JP3914228B2 - レーザエネルギー伝送用中空導波路及びその製造方法 - Google Patents

レーザエネルギー伝送用中空導波路及びその製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP3914228B2
JP3914228B2 JP2004319960A JP2004319960A JP3914228B2 JP 3914228 B2 JP3914228 B2 JP 3914228B2 JP 2004319960 A JP2004319960 A JP 2004319960A JP 2004319960 A JP2004319960 A JP 2004319960A JP 3914228 B2 JP3914228 B2 JP 3914228B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
tubular member
dielectric film
hollow waveguide
film
energy transmission
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2004319960A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006133337A (ja
Inventor
栄介 大島
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yoshida Dental Mfg Co Ltd
Original Assignee
Yoshida Dental Mfg Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yoshida Dental Mfg Co Ltd filed Critical Yoshida Dental Mfg Co Ltd
Priority to JP2004319960A priority Critical patent/JP3914228B2/ja
Publication of JP2006133337A publication Critical patent/JP2006133337A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3914228B2 publication Critical patent/JP3914228B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Description

本発明は、レーザ光を伝送するために用いられるレーザエネルギー伝送用中空導波路及びその製造方法に関する。
レーザエネルギー伝送用中空導波路は医療、計測、分析の各種分野において、大出力のレーザ光を伝送するために用いられている。特許文献1には、波長10.6μm帯域のCO2レーザ(炭酸ガスレーザ)、波長2.94μm帯域のEr−YAGレーザ、波長5μm帯域のCOレーザ等のレーザ光に対して低損失での伝送が可能な中空導波路が記載されている。
特許文献1に記載される従来のレーザエネルギー伝送用中空導波路は、金属パイプの内部に環状ポリオレフィン溶液を注入して付着させた後、高温の熱処理を行った乾燥、固化させることにより環状ポリオレフィンの誘電体膜を金属パイプの内面に析出させ、この誘電体膜によって区画される中空領域を導波路とするものである。
特開2002−71973号公報
従来のレーザエネルギー伝送用中空導波路では、誘電体膜を構成する環状ポリオレフィンの引張り破断伸びが小さいため、衝撃が加わったり、曲げや引張りが加わると、誘電体膜が簡単に剥離したり破断する。このため、耐久性に劣るばかりでなく、導波路を屈曲させて配索することが難しく、配索の自由度が小さい問題を有している。
また、環状ポリオレフィンは可視光の透過率が小さく、中空導波路を屈曲させて使用する場合には、可視光の透過率が極端に低下する。このため、レーザ光のガイド光として可視光を同軸に用いた場合にガイド光の伝送損失が大きくなり、見えにくい問題も有している。そして、このようにガイド光の伝送損失が大きく、見えにくい場合には、例えば、手術中における焦点位置が分かりにくくなり誤切開等の事故を誘発する危険性がある。このような危険性を回避するためには、ガイド光を同軸に用いることなく、別のファイバを用いてガイド光を導光する必要があり、この場合には、構造が複雑となる。さらに、レーザエネルギー伝送用に用いた中空導波路が折れた場合には、別のファイバからのガイド光だけが光るため、中空導波路からレーザ出力がされていない判断ができないものともなる。
さらに、また、環状ポリオレフィンの誘電体膜を形成するためには、熱処理して焼き付けを行う必要があり、そのための温度条件や加熱媒体等に対する制御が必要となるばかりでなく、製造工程が面倒であり、長時間を要する問題を有している。
本発明は、このような問題点を考慮してなされたものであり、衝撃や曲げ、引張り等の外力に対する強度が大きく耐久性を有していると共に、配索を簡単に行うことができ、しかもガイド光に用いる可視光の伝送損失が小さく、見えやすいばかりでなく、誘電体膜を簡単に形成することが可能なレーザエネルギー伝送用中空導波路及びその製造方法を提供することを目的とする。
請求項1記載の発明のレーザエネルギー伝送用中空導波路は、内面が鏡面となっている管状部材と、スチレン樹脂50〜90重量%、ブタジエン樹脂50〜10重量%からなる可撓性を有したスチレンブタジエン共重合体からなり、管状部材の内面に被着された誘電体膜とを備えていることを特徴とする。
請求項1記載の発明では、管状部材の内面側で導波路を構成する誘電体膜が可撓性を有しており、曲げに対して良好に追従することができると共に引張りに対しても十分に伸びることができる。また、誘電体膜はスチレン樹脂を主成分とすることにより衝撃に対して大きな強度を有している。これらにより、誘電体膜が剥離したり、破断することがなく大きな耐久性を有している。従って、例えば、管状部材を曲げても、その曲げに良好に追随することができるため、配索を簡単に行うことができると共に配索の自由度を増大させることができる。
また、誘電体膜に用いるスチレンブタジエン共重合体は、スチレン樹脂を主成分とすることにより可視光の透過率が大きく、中空導波路を曲げて使用しても可視光の伝送損失が大きくなることがない。このため、レーザ光に加えて可視光をガイド光として通してもガイド光の伝送損失が小さく、使用に際して見えやすく操作性が向上する。このため、誤切開等の事故の発生を防止することができる。さらに、ガイド光を同軸に用いることができるため、ガイド光が出力されない場合には、レーザエネルギー伝送用に用いている中空導波路に破損が生じていることを予測することができる等の的確な判断をすることが可能となる。
さらに、スチレンブタジエン共重合体からなる誘電体膜はスチレン樹脂を主成分とすることにより溶媒への均一な溶解が可能であると共に、溶媒から容易に析出させることが可能となっている。従って、管状部材内面への被着に際しては、溶媒を飛散させるだけで良く、熱処理を行う必要がなくなる。これにより、管状部材内面への誘電体膜の形成を簡単に行うことができる。
請求項記載の発明は、請求項1記載のレーザエネルギー伝送用中空導波路であって、管状部材の内面に金属薄膜がコーティングされていることを特徴とする。
請求項記載の発明のように、管状部材の内面に金属薄膜をコーティングすることにより、管状部材の内面を鏡面とすることができるため、レーザ光の伝送効率を向上させることができる。
請求項記載の発明は、請求項記載のレーザエネルギー伝送用中空導波路であって、金属薄膜が銀、金、モリブデンまたはニッケルの薄膜であることを特徴とする。
請求項記載の発明では、金属薄膜として銀、金、モリブデンまたはニッケルの薄膜を用いるため、管状部材内面への金属薄膜の形成を容易に行うことができる。
請求項記載の発明は、請求項1または記載の中空導波路であって、管状部材が石英からなる中空ガラス管、金属パイプ、非金属パイプまたはフッ素樹脂製パイプであることを特徴とする。
請求項記載の発明のように、管状部材として石英製の中空ガラス管や金属パイプ、非金属パイプまたはフッ素樹脂製パイプを用いることにより、中空導波路の原料としての管状部材の安定供給が可能となる。
請求項記載の発明のレーザエネルギー伝送用中空導波路の製造方法は、スチレン樹脂50〜90重量%、ブタジエン樹脂50〜10重量%からなる可撓性を有したスチレンブタジエン共重合体からなる誘電体の溶液を、内面が鏡面となっている管状部材の内部に流動させて誘電体膜を被着した後、溶媒を飛散させて誘電体膜を析出させることを特徴とする。
請求項記載の発明では、誘電体膜を管状部材の内面に被着させた後、誘電体の溶媒を飛散させて誘電体膜を析出させるため、誘電体膜被着のための熱処理を行う必要がなく、管状部材内面への誘電体膜の形成を簡単に行うことができる。このため、製造を簡単に行うことができると共に、迅速な製造を行うことが可能となる。
請求項記載の発明のレーザエネルギー伝送用中空導波路の製造方法は、銀イオン溶液と還元液とを管状部材の内面に流通させながら管状部材の内部で銀を析出させて銀膜を管状部材の内面にコーティングする工程と、スチレン樹脂50〜90重量%、ブタジエン樹脂50〜10重量%からなる可撓性を有したスチレンブタジエン共重合体からなる誘電体の溶液を管状部材の内部に流動させて銀膜上に誘電体膜を被着した後、溶媒を飛散させて誘電体膜を析出させることを特徴とする。
請求項記載の発明では、請求項記載と同様の作用を有するのに加え、銀鏡反応によって銀膜を析出させることにより、管状部材の内面を鏡面とするため、鏡面の形成を容易且つ迅速に行うことが可能となる。
本発明のレーザエネルギー伝送用中空導波路によれば、誘電体膜が可撓性を有しているため、衝撃や引張り、曲げ等の外力が作用しても誘電体膜が剥離したり破断することなく、耐久性を向上させることができると共に、導波路の配索を確実且つ容易に行うことができる。また、スチレン樹脂50〜90重量%、ブタジエン樹脂50〜10重量%のスチレンブタジエン共重合体からなる誘電体膜は、スチレン樹脂を主成分としており、可視光の透過率が大きく可視光をガイド光として通しても伝送損失が小さいため、使用に際して見えやすく操作性が向上する。
本発明のレーザエネルギー伝送用中空導波路の製造方法によれば、管状部材内面への誘電体膜の形成のために熱処理を行う必要がないため、誘電体膜の形成を簡単に行うことができ、製造の制御が容易となると共に、迅速に製造することができる。
図1及び図2は、本発明の一実施の形態におけるレーザエネルギー伝送用中空導波路(以下、中空導波路)1を示し、管状部材2と、管状部材2の内面に被着された誘電体膜3とを備えており、誘電体膜3の内面によって区画される中空領域4がレーザ光の導波路となる。レーザ光としては、波長10.6μm帯域のCO2レーザ、波長3近辺帯域のEr−YAGレーザ、波長5μm近辺帯域のCOレーザ等を用いることができる。
管状部材2としては、金属パイプ、非金属パイプ、フッ素樹脂パイプあるいは石英からなる中空ガラス管を使用することができる。レーザ光は、誘電体膜3内方側の中空領域4内に導入されることにより、中空領域4と誘電体膜3との境界及び誘電体膜3と管状部材2との境界で反射を繰り返すことにより伝搬される。このため、誘電体膜3との境界面である管状部材2の内面が鏡面に形成されるものである。
この実施の形態において、管状部材2の内面に金属薄膜5をコーティングすることにより、管状部材2の内面を鏡面とするものである。金属薄膜5としては、銀、金、モリブデン、ニッケルその他の金属の薄膜を用いることができる。これらの金属薄膜5は、管状部材2の内面に対してメッキ処理や蒸着処理、その他の処理を施すことにより形成することができる。
なお、金属薄膜5として銀膜を形成する場合には、銀鏡反応を行うことにより簡単に管状部材2の内面をコーティングすることが可能となる。銀膜のコーティングは、管状部材2として中空ガラス管を用い、この中空ガラス管の内部に還元液と銀イオン溶液を流動させながら銀鏡反応を行って中空ガラス管の内面に銀膜を形成するものである。この場合、中空ガラス管としては、0.5〜1.0mm程度の内径を有したものが使用される。このような銀鏡反応によって形成される銀膜は、粒子間の隙間が狭く、しかも粒子が小さいため、レーザ光を効率良く反射させることができるメリットを有している。この銀膜としては、0.1〜0.2μm程度の薄い膜厚で目的の反射を行うことができる。
管状部材2の内面を鏡面とする他の手段としては、管状部材2として金属パイプを用い、この金属パイプの内面に対して電解研磨、放電研磨等の研磨処理を行って鏡面としても良い。この場合には、管状部材2の内面に対して金属薄膜5をコーティングする必要がなくなる。
上述した誘電体膜3としては、スチレン樹脂を主成分とする可撓性を有した材料が用いられる。誘電体膜3として、スチレン樹脂を主成分とする材料を用いることにより、誘電体膜3の透過率が大きくなり、小さな損失でレーザ光を伝送することが可能となる。
管状部材2の内面に対する誘電体膜3の被着は、上述した材料を有機溶剤等の溶媒に溶解し、この溶液を管状部材2の内部に流動させて誘電体膜3を管状部材2の内面に付着させる。その後、管状部材2の内部に窒素ガス等の不活性ガスまたは圧縮空気あるいは不活性ガス及び圧縮空気の双方を供給して溶媒を飛散させて乾燥させることにより誘電体膜3を析出させることにより行うことができる。これに限らず、上述した材料の溶液に管状部材2を浸漬させてその内面に誘電体膜3を付着させ、その後、同様に乾燥することによっても誘電体膜3を被着させることができる。このような操作では、溶媒を飛散させるだけで確実に誘電体膜3を被着させることができる。このため、誘電体膜3の被着のために熱処理して焼き付けする必要がなくなり、誘電体膜3の被着を簡単で且つ短時間に行うことができるのに加え、工程数を削減することが可能となる。
この実施の形態において、誘電体膜3としてスチレン樹脂を主成分とすることにより、上述したようにレーザ光の良好な伝送効率を備えることができるのに加え、誘電体膜3の衝撃、曲げ等の外力に対する大きな強度を有したものとすることができる。さらに、誘電体膜3が可撓性を有していることにより、曲げに対して良好に追従することができるばかりでなく、引張りに対しても十分に伸びることができる。これらにより、誘電体膜3が破断したり、管状部材2から剥離することがなく、十分な耐久性を有したものとすることができる。従って、中空導波路1の配索のために、管状部材2を曲げても誘電体膜3がその曲げに良好に追従することができる。これにより、中空導波路1の配索を簡単且つ確実に行うことができる。
スチレン樹脂を主成分とし、且つ可撓性を有する材料としては、スチレン樹脂とブタジエン樹脂との共重合体を用いることができる。この共重合体は、スチレン樹脂としての衝撃等に対する強度を有するのに加え、ブタジエン樹脂としての可撓性を有した特性を備えるものである。スチレン樹脂及びブタジエン樹脂の重合度は、耐衝撃性や引張り強度等の誘電体膜3として要求される特性を考慮して設定されるものであり、例えば、スチレン樹脂50〜90重量%、ブタジエン樹脂50〜10重量%の範囲、より好ましくは、スチレン樹脂60〜80重量%、ブタジエン樹脂40〜20重量%の範囲で適宜変更することができる。スチレン樹脂が50重量%未満の場合には、ブタジエン樹脂が相対的に多くなって誘電体膜3としての耐衝撃性を備えることができず、スチレン樹脂が90重量%を超える場合には、可撓性が必要以上に低下するため好ましくない。
かかるスチレン樹脂とブタジエン樹脂との共重合体としては、例えば、商品名「アサフレックス830」(旭化成ケミカルズ(株)製)を用いることができる。この「アサフレックス830」は、スチレン樹脂70重量%、ブタジエン樹脂30重量%の共重合体である。また、「アサフレックス830」は、ペットボトル等の包装容器の材料として使用が許可されており、安全性の高いものとなっている。
誘電体膜3の膜厚としては、伝送されるレーザ光により適宜変更されるものであり、波長10.6μmの炭酸ガスレーザの場合には、1.1〜1.5μm程度、より好ましくは、1.3μm近辺の膜厚が良好である。
以上の構成からなるレーザエネルギー伝送用中空導波路1は、例えば、管状部材2の内径を0.7mmとした場合、1.5m以上の長さで作成することができる。
このような中空導波路1は、上述した特性に加えて、誘電体膜3としてスチレン樹脂を主成分としていることから、可視光の透過率が大きくなっている。このため、レーザ光を伝送する際に、可視光をガイド光として中空導波路1内に同軸に導入した場合においても、ガイド光の伝送損失が小さく、見え易く、操作性が向上するというメリットを有している。
なお、管状部材2として中空ガラス管を用い、その内面に銀膜をコーティングする場合について説明すると、まず中空ガラス管の内部を精製水により洗浄する。この洗浄は、真空ポンプの吸引力によって精製水を中空ガラス管内部に流動させることにより簡単に行うことができる。次に、還元液と銀イオン液の2種類の溶液を中空ガラス管の内部に流動させることにより、中空ガラス管内で銀鏡反応を行わせて中空ガラス管の内面に銀膜をコーティングする。銀膜のコーティングの後、中空ガラス管内に上述と同様にして精製水を流して洗浄し、その後、中空ガラス管内にエタノールを注入して付着している水分を除去する。ガラス管内に圧縮空気または不活性ガスあるいはこれらの双方を導入してエタノール及び残っている水分を揮散させ、コーティング処理を終了する。
銀膜のコーティングの後には、「アサフレックス830」を用いて誘電体膜を被着させる。まず、銀膜コーティングの中空ガラス管内に窒素ガスを流して水分及び埃を除去する。一方、「アサフレックス830」をシクロヘキサンによって溶解した溶液を作成し、この溶液を中空ガラス管内に流動させて「アサフレックス830」を中空ガラス管の銀膜上に付着させる。その後、中空ガラス管の内部に窒素ガス等の不活性ガスまたは圧縮空気あるいはこれらの双方を流して溶媒としてのシクロヘキサンを飛散させる。これにより、「アサフレックス830」からなる誘電体膜を銀膜上に析出させることができる。
ここで、「アサフレックス830」を始めとしたスチレン樹脂とブタジエン樹脂の共重合体はシクロヘキサンに極めて溶解し易い性質を有している。このため、スチレンブタジエン共重合体の溶液の調整を短時間で行うことができ、その分、誘電体膜の形成を迅速に行うことが可能となる。なお、「アサフレックス830」の溶媒としては、アセトン、トルエン、ジエチルエーテル、クロロホルム等のシクロヘキサン以外の有機溶媒も用いることが可能である。
内径0.7mm、長さ1.5mの中空ガラス管の内面に対して上述した銀鏡反応によって銀膜をコーティングした。一方、「アサフレックス830」をシクロヘキサンに溶解することにより、9重量%、9.5重量%、10重量%、10.5重量%、11重量%のそれぞれの濃度の「アサフレックス830」溶液を作成した。これらの「アサフレックス830」溶液を上述した中空ガラス管の内部に14cm/minの速度で送液して「アサフレックス830」を中空ガラス管の内面に付着させた。その後、中空ガラス管内に窒素ガスを流してシクロヘキサンを飛散させて乾燥し、「アサフレックス830」からなる誘電体膜を被着させることによりレーザエネルギー伝送用中空導波路を作成した。
作成された中空導波路を波長10.6μmの炭酸ガスレーザの伝送路として用いる場合、「アサフレックス830」の屈折率が1.572であり、伝送路内の空気の屈折率を約1とした場合、誘電体膜の膜厚は1.3μmとなる。
図3は、上述した「アサフレックス830」の各濃度によって形成された誘電体膜の透過率を示す。この実施例では、濃度が10重量%のとき、透過率84%となり、この濃度が最も良い結果となっている。
図4は、この実施例によって作成された中空導波路を半径300mmで曲げた場合における90°、135°、180°、225°、270°、315°、360°の各曲げ角度における透過率を測定した結果を示す。同図に示すように、半径300mmにおける360°の曲げ角度に対しても、透過率が78%程度であり、良好な透過率となっている。これにより、この実施例の中空導波路を曲げても伝送損失が大きくなることがなく、レーザ光の良好な伝送が可能であることが分かる。
表1は、誘電体膜として「アサフレックス830」及び比較例としての環状ポリオレフィンを形成した中空導波路における可視光の透過率を示している。この中空導波路は、「アサフレックス830」及び環状ポリオレフィンを10重量%濃度と、銀膜が内面にコーティングされた上述の中空ガラス管に対して14cm/minの速度で送液して誘電体膜を形成したものである。可視光としては、波長約530nmのグリーン光を伝送した。表1からわかるように、90°曲げた場合の可視光の透過率が「アサフレックス830」では、環状ポリオレフィンに比べて3倍以上となっており、可視光の伝送損失が小さくなっている。
表2は、「アサフレックス830」及び環状ポリオレフィンの曲げ及び引張りに対する特性値を示す。「曲げ弾性率」で示すように、環状ポリオレフィンは2450MPa力を加えないと撓まないのに対し、「アサフレックス830」は1100Mpaの力で撓むことができる。また、「引張り破断伸び」で示すように、環状ポリオレフィンは10%伸ばすと破断するのに対し、「アサフレックス830」は250%伸ばすまで破断することがない。これらにより「アサフレックス830」を用いた誘電体膜では、曲げに対して良好に追従することができると共に、引張りに対しても大きく伸びることができる可撓性を備えたものとなっている。
Figure 0003914228
Figure 0003914228
本発明の一実施の形態におけるレーザエネルギー伝送用中空導波路の断面図である。 図1と直交した方向の断面図である。 実施例における溶液濃度に対する透過率の特性図である。 実施例における曲げ角度に対する透過率の特性図である。
符号の説明
1 レーザエネルギー伝送用中空導波路
2 管状部材
3 誘電体膜
4 中空領域
5 金属薄膜

Claims (6)

  1. 内面が鏡面となっている管状部材と、スチレン樹脂50〜90重量%、ブタジエン樹脂50〜10重量%からなる可撓性を有したスチレンブタジエン共重合体からなり、管状部材の内面に被着された誘電体膜とを備えていることを特徴とするレーザエネルギー伝送用中空導波路。
  2. 管状部材の内面に金属薄膜がコーティングされていることを特徴とする請求項1記載のレーザエネルギー伝送用中空導波路。
  3. 金属薄膜が銀、金、モリブデンまたはニッケルの薄膜であることを特徴とする請求項2記載のレーザエネルギー伝送用中空導波路。
  4. 管状部材が石英からなる中空ガラス管、金属パイプ、非金属パイプまたはフッ素樹脂製パイプであることを特徴とする請求項1または2記載の中空導波路。
  5. スチレン樹脂50〜90重量%、ブタジエン樹脂50〜10重量%からなる可撓性を有したスチレンブタジエン共重合体からなる誘電体の溶液を、内面が鏡面となっている管状部材の内部に流動させて誘電体膜を被着した後、溶媒を飛散させて誘電体膜を析出させることを特徴とするレーザエネルギー伝送用中空導波路の製造方法。
  6. 銀イオン溶液と還元液とを管状部材の内面に流通させながら管状部材の内部で銀を析出させて銀膜を管状部材の内面にコーティングする工程と、スチレン樹脂50〜90重量%、ブタジエン樹脂50〜10重量%からなる可撓性を有したスチレンブタジエン共重合体からなる誘電体の溶液を管状部材の内部に流動させて銀膜上に誘電体膜を被着した後、溶媒を飛散させて誘電体膜を析出させることを特徴とするレーザエネルギー伝送用中空導波路の製造方法。
JP2004319960A 2004-11-04 2004-11-04 レーザエネルギー伝送用中空導波路及びその製造方法 Expired - Fee Related JP3914228B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004319960A JP3914228B2 (ja) 2004-11-04 2004-11-04 レーザエネルギー伝送用中空導波路及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2004319960A JP3914228B2 (ja) 2004-11-04 2004-11-04 レーザエネルギー伝送用中空導波路及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006133337A JP2006133337A (ja) 2006-05-25
JP3914228B2 true JP3914228B2 (ja) 2007-05-16

Family

ID=36726963

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2004319960A Expired - Fee Related JP3914228B2 (ja) 2004-11-04 2004-11-04 レーザエネルギー伝送用中空導波路及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3914228B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102354021A (zh) * 2011-09-29 2012-02-15 武汉鑫光年光电技术有限公司 一种空心太阳光传输光纤

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2784387C (en) * 2009-12-18 2016-10-04 Dow Global Technologies Llc Plastic optical fiber comprising cyclic block copolymer
JP5570960B2 (ja) * 2010-12-13 2014-08-13 株式会社モリタ製作所 中空導波路、及びレーザ治療器具
US8503848B2 (en) 2011-01-27 2013-08-06 Hewlett-Packard Development Company, L.P. Waveguide arrays
CN110109223B (zh) * 2019-05-14 2024-04-26 深圳技术大学 一种基于导光板的激光无线能量传输系统

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102354021A (zh) * 2011-09-29 2012-02-15 武汉鑫光年光电技术有限公司 一种空心太阳光传输光纤

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006133337A (ja) 2006-05-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US8121452B2 (en) Method for fabricating a hollow fiber
CN105271689B (zh) 刻划脆性材料板的方法
JP3914228B2 (ja) レーザエネルギー伝送用中空導波路及びその製造方法
WO2006047316A2 (en) Fabrication of high air fraction photonic band gap fibers
WO1994029758A1 (fr) Materiau de base pour fibre optique plastique, sa production, et procede et appareil pour sa production
US9440879B2 (en) Graphene coated optic fibers
TW201140169A (en) Coated optical fibers and related apparatuses, links, and methods for providing optical attenuation
KR20100059874A (ko) 콜로이드 입자를 포함하는 복합 섬유를 얻기 위한 연속적인 방법 및 이렇게 얻어진 섬유
Hidai et al. Structural Changes in Silica Glass by Continuous‐Wave Laser Backside Irradiation
CN109641776B (zh) 玻璃物品的制造方法及玻璃物品
US20030068449A1 (en) Method of coating a shaped body made of polymer material
JP2006243306A (ja) アルミニウム中空光ファイバ
JP4657208B2 (ja) プラスチック光ファイバ及びその製造方法
US20050135763A1 (en) Optical fiber with a mechanically strippable coating and methods of making the same
JP2007072051A (ja) プラスチック光ファイバ被覆材表面へのマーク記録方法及び記録設備
JP2009198728A (ja) 中空ファイバ及びその製造方法
JP5712060B2 (ja) 光ファイバ素線の製造方法
JP4329081B2 (ja) 金属被覆光ファイバおよびその製造方法並びに光部品
JP6710966B2 (ja) 導電性基材および導電性基材の製造方法
JP2003226557A (ja) 被覆光ファイバ心線、コネクタ付被覆光ファイバ心線およびその製造方法
JP2003114344A (ja) 高強度中空ファイバ
JP2003315588A (ja) ガラス中空光ファイバの製造方法
US20110026876A1 (en) Nano/micro-patterned optical device and fabrication method thereof
JP4210156B2 (ja) 紫外光導光用光ファイバの製造方法
TW201608577A (zh) 透明導電膜的製程

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061006

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20061017

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20061213

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20070116

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20070201

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 3914228

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110209

Year of fee payment: 4

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160209

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees