JP3915036B2 - 橋梁用伸縮継手の設置構造 - Google Patents
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Description
に設計された大遊間用の橋梁用伸縮継手の設置構造に関するものである。
この発明は、対向する上部構造と上部構造相互間、又は上部構造と橋台相互間にできる遊間上域を覆うべく橋梁用伸縮継手を設置する構造であって、橋梁用伸縮継手は中央部とこれの橋軸方向両側に延設された端部とからなり、前記中央部に配置された鋼材が、遊間内部に張り出す一対の載置台相互間に平面視で掛け渡され、前記端部に設けた固定鋼板と接着されている剪断変形部の下面域において、前記鋼板と床板或いは載置台がボルト止め又接着一体化されている。
(請求項2記載の発明)
この発明は、対向する上部構造と上部構造相互間、又は上部構造と橋台相互間にできる遊間上域を覆うべく橋梁用伸縮継手を設置する構造であって、橋梁用伸縮継手は中央部とこれの橋軸方向両側に延設された端部とからなり、前記中央部に配置された鋼材が、遊間内部に張り出す一対の載置台相互間に平面視で掛け渡され、橋軸方向中央部を基準として二個の剪断変形部が対称に配されており、各剪断変形部の底部分を、これの近傍に位置する載置台又は/及び当該載置台と一体の床板に接着一体化してある。
(請求項3記載の発明)
この発明は、対向する上部構造と上部構造相互間、又は上部構造と橋台相互間にできる遊間上域を覆うべく橋梁用伸縮継手を設置する構造であって、橋梁用伸縮継手は中央部とこれの橋軸方向両側に延設された端部とからなり、前記中央部に配置された鋼材が、遊間内部に張り出す一対の載置台相互間に平面視で掛け渡され、橋軸方向中央部を基準として二個を一組とした剪断変形部が対称に配されており、各組の外側の剪断変形部の底部分を、これの近傍に位置する載置台又は/及び当該載置台と一体の床板に接着一体化してある。
(請求項4記載の発明)
この発明の橋梁用伸縮継手の設置構造は、上記請求項1乃至3のいずれかに記載の発明に関し、載置台は、アンカーを介して上部構造と上部構造、又は上部構造と橋台に固定されている。
(請求項5記載の発明)
この発明の橋梁用伸縮継手の設置構造は、上記請求項1乃至4のいずれかに記載の発明に関し、対向する載置台の平面形状が、それぞれ橋軸直角方向に凸部と凹部が交互に配置されて成るものとしてあり、一方の載置台の凸部と他方の載置台の凹部とが橋軸方向に対向するようになっている。
(請求項6記載の発明)
この発明の橋梁用伸縮継手の設置構造は、上記請求項5記載の発明に関し、載置台の凸部と凹部の平面視形状が、台形歯、円弧歯、方形歯、櫛歯である。
(請求項7記載の発明)
この発明の橋梁用伸縮継手の設置構造は、上記請求項1乃至6のいずれかに記載の発明に関し、挟持板を載置台の下面側相互間に掛け渡し、バネの付勢力により載置台が中央部に配置された鋼材と挟持板で挟み込まれているものとし、これにより橋梁用伸縮継手の中央部が載置台の上面から浮き上がることを抑制している。
(この橋梁用伸縮継手Jが設置される部分、及び遊間について)
橋梁用伸縮継手Jは、図1に示すように、対向する上部構造H,Hの端部上層に形成された凹み部7,7及びこれら相互間の遊間U部分に設置される。
(この橋梁用伸縮継手Jの構成について)
この橋梁用伸縮継手Jは、図1に示すように、対向する上部構造H,H相互間にできる遊間Uの上端域を覆うべく設置されるものであって、中央部1と、前記中央部1の両端部に一体成形された端部2,2とから構成されている。なお、この橋梁用伸縮継手Jは、図1に示すように基本的にはゴム材に鋼板を埋設させた構造としてあり、全体としては厚肉の帯板状に形成されている。
(この橋梁用伸縮継手Jの設置について)
この橋梁用伸縮継手Jの設置は、図1に示すように、対向する上部構造H,Hの端部上層に形成された凹み部7,7及びこれら相互間の遊間U部分に橋梁用伸縮継手Jを嵌め込み、雄ネジ74を孔22aに挿通させた状態で当該雄ネジ74にナット75を螺入する。
(この橋梁用伸縮継手Jの設置構造の優れた効果について)
この実施例の橋梁用伸縮継手Jの設置構造では、遊間U内に張り出した載置台71,71に中央部1を架設する態様を採っているので、鋼板10を有する中央部1の橋軸方向の長さを、従来の設置構造と比較してかなり短くすることができる。
(レベル2地震動が生じた場合について)
レベル2の地震動が生じた場合、この橋梁用伸縮継手Jの設置構造では、載置台71,71相互は衝突する可能性はあるが、この場合においても載置台71,71が損傷するだけで、橋桁H1,H1が損傷するような大それた事態になる可能性は低い。
(前記構造に類似する橋梁用伸縮継手Jの設置構造について)
(1) 図2に示す橋梁用伸縮継手Jの設置構造では、図1に示すものよりも、アンカー止め部20の分だけ橋軸方向の長さを減少させるために、固定鋼板22の水平部分を厚手にすると共に前記固定鋼板22における外側の剪断変形部21の下面対応部に雌ネジ22bを形成し、他方、前記雌ネジ22bと対向する床板70部分に孔70aを形成し、孔70aを介して雌ネジ22bにボルトBを螺入するようにしている。
A.孔23を形成するための橋軸方向のゴム幅が無くなるので、橋梁用伸縮継手Jの橋軸方向の寸法を更に小さくできる。したがって、更に、製品コストが低く且つ上記施工性が向上する。
B.上記図1や図2に示すような形態の橋梁用伸縮継手Jでは、橋軸方向の圧縮時において固定鋼板22の橋軸方向の内端側を、雄ネジ74又はボルトBを支点として床板70から浮き上がらそうとする力が作用するが、図2の橋梁用伸縮継手Jは、固定鋼板22における外側の剪断変形部21の下面対応部に雌ネジ22bを形成すると共に前記雌ネジ22bと対向する床板70部分に孔70aを形成し、孔70aを介して雌ネジ22bにボルトBを螺入するようにしているから、固定鋼板22の内端からボルトBの位置までの距離が図1のものと比べて非常に短くなっている。したがって、固定鋼板22の内端側が床板70から浮き上がるのを抑制できるため、車両通過時に発生し得る固定鋼板22の浮き上がった内端側部分による床板70の叩き現象が大きく抑制される。その結果、騒音が大きく抑制される。
(2) 図3に示す橋梁用伸縮継手Jでは、床板70にアンカー板73を溶接してなり、橋梁用伸縮継手Jの端部2に位置する剪断変形部21の底部分が、床板70に接着一体化されている。この橋梁用伸縮継手Jによると、製品コストが低く且つ施工性も向上することになるのは明らかであり、また、固定鋼板22が無いので床板70を叩く現象は起こり得ない。
(3) 図4に示す橋梁用伸縮継手Jの設置構造では、基本的には図1のものと同じであるが、上部構造H,Hが接近したときに橋梁用伸縮継手Jの中央部1が浮き上がらない又は浮き上がりにくくするための浮き上がり防止手段3を設けている。前記浮き上がり防止手段3は、図4に示すように、鋼板10の中央下面に垂設された雄ネジ30と、前記雄ネジ30の下部にネジ止めされたバネ鋼製の挟持板31(板バネ)とを備えており、前記挟持板31自身のバネ力により当該挟持板31と鋼板10とにより載置台71,71を挟み込むようにしてある。したがって、対向する上部構造H,Hの端部相互が接近した際に、橋梁用伸縮継手Jの中央部分の載置台71,71からの浮き上がりは抑制されることとなるので、車両通過時における叩き音も抑制される。また、固定されていない橋梁用伸縮継手Jの中央部が車両通過時の衝撃により動く(浮き上がり含む)ことも抑制され、この際に生じる音も抑制される。
(4) 図6に示す橋梁用伸縮継手Jは、図1のものと基本的には同じ構成としてあるが、載置台71,71の平面形状が、それぞれ橋軸直角方向に凸部71aと凹部71bが交互に配置されており、一方の載置台71の凸部71aと他方の載置台71の凹部71bとが橋軸方向に対向するようになっている。
(5) 実施例1の基本形に上記(1) 〜(4) のうちの一つの構成を採ることは勿論のこと、2つ、3つ、又は全ての構成を採ることができる。
図8はこの参考形態の橋梁用伸縮継手Jの設置の構造を示す断面斜視図である。
(この橋梁用伸縮継手Jが設置される部分、及び遊間について)
橋梁用伸縮継手Jは、図8に示すように、対向する上部構造H,Hの端部上層に形成された凹み部7,7及びこれら相互間の遊間U部分に設置される。
(この橋梁用伸縮継手Jの構成について)
この橋梁用伸縮継手Jは、ほぼ全部材が鋼材により構成され、上部構造H,H相互間に掛け渡される角材状の中央部4(本件発明の鋼材に相当する)と、隣合う櫛歯5a,5aにより前記中央部4の端部を移動可能に挟み込む櫛型状に形成され且つアンカー板73で上部構造H,Hに固定された端部5とを備えて成る。なお、上記中央部4の各端部下面には滑りを良くするための樹脂製の滑動板40を取り付けてある。また、この橋梁用伸縮継手Jの設置構造においも、浮き上がり防止手段3を設けてある。
(この橋梁用伸縮継手Jの設置構造の優れた効果について)
この橋梁用伸縮継手Jの設置構造では、遊間Uに張り出した載置台71,71相互間に中央部4を載せ置く構成を採っているので、中央部4の橋軸方向の長さを、従来の設置構造と比較して載置台71の橋軸方向の長さ×2だけ短くすることができる。
(その他)
この橋梁用伸縮継手Jの設置構造においても、実施例1の欄で記載した(3)又は/及び(4) の構成を採ることができる。
〔その他の実施の形態〕
上記実施の形態は、対向する上部構造と上部構造相互間への橋梁用伸縮継手Jの設置構造であるが、これに限定されることなく、上部構造と橋台相互間への橋梁用伸縮継手Jの設置構造にもこの発明を採ることができる。
U 遊間
U1 小遊間
J 橋梁用伸縮継手
1 中央部
2 端部
10 鋼板
71 載置台
22 固定鋼板
Claims (7)
- 対向する上部構造と上部構造相互間、又は上部構造と橋台相互間にできる遊間上域を覆うべく橋梁用伸縮継手を設置する構造であって、橋梁用伸縮継手は中央部とこれの橋軸方向両側に延設された端部とからなり、前記中央部に配置された鋼材が、遊間内部に張り出す一対の載置台相互間に平面視で掛け渡され、前記端部に設けた固定鋼板と接着されている剪断変形部の下面域において、前記鋼板と床板或いは載置台がボルト止め又は接着一体化されていることを特徴とする橋梁用伸縮継手の設置構造。
- 対向する上部構造と上部構造相互間、又は上部構造と橋台相互間にできる遊間上域を覆うべく橋梁用伸縮継手を設置する構造であって、橋梁用伸縮継手は中央部とこれの橋軸方向両側に延設された端部とからなり、前記中央部に配置された鋼材が、遊間内部に張り出す一対の載置台相互間に平面視で掛け渡され、橋軸方向中央部を基準として二個の剪断変形部が対称に配されており、各剪断変形部の底部分を、これの近傍に位置する載置台又は/及び当該載置台と一体の床板に接着一体化してあることを特徴とする橋梁用伸縮継手の設置構造。
- 対向する上部構造と上部構造相互間、又は上部構造と橋台相互間にできる遊間上域を覆うべく橋梁用伸縮継手を設置する構造であって、橋梁用伸縮継手は中央部とこれの橋軸方向両側に延設された端部とからなり、前記中央部に配置された鋼材が、遊間内部に張り出す一対の載置台相互間に平面視で掛け渡され、橋軸方向中央部を基準として二個を一組とした剪断変形部が対称に配されており、各組の外側の剪断変形部の底部分を、これの近傍に位置する載置台又は/及び当該載置台と一体の床板に接着一体化してあることを特徴とする橋梁用伸縮継手の設置構造。
- 載置台は、アンカーを介して上部構造と上部構造、又は上部構造と橋台に固定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の橋梁用伸縮継手の設置構造。
- 対向する載置台の平面形状が、それぞれ橋軸直角方向に凸部と凹部が交互に配置されて成るものとしてあり、一方の載置台の凸部と他方の載置台の凹部とが橋軸方向に対向するようになっていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の橋梁用伸縮継手の設置構造。
- 載置台の凸部と凹部の平面視形状が、台形歯、円弧歯、方形歯、櫛歯であることを特徴とする請求項5記載の橋梁用伸縮継手の設置構造。
- 挟持板を載置台の下面側相互間に掛け渡し、バネの付勢力により載置台が中央部に配置された鋼材と挟持板で挟み込まれているものとし、これにより橋梁用伸縮継手の中央部が載置台の上面から浮き上がることを抑制していることを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の橋梁用伸縮継手の設置構造。
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