JP3915308B2 - 積層コア用鋼板 - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、オルタネータやスタータモータなどの高周波で駆動する自動車用電装品に好適な積層コア材料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カーエレクトロニクスの発展により、自動車にはワイパー用、窓開閉用、ミラー駆動用などの各種のモータが多量に搭載されている。近年、自動車一台当たりのモータの数は増大しており、車体重量の増加による燃費への影響も無視できない状況にある。このため地球環境保護の観点から、自動車搭載用のモータを小型・軽量化、高出力化、高効率化する要求が高まっている。こうした電装品の中でも、燃費改善対策として、充電系のオルタネータと始動系のスタータモータの高性能化が強く望まれている。
【0003】
例えば、オルタネータの場合、駆動周波数はアイドリング時には100〜200Hz程度であるが、30〜40km/hの走行時には300〜500Hz、高速では1k〜3kHzに達することから、優れた高周波特性が要求される。また、ロータとステータはそれぞれ別工程でコア形状に加工され、特に、ステータコアは巻き積層(ヘリカル又はトロイダル)方式による曲げ加工が適用されることが多く、このように曲げ加工が適用される用途では素材鋼板に適切な降伏強度が必要とされる。この必要とされる降伏強度は160〜250MPaの範囲であると云われている。
【0004】
また、スタータモータは打ち抜きによる自動かしめで部品加工されることが多く、駆動周波数は常用で500Hz程度であるが、小型・軽量化のためにさらに高周波化する傾向にある。
従来、こうした自動車用電装品のコア材料には、コストや加工性の観点から板厚0.8mm〜1.0mmの冷延鋼板が用いられており、また、最近ではコア損失を低減する目的から板厚0.5mm、0.6mmの薄物冷延鋼板も使用されている。また、これらの鋼板は表面処理や絶縁被膜処理を施すことなく、打ち抜き加工後に直接積層してコア部品として使用されている。
【0005】
自動車用電装品用の鋼板に関しては、特開平08−295935号において、板厚0.8〜1.0mmの厚手無方向性電磁鋼板の製造方法が提案されている。しかし、この技術は板厚が0.8mm以上の鋼板を前提としたものであり、このため50Hzでの鉄損は改善されるが、板厚が厚いために渦電流損失の増大が避けられず、高周波特性については不適格である。
一方、特開平08−337824号には、積層用の冷延鋼板に関する技術が提案されている。この技術は、積層時の鉄損が増加しない冷延鋼板の製造方法に関するもので、連続焼鈍する際に鋼板表面に酸化膜を付着させることで渦電流を抑制するというものであるが、酸化膜厚と磁気特性との関係については全く開示されていない。
【0006】
【発明の解決しようとする課題】
したがって、以上述べたような従来技術では、オルタネータやスタータモータなどの高周波化が進む自動車用高性能電装品の要求性能には十分に対応できず、現状ではコアに積層した状態での高周波特性については全く知見がないのが実情である。
本発明はこのような事情に鑑みなされたもので、その目的は、オルタネータやスタータモータに代表される積層コアに適用される磁気特性に優れた積層コア用鋼板を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、オルタネータやスタータモータなどの積層コア用鋼板について、積層後のコア損失を低減する手法について詳細な検討を行い、その結果、鋼板の表面粗さを特定の範囲に厳密に制御し、さらにSi量、Al量などの鋼板の化学成分を適正化することで積層後のコア損失が飛躍的に低減することを知見した。
本発明はこのような知見に基づきなされたもので、その特徴とする構成は以下の通りである。
【0008】
[1] 鋼板表面への絶縁被膜塗布又は表面処理を行うことなく積層コアに用いられる積層コア用鋼板であって、C:0.04wt%以下、Si:4.0wt%以下、Mn:0.05〜1.0wt%、P:0.2wt%以下、S:0.02wt%以下、N:0.005wt%以下、Sol.Al:1.0wt%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、表面粗さRaが0.6〜4.0μmであることを特徴とする積層コア用鋼板。
【0009】
[2] 鋼板表面への絶縁被膜塗布又は表面処理を行うことなく積層コアに用いられる積層コア用鋼板であって、C:0.04wt%以下、Si:4.0wt%以下、Mn:0.05〜1.0wt%、P:0.2wt%以下、S:0.02wt%以下、N:0.005wt%以下、Sol.Al:0.005wt%以下又は0.1〜1.0wt%を含有するとともに、Si+Sol.Al:0.07wt%以上を満足し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、表面粗さRaが0.6〜4.0μmであることを特徴とする積層コア用鋼板。
【0010】
[3] 鋼板表面への絶縁被膜塗布又は表面処理を行うことなく積層コアに用いられる積層コア用鋼板であって、C:0.04wt%以下、Si:4.0wt%以下、Mn:1.0wt%以下、P:0.2wt%以下、S:0.0009wt%以下、N:0.005wt%以下、Sol.Al:0.005wt%以下又は0.1〜1.0wt%を含有するとともに、Si+Sol.Al:0.07wt%以上を満足し、さらにSb及びSnの1種又は2種をSb+Sn/2:0.002〜0.02wt%の範囲で含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、表面粗さRaが0.6〜4.0μmであることを特徴とする積層コア用鋼板。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明者らは、まず、積層後のコア損失に及ぼす鋼板の表面粗さの影響について調査した。試験材として、鋼種A(C:0.022wt%、Si:0.12wt%、Mn:0.25wt%、P:0.05wt%、S:0.007wt%、Sol.Al:0.0002wt%、N:0.0018wt%)と鋼種B(C:0.038wt%、Si:0.01wt%、Mn:0.18wt%、P:0.015wt%、S:0.015wt%、Sol.Al:0.024wt%、N:0.0017wt%)をラボ溶解し、熱間圧延、冷間圧延を経て板厚0.5mmの鋼板とした。次いで、この鋼板に840℃×50secの連続焼鈍を施し、さらに調圧率1.0%の調質圧延を施した後、以下に示すような磁気特性の評価を行った。なお、鋼板の表面粗さは、冷間圧延と調質圧延のロール粗度を変化させてRaで0.15〜4.6μmの範囲で調整した。
【0012】
オルタネータやスタータモータなどの積層コアにおいて問題となる、鋼板表面の直接接触による積層コアの損失を算定するために、以下のような磁気特性の測定を行った。
上記試験材から外径100mmφ−内径70mmφのリング状サンプルを打ち抜き加工により作成し、10枚重ねで直接コア積層した後、コアの表裏面から均一に圧力を加えながら磁気特性の測定を行った。この際、積層時の加圧力を変化させて測定し、コア損失の増加量から鋼板間の接触により生じる渦電流の大きさを評価した。なお、積層加圧力は、実部品加工を想定して最大12kgf/cm2とした。また、ここでは、オルタネータやスタータモータの代表的な高周波域の励磁条件として、磁束密度0.5T、周波数2kHzでのコア損失(W5/2000)を中心に検討を行った。
【0013】
図1(鋼種A)と図2(鋼種B)は、コア損失(W5/2000)と12kgf/cm2までの積層加圧力との関係を示している。これらによれば、いずれも積層加圧力の増大とともにコア損失は増大している。これは、鋼板同志の接触による渦電流の増加が反映されたものと考えられる。また、鋼種AのRa:0.97μm材はRa:0.18μm材に比べて初期(積層加圧力:0)のコア損失はほぼ同等であるが、加圧力の増加によるコア損失の増加の度合いは少ないことが判る。また、鋼種Bの場合も、Ra:1.20μm材はRa:0.19μm材に比べて初期(積層加圧力:0)のコア損失はほぼ同等であるが、加圧力の増加によるコア損失の増加の度合いは少ないことが判る。以上の結果から、いずれの鋼種においても、表面粗さRaの大きい鋼板は加圧によるコア損失の増大が抑制できることが判明した。
【0014】
図3は、鋼種Aに関して、上記の評価方法による積層加圧力12kgf/cm2でのコア損失(W5/2000)と鋼板の表面粗さRaとの関係を示している。同図によれば、表面粗さRaが0.6μm以上になると積層加圧時のコア損失は低下し、また、表面粗さRaが4.0μmを超えるとコア損失は再び増加し始める。このように鋼板の表面粗さがある程度大きい方が積層後のコア損失が低くなるのは、鋼板表面の凹凸が小さい場合には加圧による鋼板表面での接触面積が増大し、高周波域では渦電流損失が著しく増大するのに対し、鋼板表面の凹凸が比較的大きい場合にはこのような原因による高周波域での渦電流損失が少ないためであると考えられる。一方、鋼板表面の凹凸が大きな場合にはコア損失はやや増大する傾向も認められるが、積層加工時のコア部品自体の占積率の低下が問題になるので、表面粗さRaの上限は4.0μmとすべきである。
【0015】
以上の結果から、本発明では高周波で励磁されるオルタネータやスタータモータなどの積層後のコア損失を低減するために、鋼板の表面粗さRaを0.6μm〜4.0μm、好ましくは0.8〜3.0μmと規定する。ここで、本発明において鋼板の表面粗さは2次元測定値であり、鋼板のL方向及びC方向と鋼板表裏面の平均値である。
【0016】
次に、鋼板の化学成分について説明する。
オルタネータやスタータモータなどの積層コア用鋼板として優れた磁気特性を確保するため、Si及びAl量は、Si:4.0wt%以下(但し、無添加の場合を含む)、Sol.Al:1.0wt%以下(但し、無添加の場合を含む)とする。Siが4.0wt%を超えると磁束密度の低下を招き、また、鋼板硬度が高くなるために部品加工性が著しく劣化する。また、Sol.Alが1.0wt%を超えると焼鈍時に鋼板表層が著しく窒化し、鉄損の増大を招く。Si、Alは単独添加、複合添加のいずれでも構わない。
【0017】
また、Alは鋼中ではAlN系窒化物、Al2O3系酸化物、Al2O3−MnO−SiO2系複合酸化物及び固溶Alの形態で存在することから、Alを積極添加しない場合には、微細AlNによる焼鈍時の粒成長性の劣化防止のためにSol.Alは0.005wt%以下(但し、無添加の場合を含む)とすることが好ましく、一方、Alを積極添加する場合には、熱間圧延でのAlNの微細析出防止のためにSol.Alは0.1〜1.0wt%の範囲とすることが好ましい。
【0018】
次に、Si+Sol.Al量の影響について調査した結果を示す。
C:0.003wt%、Si:0.01〜3.0wt%、Mn:0.3wt%、P:0.05wt%、S:0.01wt%、Sol.Al:0.0002〜0.3wt%、N:0.002wt%を含む鋼をラボ溶解し、熱間圧延、冷間圧延を経て板厚0.5mmの鋼板とした。次いで、この鋼板に800℃〜880℃×50secの連続焼鈍を施し、さらに調圧率1.0%の調質圧延を施した後、以下に示すような磁気特性の評価を行った。なお、鋼板の表面粗さRaは0.8〜1.2μm、0.15〜0.25μmの2水準とした。
【0019】
図4は、積層加圧力12kgf/cm2におけるコア損失(W5/2000)とSi+Sol.Al量との関係を示している。同図によれば、Si+Sol.Al量が0.07wt%以上になると鉄損が著しく低下し、Si+Sol.Al量が増大するにしたがってコア損失はさらに低減する。また、Si+Sol.Al量に拘りなく、表面粗さRaが0.8〜1.2μmの鋼板は、表面粗さRaが0.15〜0.25μmの鋼板に比べてコア損失はさらに低減している。一方、Si+Sol.Al量が1.5wt%を超えるとYPが250MPaを超えるので、ステータの加工方法がヘリカル(又はトロイダル)方式の場合には加工制約が生じることがある。しかし、ヘリカル(又はトロイダル)方式以外の加工、すなわち、打ち抜き積層−かしめ方式、打ち抜き積層−溶接方式、分割コア方式などでは、YPの制約はなくなるので問題はない。
以上の結果から、Si+Sol.Al量は0.07wt%以上、好ましくは0.1wt%以上、より好ましくは0.2wt%以上とすることが望ましい。
【0020】
Sは、一般にその含有量が多いとMnSの析出量が多くなり、コア損失を増大させる。このためS量は0.02wt%以下(但し、無添加の場合を含む)とする。
さらに、Sが著しく低い領域について、S量の影響をより詳細に検討した。
C:0.003wt%、Si:0.15wt%、Mn:0.35wt%、P:0.07wt%、Sol.Al:0.15wt%、N:0.002wt%、Sb:tr.及びSb:80ppmを含む鋼をベースとし、S量を3ppm、6ppm、9ppm、12ppm、15ppm、30ppmに調整した鋼をラボ溶解し、熱間圧延、冷間圧延を経て板厚0.5mmの鋼板とした。次いで、この鋼板に850℃×50secの連続焼鈍を施した後、調圧率1.0%の調質圧延を施した。このようにして得られた各鋼板コイルからリング状サンプルを採取し、以下に示すようにして積層加圧時のコア損失を測定した。なお、鋼板の表面粗さは、Ra:0.15〜0.25μmとRa:0.9〜1.2μmの2水準とした。
【0021】
図5は、S量と積層加圧力12kgf/cm2におけるコア損失(W5/2000)との関係を示している。同図によれば、S量が9ppm以下になると積層加圧時のコア損失は全体的に低下するが、Sb添加鋼ではこれが著しい。この原因を調査するために、光学顕微鏡による鋼板断面の組織観察を行った。これによればSbの有無に拘りなくS量の低下とともにフェライト粒径は粗大化しているが、Sb無添鋼(Sb:tr.)では表層部に微細粒組織が認められ、一方、Sb添加鋼(Sb:80ppm)ではそのような微細粒組織は認められなかった。これは、S量が9ppm以下になると焼鈍時に著しく窒化しやすくなるため、鋼板表層部に微細なAlNが析出する傾向があるが、Sbは鋼板表層部に偏析し易い元素であるため、Sb添加鋼の場合には鋼板表層部に偏析したSbが焼鈍時の窒素吸着を抑制して鋼板の窒化を防止し、この結果、鋼板表層部での微細粒組織の生成が抑えられるものと推定される。同様の現象は、Sn添加鋼の場合にも認められた。
【0022】
以上の結果に基づいてさらに詳細な実験と検討を行った結果、Sb及びSnの1種又は2種をSb+Sn/2として0.002wt%以上添加することにより、上記のような窒化防止効果が得られることが判った。一方、Sb、Snの過剰な添加は粒界偏析による粒成長性劣化招くため、Sb+Sn/2は0.02wt%以下とすることが好ましい。
以上の理由から、オルタネータやスタータモータなどのコア損失をさらに低減するためには、S:0.0009wt%以下(但し、無添加の場合を含む)とし、Sb、Snの1種又は2種をSb+Sn/2で0.002〜0.02wt%添加することが好ましい。
【0023】
その他の成分の限定理由について説明する。
Cは、磁気特性を劣化させる元素であるため、0.04wt%以下(但し、無添加の場合を含む)とする。
Mnは、SをMnSとして固定することで熱間圧延時の赤熱脆性を防止するために0.05wt%以上必要であるが、1.0wt%を超えると磁束密度を低下させるため、0.05〜1.0wt%とする。一方、Sが0.0009wt%以下の場合には、MnSは問題ないレベルとなるので下限量の制約はなく、Mnは1.0wt%以下(但し、無添加の場合を含む)とすればよい。
【0024】
Pは、鋼板の打ち抜き性を改善するために必要な元素であるが、0.2wt%を超えて添加すると鋼板が脆化するため、0.2wt%以下(但し、無添加の場合を含む)とする。
Nは、その含有量が多いとAlNの析出量が多くなってコア損失を増大させるため、0.005wt%以下(但し、無添加の場合を含む)とする。
本発明の鋼板は上記成分の他、残部がFeと不可避的不純物とからなる。
【0025】
本発明の鋼板は、その表面粗さRaと化学成分が所定の範囲内であれば、製造法自体に特別な制約はなく、通常の方法で製造することができる。すなわち、転炉で吹練した溶鋼を脱ガス処理して所定の成分に調整し、引き続き鋳造、熱間圧延を行う。熱間圧延時の仕上温度、巻取り温度は特に規制する必要はなく、通常の条件でよい。また、熱間圧延後の熱延板焼鈍は行ってもよいが必須ではない。次いで、一回の冷間圧延若しくは中間焼鈍を挟んだ2回以上の冷間圧延により所定の板厚とした後、連続焼鈍又はバッチ焼鈍を施し、その後必要に応じて調質圧延を行う。
【0026】
また、鋼板の表面粗さRaの制御は、例えば、冷間圧延又は調質圧延のロールの粗度を調整することで行うことができる。
本発明は、磁気特性に優れたオルタネータやスタータモータなどの積層コア用鋼板を対象としているため、鋼板の板厚は0.6mm以下が好ましい。また、鋼板表面への絶縁被膜塗布や特殊な表面処理は行わない。
【0027】
【実施例】
転炉で吹練した後に脱ガス処理を行うことにより所定の成分に調整した表1に示す鋼をスラブに鋳造し、このスラブを加熱した後、板厚2.0mmまで熱間圧延した。この熱延板を酸洗後、板厚0.5mmまで冷間圧延し、次いで表1に示す焼鈍条件で仕上焼鈍した後、種々の粗度を有するロールを用いて調圧率1.0%の調質圧延を行った。このようにして得られた各鋼板コイルから、外径100mmφ−内径70mmφのリング状試験片を打ち抜き、10枚重ねにして積層加圧時のコア損失を測定した。また、鋼板表裏面のL方向とC方向の2次元表面粗さRaを測定し、それらの平均値をもって鋼板の表面粗さRaとした。測定されたコア損失(W5/2000)を仕上焼鈍条件及び鋼板の表面粗さRaとともに表1に示す。
【0028】
表1によれば、鋼板の化学成分と表面粗さRaが本発明条件を満足する場合にのみ、優れた高周波磁気特性が得られることが判る。
【表1】
【0029】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、オルタネータやスタータモータなどのコアに積層した状態での高周波特性が極めて優れた積層コア用鋼板を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】表面粗さRaが異なる鋼板について、コア積層時の加圧力とコア損失(W5/2000)との関係を示すグラフ
【図2】表面粗さRaが異なる鋼板について、コア積層時の加圧力とコア損失(W5/2000)との関係を示すグラフ
【図3】鋼板の表面粗さRaと積層加圧力12kgf/mm2でのコア損失(W5/2000)との関係を示すグラフ
【図4】表面粗さRaが異なる鋼板について、Si+Sol.Al量と積層加圧力12kgf/mm2でのコア損失(W5/2000)との関係を示すグラフ
【図5】Sb添加鋼とSb無添加鋼からなる表面粗さRaが異なる鋼板について、S量と積層加圧力12kgf/mm2でのコア損失(W5/2000)との関係を示すグラフ
Claims (3)
- 鋼板表面への絶縁被膜塗布又は表面処理を行うことなく積層コアに用いられる積層コア用鋼板であって、C:0.04wt%以下、Si:4.0wt%以下、Mn:0.05〜1.0wt%、P:0.2wt%以下、S:0.02wt%以下、N:0.005wt%以下、Sol.Al:1.0wt%以下を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、表面粗さRaが0.6〜4.0μmであることを特徴とする積層コア用鋼板。
- 鋼板表面への絶縁被膜塗布又は表面処理を行うことなく積層コアに用いられる積層コア用鋼板であって、C:0.04wt%以下、Si:4.0wt%以下、Mn:0.05〜1.0wt%、P:0.2wt%以下、S:0.02wt%以下、N:0.005wt%以下、Sol.Al:0.005wt%以下又は0.1〜1.0wt%を含有するとともに、Si+Sol.Al:0.07wt%以上を満足し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、表面粗さRaが0.6〜4.0μmであることを特徴とする積層コア用鋼板。
- 鋼板表面への絶縁被膜塗布又は表面処理を行うことなく積層コアに用いられる積層コア用鋼板であって、C:0.04wt%以下、Si:4.0wt%以下、Mn:1.0wt%以下、P:0.2wt%以下、S:0.0009wt%以下、N:0.005wt%以下、Sol.Al:0.005wt%以下又は0.1〜1.0wt%を含有するとともに、Si+Sol.Al:0.07wt%以上を満足し、さらにSb及びSnの1種又は2種をSb+Sn/2:0.002〜0.02wt%の範囲で含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、表面粗さRaが0.6〜4.0μmであることを特徴とする積層コア用鋼板。
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