、該検出部を備えるバイオアッセイ用基板、ハイブリダイゼーションなどの相互作用を検出する装置、並びに試薬キットに関する。
現在、DNAチップ(又はDNAマイクロアレイ)などのバイオアッセイ用基板が、遺伝子の変異解析、SNPs(一塩基多型)分析、遺伝子発現頻度解析などに利用されており、創薬、臨床診断、薬理ジェノミクス、法医学その他の分野において広範囲に活用され始めている。
ここで、バイオアッセイ用基板とは、ガラス基板・シリコン基板などの上に多種・多数の検出用物質を高密度に集積して固定したものをいう。基板上に多種・多数の検出用物質を固定し、該検出用物質と相互作用する標的物質を網羅的に解析する。
基板上に検出用物質を固定する方法として、例えば、基板上の反応領域内にアビジンで被膜した固相表面を設ける場合がある。反応領域内に設けられたアビジン層とビオチン修飾された検出用物質とを、アビジン−ビオチン結合させることにより、基板上に検出用物質を効率よく固定することができる。
DNAチップなどの場合、ハイブリダイゼーション(検出用核酸と標的核酸との相互作用)を検出する方法として、インターカレーターを用いる場合がある。インターカレーターは、二本鎖核酸などに挿入結合するため、ハイブリダイゼーションの検出に用いることができる。
特許文献1には、DNAチップに関して、消光剤を用いて、蛍光検出時のバックグラウンドを低減する方法が記載されている。特許文献2から特許文献4には、インターカレーターを用いた核酸の検出方法などについて記載されている。
特開2003−84002号公報 特開2004−24035号公報 特開2002−181816号公報 特開平11−164700号公報
従来、バイオアッセイ用基板を用いて相互作用を検出する場合、反応領域内の正に帯電した固相表面に、核酸など負電荷を持つ物質などが非特異的に吸着するという問題があった。また、一部のインターカレーターも、反応領域内の正に帯電した固相表面に非特異的に吸着する場合があった。核酸やインターカレーターの非特異的吸着は、ハイブリダイゼーション検出などの際の、バックグラウンドノイズとなるため、非特異的吸着を低減する必要があった。
また、インターカレーターの結合特性を長時間保持するのが難しかったため、インターカレーターを反応領域内に入れた後、早期にハイブリダイゼーションを検出する必要があった。
その他、インターカレーターは一本鎖核酸の一部とも結合するため、ハイブリダイゼーションを検出する前に、洗浄工程を行い、ハイブリダイゼーションしなかった一本鎖核酸を除去する必要があった。
そこで、本発明は、反応領域内の固相表面に対する核酸・インターカレーターなどの非特異的吸着を防止すること、ハイブリダイゼーションの検出に用いるインターカレーターの結合特性を長時間保持すること、ハイブリダイゼーション検出の際の洗浄工程を簡略化すること、を主な目的とする。
本発明では、(1)相互作用検出方法、(2)ハイブリダイゼーション検出方法、(3)相互作用検出部、(4)バイオアッセイ用基板、(5)相互作用検出装置、(6)ハイブリダイゼーション検出部、(7)DNAチップ、(8)ハイブリダイゼーション検出装置、(9)試薬キット、以上を提供する。以下、順に説明する。
(1)相互作用検出方法について。
本発明に係る相互作用検出方法は、物質間の相互作用の場を提供する反応領域内に、塩を含むHEPES緩衝液を貯留又は保持させることを特徴とする。
例えば、アビジン−ビオチン結合によって検出用物質を基板上の反応領域内に固定する場合では、前記反応領域内に、正に帯電した固相表面(アビジン層)を設ける。反応領域内に正に帯電した固相表面を設けた場合、負電荷を持つ物質やインターカレーターなどが非特異的に吸着する場合がある。本発明では、塩を含むHEPES緩衝液の塩濃度を調整することによって、正に帯電した固相表面に対する、負電荷を持つ物質の非特異的吸着を防止する。
塩を含むHEPES緩衝液の塩濃度を調整することによる、負電荷を持つ物質の非特異的吸着防止作用は、イオン遮蔽又は対イオン濃縮によるものと推定される。即ち、次の作用機序に基づくものと考えられる。
塩を含むHEPES緩衝液の塩濃度を調整することにより、HEPES緩衝液中に陽イオン、陰イオンが過剰に存在することとなる。過剰に存在する陽イオンは、負電荷を持つ物質を緩やかに取り囲み、固相表面から負電荷を持つ物質を遮蔽する。一方、陰イオンも、正に帯電した固相表面と引き付けあって緩やかに該固相表面を覆うため、負電荷を持つ物質から固相表面を遮蔽する。従って、正に帯電した固相表面と負電荷を持つ物質が塩を含むHEPES緩衝液の塩濃度を調整することによって遮蔽されるため、固相表面への負電荷を持つ物質の非特異的吸着が防止されると考えられる。
なお、前記の負電荷を持つ物質は、正に帯電した固層表面に対して非特異的に吸着する物質であれば特に限定されない。例えば、検出用核酸(検出用物質として用いられる核酸)、標的核酸(標的物質である核酸)などは、負電荷を持つ物質に含まれる。
(2)ハイブリダイゼーション検出方法について。
本発明に係るハイブリダイゼーション検出方法では、検出用核酸と標的核酸との間におけるハイブリダイゼーションの検出を、インターカレーターを用いて行う方法であり、ハイブリダイゼーションの場を提供できる反応領域内に、塩を含むHEPES緩衝液を貯留又は保持させるように工夫した。
塩を含むHEPES緩衝液を用いることにより、正に帯電した固相表面に対するインターカレーターの非特異的吸着を防止できる。
加えて、インターカレーターを用いてハイブリダイゼーションを検出する場合において、塩を含むHEPES緩衝液を用いることによって、二本鎖核酸(ハイブリダイゼーションしたものを含む)の検出に用いるインターカレーターの構造安定性を保持し、二本鎖核酸に対するインターカレーターの結合特性の変化を抑制できる。また、塩を含むHEPES緩衝液を用いることによって、インターカレーターの蛍光量を増大させ、また、インターカレーターの蛍光量を長時間減少させないまま維持することができる。
塩を含むHEPES緩衝液を用いることによって、一本鎖状態の標的核酸と結合などした際のインターカレーターの蛍光量に比して、二本鎖核酸と結合などした際のインターカレーターの蛍光量を大きくできる。また、高温条件を付加しても、一本鎖状態の標的核酸と結合などした際のインターカレーターの蛍光量と、二本鎖核酸と結合などした際のインターカレーターの蛍光量と、の蛍光比を、大きい状態のままで維持できる。
塩を含むHEPES緩衝液を用いることによって、反応領域内を高温にしたり、反応領域内の温度変化に伴って塩を含むHEPES緩衝液のpHが変化したりした場合でも、インターカレーターの蛍光量を高い状態のまま維持できる。
また、塩を含むHEPES緩衝液を用いることによって、温度変化に伴う反応領域内のpHの変化を少なくできる。即ち、温度変化域が大きい条件を付加した場合でも、反応領域内のpHの変化を、インターカレーターの結合特性・蛍光量などを維持できる範囲内に抑えることができる。
以上の塩を含むHEPES緩衝液の作用・効果を踏まえ、本発明では、塩を含むHEPES緩衝液とインターカレーターとが貯留又は保持された反応領域内の温度を、ハイブリダイゼーションに適した温度に調節する手順を含むハイブリダイゼーションの検出方法を提供する。例えば、ハイブリダイゼーション検出の際に、反応領域内の温度を、ハイブリダイゼーションに適した温度に調節することにより、ハイブリダイゼーションの促進やハイブリダイゼーションの検出時間の短縮化を図ることができる。
また、本発明では、塩を含むHEPES緩衝液のpHが酸性であるハイブリダイゼーション検出方法を提供する。本方法によれば、例えば、ハイブリダイゼーション検出の際の温度調節に伴い、反応領域内の緩衝液のpHが7.0以下の酸性域になる場合でも、インターカレーターの結合特性・蛍光量を保持できるため、ハイブリダイゼーションの検出が可能となる。
さらに、本発明では、(1)反応領域内のHEPES緩衝液へ標的核酸を添加する前段階、(2)反応領域内のHEPES緩衝液へ標的核酸を添加する段階、(3)ハイブリダイゼーションが進行している段階、のいずれかの段階で、インターカレーターを、反応領域内に滴下・注入などして入れるハイブリダイゼーションの検出方法を提供する。
なお、(1)の段階は、反応領域内のHEPES緩衝液へ標的核酸を添加するよりも前の段階をいい、例えば、反応領域内にHEPES緩衝液を滴下又は注入などして入れる段階も含む。(3)の段階は、ハイブリダイゼーション完了までの段階をいい、例えば、標的核酸を添加したことによりハイブリダイゼーションの進行が始まった段階、ハイブリダイゼーションの進行を促進するために、所定時間、所定温度の条件を付加する段階、前記温度条件などを付加した後ハイブリダイゼーション完了までの段階、を含む。
上述の通り、塩を含むHEPES緩衝液を用いることにより、インターカレーターの結合特性を長時間保持できるため、インターカレーターを反応領域内へ入れた状態のまま所定時間経過した場合でも、ハイブリダイゼーションを検出できる。また、温度やHEPES緩衝液のpHが変化した場合でも、インターカレーターの結合特性を保持できるため、例えば、HEPES緩衝液中にインターカレーターを添加した状態で、HEPES緩衝液の温度をTm周辺にまで上げたり、ハイブリダイゼーションやアニーリングに適した温度にしたりなどの条件を適宜付加することができる。従って、検出精度の向上や手順・工程の好適化・効率化を図ることができる。
また、塩を含むHEPES緩衝液を用いることによって、一本鎖状態の標的核酸と結合した際のインターカレーターの蛍光量に比して、二本鎖核酸と結合などした際のインターカレーターの蛍光量を大きくできるため、ハイブリダイゼーションしなかった一本鎖核酸が反応領域中に存在している場合でも、二本鎖核酸(ハイブリダイゼーション)を検出することができる。従って、ハイブリダイゼーションしなかった一本鎖核酸を洗浄・除去する工程を省略又は簡略化することができる。
その他、例えば、反応領域内にHEPES緩衝液を滴下・注入などして入れる段階、又は、反応領域内のHEPES緩衝液へ標的核酸を添加する段階で、インターカレーターをHEPES緩衝液又は標的核酸と同時に反応領域内に入れることにより、インターカレーターを個別に加える手順を省略又は簡略化できる。
また、上記のいずれかの段階でインターカレーターを反応領域内に入れることにより、インターカレートとハイブリダイゼーションを一工程として行うことができるため、検出時間の短縮を図ることができるという有利性がある。
(3)相互作用検出部、(4)バイオアッセイ用基板、(5)相互作用検出装置について。
本発明では、物質間の相互作用の場を提供する反応領域と、前記反応領域内に貯留又は保持され、塩を含むHEPES緩衝液を含有する媒質と、を少なくとも備える相互作用検出部、該相互作用検出部を備えるバイオアッセイ用基板、前記相互作用検出部の反応領域内の温度を調節する温度制御手段と、相互作用を検出する手段と、を少なくとも備える相互作用検出装置、を提供する。これらの発明においても、上述した塩を含むHEPES緩衝液の作用機序や作用・効果を有効に利用できる。相互作用の検出手段は、特に限定されない。
(6)ハイブリダイゼーション検出部、(7)DNAチップ、(8)ハイブリダイゼーション検出装置について。
本発明では、検出用核酸と標的核酸との間におけるハイブリダイゼーションの場を提供する反応領域と、前記反応領域内に貯留又は保持され、塩を含むHEPES緩衝液とインターカレーターとを含有する媒質と、を少なくとも備えるハイブリダイゼーション検出部を提供する。また、このハイブリダイゼーション検出部を備えるDNAチップを提供し、さらには、前記ハイブリダイゼーション検出部の反応領域内の温度を調節する温度制御手段と、インターカレーターを蛍光励起し、蛍光強度を検出する蛍光検出手段と、を少なくとも備えるハイブリダイゼーション検出装置、を提供する。これらの発明においても、上述した塩を含むHEPES緩衝液の作用機序や作用・効果を有効に利用できる。
(9)試薬キットについて。
本発明では、物質間の相互作用検出用に調製された塩含有HEPES緩衝液又は該塩含有HEPES緩衝液を作製するための組成物を少なくとも備える試薬キットを提供する。前記相互作用がハイブリダイゼーションの場合、この試薬キットは、例えば、ハイブリダイゼーションの検出に用いるインターカレーターをさらに備えてもよい。キット化することにより、試薬調製の手順を省くことができるため、アッセイ全体の手順を簡略化できる。
なお、本発明では、各技術用語を、以下のように定義する。
「HEPES」とは、グッドの緩衝液試薬の一つである、2−[4−(2−ヒドロキシエチル)−1−ピペラジニル]エタンスルホン酸をいう。
「核酸」とは、プリン又はピリミジン残基と糖がグリコシド結合したヌクレオシドのリン酸エステル重合体(ヌクレオチド鎖)を意味し、プローブDNAを含むオリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、プリンヌクレオチドとピリミジンヌクレオチドが重合したDNA(全長あるいはその断片)、逆転写により得られるcDNA、RNA、PNA(ポリアミドヌクレオチド誘導体)、などを広く含む。
「検出用物質」とは、反応領域中に予め固定又は遊離させた物質であり、該物質と特異的に相互作用する物質を検出するための探り針として機能する。「標的物質」とは、前記検出用物質と特異的に相互作用する物質をいう。
「検出用核酸」は検出用物質が核酸の場合を、「標的核酸」は標的物質が核酸の場合をいう。その場合、「相互作用」は、ハイブリダイゼーションである。
「反応領域」は、ハイブリダイゼーションの反応場を提供できる領域又は空間であり、例えば、液相やゲルなどを貯留できるウエル形状を有する反応場を挙げることができる。
「ハイブリダイゼーション」は、検出用核酸と標的核酸との結合のように、相補的な塩基配列構造を備える核酸の間で起こる相補鎖(二本鎖)形成反応を意味する。
「固相表面」は、基板やビーズなどの固体材料の表面であって、ハイブリダイゼーションその他の相互作用の反応場を提供できる領域又は空間との臨界面を意味する。
「インターカレーター」は、二本鎖核酸などに挿入結合可能である物質、又は、該物質を含む組成物である。インターカレーターが蛍光標識されている場合又は蛍光物質それ自体である場合、蛍光により二本鎖核酸(ハイブリダイゼーション)の存在を確認できる。蛍光により二本鎖核酸を検出できるインターカレーターとしては、例えば、POPO−1、TOTO−1、SYBRGreen I、PicoGreenなどがある。
本発明により、反応領域内の固相表面に対する核酸・インターカレーターなどの非特異的吸着を防止できる。また、ハイブリダイゼーションの検出に用いるインターカレーターの結合特性を長時間保持することができる。
以下、添付図面を参照して、本発明の好適な実施形態について説明する。
まず、図1は、基板に設けられた相互作用検出部を簡略に示す断面図である。まず、図1に示す符号1は、本発明に係る相互作用検出部の実施形態の典型例を示している。この相互作用検出部1を用いれば、本発明に係るハイブリダイゼーション検出方法を含む相互作用検出方法を実施できる。
相互作用検出部1は、基材層11と、ウエル状を呈する反応領域Rを形成する反応領域形成層12と、を備える。反応領域R内へは、塩を含むHEPES緩衝液S、標的核酸T、インターカレーターIなどが、インクジェットプリンティングノズルなどのノズルNなどを介して、滴下・注入することができる。なお、図1では、反応領域Rに検出用核酸Dの一端が固定され、ハイブリダイゼーションによって生成した二本鎖核酸の塩基対部分にインターカレーターIが挿入結合している状態が例示されている。
基材層11は、例えば、石英ガラスやシリコン、ポリカーボネート、ポリスチレンなどの合成樹脂によって形成する。また、基材層11は、所定波長の励起光P(例えば、蛍光励起光)を透過可能な材質であることが好ましい。例えば、インターカレーターを用いて、蛍光によりハイブリダイゼーションを検出する場合、基材層11を励起光Pが透過可能な材質にすることにより、相互作用検出部1の下方側からの励起光Pの照射によって、反応領域R内でのハイブリダイゼーションを検出することができる。
反応領域形成層12は、例えば、感光性のポリイミド樹脂によって形成することができる。この感光性のポリイミド樹脂を、フォトレジストを用いた表面処理することにより、微細な反応領域Rを形成することができる。
反応領域Rは、媒質Mを貯留又は保持できる。形状・サイズは、特に限定されないが、その長さ、幅、深さは、それぞれ数μmから数百μmであって、このサイズ値は、励起光Pのスポット径やサンプル溶液(検出用核酸含有溶液、標的核酸含有溶液)などの媒質Mの最小滴下可能量に基づいて決定することができる。
媒質Mは、塩を含むHEPES緩衝液Sを含有する。塩を含むHEPES緩衝液Sを含有することにより、媒質M中に滴下又は注入された検出用物質D、標的物質T、負電荷を帯びるインターカレーターIなどの物質が、正に帯電した固相表面に対して非特異的に吸着するのを有効に防止できる。
また、相補鎖の塩基対に挿入結合するインターカレーターIを用いて、ハイブリダイゼーションを検出する場合、温度変化域が大きい条件を付加した場合でも、反応領域R内のpHの変化を、インターカレーターの結合特性・蛍光量などを維持できる範囲内に抑えることができるため、反応領域R内を、ハイブリダイゼーションに適した温度に安心して調節することができる。
その他、ハイブリダイゼーション検出の際の温度調節に伴い、反応領域内の緩衝液のpHが7.0以下の酸性域になる場合でも、インターカレーターIの結合特性・蛍光量を保持できるため、媒質M中の塩を含むHEPES緩衝液SのpHが酸性であってもよい。
なお、図1中の符号Pは、励起光を、符号Fは、励起光Pにより励起された蛍光を示している。光透過性の基材層11の裏面側から反応領域Rに入射する励起光Pによって励起された蛍光Fは、該蛍光Fを平行光に変換するレンズL(図4の符号25に相当)、蛍光Fを絞り込むための集光レンズL(図4の符号32に相当)を経て、ディテクタZ(図4の符号31に相当)によって、その蛍光強度を検出することが可能となる。
ここで、図1では、相互作用がハイブリダイゼーションである場合であり、当該ハイブリダイゼーション検出の手段としてインターカレーターIを用いた場合が代表例示として示されている。なお、本発明は、この例に狭く限定されない。
図1において、基材層11は、例えば、アビジン処理された固相表面11aを備える。この固相表面11aは、アビジン処理されているため、正に帯電している。符号Dで示すDNAプローブなどの検出用核酸は、その一端がビオチン修飾されているので、検出用核酸Dは、固相表面11aのアビジンとの間で、アビジン−ビオチン結合によって、固相表面11a上に固定されることになる。
なお、検出用核酸Dなど検出用物質の固定方法は、アビジン−ビオチン結合に限定されず、ジスルフィド結合など、他の方法を適宜用いてもよい。従って、固相表面11aも、アビジン処理された構成に、特に限定されない。
なお、本実施形態では、固相表面11aが基板に設けられる場合を例としているが、本発明は、この例に限定されず、例えば、固相ビーズの表面など、相互作用の反応場を提供できる領域又は空間との臨界面を全て包含する。
固相表面11aが正に帯電している場合、塩を含むHEPES緩衝液の塩濃度を調整することにより、負電荷を持つ物質及びインターカレーターの非特異的吸着を防止できる。即ち、検出用核酸D、標的核酸Tなど負電荷を持つ物質及びインターカレーターIなどが固相表面11aに非特異的に吸着するのを有効に防止できる。
固相表面11aに対する、検出用核酸D、標的核酸T、インターカレーターIなどの非特異的吸着を防止することによって、固相表面11aに非特異的吸着した物質を除去する洗浄工程を省略・簡略化できる。これにより、相互作用を検出する際の手順を簡略化することができる。
正に帯電する固相表面11aにインターカレーターIが非特異的に吸着すると、該インターカレーターIは蛍光を発し、これがバックグラウンドノイズとなるが、本発明では、塩を含むHEPES緩衝液によって、インターカレーターIの非特異的吸着を有効に防止できるので、S/Nを良好にし、ハイブリダイゼーション検出の精度を向上させることができる。
次に、本発明に係る相互作用検出方法の一例であるハイブリダイゼーションの検出方法の一例を、図2に示されたA〜Cの段階に従って、具体的に説明する。
まず、図2のAは、塩を含むHEPES緩衝液Sを、検出用核酸Dが固定された反応領域Rへ滴下・注入などして加えた段階を示している。
本発明では、塩を含むHEPES緩衝液Sを用いることによって、インターカレーターIの結合特性を長時間保持できるようになる。このため、例えば、前記HEPES緩衝液Sを反応領域R内へ加える際に、インターカレーターIを同時に加えることが可能となる。
また、このA段階において、塩を含むHEPES緩衝液S、標的核酸T、インターカレーターIをすべて同時に、反応領域R内に滴下・注入などして加えることも可能である。この場合、塩を含むHEPES緩衝液S中に、予め標的核酸TとインターカレーターIを添加等しておいてから、反応領域R内に滴下・注入等してもよい。
図2のBは、標的核酸Tを、反応領域R内に既に貯留又は保持される塩を含むHEPES緩衝液Sに添加した段階を示している。このB段階では、検出用核酸Dと標的核酸Tとのハイブリダイゼーションの進行が開始可能な状態となる。
本発明では、塩を含むHEPES緩衝液Sによって、インターカレーターIの結合特性を長時間保持できるようになったため、このB段階においても、標的核酸Tを滴下又は注入等する際に、インターカレーターIを同時に入れることができる。このため、反応領域R内へインターカレーターIを別個独立で加える手順を省略できるため、工程手順を簡略化できる。
また、標的核酸Tを、反応領域R内の塩を含むHEPES緩衝液Sに滴下又は注入などした段階で、既に、インターカレーターIが反応領域R内に既に存在する場合(Aの段階で既にインターカレーターIが反応領域R内に加えられている場合)は、標的核酸Tを反応領域Rに加えることにより、ハイブリダイゼーションとインターカレートを並行させることができる。
この場合、ハイブリダイゼーションとインターカレートの両方が並行するので、この段階から反応領域R内に蛍光励起光Pを照射することによって、ハイブリダイゼーションを経時的に検出することができる。
ここで、インターカレーターIは、一本鎖状態の標的核酸tの一部とも結合して蛍光を発する場合がある(図1中、符号i参照)。この場合は、ハイブリダイゼーション検出時のバックグラウンドノイズとなる。しかし、塩を含むHEPES緩衝液Sを用いることによって、一本鎖状態の標的核酸tと結合などした際のインターカレーターiの蛍光量に比して、二本鎖核酸(検出用核酸Dと標的核酸Tがハイブリダイゼーションしたものなど)と結合などした際のインターカレーターIの蛍光量を大きくできる。
このため、ハイブリダイゼーションしなかった一本鎖の標的核酸tが反応領域R中に存在している場合でも、二本鎖核酸(ハイブリダイゼーション)を高精度に検出することができる。従って、ハイブリダイゼーションしなかった一本鎖核酸を洗浄・除去する工程を省略又は簡略化することができる。
また、本発明では、図2に示すB段階において、標的核酸Tを反応領域R内の塩を含むHEPES緩衝液Sに滴下又は注入などして添加した後に、温度条件を変化させる操作を行うことができる。
即ち、本発明では、塩を含むHEPES緩衝液Sを用いたため、該緩衝液Sの温度やpHが変化した場合でも、インターカレーターIの結合特性を保持できる。そのため、インターカレーターIを反応領域R内に入れた後に、該反応領域R内を、所定の温度に調整する手順を安心して行うことができる。
従って、例えば、インターカレーターIを反応領域R内に滴下又は注入などして入れた状態で、ハイブリダイゼーションの至適温度まで加熱することができる。これにより、ハイブリダイゼーションの進行を促進できるため、ハイブリダイゼーションの検出を効率化・高精度化することが可能となる。
次に、図2のCは、標的核酸Tを反応領域Rに滴下又は注入などして加えた後、所定時間が経過し、ハイブリダイゼーションが完了(飽和)した段階を模式的に示している。このCの段階では、検出用核酸Dと標的核酸Tがハイブリダイゼーションしている。また、インターカレーターIは、ハイブリダイゼーションした二本鎖核酸(検出用核酸Dと標的核酸Tがハイブリダイゼーションしたものなど)の塩基対部分に挿入結合されている。
現在、ハイブリダイゼーションを検出する前に、ハイブリダイゼーションしなかった一本鎖核酸tなどの検出精度低下の要因となり得る不要物質を、反応領域Rから洗浄・除去(以下、「洗浄工程」)するのが一般的な手順である。しかし、本発明では、前述したように、塩を含むHEPES緩衝液Sを用いることによって、一本鎖状態の標的核酸tと結合した際のインターカレーターiの蛍光量に比して、二本鎖核酸と結合などした際のインターカレーターの蛍光量を大きくできるので、前記不要物質の洗浄工程を省略することができる。
以上のように、本発明では、塩を含むHEPES緩衝液SによりインターカレーターIの結合特性を長期間保持できるため、ハイブリダイゼーションが完了(飽和)する段階の前のどの段階でも、インターカレーターIを、反応領域R内に滴下・注入等して加えることができる。また、本発明では、標的核酸Tを加えた後であれば、どの段階でも、ハイブリダイゼーションを検出できる。さらには、本発明により、ハイブリダイゼーション完了後に行う洗浄工程を省略又は簡略化できる。
次に、図3に基づいて、本発明に係るDNAチップなどのバイオアッセイ用基板について、説明する。
図3に示されたバイオアッセイ用基板Lは、CD様の円盤状をなす基板上に、既述した相互作用検出部1が、例えば、周方向、螺旋状、放射状に配列されている。
バイオアッセイ用基板Lは、CD(Compact Disc)、DVD(Degital Versatile Disc)、MD(Mini Disc)などの光情報記録媒体と同様の基材から形成することができる。また、基板の形状は、図1に示す円盤状に特に限定されず、目的に応じて、自由に形成することができる。なお、基板を安価な合成樹脂を用いて成形することで、従来使用されていたガラスチップに比して、低ランニングコストを実現できる。
図4は、本発明に係るハイブリダイゼーション検出装置を包含する相互作用検出装置(以下、単に「装置」と略称。)の構成の一例を示す図である。
図4に例示した装置Uは、図3に示されたバイオアッセイ用基板Lに多数配設された相互作用検出部1に励起光Pを照射可能な励起光照射手段2と、前記相互作用検出部1で励起した蛍光Fを読み取り可能な蛍光検出手段3と、前記相互作用検出部1の反応領域R内に貯留又は保持される媒質Mに対して加熱可能な加温手段4と、温度調節手段5と、基板位置の検出等に係わるサーボ機能(図示せず。)を備えている。
また、図4に例示した装置Uは、バイオアッセイ用基板Lを回転可能に支持するディスク支持台6と、相互作用検出部1に所定の媒質Mを滴下又は注入できるノズルヘッドNと、装置Uを制御する制御部7と、を備えている。なお、基板Lの保持及び回転は、公知の光ディスクドライブと同様のチャッキング機構を用いてもよい。
相互作用検出部1には、複数のノズルヘッドNから、所定の媒質M(M〜M)を滴下又は注入できる。媒質Mとしては、例えば、塩を含むHEPES緩衝液S(M)、検出用物質D又は標的物質T(M)、インターカレーターI(M)などがある。複数のノズルヘッドNを用いることにより、所定の媒質を、所定のタイミングで、順次又は同時に、相互作用検出部1の反応領域R内に滴下又は注入することができる。なお、制御部7は、ノズルヘッドNの滴下又は注入の動作全体を制御している。
励起光照射手段2は、励起光Pを出射するレーザーダイオード21と、励起光Pを平行光に変換するコリメータレンズ22と、励起光Pを反射するダイクロイックミラー23及び24と、励起光Pを集光して相互作用検出部Pに照射させるレンズ25と、を備える。
即ち、励起光Pは、レーザーダイオード21から出射され、コリメータレンズ22にて平行光とされた後、ダイクロイックミラー23で90°屈折される。その後、励起光Pは、ミラー24でさらに90°屈折された後、アクチュエータ26で支持されたレンズ25に入射し、基板Lの裏面から相互作用検出部1に向けて絞り込まれて照射される。なお、励起光照射タイミングなどは、制御部7により制御されている(符号28)。
蛍光検出手段3は、蛍光Fを感知するディテクタ31と、蛍光Fを集光するレンズ32と、蛍光反射用のダイクロイックミラー33と、を主に備える。なお、ディテクタ31で検出された蛍光は、AD変換機37などによって、所定のデジタル信号に変換され、制御部7に伝達される(符号38)。
励起光Pが照射されると、符号Fで示される蛍光がインターカレーターIから発せられ、基板Lの裏面側に該蛍光Fが戻ってくる。この蛍光Fは、基板Lの下方に配置された前記ミラー24で90°屈折された後、前記励起光反射用ダイクロイックミラー23を透過して直進し、次の蛍光反射用ダイクロイックミラー33で90°屈折する。続いて、この蛍光Fは、レンズ32に入射して集光され、ディテクタ31に導かれる。なお、蛍光反射用ダイクロイックミラー33は、蛍光Fを反射する性質を有するとともに、後述する赤外線に対して透光性を有する。
ここで、蛍光強度は、一般の光ディスクRF信号等と比較して、非常に弱いことが予想される。従って、蛍光検出用のディテクタ31には、一般のフォトダイオードと比較して非常に感度の高いフォトマルチプライヤー(光電管)やアバランシェフォトダイオード(APD)を採用するのが好適である。
加温手段4は、赤外光Qを出射するIRレーザーダイオード41と、赤外光を平行光に変換するコリメータレンズ42と、赤外光Qを反射するダイクロイックミラー43及び前記ミラー24と、赤外光Qを集光して相互作用検出部1に照射させる前記レンズ25と、を備える。
赤外光Pは、レーザーダイオード41から出射され、コリメータレンズ42にて平行光に変換された後、ダイクロイックミラー43で90°屈折される。その後、赤外光Qは、ミラー24でさらに90°屈折された後、レンズ25に入射し、基板Lの裏面L1から相互作用検出部1に向けて絞り込まれて照射される。
相互作用検出部1に赤外光Qを照射することにより、相互作用検出部1に貯留又は保持された媒質Mを、例えば、相互作用の至適温度にまで、加温することができる。加熱の調節は、赤外光Qの照射量(光量)を調節する方法、照射時間を調節する方法、のほか、例えば、パルス幅変調(PWM)、パルス振幅変調(PAM)などによる方法を採用してもよい。
温度検出手段5は、相互作用検出部1で反射して逆行する赤外光Q’を受光するフォトマル等のディテクタ51と、相互作用検出部1で反射して逆行する赤外光Q’を集光する集光レンズ52と、を備える。
加温手段4により、相互作用検出部1に照射された赤外光Qは、相互作用検出部1内で一部が反射し逆行する。赤外反射光Q’は、基板Lの下方に配置された前記ミラー24で90°屈折された後、前記励起光照射用ダイクロイックミラー23、蛍光検出用ダイクロイックミラー33、赤外光照射用ダイクロイックミラー43、を透過して直進し、集光レンズ52で集光され、ディテクタ51に達する。
ディテクタ51で受光された反射赤外光Q’は、AD変換器57で所定の信号に変換され、該信号が制御部7に送られる(符号58)。そして、該信号に基づいて、前記加温手段4を制御する(符号48)。以上により、相互作用検出部1の反応領域R内の温度を調節する。
また、本発明では、加温条件の制御を、相互作用検出部1から輻射される赤外光に基づいて行うこともできる。即ち、相互作用検出部1から輻射された温度固有の波長を備える赤外光をディテクタ51で受光し、このディテクタ51から送られてくる信号(符号58)から媒質Mの温度を推定する(温度制御手段)。そして、その情報に基づき、制御部7が、加温手段4による加温の程度を調節する。なお、図4に例示した加温手段4及び温度調節手段5は、赤外光を用いたものであるが、加温手段及び温度調節手段は、赤外光による方法に限定されるわけではない。
次に、本発明に係る「試薬キット」の好適な実施形態について説明する。
本発明に係る試薬キットは、物質間の相互作用検出用に調製された塩含有HEPES緩衝液、又は、塩含有HEPES緩衝液を作製するための組成物、を少なくとも備える構成にする。前記組成物の場合、蒸留水で希釈・溶解することなどにより、簡易に、塩含有HEPES緩衝液を作製できることが好ましい。
DNAチップなどバイオアッセイ用基板の製造時に用いる試薬をキット化する場合、塩含有HEPES緩衝液のほか、例えば、アビジン、ビオチン、検出用核酸にビオチンを修飾するための酵素、または前記試薬を濃縮・粉末化などした組成物、などを備える構成にしてもよい。
また、ハイブリダイゼーションを検出する際に用いる試薬をキット化する場合、塩含有HEPES緩衝液のほか、例えば、標的核酸を作製するための試薬(組織・細胞などからDNA、mRNAなどを抽出する際に必要な酵素、cDNA合成に必要な酵素など)、インターカレーター、または前記試薬を濃縮・粉末化などした組成物、などを備える構成にしてもよい。
実施例1では、薄層クロマトグラフ法を用いて、インターカレーターの構造安定性に適した緩衝液の検証を行った。インターカレーターとしては、「SYBRGreen I Nucleic Acid Gel Stain」(商品名、Cambrex社製、「SYBR」はMolecular Probes社の登録商標、以下「SYBRGreen I」とする、以下同じ)を用いた。「SYBRGreen I」は、二本鎖核酸を検出するために用いる高感度な発色用試薬であり、エチジウムブロマイドの25〜100倍の高い感度を示すため、インターカレーターとして好適と考えられる組成物である。なお、「SYBRGreen I」は、蛍光色素で標識されており、蛍光により、二本鎖核酸への結合を検出することができる。実験手順を次に示す。
まず、SYBRGreen Iを、表1に示す緩衝液で10倍希釈し、実験用サンプルとした(サンプル1〜サンプル7)。なお、HEPES緩衝液の調製には、「HEPES buffer solution」(和光純薬工業株式会社、製造元は株式会社同仁化学研究所)を用いた(以下同じ)。
Figure 0003916086
次に、各サンプルを所定時間室温で放置した後、薄層クロマトグラフ法を行った。薄層クロマトグラフ法の具体的な手順は次のとおりである。まず、薄層板(本実験では、プラスチック板上に、固層担体としてシリカが塗布されたものを用いた。)の下端から同じ高さの位置に、サンプル1からサンプル7の調製液を、適当な間隔に並べてスポットし、風乾した。次に、各サンプルをスポットした薄層板の下端部を、展開溶媒(DMSO)に浸し、常温で10分間展開させ、スポットの移動を観察した。
その結果、0.1MHEPES、MgCl20mMの緩衝液を用いたサンプル(サンプル1〜3)では、いずれも、5時間放置した後にスポットした場合でも、約80%が標品(サンプル6、サンプル7)のスポットと同じ位置にあり、スポットの移動が殆ど見られなかった。従って、これらの緩衝液中では、SYBRGreen Iの構造変化はあまりなかったと考えられる。
それに対し、サンプル4では、SYBRGreen Iを緩衝液で希釈してから15分常温で放置した後にスポットした場合でも、スポットのほぼ全てが標品(サンプル6、サンプル7)と違う位置に移動していた。また、サンプル5でも、希釈してから2時間常温で放置した後にスポットした場合、スポットのほぼ全てが標品(サンプル6、サンプル7)と違う位置に移動していた。従って、これらの緩衝液中では、SYBRGreen Iの構造変化がかなり進行したと考えられる。
以上の結果は、0.1MHEPES、MgCl20mMの緩衝液が、SYBRGreen Iの構造安定性の保持に最も適していることを示している。即ち、0.1MHEPES、MgCl20mMの緩衝液を用いることにより、SYBRGreen Iの構造を長時間安定的に保持することができ、SYBRGreen Iの二本鎖核酸に対する結合特性の変化を抑制することができると考えられる。
また、サンプル1〜3を比較した場合、用いた緩衝液が、pH6.8の場合でも、pH7.1、pH7.4の緩衝液と同様に、スポットの移動は殆どなかった。即ち、塩を含むHEPES緩衝液を用いることにより、SYBRGreen Iの推奨範囲(pH7.5〜8.0)以下であるpH6.8条件下においても、充分に、SYBRGreen Iの構造安定性を保持できることが分かった。
一般に、緩衝液のpHは一般に温度上昇に伴い低下する。発明者が温度変化によるHEPES緩衝液のpH変化を検証したところ、常温(25℃)でpH7.7の場合55℃でpH7.4に、常温(25℃)でpH7.1の場合55℃でpH6.8に、それぞれ低下した(図5参照)。従って、少なくとも常温でpH7.1以上に調整した塩を含むHEPES緩衝液を用いることにより、例えば、緩衝液の温度をアニーリングなどに好適な温度に調節した場合でも、緩衝液中のインターカレーターの構造を安定的に保持することができることを示唆する。
実施例2では、緩衝液の温度とpHの関係について、検証を行った。
常温(25℃)で、pHが6.8、7.1、7.4、7.7のHEPES緩衝液と、TE緩衝液(pH7.5)を準備し、35℃、45℃、55℃、65℃の各温度における各緩衝液のpHを測定した。結果を図5に示す。
図5に示すとおり、TE緩衝液では、温度変化に伴い、pHも大きく変化した。それに対し、HEPES緩衝液は、温度が上昇しても、pHの変化は少なかった。
インターカレーターは、微細な条件変化でも、二本鎖核酸に対する結合特性・蛍光量が損なわれる場合がある。上記の実験結果は、温度変化を伴う条件を付加した場合にも、HEPES緩衝液を用いることにより、pHの変化を少なく抑えることができることを示している。従って、例えば、緩衝液が25℃で、pH6.8の酸性域を示している条件下において、充分な結合特性・蛍光量を持つインターカレーターは、温度変化を伴う条件を付加した場合にも、pHの変化に伴うインターカレーターの機能劣化・変性を防止でき、二本鎖核酸に対する結合特性・蛍光量を保持できることを示唆している。
実施例3では、インターカレーターと一本鎖核酸との結合と、インターカレーターと二本鎖核酸との結合と、の結合比を大きくすることができる緩衝液について、検証を行った。実験手順は以下のとおりである。
まず、表2に示す緩衝液を準備した。
Figure 0003916086
次に、各緩衝液でSYBRGreen−1を10000倍希釈し、30merの一本鎖又は二本鎖核酸を100nM加え、室温で10分又は30分放置した後、蛍光測定を行った。室温で10分間放置したものの蛍光測定の結果を表3に、30分放置したものの蛍光測定の結果を表4に示す。
Figure 0003916086
Figure 0003916086
表3、表4に示すとおり、0.1MHEPES、MgCl20mMの緩衝液(サンプル1)を用いると、一本鎖核酸に対する蛍光と二本鎖核酸に対する蛍光の蛍光比を、他の緩衝液(サンプル2〜4)と比較して、大きくすることができた。二本鎖核酸に対する蛍光値自体も、他の緩衝液(サンプル2〜4)と比較して、大きくすることができた。
このことは、まず、0.1MHEPES、MgCl20mMの緩衝液を用いることにより、ハイブリダイゼーションを検出する際の、測定精度を向上できることを示している。即ち、一本鎖核酸に対する蛍光と二本鎖核酸に対する蛍光の蛍光比(即ち、インターカレーターと一本鎖核酸との結合と、インターカレーターと二本鎖核酸との結合と、の結合比)を大きくすることができたため、ハイブリダイゼーションした二本鎖核酸を、より高い精度で検出することが可能になる。
また、0.1MHEPES、MgCl20mMの緩衝液を用いることにより、ハイブリダイゼーションしなかった一本鎖核酸を洗浄・除去する手順を省略又は簡略化できることを示している。具体的には次の通りである。
DNAチップなどでハイブリダイゼーションを検出する場合、全ての一本鎖核酸がハイブリダイゼーションに用いられるわけではなく、ハイブリダイゼーションしなかった一本鎖核酸は、緩衝液中に残る。インターカレーターは、二本鎖核酸だけでなく、一本鎖核酸の一部とも反応するため、ハイブリダイゼーションしなかった一本鎖核酸の存在は、ハイブリダイゼーションした二本鎖核酸の検出の際のノイズとなる。そのため、一本鎖核酸を洗浄・除去する工程が必要であった。
それに対し、本実験では、0.1MHEPES、MgCl20mMの緩衝液を用いることにより、インターカレーターと一本鎖核酸との結合と、インターカレーターと二本鎖核酸との結合と、の結合比を大きくすることが可能となったため、一本鎖核酸が反応領域中に混在していても、ハイブリダイゼーションした二本鎖核酸を検出することができる。従って、例えば、標的物質である一本鎖核酸とインターカレーターを同時に緩衝液中に滴下・注入などした場合でも、ハイブリダイゼーションを検出することができるため、ハイブリダイゼーションしなかった一本鎖核酸を洗浄・除去する手順を省略又は簡略化できる。
次に、表3と表4を比較すると、0.1MHEPES、MgCl20mMの緩衝液(サンプル1)を用いた場合は、室温で30分間放置しても二本鎖核酸に対する蛍光値は、殆ど減少しなかったが、他の緩衝液(サンプル2、4)では、蛍光値が1000以上低下した。
このことは、0.1MHEPES、MgCl20mMの緩衝液を用いることにより、インターカレーターと二本鎖核酸との結合を長時間減少させないまま維持できることを示している。
従って、インターカレーターを緩衝液中に滴下・注入などしてからハイブリダイゼーションを検出するまでの経過時間の差異による結合量の減少や、サンプルごとの結合量の差異を減らすことができる。また、インターカレーターを反応領域内に入れてからハイブリダイゼーションの検出までに一定時間が経過した場合でも、安定的にハイブリダイゼーションを検出することが可能となる。
実施例4では、高温条件を付加した場合にもインターカレーターの安定性を保持できる緩衝液について、検証を行った。実験手順は以下のとおりである。
まず、表5に示す緩衝液を準備した。
Figure 0003916086
次に、各緩衝液でSYBRGreen Iを10000倍希釈し、30merの一本鎖又は二本鎖核酸を100nM加え、95℃で5分、10分、15分の条件を付加し、冷却して室温に戻し、蛍光測定を行った。95℃、5分の条件を付加したものの蛍光測定の結果を表6に、95℃、10分の条件を付加したものの蛍光測定の結果を表7に、95℃、15分の条件を付加したものの蛍光測定の結果を表8に示す。
Figure 0003916086
Figure 0003916086
Figure 0003916086
表6、表7、表8に示すとおり、0.1MHEPES、MgCl20mMの緩衝液(サンプル1)を用いた場合、高温条件を付加しても、一本鎖核酸に対する蛍光と二本鎖核酸に対する蛍光の蛍光比が約1:10であり、充分大きな蛍光比を得ることができた。二本鎖核酸に対する蛍光値自体も、高温条件を付加しても7000以上であり、他の緩衝液(サンプル2〜4)と比較して、高い値を維持した。
このことは、0.1MHEPES、MgCl20mMの緩衝液(サンプル1)を用いることにより、高温条件を付加した場合にもインターカレーターの安定性を保持できることを示している。従って、例えば、緩衝液中にインターカレーターを滴下・注入などした後に、緩衝液の温度を調節した場合にも、インターカレーターの二本鎖核酸に対する結合特性や結合量を保持できる。
実施例5は、HEPES緩衝液中に塩を含有させることにより、反応領域内の正に帯電した固相表面に対する核酸分子の非特異的吸着を防止できることを示した実験である。実験手順は、以下のとおりである。
まず、0.1MHEPES、MgCl20mM、pH7.1のHEPES緩衝液を調製した。また、Au表面上をアビジンで被覆した水晶振動子を用意した。アビジンは、和光純薬工業株式会社製(製品名「アビジン」)のものを用いた(以下同じ)。Au表面上へのアビジンの被覆は、本実験に用いた生体分子間相互作用定量QCM装置「AFFINIX Q」(型式「QCM2000」、水晶発振方式、発振周波数27mHz、株式会社イニシアム製、以下「QCM装置」とする、以下同じ)のプロトコルに記載された方法に従って行った。
次に、QCM装置の反応槽に各緩衝液と30nMの30merオリゴヌクレオチドを入れ、その中に、前記水晶振動子を浸した。そして、水晶振動子の振動数の変化(デルタF、単位Hz)を測定することにより、水晶振動子上のアビジン層に吸着した30merオリゴヌクレオチドの吸着量を求めた。なお、30merオリゴヌクレオチドは、エスペックオリゴサービス株式会社が受託合成したものを用いた。結果を表9に示す。
Figure 0003916086
例えば、アビジン−ビオチン結合によって検出用核酸を基板上の反応領域内に固定する場合、反応領域内に正に帯電した固相表面(アビジン層)を設ける。一方、検出用核酸とハイブリダイゼーションする標的核酸は負電荷を持つ物質であるため、正に帯電した固相表面と非特異的に吸着する。
それに対し、本実験では、表9に示すとおり、塩を含有するHEPES緩衝液を用いることにより、正に帯電する固相表面に対する標的核酸の非特異的付着を防止できることが分かった。
標的核酸の固相表面への非特異的吸着を防止することにより、非特異的に吸着した標的核酸を洗浄・除去する手順を省くことができるため、ハイブリダイゼーションを検出する際の手順を簡略化することができる。また、標的核酸の固相表面への非特異的吸着を防止できるため、ノイズの発生を抑えることができ、ハイブリダイゼーションの検出精度を向上させることもできる。
実施例6は、HEPES緩衝液中の塩濃度を調整することにより、インターカレーターの非特異的吸着を防止できることを示した実験である。実験手順は以下のとおりである。
まず、0.1MHEPES、MgCl20mM、pH7.1のHEPES緩衝液を調製した。また、実施例4と同様、Au表面上をアビジンで被覆した水晶振動子を用意した。
次に、QCM装置の各反応槽に、前記緩衝液とSYBRGreen I(インターカレーター)を入れ、その中に、前記水晶振動子を浸した。そして、水晶振動子の振動数の変化(デルタF、単位Hz)を測定し、水晶振動子上のアビジン層に吸着したSYBRGreen Iの吸着量を求めた。なお、SYBRGreen Iは、プロトコル推奨の希釈液を、さらに10000倍希釈したものを用いた。結果を表10に示す。
Figure 0003916086
その結果、表10に示すとおり、塩を含有するHEPES緩衝液中では、アビジン層へのSYBRGreen Iの吸着はほとんど見られなかった。従って、アビジン層のように正に帯電した固層表面であっても、緩衝液中の塩濃度を調整することにより、標的核酸だけでなく、正に帯電する固相表面へのインターカレーターの非特異的吸着をも防止できることが、本実験より明らかになった。
また、このことは、インターカレーターを用いたハイブリダイゼーションの定量化が可能であることをも示している。緩衝液中の塩濃度を調製することにより、インターカレーターの固相表面への非特異的吸着を防止できるため、非特異的吸着に基づくシグナル(ノイズ)は発生しない。従って、ハイブリダイゼーションに基づくシグナルのみを検出できるため、測定精度を向上することができるほか、シグナル強度により、ハイブリダイゼーションの定量的な検出をも可能になると考える。なお、インターカレーターがハイブリダイゼーションしなかった一本鎖核酸の一部と反応することについても、バックグラウンドを差し引くことで、調節が可能であるため、ハイブリダイゼーションの定量的な検出は可能である。
本発明に係る方法により、インターカレーターの結合特性を長時間保持することができ、また、ハイブリダイゼーションの検出精度を向上することができるため、DNAチップなどバイオアッセイ用基板の分野において、有用な技術である。また、ハイブリダイゼーション検出の際の洗浄工程を簡略化できる点で、汎用性が高く、利用価値が高いと考えられる。さらに、本発明方法により、ハイブリダイゼーション検出などの際の、バックグラウンドノイズを低減できる有利性がある。
本発明に係る相互作用検出部は、DNAチップなどバイオアッセイ用基板に有用な技術である。本発明に係るDNAチップなどバイオアッセイ用基板及び相互作用検出装置は、ハイブリダイゼーションなど相互作用の検出に有用である。その他、上記の方法に用いる試薬をキット化することにより、試薬調製の手順を簡略化できる。従って、本発明は、産業上有用であると考える。
本発明に係る発明を実施できる相互作用検出部(1)の好適な実施形態の一例を示す図(断面図)である。 本発明に係る相互作用検出方法(ハイブリダイゼーション検出方法を含む。)の一例を示す図である。 本発明に係るバイオアッセイ用基板Lの一例を示す図である。 本発明に係る相互作用検出装置の構成の一例を示す図である。 緩衝液の温度とpHの関係を示す図である。
符号の説明
1 相互作用検出部
2 励起光照射手段
3 蛍光検出手段
4 加温手段
5 温度調節手段
7 制御部
D 検出用核酸
I インターカレーター
L バイオアッセイ用基板
M 媒質
P 蛍光励起光
R 反応領域
S 塩を含むHEPES緩衝液
T 標的核酸
U 相互作用検出装置(含、ハイブリダイゼーション検出装置)

Claims (5)

  1. 検出用核酸と標的核酸との間におけるハイブリダイゼーションの検出を、二本鎖に特異的に結合して蛍光を発するインターカレーターを用いて行う方法であって、
    前記インターカレーターは、負電荷を有するSYBRGreenであり、
    前記ハイブリダイゼーションの場を提供し、正に帯電した固相表面が設けられた反応領域内に、所定濃度のMgCl を含むHEPES緩衝液を貯留又は保持させ、前記SYBRGreenの構造を安定化させた状態とするとともに、前記反応領域に存在する一本鎖に結合した前記SYBRGreen由来の蛍光に対する二本鎖に結合した前記SYBRGreen由来の蛍光がより大きくなる状態でハイブリダイゼーションを進行させた後に、前記反応領域の洗浄を行なうことなく、ハイブリダイゼーション検出を行うことを特徴とするハイブリダイゼーション検出方法。
  2. 前記塩を含むHEPES緩衝液の塩濃度が、略20mMに調整されていることを特徴とする請求項1記載のハイブリダイゼーション検出方法。
  3. 前記塩を含むHEPES緩衝液とインターカレーターとが貯留又は保持された前記反応領域内の温度を、前記ハイブリダイゼーションに適した温度に調節する手順を含むことを特徴とする請求項1記載のハイブリダイゼーション検出方法。
  4. 前記塩を含むHEPES緩衝液のpHが7.0以下であることを特徴とする請求項1記載のハイブリダイゼーション検出方法。
  5. 前記インターカレーターを、次の(1)〜(3)のいずれかの段階で前記反応領域内に入れることを特徴とする請求項1記載のハイブリダイゼーション検出方法。
    (1)前記反応領域内の前記塩を含むHEPES緩衝液へ前記標的核酸を添加する前段階。
    (2)前記反応領域内の前記塩を含むHEPES緩衝液へ前記標的核酸を添加する段階。
    (3)前記ハイブリダイゼーションが進行している段階。
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