JP3914450B2 - 光デバイス及びその製造方法 - Google Patents
光デバイス及びその製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP3914450B2 JP3914450B2 JP2002093525A JP2002093525A JP3914450B2 JP 3914450 B2 JP3914450 B2 JP 3914450B2 JP 2002093525 A JP2002093525 A JP 2002093525A JP 2002093525 A JP2002093525 A JP 2002093525A JP 3914450 B2 JP3914450 B2 JP 3914450B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- optical fiber
- light receiving
- receiving element
- refractive index
- optical
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Expired - Fee Related
Links
Images
Landscapes
- Optical Couplings Of Light Guides (AREA)
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、1本の光ファイバあるいは複数本の光ファイバ(光ファイバアレイ)を有する光デバイス及びその製造方法に関し、特に、光ファイバを伝搬する信号光を途中でモニタする場合に好適な光デバイス及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、ファイバアンプを用いた波長多重通信の発達に伴い、アンプ特性確保のため、各波長の光量をモニタし、光量を調整した上でアンプにて増幅させるという方式が採られるようになってきている。
【0003】
このモニタには各種方法が知られているが、各ファイバにモニタデバイスを搭載するため、モニタデバイスだけでかなりの大きさを必要としている。
【0004】
そのため、モニタデバイスの小型化、高密度化が望まれている。また、モニタする際に、信号光の一部を取り出して行うようにしているが、信号光を大きく減衰させることなくモニタリングできるものが望まれている。
【0005】
従来では、図23に示すような技術が開示されている(例えば特開2001−264594号公報参照)。この技術は、ガラス基板200のV溝202内に光ファイバ204を配置し、その後、ガラス基板200に対して光ファイバ204を(その光軸に対して)斜めに横切るように平行溝206を形成する。そして、図25に示すように、この平行溝206内に光反射基体208(光学部材)を挿入し、その隙間に紫外線硬化樹脂(接着剤)210を充填するようにしている。
【0006】
これにより、図24に示すように、光ファイバ204を伝搬する信号光212のうち、光反射基体208で反射した光成分(反射光)214がクラッド外に取り出されることになる。従って、この反射光214を例えば受光素子216にて検知することで、信号光212のモニタが可能となる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来のモニタデバイスにおいては、ガラス基板200と光ファイバ204に設けられた平行溝206内に別の光学部材である光反射基体208を挿入するようにしている。そのため、まず、光反射基体208を高精度に位置決めする必要があるが、接着剤210の充填時における該接着剤210による光反射基体208の揺動によって前記位置決めは困難性を伴う。
【0008】
また、平行溝206内に光反射基体208を挿入する必要から、平行溝206の幅として、光反射基体208を挿入するためのスペースと接着剤210を充填するためのスペースを確保する必要がある。そのため、小型化には限界があると共に、光ファイバ204を伝搬する信号光212が平行溝206の部分で大幅に減衰するおそれがある。
【0009】
あえて小型化を図り、かつ、信号光212の減衰を抑える場合は、平行溝206の幅を狭くすることが考えられる。この場合、光反射基体208の幅を狭くする必要があり、その分、強度的に不十分となり、製造時のハンドリングや熱サイクルで使用に耐えられなくなるおそれがある。
【0010】
また、平行溝206の幅を狭くすることも考えられるが、ガラス基板200に対してその上面から底面にかけて平行溝206を形成するようにしているため、平行溝206の幅を狭くするにつれて切断時における加工負荷が増大し、平行溝206の加工精度や面精度が悪くなるという新たな問題が生じる。
【0011】
本発明はこのような課題を考慮してなされたものであり、モニタリング機能を有する光デバイスの小型化及び光ファイバアレイの高密度化を図ることができ、更に、信号光の減衰を抑えることができる光デバイス及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る光デバイスは、1以上の光ファイバの途中から屈折率差を利用した反射光を、該光ファイバのクラッド外に屈折率整合層を通じて取り出す構造を有することを特徴とする。
【0013】
ここで、定義付けをしておくと、光ファイバの途中とは、反射光が発生する部位であり、反射部として定義することができる。この反射部とは、光ファイバにおけるコアが途切れた部分を包含する意である。また、光ファイバのうち、前記反射部までの部分とは、該反射部を中心に考えたとき、光の伝搬上、反射部の後方に位置することから後部ファイバと定義することができ、同じく光ファイバのうち、反射部より前方の部分とは、前部ファイバと定義することができる。
【0014】
そして、後部ファイバのコアを伝搬する信号光のうち、反射部での反射光成分を除いた光成分が前部ファイバに再入射され、該前部ファイバのコアを伝搬することとなる。
【0015】
この発明では、屈折率差を利用することから、反射部に別の光学部材を挿入する必要はなく、光ファイバの屈折率と異なる屈折率を有する層(空気層や接着剤等)を介在させればよい。例えば、反射部に前記光ファイバとの比屈折率差が10%以上の層を介在させればよい。具体的には、前記反射部、特にコアが途切れた部分は、光ファイバにおけるクラッドの表面からコアに達するスリットにて形成することができる。あるいは、2本の光ファイバの端面を互いに近接させることでも形成することができる。
【0016】
このように、本発明では、反射部に別の光学部材を挿入する必要がないことも相まって、反射部の小型化、ひいては、光デバイスの小型化を図ることができる。また、後部ファイバと前部ファイバをほぼ同軸に設置できるため、後部ファイバと前部ファイバの各光軸を調整する必要がなく、製造工程の簡略化を図ることができる。
【0017】
前記構成において、前記反射光における前記光ファイバの光軸とのなす角は、前記反射光が対空気においてクラッド界面で全反射され得る程度の角度であることが好ましい。これにより、前記反射光の大部分が後部ファイバのコアには戻らずに、後部ファイバにおけるクラッド界面に向けて進むことになる。これは、反射戻り光防止と、モニタ効率の向上につながる。
【0018】
また、前記光ファイバにおける信号光の伝搬方向と直交する面を基準面としたとき、前記反射部の前記基準面に対する角度は6°〜12°、より好ましくは8°〜10°である。6°未満の場合、反射光が後部ファイバに戻る量が多くなるおそれがあり、12°よりも大きいと、反射部を透過した信号光成分の光軸と前部ファイバの光軸とがずれるおそれがあるからである。
【0019】
また、前記反射部における前記光ファイバの信号光の伝搬方向に沿った長さは、50μm以下であることが好ましい。後部ファイバと前部ファイバとがほぼ同軸に設置されることを考慮した場合、反射部を透過した信号光成分の光軸と前部ファイバの光軸とのずれ量は、反射部の長さにも依存する。上述の範囲であれば、前記光軸のずれはほとんど生じない。
【0020】
また、前記後部ファイバのクラッド内に、前記反射光の光路を変更する全反射面を形成するようにしてもよい。
【0021】
反射光のスポット径は、反射光の光路が長くなるにつれて、指数関数的に大きくなる。そのため、例えばクラッド外に屈折率整合層を介して受光素子を設置する構成を採用する場合等において、反射光のスポット径が受光素子の受光面の径よりも大きくなることは十分に考えられる。また、受光面に対して斜め方向に入射した場合においても、反射光のスポット径が受光素子の受光面の径よりも大きくなる場合がある。このような場合、反射光のスポットの一部が受光面からはみ出てしまい、反射光の損失につながり、受光感度の低下をもたらすおそれがある。また、複数の光ファイバが配列された光ファイバアレイにおいては、ある光ファイバの反射光が隣の光ファイバに対応する受光素子に入射する、いわゆるクロストークが発生するおそれがある。
【0022】
しかし、上述のように、前記後部ファイバのクラッド内に、前記反射光の光路を変更する全反射面を形成すれば、反射光の光路、例えば反射部から屈折率整合層までの光路を短くすることが可能となり、しかも、反射光を受光素子の受光面に対して直角に入射させることも可能となる。これにより、光ファイバアレイにおけるクロストークの低減を図ることができ、光ファイバアレイの高密度化を実現させることができると共に、受光素子を設置した場合における受光感度を向上させることができる。
【0023】
また、前記構成において、前記光ファイバの外部に、前記屈折率整合層を通じて取り出された前記反射光の光路を変更する全反射面を有するようにしてもよい。この場合も、光ファイバアレイにおけるクロストークの低減を図ることができ、光ファイバアレイの高密度化を実現させることができると共に、受光素子を設置した場合における受光感度を向上させることができる。
【0024】
光ファイバの外部に設置された全反射面を構成する場合は、光ファイバ上に、前記屈折率整合層を介して内部に前記反射光が入射され、かつ、空気層よりも高い屈折率を有する部材を設置する。これにより、前記部材と前記空気層との境界面で前記全反射面を構成することができる。
【0025】
なお、光ファイバ上にミラー部材を設置し、該ミラー部材の表面にて反射面を構成するようにしてもよい。
【0026】
また、本発明に係る光デバイスは、前記光ファイバが載置されるV溝が形成された基台を有し、前記光ファイバのうち、前記反射光が取り出される部分に受光素子が設置され、前記受光素子は、前記基台にて支持された配線基板に実装されていることを特徴とする。
【0027】
この場合、前記光ファイバのクラッドに凹部を形成し、該凹部上に前記受光素子を設置するようにしてもよい。これにより、反射部から受光素子の受光面までの距離を短くすることができ、光ファイバアレイとした場合のクロストークを有効に低減させることができる。
【0028】
また、前記光ファイバがV溝に載置固定されている場合に、前記光ファイバの頂部は、前記V溝の上面よりも上方に位置し、前記V溝の上面から前記コアが途切れた部分の底部までの深さが100μm以下であることが好ましい。
【0029】
幅の狭いスリットを加工して反射部を構成する場合、切り込み深さ(加工深さ)はあまり大きくとれない。加工深さが大きいと、スリットの加工精度や面状態に悪影響を与えるおそれがあるので、加工深さは極力小さい方が好ましい。
【0030】
しかし、光ファイバはV溝に設置されているので、光ファイバを切断するまで加工するとなると、基台もいっしょに加工することになり加工負荷は増大する。そこで、本発明では、前記光ファイバの頂部を、V溝の上面よりも上方に位置させ、前記V溝の上面からコアが途切れた部分の底部までの深さを100μm以下としているため、スリット加工にかる負荷を低減することができる。
【0031】
また、前記構成において、前記基台は、前記V溝の形成部分の両側において立ち上がる側壁が一体に形成され、前記側壁の上端面に前記配線基板が前記受光素子を前記光ファイバに向けて載置するようにしてもよい。
【0032】
通常、光ファイバ外に受光素子を設置する場合、電気配線を考慮すると、配線基板上に実装された受光素子を光ファイバ上に設置することが考えられる。単純に、受光素子を上に向けた状態で基台上に配線基板を設置しても、クラッドの表面から受光素子までの距離が長くなり、具体的には、光ファイバと配線基板間の距離、配線基板の厚み、配線基板から受光素子の受光面までの距離の合計となる。そのため、上述したように、反射光の損失並びにクロストークが発生するおそれがある。
【0033】
しかし、本発明では、基台における側壁の上端面に配線基板を載置する際に、前記受光素子を光ファイバに向けて載置するようにしたので、光ファイバのクラッド面に受光素子の受光面を近接させることが可能となり、受光感度の向上、クロストークの低減を有効に図ることができる。
【0034】
また、光ファイバ上に受光素子を設置する場合、反射光が取り出される部分に受光素子を位置決めする必要がある。このとき、光ファイバが1本で受光素子が1つの場合は、それほど問題はないが、例えば8本以上の光ファイバが配列された光ファイバアレイの各光ファイバに対してそれぞれ受光素子を設置する場合、各受光素子の位置決めは困難を伴う。しかし、配線基板上に光ファイバの配列に対応して受光素子をアレイ状に配列実装し、該配線基板を基台の側壁の上端面に載置することで、光ファイバアレイの各光ファイバに対して受光素子を簡単に位置決めすることができ、位置決め精度の向上、並びに位置決め作業の時間短縮を図ることができる。
【0035】
また、前記構成において、前記基台は、前記光ファイバの反射部に対応する箇所に、深さが少なくとも前記反射部(特に、コアが途切れた部分)の底部まで達し、かつ、前記基台の両側端まで連続する凹部を形成することが好ましい。
【0036】
光ファイバに反射部を形成する場合、光ファイバにコアを切断するスリットを形成することが考えられる。このスリットの形成方法としては、基台のV溝にそれぞれ1以上の光ファイバを載置固定した後、基台の上面から例えばダイシング装置を用いて光ファイバにスリットを設ける手法が考えられる。
【0037】
この場合、V溝の位置が基台の上端面よりも下方に存在していると、ダイシング装置のカッタが光ファイバに到達するまで、基台の側部を深さ方向に削る必要がある。基台の上端面からV溝までの距離が長いと、その分、基台の側部に対する深さ方向の削り量も増やす必要がある。これは、加工負荷の増大につながり、光ファイバに形成されるスリットの加工精度や面精度が悪くなるおそれがある。
【0038】
しかし、本発明では、基台のうち、前記光ファイバの反射部に対応する箇所に、深さが少なくともコアが途切れた部分の底部まで達し、かつ、前記基台の両側端まで連続する凹部を形成するようにしたので、ダイシング装置で基台の側壁を削ることなく、直接光ファイバを削ることができ、光ファイバに加工精度並びに面精度の高いスリットを設けることができる。
【0039】
次に、本発明に係る製造方法は、1以上のV溝が形成された基台の前記V溝にそれぞれ1以上の光ファイバを載置固定する工程と、前記光ファイバの表面の一部に屈折率整合層として用いる接着剤を塗布する工程と、前記光ファイバの一部に少なくともコアを切断するスリットを形成する工程とを有することを特徴とする。
【0040】
これにより、1以上の光ファイバの途中から屈折率差を利用した反射光を、該光ファイバのクラッド外に屈折率整合層を通じて取り出す構造を有する光デバイス、つまり、モニタデバイスの小型化及び高密度化を図ることができ、更に、信号光の減衰を抑えることができる光デバイスを簡単に作製することができる。
【0041】
そして、前記製造方法において、前記基台として、前記光ファイバの前記スリットが形成される部分に対応する箇所に、深さが少なくとも前記スリットの底部まで達し、かつ、前記基台の両側端まで連続する凹部が形成されている基台を用いることが好ましい。
【0042】
これにより、光ファイバに加工精度並びに面精度の高いスリットを設けることができる。この場合、前記凹部の底部を例えばV溝の底部に合わせた場合、凹部に対応する部分にV溝が存在しない構造となり、光ファイバのうち、凹部に対応する部分が浮いた状態となる。しかし、光ファイバにスリットを形成するに先立って、光ファイバの表面の一部に屈折率整合層として用いる接着剤を塗布することで、光ファイバが接着剤で覆われた状態となり、上述のような浮いた状態はなくなる。従って、その後のスリット形成において、光ファイバが揺動するということはなくなり、高精度にスリットを形成することができる。
【0043】
また、前記製造方法において、前記光ファイバの前記V溝への固定は、前記V溝に前記光ファイバを載置した後、前記基台上に押さえ基板を載置し、更に、前記押さえ基板と基台間に供給された接着剤によって前記光ファイバを前記V溝に固定するようにしてもよい。
【0044】
これにより、光ファイバをV溝に固定する場合に、押さえ基板を用いて光ファイバをV溝に押圧しながら接着剤にて固定させることができ、光ファイバをV溝に確実に固定することができる。
【0045】
また、前記光ファイバの表面の一部への前記屈折率整合層として用いる接着剤の塗布は、前記V溝に固定された前記光ファイバに仮の押さえ基板を載置し、該仮の押さえ基板と基台間に前記接着剤を供給することによって行い、その後、前記仮の押さえ基板を除去するようにしてもよい。
【0046】
この場合、光ファイバをV溝側に押さえつつ、光ファイバの所要箇所のみに屈折率整合層として用いる接着剤を塗布することができる。
【0047】
また、前記製造方法において、前記光ファイバの一部に前記スリットを形成した後、前記光ファイバ上に屈折率整合層として用いる接着剤を介して少なくとも空気層よりも高い屈折率を有する全反射部材を固定する工程と、前記全反射部材上に屈折率整合層として用いる第2の接着剤を塗布する工程とを有するようにしてもよい。
【0048】
これにより、前記光ファイバの外部に、前記屈折率整合層を通じて取り出された反射光の光路を変更する全反射面を有する光デバイス、即ち、受光感度の向上を図ることができ、クロストークを低減することが可能な光デバイスを簡単に作製することができる。
【0049】
そして、前記屈折率整合層として用いる接着剤あるいは第2の接着剤上に受光素子を位置決め固定する工程を有するようにしてもよい。これにより、光ファイバ上での受光素子の位置決めや光ファイバ上での全反射部材の位置決め並びに全反射部材上での受光素子の位置決めが容易になり、反射光を効率よく受光素子に導くことができる。
【0050】
また、前記受光素子を位置決め固定する工程は、前記基台における前記V溝の形成部分の両側において立ち上がる側壁の上端面に接着剤を塗布し、その後、予め前記受光素子が実装された配線基板を、前記側壁の上端面に、前記受光素子を前記光ファイバに向けて載置するようにしてもよい。
【0051】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る光デバイス及びその製造方法の実施の形態例を図1〜図22を参照しながら説明する。
【0052】
まず、第1の実施の形態に係る光デバイス10Aは、図1及び図2に示すように、上面に複数(図示の例では、8つ)のV溝12がそれぞれ平行に配列された基台14を有する。各V溝12には、それぞれ光ファイバ16が載置固定されている。つまり、この基台14には、複数の光ファイバ16が配列されてなる光ファイバアレイ18が載置固定されている。
【0053】
また、基台14上には、光ファイバアレイ18をV溝12側に押さえ付ける2つの押さえ基板(第1及び第2の押さえ基板20A及び20B)が固着されている。第1の押さえ基板20Aは、その端面20Aaが基台14の端面14aとほぼ同一面となるように位置決め固着され、第2の押さえ基板20Bは、第1の押さえ基板20Aからある程度の距離を置いて位置決め固着されている。
【0054】
基台14の上面には、前記V溝12のほか、光ファイバアレイ18の被覆部22が載置される載置面24が形成されている。この載置面24には、光ファイバアレイ18の被覆部22を固定するためのホルダー26が取り付けられるようになっている。このホルダー26で前記被覆部22を保持することで、光ファイバアレイ18がV溝12から容易に抜け出たり、裸部分と被覆部22との間で屈曲するなどの不都合を回避することができる。なお、第2の押さえ基板20Bと載置面24とで挟まれた部分は、光ファイバアレイ18が外部に露出するオープン部28である。
【0055】
そして、基台14のうち、第1及び第2の押さえ基板20A及び20Bで挟まれた部分がモニタ部30を構成し、このモニタ部30において、光ファイバアレイ18を伝搬する各信号光の一部がそれぞれ取り出されて例えば受光素子アレイ32にて検知されることになる。受光素子アレイ32は、複数の受光素子が、光ファイバアレイ18における光ファイバ16の配列ピッチとほぼ同一の配列ピッチで配列された構造を有し、図3に示すように、表面に配線パターン34が形成された配線基板36上に実装されている。
【0056】
また、前記基台14は、V溝12の形成部分の両側において立ち上がる側壁40が一体に形成され、これら側壁40の上端面42に、前記配線基板36が受光素子アレイ32を光ファイバアレイ18側に向けて載置、固定されている。
【0057】
そして、この第1の実施の形態に係る光デバイス10Aは、図4の拡大図に示すように、V溝12(図1参照)に整列された光ファイバアレイ18(図1参照)において、各チャネルの光ファイバ16は、その途中でファイバコア(以下、コア50と記す)が途切れた部分を有し、このコア50が途切れた部分での屈折率差を利用した反射光52を、該光ファイバ16のクラッド54の外部に屈折率整合層56を通じて取り出す構造を有する。
【0058】
ここで、定義付けをしておくと、光ファイバ16におけるコア50が途切れた部分は、反射光52が発生する部位であり、反射部60として定義することができる。この反射部60において発生した反射光52をクラッド54の外に屈折率整合層56を通じて取り出すことで、例えば光量のモニタリング等に使うことができる。
【0059】
また、前記光ファイバ16のうち、反射部60までの部分とは、該反射部60を中心に考えたとき、光の伝搬上、反射部60の後方に位置することから後部ファイバ16Aと定義することができ、同じく前記光ファイバ16のうち、反射部60より前方の部分とは、前部ファイバ16Bと定義することができる。
【0060】
そして、後部ファイバ16Aのコア50を伝搬する信号光のうち、反射部60での反射光成分を除いた信号光成分が前部ファイバ16Bに再入射され、該前部ファイバ16Bのコア50を伝搬することとなる。
【0061】
前記反射部60は、例えば光ファイバ16にスリット62を入れることで実現することができる。この場合、後部ファイバ16Aにおける反射部60での端面(以下、後部反射端面64と記す)及び前部ファイバ16Bにおける反射部60での端面(以下、前部反射端面66と記す)にそれぞれ空気層が接することになり、該空気層は屈折率が1であることから、モニタリングに必要なだけの反射光52を得ることができる。
【0062】
反射部60は、上述のようにスリット62を入れるのではなく、V溝12上で対向する2本の光ファイバ16を近接させることでも実現させることができる。また、後部反射端面64と前部反射端面66間に空気層を介在させる必要もなく、例えばコア50との比屈折率差が大きい接着剤を充填してもよい。
【0063】
また、前記反射光60における光ファイバ16の光軸とのなす角(以下、反射角度θと記す)は、反射光52がクラッド54の界面で対空気において全反射される程度の角度であることが好ましい。ここで、反射光52がクラッド54の界面で全反射される程度の角度とは、前記屈折率整合層56がなければクラッド54の界面で全反射される程度の角度をいう。これにより、前記反射光52の大部分が後部ファイバ16Aのコア50には戻らずに、後部ファイバ16Aにおけるクラッド54の界面に向けて進むことになる。これは、反射戻り光防止と、モニタ効率の向上につながる。
【0064】
また、光ファイバ16における信号光の伝搬方向と直交する面を基準面(鉛直面)としたとき、前記反射部60の基準面に対する角度ψは6°〜12°、より好ましくは8°〜10°である。6°未満の場合、反射光52が後部ファイバ16Aのコア50に戻る量が多くなるおそれがあり、12°よりも大きいと、反射部60を透過した信号光成分の光軸と前部ファイバ16Bの光軸がずれるおそれがあるからである。
【0065】
また、前記反射部60における前記光ファイバ16の信号光の伝搬方向に沿った長さ(以下、反射部60の幅Wと記す)は、50μm以下であることが好ましい。更に好ましくは30μm以下、より好ましくは20μmである。後部ファイバ16Aと前部ファイバ16Bとがほぼ同軸に設置されることを考慮した場合、反射部60を透過した信号光成分の光軸と前部ファイバ16Bの光軸とのずれ量は、反射部60の幅Wにも依存する。上述の範囲であれば、前記光軸のずれはほとんど生じない。
【0066】
ちなみに、反射部60に介在する層(以下、反射層と記す)を空気層とし、反射部60の基準面に対する角度ψを8°、反射部60の幅Wを20μmとしたとき、軸ずれ損失とギャップ損失で0.42dBの損失であった。
【0067】
また、反射層が空気層の場合で、反射部60の基準面に対する角度ψを8°とした場合、反射光52は、反射層の後部ファイバ16A側で反射角度θ=16°、光量約14.5dB(3.5%)が得られ、前部ファイバ16B側では反射層での反射角度θ=19.6°で後部ファイバ16Aのクラッド54に入射して反射角度θが16.3°となり、光量としては14.5dBが得られた。つまり、ほぼ同じ反射角度θで、かつ、トータルで11.5dBの反射光52が得られたことになる。
【0068】
そして、各光ファイバ16からの反射光52は、それぞれ後部ファイバ16Aのクラッド54の外部に屈折率整合層56を通じて取り出され、光ファイバ16上に配置された受光素子アレイ32における各受光素子70にて検知される。
【0069】
前記屈折率整合層56としては、クラッド54で全反射しないだけの屈折率を有することが好ましい。この屈折率整合層56は、屈折率が高ければ高いほど受光素子70への入射角が小さくなるので好ましいが、受光素子70の受光面で全反射しない屈折率のものを選択すべきである。
【0070】
これらのことを考慮すると、屈折率整合層56は、光ファイバ16の屈折率と受光素子70における受光面の屈折率の間の屈折率を有することが好ましい。ちなみに、屈折率は、石英ファイバの場合、1.44であり、受光素子(GaAs−フォトダイオード)の場合、3.5である。
【0071】
この屈折率整合層56の具体例としては、樹脂層が挙げられる。樹脂層であって接着層であれば、硬化前は液体なので、円形状のファイバ界面にも確実に塗布され、確実に全反射を防ぐことができる。また、この接着層であれば、受光素子70の保護の役割も果たせるので、より好ましい。
【0072】
このように、第1の実施の形態に係る光デバイス10Aにおいては、反射部60での屈折率差を利用して反射光52を発生させることから、反射部52に別の光学部材を挿入する必要はなく、反射部52の小型化、ひいては、光デバイス10Aの小型化を図ることができる。また、後部ファイバ16Aと前部ファイバ16Bをほぼ同軸に設置できるため、後部ファイバ16Aと前部ファイバ16Bの各光軸を調整する必要がなく、製造工程の簡略化を図ることができる。
【0073】
次に、第2の実施の形態に係る光デバイス10Bについて図5を参照しながら説明する。
【0074】
この第2の実施の形態に係る光デバイス10Bは、上述した第1の実施の形態に係る光デバイス10Aとほぼ同様の構成を有するが、後部ファイバ16Aのクラッド54内に、反射光52の光路を変更する全反射面80が形成されている点で異なる。
【0075】
つまり、後部ファイバ16Aに、前記反射層とは別に、反射光52が全反射するための低屈折率層(全反射層82)を設ける。図5の例では、後部ファイバ16Aのクラッド54内における反射光52の光路上に反射光52が全反射するために必要な角度の全反射層(スリット)82を設けるようにしている。この全反射層82は、空気層となるので、屈折率1.44のクラッド54から入射した反射光52は屈折率1の空気層で全反射が可能となる。反射光52の反射角度θが16°の場合、このスリット82に必要な角度(基準面(鉛直面)とのなす角)は28°である。
【0076】
但し、反射光52の受光素子70への入射角は0°であることが最良であるため、これを実現するスリット角がより好ましい。図5の例では、37°である。
【0077】
なお、後部ファイバ16Aに直接スリット82を設けると、加工状態によってはマイクロクラック等が発生するおそれがあるため、長期信頼性に問題を生じるおそれもある。このため、スリット82に低屈折率の接着剤を充填する等の工夫を施せば、上述のような問題の発生を低減することができる。
【0078】
この場合も、反射光52が取り出される部分と受光素子70との間に屈折率整合層56を設けた方が屈折率界面での反射を考慮すると好ましい。屈折率整合層56を設けずに空気層とした場合、光ファイバ16から空気、空気から受光素子70となるため、約30%は反射で損失することとなる(損失1.55dB)。この反射損失の観点からすると、各屈折率界面での反射が全て同じ反射率になるように設定すれば、最小の反射率となり、最適といえる。この場合、屈折率2.44の屈折率整合層56を設けることでトータル約9.5%の反射となり、反射損失は0.44dBである。
【0079】
このように、第2の実施の形態に係る光デバイス10Bにおいては、後部ファイバ16Aのクラッド54内に、反射光52の光路を変更する全反射面80を形成するようにしている。
【0080】
反射光52のスポット径は、反射光52の光路が長くなるにつれて、指数関数的に大きくなる。そのため、例えばクラッド54の外部に屈折率整合層56を介して受光素子70を設置する構成を採用する場合、反射光52のスポット径が受光素子70の受光面の径よりも大きくなる場合がある。また、受光面に対して斜め方向に入射した場合においても、反射光52のスポット径が受光素子70の受光面の径よりも大きくなる場合がある。このような場合、反射光52のスポットの一部が受光面からはみ出てしまい、反射光52の損失につながり、受光感度の低下をもたらすおそれがある。また、複数の光ファイバ16が配列された光ファイバアレイ18においては、ある光ファイバ16の反射光52が隣の光ファイバ16に対応する受光素子70に入射する、いわゆるクロストークが発生するおそれがある。
【0081】
しかし、この第2の実施の形態では、後部ファイバ16Aのクラッド54内に、反射光52の光路を変更する全反射面80を形成するようにしているため、反射光52の光路、例えば反射部60から屈折率整合層56までの光路を短くすることが可能となり、しかも、反射光52を受光素子70の受光面に対して直角に入射させることも可能となる。これにより、光ファイバアレイ18におけるクロストークの低減を図ることができ、光ファイバアレイ18の高密度化を実現させることができると共に、受光素子70を設置した場合における受光感度を向上させることができる。
【0082】
次に、第3の実施の形態に係る光デバイス10Cについて図6を参照しながら説明する。
【0083】
この第3の実施の形態に係る光デバイス10Cは、上述した第1の実施の形態に係る光デバイス10Aとほぼ同様の構成を有するが、後部ファイバ16Aの外部に、ミラー部材90が設置されている点で異なる。このミラー部材90のミラー表面90aは、屈折率整合層56を通じて取り出された反射光52の光路を変更する反射面を構成している。
【0084】
反射光52はミラー部材90の内部を伝搬せず、ミラー表面90aにて全反射して受光素子70の受光面まで到達する。この場合も、クラッド54の界面での全反射防止のために、屈折率整合層56を設ける必要がある。反射光52はこの屈折率整合層56内を伝搬し、かつ、ミラー面90aで反射するため、この屈折率整合層56の屈折率は2.44が最適である。
【0085】
なお、ミラー部材90としては、例えばガラス基板の表面に反射膜を形成した一般的なミラー部材を使用することができる。
【0086】
この第3の実施の形態に係る光デバイス10Cにおいては、光ファイバアレイ18におけるクロストークの低減を図ることができ、光ファイバアレイ18の高密度化を実現させることができると共に、受光素子70を設置した場合における受光感度を向上させることができる。しかも、光ファイバ16のクラッド54内にスリット82(図5参照)を設ける等の加工を施さなくてもよいため、光ファイバ16へのマイクロクラック等の発生を懸念する必要がない。
【0087】
次に、第4の実施の形態に係る光デバイス10Dについて図7を参照しながら説明する。
【0088】
この第4の実施の形態に係る光デバイス10Dは、上述した第3の実施の形態に係る光デバイス10Cとほぼ同様の構成を有するが、ミラー部材90(図6参照)に代えて、光ファイバ16上に、内部を反射光52が透過する全反射部材92が設置されている点で異なる。この第4の実施の形態では、2種類の屈折率整合層56及び94が形成される。即ち、後部ファイバ16Aのクラッド54と全反射部材92との間に形成された第1の屈折率整合層56と、全反射部材92の上面と受光素子70との間に形成された第2の屈折率整合層94である。
【0089】
前記全反射部材92は、空気層よりも高い屈折率を有し、第1の屈折率整合層56を介して内部に反射光52が入射されるように位置決めされている。全反射面は、該全反射部材92と空気層との境界面(端面92a)にて構成される。
【0090】
つまり、後部ファイバ16Aのクラッド54から第1の屈折率整合層56を介して取り出された反射光52は、一旦、全反射部材92内に入射され、この全反射部材92の端面92aで全反射させることとなる。
【0091】
もちろん、この場合も、前記反射光52の全反射は、全反射部材92が存在すれば可能であるが、第3の実施の形態と同じく、クラッド54の界面での全反射防止のために、第1の屈折率整合層56を設ける必要があり、また、全反射部材92の上面での全反射防止のために第2の屈折率整合層94を設ける必要がある。
【0092】
以下に、好ましい条件について説明すると、前記全反射部材92の屈折率は、第1の屈折率整合層56を通じて取り出される反射光52が全反射しないだけの屈折率であることが好ましい。
【0093】
反射光52は、全反射部材92の底面からその内部に入射され、該全反射部材92の端面92aで全反射される。全反射部材92は空気層より屈折率が高いため、前記端面92aでの全反射が可能である。当然、端面92aの角度は全反射するだけの角度でなくてはならない。そして、反射光52は、第2の屈折率整合層94を介して受光素子70の受光面に到達される。この場合、各部材の屈折率の関係は、受光素子70の受光面>第2の屈折率整合層94>全反射部材92>第1の屈折率整合層56>後部ファイバ16Aのクラッド54となる。
【0094】
厳密には、各屈折率界面での反射が全て同じ反射率になるように設定すると最小の反射率となる。上記の場合、順に3.5、2.8、2.24、1.8、1.44とすることで、各界面での反射は1.2%となり、トータルで4.9%の反射となる。反射損失にすると、0.22dB程度である。
【0095】
このように、この第4の実施の形態に係る光デバイス10Dにおいては、第1〜第3の実施の形態と比較すると、屈折率を光ファイバ16から受光素子70の受光面に向けて段階的に変化させることができるため、反射損失が第1〜第3の実施の形態の場合より、小さくて済むというメリットがある。
【0096】
また、この第4の実施の形態では、所定形状の全反射部材92を設置するだけで全反射が実現するので、特段、ミラー面を形成する必要がなく、しかも、クラッド54にスリット82(図5参照)を形成する必要がないため、信頼性が低下することもない。
【0097】
次に、第1〜第4の実施の形態に係る光デバイス10A〜10Dで共通する効果について説明する。
【0098】
反射部60における反射層から発生した反射光52の光路上には、光導波路のような光の閉じこめを行う手段が存在しないため、ある広がりをもってクラッド54等を通じて受光素子70までの間を伝搬する。このため、モニタリングを考えた場合、上述したように、反射層から受光素子70までの距離が長いと、反射光52の広がりが大きくなり、そのスポット径が受光素子70の受光面の径を超えると損失になるだけでなく、光ファイバアレイ18を構成する光ファイバ16が例えば250μmピッチや、更には127μmピッチといった狭ピッチ間隔で並んでいると、クロストークという問題も発生する。
【0099】
このため、反射層から受光素子70までの距離は極力短いことが必要となる。この1つの手段として、受光素子70を極力光ファイバ16まで近接させることが好ましい。この場合、受光素子70を駆動する電気回路が配線され、かつ、受光素子70が実装された配線基板36をセットする際に、受光素子70をいかに光ファイバ16に近接させるかという問題が発生する。
【0100】
この問題を解決するために、第1〜第4の実施の形態では、代表的に図1に示すように、配線基板36の裏面36aを上方に向け、受光素子アレイ32が実装された面36bを下方に向けて、この配線基板36を基台14上に設置するようにしている。これは、いわゆるフリップチップ実装により実現されることとなる。
【0101】
また、例えば40チャネルといったチャネル数の多い光ファイバアレイ18を考えた場合、受光素子アレイ32もそれに対応して長くなることは必須である。この長い受光素子アレイ32を正確に光ファイバアレイ18の近傍にどのように設置するかという問題も生じる。
【0102】
この問題を解決するために、第1〜第4の実施の形態では、光ファイバアレイ18に用いる基台14の両側に、配線基板36を設置するための設置面42を有する側壁40を設けるようにしている。この側壁40の上端面(設置面42)を基準に受光素子アレイ32を設置することで、受光素子70と光ファイバ16との位置合わせ(高さ方向)が容易になる。
【0103】
前記側壁40の上端面(設置面42)は、V溝12の存在する面(V溝上面)と、ある角度をもって連続してつながるようにしておけば、特開平2−96609号公報に開示された高精度な接触式測定方法を用いて、光ファイバ16の中心位置(V溝12の仮想円中心)と設置面42の位置関係を正確に把握することができ、高精度な位置合わせが容易となる。
【0104】
このような設置面42を使用しないで、例えばアクティブに位置を合わせをしようとすると、127μmピッチの40チャネル受光素子アレイの場合、受光素子アレイそのものの長さが0.3mm程度なのに対して、幅が5mm程度にもなるため、このような長細い形状のものを光ファイバアレイ18と平行に設置することは非常に困難となる。
【0105】
従って、第1〜第4の実施の形態のように、基台14に設けられた側壁40の上端面(設置面42)を基準として受光素子アレイ32を設置することが好ましい。また、この設置面42に挟まれた部位に第1及び第2の押さえ基板20A及び20Bや受光素子アレイ32を設置することになるため、特開平9−120014号公報に記載のように、高い信頼性をもって第1及び第2の押さえ基板20A及び20Bや受光素子アレイ32を設置することができる。
【0106】
また、反射部60における反射層はスリット加工により形成することが好ましい。V溝12上にそれぞれ対向する2本のファイバを同軸に配置して、反射部60を構成してもよいが、各ファイバの端面は斜めの角度を持っており、互いに角度方向を合わせる必要が生じ、この角度合わせが手間の掛かる作業となる。40チャネルともなると特にこの作業が繁雑となる。
【0107】
これに対し、スリット加工であれば、光ファイバアレイ18に対して一度のスリット加工を施せばよいため、40チャネルの光ファイバアレイ18でも一括して処理することができる。この場合、光ファイバアレイ18をV溝12に固定した後にスリット加工を施すことになる。
【0108】
反射部60を構成するスリット62はコア50まで到達していれば機能を果たすことができるが、スリット62が光ファイバ16の途中で止まっていると、全反射層(スリット)82と同様に、場合によっては信頼性の低下を招くので、光ファイバ16を最後まで切断するようにスリット62を入れた方が好ましい。
【0109】
一方で、幅20μm〜30μm程度の狭いスリット62を加工するためには、切り込み深さ(加工深さ)はあまり大きくとれない。加工深さが大きいと、スリット62の加工精度や面状態に悪影響を与えるおそれがあるので、加工深さは極力小さい方が好ましい。
【0110】
光ファイバ16はV溝12に設置されているため、光ファイバ16を切断するまで加工するとなると、基台14も一緒に加工することになり加工負荷は増大する。
【0111】
そこで、この問題を解決するために、各光ファイバ16の上部の一部はV溝12から出る寸法設定にしておくとよい。例えば光ファイバ16の頂部とV溝12の上面が一致する場合では、基台14に対する加工深さは125μmとなってしまうのに対し、光ファイバ16の半分がV溝12からはみ出る深さ寸法であれば、基台14を加工する深さは上述の半分、即ち、62.5μmとなり、加工負荷は低減できる。つまり、上述のような狭いスリット62を加工する場合、基台14を加工する深さは100μm以下とすることが好ましい。
【0112】
次に、本発明に係る光デバイスの製造方法を、第4の実施の形態に係る光デバイス10Dを作製する場合に適用した実施例を図8〜図11を参照しながら説明する。
【0113】
まず、図8のステップS1において、光ファイバアレイ18を作製する。具体的には、最初のステップS11において、基台14、配線基板36及び全反射部材92を準備する(図9及び図10参照)。
【0114】
この場合、基台14は、複数のV溝12と側壁40が一体に形成されたものを準備した。配線基板36にはアルミナを採用し、厚み1mmとした。受光素子70(図7参照)としては、厚み200μmのフォトダイオードを用いた。全反射部材92には、厚み100μm、屈折率2.2のガラスを用いた。
【0115】
加工精度等を考慮し、光ファイバアレイ18と受光素子アレイ32の間隔が120μmになるように基台14の側壁40の設置面42の高さを設定した。また、光ファイバ16の頂部がV溝12の上面から50μm程度はみ出るようなV溝深さに設定した。
【0116】
基台14の側壁40には、予めスリット加工時の逃げ(凹部100)を形成し、スリット加工時は基台14を加工することなく、光ファイバ16のみにスリット加工が行える状態にしておいた。この凹部100は、底部がV溝12の底部と一致する深さとし、幅(光ファイバ16の光軸の沿った長さ)を1mmとした。
【0117】
この場合、凹部100に対応する部分にV溝12が存在しない構造となり、光ファイバ16のうち、凹部100に対応する部分が浮いた状態となる。しかし、光ファイバ16にスリット62(図7参照)を形成するのに先立って、光ファイバ16の表面の一部に第1の屈折率整合層56として用いる接着剤を塗布することで、光ファイバ16が接着剤で覆われた状態となり、上述のような浮いた状態はなくなる。従って、その後のスリット形成において、光ファイバ16が揺動するということはなくなり、高精度にスリット62を形成することができる。
【0118】
その後、図8のステップS12において、V溝12に光ファイバ16を載置した。その後、ステップS13において、図11に示すように、基台14上に第1の押さえ基板20Aを載置した後、該第1の押さえ基板20Aと基台14の隙間を通じて、あるいは第1の押さえ基板20Aに形成された図示しない接着剤注入口を通じて接着剤を供給し、硬化した。
【0119】
その後、ステップS14において、図11に示すように、光ファイバ16のうち、モニタ部30に対応する部分に仮の押さえ基板102を載置し、仮の押さえ基板102と基台14の隙間を通じて、あるいは仮の押さえ基板102に形成された図示しない接着剤注入口を通じて、第1の屈折率整合層56として用いられる接着剤を供給した。
【0120】
その後、ステップS15において、仮の押さえ基板102を除去後、基台14上に第2の押さえ基板20Bを載置した後、該第2の押さえ基板20Bと基台14の隙間を通じて、あるいは第2の押さえ基板20Bに形成された図示しない接着剤注入口を通じて接着剤を供給し、硬化した。
【0121】
その後、ステップS16において、各光ファイバ16の端面を研磨した。この段階で、多数の光ファイバ16による光ファイバアレイ18が構成されることになる。
【0122】
次に、図8のステップS2において、各光ファイバ16のうち、モニタ部30に対応する部分に幅20μmのスリット62を#2000、20μm幅のダイヤモンド砥石を用い、ダイシング装置にて加工した。スリット62の角度ψ(基準面(鉛直面)とのなす角)は10°とした。
【0123】
続いて、ステップS3において、全反射部材92の設置を行った。第1の屈折率整合層56として用いる接着剤に屈折率1.8のものを使用することを前提に、全反射部材92の端面92aの角度(基準面(鉛直面)とのなす角)は19°とした。これにより、その後に設置される受光素子70の受光面への反射光52の入射角は0°となる。
【0124】
また、反射部60から約170μmのところにおいて、反射光52がクラッド54から抜けるので、全反射部材92の長さを200μmとし、反射光52がクラッドから抜ける位置がこの全反射部材92の前面92b(図7参照)から150μmの位置となるように設定した。
【0125】
これにより、全反射部材92の前面92bは反射部60より20μmほど後部に位置することになるため、第1の屈折率整合層56として用いる接着剤が反射部60に流れ込むことがない。なお、全反射部材92の厚みは100μm、幅は、光ファイバアレイのピッチが250μmで8心であることから、2.2mmとした。
【0126】
反射光52がクラッド54から抜ける位置に確実に第1の屈折率整合層56が形成されるように屈折率1.8のUV接着剤(第1の屈折率整合層56として用いる接着剤)にて全反射部材92を固定した。反射部60におけるスリット62を観察しながら位置決めを行ったので、各チャネルに対し、ばらつきのない状態で全反射部材92を設置することができた。
【0127】
その後、図8のステップS4において、受光素子アレイ32の設置を行った。この工程は、まず、全反射部材92の後端部(端面92a側の部分)を画像で認識し、配線基板36に実装された受光素子アレイ32を位置決めした。このとき、光ファイバアレイ18の先端から波長1.55μmのレーザ光を入射しておき、出射される反射光52を受光素子アレイ32で受け、該受光素子アレイ32の出力をモニタしながら、出力が最大となるように設置位置を微調整した。このとき、受光素子アレイ32のうち、1チャネルと8チャネルの受光素子70の出力をモニタしながら調整を行った。受光素子70の出力のモニタは、配線基板36上に形成された配線パターン34にプローブを当てて、検出した。
【0128】
受光素子アレイ32の高さ方向は、配線基板36を基台14の側壁40の上端面(設置面42)に設置させるようにしたので、全反射部材92から20μmの位置に設置された。このとき、配線基板36と設置面42の間に熱硬化型の接着剤を塗布しておいた。そして、全反射部材92と受光素子アレイ32間の20μmのギャップに第2の屈折率整合層94となる屈折率2.8のUV接着剤を充填し、紫外線を照射して硬化させた。
【0129】
その後、ステップS5において、光ファイバアレイ18を含む基台14全体を80℃に加熱し、UV接着剤の熱養生と熱硬化型接着剤の硬化を同時に行った。
【0130】
最後に、図8のステップS6において、検査を行った。反射光52(モニタリング光)としては、13dBの光を確認した。チャネル間のクロストークは40dBと良好であった。光ファイバ16のコア50を伝搬する信号光の損失は反射光成分の減衰を含め1dBの損失であり、問題ない結果を得た。
【0131】
そして、上述の工程を踏むことにより、8心250μmピッチのファイバアレイを有するモニタリング機能付き光デバイス(第4の実施の形態に係る光デバイス10D)が完成した。
【0132】
この場合、第1及び第2の押さえ基板20A及び20Bが設置された部分の長さがそれぞれ3mm、モニタ部30の長さが3mm、載置面24の長さが3mm、オープン部28の長さが2mmであって、全長14mmと小型に作製することができた。厚みは、基台14、第1及び第2の押さえ基板20A及び20Bとも1.5mmであり、幅は5mmとした。
【0133】
上述の第1〜第4の実施の形態に係る光デバイス10A〜10Dにおいては、光ファイバ16のクラッド54上に屈折率整合層56を介して受光素子70を設置するようにしたが、その他、クラッド54の一部を削り、その削った部分に受光素子70を設置するようにしてもよい。
【0134】
以下、その構成を採用した第5の実施の形態に係る光デバイス10Eについて図12〜図22を参照しながら説明する。
【0135】
この第5の実施の形態に係る光デバイス10Eは、上述した第1の実施の形態に係る光デバイス10Aとほぼ同様の構成を有するが、図12に示すように、光ファイバ16のクラッド54のうち、受光素子70(図13参照)が設置される部分に削り込み加工を施して、例えば底面110aが平坦な凹部110(削り部分)を設け、更に、図13に示すように、該凹部110に受光素子70を屈折率整合層56(接着剤層)を介して設置している点で異なる。これにより、反射部60から受光素子70の受光面までの距離を短くすることができる。
【0136】
図12及び図13では、凹部110の底面110aを後部ファイバ16Aの後部反射端面64まで連続して形成した例を示している。もちろん、図14に示すように、凹部110を後部ファイバ16Aの後部反射端面64から遠ざけた位置に形成するようにしてもよい。
【0137】
この第5の実施の形態に係る光デバイス10Eの効果としては、以下のものが挙げられる。
【0138】
まず、第1に、127μmピッチ等のように狭い間隔の光ファイバアレイ18の場合、受光素子70の受光面積を小さくする必要から、反射光52のスポット径が限られることと、配列ピッチが狭いため、他のチャネルに光が入るというクロストークの発生が問題となるが、この第5の実施の形態では、クラッド54に凹部110を設け、該凹部110に受光素子70を設置したことから、反射部60から受光素子70の受光面までの距離を短くすることができ、反射光52における受光素子70の受光面でのスポット径を小さくすることができる。これは、クロストークの低減に有効となる。
【0139】
第2に、削り込みによって形成された前記凹部110における内壁110b(図12参照)を、受光素子70の設置上の基準とすることで、受光素子70(並びに受光素子アレイ32)の光軸方向に対するパッシブアライメントが可能となる。通常、受光素子70(並びに受光素子アレイ32)を設置する場合、受光素子70からの光をモニタしながら光ファイバ16との光軸合わせ(光信号の出力が最も強く観測される位置を見つけること)を行って設置するようにしているが、前記凹部110における内壁110bを設置上の基準とすることで、上述のような光信号出力のモニタの手間をなくすことができ、受光素子70(並びに受光素子アレイ32)の設置にかかる時間の短縮、工程の簡略化を図ることができる。
【0140】
第3に、後部ファイバ16Aの上部における反射光52の損失要因の除去が可能となる。即ち、例えば図15Aに示すように、V溝12に屈折率整合層を構成しない接着剤112を用いて光ファイバ16を固定した場合を想定する。この場合、光ファイバ16のクラッド54上に接着剤112が残留すると、この残留した接着剤(残留接着剤112a)の上部に屈折率整合層56を介して受光素子70が設置されることになるが、クラッド54と残留接着剤112aとの界面並びに残留接着剤112aと屈折率整合層56との界面にて反射光52の出力が弱められることとなる。
【0141】
一方、この第5の実施の形態では、クラッド54に対する削り込みによって、該クラッド54に凹部110を設けることから、図15Bに示すように、凹部110の底面110aに接着剤112が残留するということがない。そのため、凹部110の底面110a上に屈折率整合層56を介して受光素子70を設置しても、前記接着剤112による反射光52の損失は発生しない。
【0142】
第4に、熱変動に対しても、受光素子70にて安定に受光を行うことができる。即ち、削り込みによって凹部110を形成すると、受光素子70が設置される部分(凹部110の底面110a)が平坦面を有する構造となる。
【0143】
従って、図13に示すように、凹部110の底面110a上に屈折率整合層56を介して受光素子70を設置する場合や、後述するように(図19及び図20参照)、凹部110の底面に第1の屈折率整合層56を介して導波部材120を設置し、更に、該導波部材120上に第2の屈折率整合層94を介して受光素子70を設置する場合等において、凹部110の底面110a上に設けられる屈折率整合層56(第1の屈折率整合層)の厚みを前記凹部110の底面110a上において均一とすることができる。
【0144】
通常、円柱状の光ファイバ16上に屈折率整合層56を介して受光素子70を設置する場合、受光素子70の受光面をほぼ水平に維持して設置する。ここで、受光素子70の受光面の中心線(光ファイバ16の光軸に沿った線)を考えたとき、その中心線から左右に向かうほど屈折率整合層56の厚みが大きくなる。屈折率整合層56として使用される接着剤は、熱膨張係数が200〜300×10-7[1/℃]と大きいために、屈折率整合層56として用いられる接着剤の厚みが不均一な場合、熱変動による応力不均一が無視できない場合がある。このような応力不均一状態においては、その屈折率分布も不均一となる場合があると想定される。
【0145】
この課題は、接着剤の硬化条件(方法)等で回避することも可能であるが、有効な手段の1つとしては、この第5の実施の形態に係る光デバイス10Eのように、削り込みによってクラッド54に凹部110を形成することによって、屈折率整合層56として用いる接着剤の厚みを均一にすることが挙げられる。
【0146】
ここで、その他の好ましい態様について説明する。削り込みを行う位置については、特に限定されるものではないが、反射部60のコア端面から受光素子70の受光中心までの距離が5mmの範囲になる位置であることが望ましい。これは反射部より受光位置が離れるほど反射モニタ光の受光パワーが減衰してしまうためである。
【0147】
削り込み量については、直径125μmのシングルモードファイバの場合、後部ファイバ16Aの上端部から最小で21μm、最大で55μmとすることが望ましい。
【0148】
削り込み量の最小値については、反射光52のスポット径が約10μmにおいて損失要因の影響を受けないことを考慮すると、直径125μmファイバの場合、凹部110の底面110aの幅が最低10μmになるように、最小で21μmの削り量とすることが好ましい。
【0149】
また、光ファイバ16におけるコア50の周囲には、コア50の内部での全反射による漏れ光が周囲2μm程度存在している。この範囲まで削り込みを行ってしまうと、コア50を伝搬する信号光まで取り出してしまうことになり、信号光の損失要因となる。従って、削り込みの最大値はこの漏れ光の範囲に及ばないことが好ましい。例えば直径125μmシングルモードファイバの場合、55μmまで削り込みを行うことができる。
【0150】
次に、第5の実施の形態に係る光デバイス10Eにおいて、凹部110に受光素子70を設置するいくつかの形態(具体例)について説明する。
【0151】
まず、第1の具体例に係る光デバイス10Eaは、図17及び図18に示すように、凹部110の底面110aに屈折率整合層56を介して受光素子70を設置することが挙げられる。この場合、コア50から凹部110の底面110aまでの最短距離dは2μm以上であり、屈折率整合層56の厚みtは3μm未満が好ましい。
【0152】
次に、第2の具体例に係る光デバイス10Ebは、図19及び図20に示すように、凹部110の底面110aに第1の屈折率整合層56を介して導波部材120を設置し、更に、該導波部材120上に第2の屈折率整合層94を介して受光素子70を設置する。導波部材120としては、ガラスや高分子材料が挙げられる。
【0153】
この第2の具体例に係る光デバイス10Ebは、コア50の近傍まで削り込みを行って凹部110を形成する場合に好ましい。即ち、光ファイバ16のような導波路は、その実効屈折率により、光の伝搬形態が決定される。コア50の近傍に受光素子70のような屈折率の大きな物質が配置されると、このコア50における光の伝搬形態に影響を及ぼす場合がある。このような影響が懸念される場合は、この第2の具体例に示すように、凹部110の直上にガラスや高分子材料にて構成された導波部材120を屈折率整合層56を介して配置すればよい。
【0154】
次に、第3の具体例に係る光デバイス10Ecは、上述した第1の具体例に係る光デバイス10Eaとほぼ同様の構成を有するが、屈折率整合層56の厚みtが3μm以上である点で異なる。この第3の具体例においては、コア50の近傍に受光素子70を設置する場合の影響の懸念を払拭したい場合で、かつ、第2の具体例に示すような導波部材120を設置することが困難な場合に有効である。
【0155】
これらの具体例に係る光デバイス10Ea〜10Ecにおいては、凹部110と受光素子70間、あるいは凹部110と導波部材120間に屈折率整合層56を介在させるようにしているが、これらの場合、屈折率整合層56として機能する接着剤を用いることが挙げられる。一般に、接着剤の厚みを制御すること、特に、薄く制御することは容易ではないが、厚くすることは容易である。従って、第3の具体例に係る光デバイス10Ecにおいては、製造の簡単化においても有利となる。
【0156】
なお、この発明に係る光デバイス及びその製造方法は、上述の実施の形態に限らず、この発明の要旨を逸脱することなく、種々の構成を採り得ることはもちろんである。
【0157】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る光デバイス及びその製造方法によれば、モニタリング機能を有する光デバイスの小型化及び光ファイバアレイの高密度化を図ることができ、更に、信号光の減衰を抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る光デバイスを正面から見て示す断面図である。
【図2】第1の実施の形態に係る光デバイスを側面から見て示す断面図である。
【図3】受光素子アレイが実装された配線基板を示す説明図である。
【図4】第1の実施の形態に係る光デバイスにおけるモニタ部の拡大図である。
【図5】第2の実施の形態に係る光デバイスにおけるモニタ部の拡大図である。
【図6】第3の実施の形態に係る光デバイスにおけるモニタ部の拡大図である。
【図7】第4の実施の形態に係る光デバイスにおけるモニタ部の拡大図である。
【図8】本実施の形態に係る製造方法を示す工程ブロック図である。
【図9】本実施の形態に係る製造方法にて作製される第4の実施の形態に係る光デバイスを正面から見て示す断面図である。
【図10】第4の実施の形態に係る光デバイスを側面から見て示す断面図である。
【図11】仮の押さえ基板を載置した状態を示す説明図である。
【図12】第5の実施の形態に係る光デバイスにおいて、クラッドに凹部を形成した状態を示す説明図である。
【図13】第5の実施の形態に係る光デバイスを側面から見て示す断面図である。
【図14】クラッドの他の部分に凹部を形成した状態を示す説明図である。
【図15】図15Aはクラッド上に残留する接着剤の影響を示す説明図であり、図15Bは凹部による効果を示す説明図である。
【図16】図16Aは円柱状の光ファイバ上に屈折率整合層を形成した場合の影響を示す説明図であり、図16Bは凹部による効果を示す説明図である。
【図17】第1の具体例に係る光デバイスを側面から見て示す断面図である。
【図18】図17におけるXVIII−XVIII線上の断面図である。
【図19】第2の具体例に係る光デバイスを側面から見て示す断面図である。
【図20】図19におけるXX−XX線上の断面図である。
【図21】第3の具体例に係る光デバイスを側面から見て示す断面図である。
【図22】図21におけるXXII−XXII線上の断面図である。
【図23】従来例に係るモニタデバイスの構成を示す斜視図である。
【図24】従来例に係るモニタデバイスを側面から見て示す断面図である。
【図25】従来例に係るモニタデバイスの平行溝の部分を示す拡大図である。
【符号の説明】
10A〜10E、10Ea〜10Ec…光デバイス
12…V溝 14…基台
16…光ファイバ 16A…後部ファイバ
16B…前部ファイバ 18…光ファイバアレイ
20A…第1の押さえ基板 20B…第2の押さえ基板
32…受光素子アレイ 36…配線基板
40…側壁 42…設置面
50…コア 52…反射光
54…クラッド 56…屈折率整合層(第1の屈折率整合層)
60…反射部 62…スリット
70…受光素子 80…全反射面
82…全反射層(スリット) 90…ミラー部材
92…全反射部材 94…第2の屈折率整合層
100、110…凹部 120…導波部材
Claims (11)
- 1以上の光ファイバの途中にコアが途切れた部分を有し、この途切れた部分に、前記光ファイバのコアとの比屈折率差が10%以上の層が存在し、前記1以上の光ファイバの途中から前記比屈折率差を利用した反射光を、前記光ファイバの表面の一部に形成された屈折率整合層を通して、前記光ファイバのクラッド外に取り出す構造を有する光デバイスであって、
前記光ファイバが載置されるV溝が形成された基台を有し、
前記光ファイバのうち、前記屈折率整合層を通して前記反射光が取り出される部分に受光素子が設置され、
前記受光素子は、前記基台にて支持された配線基板に実装され、
前記光ファイバのクラッドに凹部が形成され、
前記凹部の底部の上に前記屈折率整合層を介して前記受光素子が設置されていることを特徴とする光デバイス。 - 請求項1記載の光デバイスにおいて、
前記コアが途切れた部分は、前記光ファイバにおけるクラッドの表面からコアに達するスリットにて形成されていることを特徴とする光デバイス。 - 請求項1又は2記載の光デバイスにおいて、
前記コアが途切れた部分は、2本の光ファイバの端面を互いに近接させることで形成されていることを特徴とする光デバイス。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の光デバイスにおいて、
前記基台は、前記V溝の形成部分の両側において立ち上がる側壁が一体に形成され、
前記側壁の上端面に前記配線基板が前記受光素子を前記光ファイバに向けて載置されていることを特徴とする光デバイス。 - 請求項4記載の光デバイスにおいて、
前記基台は、前記光ファイバの前記コアが途切れた部分に対応する箇所に、底部が前記V溝の底部と一致する深さの第2凹部が形成され、
前記第2凹部は、前記基台の側壁にわたって連続して形成されていることを特徴とする光デバイス。 - 請求項1記載の光デバイスの製造方法であって、
1以上のV溝が形成された基台の前記V溝にそれぞれ1以上の光ファイバを載置固定する工程と、
前記光ファイバの一部に少なくともコアを切断するスリットを形成する工程と、
前記光ファイバのクラッドに凹部を形成する工程と、
前記凹部の底部の上に屈折率整合層として用いる接着剤を塗布する工程と、
前記接着剤の上に受光素子を設置する工程とを有することを特徴とする光デバイスの製造方法。 - 請求項6記載の光デバイスの製造方法において、
前記基台として、前記光ファイバの前記コアが途切れた部分に対応する箇所に、底部が前記V溝の底部と一致する深さの第2凹部が形成され、且つ、前記第2凹部は、前記基台の側壁にわたって連続して形成されている基台を用いることを特徴とする光デバイスの製造方法。 - 請求項6又は7記載の光デバイスの製造方法において、
前記光ファイバの前記V溝への固定は、前記V溝に前記光ファイバを載置した後、前記基台上に押さえ基板を載置し、更に、前記押さえ基板と基台間に供給された接着剤によって前記光ファイバを前記V溝に固定することを特徴とする光デバイスの製造方法。 - 請求項6〜8のいずれか1項に記載の光デバイスの製造方法において、
前記光ファイバの表面の一部への前記屈折率整合層として用いる接着剤の塗布は、前記V溝に固定された前記光ファイバに仮の押さえ基板を載置し、該仮の押さえ基板と基台間に前記接着剤を供給することによって行われ、その後、前記仮の押さえ基板は除去されることを特徴とする光デバイスの製造方法。 - 請求項6〜9のいずれか1項に記載の光デバイスの製造方法において、
前記屈折率整合層として用いる接着剤の上に受光素子を位置決め固定する工程を有することを特徴とする光デバイスの製造方法。 - 請求項10記載の光デバイスの製造方法において、
前記受光素子を位置決め固定する工程は、前記基台における前記V溝の形成部分の両側において立ち上がる側壁の上端面を接着剤にて硬化し、その後、予め前記受光素子が実装された配線基板を、前記側壁の上端面に、前記受光素子を前記光ファイバに向けて載置することを特徴とする光デバイスの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002093525A JP3914450B2 (ja) | 2002-03-29 | 2002-03-29 | 光デバイス及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002093525A JP3914450B2 (ja) | 2002-03-29 | 2002-03-29 | 光デバイス及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003294990A JP2003294990A (ja) | 2003-10-15 |
JP3914450B2 true JP3914450B2 (ja) | 2007-05-16 |
Family
ID=29237943
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002093525A Expired - Fee Related JP3914450B2 (ja) | 2002-03-29 | 2002-03-29 | 光デバイス及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3914450B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2006098702A (ja) | 2004-09-29 | 2006-04-13 | Ngk Insulators Ltd | 光デバイス |
JP4796950B2 (ja) | 2006-02-03 | 2011-10-19 | 日本碍子株式会社 | 光デバイス |
JP4796951B2 (ja) | 2006-02-03 | 2011-10-19 | 日本碍子株式会社 | 光デバイス |
JP5314587B2 (ja) * | 2009-12-21 | 2013-10-16 | パナソニック株式会社 | 光モジュール |
JP2014099453A (ja) * | 2012-11-13 | 2014-05-29 | Sumitomo Electric Ind Ltd | 増幅用マルチコア光ファイバおよびマルチコア光ファイバ増幅器 |
KR101656603B1 (ko) * | 2015-01-28 | 2016-09-09 | 광주대학교산학협력단 | 실시간 모니터링이 가능한 광신호 검출장치 |
-
2002
- 2002-03-29 JP JP2002093525A patent/JP3914450B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2003294990A (ja) | 2003-10-15 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
US7123798B2 (en) | Optical device and method of producing the same | |
US7116886B2 (en) | Devices and methods for side-coupling optical fibers to optoelectronic components | |
US10094989B2 (en) | Optical device, optical processing device, and method of producing the optical device | |
US9575257B2 (en) | Optical device, optical processing device, method for fabricating optical device | |
KR20070024440A (ko) | 광도파로 기판 및 그 제조 방법 | |
US20080267567A1 (en) | Optical splicer, optical module, and method of producing optical splicer | |
WO2006035906A1 (ja) | 光デバイス | |
US20180364425A1 (en) | Optical component, optical device, and method of manufacturing optical component | |
JP2003294992A (ja) | 光デバイス | |
JP4349372B2 (ja) | 光モジュール及び光モジュールの製造方法 | |
JP2000347050A (ja) | 光送受信モジュール | |
JP3914450B2 (ja) | 光デバイス及びその製造方法 | |
US20060098912A1 (en) | Optical device | |
JP2003295000A (ja) | 光デバイス | |
JP4446596B2 (ja) | 光モジュールの製造方法 | |
KR20180072285A (ko) | 광결합장치 및 그 제조방법 | |
JP2006201499A (ja) | 光通信モジュール | |
US7172344B2 (en) | Optical filter module and manufacturing method thereof | |
EP2031427B1 (en) | Optical terminal | |
US7044649B2 (en) | Optical filter module, and manufacturing method thereof | |
JP2000009953A (ja) | 波長分波器とこの波長分波器を備えた光送受信モジュール | |
WO2004011982A1 (ja) | 光デバイス及びその製造方法 | |
JP4792422B2 (ja) | 平面光波回路 | |
JPWO2019189680A1 (ja) | 光ファイバアレイ | |
JPH0627354A (ja) | フォトダイオードと光導波路との結合装置及び該結合装置を製造する方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040914 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20060420 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060425 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20060626 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20061107 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20061228 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20070130 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20070202 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100209 Year of fee payment: 3 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110209 Year of fee payment: 4 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120209 Year of fee payment: 5 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130209 Year of fee payment: 6 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130209 Year of fee payment: 6 |
|
LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |