JP3914927B2 - ハロゲン電球用タングステンフィラメントおよびそれを用いたハロゲン電球 - Google Patents

ハロゲン電球用タングステンフィラメントおよびそれを用いたハロゲン電球 Download PDF

Info

Publication number
JP3914927B2
JP3914927B2 JP2004026438A JP2004026438A JP3914927B2 JP 3914927 B2 JP3914927 B2 JP 3914927B2 JP 2004026438 A JP2004026438 A JP 2004026438A JP 2004026438 A JP2004026438 A JP 2004026438A JP 3914927 B2 JP3914927 B2 JP 3914927B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
calcium
halogen bulb
tungsten filament
tungsten
halogen
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP2004026438A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2004146390A (ja
Inventor
幸男 掘田
彰夫 岩崎
耕一 山田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Corp
Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Panasonic Corp
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Panasonic Corp, Matsushita Electric Industrial Co Ltd filed Critical Panasonic Corp
Priority to JP2004026438A priority Critical patent/JP3914927B2/ja
Publication of JP2004146390A publication Critical patent/JP2004146390A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3914927B2 publication Critical patent/JP3914927B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Non-Portable Lighting Devices Or Systems Thereof (AREA)

Description

本発明はハロゲン電球用タングステンフィラメントおよびそれを用いたハロゲン電球に関するものである。
通常、ハロゲン電球用フィラメントは、粉末冶金方法により作成される。これは、タングステン鉱石を湿式精錬し、パラタングステン酸アンモニウム結晶を晶出させ、これを約600〜1000℃で焙焼し黄色酸化物を得る。ここで少量のアルミニウム、硅素、カリウムからなるドープ剤を酸化物の形で単独または複合で添加、還元しタングステン金属粉末とし、このタングステン金属粉末をプレス成型加工、2800℃〜2900℃で通電焼結を行い、ロール圧延または転打加工、さらに、線引加工をし、タングステン線材または棒材とした後、コイル形状としフィラメントを形成していた。
そしてこのように形成された従来のフィラメントのカルシウムの蒸発によるバブル孔の最大径は2〜5μmであった。
しかしながら、このようなフィラメントを、点灯中に2800〜3200℃の高温となる管球、特にハロゲン電球に用いた場合、ランプ点灯中の熱によって管壁黒化を生じるという問題があった。
本発明は、このような問題を解決するためになされたもので、ハロゲン電球において、点灯中に管壁黒化が生じるのを抑制することのできるハロゲン電球タングステンフィラメントおよびそれを用いたハロゲン電球を提供するものである。
上記目的を達成するために、本発明のハロゲン電球タングステンフィラメントは、タングステン金属粉末をプレス成形加工した後、2900℃を越え3200℃の範囲で通電焼結を行う工程を経ることによって、カルシウムの含有量1ppm以下とし、その後、転打加工またはロール圧延加工を行うことで、カルシウムの気化により結晶粒界表面に形成されるクレーター状のバブル孔の最大径を1μm以下とする構成を有する。
また、本発明のハロゲン電球は、タングステン金属粉末をプレス成形加工した後、2900℃を越え3200℃の範囲で通電焼結を行う工程を経ることによって、カルシウムの含有量1ppm以下とし、その後、転打加工またはロール圧延加工を行うことで、カルシウムの気化により結晶粒界表面に形成されるクレーター状のバブル孔の最大径を1μm以下とするハロゲン電球用タングステンフィラメントをバルブ内に備えた構成を有する。
本発明のハロゲン電球用タングステンフィラメントは、タングステン金属粉末をプレス成形加工した後、2900℃を越え3200℃の範囲で通電焼結を行う工程を経ることによって、カルシウムの含有量1ppm以下とし、その後、転打加工またはロール圧延加工を行うことで、カルシウムの気化により結晶粒界表面に形成されるクレーター状のバブル孔の最大径を1μm以下とする構成を有することにより、タングステンフィラメントが高温状態となってもタングステンフィラメント自身からカルシウムのガスが発生することを防止することができる。
また、本発明のハロゲン電球は、タングステン金属粉末をプレス成形加工した後、2900℃を越え3200℃の範囲で通電焼結を行う工程を経ることによって、カルシウムの含有量1ppm以下とし、その後、転打加工またはロール圧延加工を行うことで、カルシウムの気化により結晶粒界表面に形成されるクレーター状のバブル孔の最大径を1μm以下とするハロゲン電球タングステンフィラメントをバルブ内に備えた構成を有することにより、ランプ点灯中に管壁黒化が生じるのを抑制することができる。
ハロゲン電球のランプ点灯中に発生する管壁黒化ついて発明者が種々検討したところ、この管壁黒化は、フィラメントに含まれる不純物であるカルシウムの蒸発によって形成されるバブル孔の挙動に依存すること、また、その挙動は2800℃以上の高温域で起こること、さらに、バブル孔の挙動はフィラメント中に存在するカルシウムの含有量およびカルシウムによるバブル孔の分散状態に関連していることを見出した。
すなわち、従来のフィラメントの場合、ランプ点灯中の2800℃付近において、フィラメントの表面にカリウムによるドープ孔が形成される。しかしながら、ランプ製造時において、通電焼結を2800℃〜2900℃の範囲で行っているため、十分にカルシウムが昇華しておらず、このため、温度がさらに高くなると残留しているカルシウムが気化しはじめ、カルシウムによるバブル孔を形成しはじめる。
このように、従来のフィラメントでは、カルシウムの含有量やカルシウムによるバブル孔の分散状態が制御されていないために、バブル孔がランダムに大きく成長をはじめ、さらにこのバブル孔からカルシウムのガスが発生していた。その結果、ランプがハロゲンサイクル不全となり、管壁黒化を引き起こすこととなる。
図1に本発明の一実施例であるハロゲン電球用タングステンフィラメントの結晶粒界の破面を、図2に比較例であるハロゲン電球用タングステンフィラメントの結晶粒界の破面をそれぞれ示す。図1および図2は走査型電子顕微鏡により撮影したもので、倍率5000倍である。そして、図1および図2においてクレータ状で示されるものがバブル孔である。カルシウムの含有量は、フレームレス原子吸光分析装置とICP発光分光分析装置により測定した。
つぎに、本発明の一実施例であるハロゲン電球用タングステンフィラメントの製造方法について説明する。
本実施例のハロゲン電球用タングステンフィラメントの製造方法は、タングステン鉱石を湿式精錬し、パラタングステン酸アンモニウム結晶を晶出させて、これを約600〜1000℃で焙焼し、黄色酸化物(カルシウム含有量2〜5ppm)を生成する。これに、100ppm前後のカリウムと30〜50ppm前後の珪素とアルミニウムとからなるドープ剤を酸化物の形で単独または複合で添加・還元し、フッ酸処理を加えた後に粒径2〜4μmのタングステン金属粉末を作成した。次に、このタングステン金属粉末をプレス成形加工し、溶断電流の90%以上(約3100℃)で通電焼結を行いカルシウムを昇華させ、カルシウムの含有量を1ppm以下に低減させたタングステン焼結棒を作成し、その後、転打加工と線引加工とを行い最大径が1μm以下のバブル孔を有するハロゲン電球用タングステンフィラメントを得たものである。
また、ドープ剤としてはアルミニウム、硅素、カリウムを用いたが、これは、整列したドープ孔を形成するために有効であって、その効果についてはカリウムの役割が大きい。
これにより、カルシウムの含有量が1ppm以下で、かつ結晶粒界面に最大径が1μm以下のクレーター状のバブル孔を有し、当該バブル孔はカルシウムの気化により形成される本発明にかかるハロゲン電球用タングステンフィラメントを得ることができる。
なお、比較例として示したハロゲン電球用タングステンフィラメントの製造方法は、タングステン鉱石を湿式精錬し、パラタングステン酸アンモニウム結晶を晶出させ、これを約600〜1000℃で焙焼し、黄色酸化物(カルシウム含有量2〜5ppm)を生成する。ここで少量のアルミニウム、硅素、カリウムからなるドープ剤を酸化物の形で単独または複合で添加、還元し粒径3〜5μmのタングステン金属粉末とし、このタングステン金属粉末をプレス成型加工、溶断電流の85%(約2800〜2900℃)で通電焼結を行いカルシウムを昇華させ、カルシウムの含有量を2ppmとしたタングステン焼結棒を作成し、その後、転打加工、線引加工をし、タングステン線材または棒材とした後、コイル形状としハロゲン電球用タングステンフィラメントを得たものである。
次に、上記した本実施例のタングステンフィラメントを用いた本発明の一実施例である両口金型ハロゲン電球、および、上記した比較例のタングステンフィラメントを用いた比較品である両口金型ハロゲン電球を次のようにそれぞれ作成した。
図3に示す本発明の一実施例であるランプ電力110V500Wの両口金型ハロゲン電球は、石英ガラスからなり、外径9mm、バルブ長106mmの直管状バルブ1内に、最大径が1μm以下のバブル孔を結晶粒界面に有するタングステンフィラメント2が設けられ、このタングステンフィラメント2の両端部はそれぞれバルブ1の両端部で封止されている。封止されたバルブ1内にはC−H−Br系のハロゲンガスが封入され、タングステンフィラメント2はアンカーサポート3で支持されている。また、バルブ1の両端部の封止部4には口金5が設けられている。
なお、比較品である両口金型ハロゲン電球は、タングステンフィラメントとして最大径が5μmのバブル孔を結晶粒界面に有したものを用いたもので、他の構成は上記本実施例の両口金型ハロゲン電球と同じものである。
そして、これら両口金型ハロゲン電球の耐管壁黒化性について検討を行った。
その結果、比較例のハロゲン電球は、連続点灯1〜2時間で管壁黒化を生じたのに対し、本実施例のハロゲン電球では連続点灯300時間を経過しても管壁黒化は生じなかった。
比較例のハロゲン電球では、タングステンフィラメント中に存在しているカルシウムの分散が悪く、かつ、高温での加熱によりタングステンフィラメントからカルシウムのガスを発生させ、ハロゲンサイクル不全を生じさせ管壁黒化を起こしたためと考えられる。
また、カルシウムの含有量が1ppmを越え、かつカルシウムによるバブル孔の最大径が1μmを越えたタングステンフィラメントについて検討するために、このタングステンフィラメントをハロゲン電球に用いたところ、点灯中の2800℃以上の熱によって、タングステンフィラメントに含有しているカルシウムが蒸発しバブル孔を形成し、ランダムな成長をはじめ、タングステンフィラメントからカルシウムによるガスを発生させ、ハロゲンサイクル不全となり管壁黒化を生じることが確認された。したがって、カルシウムは、1ppm以下でかつ、カルシウムによるバブル孔の最大径を1μm以下とすると、タングステンフィラメントからのカルシウムによるガス発生が、より抑制されたものとなる。また、タングステンフィラメント製造時において2900℃を越え3200℃の範囲で通電焼結を行いタングステンフィラメントに含まれるカルシウムを昇華させておくことにより、ランプとして用いる場合に点灯中の温度でカルシウムのガスが発生することを防止でき、かつ管壁黒化を防止することができる。
このように、本発明にかかるハロゲン電球用タングステンフィラメントは、ハロゲン電球のように高温で用いる場合に優れた特性を示す。また、ハロゲン電球用タングステンフィラメント中に含まれるカルシウムを低減化し、カルシウムによるバブル孔を小さくする方法としては、精錬的に脱カルシウムを十分行いうる方法及びドーピングの工程でカルシウムの含有量を低減化する方法等が考えられる。
本発明の一実施例であるハロゲン電球用タングステンフィラメントの結晶粒界面の金属組織を示す電子顕微鏡写真 比較例であるハロゲン電球用タングステンフィラメントの結晶粒界面金属組織を示す電子顕微鏡写真 本発明の一実施例であるハロゲン電球を示す図
符号の説明
1 バルブ
2 フィラメント
4 封止部
5 口金

Claims (2)

  1. タングステン金属粉末をプレス成形加工した後、2900℃を越え3200℃の範囲で通電焼結を行う工程を経ることによって、カルシウムの含有量1ppm以下とし、その後、転打加工またはロール圧延加工を行うことで、カルシウムの気化により結晶粒界表面に形成されるクレーター状のバブル孔の最大径を1μm以下とすることを特徴とするハロゲン電球用タングステンフィラメント。
  2. タングステン金属粉末をプレス成形加工した後、2900℃を越え3200℃の範囲で通電焼結を行う工程を経ることによって、カルシウムの含有量1ppm以下とし、その後、転打加工またはロール圧延加工を行うことで、カルシウムの気化により結晶粒界表面に形成されるクレーター状のバブル孔の最大径を1μm以下とするハロゲン電球用タングステンフィラメントをバルブ内に備えたことを特徴とするハロゲン電球。
JP2004026438A 2004-02-03 2004-02-03 ハロゲン電球用タングステンフィラメントおよびそれを用いたハロゲン電球 Expired - Lifetime JP3914927B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004026438A JP3914927B2 (ja) 2004-02-03 2004-02-03 ハロゲン電球用タングステンフィラメントおよびそれを用いたハロゲン電球

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004026438A JP3914927B2 (ja) 2004-02-03 2004-02-03 ハロゲン電球用タングステンフィラメントおよびそれを用いたハロゲン電球

Related Parent Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP09942796A Division JP3852976B2 (ja) 1996-03-27 1996-03-27 管球用フィラメントおよびその製造方法ならびにそれを用いた管球

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2004146390A JP2004146390A (ja) 2004-05-20
JP3914927B2 true JP3914927B2 (ja) 2007-05-16

Family

ID=32464222

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004026438A Expired - Lifetime JP3914927B2 (ja) 2004-02-03 2004-02-03 ハロゲン電球用タングステンフィラメントおよびそれを用いたハロゲン電球

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3914927B2 (ja)

Also Published As

Publication number Publication date
JP2004146390A (ja) 2004-05-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100375617B1 (ko) 긴 사용 수명을 가지는 고압 방전 램프용 전극
JP4731347B2 (ja) 複合銅微粉の製造方法
JP4426904B2 (ja) タングステン線状材およびその製造方法
JP3914927B2 (ja) ハロゲン電球用タングステンフィラメントおよびそれを用いたハロゲン電球
JP2008539332A (ja) 3質量%より少ないレニウムを含むタングステン合金から製造された電極を有する放電ランプ
JP2007113104A (ja) タングステン電極材料
JP3852976B2 (ja) 管球用フィラメントおよびその製造方法ならびにそれを用いた管球
JP7121932B2 (ja) ショートアーク型放電ランプ
KR100490579B1 (ko) 숏아크형수은램프
JP4011208B2 (ja) 放電灯用電極に使用されるタングステン材、放電灯用電極およびそれを用いた放電灯
US6190466B1 (en) Non-sag tungsten wire
EP1335410B1 (en) Tungsten-rhenium filament and method for producing same
JP2003234083A (ja) ショートアーク型放電灯の電極およびその電極製造方法ならびにショートアーク型放電灯
JP2001226735A (ja) タングステン材料とその製造方法
US5785731A (en) Process of making a non-sag tungsten wire for electric lamps
JP6219280B2 (ja) 放電ランプ用陰極およびその製造方法
JP2002056806A (ja) ショートアーク高圧放電ランプ
Eichelbrönner Refractory metals: crucial components for light sources
JPS58136734A (ja) タングステンインゴツトの製造方法
JP4167199B2 (ja) タングステン電極
JPS62149841A (ja) タングステン材料
US1624077A (en) Incandescent electric lamp
JP4455446B2 (ja) 放電灯用タングステン電極材及びそれを用いた放電灯
JP3899068B2 (ja) タングステン合金線ならびにフィラメントおよびハロゲンランプ
JPH0232340B2 (ja) Moribudenzai

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20050711

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050927

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20051013

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20060718

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070205

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100209

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110209

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120209

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130209

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130209

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140209

Year of fee payment: 7

EXPY Cancellation because of completion of term